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渡部(正)議員 公害という問題がございますが、公害の方ですと、あの有名な「声なき春」、サイレントスプリングとかラルフ・ネーダーとか共産党の方が排気ガスで非常に市民運動を起こされたとか、いろいろ声を大にしている人があるわけでございますが、雪の方は神代の昔から降っておりますので、大体
被害者意識がないようなところがございまして、雪による
生活障害というものが国の行政で十分取り上げておらないような気が私にはするわけです。公害につきましては、これは歴史的に見ますと、ごく最近の問題であるし、声が大きいしということで、非常に敏感に反応している。ほかの主要国と比べますと、日本は公害に対して異常反応しているぐらい、ちょっと程度がひど過ぎるのじゃないかと思うぐらいの反応を示しているわけでございます。環境庁という役所もつくったわけでございます。
ところで、雪の方になりますと、何か各省ばらばらにいろいろなことをやっておられるという程度にすぎないということで、雪の課題というのは、実は始まったばかりという気がするわけであります。
国土庁に伺ったところによりますと、一般
豪雪地帯が国土面積にして五〇%を超えるそうでありまして、
特別豪雪地帯でも二〇%近いということでございますが、そうすると、日本というのは大変な
雪国だという気がいたしますけれども、人口で見ますと、一般
豪雪地帯は一七、八%、
特別豪雪地帯は三・五%ぐらいだということで、人間中心に見ますと、
雪国ではありながら、やはり雪の障害で苦しむ人というのは非常に偏りがあるわけでございますから、そういう点で問題を大きく取り上げていかなければならないのじゃないかという気がするわけでございます。
そこで、公害
対策にどのぐらいの国費が使われているか私は承知しておりませんけれども、雪の
対策につきまして国が出している金というのは、総計いたしますと約一兆前後になるということでございます。雪の
被害というのはなかなか押さえにくいということもございますけれども、これはせっかく御出席しておられますので、
大臣にお伺いしたいと思いますけれども、一兆ぐらいの国費の出し方というものが、日本の雪で苦しめられている現状から見て、これは大体妥当な額と認識すべきなのか、はなはだ少ないというべきなのか。それから、いま申し上げましたように、公害については環境庁というりっぱな役所があって、
大臣さんもおられるわけですが、雪については各省ばらばらの
対策がなされているという現状をどう
大臣は認識しておられますか、その点をお伺いしたい。
それから、時間がございませんので、あわせて全部申し上げてみたいと思いますが、やはり雪が降るから税金まけろという話もあるわけですけれども、それよりも、私は、
山形県の出身でございますが、
山形県の産業構造を見ておりますと、雪による
交通障害のために、重量当たりの付加価値の低い産業というのは発展しないわけでございます。そこで、たとえばエレクトロニクス
関係ですとか縫製ですとか、軽くて値段がつくものだけやるものですから、そこで女子の雇用はいいのですが、男子の雇用というのはなかなか
確保できない、そこで所得が上がらないという問題があるわけでございます。
そこで、時間がないので詳しいことを聞きませんでしたけれども、過疎地帯の
指定と
豪雪地帯の
指定というのは非常にダブりがあるということは、雪の問題は実は貧乏の問題でございまして、雪貧乏というものに対する総合的な
対策というものを強力に推し進めていきませんと、
地方の時代も空念仏に終わってしまうというような気がするわけでございます。その辺のところを、大変
基本的な原則的な問題で恐縮でございますけれども、今後のやや長期的な展望とも絡んで、考えておられることをお伺いしたいと思います。
最後に、大変個別的な問題でございますが、
建設省にお伺いしたいと思います。
ことしもどか雪が降って困っている
地方が幾つかあるわけでございますが、かつて一度おやりになりました、一度じゃないかもしれませんが、臨時の
市町村の
道路の
除雪費の補助、これを今年度もおやりになるお考えがおありかどうか、これを
最後にお伺いしたいと思います。