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1980-03-06 第91回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和五十五年三月六日(木曜日)委 員会において、設置することに決した。 三月六日  本小委員会委員会において、次のとおり選任  された。       斉藤滋与史君    高鳥  修君       原田昇左右君    堀之内久男君      三ツ林弥太郎君    山崎武三郎君       伊賀 定盛君    藤田 高敏君       米田 東吾君    田中 昭二君       中川利三郎君    神田  厚君 三月六日  三ツ林弥太郎君が委員会において、小委員長に  選任された。 ————————————————————— 昭和五十五年三月六日(木曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 藤田 高敏君    理事 天野 光晴君 理事 斉藤滋与史君   理事 高鳥  修君 理事 三ツ林弥太郎君    理事 伊賀 定盛君 理事 米田 東吾君    理事 田中 昭二君 理事 中川利三郎君    理事 神田  厚君       逢沢 英雄君    有馬 元治君       鹿野 道彦君    佐藤  隆君       高橋 辰夫君    東家 嘉幸君       原 健三郎君    原田昇左右君       堀之内久男君    山崎武三郎君       斉藤 正男君    新盛 辰雄君       渡部 行雄君    渡辺 三郎君       武田 一夫君   平石磨作太郎君       薮仲 義彦君    山田 英介君       林  百郎君    横手 文雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 園田 清充君  出席政府委員         国土政務次官  望月 邦夫君         国土庁長官官房         審議官     柴田 啓次君         国土庁地方振興         局長      四柳  修君         農林水産大臣官         房審議官    塚田  実君  委員外出席者         議     員 渡部 正郎君         科学技術庁研究         調整局生活科学         技術課長    倉持 哲士君         大蔵省主税局税         制第一課長   内海  孚君         国税庁直税部所         得税課長    西内  彬君         文部省管理局教         育施設部助成課         長       横瀬 庄次君         厚生省社会局施         設課長     岡光 序治君         厚生省児童家庭         局母子福祉課長 伊藤 卓雄君         林野庁林政部特         用林産対策室長 長谷川 堯君         通商産業省生活         産業局原料紡績         課長      鎌田 吉郎君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部業         務課長     橋本 昌史君         気象庁予報部予         報課長     立平 良三君         建設省河川局防         災課長     川合 恒孝君         建設省道路局地         方道課長    山科 喜一君         建設省道路局道         路防災対策室長 藤井 達也君         建設省道路局市         町村道室長   杉山 好信君         建設省住宅局住         宅建設課長   松谷蒼一郎君         自治大臣官房参         事官      吉田 弘正君         自治省財政局交         付税課長    能勢 邦之君         自治省税務局固         定資産税課長  渡辺  功君         日本国有鉄道地         方交通線対策室         審議役     岩崎 雄一君     ————————————— 委員の異動 三月六日  辞任         補欠選任   斉藤 正男君     渡部 行雄君 同日  辞任         補欠選任   渡部 行雄君     斉藤 正男君     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の  件  昭和五十五年度の防災計画及び災害復旧計画等  の概要について説明聴取  災害対策に関する件(豪雪対策)  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 藤田高敏

    藤田委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず最初に、昭和五十五年度防災計画及び災害復旧計画等概要につきまして、政府から説明を聴取いたします。園田国土庁長官
  3. 園田清充

    園田国務大臣 昭和五十五年度における防災計画及び災害復旧計画等概要について御説明を申し上げます。  わが国は、その自然的条件から台風、豪雨、豪雪地震等による災害を受けやすく、また、社会経済の発展に伴いまして、災害も複雑、多様化してきており、これらの変化に即応した施策の展開が要請されております。  政府といたしましては、防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術研究推進災害予防強化国土保全推進災害復旧の迅速、適切化等に重点を置きまして、その推進を図っているところであります。特に、大規模地震対策につきましては、大規模地震対策特別措置法に基づき、昨年、東海地震に係る地震防災対策強化地域指定し、地震防災基本計画を策定する等、施策具体化に努めてきたところでありますが、昭和五十五年度におきましても、地震予知の一層の推進緊急施設整備事業及び総合防災訓練実施等地震防災対策強化を図ることといたしております。  これらの大規模地震対策を含めまして、災害対策の総合的な推進を図るために、総額二兆三十二億円の予算を計上いたしております。  まず、科学技術研究につきましては、防災関係研究機関充実整備等を図るとともに、地震火山噴火予知に関する研究各種災害防止及び被害の軽減に関する研究等推進することといたしまして、そのため予算額四百三億円を予定いたしております。  次に、災害予防につきましては、気象観測施設地震観測施設通信施設その他の防災施設整備を図り、あわせて都市防災対策事業推進するとともに、防災に関する教育訓練に努めることとし、そのため予算額二千六百七十二億円を予定いたしております。  第三に、防災基本ともいうべき国土保全につきましては、長期計画に基づき、治山治水事業海岸保全事業農地防災事業等推進を図ることとし、そのため予算額一兆二千百七十二億円を予定いたしております。  最後に、災害復旧等につきましては、不幸にして災害が発生した場合に、災害実情に応じて救助活動等必要な応急対策を講ずるほか、迅速かつ適切な災害復旧を図ることとし、そのため予算額四千七百八十五億円を予定いたしております。さらに、被災者に対する必要な金融措置を講ずること等により、復旧資金の調達の円滑化等を図ることとしております。  これらの政府予算のほか、公社、公団、公庫等政府関係機関におきましても、それぞれ所要の予算措置を講じているところであります。  以上、昭和五十五年度における防災計画及び災害復旧計画等概要を御説明申し上げましたが、昭和五十五年度の防災対策につきましては、各省庁の協力のもとに万全を期してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。
  4. 藤田高敏

    藤田委員長 引き続き、各省庁における災害関係予算について、政府から説明を聴取いたします。柴田審議官
  5. 柴田啓次

    柴田政府委員 お手元にお配りしております「昭和五十五年度の防災計画及び災害復旧計画等概要」に従いまして、補足説明を申し上げます。  まず、一ページに総計表が書いてありますが、ただいま大臣から御説明申し上げましたとおり、一ページの一番右下の欄でございますが、五十五年度の予算額総額二兆三十二億でございまして、五十四年度に比べまして七%の増でございます。表の上の方にございますように、科学技術研究災害予防国土保全災害復旧等と、この四つの柱になっているわけでございます。  二ページへ参りまして、第一の科学技術研究でございますが、この中で※印がついておりますのは、地震予知関係予算でございます。  まず、この二ページの科学技術研究の大きなものといたしまして、科学技術庁に三百二十億余り計上してございますが、その中で新しいものといたしましては、科学技術庁の欄の真ん中くらいにございます海溝型巨大地震予知に関する研究でございます。それから、非常に大きな金額のものといたしまして、科学技術庁の下の方にございます原子力利用に係る安全確保のための研究二百九十六億というのがございます。そのほか、特別研究促進調整費による防災科学技術総合的推進を図ることにしております。  三ページをごらんいただきまして、三ページの中で大きなものといたしましては、下欄の方にございます気象庁でございます。気象庁は十七億六千万でございますが、気象庁三つの中に、新しいものといたしまして、火山噴火現象監視に関する研究等というのが入っております。  次に、四ページへ参りまして、建設省は十七億二千三百万でございます。この中で、測地的方法による地殻変動調査、これは地震予知関係でございますが、これが大きな金額でございます。  科学技術研究は四百三億でございますが、そのうち地震予知関係が五十億ということに相なっております。  次の五ページからは第二の柱の災害予防でございます。  まず、警察庁でございますが、警察庁の二十三億のうち大きなものを占めるのは、警察庁の三段目の災害警備活動用装備資器材整備でございまして、前年に比べ非常に多額にふえております。  次が科学技術庁でございまして、科学技術庁の中の二番目に、原子力防災対策に関する施設等整備というのが前年に比べ大幅に入っております。  次の国土庁では、三つ目中央防災無線網整備が前年に比べ大幅にふえております。  それから、文部省が三十六億余りでございますが、これは国立学校施設等整備防火施設設備整備等でございます。  厚生省が四十億でございまして、非常に大きゅうございますが、これは国立病院等消火設備等整備のほか、新たに次にございます国立病院等耐震設備等整備が計上されることになりました。  それから、次の六ページへ移っていただきまして、農林水産省でございますが、農林水産省の三十二億のうち特に注目すべきものといたしましては、活動火山周辺地域防災営農施設等整備を計上しております。  その次の通商産業省は九十九億余りでございますが、この中では、その他の前にございます、通商産業省の下から二段目の原子力発電施設保安監督指導というのに十九億という額を計上しております。  六ページの下の方にございます海上保安庁は三百十一億余でございますが、これは巡視船艇整備が主なものでございます。  七ページへ移っていただきまして、七ページで気象庁に百三十四億計上しております。  それから、建設省に千七百二億計上しております。建設省にはこのほか、建設省最後の方に括弧で書いてございますように、防災拠点等整備避難地避難路整備都市防災不燃化促進都市防災構造化推進総合的都市防災対策調査等を、これらの予算のほか、進めることとしております。  七ページの一番下が消防庁でございまして、百九十九億でございますが、そのうち主なものは、次の八ページの真ん中くらいにございます消防施設等整備百三十八億というのが主なものでございます。  なお、八ページの下の方にございます原子力災害用防災資機材整備、あるいは原子力災害対策消防活動マニュアルの作成は新規のものでございます。  第三の柱の国土保全でございます。  第三の柱の国土保全で、まず大きな金額を占めますのは農林水産省でございます。農林水産省二千六百三十七億余りでございますが、このうちの最初治山事業の中に、新たに国有林野内補助治山事業、松くい虫被害緊急対策治山事業治山施設修繕事業等が計上されることとなっております。  その次に、下の方に建設省がございます。建設省九千八十八億七千七百万で、相当の金額を占めておるわけでございますが、そのうちの河川事業に新たに都市河川総合整備事業が計上されることになりました。  次に、十ページへ移っていただきまして、第四の柱の災害復旧等でございます。  このうちで大きな金額を占めますのは農林水産省でございまして、二千五百四十億余りでございます。  次に、通産省、運輸省とごらんいただきまして、建設省がやはり大きな金額を占めまして二千六十二億でございます。  災害復旧等につきましては、このほか自治省において地方債計画災害復旧事業債を九百三十億余り計上してございます。  最後に、十一ページでございますが、参考資料といたしまして「公社公庫等予算概要」を計上してございます。  日本国有鉄道が四百五十九億余りでございます。日本電信電話公社が九百十七億余りでございます。農林漁業金融公庫融資が二百七十二億でございます。住宅金融公庫が千五百八十四億でございます。日本私学振興財団が一億でございます。日本放送協会一億三千百万円、かように相なっております。  簡単に御説明申し上げました。
  6. 藤田高敏

    藤田委員長 これにて説明は終わりました。      ————◇—————
  7. 藤田高敏

    藤田委員長 この際、去る二月二十九日から三月三日まで四日間豪雪による被害状況調査のため、新潟県、福島県、山形県及び秋田県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表して、私から調査概要について御報告申し上げます。  派遣委員は、米田君、中川君、神田君、鹿野君、山田君、それに神田君のかわりに途中から横手君及び私藤田で、他に地元選出議員の多数の御参加を得て、現地実情をつぶさに調査してまいりました。  まず、豪雪をもたらした当時の気象状況について申し上げます。  今冬の特徴は、冬の訪れが遅かったため温暖で越年いたしましたが、一月上旬から本格的な降雪となり、特に一月下旬から大陸の高気圧が日本海側に大きく張り出し、西高東低の強力な気圧配置となったため、当初里雪山雪混合型でありましたが、極寒気団の発生とともに山雪型に変わり、上信越、東北地方を中心に、短期間に連続してどか雪、いわゆる集中豪雪をもたらしたのであります。  このため、新潟県を初め東北一帯は、豪雪被害が続発し、各地の一般生活道路はもちろん、国道主要地方道交通もとだえ、国鉄只見線を初め多数の運休等が余儀なくされたのであります。  視察二日目の福島県におきましては、折しも降りしきる雪の中で調査を行ったのでありますが、いまなお、孤立集落が多く、地域住民生活に異常なる圧迫が加えられている状況下でありました。  次に、各県の実情について申し上げます。  まず、新潟県におきましては、二月中旬にかけて上越、中越の山間部を中、心に猛烈な降雪があり、日降雪量が津南町で一・三メートル、湯沢町で一・二メートルと大雪警報基準の数値を記録し、四メートルを超えるところが数カ所となり、国道十七号線は麻痺状態に陥ったのであります。  このため、県当局では二月十六日に豪雪対策本部設置し、道路確保情報交換収集等に努めたとのことでありました。  まず派遣団は、小出から国道二百五十二号線を入広瀬に向かって視察いたしました。  小出周辺豪雪地であり、特に今年は例年より日降雪量が多く、除雪量も含めると優に六、七メートルの雪壁でありました。雪国は、道路除雪が特に問題となりますが、幸いこの地方は、東北地方と異なり、地下水利用する消雪パイプ活用流雪溝利用から幹線道路における車両の運行確保には効果を上げておりました。  しかしながら、地下水のくみ上げ用電気料金、消雪パイプ増設とあわせて融雪期における道路破損等が今後に残された課題であります。  入広瀬から只見まで、わが国最大豪雪地を走る列車に乗車いたしましたが、この只見線は、新潟地方福島県を結ぶ唯一の交通機関であります。車窓から見る山合いの積雪は四メートルを超え、ほとんど樹木が見られない白一色の状態でありまして、地域住民の雪との戦いの御苦労さを身にしみて感じたのであります。  被害状況につきましては、死傷者合わせて四十三名で、被害総額は現在調査中とのことでありました。  次に、福島県におきましては、会津地区集中豪雪を受け、特に猪苗代、喜多方只見地方日降雪量が二・五メートルから二・九メートルを記録した上に、今回の雪の特徴湿り雪とのことでした。  派遣団は、国鉄只見駅から会津川口間が不通のため、只見から喜多方までマイクロバスで参りました。この間約三時間、雪解けの悪路に変わった国道二百五十二号線及び国道四十九号線の雪壁は、高さ二ないし三メートルにも達し、雪国道路除雪が容易ならざるものと痛感した次第であります。  また、只見駅近辺で地元住民との対話で最も切実に要望されたことは、一日も早く只見線全線を開通してほしいとの訴えでありました。  特に中・高等学校通学方法については、他にかわる交通機関がないため、大変苦慮しているとのことでありました。  喜多方合同庁舎において、県当局から死傷者三十名、被害総額約九十三億五千万に達する旨の説明があり、その後、派遣委員から、喜多方市の特別豪雪地帯指定問題及び只見線の開通問題に関するなだれ防止策等について質疑がなされました。  山形県におきましては、特に庄内地区冬期間に強烈な季節風から発生する地吹雪現象による被害が増大し、二月七日、県に豪雪災害対策本部設置されました。  特に、この地区地吹雪による果樹被害は深刻でありました。県内のリンゴ発祥地であります館山地区リンゴ園では、積雪が一・六メートルにも達し、樹木の半分が雪に埋まり、枝折れ防止支え木も見えない状態でありました。したがいまして、リンゴ樹木の枝折れが随所に見られ、融雪期には雪が圧縮され、小枝を引っ張る関係から被害の増大が予想され、加えて野ネズミによる樹木被害が心配されるとのことでありました。  新庄市に向かう途中におきまして、尾花沢市から県道に入り、この地方で最も豪雪地帯とされております六の沢地区視察いたしました。この地域は、ほとんど一階が雪に埋もれ、二階を玄関がわりにする不自由な家屋もありまして、豪雪地帯における地元住民生活実態をよく調査することができた次第であります。  新庄市におきましては、家屋倒壊個所が幾つか見られましたが、これも連続的に集中した豪雪による影響が原因とのことで、改めて雪のこわさを知らされました。同市では、雪捨て場の確保が切実な問題となっておりますが、さらに消雪パイプ設置道路破損防止策の検討が必要と思われました。  被害概要につきましては、死傷者二十九名、家屋破損六十三棟、床下浸水三百十六棟に達し、その他農林水産関係約七千六百万円、商工、文教関係約二千五百万円となり、融雪期被害も含めますと、八十億円を上回るとのことでありました。特に、同県における地吹雪対策は深刻でありまして、特別豪雪地帯指定の際は、地吹雪による積雪も考慮すべきであるとの要望が強く出されました。  最後になりましたが、秋田県におきましては、特に湯沢市及び横手市が平年を上回る積雪で、最深積雪量約二メートルにも達したのであります。両市における豪雪対策は、道路事情から他の市町村と比較して消雪対策が困難な状況を呈しているとのことでありました。  湯沢市では雄物川の雪捨て場を視察いたしましたが、ここには一日トラック五百台から七百台分の分量の雪が運び込まれるため、雄物川中央まで高さ十一メートルの圧縮雪が積み上げられ、土砂による埋立地の感じがいたしました。  また、平鹿地区リンゴ園における被害も、山形県と同様でありまして、三十年から四十年の樹木が多数枝折れしており、これからの融雪時の被害が心配されるとのことでした。  横手市では流雪溝等の活用方法視察いたしました。同市では流雪溝の使用時間が各地区ごとに割り当てられ、住民が協力してスノーダンプ等で消雪に協力している姿を見受けました。  県並びに横手市から同市特別豪雪地帯として指定してほしい、また消雪パイプより労力が必要であるが、流雪溝増設をとの強い要望がありました。  最後に、現地における被害実情に加えて、地元関係者からの要望等を総合いたしまして今回の調査の所見を申し述べたいと存じます。  豪雪地帯住民は、例年十二月ごろから翌年三月ごろの雪解けまでの一年の三分の一の期間、白一色の雪の中に閉じ込められた生活を余儀なくされております。  このように雪国に住む人間の生きる権利をどう保障するかは、今後の政治に課せられた重要な問題であると存じます。  このたびの視察を通じて、豪雪地帯に共通する問題として今後当委員会を通じてその対策を考えていかなければならないことは、まず屋根の雪おろし並びに道路除雪に要する膨大な費用支出についてであります。特に道路除雪に要した費用は、地方自治体にとって大きな負担であり、政府は適切な財政措置を講ずべきであります。  また、出かせぎで男手を欠く農家の負担はもちろん、一般家庭にとっても人手不足から、人件費の値上がりは深刻であります。特に所得税制度における雑損控除基準の引き下げ、あるいは現行制度そのものの大幅な改革等については、今後検討すべきであります。  また、道路除雪等による費用支出のため、地方財政に相当な負担をかけておる実情でありますので、政府におかれましても、今年の特別交付税配分等については、なお格段の配慮がなされるべきであります。  次に、特別豪雪地帯市町村指定についてであります。  昨年三月指定の見直しが実施され、従来の二百七市町村に七十二市町村が追加されたのでありますが、今回の集中豪雪並びに地吹雪等地域特殊性を考慮して今後検討する必要があろうと考えます。  次に、都市部における雪捨て場の確保並びにごみ処理の問題でありますが、これは一種の都市災害的要素を示すもので、今後、防雪モデル都市建設都市改造等考慮すべきであります。  次に、幹線道路における除雪対策でありますが、除雪ステーション及び除雪機械整備増強はもとより、消雪パイプ流雪溝などの新設、場合によっては増設について特段の配慮が必要と思われます。  次に、農業関係でありますが、豪雪が原因して融雪期における苗代づくりの問題が深刻とのことでした。また、果樹、特にリンゴ樹につきましても被害は甚大であります。農林当局においては、速やかに果樹共済金の支払いの促進等を図るとともに、これら農業関係被害者救済のため、自作農維持資金制度貸付枠大幅増加及び今後天災融資法の発動等必要な措置を構ずべきであります。  次に、国鉄関係でありますが、豪雪の際は、特に鉄道運行地域住民安心感のよりどころであります。特に只見線については、なだれ危険性から除雪もしていない状態でありました。当局においては、全力を上げて、全線開通に努めるとともに、豪雪地帯における雪に強い列車の開発促進等強力に推進すべきであります。  このたびの委員派遣についてでありますが、リンゴ園で見られたような樹木の技折れ並びに道路破損等被害実態が明らかになった時期に現地調査を行ったことは、まことに時宜を得た調査であったと確信いたしております。  最後に、今回の調査に御協力いただきました関係各位に敬意を表しまして、派遣報告を終わることといたします。  なお、新潟県、福島県、山形県及び秋田県、各市町村からの詳細な要望事項等につきましては、これを本日の委員会議録の末尾に参照として掲載することをお願いいたしたいと存じます。  派遣委員各位には、まことに御苦労さまでございました。     —————————————
  8. 藤田高敏

    藤田委員長 この際、お諮りいたします。  新潟県、福島県、山形県、秋田県からの詳細な要望事項等につきましては、これを本日の委員会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 藤田高敏

    藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしましそ。
  10. 藤田高敏

    藤田委員長 次に、災害対策に関する件、特に豪雪対策について質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高鳥修君。
  11. 高鳥修

    高鳥委員 まず第一に、先般国会が予算修正等の問題をめぐりまして大変緊迫しておるさなかに、しかも土曜日曜をはさみまして、いろいろと御予定があったにもかかわらず、藤田委員長を初めといたしまして委員各位にはつぶさに現地を非常に忙しいスケジュールの中で御視察をいただいたことにつきまして、豪雪地域出身者の一人として心から御礼を申し上げる次第でございます。  今回の豪雪につきましては、いわゆる例年豪雪のパターンと非常に姿の違った豪雪でありました。年末年始はまさに数十年来どころではない、雪のないお正月を迎えたわけでありますが、一転いたしまして猛烈な降雪が続くようになりました。先ほどの委員長からの御報告にもございましたが、一日の降雪量が一・三メートルないし一・二メートルというところがあるというような状況でありまして、たちまちにして平年の積雪量を超えるというような状況になったわけであります。これに伴いまして、今回の豪雪では死者が二十五名、負傷者百三十四名、これは国土庁がお出しになりました二月二十七日現在の被害報告でありますが、さらにまた住家等の被害も相当たくさん出ておるわけであります。  そうしたことからいたしまして、県でも、山形県、新潟県が県として災害対策豪雪対策本部設置いたしておりますほか、福島県あるいは山形県その他におきまして、それぞれ豪雪対策本部なり、あるいは市町村段階でそれぞれ対策本部を設置する等、対処をいたしてきたところであります。  ただ、今回の災害につきましては、災害救助法の適用を申請したところが一カ所もないという状況であります。私どもはかねがね、豪雪災害である、したがって、多数の生命財産に非常な危険があるというような状況の中においては、これはどしどし災害救助法を適用すべきものである、このようにも申し上げておるところであります。まして一日の積雪量が一・三メートルを超える、降雪量が一・三メートルを超える状況というようなものは、まさにこれは集中豪雪であり、私はよく、これは屋根上浸水である、雪もまた水であるから屋根上浸水である、全戸水没である、このように申し上げておるところであります。  そういう災害の中で今回二十五名の死者が出ておるわけでありますが、従来、自然災害での死亡者に対しましては、国は弔慰金制度を設けまして、御見舞いを申し上げておるわけであります。この弔慰金制度そのものは、本委員会で私どもがいろいろ論議をいたしました結果できてきた制度でありまして、このような、いわば豪雪というのも自然災害でありますが、この自然災害によってお亡くなりになった方々に対して、災害救助法が発動されないということからして弔慰金が出ないということであるならば、大変気の毒なことであります。何も好きこのんで屋根の上に上がって雪おろしをやって雪と一緒に落ちたのではないので、そのままほうっておけば家と一緒に家族がみんなつぶれて死んでしまう、そういう必死の雪との闘い、自然災害との闘いの中で亡くなられた方が多いわけでありますから、しかるべき対処をすべきであると思うのでありますが、この点について現在どのように対処しておられるか、まず第一にお伺いいたします。
  12. 岡光序治

