○
政府委員(
左近友三郎君) 御
指摘のとおり、中小
企業の倒産が増加をしております。それでその
内容は、いま御
指摘のように放漫経営によるものというのが、販売不振というのが一番原因の中で多いわけでございます。それに次いで放漫経営というものが多いということになっております。ただ、放漫経営と申しましても、何と申しますかむちゃくちゃな経営をやったというようなことは非常に少ないと思うのでございまして、実は実態は第一次
石油危機後の不況、円高というふうな、非常に中小
企業の苦しい時代がございました。その時代にいろんな原因から非常に経営が困難になっている、しかし、その経営の困難を何とか持たしてきたけれ
ども、とうとう耐えきれなくなった、そして倒産に至るというふうなことが非常に多いというふうに
考えております。したがいまして、こういうふうな過去の傷を倒産に至るまでに何とかいやしていくということが倒産対策の大きな要因になろうかと思います。そしてまたもう
一つ、中小
企業の倒産に多いケースは、いわゆる連鎖倒産ということでございまして、取引先の
企業、これは大
企業の場合も相当あるわけでございますが、これが経営が破綻をいたしまして倒産をいたしますと、それに大きく債権を持っているような中小
企業がたちまち連鎖倒産をするというふうなことがございます。したがいまして、われわれといたしましては、
一つは中小
企業が倒産に至るまでにいろいろ相談に乗って、それに対する適切な対策をアドバイスするというふうな施策を本年から講じておりまして、全国の主要商工
会議所、七十四カ所でございますが、そこに特別の倒産防止の特別相談室というものを設けまして、その地域地域のいわゆる名望家がそれに対する相談に当たるというようなことで、倒産をなるべく事前に回避しようというような相談に当たっておるという
制度をやっておりまして、五十五年度もそれをもっと拡大をしていきたいというふうに
考えております。それからまた、連鎖倒産の防止に関しましては、
一つは倒産対策緊急融資
制度というのを従来から
実施しておりまして、連鎖倒産になりそうな場合には、
政府系金融機関が緊急の融資をするということがございます。それからまた、一昨年の四月から開始しております倒産防止共済
制度というのがございまして、一定の掛金を積み立てておいて、いざ手形が不渡りが出たら積立金の十倍まで無担保無保証で貸し付けるというふうな
制度もございます。こういう
制度を活用いたしまして、倒産を未然に防止していきたいということを努力をしておるわけでございます。
それから、もう
一つの御
質問の、産地対策、地場
産業振興対策でございますが、地場
産業と申しますのは、大きく申しますと、産地を形成をしております
産業と、それからまだ産地を形成するに至らない、いわば地場の伝統
産業、その他新しく発生した
産業というのがございます。で、この産地を形成しております
企業につきましては、産地対策の臨時措置法によりまして産地を指定をいたしまして、それについて国が援助しながら産地の今後の活路を開拓するという政策が、五十四年度からすでに出発をしておるわけでございまして、来年度はこの指定の産地もふやしてますますこの政策を拡大していきたいというふうに
考えております。
一方、産地を形成するに至らないようないわゆる地場
産業につきましては、来年度予算から、まずとりあえずは、この産地の振興を図るためにどういうふうにやったらいいかという実態
調査をいたそうということを
考えております。地場
産業の実態はやはり地方自治体、ことに都道府県、市町村が非常によく御存じの模様でございますし、またそこがやはり政策の
中心にならなくてはいけないと思いますので、府県がそういう
調査をしていただきまして、それに対する対策につきましても府県を
中心にお
考えを願う、それに対してわれわれが
資金面あるいはいろいろな政策面で援助をしていくということで持ってまいりたいということを
考えておりまして、来年度予算には三億円の経費を計上いたしておりますが、今後そういう実態をつかまえた上で、地方の実態に即したそれぞれ特性のある地場
産業の振興策を推進していきたいというふうに
考えておるわけでございます。