○多田
委員 御答弁の短い
大臣に大変長い御答弁をいただいて、
大臣の決意の一端は私はわかりますけれ
ども、しかし、それだけでは目標を達成できるあかしにはならないのじゃないかというふうに私は思うのです。
それから、
大臣はいま、それは目標ですから若干達成に違いがあるだろうとおっしゃいましたけれ
ども、大きな目標を立てれば立てるほど
予算がそれに付随していくのですね。その
予算の消化はどこかと言いますと、この間
政府から何人も来てもらって調べたのだけれ
ども、
代替エネルギーでも何でも、海外での研究、ほとんど大きなメーカー、商社あるいは企業、そこに出している研究費ですよ。
代替エネルギーを見たらまずまず大変な金をそういう企業に出しているわけです。だから何でも大きければよかろうというのではなくて、大きくすると
予算がついていく、その
予算がどこへ流れていくのか、こういう問題がありますので、私は何も目標を大きく決めたからいいというふうには思いません。
私がなぜ疑問を持つかと言えば、
一つ一つ厳密に
検討したら非常に不安定だと私は思うのですよ。大体
原子力だって稼働率は一体どうなのかとか、それから先ほど
原子力に反対する者をまるで異端者のような発言をなさっていましたけれ
ども、それがいまの社会的な事情なのですよ。ソ連がどうあるか、フランスがどうあるかと言われるならば、北欧でもって
原子力発電所をつくるかどうかでもって時の内閣が倒れた
経験さえつい二、三年前にあるのです。だから私は、そういうものが
一つの大きな障害になっているということは、皆さんの立場から言えばわかるけれ
ども、そういうものを無視できない。無視できないからまた電源
開発でもって大変な
予算を組まれたわけだけれ
ども、
一つ一つ検討していったら大変不安定な
内容だと私は思うのです。
それから、目標の達成について言いますと、第一次の
エネルギーショックのときに
予算委員会で相当問題になりました。そのときの議事録を私はいま持ってきているのですけれ
ども、
国内石炭を投げたということ、それから何でこんなに二年かそこら、数年で
日本の
国内石炭を投げて海外の
エネルギー源に頼るようになったのかという
質問に対して、時の
田中総理は、こういうことを言っているのです。
石油が非常に安く入ってきた。だから、安い
石油が金さえあればいつでも得られるという
考え方、そこには確かに問題があった。問題があったからこういうことになっているのだ。その言やよしですよ。それから、こういうことも言っているのですね。これから
エネルギーの問題はやはり五年、十年、三十年、できるだけ長期にわたって俯瞰的、鳥瞰的に物を見る、物を平面的に見てはだめだ、もうけ本位に見てはだめなのだ、こういうことも時の総理は言っているのですよ。それからこういうことも言っていますね。
総合エネルギーの立場で、ただ短期的に見て安いとかいうような状態で律すべき問題じゃない、もうそういうことは国民各層の理解もいただけるようになった。そして、
日本の
国内石炭をやはり
考えなくてはいかぬ、こう言って二千万トンのレールを引いたのですよ。これだけは間違いなく達成します。そしてこうまで言っている。二千万トン以上なのです。二千万トンじゃなくて、二千万トン以上なのです。こうまでみえを切ったのです。これは中曽根
通産大臣も同じことを言っているのですよ。ところがその
国内石炭がどうかと言えば、もう千八百万トン台ぐらいになっているでしょう。それは皆さんから言えば、資本主義国だからなかなか思うようにいかないというふうにおっしゃっているわけで、これは後で伺いますが、そういうものを私は持っているわけなのです。
ですから、
大臣の決意は決意として伺っておきますけれ
ども、非常に不安定だと思う。たとえば海外
石炭の輸入。
日本の
国内石炭には余り手当てをなさらないで、海外
石炭の
開発輸入だとか、あるいは
石炭液化の問題については巨額の金をいま出されておるわけですけれ
ども、たとえば大平総理がこの間オーストラリアに行った。オーストラリアは御存じのとおり
石炭が非常に多い。それから
原子力の原料にしても非常に豊富なところだということで、いろいろそういう点話し合われてきたというふうに伺っているのですけれ
ども、仮にあそこで