    岡光説明員 お答えいたします。  先生いま御指摘になりましたとおり、災害弔慰金を支給できる災害というのは、一応限定をしておりまして、当該市町村の区域内において住家の滅失が五世帯以上ある場合とか、あるいは都道府県内におきまして災害救助法が適用された市町村が一以上ある場合というふうになっておるわけでございます。しかしながら、この一般原則に該当しない場合におきましても、これらに準ずる災害として認められる場合には、従来から災害弔慰余を支給してきたところでございます。今回の豪雪による死亡者のケースにつきましても、そういう過去の取り扱い例等にいろいろかんがみまして、発生した県に対しまして、豪雪状況がどういうえうになっておるか、あるいは死亡した際の状況がどういうふうであったか、そのもろもろの状況の報告を求めているところでございまして、私ども、災害弔慰金が支給できる災害として認める方向で現在前向きに検討しておるところでございます。
  13. 高鳥修

    高鳥委員 前向きに検討しておる、しかも支給する方向でということでありますから、大変結構なことであります。ぜひ、その方向で適格者に対してはしかるべき温かい措置が実現できるように御努力をいただきたいと存じます。  さて、いろいろと豪雪の厳しい状況につきましては、なお後刻御質問を申し上げたいと思うのでありますが、大臣がきょうは若干御都合がおありのようでございます。したがいまして、私は、大臣に一点だけひとつ伺っておきたいと思うのであります。  それは、国土庁そのものは、日本国土の全般的な均衡のとれた発展を図るということが大きな使命であると思うのでありまして、そういう中におきましては、特に豪雪地域、雪で悩まされて災害を受けて、そして困った、何とかしてくれと言っているだけでは能がないと思うのでありまして、やはり豪雪地域は豪雪地域なりに、それに適した施策をもって豪雪地域の振興を図っていく、むしろ積極的に雪を生かしながら所得の向上を図り、明るい社会をつくり出していくということに向かっての前向きの努力が必要だと思うのであります。  そういう意味におきまして、国土庁がやはり積極的な施策を講じていかなくてはならぬ、豪雪対策基本法などにおける基本的な精神も、ただ単に雪害に対処をするというだけではなくて、そういうことに本来はあったはずであります。  大臣は、熊本でいらっしゃいますので、雪国のことにつきましては、あるいは必ずしも御体験が豊富でないかもしれませんが、かえって南で育った人は雪に対する印象もまた強烈であると思うのであります。委員長も愛媛の御出身で、先般はずいぶん豪雪地をごらんになって、大変だなという感を深くされたと思うのであります。そういう意味におきまして、国土庁豪雪地帯振興に対する基本的な姿勢というものについて、大臣の抱負を承りたいということが一つであります。  さらにまた、雪国振興の一つの施策といたしまして、私は、たとえば上越線沿線あるいは信越線沿線その他日本全国各地におきまして、スキー場が果たしておる役割りというものが非常に大きいと思うのであります。これは、ただ単にスキー場のリフト経営者だけではなくて、民宿を初めといたしまして、そこに働く人たち、非常に幅広い所得の向上に役に立っておるわけであります。ただ、交通至便なところにおけるスキー場等では、非常に大きな利益を上げておるところもありますが、必ずしも交通至便でないところで、非常に苦労をしながら施設をつくり、運営をし、赤字に悩みながら努力をしておる、そして、それがその地域の過疎防止にも役に立っておるというようなスキー場もたくさんあるわけであります。  したがいまして、いいところを全部一律に援助をしてやれというようなことを申すつもりはありませんが、スキー場リフトあるいは民宿その他、そういった各種の施設などについても、これから施設の設置について積極的に認可をするとか、あるいは公庫資金等について配慮をするとか、いろいろな方法で援助をしてやってもいいのではないか、このようにも思うのであります。  これは一例でありますが、幅広く雪国の振興ということについての大臣の御所見を承りたいと思います。
  14. 園田清充

    園田国務大臣 まず、今回御視察をいただきました委員長初め委員の皆様方の国政に取り組まれる熱心な視察報告を聞かしていただきまして、心から敬意を表する次第でございます。  同時に、今回の災害を通じて、いま御指摘もございましたとおり、二十五名の犠牲者を出したということ、まことに残念でございますが、この方々の御冥福を心からお祈りをいたすわけでございます。  とともに、国土庁として、災害担当省庁として、どう豪雪地帯の問題に取り組んでいくのか、おまえは出身が九州だし、委員長は四国だということでございますが、私は、実は党で北陸の開発の委員長を四期やらされまして、先生の関係の地盤等も、実はいろいろ四年以上にわたって党の政策上の問題を担当させていただいたことがございます。  そこで、私ども国土庁といたしましては、豪雪地帯の特別措置法の趣旨にのっとりまして、まず交通、通信の確保、産業の振興、それから生活環境基盤の整備という問題に取り組むことはもちろんでございますけれども、御指摘のとおり、積雪による関係住民の方々の生活に与える影響というものが非常に大きいということは、まさに御指摘のとおりでございまして、私ども国土庁としても、御説のとおりの趣旨を踏まえながら、問題に対処をさせていただいておるわけでございます。  特に、災害担当省庁であるだけに、各省庁等の御理解を得、御協力をいただくということには、いろいろ従前以上の努力をひとつ重ねながら、皆さん方の御期待の中で、災害住民の方々、また地域住民の方々の国政に対する期待にこたえる役所として、また私は、担当役所の長官として、今後努力をさせていただきたい、こう決意をいたしておるわけでございますので、今後とも、いろいろ御教導を賜りますことを心からお願いいたす次第でございます。  それから、スキー場の問題につきましては、ひとつ事務当局から御答弁をさせていただきたいと思います。
  15. 四柳修

    ○四柳政府委員 後段の点、お答え申し上げます。  御案内のように、関係地域におきましては、それぞれいままでは、どちらかといいますと過疎市町村が多うございますから、過疎債を活用するとかそういった形で施設の整備に町村としては取り組んでこられた、ところが、地域住民の方々は、それぞれ御自分の工夫なり何なりでいろいろ資金を調達し、前借りをしながらいろいろな施設を整備されてきましたけれども、自然が相手でございますから、たまたま雪が降らなかったがために、その償還に非常に御苦労なさるとかいろいろの御事情があったかと思います。  御指摘の点、私どもの方も、現地の話を伺いますと、そういった点につきまして、やはり点ではなくて線が連係して協調的なレクリエーション地域整備するとか、あるいはこれに関連しました国鉄その他の輸送体系との連絡を密にするとか、もう少し関係地域におきます御発意というものが必要と思いますけれども、これを指導いたします点は、直接的にはリフトの方は運輸省であり、あるいは民宿その他の点でいろいろ各省が関係あると思いますが、お話の点、私どもの方も、各省の方によく伺いまして、もう少し前向きに何か知恵がないものだろうか、関係県とも相談してみたいと思います。
  16. 高鳥修

    高鳥委員 大臣から、ひとつ一生懸命やろうという御決意を承りましたが、ぜひ積極的な御指示を出していただきまして、雪国の振興のために御努力を賜りたいと存じます。  特に、豪雪対策基本法におきましては、先ほども申し上げましたが、これは本来ならば、振興策というものをもっと具体的に内閣でお決めいただかなければならぬわけでありますけれども、そうした点については、どうしてもまだまだ積極的な姿勢が足りないように思いますので、大臣の御努力を切望いたしまして、大臣、御予定があるようでございますので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。  それでは次に、先ほど申し上げました死者二十五名ということでありますが、中には除雪の際の事故で亡くなられたということもあるようでありますけれども、降り積もる雪の中でやむにやまれず除雪をしておりながら転落死をしてしまったというような例が非常に多いわけであります。  そこで私は、豪雪地域の非常に長期的な対策として考えなければならないことの一つとして、まず周辺に非常に空閑地のあるところへ個々に建っておる住宅、それから家屋連檐地域の住宅、この二つの問題に分けて考えておるわけであります。最近の建築資材のいろいろな変化の中で、必ずしも屋根の除雪をしないでも自然落下で常に落下し続ける、降った雪がすぐ落下するということであるならば、除雪の必要はないわけでありますし、かつまた、常時落下しておれば、まとまってどすっと落ちて、子供たちがその下敷きになって死ぬというような事故も起こり得ないわけであります。ただ、常時落下方式の屋根をつくった場合には、積雪量の非常に多い地域では一階が埋没してしまう。そこで、一階を倉庫ないし車庫あるいは高床式の建物を建てまして、二階、三階を木造で住宅として使う、そういうことが特に雪の多い地域では生活様式として一番合理的ではないかと思うのであります。  私は、そういう方向の建物を、やはり県なり国なりがいろいろなモデルをつくって、こういうものをつくったらどうかというような奨励策を講ずべきであると思うのでありますが、ところが、いま一つどうも隘路になっておるのは、住宅金融公庫の融資の個人住宅建設基準というのがありまして、これを見ますと、その第八条に「住宅の構造、戸建型式及び地上階数は、それぞれ次の表に掲げるところによらなければならない。」、こうありまして、木造の住宅及び不燃構造住宅の月建て、または二戸の連続建ての場合には、地上階数は一または二であるということに限定をされておるようであります。簡易耐火構造の住宅及び耐火構造の住宅については、階数は問わないということになっておるようでありますが、どうもこれを厳密に当てはめていくと、私が申し上げておるような建物は、住宅金融公庫の融資基準に合わないということになるおそれがある。いまいろいろとやっておるようでありますけれども、雪国の場合には、少なくともこうした住宅型式が、長い目で見て最も適するとするならば、そして、それを奨励すべきであるとするならば、そういうものに対して金は貸さぬよという住宅金融公庫のやり方、この制限はどうも困ることになると思うのであります。その点について建設省ではどのように考えておられるか、まず承っておきたいと思います。
  17. 松谷蒼一郎

    ○松谷説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生が御指摘になりました住宅金融公庫融資個人住宅建設基準におきましては、御指摘のとおり、二月建ての個人木造住宅につきましては、二階建てまで融資をするということになっておるわけでございますが、これは主として建物の構造上の観点と防火上の観点からこの規定を設けたものでございます。しかしながら、先生のお話のように、豪雪地域におきましては、一階の部分を高床式にするというようなことによりまして、全体の豪雪による被害をできるだけ少なくするという方式がきわめて有効であろうかと存じます。したがいまして、一階の部分が高床式になっておりまして、その部分を建築上の用途に使用しないというような場合には、これについては全体を床とみなしまして、階数の算定をしないということで現在も指導をしておるところでございます。ただ、車庫とかあるいは倉庫というようなものに使用する場合には、その部分は一階とみなされます。したがいまして、現行の建設基準では、融資上問題があるということになるわけでございますが、この点につきましては、各豪雪地域の地方公共団体等からもいろいろ要望もありますので、先生の御趣旨に従いまして、今後、前向きに検討いたしまして、住宅金融公庫を指導してまいりたい、かように存じております。
  18. 高鳥修

    高鳥委員 前向きにひとつ検討しようということでありますから結構でありますが、たとえば一階は耐火構造の住宅である、その上に一、二階木造のものが乗っかっておるというようなものでも、豪雪地域であれば特例として認めるとか、その地域実態に合った住宅というものを推進することによって、私は初めて一たとえば豪雪地域においては、雪おろし、雪囲い経費がうんとかかるのだから、これに対する特別控除を認めろとかいろいろな要求がありますが、これは非常にむずかしいことであります。むずかしいことでありますが、私ども、これからさらに検討はいたしたいと思いますけれども、国の方でも、ともかく雪の中で生きられるような住宅構造あるいは都市構造というものを積極的につくってやらなければならぬと思うのであります。  そこで、これは国土庁の所管で、しかも振興局長さんとはこの間いろいろとやりとりのあった問題でありますが、家屋連檐しておる雪国都市、特別豪雪地域の都市というものは、もっと雪に強い都市づくりというものを推進すべきである。これは国土庁も同感で、いままで施策を講じてこられたことでありまして、防雪モデル都市というものを設定されて取り組んでこられたわけであります。ただ、従来の経緯からして、モデルなのだから一県一カ所なのだというような趣の見解もあったやに承っておるのでありますが、新潟県は、非常に大きな県なので、三県分ぐらいもらわないと一県分もらったことにはならぬということは、私ども常に申し上げておるところであります。雪に強い都市づくりをするということは、大変結構なことなのだから、ただ単に一県一つということにこだわらず、ぜひひとつ、やろうという希望のあるところについては、積極的にこれを取り上げて御推進になる方がいいのではないか、このように思うのでありますが、この点についての御見解を承りたいと存じます。
  19. 四柳修

    ○四柳政府委員 御指摘の点、確かに先生の地元のような、たとえば昔の高田あたりですと、雁木構造でそれなりの工夫がされて、地元の方も協力されてきた、そういったところの熱意というものが、やはりいまの時代に合わせた雪に勝てるような町づくりという工夫もなさっているのだろうと思います。モデル事業でございますから数が少ないもので、そういう意味で、できるだけその効果が関係県に広く及ぶようにというつもりで一県一カ所ということも言ってまいりました。しかし、いまこういった仕事をやっていくときに、施設をつくることよりも、つくった後の管理なり、そのモデルの普及効果ということ、あるいは地元の方々の協力体制ということが大切だろうと思いまして、実は公団の方におきまして、なかなかそういったムードが盛り上がらない点もございますものですから、御趣旨の点もよく踏まえまして、そういったニーズの高い必要性のあるところを検討してまいりたいと思います。
  20. 高鳥修

    高鳥委員 そういう要求の非常に強いところがありますから、追ってひとつ善処方をお願いいたしたいと存じます。  それでは次に、建設省に承りますが、建設省は最近、除雪機械等も整備をされまして、今次豪雪に際しましては、国道で一時不通個所になったところもありますけれども、比較的文句が出ないで、かなりよくおやりになったというふうに評価をしていいのじゃないかと思うのであります。ただ、歩道の除雪については、前々から機械、方法等についていろいろと研究中であるということでございました。これは物すごく降っているときには、やむを得ないかもしれませんが、車優先社会ではなくて、やはり人命尊重の社会でなくてはならないと思いますし、歩行者の交通の安全ということについて十分配慮してやらなければならぬと思うのであります。いままで、歩道除雪について大分熱心に御研究のようでありますが、その成果はどうであるかということをひとつ承っておきたいと思います。  それからあわせて、これは国土庁の方からお答えいただいたらいいのかもしれませんが、三年ほど前の物すごい豪雪のときに、市町村道の除雪の補助金の問題が当委員会におきましてもいろいろと論議をされまして、わが党の天野委員が特に熱心に御提唱になったわけでありますが、異常な豪雪の際には、市町村道の除雪費についても、特別の措置をしてやってもいいではないかということで、予備費から支出をされまして、特別の措置をされた経緯があるわけであります。  今次豪雪は、大体日ごろ非常に雪の多いところでは平年積雪を上回ったけれども、あるいは五割増というような状況ではないかもしれませんが、所によりましては、地吹雪等で、日ごろ雪の少ないところで非常に大きな雪の山になったというところもあるわけであります。したがいまして、そうした面については、一応積極的な調査をされまして、その結果に基づいて、余りにもひどいところがあれば、ただ単に特別交付税だけではなくて、しかるべき措置をされるべきであると思うのでありますが、その点もあわせて承りたいと存じます。
  21. 藤井達也

    ○藤井説明員 歩道除雪の問題につきましてお答えさせていただきます。  建設省におきましては、五十二年度から試験的に歩道除雪を実施してきたわけですが、直轄管理国道におきまして、東北地建、北陸地建におきまして、除雪の方法、機械の適応性、歩掛かり、実証的な調査研究を進めてきたわけですが、五十二年度におきます東北、北陸地建では三十五キロ、五十三年度におきましては四十四キロを実施してきているわけです。  歩道除雪によります効果といたしましては、歩車道の分離が可能になりまして、交通事故の減少が期待できるということで考えたわけですが、調査期間が短いために、これを実証するような数値がまだ出ていないというような状況であります。  なお、歩道除雪の実施前と実施後とを比較してみますと、確かに車道を通行する歩行者が非常に減ってきたということは数字的につかんでおります。しかしながら、歩道は車道に比べまして幅員が非常に狭い上に、態様といいますか形態が非常に複雑でありまして、障害物が多いというようなことで、多くの費用がかかるということがわかったわけです。補助国道におきましては、五十三年度から実施してきているわけですが、五十三年度御承知のとおり非常に雪が少なかったために、十分な成果がまとまっていないというような状況であります。  いずれにいたしましても、今後とも、試験施行を通じまして、歩道除雪実態、あり方というものにつきまして検討いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  22. 望月邦夫

    ○望月(邦)政府委員 昭和五十一年度には全国的に非常に豪雪でございましたので、町村道の除雪経費につきましては、市町村の一般会計経費によって対処することが困難になりましたので、国土庁におきまして異常豪雪市町村を決定いたしまして、建設省において予備費により除雪経費の臨時特例的な補助を行ったわけでございます。昭和五十四年度につきましては、降雪全体が過去五カ年の平均的な量でございますけれども、地域的にはかなり集中したところがあるということから、五十一年度と同様の措置がとれるかどうかということにつきまして、国土庁といたしましても積極的に調査いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  23. 高鳥修

    高鳥委員 建設省に一つ要望いたしておきますが、それは地方道について除雪区間を指定しておりますので、除雪区間だけを取り上げてみると、除雪は相当のパーセンテージでやっておって、交通確保されておるというふうな数字が出てくるのですが、除雪区間に指定されていないところは雪の中に埋まったままでございまして、それを除外して数字を出すものですから、非常にいい数字が出るのですけれども、実際の地域住民生活はそんな状況にはないというのが実情なのであります。したがいまして、除雪区間の延長、あるいは除雪指定の段階の格上げというようなことにつきましては、今後とも努力をしていただきたいと思います。  さて、次に時間の関係もありますので、若干意見だけを申し上げておきたいと思います。  その一つは、国鉄の問題であります。先ほどの只見線あるいは飯山線等につきましては、除雪をすると言いましても、先ほど委員長からも御報告がございましたが、まず、なだれ防止等の施設を完備しなければ危険で入れないというようなところがあるわけであります。地域住民のまさに生命線でもありますので、まず防雪施設についての整備に今後とも努力をされたいということが一点であります。  もう一つは、国鉄の管理局と都道府県の行政区域とが必ずしも一致をしていない地域があるわけであります。たとえば飯山線の長野管理局のごときであります。これらについては、とかく除雪体制等について不満が聞かれるところであります。したがいまして、国鉄も、これからいろいろと合理化なり再建なりを進めていかなければならぬわけでありますが、できれば、都道府県の行政区域と管理局の区域というものはできるだけ一致をしておる方が、いろいろな施策を進める上において好都合である場合が多いと思うのであります。国鉄は、組織の見直し等を積極的におやりにならなければならぬときでありますので、こうした面について、そういう声が非常に強いということでありますから、御検討いただくように御要望申し上げておきます。御答弁は要りません。  次に、林野関係でありますが、林野庁関係で折損木あるいは雪による倒木等が非常に多い場合には、雪起こし経費等につきまして、局地激甚災等いろいろな措置を講じまして、援助をしてこられたわけであります。特に今回の降雪状況を見ますと、やはり相当な被害があるのではないかと予想をされるのであります。非常に短期間に、しかも湿った雪が大量に降ったということでありますから、いま現在、その被害については恐らくこれから調査ということであろうと思いますが、調査の結果いかんによっては、また強く要望もいたしたいと存じますが、従前の対策に負けないだけの対応をしていただきたい、これを要望いたしておきます。  次に、特別交付税につきまして毎回問題になっておりますが、特別交付税自治省関係で普通交付税で見ております豪雪に対処する費用を上回る財政需要が発生しておるところについては、今回も当然しかるべき対処をされるものと思いますが、その点についての作業の状況等を承りたいと存じます。  それから、豪雪債に対する元利償還の際に、交付税で過疎債あるいは辺地債等にならって措置してほしいという要望が非常に長くあるわけであります。過疎債については、財政力指数という観念あるいはまた人口の激減というような条件、いろいろついておるわけでありますし、辺地債は辺地に限るという条件がついておるわけでありますが、豪雪債については、そうした条件が付されておらないわけでありますから、たとえば財政力指数等の概念を導入して枠をはめるならば、財政力を相当上回る投資をしても豪雪被害から脱却しようということでありますから、これについて、元利償還について若干の援助をすることは、必ずしも理由がないことではないのではないか、このようにも考えますが、御所見を承りたいと存じます。  なお、固定資産の評価の問題、積雪寒冷補正率の限度緩和の問題については、いつも要望をされておるところでありますが、あわせて自治省の御見解を承りたいと存じます。
  24. 吉田弘正

    ○吉田説明員 最初に、特別交付税の問題でございますが、本年度の特別交付税につきましては、現在、算定の作業を進めている段階でございます。  先生御指摘のとおり、降雪積雪に伴います関係地方団体の除排雪に要します経費につきましては、通常の場合の雪に伴います経費につきましては普通交付税に算入しているところでございますが、これを上回る雪が降った場合についての経費については特別交付税措置するという仕組みになっておりまして、今回の雪につきましても特別交付税を算定するということにいたしております。その算定に当たりましては、関係の都道府県、市町村から報告を受けております所要経費の額でございますとか、あるいは普通交付税に算入されている額、それから降雪積雪状況等を勘案いたしまして、実態に即しまして適切な配慮をしてまいりたい、かように考えております。  次に、豪雪債に対する元利償還費を交付税に算入するかどうかという問題でございますが、積雪地域に対します現在の地方交付税措置というものは、積雪の度合いに応じまして、市町村をそれぞれ級地に分けまして、増加所要経費を、経常経費、投資経費とも普通交付税に算入しておりまして、それを上回る場合の異常豪雪等に対します額につきましては、特別交付税に算定するというふうになっているわけでございます。  ところで、特別豪雪債と通称申しておりますが、昭和四十七年度から一般単独事業債のうちに、特別豪雪対策事業分といたしまして特別の枠を設置いたしまして、関係市町村道路でございますとか除雪機械とか関連の防雪施設の整備に要する経費の財源に充てるために特別の枠を確保しているわけでございまして、昭和五十五年度では九十五億円の額を地方債計画に用意いたしております。  そこで、これについては、いま言いましたような普通交付税の措置もすでにございますし、それから特別豪雪地帯市町村というのは、大部分過疎市町村あるいは辺地市町村というようなかっこうになっておりますので、弾力的に過疎債、辺地債を運用すれば、かなりの部分はカバーできるというふうに考えておりまして、現在のところ、特別豪雪分の一般単独債について特別に元利償還費を交付税に算入するというふうには考えておらないわけでございます。
  25. 渡辺功

    渡辺説明員 お答え申し上げます。  ただいま固定資産税の評価についてお尋ねございましたけれども、先生御承知のとおり、この問題については、過去にいろいろ経緯もありまして、現在のような評価基準の取り扱いになってございます。これは先生もよく御承知でございますけれども、木造家屋につきまして最高二五%の割り増し減価をする、こういうことになっております。したがいまして、初年度で例をとりましても、現在初年度八割、再建築費評点数の八割という水準になっておりますから、それの七五ということは六割ということになります。したがいまして、これは評価の問題としましては、もうかなり限度といいますか、いっぱいじゃないか、こういうふうに考えております。そういう事情にありますことを御了承賜りたいと思います。  ただ、事柄は評価の問題でございますので、これについては、関係市等からいろいろ意見がありましたときには、具体的なデータ、実態等が示される場合には、私どもとしても、それは真剣に耳を傾けていくという態度をとっておりますし、そういう柔軟な姿勢といいますか、そういうものは今後とも堅持したいと思っておりますが、私ども知る限りでは、現在の割り増し減価というものは、無雪地帯と比較しましたときに、相当程度の水準といいますか、いっぱいではないかというふうに考えております。
  26. 高鳥修

