○坂倉藤吾君 杉山さんね、なかなか聞いてますと、きれいにすっと流れているんですよ、言葉はね。しかし、現在配置ができるのに充足をしていない、そこら辺の理由というのも私はもっと早く結論を出すべきだと思うんです。現在営農相談員の手当というのは大体幾らになっていますか。多い人で九万円程度じゃありませんか。七万から九万でしょう。したがって、それでは営農相談の役割りが果たせないということで、特に少数点在の多い県につきましては、県がそれに上乗せしているのが実情でしょう。これが島根だとか広島だとか、出ているはずですよ。そこでは一カ月が大体十六万か十七万ぐらいになるようにしないと
本当の相談の役割りが果たせないんじゃないのか、相当遠方まで出かけなきゃならぬ、こういう
状況ですよね。
先ほど改良普及員
制度もあるし、それは総体の関係の中でその中へ入り込むんだからいいじゃないか、あるいはまた団体があるからいいじゃないか、団体の
指導もあるんだしと、こういう話なんですが、
実態はそうなっていない、そこに問題点があるわけなんですよ。これはもう五十三年のときも私、
指摘をしましたがね、改良普及員の中で同和地区に自分から進んで行ってそこで相談しよう、こういう姿勢というのはなかなか教育をしておりましてもむずかしいんです。またそこへ入りますと、農業だけの問題じゃなくて、あらゆる生活の問題の相談の場になるんです、
現実問題としては。そういう対応ですから、なるべくそこで専門的にそれらの相談を受けつつ、中心をいわゆる営農相談に置けるような人を育ててもらいたい、配置をしてもらいたいという
立場でお願いをしたはずであります。そのことが
具体的には実践をされていないんですね、残念ながら。
いま営農相談員の一人当たり受け持つ農家数というのは九百六十三戸、単純
平均しますとね。さらにまた、一般も含めた改良普及員の同和対策の戸数に割ったものが二百六十戸、これでは私は
制度が生かされていないというふうに断言をせざるを得ないんです。しかも団体のと言いましたね、団体の場合でも、じゃあ団体の中に素直にそういう相談のできるような、そこまで民主化をされておるんだろうかというふうに考えますと、そこにも問題があるんです。詳しくは言いません。ですから、そういう
状況の中でこの
制度を充実をさしていく、しかも農水省の方針に従って日本が諸外国と太刀打ちのできるような農業
政策、そのためには農業基盤をどう充実をさせるのか、そこに今日日本の農家の一番特色の問題としては、持っている耕地面積が非常に狭い。だからこれを広げていかなきゃならぬ。そのためには委託農の問題その他も含めまして、
具体的にそれを実施をしていく人がそこで生活をしていく基盤というものをなるべく広げようとして努力をされている、これが農水省の姿だと思うんですよ、
現実問題。
そういう
立場からいきますと、いまそういう観点からいきましても、この同和地区におきますいわゆる営農の姿というのは全然変化がない、他の職業とのかかわりで切り捨てなら切り捨てで、これは総体的な問題ですよ、きちっと生活の経済性を脅かされないで基盤が確立をしていくというなら、私はそれも
政策の
一つだろうと思うんです。そういう相談も大いにやるべきだと思うんですね。ただ単に、現に農家であるから農業だけでという方式ではない、あるいは共同して生活基盤が持たれるのかどうか、こうしたところまで掘り下げて相談のできる
具体的な活動家というものを育てていかなきゃならぬのじゃないんでしょうか。そういう
意味からいきますときわめて問題がある。しかもこれからさらに、出発をしたばかりだから、年次が浅いからまだ定員すらも満杯にようし切れない
段階だと、こうは言いますけれ
ども、しかし、少なくとも待遇の問題その他を改善をしていくとするならば、私はもっとそこに骨身を埋めようか、そういう
制度の中へおれは入り込もうかという人はたくさんおると思うんですよ。中途半端な
状況だから、相談の任務を負わされて、そうしてなかなかその任務が果たし得ない。そして片方では生活のための補充的なものを取りつけなきゃならぬということになりますから、いろいろと問題が発生をして、現に任命がむずかしい、こういう
状況になっている。しかし姿勢の問題としては、五十五年度
予算ではその増員すら実は
予算計上されてない。こうなってきますと、せっかく農水省がやろうとされておる
制度自体が死んでしまうんじゃないのかというふうにしか考えられないです。この辺はひとつきちっと私は前向きでやってもらいたいと思うし、総理府、小島さんお見えになっていますから、ぜひひとつその辺も、農水省との話の中は、総理府の考え方で農水省に押しつけるのじゃなくて、十分に聞いて、私はこれからの農水省から出てくる問題に対処してもらいたいし、大蔵省が頑強ならば一緒に大蔵省を説得に回ってもらいたい、
実態に合うようにしてもらいたい、こういうふうに思うんですが、この辺のひとつ決意なり何なり聞いておきたい、こう思うんです。