○正
森委員 刑事
局長が言われましたように、刑法の
一般論としては私が言ったことは十分成立するわけであります。
そこで、資料を見ますと、日税連の幹部たちは傍若無人にこう言っておるのです。四元というのは、「五月段階で、政府案がまとまり、共産党を除く各党との調整もできていた。(それを通すために献金したというのは)釣り上げた魚にエサをやるようなものだ。もし、法案を通すなら、参議院議員にも献金しなければならないところだが、それをしていない」こう言っておるのです。つまりこの人物は
国会議員を魚にたとえて、つれた魚とつれない魚、こういう失礼なことを言うており、
自分らのが賄賂でない一つの大きな証拠として、法案について決まってしまった段階の後だ、その前ならともかくとか、あるいは衆議院議員だけで参議院議員にはやっていないからというのを大きな論拠にしているのです。
ところが、実際はそれとは違うということがわれわれの
調査で明らかになってまいりました。一部の
新聞ではすでに、小渕さん、ここに大臣として出てきておられますが、あるいは山下元利さん、こういう方々が、まだ法案として決まる前にそれぞれの
政治団体に金品を受領しておられるということは
報道されておるところであります。このときに恐らく税理士法案よろしくという陳情をお受けになったと私は思いますが、それはさておき、われわれの
調査しただけでも次のようなことが明らかになっております。
五十四年の一月十一日に、衆議院議員の村山達雄氏、これは税制議員懇話会のその後間もなく代表世話人になられ、当時は税理士問題特別
委員でありました。この方と津島雄二さん、これは税理士問題特別
委員であり、それだけでなしに四人しかいない起草
委員の一名であります。この二人の方が千代田区永田町二−七−十三、料亭瓢亭で、夜、日税連の山本義雄、四元正憲両氏等と懇談をして、法案について請願陳情を受けて、よろしい、こういうことを言っておられます。それだけではありません。お帰りにこれらの人物からお車代として三十万円ないし五十万円の提供を受けております。
同じく五十四年一月二十四日、前記瓢亭で参議院議員の鳩山威
一郎氏、自民党税制議員懇話会の代表世話人であります。財務
委員でもあります。藤井裕久氏、これは税制議員懇話会の常任世話人であり、税理士問題小
委員会の同じく起草
委員であります。この参議院議員の二人の方に、瓢亭で懇談をし、請願をし、同様にお車代が提供された疑いがあります。
それだけではありません。一月二十五日、今度は元赤坂一−五−二十、料亭文杢で衆議院議員高鳥修氏、綿貫民輔氏、これはいずれも大蔵
委員会の
理事であります。これらの人に対して同じように山本義雄、四元正憲氏が接待し、請願陳情を行っております。このときにもお車代が渡された疑惑があります。
私は単にこれを推測で言っているのではありません。傍若無人に日税連の機関紙の中に書いてあるわけであります。二月一日の日税連の機関紙を見ますと、「村山・津島両議員と懇談」、「一月十一日午後六時三十分から都内において、」こういうことで陳情を行った。料理屋で陳情を受けている写真まで出ているのです。傍若無人じゃないですか。次に三月一日の「
日本税政連」を見ますと、「鳩山、藤井氏らと懇談」ということで、一月二十四日には鳩山、藤井両氏、二十五日には高鳥修、綿貫民輔両氏とそれぞれ陳情で懇談した、こう書いてある。刑法の解釈から言えば当然これは贈収賄であります。しかも、それを恥ずかしげもなく機関紙で書いておる。これが法案買収でなくて何ですか。
しかも、それだけではありません。
日本税理士連合会は議事録を残しておりますが、きょう一部の
新聞にも
報道されましたが、この議事録の中でもいろいろ工作をしたということが全部書いてあるのです。
五十三年九月二十二日の
理事会の議事録によるとこう書いてある。「この法対策特別資金はあくまでも税理士法改正のために充てられるものであるから、特定の立候補者支援のため、その所属政党に寄附する資金を組合費として徴収することは違反であるとする最高裁判例(昭五〇・一一・二八)とはその趣旨が異なり何等問題はない、」とこう言っているのです。ばれたらその政党のためにあるいはその
政治家の今後のためにやったんだということを言っているのに、それよりずっと前の、問題になる前では、そうじゃないんだ、これは税理士法改正のための金だ、こういうように堂々と言っているのです。これで趣旨は非常にはっきりしているじゃないですか。また、三月四日の
理事会の議事録によると、四元専務
理事から、「カサ上げの問題については小渕
委員長を中心とする四名の起草
委員に対し、最後の最後まで要望していきたい、」つまり起草
委員に対してはかさ上げという特定、具体的なことを要求する、こういうことを議事録ではっきりと言っておる。あるいは五月十日の常任
理事会の議事録を見ると、山本会長は「今次の法改正に際しては与野党を問わず多くの
国会議員の方々から手厚い協力を頂いており、さらに本会のため身命を賭して活動願っている議員も相当数にのぼっている、問題はこの協力に対してどう報いるかにある、」「可能な限り有効に且つ必要最小限の資金をもって賄うよう充分配意したい、」何です、これは。堂々と議事録の中で金の趣旨を言い、命がけでやってもらう人に報いたい、こう言っており、そして金品を受領した場所の料理屋の写真まで載せておる。
こんな傍若無人の法案買収がいままでにありましたか。検察庁、これに対してあなた方は十分に
捜査をして
国民の疑惑を解くというようにはぜひしていただきたいと思います。
その点で法務大臣にお願いしたい。あなたは就任されたときに、ロッキード
事件について私の懇意な人だから青天白日の身になられることを希望する、こう言って問題になったことは御承知のとおりであります。いま私が名前を挙げた何人かの人は全部与党の議員であります。恐らく懇意な方でありましょう。懇意な方だから青天白日の身を願うというようなことで、検察庁法に基づく指揮権発動をして検察庁の士気を失わしめる、こういうことは絶対にないでしょうね。