○角屋
委員 西欧諸国の
農地制度という場合は、フランスであれ、イギリスあるいは西ドイツであれ、オランダその他であれ、それぞれの国の置かれておる風土、政治、経済
条件というものがありますから、それが直ちに日本にそのまま導入できる問題というふうにはならないと思います。しかし、いずれにしても、フランスの場合で言えば、SAFERが先買い権を持って巨大な経営をやっておる者の
農地取得をコントロールしながら、後継者へ意欲的にそれを渡していくというふうな政策誘導をとっておったり、あるいはまた、西ドイツの場合においては、
農地整備法という形の中で、
わが国の
土地改良法あるいは
農地法あるいは農林省等がやっておる環境
整備法等の
法律に基づかない諸
事業というたようなものを、
農地整備法という形の中で総合的に取り上げて構造政策を
推進するといったようなことをやっておる点は、これはやはりこれからの政策
推進に当たっては、とるべき点は積極的に取り入れて総合的な
施策の
推進に遺憾のないようにしていくことが必要であるというふうに思っておるわけであります。前回の際には西欧諸国の
農地制度の
関連で相当触れましたけれども、この点は私の場合この程度にとどめたいと思います。
そこで、今回出されております三
法律案の関係では、
農用地利用増進法案というのが形としては新しい
法律案として出されておるわけであります。この問題に入ってまいりたいと考えます。
言うまでもなく、これは
農業振興地域の
整備に関する
法律案がいわゆる農林関係の領土宣言として生まれる、そして領土宣言として生まれて以降、農振
地域及び
農用地区域の指定あるいは線引き等そういうものが行われ、五十年にはこういった
農業振興地域の
農用地区域について
農用地利用増進事業が発足したわけでございます。私どもは、五十年の
農用地利用増進事業が発足するに際しては、四党
提案の中心者として芳賀
委員が数項目にわたる修正を
提案をして、そして附帯決議を付して処理をした経緯がございます。いわば
農地法のバイパスとして、なかなか進捗しない構造政策について、当面こういう手法で道をあけることも有効であろうという期待に基づいたものであります。基本的に論議をすれば、いろいろ議論をすべき問題がございます。たとえば耕作権の安定問題、あるいはまた
小作料問題等々、
内容に入ればいろいろ議論すべき問題はございまするけれども、しかし、構造政策のバイパスとして、いろいろ難航しておる、いろいろな手法がなかなか進まない、この点については外的、内的
条件をさきに触れましたから触れませんけれども、そういうことでこのスタートを認めようということにしたわけであります。
今回は、この五十年
改正をさらに
発展をさせて、新法として
農用地利用増進法案として
提案をしてまいりまして、
大臣並びに
局長から
提案の
理由の
説明もございました。
そこで、まずこの新法について若干お伺いをしたいわけでありますけれども、こういう
法律案を立てる場合には、政府
提案のように、
市町村の
実施方針なりあるいはまた
市町村の
農用地利用増進計画といったようなものに基づいて、村の発想、村におけるプランニング、村における
実施というふうな形を基本にやろうとする考え方も
一つの行き方でありましょうけれども、また、国がこういった
農用地利用増進に対する基本的な考え方を明らかにする、
市町村を包括しておる県自身がこれを受けて、県全体の考え方を、どうやるかについて大綱的な考え方を明らかにする、それを受けて
市町村は
市町村の実態に基づいて
市町村のプランニングをするという、そういう
法律の立て方もあるわけであります。今回のようなこういう
法律の立て方というのは、構造政策というのはなかなかむずかしい、この際、ひとつ
市町村の創意工夫、
市町村のローカルカラーに基づいたところに基本的には任そう、ある意味では、地方自治体の県もあるいは国も歩下がって、
援助というところでやりやすいようにしようという形をとっておるわけであります。一部批判をすれば、これは責任回避ではないかという議論も成り立つわけであります。こういった法の立て方の問題について、今回のような手法をとられる、新法をやられる場合にそれをとられる。しかも、
市町村が
実施方針等を立てる場合には省令の定むるところによりという形で、この省令の中身というものが明らかにされない。これはこの
実施方針、
実施計画を立てる場合に、いずれも農林省令の定むるところによりということになっておるわけでありますが、これらを含めて、
法律の立て方あるいはここで言う省令等の問題の考え方はどうかという点について御
説明を願いたい。