    高鳥委員 時間でございますので、まだ議論したいことはたくさんございますが、政府関係機関のなお一層の御努力を要望して終わります。ありがとうございました。
  27. 藤田高敏

    藤田委員長 渡辺三郎君。
  28. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 私も、きょうは雪の問題にしぼって質問を申し上げますが、質問するに当たりまして、最初に二つのことをお願いしておきたいと思います。  一つは、問題の性格上、質問が多くの省庁にわたっておりますが、時間が四十分でありますから非常に短いわけでありまして、そういう意味で答弁は簡潔かつ的確にお願いを申し上げたい、これが一つであります。  それからもう一つは、同僚議員がいまいろいろ各般にわたって質問をされましたが、これと同じような質問があるいは出るかもしれません。御承知のように、予算分科会が行われておりまして、必ずしも全部前議員の発言を聞いておりませんから、そういう点では重複する面もあろうかと思いますけれども、ひとつそういう意味で、前の委員にお答え申し上げましたとおりということじゃなくて、こちらの質問に明確にお答えをいただきたい、このことをまず最初にお願いしておきたいと思います。  そこで、気象庁からお伺いをしたいわけですが、ことしの冬の降雪特徴、近年の豪雪というふうに言われておりました四十八年から四十九年にかけての豪雪状況、それから五十一年から五十二年にかけての豪雪状況と比較をしてとりわけことしの降雪の量であるとか特徴、こういう点について、簡潔にまず最初お聞かせをいただきたいと思います。
  29. 立平良三

    立平説明員 お答えいたします。  ことしの大雪の特徴は、まず第一に、比較的短い期間に集中的に降ったということが挙げられるのではないかと思います。ことしの大雪は、一月の末から二月の下旬まで続きましたが、約一カ月足らずの期間でございました。  比較のために、記憶に新しい豪雪としまして、昭和三十八年の大雪、それから昭和五十二年、三年前の大雪、これと比較しますと、この二つの場合は、大雪はもうすでに年末から始まっておりまして、それが二月の上旬くらいまで続いて、一カ月以上の期間にわたって大雪が降っております。これがまず第一の特徴と言えるかと思います。  第二の特徴としましては、今回の積雪の深さは、昭和三十八年あるいは昭和五十二年に比べまして、全国的に見ますと、幾分少ないかと思われますけれども、ただ、東北地方それから北陸地方山間部で見ますと、局地的ではありますが、最深積雪が三メートルあるいは三メートル五十近くに達しているところがありまして、三十八年あるいは五十二年を上回っているようなところもございます。これが第二の特徴と言えるかと思います。  以上でございます。
  30. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 いまお答えいただきましたように、若干局地性はあると思いますけれども、近年のいわゆる豪雪と言われた当時の状況に匹敵する、あるいは地方によってはそれを上回るという状況でありますから、この被害も、道路の問題あるいは鉄道輸送の問題その他農林水産関係被害、こういうものも相当大きなものが出てまいるでありましょうし、それに伴って住民生活の支障等、これも大変なものになると思うのです。  きょうは、具体的な農林水産関係災害対策といいますか、その問題は、時間の関係もありまして割愛をします。恐らくこれは今後の融雪期に入りますと、どっと出てくると思うのです。いまのところは、まだそれが表面化しておりませんから、この問題は抜きますけれども、しかし、いま気象庁からお答えいただいたように、相当大変な雪害が予想されておるわけでありまして、それだけに、前回政府がおとりになったいろいろな措置、これを少なくとも下回らない、きちんとした対策をぜひともお願いしなければならぬと思うわけです。  先ほども質問がありましたけれども、自治省にお伺いをしますが、今回の豪雪に対しての特別交付税、これは、いまちょっと私もお答えをお聞きしましたが、前回の、たとえば五十一、五十二年度の当時、これらと比べてどういう心構えといいますか、考え方を持って作業を進められようとしておるのか、その点を概括的で結構でございますから、まずお答えいただきたいと思います。
  31. 吉田弘正

    ○吉田説明員 特別交付税の問題でございますが、先ほどお答えいたしましたように、特別交付税につきましては、通常の雪を超える異常な豪雪等につきまして、普通交付税に算入している額では足りませんので、その場合に特別交付税措置するということで現在作業を進めております。今回の雪につきましては、特に東北地方あるいは北陸地方等について、普通交付税では賄い切れないといったような事態が生じておりますので、これを特別交付税で算定するということでございまして、その算定方法につきましては、関係地方公共団体から実際にどの程度の額がかかったかという所要額をとりまして、その所要額でございますとか、あるいは降雪積雪の量でございますとか、あるいは普通交付税に算入されている額というものを勘案いたしまして、適切な配分をしてまいりたいというふうに考えております。
  32. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 これは会計で言いますと五十四年度、三月末までに算定を終わって各市町村に交付をする、こういうふうに通常なると思いますけれども、災害といいますか被害状況、これらを勘案しながら、仮に年度末までに集約をできない部分については、会計年度の五十五年度に入ってさらに追加をするというふうなお考えはありましょうか。
  33. 吉田弘正

    ○吉田説明員 今回の雪に伴います除排雪に要する経費でございますけれども、それは関係地方公共団体からの報告で、どれだけ要るかという所要額をとっているわけでございますが、それは現に使った金だけでなくて、今後年度末までにどれだけ要るかという見込み額もあわせてとりまして、それをもとに計算いたしますので、適切な措置ができるか、かように考えております。
  34. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 建設省に御質問申し上げますが、県道及び市町村道の除排雪については、先ほども御質問がありましたが、今回は気象庁からお答え願ったように、短期間のうちにいわばどか雪というふうな形で大変な降雪がありましたから、それだけに、道路の維持管理、除排雪については非常な苦労が伴ったわけであります。  今回の豪雪地帯、私も一部見ましたが、やはりこれまでと違って、これまで以上の多くの民間の、いろんな機械動員まで含めながら、あるいは町内会の組織を動員しながら、そういった民間の相当の協力をもらいながら、各市町村では、この集中的な豪雪に対する道路の除排雪を行ったようであります。それだけに、かかった費用も相当のものがある、あるいは市町村の財政をその面で大きく圧迫しておる、こういうふうに考えるわけであります。  先ほど検討中というお話があったのですが、この臨時の補助金を私はぜひともやる必要があるのじゃないかというふうに考えるわけです。この点、再度ひとつお答えをいただきたいと思う。
  35. 藤井達也

    ○藤井説明員 五十一年度におきまして、全国的な豪雪により、市町村道の除雪に要する経費が激増したため、市町村道において交付税を財源といたします一般会計等で対応することが困難になったわけですが、国土庁におきましても、その実情調査し、豪雪市町村の決定を行い、それに基づいて幹線市町村道に対します除雪費につきまして、予備費をもって措置を講じた事例があるわけでございます。  今回の雪につきましては、先ほどお話がありましたように、全国的には平均的な積雪程度ということでありますが、地域的にはかなりの積雪が認められるということで、五十一年度と同様な措置を講ずるかにつきましては、関係省庁と密接な関係をとりつつ検討さしていただきたい、このように思っております。
  36. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 五十一年度の資料をいろいろ調べてみましたけれども、この場合には、幹線市町村道の除雪経費に対して平年の除雪費を超える額の二分の一、こういう形で予備費の方から、一般会計から支出をされておる、こういうふうに承知をしておるわけです。額は私の調べでは二十億四千九百万円というふうな形になっておりますが、いま物価も値上がりしておりますから、額の点は別といたしまして、この算定の基礎といいますか、基準といいますか、これは五十一年度、いま申し上げましたような形でことしも算定されるという考えでしょうか。
  37. 柴田啓次

    柴田政府委員 五十一年度の場合には、平均積雪量の一・五倍を超える市町村を対象にいたしまして、いまお話がありましたように、幹線市町村道の通常の年度の除雪費を超える部分の半分を補助したわけでございます。  ただいま政務次官並びに建設省の担当室長の方からお話がございましたように、その方法がとれるかどうか、いま密接な連携をとりつつ検討している最中でございます。仮にやるといたしましたならば、同じような方法でなかろうかと思います。
  38. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 それから、もう一つ、この問題に関連してお聞きしますが、いま関係省庁と十分協議をしてというふうなお話でありますが、いつごろまでにこれについての結論をお出しになる考えなのか。これは正直言って関係市町村はこの問題についてはやはり非常に渇望しておりますし、そういう意味もあって、大体いつごろまでにこれについての結論をお出しになるのか。ぜひやるべきだし、やってもらわなければならぬというふうな立場で私は質問するわけですけれども、繰り返し御答弁ありますように、目下、鋭意検討中だということですから、結論としてはいつごろまでにお出しになるのか、この点をひとつ明らかにしてもらいたい。
  39. 柴田啓次

    柴田政府委員 積雪量の市町村ごとの調査等に相当の日数を要しますけれども、何分にも年度も押し詰まっておりまして、この年度内の問題として処理しなければなりませんから、年度内にもちろん処理できるように、また市町村が受け入れをできるように、仮りにやるとすれば、そういうような方向で早く方向づけをいたしたいと考えております。
  40. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 建設省の方の関係でさらに御質問を申し上げますが、道路のガードレールの問題ですね、これは技術的にいろいろ建設省もお考えあるようでありますけれども、実態的に申し上げますと、異常な豪雪によってガードレールの損壊というものが相当あります。これに伴う県や市町村の経費の支出というものもばかにならないほど額がかさんでおりまして、これをどうにかできないかというふうな要望が非常にあるわけですけれども、たとえば建設省の見解を聞きますと、道路そのものが完全に豪雪のために破壊された、それの災害復旧をやらなければならぬ、こういう場合に、それと一体のものとしてガードレールが損壊をしたという場合は、正直言って比較的救済しやすいけれども、ガードレールそのものだけが豪雪によって損壊するということについてはというふうな疑問がおありのようです。これはわからないことはないのですけれども、しかし実態としては、たとえばガードレールの縦のくいそのものが、道路が掘られて全部倒壊するというかっこうじゃなくて、いわゆる横板ですね、これがひん曲がって、夏場になりますと、それが交通障害になるということが非常に多いわけです。こういう実態がありますから、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、この対象にそういった場合のガードレールの損壊というものを加えられないかどうか、この点についてはどういうお考えか、一言お聞かせいただいておきたいと思うのです。
  41. 川合恒孝

    ○川合説明員 先生御指摘のように、ガードレールだけが損傷した場合は、現在のところ、公共土木施設国庫負担法の対象としていない。といいますのは、国庫負担法の六条に、維持工事とみなされるものは国庫負担の対象じゃないということになっておりまして、それを受けまして、要綱では、道路の付属物の損傷のみの災害は維持工事とみなすというような現在取り決めでございまして、いままでのところガードレールだけの損傷というのは数少なくて、道路本体と一緒になって破壊したという事例が非常に多いわけでございまして、そういったものは国庫負担の対象として採択をしておりますが、ガードレールのみということは、従来の要綱その他の問題もございまして採用しておりません。  しかし、先生御指摘のようなガードレールのみというような問題が積雪によってあるということも考えられますので、この点につきましては、中でもう度検討していきたい、こういうふうに考えております。
  42. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 この問題は特殊だとは思いますけれども、非常に切実な要望がありますから、十分ひとつ前向きに検討していただきたいと思います。  次に、豪雪地帯対策特別措置法にかかわる問題についてお聞きをしたいわけですが、ずっと建設省に聞いておりますから、これもひとつ引き続いて建設省にお聞きをしますけれども、この特別措置法の第十四条にございます基幹的市町村道の県代行事業、これについては十四条によって四十七年度から五十六年度までというふうに時限が切られておるわけでありますけれども、これは現在の豪雪地帯実態から言えば、あと二年あるわけでありますが、五十六年度で打ち切りというふうな形で現状に沿うものでしょうかどうか。私は、現状から言って、これについては非常に不十分ではないか、こういうふうに考えておるわけでありまして、この年次を切っておる条項についてどのようなお考えをお持ちになっておるか、ひとつ考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  43. 四柳修

    ○四柳政府委員 この法律のお世話をいたします私の方からかわって御答弁いたします。  御案内のように、この法律は昭和三十七年に議員立法でできまして、ただいまお話ございました代行道路の十四条と文教施設関係の十五条と、この二つの条文が五十六年度末という切り方になっております。  そこでこの問題、どうするかということでございますけれども、やはり成立の経緯もございますし、あるいは今後の需要といったものもある程度チェックしなければいけませんし、そういった点を踏まえまして、よく調査した上で、関係方面との連携をとりながら対処してまいりたいと思います。
  44. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 これは、いまお答えいただきましたように、十五条では公立の小中学校の施設の問題、同じように五十六年度末と、こういうふうになっておるわけですね。いま一括お答えいただいたので、私も、十四条、十五条絡めて申し上げたいと思いますけれども、この代行事業の進行状況あるいは豪雪地帯における小中学校の分校とか寄宿舎とかあるいは危険校舎の改築とか、こういったような諸問題についても、確かにこの法律によって相当進んだことは事実でありますが、しかし、現在の段階で把握する限りにおいては、まだ十分にこの十四条、十五条の目的を達したというようには思われませんし、それから何回も、ほとんど毎年大変な、特に特豪地帯の場合には豪雪があるわけでありますから、それに伴って損耗も激しい、こういうふうな状況からすれば——立法当時の十年間まずやってみようというふうな気持ちはわかります。四十七年度から五十六年度までというふうに決められた事情もわからないことはないわけですけれども、現状から言えば、まだまだこの措置については延長の必要性があるのではないか、私は、こういうふうに考えますから、まだ二年間あるわけでありますし、この点は篤と前向きに御検討いただきたいと思いますが、重ねて考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
  45. 四柳修

    ○四柳政府委員 確かに、過疎代行道路の場合には、特に道路の新設なり改良でどんどん延びてまいりますものですから、御指摘のように、過疎地域なり豪雪地域でネットワークとして整備するために市町村負担ではできないからという御要望が非常に強いだろうと思いますし、そういう意味では、残事業というものを現在調査しておりませんけれども、相当の要望があるだろうと思います。ただし、学校の場合には、御案内のように、生徒の動きなりあるいは学校を建てました耐用年数なり、そういう状況があろうかと思いますから、これは例年ある事業というよりはある程度周期的な点もあろうかと思いますから、その点は、大変恐縮でございますけれども、やはり関係省庁の方で、そういった事業の展望なり需要というものをお調べいただきまして、私どもの方も、そういったところと連携をとりながら、御趣旨のことをよく踏まえて検討してまいりたいと思います。
  46. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 それじゃ、いまの問題で、文部省からも来ておられると思いますから、文部省からお答えいただきましょうか。
  47. 横瀬庄次

    ○横瀬説明員 特別豪雪地帯につきましては、ただいまお話がございましたように、小中学校の校舎の新、増、改築につきまして三分の二の高率補助を行っておりまして、これで改築といいますか建築を促進しているわけでございまして、実績といたしまして、簡単に申しますと、いわゆる鉄筋化率というのがございます、木造校舎を鉄筋にかえていくというような率でございますが、これが五年前の四十九年度におきまして四〇%であったものが、現在のところ六〇%というような率を示しておりまして、これは全国的にいいましても非常に伸びているというふうに思います。しかし、全国的な平均率といたしましては八〇%ぐらいまでいっておりますので、まだ相当の差があるということは事実でございまして、このあたり十分事実を調査いたしまして、五十六年度といいますか五十七年度以降の対処について十分検討してまいりたいと思います。
  48. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 わかりました。  この問題は、文部省の方からも、いまお答え願ったような実態の上に立って国土庁と十分に協議をされながら、私の認識では、あと二年間で打ち切られるということになると当該市町村としては全く不十分なままに終わるというふうなことになると思いますから、国土庁とも十分連携をとって措置をしていただきたい、これは要望をしておきたいと思います。  それから次に、国土庁に同じような特別措置法の問題に関連してお聞きをしますが、端的に聞きたいと思いますけれども、この特別措置法第二条第二項による特別豪雪地帯指定基準を、さらに緩和、改正してもらいたいというふうな要望が相当強いわけでありますけれども、これについては端的にどのようにお考えでしょうか。
  49. 四柳修

    ○四柳政府委員 御案内のように、昨年の三月指定基準の見直しを行いまして、四月に七十二市町村を追加いたしました。その見直しのときの考え方でございますけれども、やはり最近の積雪実態が反映されるように、あるいは最近の住民生活の支障要件等が十分考慮されるようにと、こういう御注文が多かったものでございますから、とりわけ前段の点につきましては、新しい年度ということで昭和五十二年までの二十年間の雪のデータを採用しましたし、それから積雪によります住民生活の支障という点で、いままでなかった交通ばかりでなくて幾つかの支障要件というものを取り上げてまいりました。  そこで、今回のいわば一時的などか雪といいますか、そういうかっこうの中でいまの指定基準を見直してもらいたいというお話も私ども承っております。ところが、現実にその見直しをいたします場合に、ただいま申し上げましたように、やはりある程度客観的な資料がなければならない、しかも、それがある長い期間のもの、公的な機関でつくったものでなければならない、いろいろ制約があろうかと思います。そういう意味で、今回の事情にかんがみまして、そういった客観的な合理的な資料があとどこに残っているかどうかということを探してみませんと、捕捉する物差しが見つかりません。そういう意味で、いまの物差しを全部見直してしまうということでなくて、やはり新しい要件を足せという御要望でございますから、そういう物差しを探すということで、資料の収集で検討しなくてはならないと考えておるのが実態でございます。
  50. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 大体去年の三月大幅な見直しをしたわけなので、そういう答弁だろうと思っておったのですが、そこで、ひとつ突っ込んでお聞きしたいのですけれども、いまも局長がおっしゃいました、現行の指定基準を前提にして、たとえばこれまでの資料不足といいますか、あるいは見落としとか、落ちこぼれとか、そういった市町村が本当は去年の三月の追加の際に救われたかった、しかし残念ながら、いま局長も言われるように、公的な資料が必ずしも十分でなかった、あるいは国土庁を中心にしながら、農林省、気象庁その他の関係庁の持っておる資料も必ずしも十分ではなかった市町村も中にはある、こういうふうな場合に、それが充足されて、しかも現行基準の一号要件、二号要件に合致をするというふうな場合には、去年大追加をやったわけですけれども、七十二市町村やったわけですけれども、それらについては、さらに指定するにやぶさかでない、こういうふうなお考えかどうか、その点ひとつ明確にお答えをいただきたいと思います。
  51. 四柳修

    ○四柳政府委員 大変むずかしいお尋ねでございまして、実はいままでやっていた指定の物差しの数字が、つくっている方で必ずしも十分でなかったのじゃないか、それを見直しをしないか、その場合に合格をすれば足さないかどうか、こういうお尋ねでございますけれども、そういった点につきまして、やはりせっかくそういったいままでの資料をおつくりなさった方、あるいはその作成を御指導いただいた主管省庁の方で、いま御指摘のようないわば誤差に類するようなことを誤差として御容認いただけるかどうか、あるいは大変恐縮でございますけれども、マイナスの誤差もあるかもしれませんけれども、プラスの誤差もあるいはあるかもしれません、そういった点をやはり考えますと、統計資料の信憑性という問題になりますものですから、主管省庁の方でそういったことが御検討いただけるかどうかということが前提になろうかと思います。そういった点、せっかくのお尋ねでございますから、一応主管省庁の方にもその旨は伝えておきたいと思います。
  52. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 余り時間が残っておりませんので、ぜひ聞いておきたいことでもちょっとはしょらなければならないわけでありますけれども、これは国土庁とそれから気象庁の方に、少し技術的な問題になりますが、一言お伺いをしておきたいのですが、たとえばいま局長から御答弁ありました去年の大きな見直しの際に、それを検討した審議会の中では幾つかの宿題が残されていると私は思うのです。  そのうちの一つだけ申し上げますが、いわゆる冬期間の異常な——異常なといいますか、これは常襲的でありますけれども、季節風によって地域によっては大変な地吹雪がある、普通、上から真っすぐに降ってくる雪についての積雪の数値、これだけではなくて、横から吹き上げる雪によって大変な、とんでもないところに吹きだまりができるという、しかも、これはそのときのまさに一時的な現象じゃなくて、風あるいはその地域のいろいろな条件といいますか、それによって常襲的にそういう場所はほぼ決まっているわけですが、この地吹雪をどのようにいわゆる指定基準による一号要件に加えるかどうかという問題が宿題として残されておったように私は思うのです。これは、それを数値であらわすということが技術的になかなかむずかしいということで検討課題に残されておるように思うのですが、その後、国土庁なり気象庁なりでこれに対する対応が進んだかどうか。  たとえば私が聞いておるところによりますと、市町村段階では、その吹きだまりといいますか、地吹雪といいますか、その状況について市町村なりのデータを相当ここ一、二年来集め始めたようであります。これは、まだ本省庁には上がってきてないかもしれませんけれども、その問題について、国土庁でも気象庁でもどっちでも結構ですから、新しい手法などを検討されて進みつつあるというふうな状況ならば、その進捗状況についてお答えをいただきたいと思います。
  53. 立平良三

    立平説明員 気象庁の方として雪の観測の立場から御意見を申し上げたいと思います。  地吹雪の件につきまして一応検討はしてみましたが、雪の降り方と申しますのは、積雪が局地的に非常に変動が激しくて、それで、なるべく変動の少ない、かなり代表性があると思われるところで雪の観測を行っております。しかし実態は、地形とか風向、風速あるいは雪の質なんかによって非常に細かい変動をする、その変動が地域的に非常に細かいものですから、それを的確に把握するというのは、いまの観測技術としては非常にむずかしいことでございます。  そういうわけで、いまのところ、地吹雪による積雪市町村ごとに指標化する、インデックスにするということは、ちょっと困難なことではないか、現在はこういう段階で考えております。
  54. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 これは非常にむずかしい問題だと私も思いますが、ひとつ気象庁の方にもお願いをしておきたいのですが、たとえば、それを全面的に解決することにはならぬと思いますけれども、一つの手段としては、これもいままで何回かやかましく言われてきましたが、観測地点の変更であるとかあるいは増設であるとか、こういう面である程度カバーできるのじゃないかと私は思うのです。私も、全国的な観点からいえば、ごく一部の地域しか見て回っておりませんけれども、たとえば、いま申し上げた地吹雪の顕著な地域といいますか、そういうところに必ずしも適切な観測地点がないわけですね。そうなりますと、基礎的なデータそのものも集めにくい、こういうふうな制約にもなりますから、ぜひその点なども考慮の中に加えていただいて、全然気象庁なりその他の省庁がやっていないというわけではありませんけれども、その点も重要な要素の一つとして今後ぜひ御検討されるように、時間の関係もありますから注文だけしておきたいと思います。  それから大蔵省、通産省来ていただいておりまして、質問を準備しておったのですが、残りあと六分ぐらいしかありませんから、大蔵省にだけお伺いをしておきます。  これも先ほど同僚委員の方からいろいろお話がありましたが、所得税の問題あるいは法人税関係、固定資産税、こういった各般にわたっての雪にかかわる税制の問題をやはり大きく改善してもらわなければ、積雪条件下にある住民生活を、無雪地帯と同じような形で平等に生活できるような状況につくり変えることにはならないと思うのです。これは税制上いろいろ制約があることは私もわかります。何回もいままでこの問題は各委員会やあるいは審議会等でも議論されたわけでありますから、大蔵省が言われるむずかしさというのもわからないことはないのですけれども、しかし、むずかしいからといって何年もこのまま放置しておくということは、私はよくないと思うのです。  そこで、時間の関係で端的にお伺いをしますけれども、いまたとえば所得税関係で言えば、現行では雑損控除、これもきわめて不十分なやり方ですね、私どもから言わせれば。この雑損控除制度の弾力的な適用しかないのじゃないでしょうか。時間がありませんから細かには言いませんけれども、私は、もっと根本的に、どうしても豪雪地帯については新たに豪雪のための控除制度を一本加えるべきだ、そうでないと平等は保てない、こういうふうに考えているのですが、ひとつ大蔵省、この問題についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  55. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  雑損控除の問題でございますが、所得税でまずその収入から何を経費として引けるかという問題でございます。第一に必要経費、その収入を得るのに必要な経費が引けるわけでございます。それからそのほかに、渡辺委員御存じのとおり、基礎控除とか扶養控除とかそういったものが、生活費的なものを控除するという意味で設けられているわけでございます。そのほかに雑損控除というのは一体何だろうかということなんですが、本来の所得税の考え方から言いますと、これは別に所得を稼得するための必要経費ではないのですが、これがたとえば風水害とかあるいは盗難とか火災というようなことで相当なる財産に損害があったという場合におきまして、これが収入を得ることには関係はないにせよ、その人の担税力に影響があるということで雑損控除をその所得の一割を超えた場合には認めているという制度なんでございます。  そういうことから考えましても、これを、たとえば足切りの一割というのを下げるというのは、制度的にも、また円滑な執行を確保する上から言っても、なかなかむずかしいわけでございますが、現在、雪おろしそれから雪捨ての費用まで雑損控除で見ることになっております。そういうことがよく世の中にもPRされまして、また実際に事業収入を得ている方々は事業上必要な雪おろしその他除雪費用は当然引けるわけでございます。そういった実態につきましても、よく周知徹底を図りまして、できるだけ遺漏なきを期したいと考えているところでございます。
  56. 渡辺三郎

