○国務大臣(
佐々木義武君) 先般、マンスフィールド米国大使が米国の意向を外務省に正式に申し入れに来たことは御承知のとおりでございまして、その
内容は、今回米国がとらんとする
措置はこういうものであるということ、それから二番目としては、この問題はいまに始まった問題ではございませんので、この問題の発生以来日本がとってまいりました
措置、米国に協力してとってまいりました
措置に対して感謝の意を表して、そして三番目といたしましては、この一月に国連にアメリカは経済制裁の案を出したわけでございますけれども、御承知のようにソ連のビートーに会いましてこれは決議にならなかった、その否決された決議案を今度は断固として実行しますということ、したがってそれに対しては友好国はひとつ同調してもらいたいということ、従来なかったもう
一つの面は政治面でありまして、イランの大使を召還してもらいたい、同時に
情勢が熟してきたら国交断絶と——アメリカは断絶したわけでございますから、国交断絶に踏み切ってもらいたい、こういうのが
要望の主な
内容でございます。そこでわが国といたしましては、イランのいまの人質の問題は明らかに国際法
違反でもございますし、また国際社会の基本的な秩序を脅かす問題でもございますので、これを一日も早く解放するように努力するということは当然でございまして、それを願いつつ、また外交的な努力は惜しまないと、ヨーロッパの先進諸国、EC諸国も同じ立場でございます。同じ
要望を受けておるわけでございますから、ヨーロッパの諸国とも密接な緊密な連絡をとりましてこれに対処していこうというふうに、基本的にはもちろん態度を決めたわけでございますけれども、ちょうど時あたかもリスボンでECの外相評議会といいますか開かれまして、その結論によりますと、とにもかくにも人
質問題の解放が一番基本的な問題でございますから、テヘラン駐在のECの各大使あるいは日本の大使も加えてイランの大統領に正式に、いつ、どういう方法でイランの人質を解放するか明示してもらいたいということをまず公式に申し入れようじゃないかということで、幹事国イタリアでございますから、イタリアの駐日大使が正式に申し入れがございましたので、私ども関係閣僚会議をほとんど連日開いておりますので、その席で外務大臣から話がありまして、わが国も応じようということで訓令を出しまして、先日大統領にECの各外相とわが方の和田大使も加わりまして申し入れをいたしました。その結果は各大使がそれぞれ本国に帰国いたして、帰国の上、詳細に総理あるいは関係閣僚に伝えて、その上で今後の対応策を
考えようというのが基本的なヨーロッパ側の態度でありますし、また私どももそれに同調したわけでございますから、その態度を尊重いたしまして、実はきのうの夜に和田大使が帰国いたしました。ヨーロッパの各大使もその前日ころにそれぞれ本国に報告のために、召還というんじゃなくて報告のために帰国したわけでございますけれども、私どもは、夕べはスウェーデンの皇室をお呼びしておったわけでございまして、呼ばれておったわけでございますから、時間がどうしてもとれなくて、けさ九時から和田大使に来ていただきましていままで、総理、それから私、外務大臣がちょっと党の方の用事がございましてそっちへ行って出ませんでしたけれども、大蔵、経済企画庁、官房長官等で話をつぶさにちょうだいいたしました。話の途中でこちらの
委員会が始まるものですから、私と大蔵大臣はそのまま参議院、私はこっちの
委員会に参りまして、話の全部を聞いたわけじゃございませんけれども、その結論を踏んまえまして今後の対応策を
考えようということにただいましております。ヨーロッパの方は、その報告を基礎にいたしまして二十一日にECの外相会議をまた開いて、たしか二十六、七だと思いましたが、首脳者会談がヨーロッパでございます。それで対応策を決めるはずでございますけれども、それとの
関連を密接にいたしまして、それも見守りつつ今後の日本の対応策を決めたいというのが、ただいまのわが国の基本的な進め方でございまして、まだ対応策、見通しいかんという、ただいま御
質問でございましたけれども、これからの話でございまして、まだはっきり申し上げる
段階にはなっておりません。
それから、イラン石油化学に対する
方針いかんと、これは現在の
段階ではわが方といたしましては従来の基本
方針を維持してまいりたいという態度でございます。