○
田中参考人 お答えいたします。
私
ども、
視聴者の参加
番組というものにつきましては、
番組の形式としてもできるだけ積極的に取り組んでいきたいということでここ数年やってきたわけでございます。これは全国向けの
放送ばかりではなくて、ローカルでも特に力を入れていきたいというふうに
考えておるわけでございます。
この
視聴者の参加
番組を若干分類いたしますと、
番組の
制作を公開いたしまして、そこに
視聴者の方々が
番組の
制作の進行などにも参加していただけるような
番組、たとえば「のど自慢」だとか、そういったものもございます。それから、
視聴者の方からのお便りだとか作品などをいろいろ紹介する
番組、それからいま先生がおっしゃった、一番のポイントだと思いますが、
視聴者の皆さん方の
意見を紹介するような
番組、それから
視聴者が直接出演するような
番組というふうに幾つかに分けられますけれ
ども、私
どもこういった分類の中でここ数年ふやしてまいりまして、ここ四
年間で一週間に大体五本から六本ぐらいふえてきているというふうに思っております。中でも
先ほど先生が御指摘の
視聴者の
意見を紹介する
番組といたしましては、ラジオの「私たちのことば」というようなことで、投書をしていただいた方の御
意見を紹介しております。それからローカルの
番組の中には、
先ほど御指摘のテレビ投書欄というような
番組がそれぞれの地方にたくさんございまして、これは
視聴者の皆さん方から投書いただいたことをもとにいろいろ
番組を構成し、たとえば、こういうぐあいの悪いことがあったのがよくなったというようなことを紹介している
番組でございます。こういったことで、今後とも私
ども全中、ローカルともにこういった
視聴者参加
番組というものを力を入れてやっていきたいと思っております。
それから、第二点の「あなたのスタジオ」、これは
昭和五十年から五十三年まで約三十回
実施いたしました。これはヨーロッパとかアメリカで当時盛んでありました。パブリックアクセス
番組というところを見ながらつくったものでございまして、
視聴者のグループの方の中から
番組の企画なり
制作に参加していただくという形で約三十回つくってまいりました。当初は作品の
内容も
番組の
内容も非常にユニークなものもございましたし、あれでございましたけれ
ども、私
どもの反省といたしましては、一方的な主張の展開、論理の展開がどうしても目立つようなことになりがちでございまして、その辺の
整理が十分でなかったというようなこと、それから、日本人の受けとめ方といたしまして、
他人の主張に対して十分な受け答えのあれがないとか、あるいは議論が下手だったというようなことの反省点がございまして、一応この
番組を五十三年で打ち切りまして、それで、しばらくこういった
番組については
整理をしてからもう一回出直そうじゃないかということで、現在部内的にはいろいろ検討を加えているところでございます。
ちなみに欧米におきましても、現在はイギリスのBBCの「オープンドア」というのが
一つ残っているだけでございまして、こういった実際に
視聴者の方々が参加してみずからつくるという
番組につきましては、なかなか問題点も多いようでございますけれ
ども、こういった点については十分
整理してまた出直してみたいという形を
考えております。
なお、
先ほど言いました地方の三十分の
番組などにはこれに近いような
番組がいろいろ出ております。たとえば「私も一言あなたも一言」とか「郷土史を一緒に歩こう」、郷土を歩いていろいろ勉強するとかいうようなこともやっておりますので、これに近いものはある
程度地方では定着しつつあると私
ども考えております。