    渡辺(三)委員 残り少なくなりまして残念ですが、いま説明をいただいたこの雑損控除の性格なり、その運用、適用は私も存じております。それで不十分だというふうに考えておるわけでありまして、特に雪おろしと、それから家屋の周辺の片づけ、これだけじゃないんですね。雪国実態は、大蔵省も十分にあらゆる角度から検討しておられると思いますが、それだけじゃありません。たとえば雪囲いの費用であるとか、あるいは雪どめの費用であるとか、それからさらに家屋の維持修繕費、いろいろなものが伴うわけでありまして、大蔵の方でも、たび重なる各委員会の質問の中で、いま言われましたように、雑損控除を適用しよう、しかし、一〇%の足切りがある、それから雪おろしと周辺の雪の片づけ費用なんだと、こういうふうなことで、ここまでは進んだのか、まあ遅々として進まないというふうに表現した方がいいのかもわかりませんけれども、現状はそのとおりなんです。これではきわめて不十分だから、豪雪によるどうしても必要な施設経費、これらをやはり税制の上で見るべきではないかというのが基本的な私どもの考え方でありますが、これは時間の関係もありますので、いずれまた別の機会に申し上げたいと思います。  それから、法人税関係の減価償却の耐用年度の短縮、こういうふうな問題もありましょうし、それから固定資産税の問題もありますが、これらは、いずれ機会を改めてまたお伺いをすることにしますし、また通産省の工場再配置の問題にかかわっての雪国の問題、これを少し具体的にお聞きしようと思いましたが、時間が参りましたから、これはまた商工委員会ででも改めて時間をとってお伺いすることにします。  そこで、委員長にお願いを申し上げたいのですが、大臣からぜひ一、二の点についてお聞きをしておきたいと思いましたが、他の委員会関係で出席願えませんでしたので、これについては、もし許されるならば、午後から若干の時間でも結構ですから、一、二質問をさしていただきたい、この点を保留をさしていただいて終わります。
  57. 藤田高敏

    藤田委員長 私に対する要望は検討してみましょう。  それでは、午後一時より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十二分休憩      ————◇—————     午後一時開議
  58. 藤田高敏

    藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山田英介君。
  59. 山田英介

    山田(英)委員 私は、今回の豪雪地帯被害調査に参加をいたしまして、つぶさに実情を見聞いたしてまいりました。憲法第二十五条は、申し上げるまでもなく、生存権、国の社会的使命をうたい、その第一項では「すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を營む権利を有する。」、第二項では「國は、すべての生活部面について、社會福祉、社會保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」としております。  私は、豪雪地帯で善良な多くの人々が豪雪と闘い、それを克服しようと懸命に生き抜いている姿に接し、ある種の感動を覚えるとともに、これらの人々が、昔から雪は降っているのだ、雪害はいま始まったものではないと言うように、簡単に片づけてはならないと思うわけでございます。できる限り政治、行政の温かい手を差し伸べていかなければならないということを私は強く胸に刻んで帰ってまいりました。  かかる観点から、以下若干の質疑をさせていただきたいと存じます。  まず最初に、特別豪雪地帯指定基準に関してお尋ねをしたいのでございますが、特別豪雪地帯指定をされている市町村は、昨年の四月七十二追加指定をされて、現在全国で二百七十九市町村と伺っているところでございます。今回の被害調査で明らかになったことの一つは、雪国市町村の乏しい財政の中で、集中豪雪による積雪の排除、除排雪の費用が当初見込んでいた額よりはるかに大きくなり、そのほとんどをすでに使い果たしてしまっている、しかも、いまだ多額の資金を必要としているというところにあると思うわけでございます。特豪指定を受けていないほとんどの市町村が、この指定基準の緩和と拡大を願っているところでございますが、特に指定基準の一号要件には該当いたしますけれども、二号要件に該当せず、指定を受けられないところがほとんど全部でございます。  そこで、お尋ねをしたいのでございますが、昨年見直しをしたばかりという事情もあると思いますけれども、この際、二号要件を見直して、その緩和が図れないものか、今回の豪雪被害状況から昨年の四月に引き続き特豪指定を追加できないのか、大臣お見えでございますので、園田長官にお伺いをしたいと存じます。
  60. 園田清充

    園田国務大臣 御指摘のことは、実は私自体も、南の人間ではございますけれども、、痛切に感じておるわけでございます。と申し上げますのは、関係地域の方から同じような御要請をいただいて、陳情を受けておるわけでございますが、雪は上から降るものではない、下から降るのだという説、そうした観点から、実は私もそれまで気づかずにいたのですけれども、テレビを見てみると、なるほどなとうなずける点が多々あるようでございます。  そこで、いま指定基準の問題が出てまいりましたが、基準自体が二十年間の降雪量だとかいろいろなことを基準にとっておるので、そこで、とにかく一応資料を収集しなさい、特にことしみたいな短期間に集中的に雪が降るというようなことは、雨で言うなら集中豪雨であり、集中豪雪というような場合も考えて、われわれは、いま御指摘のようなことを頭に置きながら、事務的に検討対照するようなことが必要だと思うので、まず事務的な検討、収集ができるような体制をとってほしいということで、実は事務当局に指示いたしておりますので、若干時間をおかしいただきたいと思います。
  61. 山田英介

    山田(英)委員 大臣の大変前向きな御答弁をいただきまして感謝をいたしております。  続きまして、この特豪指定基準の一号要件は積雪の度、二号要件が積雪による住民生活の支障の度合い、それで、指定を受けるためには一、二号要件ともに満たされなければならない、こうなっているわけでございます。  ところで、豪雪地帯対策の目的は、雪害の防除と諸施策の実施によりまして、当該地域の産業の振興と住民生活の安定向上を図るところにあるはずだと理解をいたしております。雪害といった場合に、積雪の度のみならず、地吹雪といったような現象も大変な被害をもたらすということを私は認識いたしました。特に福島県の北会津地方では、大臣、凍死者が出ているわけでございます。また山形県の庄内地域、この市町村では、地吹雪の現象によりまして、道路交通とか鉄道網が分断されまして、麻痺状態に陥る、住民生活に著しい支障を来しているという事実がわかりました。積雪の度のみで律するのでは実情にそぐわないという強い印象を私は抱いているわけでございます。地吹雪などの甚大な苦しみに耐えている市町村にも、特豪指定の道をこの際開くべく御検討を同じく開始していただきたいと要望を申し上げたいのでございますが、大臣、いかがでございましょうか。
  62. 四柳修

    ○四柳政府委員 お答え申し上げます。  ただいま指定要件の中で、地吹雪について要件として検討できないか、こういうお尋ねでございますけれども、御案内のように、一号要件の方は、いわば積雪の度の要件という形で、これは観測点を定め、ある期間を置きますと、客観的につかまえることが可能でございます。ところが、いま例に挙げられました地吹雪でございますけれども、実は、その地吹雪現象というものを、現在あります豪雪地帯の各地域につきまして客観的なデータとしてとり得るかどうかという非常な制約がございます。というのは、御案内のように、吹雪というのは、限られたときに限られた地域で目で見てわかるものでございまして、それは実は記録に残りません。そういうことで、そういう形をどうやって指標にとるかというむずかしさがございます。  その点、お尋ねの点は、そういう見えないもの、あるいは記録に残らないものを何か客観的に補完して、二号要件でとらえられないだろうか、こういう御趣旨だと思いますが、先ほど大臣が御答弁申し上げましたような趣旨でございまして、むずかしいところを何とか探せるかどうか検討してみたいと思います。
  63. 山田英介

    山田(英)委員 ぜひ御検討をお願いしたいと思います。  次に、建設省関係になるかと思いますが、消雪パイプ流雪溝に関して二、三お尋ねをしたいと思います。  消雪パイプについては、地下水のくみ上げ方式のものが多いように理解をいたしておりますけれども、その効果の大きいことを評価しつつも、反面、将来における地下水のくみ上げによる地盤沈下の心配も抱くわけでございます。この整備について、国では、建設省では三分の二の補助をいたしておるわけでございますが、いわゆる消雪パイプ整備による地下水のくみ上げとそれから地盤沈下という関係において、現状ではどのように建設省として御認識をなされていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
  64. 藤井達也

    ○藤井説明員 お答えいたします。  従来から除雪につきまして、機械除雪のみならず、消雪パイプ、それから流雪溝等によりまして、除雪の効果をより一層進めるためにそういった施設をやってきておるわけです。  御存じのとおり、消雪パイプにつきましては、地下水を要するわけですけれども、これが大量になりますと、地盤沈下等の問題が生じてくるわけです。地下水の豊富なところ、容易に得やすいところ、そういったところにつきまして消雪パイプ設置を進めていきたい、このように考えております。
  65. 山田英介

    山田(英)委員 地下水のくみ上げ方式以外の、たとえば河川等の表流水を利用して消雪パイプを機能させるというようなことは、技術的、コスト的に整備されるものか、開発されるものか、この辺の見通し、それから現状をちょっとお知らせいただきたいと思います。
  66. 藤井達也

    ○藤井説明員 消雪パイプにつきましては、一般的には地下水のくみ上げ、これはかなり高温ですから、少量で大量の雪を溶かすということで効果的になっておるわけですが、一部、河川水を利用いたします消雪パイプについても、現在試験等が行われておるわけで、そういったものを併用しながらやっていければ、消雪パイプがより普及できるのではないか。また、流雪溝につきましても、最近また見直されておりまして、これらの事業の要望も非常に強いわけで、そういった水利用によります消雪を行って、より一層効果の高い除雪事業をやってまいりたい、こういうように考えております。
  67. 山田英介

    山田(英)委員 地盤沈下に対する配慮を怠ることなく、かつ消雪パイプ整備事業、その量の拡大をぜひともこの際要望しておきたいと思います。  流雪溝について御答弁もございましたけれども、一、二申し上げておきたいと思います。  住民の協力のもとでかなりの除排雪の効果をこの流雪溝は上げております。単に除排雪ばかりでなく、地域社会における連帯感とか共同意識のようなものさえ培われつつあるということも事実でございまして、私は、この流雪溝整備ということは非常に高く評価をせざるを得ないと思っております。特に建設省としても、この流雪溝整備には特段の力を入れていただきたいと思います。  そこで、全体の流雪溝の計画量といいますか、計画の長さというのでしょうか、延長といいますか、そして現在の整備状況について、把握をなされておりましたら御報告願いたいと思います。
  68. 藤井達也

    ○藤井説明員 流雪溝につきましては、かなり古い歴史がありまして、川等を利用しまして、人家の前の川を利用しながら流すということで、流雪溝の全体量の把握ということになりますと大変むずかしい数字でございますが、五十四年度におきます流雪溝の事業につきましては十一億円、約十八キロの事業を実施しております。なお、消雪パイプにつきましては五十七億円で、百十三キロの事業を実施しておる状況でございます。
  69. 山田英介

    山田(英)委員 一度建設省としても、流雪溝の効果の非常に大きいことにかんがみまして、各県との共同作業、または各県に督励をされまして、一体どれぐらい流雪溝が必要とされているのか、その個所と延長ぐらいは本省としてはやはり把握をされることが必要ではないかと思います。それでなおかつ、それに基づいて流雪溝の年次整備計画を策定すべきだというように私は思うわけでございますが、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
  70. 藤井達也

    ○藤井説明員 道路整備五カ年計画につきましても、それぞれ所要量を出しまして事業を進めておるわけですが、先生の御要望のように、今後の事業計画の改定の段階におきまして、全体の事業量を把握し、計画的に事業を進めていきたい、このように考えております。
  71. 山田英介

    山田(英)委員 ぜひ前向き、積極的に年次整備計画等につきましては取り組んでいただきたいということを重ねて要望しておきます。  次に、今回の豪雪被害の中で人的被害ということでございますが、死亡それから重軽傷者を調べてみますとこういうふうになっております。新潟県二月二十七日現在死者五名、重傷者二十一名、軽傷者十三名、それから秋田県三月二日現在死亡四、重傷者十一、軽傷八、それから福島県二月二十五日現在死亡一、重傷十七、軽傷十二、山形県二月二十六日現在死亡一、重傷十三、軽傷十五、ただし山形県の場合には一月三十一日からの人的被害でございまして、この冬に入ってからの死者は五名、重軽傷者合わせて五十二名、こういうふうにふくらんでおります。この四県だけで合計が、死者十一、重傷者六十二、軽傷者四十八人となっておりますが、そのほとんどがいわゆる屋根に積もった雪おろしの作業中にこれらの事故に遭っているという実態でございます。軽傷者の数が非常に少ないわけでございますが、軽いけがということで報告がなされていない、それらを勘案いたしますと、相当の人数になるだろうというふうに予測をされます。しかし、軽いけがだといっても、間違えばそのまま死亡ということにつながるわけでございますから、事はきわめて重大でございます。  このように考えますときに、豪雪に襲われる、そのたびに雪おろしに出て、とうとい人命が失われていくという、この繰り返しになっているわけでございますので、何とかこれを食いとめる方策はないだろうかということを私、考えているわけでございますが、長官、これはいかがでございましょうか。雪おろしによる死亡とか重軽傷者とか、とうとい人命がそのつど失われていくというような現状を長官どうごらんになりますでしょうか。
  72. 園田清充

    園田国務大臣 午前中も事務当局から御答弁申し上げましたように、激甚災の指定を受ければ、たとえば亡くなられた場合に政府は弔慰金が出せる、ところが、そうでなければ出せないというふうな、法的な不備と申しますか、この辺、たとえば主務大臣が認定をしておいて出せるというようなことを一項加えてあったらなという気が実はいたすわけでございます。  同時に、いまの雪おろしのむずかしさ、じゃ雪おろしの若い人たちがいるかというと、これもいない、そこで中には女の人が上って雪をおろしている姿だとか、あるいはいまのように、今度は雪おろし専門に、期間的に、職業的に取り組んでいる人とかいうことで、非常にお悩みになっていることは私も重々承知をいたしておるわけでございまして、これらの問題を何とか、おっしゃるような行政的な姿の中で問題と取り組み、同時に、措置できるようなことがあればということで、実は私ごとになりますけれども、党にいるときにちょうど北陸開発の委員長をやっていました関係上、いろいろ検討はさせていただいて、地元の方々の声も聞いてまいりましたが、財政的な面からの措置ということは、これは努力によっては可能ではないか、しかし、いまおっしゃるように、危険排除とか建築云々というようなことになると、突っ込んだ研究が必要ではないかというのが、実は私の率直な気持ちでございます。だから、私どもも、前向きで研究させていただき、取り組ませていただきたい、こう思います。
  73. 山田英介

    山田(英)委員 現地で伺った話でございますけれども、主人は東京へ出かせぎに、そして奥さんが屋根に上がって大変な量の雪を一生懸命おろしている、子供はうちの中で遊んでいる、いつになっても母親が帰ってこない、子供が心配になってそれで泣き始めた、近所の人がどうしたのだということで飛んできて聞いてみたら、お母ちゃんがいない、さあ大変だというのでうちの周りを探してみたら雪の中に埋もって死んでいた、窒息だそうです。また、池の中に転落をして、そのまま死んでしまったというような事例が大変多く報告をされたわけでございます。痛ましい限りでございます。  いま大臣の御答弁にもございましたが、法的な面で整備をしなければならないところがあれば、これを前向きに整備すべくがんばりたい、本当にそのとおりだと思いますので、ぜひしっかりとお取り組みをいただきたいと私、申し上げたいわけでございます。  とともに、道路にはいわゆる消雪パイプとか流雪溝というのが研究をされ、開発をされ、整備をされ、効果を発揮しておるわけでございます。屋根の上に消雪パイプみたいな原理を応用できないのかということを、素人考えかもしれませんが、私は、現地に行きまして、非常に強く感じて帰ってきたわけでございます。国土庁としても、また建設省としても、その辺の開発研究にこの際取り組まれてもいいのじゃないかというふうに私は強く思うわけでございますが、御所見をお伺いしたいと思います。
  74. 四柳修

    ○四柳政府委員 いまのお尋ねは、災害という次元よりは、むしろ雪国生活する者としての備えなり知恵として、自分のうちの屋根の上なりあるいは町にたまっている雪を電熱等を利用しながら何とかして処理できないだろうか、こういう御意見だろうと思います。  実はこの問題につきましても、雪国の問題の研究会等いろいろなところで検討して、話題になったことはございますが、ただ、個々のうちがやったのでは、その解けた水で周りに迷惑をかけてしまう、あるいは明け方になると、それがつららになり、しばれてしまうという点で、やはり町ぐるみ流雪溝等を使って流すという方法はできないだろうか、こういう研究が一つされたことがございますが、実は具体的には、特定の商店街でアーケードの雪の処理等についてやるとか、そういった試みがございます。また商店街でいわば屋根の雪をまとめておろすために、集中的な除雪、集雪、運搬といいますか、そういったものを決めて一緒にやる、そういうやり方をしておられまして、やはり地域のそれぞれの実情に応じてそういった御工夫をなさっておられますけれども、残念ながら、そういったことがまだ一般的になっていないのが実情だろうと思います。
  75. 山田英介

    山田(英)委員 いまの御答弁でございますが、ぜひ今後ともに、あらゆる可能性を求めて御研究をいただきたいと思いますし、また御指導いただきたいと思うわけでございます。要望しておきます。  次に、雑損控除制度に関して若干お尋ねをします。  現行制度では、年所得の一〇%を超える損害が発生した場合、その超過部分を所得から控除するということで、仮に年収が三百万円の場合、損害額がその一〇%三十万円を超えなければこの制度の恩恵に浴することができない、こういう仕組みになっております。雪おろしは、今回は通常の年より回数が多いそうでございまして、六回ないし三回というところでございます。人を頼むと一回約一万円、ですから、六万円ないし三万円という額は、個々の家庭では大きな負担でございますけれども、三十万円を超えるには全くほど遠いわけでございます。雪国に居住するがゆえに余儀なくされる種類の出費でございます。実情に沿うようにこの雑損控除制度の見直しを、一〇%という基準を引き下げるという作業が必要なのじゃないかというように思いますが、大蔵省、どうでしょうか。
  76. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  所得税で何を控除できるかという問題でございますが、まず収入からその収入を得るのに必要な経費を控除するわけです。そのほか、御存じのように、基礎控除とか扶養控除とか、そういった生活費的なものを概括的に控除いたしまして、残りが課税所得になるわけでございます。  そこで、雑損控除というのは一体何であろうかということなんですが、その本質は、本来雑損というのは、風水害とか盗難とか横領とかということで損害をこうむられたという場合に、それは所得を稼得するための必要経費ではないわけでございますが、しかしながら、財産にそれだけの相当大きな割合で損害があった場合には、当然その人の担税力というものが影響を受けるわけでございますから、そういった観点から所得の一割ということでその基準を決めまして、それを超えたものについては、その所得を稼得するために必要だということでなくても控除できることになっているわけであります。そういう意味におきまして、雑損控除という性格から見ましても、また、それを円滑に執行するという立場から申しましても、この一割というものを引き下げるというのはなかなかむずかしいのではないかと思います。ただ、実際に事業を営んでおられる方が事業用の財産につきまして必要な除雪等を行った場合には、それは控除できるわけでございます。
  77. 山田英介

    山田(英)委員 いまのお話でございますが、豪雪地帯特有の雪おろしの人夫賃とか雪囲い費とか暖房費等避け得ない支出増があるわけでございます。ただいまお話に出ましたけれども、自家営業者は税法上必要経費としてこれを落とすことができるということでございますが、そうしますと、一般の勤労者の場合は、さきに述べた、要するに一〇%を超えなければならない、公平を欠くことになるのではないかという気がしますが、これはどうなんでしょうか。
  78. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  先ほど事業用の必要な経費ということで、事業を営んでいる方が事業上必要な場合の除雪費用は経費として控除できると申しました。ただ、御自分が住んでおられる部分についての除雪、これは一般的な課税最低限あるいはある程度を超えた場合には雑損控除ということの取り扱いをしているわけでございまして、その点の公平は保たれているわけでございます。  なお、御存じのように、わが国の課税最低限は夫婦子二人の勤労者にして申しますと二百一万五千円。それで大体有業人口、つまり働いておられる方のうちで納税者になる方というのは六割台でございます。それから専業農家の場合には、これは大ざっぱに申しますと大体二割ぐらいの方が納税者になっておる。つまり税制上の措置というのは、そういった税金を納めておられる方にだけ及ぶのだという問題でそれなりの限界もあるということもぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  79. 山田英介

    山田(英)委員 本年の衆議院の予算委員会で竹下大蔵大臣は、それを法的に措置するということはむずかしいという趣旨の御答弁をなすっていらっしゃるわけでございますが、この雪国で一生懸命がんばっている国民がいるということをお忘れなきよう、そして雑損控除制度を含めてより温かい政治行政の手を差し伸べてあげられるようにぜひ引き続きひとつ御検討いただきたいと思うわけでございます。  それから、この際、要望でございますが、また豪雪被害ということが今後出る可能性があるわけでございますけれども、委員の派遣のときに、国土庁とか建設省とか自治省とか農水省とか国鉄とかいろんな省庁から同行されてつぶさに現地を踏んでいるわけでございます。ぜひ大蔵当局も同行していただきたい、そして雪国実態を大蔵省の立場でしっかりと見てきていただきたいということをこの際強く要望しておきたいと思います。  次は、自治省関係になりますが、豪雪地帯に対する交付税について若干お尋ねをしておきたいのですが、特別交付税の雪害地に対する増額配分をぜひ私はお願いしたい、御配慮いただきたい、こう思うわけでございます。除排雪の経費など豪雪対策費の大幅な支出増で、財政力のきわめて乏しい市町村の財政がさらに圧迫をされているという実態でございます。  自治省では二月二十日に第一次の査定を終えて、その後の被害状況を集約して、三月十五日に締め切って決定をする運びと伺っておりますけれども、たとえば山形県では昭和五十二年の豪雪時の被害総額八十億円を今回の豪雪被害は上回るだろうというふうに言われております。福島県では二月二十五日現在の被害総額が九十三億六千万円という巨額に上っております。新潟秋田の二県は視察当時調査中ということで、ここに資料がないわけでございますが、いずれも数十億円ということで、巨額になるだろうというふうに予測がされるわけでございます。この特別交付税の査定の作業の見通しと、豪雪地帯の皆さんの窮状をどの程度反映させることができるのか、それについてお聞きしたいと思います。
  80. 吉田弘正

