○岩垂委員 本
会議前に私ともう一人の議員が質問をすることになっておりまして、本
会議が少し早まったようでございますので、私は少しはしょって、次に質問を続けたいと思うのです。
ちょっと長くなりますが、きのうの私の地元の神奈川新聞という新聞に、「ニュースの断面」という記事がございまして、「
行政改革の波」というテーマで書いてある文章がございます。これは
長官にも聞いてほしいのですが、厚生省にもお越しをいただいていますから、御
答弁をいただきたいと思うのです。
広大な緑に恵まれ、年間百二十万人の利用者
を呼ぶ横浜市緑区奈良町の「こ
どもの国」が、に
わかに騒然としている。火種は大平
内閣いうと
ころの
行政改革。
特殊法人統廃合の第一弾とし
て「こ
どもの国」に〃白羽の矢〃を立て、今国
会に国の
特殊法人」から「社会福祉
法人」に切り
替える法案を提案。これに対して職員や地元住
民らが「移管の理由がない」「
行政改革のトップに子供の施設を挙げるのは心外」——などと猛反発。ビラまきや署名運動、
国会陳情など盛んな
反対運動を繰り広げている。折しも今週から、
参院先議で
国会の法案審議が始まるが、その成
り行き次第では、ひと波乱もふた波乱も招きそ
うな雲行き。
行政改革の大前提は、国の浪費の節約。その辺、こ
どもの国はどうなのか。「いやー、税金のムダ遣いなど一銭もありませんよ」と証言するのは加藤清・庶務係長。
飛ばしますが、
こ
どもの国は四十年に開園以来、全く独立採算で
運営。年間一億円ほどの国の予算措置は、プールやスケート場などの施設整備費で「それこそヒモ付きの金、人件費などに転用できる性質のものじゃない」という。しかも「高級官僚の渡り鳥もいなければ、天下り
理事三人の手当は一人年額六万円ぐらい。ここの
特殊法人を廃止したからといって、どれだけ節減になるんでし
ょうかねえ」と首をかしげる。
そして反発の理由。加藤さんは「一例として税金の問題がある。これまでは
特殊法人として、全く課税がなかったわけだが、
民間の
法人になることで負担は必至。現在でも収支トントンの経営状態なのだから、どこかにシワ寄せが行く。利用料の値上げや、われわれ職員の雇用不安にもかかわってくるわけです」と話す。
一方、利用者の地元住民。「
行政改革の矢面に子供の施設を立たせるなんて、もってのほか」と前置き、自然保護の立場から問題を投げかけるのが「田奈の自然を守る会」代表、音田幸一さん。こ
どもの国は野鳥や野草などに恵まれた、約百万平方メートルの広大な自然公園。開発著しい緑区にあって、貴重な自然の宝庫でもある。
国の保護が弱まった途端、いつ、営利目的の機械遊具が導入され、それこそ、“〇〇ランド”といった遊園地になってしまうか、保障の限りじゃない。むしろ、こうした施設は国がどんどん金を出し、発展させる必要こそあれ、
行政改革のイの一番に据えるなどとんでもない話」と、
音田さん。
というふうに実は記事が載せられています。
そこで伺いたいのですが、こ
どもの国の施設というのは言うまでもなく、国有地です。これは弾薬庫だったのです。九十二万平方メートルという広大な公園の園域、そして実はそれに隣接をして軍が使っておりました鉄道がありまして、その鉄道の引き込み線の軌道敷、さらには診療所がございましたけれ
ども、その跡に苗圃用地等、いずれも国の現物出資であります。
国有地がなぜこのような形で利用できたかといえば、皇太子御成婚、その記念
事業だということもありましたけれ
ども、
管理主体が厚生省であったということに理由があったことは、これはもう御存じのとおりでございます。その後
昭和四十一年以来、こ
どもの国協会法、これは
法律によって
設立された
特殊法人、こ
どもの国協会が厚生省の直接の
監督のもとで
運営されてきたわけです。このような国有地の利用が認められた経過や
設立の
趣旨から考えて、国の
特殊法人を簡単に社会福祉
法人に切りかえることは、私はどうも不当ではないか、こんなふうに思うのですが、厚生省、その点はどのようにお考えですか。