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竹本分科員 これも御
説明はわかりますが、やはりインフレ
対策というのは、先ほ
ども長官からお話がありましたように、一番大きな問題は心理学的な問題なんですね。でありますから、その気持ちを抑えるだけの目に見えた目玉がないと、いまの御
説明で個条書きを並べると
幾らでもあると思うのです。しかしながら国民が、あれがあるからそんなにインフレにならないだろう、あれをやってもらうならばならないだろうというはっきりした期待が持てるような、要するに目玉というものが要るのではないか。項目をたくさん並べるということは気のきいた
対策がないということになるのでして、そういう点で後でも申しますけれ
ども、やはり目玉をつくっていただきたい。インフレ
対策の目玉
政策は何かということをもう少し詰めて
考えていただいた方がいいのではないか、こういうふうに思います。これも要望しておきます。
次に、これは問題がちょっと飛びますけれ
ども、園田さんがいま外国を回っておられる。私はその
努力に非常に敬意を払っております。そしてまた、あの着想は非常によかったと思うのですけれ
ども、何と申しましても、世界じゅうがいまアラブ、中東の油に振り回されておる。それがいわゆる政治インフレでしょう。あるいは政治インフレの最たるものでしょう。
経済外的というか、とにかくそういう政治的な要因によって世界じゅうが振り回され、世界のインフレが引き起こされる、そういうことになる点を非常に心配するのです。
ちょっと私、いまはっきり記憶しませんけれ
ども、計画とか統制とか——統制という言葉はおきらいな方も多いのですが、計画化でもいいですよ。計画化をするあるいは
経済の計画的運営をやるという場合には、常に
三つの条件が必要であるということを言った学者がおるのですね。それは何かといいますと、
一つは、一元的なものでなければならぬ。ワンマンコントロールといいますか、とにかく
一つのところから全体の計画を立てなければ、計画の主体が
三つも四つもあったら
意味をなさないのですから、一元的でなければならぬ。第二番目の条件は、全面的でなければならぬ。要するに、
一つの商品をやっても、
関係の隣の商品が勝手に動けば
意味がないのですから、また
一つの国が
幾ら努力をしてみても、よその国が勝手にインフレをやればやはり波及しますから、全面的でなければならぬ。第三の条件は、バラエティーがなければいかぬ。多様化して、それぞれの条件に合った、特殊事情に合ったものでなければいかぬ。一元的であることと、全面的であることと、多様性を持つこと、こういうことを言った学者があるのをちょっと思い出すのですけれ
ども、そういう
意味で一番大事なことは、一と二に
関係をしますが、これから先は世界的規模における計画化というか、そういうものを
考えなければ
意味をなさぬと思うのですね。
そこで、私がいま申しました油に振り回されておる世界の
経済ということを
考えますと、その問題について本気で
考えなければ、あるいはその
対策が確立されるのでなければ、サミットを
幾らやっても何にもならぬと思うのですね。そういう
意味から言えば、これから日本の閣議等でもひとつ取り上げて
考えてもらいたいのだけれ
ども、サミットなんかも、七カ国か五カ国か知りませんが、そういう
消費国だけが集まってみても
生産国の方は一応別に勝手に動いておる、あるいは資本主義国だけが要領よく動いても、社会主義諸国はまた分裂行進曲で勝手に動いている。そういう計画の中心が幾つもあるようなものは本当の計画にならぬし、計画的
努力にならない。いまわれわれに直接
関係のある油の問題についても、そういう
意味で世界的規模における、特に
消費国だけでなく
生産国も含めた
世界経済なりあるいは油の
需給の
調整ということを
考えなければ
意味がないのではないか。園田さんの特使としての役割りもその一部分を担うわけでしょうけれ
ども、サミットもまた行われることでございますから、そういう世界的規模における計画化あるいは計画的
努力、
調整ということを
考えなければ
意味をなさぬという点について、いかがでございますか。