    ○吉田説明員 本年度の特別交付税の問題でございますが、本年度の特別交付税は、現在算定の作業中でございます。雪に対します経費でございますが、降雪積雪によりまして、関係地方公共団体が行います除排雪等に要する経費につきましては、通常の雪に伴います経費につきましては、これは普通交付税で算入しているわけでございますが、これを超えるような雪がございまして経費も増高するという場合には、特別交付税措置するということになっているわけでございまして、今回もそういうことで特別交付税を交付するという予定にしております。  その算定でございますが、これは現在、各関係地方公共団体から、除排雪に要します経費がどのぐらいあるか、その経費の所要額をとっております。これは単に現時点で使ったものだけでなくて、今後年度末までにどれだけ要るかという所要見込み額も含めまして所要額をとっております。この所要額でございますとか、あるいは普通交付税にすでに算入されている額、さらには積雪降雪状況等を勘案いたしまして、現地実情に応じまして適切に配分してまいりたい、かように考えております。
  81. 山田英介

    山田(英)委員 ぜひ豪雪被害に遭われている地域に対しては、特別交付税の増額を御配慮いただきたいと重ねてお願いいたします。  もう一つ、特別豪雪債の制度化と償還財源に対する地方交付税の補てん措置、これを求める声が非常に高かったわけでございます。  私は、雪害地への視察は今回が全く初めてでございました。この特豪債については、種々今日まで論議をされ、紆余曲折があった、こう伺っておるわけでございますけれども、その経緯と、制度化へのネックがあるとすれば、自治省はどのような御認識を持たれているのか、この辺お尋ねします。
  82. 吉田弘正

    ○吉田説明員 通称特別豪雪債、それの問題でございますが、寒冷地帯に対します財政措置でございますが、雪に伴いまして除排雪の経費等増高経費がございますので、それにつきましては、普通交付税によりまして投資、経常分とも措置しているわけでございます。さらに、異常な豪雪が起きた場合には、特別交付税をさらに措置するというようなことになっておるわけでございますが、昭和四十七年度から一般単独事業債のうちに特別豪雪対策事業分といたしまして、特別の起債枠を設けまして、当該市町村道路でございますとか、あるいは除雪機械とか関連の防雪施設の整備に充てるための資金を用意しているわけでございまして、昭和五十五年度の地方債計画におきましては九十五億円を措置しているわけでございます。  こういうことで、いろいろ手当てをしているわけでございますが、特別豪雪地帯につきましては、また、その大部分が過疎市町村なり、あるいは辺地を抱える市町村でございますので、そういうものを弾力的に運用すれば、かなり財政措置が適切にとられるだろうというふうに考えておりまして、特別豪雪債につきまして、その元利償還費を交付税に算入するということは考えていないわけでございます。
  83. 山田英介

    山田(英)委員 次に、豪雪地帯に対する優遇措置について、特に文部省所管の補助金について申し上げたいと思うわけでございますが、資料を見ますと、文部省所管のこの補助率のかさ上げというところで、いわゆる豪雪地帯と一般地帯とは何ら補助率が変わっていないわけでございます。第二号要件に該当しないために特豪指定を受けられない、しかし、特豪地帯と同じ、あるいはそれ以上の積雪深がありながら、豪雪地帯市町村は一般の市町村と補助率が同じであるということで、現地の皆さんは、補助率の引き上げを求める声を非常に高く出しているわけでございます。私も同感なわけでございますけれども、雪国市町村の財政は厳しいわけでございます。しかも、そういう立地条件にございますから、しっかりしたつくりの校舎だって必要だし、木造老朽校舎の改築も急務でございます。少なくともこの分の補助率の引き上げを図るべきじゃないかと私は思うのですけれども、文部省いかがでしょうか。
  84. 横瀬庄次

    ○横瀬説明員 現在の特別豪雪地帯に対します小中学校の補助率のかさ上げにつきましては、現在、現行の議員立法によります豪雪地帯特別措置法によるわけでございますが、この豪雪地帯特別措置法の体系を見てみますと、一般の豪雪地帯につきましては、公共事業についての必要な資金の確保、それから早期着工に特別な配慮をするというような規定がありますが、それに加えて、これは四十七年の改正からでございますが、特別豪雪地帯については、その地域に限って学校施設の整備にかかる補助率の引き上げを規定しているわけでございます。これについては、ほかに基幹道路整備についても特例がございます。こういうふうに特例が、これは財政の特例でございますが、特別豪雪地帯だけに決められているという体系がございまして、これを一般の豪雪地帯にも全域につきまして適用するというようなことは、その全体の体系からいってなかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。  それから、実態面でございますが、さらに、もう少し正確に把握をする必要はあろうかと思いますけれども、ざっと見まして、現在、豪雪地帯におきますいわゆる校舎の基準面積に対する不足状況とか、あるいは危険な校舎の改築を必要とする面積の状況というようなものを見てみますと、これは全国の基準といいますか、全国の水準とそれほど差がないという実態がございまして、こういう実態面から見ましても、豪雪地帯について財政的な特例を定めるという説明がなかなかつかないというような状況にあろうかと思います。  ただ、豪雪地帯につきましても、危険校舎につきましては、その厳しい自然条件にかんがみまして、通常、現在のところ耐力度点数一万点満点で五千五百点以下を危険校舎として認定をいたしまして補助を出しているわけでございますが、この点数を五百点緩和いたしまして、豪雪地帯については六千点とするというような措置をとっておりますし、それから優先的に事業採択をするということで促進を図っておりまして、現在の実情といたしましては、豪雪地帯からの補助の申請につきましては、ほぼ全面的に採択しているというような実情でございます。
  85. 山田英介

    山田(英)委員 文部省豪雪地帯等はしかとその目で確かめていただきたいというふうに思っております。  それから、農作物関係被害対策について一、二お尋ねしますが、融雪に伴い果樹の枝折れなど損傷が著しくて、今後はまた野ネズミとか野ウサギなどによる樹体被害が予測をされておるわけでございます。  まず、自作農維持資金の融通措置に格段の御配慮をお願いしたいが、いかがでしょうか、これが一点。それから果樹共済金の早期支払いをあわせて要望しておきたいのでございますが、その点はいかがでしょうか。時期等を含めて、あわせて簡潔にお答えいただきたいと思います。
  86. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  まず、御質問の第一点の自作農維持資金についてでございますが、御案内のように、これは長期低利の資金でございまして、農家の災害対策としてはかなり重要な資金であろうと思います。そこで、私ども災害対策という角度から、ただいま国会で御審議いただいております政府予算の中におきましても十分な額を要求しているつもりでございます。今後とも、被害の程度なり被害農家の資金需要の実態などを踏まえまして、農家の営農に支障がないように適切に対処してまいりたい、このように考えております。  それから、第二点の御質問の果樹共済の早期支払いの件でございますが、これも御指摘のように、樹体被害は雪が降る時期よりも雪が解ける時期に被害の発生が多くなるというような傾向が見られます。そこで、私どもといたしましては、被害が明らかになる時点で損害評価を行いまして、被害の著しい農家につきましては、たとえば仮渡しというようなことなども行いまして、早期に共済金が農家の手元に入るような措置を講じてまいりたい、このように考えております。
  87. 藤田高敏

    藤田委員長 山田君、時間ですから……。
  88. 山田英介

    山田(英)委員 国鉄に質問を用意していたのでございますが、時間が参りましたので、一点だけ要望いたしておきます。  豪雪地帯列車運行等を確保することは大変だろうと思うわけでございますが、鉄道輸送の最大の使命は安全性の確保であり、また地域の皆さんの生活、経済等を考えたときに、この運行確保することは、きわめて重要な課題であろうかと思うわけでございます。今後ともしっかりがんばっていただきたいと思いますし、また雪国の人々の生存権を確保していくという観点から、みんなで知恵を出し合って、そして、この豪雪被害等に対処してまいりたい、このように思うわけでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上で質疑を終わります。ありがとうございました。
  89. 藤田高敏

    藤田委員長 林百郎君。
  90. 林百郎

    ○林(百)委員 各省の方々にたくさんおいで願っておりますが、場合によっては、時間がありませんので割愛せざるを得ないかもしれませんが、その節はお許し願いたいと思います。  私は、主として交付税の基準財政需要額の算定における補正係数の問題についてお尋ねをしたいと思うのですけれども、これは自治省の所管になるかと思うのですけれども、寒冷補正における積雪の差による地域区分は無級地から八級地まで九つあるわけですが、これを区分した理由はどういうことですか。非常に初歩的な質問ですが、まず、そこからお聞きしていきたいと思います。
  91. 能勢邦之

    ○能勢説明員 地方普通交付税の算定に当たりまして、積雪度に伴います基準財政需要額の算定に反映するために、雪の降っている度合い、積雪度を一級地から八級地まで区分いたしまして、それぞれの財政需要額に対応させて補正係数を用意いたします。それによって増加財政需要額に反映させようといたしておるわけでございます。
  92. 林百郎

    ○林(百)委員 そうしますと、各級地区分に応じて積雪度の補正係数も当然異なってこなければならないわけですね。ところが、五級地から八級地までの部分を調べてみますと、五級地から八級地、違うのは道路の面積だけで、あとは全部五級地と八級地が同じ係数になっているのですが、これはどういうわけですか。
  93. 能勢邦之

    ○能勢説明員 積雪度の級地区分を一級地から八級地に分けましたのは昭和四十六年度の改正からでございます。それ以降五十四年度、今年度でございますが、新しい数字に基礎を置きかえまして、過去二十年間の雪の度合いに応じた数値に置きかえてやっておりますが、一級地から八級地に分けてやっております。  なお、お話がございましたように、道路については一級地から八級地までのそれぞれの補正係数の差が設けられてございますが、道路以外の費目につきましては、お話のような状況なのでございますが、それは昭和四十六年の改正の際に、私どものところで実態調査いたしまして、特に五級地以上の積雪地帯の通常の降雪時におきます道路の除排雪にかかる増加経費というものについては級地ごとの差が見られたわけでございます。したがって、その分は補正係数に反映させたわけでございますが、その他の費目につきましては、級地ごとの増加経費につきまして必ずしも差が見られないことから五級地と同じ係数を用いておるということでございます。
  94. 林百郎

    ○林(百)委員 それではお尋ねしますが、たとえば道路橋梁費の投資的経費では〇・三三で全部同じなんですね。それから小学校費、中学校費、高等学校費、その他の教育費、社会福祉費、その他の諸費等においても、経常的経費、投資的経費とも、いずれを問わず五級地から八級地まで全く同じなんですね。五級地から八級地までが、昭和四十何年に決めたそうですが、そんなに雪の積もり方が異ならないなんということは、これは実情を無視した、全く非常識な話じゃないですか。  じゃ、具体的に私の方で実情を申し上げますと、たとえば、これは五十四年から五十五年にかけてでございますが、八級地、これは長野県の栄村だとか新潟県の津南町、ここは二百三十七センチメートル積雪しているわけです。ところが、五級地の大町市は三十五センチメートルの積雪しかないわけです。約八、九倍も違っているわけです。これを五十五年度、ことしで見ますと、栄村、これは七級地が八級地になった、等級が一級上がったということで村を挙げて非常に喜んだわけです。これがことしの二月の積雪量を見ますと、三百七十六センチメートルなんです。ところが、この係数ですが、五級地の大町市は二十六センチ、飯山市は二十四センチですが、三百七十六センチメートルと二十四センチメートルが大体同じだなんということは、全く実情を無視した係数ではないですか。
  95. 能勢邦之

    ○能勢説明員 普通交付税の基準財政需要額算定の際に、級地の基礎を使っているわけでございますが、その級地の基礎は、過去二十年間の積雪度をもとにして級地区分をやっておるわけでございます。五十四年度から適用いたしております基礎にしているデータは、三十三年度から五十二年度までのデータをもとにしてやっておるわけでございます。そのことからも明らかなように、普通交付税の算定で用いますのは、あくまでも、それぞれの地域が平年並みの積雪があって、それに伴う標準的な財政需要ということでわれわれは算定をいたしておるわけでございます。先ほど申しましたのは、四十六年に調査した際に、道路については、確かに、雪の量に応じた増加経費の差が非常に大きく見られたわけでございますが、その他の費目については級地ごとの差というのが、雪の量は確かに違いますが、増加財政需要ということについてはさほど差がなかったということで、四十六年度以降いまのような形でやっておるというんとでございます。
  96. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、あなたの言うのはどういうことなんですか。積雪量の違いはあっても、財政需要は五級地と八級地とはそう違わないということなんですか。それとも五級地と八級地は若干の期間を平均すれば積雪量はそう違わない、だから五級地と八級地は、道路の面積以外は何もかも一括して係数は同じにする、そういう意味なんですか。積雪量の方の違いを言うのですか、それとも財政需要の方がそう違わないというのですか、どっちですか。
  97. 能勢邦之

    ○能勢説明員 財政需要の方でございます。道路については財政需要の差が見られると思いますから、除排雪にかかる級地ごとの、区分ごとの率を変えておるわけでございます。
  98. 林百郎

    ○林(百)委員 それじゃ、あなたにお尋ねしますが、級地を決めるのには累年の平均の積雪の算値によるわけでしょう、そうですね。そうすると、五級地は幾らの係数で八級地は幾らの算値が出てくるのですか。平均積雪算値ですね。
  99. 能勢邦之

    ○能勢説明員 五級地の基準にいたしておりますのは、累年平均積雪積算値が一万五千センチメートル・パー・デーから二万センチメートル・パー・デーでございます。それから六級地は二万から二万五千、七級地が二万五千から三万、八級地が三万以上ということで基準を設けております。
  100. 林百郎

    ○林(百)委員 あなたの言う数値からいっても、五級地が一万五千以上二万未満、八級地は三万といえば二倍でしょう。雪の積もり方が二倍も違うのに財政需要はそう違いません。一括でいいです、そんな計算の仕方はどこから出てくるのですか。雪が倍も積もれば、それに要する費用は常識的に考えれば倍ですね。倍にならないにしても、倍のものと半分のものと一括して全部同じ係数にしたら、五級地と八級地を区別する何ら理由がないじゃないですか。おかしいじゃないですか。もっと精密なものに変えるつもりはありませんか。ということは、各地とも級地を上げてもらいたいということで、非常に熱意を持って陳情したり、いろいろして運動しているわけなんですよ。ようやく級地が一級地上がったと思ったら、たとえば長野県の栄村は級地が七級地から八級地にまで上がったけれども、交付税が三十六万円ふえただけだというのです。年間予算を見ますと約十五億なんですよ。一般会計予算が十五億、交付税が七億なんですよ。それが一級上がったから三十六万円交付税がふえた。その一級上げるために、あの長野県の北の端の新潟県境から東京までわざわざ来て運動したんですよ。それが、あなたの言うように、雪の積もり方が倍でも財政需要額はそう違いませんから、一くるめにして五級地から八級地までやります、違うのはわずかに道路の面積だけです、そんなことじゃ、あなた通りませんよ。どう思いますか。
  101. 能勢邦之

    ○能勢説明員 今年度の級地区分改定に伴いまして、基準財政需要額に、現在五十四年度でございますが、入っております増加財政需要額は、積雪に伴う分といたしまして千五十六億円算入いたしておるわけでございます。前年度に比較いたしまして、五十三年度が九百二十九億円でございましたから一一・七%増ということで、今年度の級地区分改定に伴う増加財政需要額は全体として交付税に入っておるわけでございます。  なお、重ねてでございますが、普通交付税で見ますのは、二十年間の平年度ベースの雪の降っている状態を前提にいたしました標準的な財政需要ということで算定いたしておりますので、それを超える豪雪のあったような場合とか特別な財政需要ということにつきましては、普通交付税の範囲を超えるものでございますから、特別交付税というもので検討してまいることもあわせてわれわれはいたしているわけでございます。
  102. 林百郎

    ○林(百)委員 二十年平均と言っても、常識的に考えて、あなた、たとえば具体的に長野県の栄村がどういうところであるか、五級地の大町はそこからどのくらい南か、長野県の半分くらいずっと下がっている、ここが二十年平均して積雪量も財政需要額も大体同じだなんて長野県に来て言ったら笑われますよ。新潟県の議員さんもおいでになるけれども、津南町と長野県の南の方の町と積雪量と財政需要額が大体同じですよと言ったら笑われますよ、あなた。これも八級地です。これはどうしても自治省じゃ考えなければいかぬと思うのです。そうでなければ五級地から八級地まで等級を決めた意味がないことになるわけですよ。  たとえば除雪人夫の数を数えてみましても、普通交付税では一、平米当たりこういう計算になっているのです。事務所と学校と分けてみて、一級地は〇・〇三人、学校は〇・〇二人、二級地は〇・〇六人、学校は〇・〇四人、三級地は〇二四人、学校は〇・九人、四級地は〇・二二人、学校は〇・一五人、こうなっているのです。ところが、五級地から八級地は、事務所は〇・一一二、学校は〇・二一ということになって、もう一括しちゃっているわけですよ。これはどう考えたって、二十年平均したって、地理的に倍以上の雪が降るところへ、除雪人夫の係数を五級地と八級地をまとめちゃってこれだけだということは、これは緻密な交付税係数の総元締めである自治省には似合わないことだと思うのです。自治省がそんなでたらめな、いいかげんなことをやるなら、あなた、地方自治体へ交付税の係数の指導なんかできませんよ。どう思いますか。
  103. 能勢邦之

    ○能勢説明員 道路以外の除排雪の経費や光熱水費につきましては、お話のとおりでございます。これは先ほど申しましたように、道路以外のその他の費目については、級地ごとの増加経費について必ずしも差が見られなかったということで、現在五級地と同じ係数を用いているわけでございます。その後においても、私ども、大きな情勢の変化はないというふうに考えておりますが、なおせっかくの御指摘でございますので、実情についても、さらに調査して検討してまいりたいと思います。
  104. 林百郎

    ○林(百)委員 私の方も、念のために気象庁で過去二十年間にさかのぼって積雪量の総計を調べてみたところが、八級地と五級地は、これは二倍どころじゃないんですよ。二倍以上になっているのです。私は、二倍とごく内輪に言いましたけれども、これは役場の調査なものですから、気象庁の観測とちょっと違いますから、科学的に調べた気象庁の調べによりますと何倍かにもなっているんですよ、五級地と八級地は。それが、いまみたように一括して、もうこれを見ると実に怒りを感ずるほど小学校費、中学校費、高等学校費、その他の教育費、社会福祉費、その他の諸費、それから消防費——消防費は、まあ六級地から八級地まで同じですけれども、それから道路の延長、全部同じなんですよ。これは、どうしても考え直してもらいたいと思うのです。もう少し係数を、交付税を算定する係数の基準ですから——級地を五から八まで区別しておきながら、具体的に係数を計算する場合には一括しちゃってやっている。しかも、あなたは知っているかどうか知りませんけれども、一級地上げるために地元の人たちはどんなに苦労するか、あなたわかりますか。これはどうしても自治省に考え直してもらわなければいかぬと思うのです。先ほどあなたも前向きによく検討して考えますと、そうおっしゃっているから、前向きな回答が一つ出たと私は明るい希望を若干持ちましたけれども、これはぜひ考え直してもらいたいと思うのです。そうでなければ、地方自治体の財政係数の指導なんか、自治省、こんなでたらめなことをやって、これみんなに報告したら、できませんよ。ぜひひとつ前向きに検討してもらいたい。ことに積雪地帯における自治体の等級に対する財政係数について再検討をぜひしてもらいたい。どうでしょうか。  先ほどあなた、質問もございましたので、なお実情調査して検討いたしますという御回答がありましたが、そう聞いておいていいでしょうか。ちょっとそこへ出て、はっきりと回答をしてください。
  105. 能勢邦之

    ○能勢説明員 級地の基礎にしておりますのは、気象庁のデータでございまして、私ども、客観的なデータで、特にそれに基づいて級地区分をしておりますから、それ自体はいま変える考え方はございませんが、その級地に応じました財政需要額について、最近の実情というようなことについてさらに調べてみたいと思います。そして、その上で必要な検討はいたしたいと思います。
  106. 林百郎

    ○林(百)委員 特別交付税の問題もあなた触れられましたけれども、特別交付税というのは、御承知のとおり何が何だかわからないのです。内容を言わないわけですね。この中で、たとえば積雪に関して、あなたのところは積雪が八級地あるいは七級地であるから、除雪に関する特別の費用としてこういう費用を特交の中に入れました、こういうことを明確に示すことができますか。
  107. 吉田弘正

    ○吉田説明員 特別交付税の問題でございますが、雪に対します関係地方公共団体の除排雪等に要します経費でございますが、これにつきましては、通常の雪につきましては普通交付税でそれぞれ級地に応じまして算入しておるわけでございますが、これを超えて必要になるような経費につきましては特別交付税措置するということでございまして、その額につきましては、関係地方公共団体から実際に所要となります経費の額の報告を受けまして、それをもとに、その額でございますとか、あるいは普通交付税の算入額でございますとか、あるいは降雪量の状況に応じまして配分しておりますので、そういうことで所要の額を把握いたしまして算入いたしております。
  108. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、自治省が出す特別交付税の中におまえのところの申請にかかる特別交付税もちゃんと入れてあるから、自治省の言うとおりに黙ってがまんしろよ、特別にこの中に除雪のための特別交付税がこれだけあるということは言いませんよと、こう聞いておいていいのですか。それとも、あなたの方から申請のあった特別交付税の申請について、除雪やいろいろの、たとえばここで言いますと、保育所に行く道を特別にバスが通るようにするとか、母子センターを通るようにするとか、あるいは特別にお年寄りのところへ行って家の屋根の雪を落とすための特別の人数を置くとか、そのほかいろいろございますが、そういうものについて申請したその結果、あなたの村へはこれだけの特別交付税除雪に関しておろしました、そういう額を示しますか。
  109. 吉田弘正

    ○吉田説明員 私ども、交付税の算定に当たりまして、所要額をとるということで先ほど御説明申し上げましたが、それは関係県から、市町村のものを全体で幾らあるかというかっこうでとりまして、町村分につきましては一括枠として渡しまして、そこで一番地域実情を把握しております県の方が各町村ごとの配分をするという仕組みになっておるわけでございます。
  110. 林百郎

    ○林(百)委員 私の質問に簡潔に答えてください。  要するに、除雪に関していろいろの特別な金が出ますから、役場の屋根の雪をおろすのだって、これは普通のところじゃ考えられないほどの金がかかりますから、そういう額を示すか示さないかですよ。それでは県には示すのですか。これだけおたくの村の除雪に関して特別交付税をことしは交付しましたという額を示すか示さないか、それをイエスかノーかだけ言えばいいのですよ。
  111. 吉田弘正

    ○吉田説明員 特別交付税は、雪だけでございませんで、いろいろな項目がございまして、それらを、いろいろ府県の方から事情聴取をいたしまして、一括してこれだけというかっこうでお渡しているというような状況でございます。
  112. 林百郎