開発、輸入する。そうすると、港まで道路をつくらなければならぬ。港も積み出しをやらなければならぬ。たとえばどれだけの量かと言えば、
一般炭で七十年には八千五十万トン輸入しなければいけませんね。大体オーストラリア、中国でしょう。そうすると、オーストラリアあたりから三千万トン、四千万トン仮に輸入するとすればどれだけ膨大な設備を必要とするか、
大臣、これはおわかりになっていただけると思うのです。船で運ぶ。一万トンやそこらの船じゃ足りませんね。あの二十万トンタンカーをつくったように、相当大型の一般の
石炭を積むものを
考えなければならない。そうすると、今度はコールセンターが必要になってくる、揚げ地が問題になってくるわけですね。こうなってくると膨大な経費を使って、いまは安いと言っているけれ
ども、果たしてその
時点になって、外国の
開発する
石炭が、量はある
程度安定的にできたけれ
ども、値段はどうかと言えば、決して皆さんがおっしゃっているほどの値段ではないのじゃないかというふうに、私はいまから手のひらを見るようにわかるのですよ。そしてそのときには国際的ないろいろな経済事情も違って、
石炭の取引というものはもっと厳しくなってくるだろう。それから昨年、私
ども共産党で発達した資本主義国の
代表を呼びまして理論
会議をやったのです。そのときオーストラリアから来た
代表がこう言っていました。オーストラリアの
石炭のいいところはほとんどメジャーに押さえられてしまったのだ。これは「コール・ノート」の二百十八ページにもそういうことを書いています。大体いいところは、オーストラリアにおいては、
石油のエクソン、シェル、BP、カルテックスなど、メタルのアマックス、リオチント、プレイサー、アサルコなど大企業が進出し、全実収炭量の三八%をメジャーが押さえるに至っている。この結果、一九八五年のオーストラリアの
生産の七六%に
影響を与える。これは皆さんの書いたものですね。そこへわれわれが割り込むわけでしょう。
日本のいまの大手も多国籍的な企業化しているわけです。それについてオーストラリアの
代表はこういうことを言っておりました。オーストラリアの国民も、やはり自国の資源主権、民族主権を行使してこういうメジャーの資源の支配には非常に強い不満をいま持ちつつあるのだということを言っておりました。私はいずれオーストラリアもそういう資源を守る運動が起きていくだろう。これは歴史の発展の
方向として不可避なんです。そういうことを
考えますと、海外
石炭の
開発、輸入というものも決して楽なものを持ってない。そういうことは政治家ならわかるのです。ですから、私は先ほどできるのかということを再三念を押したのですが、これは改めて私はまた別途
大臣なり
政府にひとつ細かに聞きたいと思います。
きょうは、特にその
意味で
国内炭の見直しの問題についてお伺いしたいのですが、四年前、私も石特にいまして論争したときには、
政府も
石炭二千万トン以上に努力しますと言って、まだ幾らかの力を感じました。このごろはそういう気迫を感じませんね。あのころはまだ新鉱
開発をやるのだ、宗谷だとか釧路まで名前を挙げて言っておりました。ところが去年ころあたりからそういう新鉱
開発なんという声はもう聞こえなくなってきた。
国内でまだ数十億トン掘れる
石炭があり、埋蔵総量は二百何億トンと言われておりますけれ
ども、経済性で数十億トンと言っている。三十五億トンとか四十億トンと言っております。これも当時の中曽根
通産大臣は、経済事情によってはもっと多くなるだろうということも言っているのです。つまり
炭価が安いから、その
価格でもって炭量がこうだと言っているわけですから、国際的に
石炭の値段が上がってくれば、またその炭量がふえるわけです。そういうことを
通産大臣が当時言っているのです。それだけのものを持ちながら、それを掘る努力を半ば放棄したと私は見ている。そして
石炭重視だと言うその
石炭重視の中身は、外国炭に依存する。非常に危険をもはらんだ海外に依存する。これはさっき
大臣は、
石油は海外依存だと言うけれ
ども、同じ危機を今度のエネ調の
内容を見ても私は感ずるので、非常に長くなりましたけれ
ども、申し上げているわけです。
国内炭を軽視している問題で、今度は北炭の夕張新鉱の問題と、その前に、清水沢が閉山することになりましたが、これは部長にお伺いしますが、閉山の最大の理由はどういう理由なんでしょうか。