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有吉参考人 ただいまの第一点の反省の問題でございますけれども、私どもは
石炭業界でございますので、終始、
国内にある唯一の
資源、これをこういうふうにつぶしていいのかということで来たわけでございまして、反省と申しますれば、力が足りなかったということを反省をしておるというのが
実情でございます。私は、むしろユーザーさんが
石炭から油にどんどんかわられたという、これについての反省というものも必要かと思うのであります。これは国を挙げて反省すべきじゃないか、
政策の貧困である、こういうふうに私は思っておるわけでございます。
エネルギー政策がない、その辺を反省すべきである、こういうふうに思っております。
私どもは七百からあった炭鉱をどんどんつぶしまして、現在は二十七になってしまっております。私の友人に、学校を出てずっと
石炭に携わり、
石炭化学をやってきた大学の教授がおるのでありますが、私どもが炭鉱をどんどんつぶしておりました三十七、八年のころ、
アメリカを回って帰ってまいりまして私のところに寄りまして、
アメリカではいま
石炭液化に取り組んでおる、それからメジャーが盛んに
石炭鉱区を買収しているんだ、
日本はどういうことだ、こういうふうな話をしていったことがありますが、まさにそういうふうな
世界の情報と申しますか、全然そういう
見通しがないというその辺をもう一遍みんなで反省すべきではないか、私はこういう気持ちを持っておる次第でございます。ですから、いまここに来てもう一遍ひとつ本腰入れて考えていただきたい、これは関連をした
お願いでございます。
それから、
石炭の将来をどう見ているか、こういうことでございますが、御
承知のように、化石
燃料といたしましては、油に比べればもう圧倒的に多いのでございます。一九七八年に発表されました
世界の
石炭埋蔵量は十兆トンというのが大体通り相場になっておりまして、経済的に可能である可採炭量というものは六千億トンぐらいである、こういうふうに言われておるのであります。その十兆トンの中にお隣の中国が幾ら入っておるかといいますと、一兆トンという数字で入っておるのであります。ところが、昨年発表されました、この出所を私ちょっと忘れたのでございますが、最新のなにによりますと、中国側が出しております数字は、中国だけで十兆トンである。十倍であります。七八年では中国だけで可採炭量一千億トンと出しておるのでありますが、昨年出されました数字は二千億トン、こういうふうになっておりまして、私は、
資源のリザーブという点から申しますと、
石炭というものは非常に頼りになるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
それから、
日本の最近の
計画におきましても、一九九〇年、いまから十年先ぐらいには、
一般炭を五千万トン見当
海外から
輸入するというような形になっておりますし、二〇〇〇年におきましては、八千万トン以上の
石炭をと、こういうふうな
考え方が示されておりますが、私は、三千万トンとかその辺ぐらいまでは灰捨ての問題とか、
環境、
立地問題は何とか克服できるのではないか、こう思っておりますけれども、やはり
石炭をクリーンなものにして使うということを考えなければならぬわけでございますが、
石炭液化にいたしましても、
石炭をガス化いたしまして、それからメタノールをつくって持ってきたらどうか、こういうふうな
計画にいたしましても、いずれもクリーン化の方法でございますが、大分先のことのような
考え方を一般にされておりますけれども、私はそんなに先ではないという気持ちを持っておるわけでございます。
いま
アメリカでやっております、私どもも
協力しようとしておりますSRCIIにいたしましても、六千トンのプラントが八三年いっぱいにでき上がりまして、八四年からそのモジュールプラントを動かす、こうなっておりますので、それがうまくいけば、それを五系列並べればこれが商業プラントになるわけでございますし、八〇年代の後半とか九〇年代になりますと、液化油とかガス化から出た
燃料とか、こういう形で相当持ってこれるんじゃないか。しかも、油がこういうふうに、いますでにバレル三十何ドルでございます、こういう形になってまいりますと、そういうことをますます経済的にも可能にする、私はこういうふうに考えておる次第でございます。
なお、
国内炭の問題でございますけれども、
国内炭が高い、高い、これもいままでのなにでございますが、油が上がってまいりますと、外国炭も、いずれにしてもこれは
燃料でございますので、やはり
需給の関係からいいますと油につれまして高くならざるを得ない。現に
一般炭のごときはすでに
国内炭と余り値差がないというようなところまで来ておりますし、私はいつも言うのでありますが、将来、十年先に四千万トンとか五千万トンというものを
輸入するという
計画を考えますときに、
国内にあります二千万トンというものを仮に全部
エネルギーとして使ったら、これは相当のウエートを占めるのじゃないかと考えておるわけでございます。
それからもう
一つは、
国内炭は高い、高いという考えが皆さんの頭にこびりついておるわけでございますけれども、私どもと同じように深い坑内の
石炭を掘っておりますイギリスとかドイツとかフランス、こういうところの
国内炭の値段と私どもの
国内炭の値段はどうなっておるか、この辺を調べてみますと、為替レートの問題もございましょうが、円換算いたしますと、イギリス、ドイツ、フランス、いずれも
日本の
国内炭よりも高いのです。こういうふうなことでございますので、広く
海外の
石炭もあわせて
石炭というものを考えていくと同時に、ひとつ
国内炭というものをもう一遍本気で評価していただきたい、こういうふうに考える次第でございます。