    ○林(百)委員 いろいろの要素があるからこそ、いろいろなファクターがあってその当該自治体の特交が決まるわけなのだから、その特交の中で実際かかった除雪費に対して国は幾ら見たかということを知りたいわけですよ。それを示すかどうかということなんですよ。示さないなら示さないとはっきり言ったらいいじゃないですか。示しっこないんだから。そんなことはこっちは知っていて質問しているんですよ。
  113. 吉田弘正

    ○吉田説明員 特交でございますけれども、いま申し上げましたとおり、いろいろな要素がございまして、それで町村分につきましては、一次、二次、三次というようなかっこうでそれぞれ所要額を把握いたしまして交付しておりまして、国全体でどのくらいの豪雪関係の経費を見込んだかというものははっきりいたしますが、それぞれ個別の問題としては、それぞれの一次、二次、三次の配分に応じましていろいろなものを含めて交付しているわけでございます。
  114. 林百郎

    ○林(百)委員 何度聞いても、いろいろなものを含めて出す、いろいろなものを含めて出すと言う。そのいろいろなものを含めて出すからこそ、除雪に対する特別交付金はこれだけですよということを示すかどうかということを聞いているが、答えられないということは、示さないということなんですね。だから、わからないわけなんですよ。だから、非常な超過負担が出るということなんですよ。豪雪地帯の自治体には超過負担が出るんですよ。出るけれども、それが交付税が幾らかということがわからないものだから、それをはっきり数字を示して言えないわけなんですよ。しかも五級地と八級地とを一括して、道路の面積以外はすべて一括して同じ係数で交付税が計算されますからね。そういう財政的に非常に不利な取り扱いを受けているということをよく知っておいてもらいたいと思うのです。  それから、豪雪債について、これは地元要望があるのですけれども、豪雪債を過疎債並みに扱ってもらえないか。要するに、豪雪債という特別な起債が認められておるわけなんですから、枠だけは決めてくるけれども、何も枠を決めただけで特別な利得はないようですが、もっとも原資が国の資金運用部資金か何か国の資金になっているということはありますけれどもね、これをやはり地元としては豪雪債を過疎債並みにしてぜひ認めてもらいたいという要望が非常に強いわけなんですが、これはどうでしょうか。
  115. 吉田弘正

    ○吉田説明員 通称豪雪債の問題でございますけれども、積雪寒冷地に対します財政措置につきましては、除雪経費その他でいろいろ増高する経費があるわけでございますが、それにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、通常の雪に対しますものについては、普通交付税によりまして、経常、投資ともそれぞれ算入しているわけでございまして、また、異常豪雪の場合につきましては、特別交付税を通じてその財政措置をするということになっているわけでございますけれども、特別豪雪市町村に対しましては、昭和四十七年度から、一般単独事業債の中に特別豪雪対策事業分といたしまして特別の枠を設けまして、それで関係団体の道路でございますとか、除雪機械でございますとか、関連の防雪施設の整備の資金に充てているわけでございまして、昭和五十五年度では九十五億円の額を地方債計画に計上しているわけでございます。
  116. 林百郎

    ○林(百)委員 ちょっと待ってください。私の質問にちっとも答えてないんだな。枠が決まっているということは、私、さっき言っているじゃありませんか。枠だけは決まってくるけれども、普通の起債に比べて豪雪債としての特別な利得があるのかどうか。そういう意味で地元では過疎債並みに扱ってくれないか。あなた、枠はこれだけ、枠はこれだけという枠が決まってくるということは、私はもう先に言っているし、これはもう法律にちゃんと決まっているわけなんですからね。何か特別な取り扱いがあるのか、ないとすれば過疎債並みに扱ってもらいたいという希望が非常に強いけれども、何とか豪雪債について特別な利得を与えてやるような配慮を将来検討するかどうかということを聞いているんですよ。
  117. 吉田弘正

    ○吉田説明員 結論から申し上げますが、枠を設けまして、それについて政府資金等を充てていろということでございまして、その元利償還費について特別に交付税算入をしているというわけではございません。しかし、特別豪雪地帯市町村といいますのは、大部分の地域は過疎地域なりあるいは辺地を抱える市町村でございますので、過疎債、辺地債もございますので、そういうものを弾力的、総合的に運用していただければ、それによって財政措置ができるのではないかというふうに考えているわけでございます。
  118. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、豪雪債を認めるようなそういう当該自治体には、過疎債、辺地債についても特別な配慮をする、そしてそれと総合して、豪雪債と総合して特別な利便を与える、こう聞いていいのですか。
  119. 吉田弘正

    ○吉田説明員 関係の特豪市町村等につきましては、先ほども申しましたように、普通交付税のそれぞれの投資、経常の算入額もございますし、それから過疎債市町村配分等も、それぞれの過砧団体あるいは辺地を抱える市町村でありますれば、それが参りますので、そういうことで措置されるというふうに考えているわけでございます。
  120. 林百郎

    ○林(百)委員 もう時間がありませんので、あと一括して質問だけさせていただきます。  新潟県と長野県を通じてずっと高崎まで来る、これは建設省ですが、高崎−長野原−秋山−上越間の県道があるわけですが、これを国道に昇格してもらって、整備促進して、これを冬季の生命線として確保してもらいたいという要望がありますので、これについての建設省のお考えと、それからもう一つ、どうも陳情質問になりまして恐縮ですが、同じく、これは新潟県と長野県境でございますが、栄村管内の県道北野−森宮野原停車場線というのがありますが、これを至急ひとつスノーセット等を設けて、これを冬季の生命線の道路として確保するようにしてもらいたい、こういう建設省に対する要望がございますので、この点についての建設省のお考えをお聞きしたいと思います。  それから、五としては、国鉄からおいでになった方に、飯山線というのがあるのですが、飯山から十日町を通りましてずっと新潟の方へ行く、この飯山線があるわけですが、これが、三次規制もあって、三次規制が一月、二月に十八日もあって、旅客の運搬が約八五%程度で、一日に一回線というような状態でございますので、これをぜひひとつ、廃線にならないのはもちろんのこと、これも豪雪地域としては唯一の交通機関でありますので、これを存置して改善をし、三次規制を一、二月に十八日も行うことのないようにしてもらいたいという要望があるわけです。  それから、保育所の問題が一つあるのです。こういう豪雪地域であるにもかかわらず、栄村という村には保育所がないということで、ぜひ保育所を建設してもらいたい。ところが、実際は一平米九万六千円かかるのに補助が七万六千円しか来なくて二万円もの超過負担が生ずるので、その点は、豪雪地帯だということを十分考慮して辺地の保育所ではあるけれども、父母の強い要望にこたえてもらいたいということが厚生省に対してあるわけです。  それから農業問題では、冬季に農業ができないものですから、エノキダケを主要農産物として冬季に生産しているわけですけれども、非常に大きな電気料を必要としますので、これを農事用の電気料にぜひ組み込むようにしてもらいたいという強い要望が農民の間からありますが、これについて農林省はどう考えておりますか。  以上の点について、それぞれのきょうおいでいただいた方々から答弁を求めまして、私の質問はこれで終わります。
  121. 藤田高敏

    藤田委員長 時間の関係もありますから、簡潔に答弁を求めます。
  122. 山科喜一

    ○山科説明員 最初国道昇格の件でございますが、国道の昇格につきましては、国道網の再編成について、高速自動車国道等と合わせまして全国的な幹線道路網を形成する国道網のあり方、それから交通需要の動向、道路整備の見直しなど総合的に勘案しつつ調査検討をいま進めておる段階でございます。今後、昇格時期がはっきりした時点で、ただいま御指摘がありました上越−秋山−長野原−高崎間の路線につきましても検討してまいりたい、このように思います。  それから、もう一点の北野−森宮野原線だと思いますが、この路線につきましては、五十四年度、本年度から新規に国庫補助事業として取り入れまして、除雪に非常にネックになっているようなところから重点的に直していきたい、五十五年度も引き続きやっていくつもりでございます。
  123. 岩崎雄一

    ○岩崎説明員 地方交通対策につきましては、現在具体的な検討を進めておりまして、バス転換等の基準は政令で定めることになっておりますので、ただいまのようなお話を十分頭に置いて検討いたしたいというふうに考えております。  それから、先ほどの雪害の第三次規制の問題ですが、現在もいろいろやっておるわけですが、今後とも、雪覆い等の雪害対策を講じまして、規制区間をできるだけ短縮する努力をいたしたい、このように考えております。
  124. 伊藤卓雄

    ○伊藤説明員 保育所の建設に関します基準単価についての御質問でございますけれども、私どもとしましては、全国を四区分いたしておりまして、この区分ごとにさらに構造別に単価を定めているところでございますけれども、特別豪雪地帯におきましては、この全国四区分のうち最高であります北海道適用単価というものを適用しておるところでございます。さらにベースになります基準単価につきましても、今年度は平均六・六%のアップを図る予定にしておりますので、さらに改善が図られると思いますが、なお具体的な保育所の御計画につきましては、それぞれ県当局を通じて御意見を出されておるところでございますので、また、それは別途判断をいたすことになっております。
  125. 長谷川堯

    ○長谷川説明員 エノキダケの問題につきましてお答え申し上げます。  長野県は中部電力でございまして、中部電力にはエノキダケ生産に対しまして農事用の乙という電力の制度がございます。それで、長野県内のエノキダケ生産者のうちで、電力を集中して使用される方などこの制度の活用が有利となる生産者は、おおむねこの制度を活用しているものと思われておりまして、生産者の約三分の一の方は、この電力の使用契約を結んでいるというふうに聞いておりますので、御報告を申し上げます。
  126. 林百郎

    ○林(百)委員 どうもありがとうございました。
  127. 藤田高敏

    藤田委員長 横手文雄君。
  128. 横手文雄

    横手委員 私は、新人議員でございますし、初めて質問に立ちますので、質問の内容で見当外れがあったり、あるいは要領を得ない点が多いかもわかりませんが、よろしくお願いいたします。  私は、先般行われました東北地方を中心とする豪雪被害調査団の一人に加えていただきましたが、そのときに各地におきましていただいてまいりました陳情を中心にいたしまして、御質問を申し上げます。したがいまして、けさほどから質問が行われておりますが、それぞれの議員から質問がなされたことと重複する点もたくさんあろうと思いますけれども、確認の意味も含めて私なりに御質問を申し上げると同時に、また、こういった地方では、それぞれの政党を超えて同じような要望が出ておるのだということを十分に認識していただきたいと思う次第であります。  今回の豪雪は、けさの委員長の報告の中にもございましたように、短い期間に集中的に降ってきた、こういうことで積雪量のわりに被害が大きかった、これが特徴であったと言われておるわけでございます。それだけに、日常生活を守るために、また大切な果樹園あるいは造林地帯を守っていくために懸命に雪と闘っておられる姿に接して、政治も一緒になってこれらの克服に努めなければならない、こういった感を強くして帰ってまいりました。  以下、そういった前提に立ちまして御質問を申し上げます。  まず一つは、所得税の積寒地帯における控除制度の創設についてであります。それぞれ皆さん方が触れられて、そういった答弁もなされていたわけでございますが、私は、まず、そういった雑損の制度として一〇%を超えた場合には所得税の雑損控除ができる、こういう道がつくってありますという答弁をお聞きをしたわけでございますけれども、せっかくつくってもらったその道を一体全体何人ぐらいの人が歩いておられるのであろうか、つまり、どの程度の人たちがこの恩恵にあずかっておられるのか、そのことについてまずお伺いを申し上げたいと思います。
  129. 西内彬

    ○西内説明員 お答えいたします。  雑損控除の適用件数でございますけれども、実は把握をしておりますのがこの雑損控除の総体の件数でございまして、この雑損控除は、御存じのように、中には各種の災害や盗難、横領といった多くの原因に基づきます損失を対象としておりますがために、雪おろしの費用に限って何件であるかということは、現在のところ把握をいたしておりません。
  130. 横手文雄

    横手委員 それでは私の感じを申し上げますけれども、そういうことかどうか確認をいただきたいのですが、ほとんど適用されていない、これが実態ではないかというぐあいに私は理解をしておりますが、大蔵省はどういうぐあいに見ておられますか。
  131. 西内彬

    ○西内説明員 御質問の件でございますが、実は正確にはお答えはできないわけでございますが、余り適用はないだろうと考えられると思います。
  132. 横手文雄

    横手委員 先ほども申しましたように、国民の生活を守るために法律がある、しかし、そのつくられた道をだれも歩いていない、すなわち恩恵に浴していないということに対しては大変問題があるのではないか。  ところが、実際にそういった豪雪地帯生活をしておる勤労者の皆さん方の出費は、現実に多く出ておるわけであります。  私は、ここに一つの資料を持っておりますが、これはゼンセン同盟新潟県支部が加盟組合員に対して行った調査でございます。昭和五十一年の十一月から五十二年の三月までにあなたの家でこの雪害のために使った経費、こういったものを調査いたしております。  ちなみに申し上げますと、この年は、十日町が中心でございますが、十日町の降雪量は十五メーター三十五、平年は十九メーター二十、そして最高積雪量がこの年は三メーター十四、普通は一メーター七十五、こういうことだそうでございますが、おおむね平均的な年であろうというぐあいに考えております。  これで見ますと、十二項目にわたりまして調査をいたしておりますが、調査件数が一番多い十日町をとりますと、一人当たり平均して二十二万四千三十八円、これがその経費であるという調査結果が出ておるわけであります。  ちなみに、この地方における地域の最低賃金は六万五千円でございますので、実に最低賃金の人たちの賃金の三倍、四倍近い金が、四カ月分近い金が使われておる、こういう結果になります。  そして、この調査の中身を見ますと、たとえば雪囲いの費用にどれだけ使ったか、その費用は五分の一にしなさい、つまり五年の耐用年数ということでございましょうか、あるいは労賃は一日七千円、一時間当たり八百七十五円と見なさい、こういうことで、きわめて現実的なといいましょうか、実情に沿った形で行われておるわけでございます。この十二項目の中には、あるいは雑損とみなされないというようなものも多少入っておりますけれども、しかし、それはわずかでございます。  私は福井県に住んでおりまして、私の町内も大変雪が降ります。そうすると、町内として除雪をしなければならない。市は、幹線道路はやってくれますけれども、枝道はやってくれない。ところが、みんなは枝道のところに住んでおるわけですから、これを除雪する。そのために町内会費のほかに月々積み立てをいたしております。それは除雪のときにどこかのブルドーザーを頼む。そのときに、いままでは一人一人から徴収していたわけでありますけれども、それでは大変だということで月々積み立てておこう、これはいまも申し上げたように、町内会費とは別でございますので、除雪のために町内の皆さん方が貯金をしておこう、こういうことでやっておるわけであります。  そういうことで、降雪地帯でないところの人たちより明らかに経費がかかっておるという事実があるわけであります。だから、法律でも一〇%以上はということが認められておりますけれども、それが使われていないという事実、こういった観点に立ちまして、私は、この制度の見直しが絶対に必要だというぐあいに考えておりますが、御所見をお伺い申し上げたいと存じます。
  133. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  豪雪に伴います経費の税制上の取り扱いでございますが、横手委員御指摘のように、雑損控除の適用対象になることにはなっておりますが、実際問題としてどの程度適用されているかは、実態は把握されておりません。  ただいま制度上何らかの措置をすべきではないかという御意見であったかと思いますが、これは税の方で除雪費の問題に対処することには幾つかの限界あるいはむずかしい問題がございます。ただいま横手委員から、調査された地域の最低賃金がたしか六万五千円と言われたかと思いますが、仮に六万五千円の賃金だった方、これはボーナスも入れて十五カ月分としますと、年間の収入は百万円ございます。百万円の方は給与所得控除が五十万円働きますし、それに基礎控除、扶養控除等を除けば、恐らくこの方の場合には納税義務者になりません。したがって、そもそも税制上の何らかの措置というのは、所得のある人にだけ及ぶという性格のものがありますので、そういう限界があるということを第一点申し上げたいと思います。
  134. 横手文雄

    横手委員 私は、たとえばということを申し上げたのでございまして、最低賃金の人が一家を構えて、生活を張っておるということは考えられないわけであります。たとえば最低賃金の人、その家で家族三人が働いておるとして、その中に一人おると、その人の三カ月分くらいは飛んでしまうのです。こういうたとえで申し上げたことでございまして、現実にそういうことで大変な苦労をしておるという事実、これに対して一〇%以上は雑損控除があるからいいではないか、これでは冷た過ぎます、現実にそぐっておりません。この道はだれも歩いていないじゃないですか、ならば金を使っていないかというと、現実に使っておりますよ。これに対して何らかの減税措置をとってやるというのは当然のことではないかと思うのですが、その点についてお伺いを申し上げておるわけであります。
  135. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  税制上何らかの措置という場合に、具体的な御提案がどういうことなのかと思うのですが、恐らく二つぐらいのことがあるかと思います。  一つは、課税最低限につきまして、雪国については、別の、よりかさ上げした課税最低限をつくったらどうかという、あるいは御提案になり得るかと思いますが、実は、これはわが国だけではなくて、課税最低限は地方ごとに設けるということはなかなかできないわけでございます。たとえば雪国はおっしゃるような追加的経費がかかりますし、あるいは過密地域、たとえば東京の都心部では住居費がほかの地域よりも非常にかかるとか、公害発生地域ではそれに対応したよけいな生活費がかかるというような事情はいろいろあるわけでございますが、税制の制度上、これをしんしゃくして、異なる課税最低限を設けるということは、なかなかむずかしいわけでございまして、このことは税制調査会の答申にも、その旨明らかに指摘されているわけでございます。  それから次に、雑損控除の足切り、これは所得の一割を超えたものということになっております。これにつきましては、雑損控除というのは一体何かという本質論になるわけでございますけれども、そもそも収入から必要経費を引いたものが所得でございます。さらに、それに加えまして、基礎控除とか配偶者控除、扶養控除というような形で課税最低限ができているわけでございます。  ところで、雑損と税制上言われておりますものはどういうものかといいますと、御承知のように、風水害とか盗難とか横領とかいったものによって不測の損害を受けた場合に、これは所得税法で言うような本来の収入を得るための経費ではないのですけれども、それだけ非常に損害が大きかった場合には、その人の担税力に影響があるということを考えまして、一割を超えた場合にはその分を控除するという特別な考え方で認めているわけでございまして、この足切りをさらに低くするということは、そういった考え方から申しましても、また円滑な執行を確保するという観点から言っても、なかなかむずかしいことであることも御理解いただきたいなと思うわけであります。
  136. 横手文雄

    横手委員 余り流れません。しかし、時間もございますので、もう申し上げませんが、この問題については、前から言われておることでございますし、現実にこういうことで毎年毎年経費がかさんでおるという事実があるわけでございます。そういった点で、税制問題について優遇措置がとれるようなそういった方向を、今後とも私どもも追い続けてまいりたいと思いますので、当局の方でも、さらに検討をお願い申し上げたいと思います。  次に、豪雪地方におけるいわゆる減価償却の見直しといいましょうか、資産の耐用年数について御質問を申し上げます。  御案内のとおり、三カ月も四カ月も雪が屋根にたまっておる、これを人間が上っていっていろいろな器具を使っておろす、おろした雪は今度は側面を圧迫していく、こういうことで、雪のない地域とは大変償却が違うわけでございます。  こういった点について、特別償却を認めているのかいないのか、いないとするならば、今後そういった方針があるのかどうか、このことについて御質問を申し上げます。
  137. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  耐用年数というものは、これまた地域ごとに定めるといいましても、地域によっても、気象条件によっても、いろいろ違いますので、これを別々な制度とすることはなかなかむずかしいわけでございます。しかしながら、おっしゃるような、そういった特別な事情、理由で耐用年数が減るというような場合には、個別に国税局長の承認を得まして、耐用年数を短縮する道が開かれておりますので、こういったものの活用を大いにお願いいたしまして、御趣旨のようなことの貫徹を図っていきたいものと考えております。
  138. 横手文雄

    横手委員 次には、豪雪による農業災害対策について御質問を申し上げます。  見てまいりましたところは、果樹農業が盛んなところでございましたし、これから融雪が進むにつれてこの被害が出てくるであろう、こういうことが予想をされます。あるいはビニールハウス、農業施設、こういった問題についても、当時はまだ雪をかぶったままでございましたので、その被害の程度は明らかになっておりませんでしたが、しかし、大きな被害が出るであろうことは容易に予想をされ、そして農家の人たちも、それに対して大変御心配をしておられました。こういった点について、どういう特別措置をとられるのか、その点について、具体的に申し上げながら御質問申し上げたいと存じます。  これも触れられたことでございますけれども、自作農維持資金の貸し付けの枠の拡大、それからいま一つ、特に要望が出ていたのは、被害状況に応じてその償還期間を延ばしてもらいたい、こういった要望を聞いてきたわけでございますけれども、これについてよろしいという返事がいただけるのかどうかということであります。  そのほかに、一日も早く農作物を雪から助けてやりたい、こういうことで、主要農道に対する除雪が大変でございますので、こういった幹線農道に対する除雪費、そういうものに対する助成措置をぜひすべきであるというぐあいに考えておりますけれども、これら豪雪による農業災害の救済措置あるいは援助措置、こういったものについて、ひとつお答えをいただきたいと存じます。
  139. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  ただいまの御質問の件、一括して順次お答えいたします。  まず、自作農維持資金でございますが、この資金は、御案内のように、災害対策という角度から長期かつ低利の資金を供給するものでございます。そこで、融資枠につきましては、私どもかねがね必要な額を十分確保するという角度から対処をしておりまして、ただいま御審議いただいております五十五年度の政府予算案におきましても、必要な額は要求してございます。そこで、今回の雪害によります災害に対しましても、今後とも適切に対処してまいりたい、このように考えております。  次に、償還期限あるいは据え置き期間等の条件を緩和する問題でございますが、農林水産省といたしましては、制度資金、具体的に申しますと、農業近代化資金、それから農林漁業金融公庫資金、この資金につきましては、条件緩和の措置を講ずることができることになっております。条件緩和と申しますと、具体的に申し上げますと、償還期限が来るものについては、それを延長するというようなこと、それから据え置き期間を、ただいま三年の資金でありますれば、それを少し延ばすというようなこと、こういうような措置を講ずることができるようになっておりまして、私どもといたしましても、今回の雪害の実態、先ほど御指摘いただきましたように、現時点では災害の程度はまだ十分つかめておりません、しかし、雪が解ける時期になりますと、災害実情がはっきりいたしますので、そうした被害状況を見ながら、条件緩和の措置について指導してまいりたい、このように考えております。  次に、農道についての御質問でございますが、豪雪地帯の生産と生活にかかわります生活環境を改善する、あるいは生産環境を改善するために、私ども、除雪施設につきましては、種々の事業、たとえば農業改善事業等によりまして補助の対象として実施しているわけでございますけれども、御指摘の除雪経費につきましては、助成の対象となっておりません。そこで、農道という特殊性から言いますと、除雪経費を助成の対象とすることはむずかしいのでありますけれども、私どもといたしましては、この大半を市町村に管理していただくということで指導しておりまして、そういう見地から、この問題に市町村の協力を得て対処していきたい、このように考えております。  最後に、融雪災害によります農地なり農業施設、農業関係災害がいろいろ出てまいることが懸念されるわけでございますが、私どもといたしましては、従来から、かたく申しますと、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律によりまして対処してきているわけでございます。いろいろな事業について補助事業を組んでおりまして、その災害復旧に当たっているわけでございますが、何はともあれ、早期査定、早期復旧ということが復旧事業のたてまえでございますので、こうした基本方針にのっとって迅速に災害対策に対処してまいりたい、このように考えております。
  140. 横手文雄

    横手委員 前向きにということでございますが、現地では、そういった声が大変たくさん出ておりますし、期待をしておられますので、適切な助成をし、一日も早く立ち直り、あるいは事前の適切な処置によって被害を最小限に食いとめる、こういったことについて、具体的な処置を今後ともにお願いを申し上げる次第であります。  次に、豪雪地方の自治体に対する助成措置、これもすべての方々が触れられたことでございますし、特別交付税等についても、自治省としても十分に考えておりますというようなことでございますし、いま農林水産省の答弁では、農道の除雪についても、特別な助成ができないので地方自治体に頼まざるを得ません、こんなことでございますが、そういったことも含めて、さらに地方自治体は大変苦労しておられますから、これらの助成についてお願いを申し上げる次第でございます。  さらに、これも触れられたことでございますが、念のためにもう一遍確認をいたしますが、どこを回りましても、昭和五十二年にとられました臨時市町村除雪費補助の適用、これが大変助かった、こういうことで喜んでおられるわけであります。政治というものは、地域住民に喜ばれるためにあるものであろうと思います。ことしも普通交付税の中に入っております除排雪算入額をはるかに超えておる、こういうことでございますので、この点について大変期待をしておられる声があるのでございますけれども、これについて、ひとつお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
  141. 藤井達也

    ○藤井説明員 お答えいたします。  昭和五十一年度におきましては、先生の御話にもありましたように、全国的な豪雪市町村道の除雪に要します経費が非常に激増したため、市町村におきましては、交付税を財源といたします一般会計では対応することが非常に困難である等のため、国土庁におきましても、その実情調査され、豪雪市町村の決定を行われ、それに基づきまして、建設省におきまして幹線市町村道に対し予備費をもって補助措置を講じたところであるわけでございます。  今回の五十四年度におきます雪は、全国平均に的には五カ年平均程度だろうと思いますが、地域的にはかなりの積雪が認められますので、五十一年度と同様な措置を講ずるかにつきましては、関係省庁と密接な連絡をとりつつ検討してまいりたいと思っております。
  142. 横手文雄

    横手委員 このことでちょっとお伺いしましたら、ことしの場合は死傷者というのでしょうか、そういったものも当時と比べて少ない、だから、適用はというようなこともちょっと聞いたわけでございます。私は、そのときに申し上げたのですが、私も福井におって、豪雪地帯でございますし、毎年不幸な出来事があるわけでございます。しかし、やはり地域社会の知恵と言うのでしょうか、そういう雪のために人間が不幸になるというような、雪に負けるようなことがあってはならない、こういうことで、そういう事件が起これば、そのあくる年はその防災のために大変な苦労がされておるわけであります。そのために市としても広報を出したり、あるいは広報車を出して、去年はこの地域でこんな事故で人が亡くなった、だから、ことしは断じて起こしてはならない、あるいはこの日は市民の一斉除雪デーだということで市民総がかりで除雪だ、こういうことで災害を少なくしていこう、なくしていこう、雪に負けないでやろう、こういうことで懸命の努力が続けられ、そのために人的災害が減っておるということで、こういうことに対してむしろ喜ぶべきことであろう、しかし、だからといって、その経費がことしの場合、人的災害がなかったから大したことはなかったのだというような物差しに断じて使ってもらったのでは困るということを申し述べておきたいと存じます。  さらにいま一つは、これも先ほどから話が出ておりますけれども、いわゆる豪雪地方債の制度化に伴って元利償還の地方交付税算入制度の措置をとってもらいたいという声がたくさんございます。これについては、先ほども明確な御答弁はいただいていないわけでございます。御答弁の中で、こういった地域は過疎地が多いです、だから、過疎地債があるじゃありませんかとか、あるいはこういった地域については特別交付税も出しておるのです、あるいはその都度お金がかかったら金も出しております、こういうことを言われるわけでありますけれども、私は、こういった地方債というものは何に使われるかというと、これは雪なし道路をつくるために使われるのだろうというぐあいに考えます。消雪道路あるいは排雪溝、こういうことのために、除雪費ぐらいではとてもできないわけですから、長期にわたってこういうものをつくっていく、これは日本の国の財産として残るわけであります。そして、それができただけの分はもう来年から消雪費が要らなくなる、こういうことでございますので、毎年毎年消すために補助金を出すということも大変大事なことですけれども、雪なし道路をどうやってつくっていくか、しかも、そのために市民が一番喜ぶ方法でございますので、こういった点について、全部が全部過疎地でございませんので、十分配慮をいただいて、これが実現のためにひとつ努力をいただきたいと思いますが、一言だけ、やるということを言ってもらえばいいわけでございます。
  143. 吉田弘正

    ○吉田説明員 特別豪雪地帯のいわゆる特豪債につきましては、先ほど来お答え申し上げておるところでございますけれども、先生御指摘の除雪装置でございますとか融雪装置でございますとかあるいは排雪装置のための所要措置は、五十四年度ベースで申し上げますと、豪雪債の充当されたものは三十二市町村で六億円ございます。これらにつきます財政措置につきましては、これも先ほど来申し上げているわけでございますけれども、普通交付税にそれぞれ通常の経費につきましては経常経費はもとより投資経費についても算入してございまして、そういうことで一応の手当てはできているということでございますし、また、かたがた特別豪雪市町村につきましては、大部分が過疎市町村あるいは辺地を抱えている市町村でございますので、そういうところには過疎債なり辺地債というものがございまして、これらを弾力的に活用して総合的に措置すれば何とかできるのではないかということで、特別に豪雪地帯の元利償還費を交付税に算入するということはしてないのでございまして、御理解をいただきたいと存じます。
  144. 横手文雄

    横手委員 しかし、こういった問題について、地方自治体で大変要請の強いことでございますので、今後ともに、さらに私どもあきらめないでがんばってまいりたいと存じます。  さらに、特別豪雪地帯に対する優遇措置の第十四条、第十五条、これが五十七年で切れる、これについて期限の延長という話が出まして、その方向が確認をされましたので、私、その点は省略をいたしますが、この中で二つほど御質問を申し上げます。  第十五条の文部省所管にかかるところで、豪雪地帯が三分の一の補助、それから特別豪雪地帯は三分の二、こういうことでございまして、先ほど来話が出ておりますように、豪雪地帯とあるいは特別豪雪地帯は隣接をしておるわけでありまして、場合によると、年によっては、また二、三年豪雪地帯の方が特別豪雪地帯よりも雪が深いというような現象があるわけでございます。  ちなみに私ども、ことし横手市に参りましたが、豪雪で大変な目に遭ったというから行ったわけでありますけれども、ここは特別豪雪地帯になっていないわけであります。そういうことで、せめて文部省所管のこれは豪雪地帯は半分になりませんか、こういう要望を受けてまいりましたので、これについてひとつ御所見を聞かしていただきたいと思いますし、ぜひそうなるべきだというぐあいに考えております。  第十四条、建設省にかかる問題、基幹的市町村道の県代行による道路整備、この問題についても、地方では大変喜んでおられます。しかし、これが延べキロにいたしまして幹線指定が大体一割程度しかない。このごろではもう自動車もふえたし、ほとんどのところが幹線みたいなことになってしまった、だから、これを広げてもらいたいということと、あわせて消雪、排雪設備の整備、つまり雪寒事業について建設省もっと力を入れてやっていただきたい、促進すべし、こういう意見を聞いてまいりましたので、この二つに対してそれぞれ所見の開陳をお願いいたします。
  145. 横瀬庄次

    ○横瀬説明員 特別豪雪地帯の学校の施設に対する補助率のかさ上げ、ただいまの御指摘は改築の点でございますけれども、これにつきましては、現在の豪雪地帯特別措置法にのっとってやっているわけでございます。この法律の全体の体系といたしまして、豪雪地帯特別豪雪地帯に分けておりまして、豪雪地帯につきましては、必要な資金の確保という点と、それから早期着工への配慮という点が規定されているわけでございまして、特別豪雪地帯については、それに加えまして財政措置の特例を定めている、こういう関係になっているわけでございます。したがいまして、一般の豪雪地帯につきまして、これに加えてさらに特例を設けるというのは、この全体の法律の体系からなかなかむずかしい問題だというふうに考えているわけでございますが、さらに実態的にも、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますが、学校の整備状況、これが一般の豪雪地帯整備状況とそれから全国的な整備状況を比較してみますとほとんど差がない、ほとんど整備状況において全国並みに行われているというような実態がございますので、こういった実態の上に一般の豪雪地帯の特例を設けていくというのは、なかなか実態的にもそういう理由が出てこないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。  ただ、豪雪地帯におきます危険校舎の改築につきましては、これは運用上の問題でございますけれども、一般の地帯におきますいわゆる耐力度点数、これは補助基準になる校舎の危険度を評価した点数でございますが、これを一般は五千五百点という点数でやっておりますのを、五百点ほど緩和いたしまして、そしてこういった地帯の改築を促進するということでやってきておりますし、また、それに必要な補助金については十分確保いたしまして、そういった地帯から出てまいります補助申請に対しましては採択できるというような体制をとっているわけでございます。
  146. 杉山好信

    ○杉山説明員 お答え申し上げます。  御質問のございました豪雪地帯における基幹道路整備についてでございますが、特別措置法に基づきまして建設大臣指定をしてまいります基幹的な市町村道の整備につきまして、国庫補助事業を道府県が市町村にかわりまして施行し、費用負担してやる基幹事業でございます。これをいわゆる特豪、特別豪雪地帯における代行事業と呼んでおるわけでございますが、こういった特豪代行事業によりまして、特豪地帯における市町村整備促進してまいっておるわけでございますが、この基幹道路整備のための特豪代行道路事業の実施に当たりましては、立法趣旨にかんがみまして、道路整備が不十分なために除雪ができなくて集落が孤立するというところを孤立しないようにするための改築を重点的に整備を進めてまいっておるわけでございますが、主に集落に関連いたします幹線市町村道、これをすべて国庫補助の特豪代行事業の対象範囲というふうにして進めてまいっておるわけでございまして、このいわゆる特豪代行事業によります幹線市町村道の整備の御要望につきましては、できる限り今後とも対応してまいりたいというふうに考えております。
  147. 藤井達也

    ○藤井説明員 雪寒事業の推進の御要望でございますが、雪寒事業につきましては、第七次積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画というものがあるわけですが、これは三千九百三十億というものが計画額として計上されておるわけです。車道除雪、歩道除雪等除雪事業、それから消雪パイプなだれ防止さく、スノーシェッド等の防雪事業、流雪溝、路盤改良等の凍雪害防止事業等の事業を、この計画に基づいてやることになっておるわけです。  五十五年におきましても、事業費七百九十一億円、前年対比二%増でございますが、この事業費でもって一層の推進を図ってまいりたい、このように考えております。
  148. 横手文雄

    横手委員 ちょっと委員長にお伺いするのですが、まだ質問が幾つかあるのですが、あと五分しかございませんので、一問一答でなくて全部申し上げてというやり方でよろしゅうございますか。
  149. 藤田高敏

    藤田委員長 時間内で答弁が終わるように質問してください。
  150. 横手文雄

    横手委員 一つは、国立防災センターが新庄市にあるということでいろいろ話を聞いてまいりまして、豪雪の科学的な解明、消雪等についていろいろ知恵をかしてもらっておる、こういうことでございますが、その地域で大変ユニークな発言があったのであります。それは雪から逃げるのじゃなくして、この雪を何とか資源として人間生活の発展のために使えるような、そういった道を研究開発すべきじゃないか、こういった御意見、言葉を聞いてきたわけでございますけれども、そういった方途で夢のある方向へ持っていくべきじゃないかというぐあいに考えます。  いま一つは、鉄道のことについてでありますが、いま鉄道が、国鉄が赤字だということで、廃線問題等が起こっております。福井県にあります越美北線、これもあの基準からいきますとちょっと危ない路線でございます。しかし、この路線は、特に冬場は山道はバスがとまりますので、鉄道にその地域の人たちの足のすべてをゆだねなければならない、こういう地域でございます。そろばんも大変大事なことでございましょうけれども、しかし、そろばんだけでこの問題を律するということについては、ちょっと国民生活に背を向けてしまった、こんなことにつながるというぐあいに考えておりますけれども、特に豪雪地帯における鉄道のあり方、こういった問題について御所見をお伺い申し上げたい。  さらに現在、これも融雪をしてみないとわかりませんけれども、造林が大変やられておるのじゃないかという心配をするわけであります。特に造林は五年から十年物が雪の中で一番被害を受けると聞いております。人間が手塩にかけてこれからさあひとりで伸びていけといって育ててきた杉が、今度の雪のために全部やられるというのは大変心が痛むわけでございまして、調査の結果、これが激甚なものであったというようなことがあった場合に、それに適応する対処の仕方、こういった問題に対する考え方をお聞かせいただきたいと存じます。  最後にいま一つ、これは豪雪とは関係ございませんで、一般災害でさらに検討されることでございましょうが、緊急な課題でございます。石川県に北国繊維というのがございますが、落雷によって工場と寄宿舎が全部燃えてしまいました。いま再建の途上であります。一つの産業あるいは地域、こういったものには、それぞれ指定を受けてそれを助けてもらう道があるわけでございますが、一企業が全滅を食った、こういうのに対してはいまのところその救済の措置がない。何か普通の金融ができるように考える程度だということでございますけれども、ここの労使、大変苦労しておるわけであります。立ち直りの最中でございますけれども、以前の人数を全部抱えるわけにいくまい、これからの金利も考えると大変なことだということで、いま死にもの狂いの再建の途中でございますが、これに対する何か救済の措置はないものかということをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
  151. 倉持哲士

    ○倉持説明員 御答弁申し上げます。  科学技術庁国立防災科学技術センターにおきましては、昭和三十九年に新潟県長岡市に雪害実験研究所を設けまして、さらに昭和四十四年度には山形新庄市に新庄支所を設置いたしまして、雪害に関する基礎研究から応用研究まで、幅広く研究を進めておるわけでございます。  特に昭和五十三年度からは、特別研究といたしまして、生活関連雪害防止技術に関する開発研究を実施中でございまして、特に屋根雪処理技術の研究、屋根周辺の雪処理技術の研究など、日常生活と密着した雪害対策研究を行っております。  先生の御提案の、平地に降った雪を資源として有効に利用することにつきましては、過去におきましていろいろアイデアが出されたようでございますけれども、やはり経済性の点でいろいろ問題があるようでございます。したがいまして、現在までのところ有効な方法が得られてない現状でございますが、先生の御提案につきましては、雪国にお住まいの方々の切実な願望でもございますので、当庁におきましても研究者に真剣に検討させてみたいと思っております。
  152. 橋本昌史

    ○橋本説明員 お答え申し上げます。  先生お尋ねの地方ローカル線の件でございますが、ただいま日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を提出させていただいているわけでございますが、地方交通線のうちバスに転換することが適当であると考えております特定地方交通線の基準につきましては、同法案におきましても政令で定めることになっておりまして、今後政府部内で検討を進めますし、各方面の御意見を承りながらその基準をつくっていきたいと考えております。  現在までにわれわれの間で一応議論をいたしておりますところを申し上げますと、一日一キロ当たり四千人未満の路線をバスへ転換することが妥当な基準ではないかと考えておりまして、昨年末の閣議了解にもありますように、その四千人未満のうち昭和六十年度までには二千人未満の路線についてバス転換を図ってはいかがかというふうに考えているわけでございます。しかし、二千人未満の路線と申しましても、先生御指摘のように、並行道路豪雪のため通行不能である、あるいは最混雑時の輸送量が非常に多くてバスに転換がなかなかむずかしいというような路線につきましては、バスへの転換が不適当な路線と考えられますので、このようなものにつきましては、いずれ政令で手当てをしていかなければならないと考えておりまして、機械的に二千人未満だからバスへ転換するという考え方に立っていないことだけお話し申し上げておきたいと思います。
  153. 塚田実

    ○塚田政府委員 造林木の問題についてお答えいたします。  御案内のように、造林木の被害でございますけれども、その調査対象地域が広大でありますし、それから山間奥地にありますため、その状況の把握が現在のところ困難な実情にあります。そこで、私どもとしては、融雪を待って調査をするようにいま指導しているところでございますが、その被害状況がどうなりますか、その状況に応じまして私ども持っております造林補助事業等において必要な措置をとってまいりたい、このように考えております。
  154. 鎌田吉郎

    ○鎌田説明員 北国繊維の件でございますが、県の方からお話がございまして、現在関係部局と相談している段階でございます。ただ、ただいま先生から御指摘ございましたように、北国繊維のこのたびの被害を直接的に救済するための政府の特別な融資制度といったものはないというのが実情でございます。しかし、いずれにいたしましても、北国繊維は地域の中核的な企業でございまして、私どもといたしましても、その再建については大きな関心を持っております。そういった意味で、その再建がスムーズに行くように県とも十分連絡をとりながら対処してまいりたいと思うわけでございます。具体的には現在会社において再建計画を検討中でございますので、これが明らかになりました段階で、具体的にどういうような支援措置ができるか十分考えてまいりたい、このように考えております。
  155. 横手文雄

    横手委員 与えられた時間が延びてしまいましてすみません。終わります。ありがとうございました。
  156. 藤田高敏

  157. 渡部行雄

    渡部(行)委員 まず質問に入る前に、この間、当災害対策特別委員会委員長を初め調査団が私どもの地元をつぶさに調査いただきまして、その御苦労と御活躍に地元を代表して心から感謝申し上げ、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。     〔委員長退席、米田委員長代理着席〕  さて私は、去る一月三十一日から降り続いた集中豪雨的な降雪による被害対策についてお伺いいたします。これは特に山形新潟福島の一部に降ったどか雪による地域住民に与えた損害についてでありますが、雪というものは長期にわたって少しずつたくさん降るよりも、短期間にどかっと降る、いわゆる集中的などか雪の方がその被害というものは大きくなるわけであります。つまり、雪の被害というのは降雪量に正比例して降雪期間に反比例する、こういうふうに言っていいのではないかと思います。  そこで、今度の被害は多数の死傷者を出したばかりでなく、家屋の倒壊またそのために起こった火災、交通通信の途絶、農作物や農業用施設、家畜等に対する被害等々でありまして、これは列挙すれば枚挙にいとまのないほど莫大なものになるわけでございます。よって、これに対する緊急の対策として災害救助法の発動をするお考えはないか、このことがまず第一点であります。  それから第二点は、この住民の身体及び家屋に対する直接的被害についてどう対策を考えているのか、さらには、その他農作物あるいはその施設、森林、家畜等に対する直接的な被害についての具体的な対策はどうお考えなのか、この点についてまずお伺いいたします。
  158. 岡光序治

    岡光説明員 災害救助法の適用の問題でございますが、先生御存じのとおり、救助法は、市町村の人口あるいは都道府県の人口を基準にいたしまして、それぞれ一定数以上の世帯に住居の滅失があるとかそういう基準があるわけでございます。豪雪の場合に、こういう基準というのはなかなか適用しがたいのでございますが、私ども救助法の適用に当たりましては、そういう一律的な基準で対応できないことも想定いたしまして、「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じたこと。」という特別基準的なものを考えているわけでございます。従来から豪雪の場合に、この特例基準に従いまして救助法の発令をした例があるわけでございますが、きょう現在の段階で、今回豪雪のありました各県から事情を聴取しておりますが、災害救助法を適用するという事態には至らない状況にあるという連絡を受けております。県段階、市町村段階で被災者の保護につきましては、救助法の適用をしなくとも十分対処できる、こういう報告をいまの段階では受けておるところでございます。  それでも、私ども具体的に、先ほど申し上げましたように、特例的な基準のあることも県の方に御連絡をしているわけでございますが、たとえば福島県でどんなふうなことをやっておるかということでございますが、毎日午後三時までに県下市町村状況につきまして企画調整部の方に報告が来る、そして、その報告に基づきまして、必要に応じ部長会議とか課長会議を開催してどういうふうにするかいろいろ相談をされているようであります。いまのところ、この救助法の発動に至るような状況になっていないというふうな判断をしておるわけでございますし、県下の市町村からも救助法の発動の要請もいまだ至ってないということでございますが、先ほど申し上げましたように、それぞれの県におきまして、そういう臨機の体制が整えられておりますから、今後とも、各県と密接な連絡をとりまして、事態の変化に適宜適切に対応してまいりたい、そんなふうに考えております。  なお、今回の豪雪によりまして不幸にも死亡された方に対します災害弔慰金の支給の問題でございますが、これにつきましては、午前中もちょっと御答弁申し上げたのですが、一般基準からいたしますとどうも該当しないので、これに準じた取り扱いができないものかどうか、死亡された方を抱えておる県から、その状況等につきまして、ただいまのところ報告を求めておるところでございまして、この報告の結果を参考にしながら検討してまいりたい、そのように考えております。
  159. 渡部行雄

    渡部(行)委員 農林省はいないのですか。——農林省を呼んでなかったとすれば、その点は省きます。  それでは、いま死亡者に対しては一般基準に当てはまらないから、それに準じて考えていると言われましたが、こういう死亡こそ本当に不幸な事態だと私は思うわけでございます。これは考えようによっては、国の豪雪対策に対するきめ細かい配慮がなかったとも言えないわけではないだろうと思います。たとえば家屋の構造なりの点検を降雪前に行政を通してさせるなり、あるいは雪おろしに対しては十分注意を与えるなり、そういう措置を講じておけば、このような災害と申しますか、死傷という問題は事前に回避されたのではないか、こんなふうにも考えられるわけで、ひとつこの辺は十分検討して、その犠牲者が浮かばれるように、また、その遺族たちが国の恩恵を感謝するように、そういう一つの措置を講じていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたします。
  160. 園田清充

    園田国務大臣 ただいま厚生省からも御答弁申し上げましたとおり、私どもは、災害を受けられた方々、また亡くなられた方々がどういう御心情であるかも十分理解ができます。そこで、いわゆる法の拡大解釈と言うとおかしくなるかもわかりませんけれども、いまの御趣旨のようなことに対応できるように、前向きにひとつ検討させていただきたいと思います。
  161. 渡部行雄

    渡部(行)委員 次には、特別豪雪地帯指定の問題に関してでございますが、これは昨年見直しをしたばかりでございますけれども、しかし、まだまだその見直しされた基準が実際に地域住民にはとうてい理解できない点がたくさんあるわけでございます。きょうもその点では大分御論議がなされたようでございますが、この昨年度の見直しの資料を見ましても、これはほとんど雪の積もった量、深さ、そして、それが何日問にどれだけであるか、こういうような計算の仕方で基準が決められておるようでございます。しかし本来、特別豪雪地帯指定という物の考え方、精神というものは、ただ単に降雪量を比較するのではなくて、その雪国における生活状態住民がどれほど難儀をしておるのか、あるいは産業に対する影響はどうなのか、また文化やもろもろの問題に対する雪の影響、そこから起こるいろいろな不利益を補てんする意味での救済というのがその精神だろうと思うわけでございます。そうなると、量の比較によってこのことははかり切れないものがある。  そこで、ここで御提案をしたいのは、まず冬季における風速はどうであるか、あるいはその寒冷度は一体どうなっているのか、交通途絶の状況はどうなっておるか、また観測点の位置が果たしていまのままでいいのかどうか、また、それでは少ないのではないか、こういうようないろいろな問題、特に先ほどもありました地吹雪という、平地における風のために、かいたばかりの道路が一瞬のうちにまた雪の中に埋もれてしまうという現象に対して、一体どういうふうに見ておるのか。これはすでに昨年ですか、私の住んでおる会津若松市の隣に北会津村という一郡一村があって、ここは山一つない平地なのでございますが、平地だけに風が非常に強くて、常に地吹雪が吹いて、除雪をした後に車が行くと、もう動けなくなってしまう、そして、どうしようもなくて家に帰ろうとすれば方向がわからなくなって、そこで行き倒れになって凍死した、こういう犠牲者まで出ておるわけでございます。  こういうものを見ますと、降雪量だけで比較するやり方は、もはや現実の状態には適合しなくなってきておる、こういうふうに私は思うわけでございますが、これについて、ひとつ大臣の所信のほどをお伺いしたいと思います。  なお、大臣に対してお伺いいたしますが、この特別豪雪地帯として指定されたところの優遇措置というものには、まだまだ大変な制限があるわけでございます。たとえば学校の修築にいたしましても、分校でなければならないとか、あるいは本校舎であっても、特に危険なものとして認定されたところでなければその対象にならない、こういういろいろな制限措置があるわけで、これに対する特豪の指定という恩恵というものが、それほど実感として受けとめられていない節もないとは言えないのでございます。  そこで、せっかくのこういう温かい措置でございますから、その辺の枠をもう少しふやして、この政策というものが本当に住民から感謝されるようにすべきではないかと思いますが、その点について大臣の御見解をお願いいたします。  それから、大臣ですから続けて問題をここでお話申し上げますけれども、お許しを願いたいと思います。  もう一つは、今度は特別豪雪地帯指定から外れたいわゆる一般の豪雪地帯に対する一つの対策でございますが、これもいまのままでは本当に不服であるから、みんなが特豪地帯指定の希望を申し上げ、陳情、請願をやってきておるところでございます。しかし、全部を特豪地帯にするということも、これは逆に言えば特豪地帯の特徴というものがなくなってしまうおそれなしとしないので、この辺の矛盾を調整していくには、やはり特豪地帯外の豪雪地帯に対する手当てをもっと厚く考える必要があるのではないか、きめ細かに機動的にその現実に対応して考えるべきではないかと思いますが、その辺に対する御見解をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  162. 園田清充

    園田国務大臣 お答え申し上げます。  御出身地が会津若松だけに、お話の雪に対する御苦心なりいろいろなことが、心情的には私、十分理解ができますし、なお、午前中の質問にもお答え申し上げたとおりに、私どもは、あらゆる角度から検討していかなければならない問題をたくさん抱えているような気がいたします。率直に申し上げまして、たとえば大蔵省から税制の問題についていろいろ答弁がございましたが、私どもは、この問題については、長年検討をしてきていますけれども、やはり税調等の意見等も踏まえて、予算委員会で大蔵大臣が御答弁を申し上げているように、やはり問題は続けて検討して、そして国民の皆さん方の期待にどうしたらこたえられるかという努力もしていかなければならないと思いますし、あわせまして、町村道の除雪の補助の問題につきましても、財政措置は当然前向きにやらなければならないだろう、と同時に、おっしゃったように、現時点で新たな基準を考えてはどうかということでございますが、これも午前中の答弁で申し上げましたように、私どもがここで新たな基準をということで、たとえば降雪の場合に、二十年間の積雪量はというようなことで資料を求めるにしても、実はかなりの時間を要するわけでございます。あわせまして、十四条、十五条の法の適用というものが五十六年度いっぱいで切れるということになれば、必然的にこの問題もあわせ検討していかなければならないという考え方を持っておりますので、いま大臣だからということでございましたが、関係閣僚ともよく相談をいたしまして、心情的には十分理解ができますので、私なりに前向きでひとつ御期待にこたえるような取り組みをさせていただきたい、こう考えておりますので、建設委員会でも一緒でございますけれども、御助言、御指導をお願いしたいと思います。
  163. 渡部行雄

    渡部(行)委員 ただいまの大臣の御答弁の中の熱意に期待いたしまして、この問題はひとつよろしくお願いして終わりたいと思います。     〔米田委員長代理退席、委員長着席〕  次には、特別地方交付税に関してでございますが、これはいま市町村除雪や屋根の雪おろし、雪の運搬等に要した除雪機、トラックなどの借り上げ料、その他人夫賃、石油代、いろいろと雪に関する費用が大変かさんできて、市町村の財政を極度に圧迫しておるわけでございます。これに対して特別地方交付税をどのように考えておられるのか、その具体的な措置についてお伺いいたします。  第二点は、このような緊急災害に対しては、五十一年災のように交付税の別枠として、予備費等から取り崩して緊急に措置する必要があるのではないかと思います。  一例を申し上げますならば、喜多方市の場合でございますが、当初予算額では二千六百八十九万五千円の雪の対策費を計上したわけでございますが、それがどんどん使われて、二月の二十一日現在では、すでに支出された金額が九千四百八十一万四千円となって、まさに三倍以上になっておるわけでございます。  こういうふうになると、いまでも硬直しておる地方財政が一層動きがとれなくなっておるというのが実情でございまして、これの対策として、ひとつ機動的に緊急に措置するお考えがあるかどうか、これは自治省にお伺いいたします。
  164. 吉田弘正

    ○吉田説明員 昭和五十四年度の特別交付税につきましては、現在その算定の作業を進めている段階でございます。  今回の降雪に伴います関係地方公共団体の除排雪に要します経費につきましては、通常の雪に伴います経費につきましては普通交付税に算入しているわけでございますが、これを上回って必要となります経費については特別交付税措置するということで、その算定をやっているところでございます。  その算定に当たりましては、一つは、各関係地方公共団体から除排雪に対しましてどれだけの経費がかかったか、今後どれだけかかるかというような所要額をとりまして、その所要額を一つの要素といたしまして、また、普通交付税に算入されている額、さらには積雪降雪状況というものを勘案いたしまして、それぞれ実情に応じまして適切な配分に努めてまいりたい、このように考えております。
  165. 渡部行雄

    渡部(行)委員 ただいま私の言った特別地方交付税の別枠としての緊急措置についてはどう考えておられるか、お伺いいたします。
  166. 柴田啓次

    柴田政府委員 先ほどもお答えしたのでございますが、別枠ということになりますと、五十一年度の場合、予備費から支出をいたしまして、市町村道の除雪経費というものについて二十億余り金額措置したのでございます。本年度、五十四年度の場合でございますが、この場合には、全国的にはこれがほぼ過去五カ年間の平均量と同じ降雪量でございます。ただ、局地的に非常に大雪がございまして、御指摘のように非常に多額の除雪経費のかかっている市町村もあるのでございます。  そのような観点に立ちまして、五十一年度と同じような措置をとれるかどうか、いま積雪量等の調査も進めているところでございます。関係省庁との間で密接な連絡をとりながらやっているところでございますが、その調査の結果によりますけれども、それによりましてとるということになりますれば、五十一年度と同じような方向で進みたい、さように考えているところでございます。
  167. 渡部行雄

    渡部(行)委員 積雪量ということをよく言われますが、これは間違いないようにしていただきたいのですが、長い間にたくさん降ったものというのは、ある程度雪が解けながらそこに積もっていくから、そして時間がかかれば、その除雪対策もあるいは雪に対する準備もできるわけです。それよりも短時間のうちに、二日か三日のうちにばっと二メートルも降る、こういう現象の方がその何倍もひどいということをひとつ御承知おき願いたいと思います。そういうことを体して、ひとつ前向きで検討されるように希望いたします。  時間がありませんから、なかなか議論が深まらないのでございますけれども、ひとつ親切に答弁をしていただきたいと思います。  次に、寒冷地手当の見直しについてでございますが、これには基準額の改定、また級地是正あるいは制度の見直し、こういう問題について、本日行われた審議の経過を踏まえて再考慮する御意思はあるのかないのか、この辺について、これも自治省にお伺いいたします。
  168. 能勢邦之

    ○能勢説明員 積雪寒冷補正についてでございましょうか。
  169. 渡部行雄

    渡部(行)委員 手当の見直しと言っている。
  170. 能勢邦之

    ○能勢説明員 寒冷手当につきましては、国の場合で申しますと、人事委員会の問題でございまして、その基準に従ってやっておるわけでございますが……。
  171. 渡部行雄

    渡部(行)委員 級地は自治省じゃないのですか。
  172. 藤田高敏

    藤田委員長 簡単に再質問してみてください。
  173. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それでは、人事委員会だそうですが、私は、てっきり級地関係自治省だと——この間、自治大臣が、おれがやったと言った例がありますから、そう思っておりましたので、どうも大変失礼いたしました。それじゃ、これは後でまた別な機会に改めて質問いたします。  それでは次に、建設省関係になりますか、いわゆる交通確保対策の問題についてでございますが、実際に今度一番困ったのは、除雪機が少なくてなかなか除雪がはかどらなかったということでございます。たとえばロータリー式の除雪機がほんとに少なくて、そして仕方なしに雪をスコップでトラックの上に上げて運んだ、こういう例が非常に多いわけでございます。今度は、せっかくトラックに雪をたくさん積んで運んでも、その雪を捨てる場所がない、こういうような事態が出て大変困ったわけです。これについて、この除雪機の導入と申しますか、その機動力をもっと増大させる必要があると思うのですが、これに対する対策。  それから二番目は、消雪道路など、その施設の増設をひとつ考えるべきではないか。  三番目は、緊急時に部落が孤立してしまって、全く陸の孤島と化してしまうわけでございまして、そういう場合、ヘリコプターの支援体制を確立すべきではないだろうか、こういう点についてであります。  それから次は、住宅、工場、農業用施設、これは農業関係とか関係外は省いていただいて結構ですが、そういう場合の融資の道をどう考えておられるか、こういう問題について、ひとつ御所見を賜りたいと存じます。
  174. 藤井達也

    ○藤井説明員 建設省関係分についてお答えさしていただきます。  今回雪がたくさん降ったために、交通確保についていろいろ問題が起きたわけですが、交通確保につきましては、第七次雪寒特別地域道路交通確保五カ年計画というものに基づきまして、除雪事業、防雪事業、凍雪防止事業等によりまして雪寒地区交通確保を図っておるところでございます。  五十五年度におきましては、雪寒道路事業は六百六十二億円、前年対比二%増でございます。機械につきましても百二十九億円、前年対比増二%ということで、合わせて七百九十一億円をもって来年度雪寒事業を進めてまいりたい、このように考えております。
  175. 渡部行雄

    渡部(行)委員 この問題は、雪寒対策事業とあわせてひとつ強く要望して、その善処方をお願いするわけでございます。  そこで、時間がありませんので、次に、所得税の控除の問題についてお伺いいたしますが、先ほど来聞いておりますと、所得税の控除は、まず収入を得るに必要な経費は基本的に控除される、それに該当しないものは、今度は除雪費あるいは雪おろし、これは雑損控除で見ておる、こういうお話でございました。しかし、雑損控除というのは、御案内のとおり、年度収入の一〇%を超えた部分でございますから、これは適用された方が少なかろうと思うわけでございます。したがって、雑損控除でこのことを見ること自体問題があるのではないか。雑損控除というのは、その担税能力についての欠陥を補充していく、そういう一つの考え方が基本にあると思うわけですが、この除雪費とか、それから雪おろしというものは、不慮の出来事ではなくて、毎年行われるもので、すでに予期されておるものでございます。そういうものは、むしろ人間が生活してあすの資力を得るために必要な行為ではないだろうか、いわゆる家屋保全のための必要経費ではないだろうか、こういうふうに私は思うわけでございます。  そうすると、所得控除の第一の収入を得るに必要な経費に該当させられるのではないか。家屋、衣料あるいは健康を保持して、あすの生産及び労働、こういうものを継続していくためには光熱費も必要であるし、いろいろとそれに要する必要経費がかかるわけです。そういうものの考え方に立てば、当然これは必要経費としてすべてを見てもいいのではないか、こういうふうに思うわけですが、ひとつ大蔵省の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
  176. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  先ほど、所得税法上に申します所得というものの算定の仕方としまして、まず収入を得るのに必要な経費を控除すると申しましたが、それに加えまして、いわゆる衣食住というものの関係では、基礎控除なり配遇者控除なり、扶養控除というようなものがありまして、そういうことでわが国の場合、たとえば給与所得者で夫婦子二人という方につきましては二百一万五千円までは税金がかからないということになっているわけでございます。そういったことで、いわば衣食住的なものも考えまして、二百一万五千円というような課税最低限、そこまでの方は税金を納めなくていいという形で決めさせていただいているわけでございます。  今度除雪費の雑損控除の問題でございますが、これは前からの国会での議論も踏まえまして、非常に大きな額のそういった費用がかかるという場合には、雑損控除という形で対処する道も開く、こういう形で対処させていただいているものでございます。
  177. 渡部行雄

    渡部(行)委員 この二百一万五千円というのは、一般の雪の降らないところもあわせて考えた数字でありまして、雪の降っているところは、それ以上にかかっているんですよ。だから、そのことをそのまま認めないからこうして問題になってきているんです。役人は、この条文によってだけ解釈して実態を見ないから、実態と条文の間の矛盾に気がつかない。現実になぜこれほど委員会で問題になっておるのか、それは余りにも豪雪地域の人々はそのために不利益な生活を強いられておる、これに対する救済を法律上、させてもらわなければならない、だから、この問題になっているんですよ。よく税制になじまないとかいろいろ言われますけれども、そういう思想は、昔の軍隊のくつに足を合わせろという思想と同じですよ。足にくつを合わせてつくらないで、くつに足を合わせろという思想では、今日、私はやっていけないと思うのです。そこで、この雑損控除で見ているからと言っても、ほとんど適用された者がない。これではその十万、二十万という不利益をどうして挽回できますか。  私は、時間がありませんから最後にもう一つ、これはなお後で分科会で大蔵省に対して徹底的にやりますけれども、所得税も納められないほどの低所得者は、今度はその損害をまるまるかぶりっ放しなのでございます。そういう者については負の減税というものを考えるべきではないか。そうして国民に対する政治の恩恵というのは平等にこれを与えるべきだと私は思うわけです。政治の基本は、まず一番困っている層、困っている者に対しての配慮というものが一番大事だと思うのです。そういう点でひとつ御答弁を願いたいと思います。
  178. 内海孚

    ○内海説明員 お答え申し上げます。  この朝からずっとこの委員会でも雪国に特有ないろいろなむずかしい問題が提起されております。この問題につきましては、長い国会の経緯も踏まえまして、いろいろ私ども税制調査会にもお願いし、議論してまいっております。  ただ、先ほどのように、課税最低限を国の中で別々につくるということは、一体どういうことなんだろうかということについて若干御説明させていただきたいのですが、日本の国のように、世界各国も多かれ少なかれ同じでございますが、南から北に細長い国ではいろいろな気象条件、自然条件がございます。さらには、そういった自然条件だけではなくて、社会的な条件、環境、過密の問題、過疎の問題、いろいろございます。そういった問題で地域別に、たとえば特定の地域は非常に家賃が高いから特別な課税最低限を設けるということは、税制ではなかなか受け入れることが実際問題としても理論的にもむずかしいわけでございます。  たとえば雪国の例をとられますけれども、鉄筋コンクリートのりっぱなアパートに住んでおられる場合には、それではその雪おろしの費用というのはそうでない家に比べて少ないわけでございます。これを一括的にするというのもこれまたなかなかむずかしい問題ではないかと思います。また、たとえば出かせぎに東京に来ておられるような場合には納税地は東京になるわけでございまして、そういうようなことをいろいろ考えまして、やはり課税最低限というものは一つの国では一つに扱わざるを得ない。これは世界のどこでも同じ問題でございまして、そういった税制上対応できるものにはなかなか限界があるのだなということをぜひ御理解いただきたいものと思うわけでございます。
  179. 渡部行雄

    渡部(行)委員 時間が参りましたので、以上をもちまして終わります。  どうも大変ありがとうございました。     —————————————
  180. 藤田高敏

    藤田委員長 この際、お諮りいたします。  議員渡部正郎君から、衆議院規則第四十六条に基づき、委員外の発言を求められておりますので、この際、これを許可することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 藤田高敏

    藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、許可することに決しました。  渡部正郎君。
  182. 渡部正郎

    渡部(正)議員 初めに、委員外発言を御許可いただきまして大変ありがとうございます。委員長委員各位に厚く御礼申し上げます。  いただきました時間が三十分ほどでございますので、二、三の点につきまして御質問させていただきたいと思いますが、私が申し上げることで間違っていることがございましたら、それを訂正しながら教えていただきましてお答えをいただきたいと思います。  まず、自治省国土庁両方に関連する問題かと思いますが、先ほど来いろいろ論議が出ていることとも関連するわけでございますけれども、地方交付税の雪の関係の配分の基準にされております市町村の等級の格づけ、その基準になっているものは降雪量ということであるようでございますけれども、そのやり方について私は二つの疑問を感ずるわけでございます。一つは、雪がどれだけ降ったかということが実は問題なのではなくて、生産、消費の両面についての障害といいますか、それが問題ではなかろうか。そうしますと、物理的な雪の量というものを物差しにするということについては問題があるのじゃないか。  私が伺ったところによりますと、国土庁で使っておられる物差しは、降雪量だけではなくて生活障害といいますか、そういうものにむしろ重点がかかっているように理解しているわけでございますけれども、そういうことで雪と被害との関連ということから考えますと、降雪量を物差しにするということは、余り合理的じゃないという気がいたします。関連いたしまして、雪の被害といった場合、あるいは障害といった場合に、これはまた非常にむずかしくて、雨とか風とか地震とか、そういうものの被害とちょっと雪は違うわけでございまして、雪によって建物が壊れた、人が死んだということもあるわけでございますけれども、一般的な問題としては、雪はなかなか消えませんので、それがじゃまになるということで、むしろ障害というかニューサンスというか、そういう面が問題であるわけでございます。  そこで、なかなか実際にはむずかしいと思いますが、基本的に言うと、やはり雪によるニューサンスというものを問題にしながら国の予算の配分というのを考えていかないといけないのじゃないかというふうに思いますし、国土庁がもし生活障害の方に重点のかかった物差しを使い、自治省が普通交付税の配分について積雪量だけを考えた基準を使っているということになりますと、もちろん金を出す対象の性格にもよるわけですけれども、ちょっとその辺、同じ政府の中で違う物差しを使っているというような感じもするわけでございますが、その点について最初に御所見を伺いたいと思います。
  183. 能勢邦之

    ○能勢説明員 地方交付税の方の説明からさせていただきたいと思います。  交付税の積雪度ということでお話のありましたように、雪の降る量によりまして市町村の級地分けをいたしまして、交付税の積算基礎に使っております。しかし、これは雪の量で市町村を区分いたしまして、たとえば道路除雪にかかる経費、その経費の度合いを反映するための物差しとして区分を使っておるわけでございまして、財政需要額を客観的に算定する一つの物差しとして使っておるというふうに御理解いただきたいと存じます。
  184. 四柳修

    ○四柳政府委員 私どもの方で、特別豪雪地帯指定をいたします場合の物差しと交付税の級地の指定の物差しとの違いという観点からのお尋ねでございますけれども、私どもの方で、特豪地帯を指定いたします場合には、実は二つの要件という形で、やはりその中の一つには、積雪度の要件という形で過去二十年間の累年の平均積雪積算値といいますか、二十年間の資料によって毎年どのくらい降るのだろうかという雪の量をやはり一つの物差しにしております。もう一つは、その積雪によりまして住民生活の支障の要件という形で自動車交通の途絶の状況ですとか、医療、義務教育あるいは郵便物の集配の確保の困難性とか、集落の分散度ですとか、そういった要素を加えておりますが、とりわけ前段の積雪の要件につきましては、この委員会での御指摘もございまして、先般、最近二十年間にまで戻って資料をとるという形で見直しの一つといたしました。それから後段の積雪による住民生活の支障度の要件につきましても、どちらかといいますと、従来は自動車交通の途絶の状況ということが中心でございましたけれども、それ以外の要素もある程度考えてきたという形でございます。  そこで、私どもの方で、こういうふうにある程度要件を取り入れてきた物の考え方でございますけれども、御案内のように、現在の豪雪の特別措置法では、十四条、十五条というのが地方公共団体にとりましては実体的なメリットでございます。つまり、市町村ではできない冬季交通確保するための県による道路の代行整備ということと、豪雪地域の学校の建物の建築に際しての負担の軽減ということで、いずれも実は、公共団体が管理いたします施設の建設費、いわばハード面だけでございます。そういう意味で、お尋ねの御趣旨の根底にございます住民の困難度とか、あるいはもっとソフトの面とかそういったことにつきましては、この基準の見直しのことにつきまして、きょう午前中よりもいろいろお尋ねがございましたが、そういう意味での公共団体がかかわらない分野について、とりわけソフト面なり、あるいは一時的な支出について何か物差しがとれないかどうかというところが、実は私どもも非常にむずかしい問題だと理解しております。
  185. 渡部正郎

    渡部(正)議員 大体わかりました。  自治省にもう一度お尋ねいたしますが、市町村の級別ですけれども、とにかく一級から八級まで分かれているわけでございますが、交付税の配分のときに八級に格づけされた場合と一級に格づけされた場合には、相当結果的な違いが出てくるのだろうと思います。  そこで、積雪量の把握の仕方なんですけれども、伺ったところによりますと、大体一級から八級までの市町村について申し上げますと、一市町村当たり一・八カ所ぐらいの観測所しか置いてないようでございます。そこで観測した積雪量で気象学的と申しますか、等値線を引いて、その市全体の降雪量を推定するというやり方のようでございますけれども、これは少し荒っぽ過ぎて、果たして——長い間いろいろなことでやってきておられますから、非常に精緻なものになっているというような気もするのでございますけれども、一市町村当たり一・八カ所ぐらいの観測だけで、いかに科学的とはいえ、推定するということに対して非常に不安を私は感ずるわけですが、その点については自信をお持ちなのかどうか。  それから、それに関連いたしまして、二十年の平均ということでやっているわけでございますが、雪というのは、御承知のとおり降る年と降らない年では大変な差があるわけでございまして、最も基本的だと思われます地方交付税の配分について、二十年の平均を基準にしているということで、年別格差というものがどういうふうに結果的に処理されているのか。つまり、いまの自治省の物差しの使い方には、そういうことで積雪量というのは果たして妥当性があるのかどうなのかということが一つございますし、それに基づく各市町村の級別にインバランスがあるのじゃないか、妥当性を欠く面があるのじゃないかということが一つございますし、それと降る年と降らない年との差というもの、これは降れば、ほかのいろんな方法で特別交付税なり、あるいは予備費なりでカバーしていくということだろうと思いますけれども、その基本的な普通交付税の配分について、年別格差というものを考慮していかないと、財政の運用としてはちょっと不合理な点が出てくるのじゃないかと思いますが、その点について御意見を伺います。
  186. 能勢邦之

    ○能勢説明員 まず初めに、観測地点の問題でございますが、確かに私どもも、観測地点が多ければ多いほど正確な的確な算定ができるものですから、観測地点をふやすことが望ましいわけでございますが、ちなみに、今年度から新たに適用いたしました過去二十年間のデータをとった際の観測地点の考え方でございますが、従来は気象庁の観測所、委託した観測所等を中心にしてやっておったわけでございますが、それにさらに、それぞれの市町村の段階で五年以上連続して毎日観測しておる、データもしっかり整っておるというような地点も加えまして、観測地点をできるだけふやして、より的確な積雪度の算定ができるような努力をしたわけでございます。  結果でございますが、昭和四十六年から適用しておりました前回のデータの際は二千九カ所でございましたが、今回は二千百六十三カ所、百五十四カ所ほどの地点がふえたわけでございますが、それぞれの地点を等値線で結んで、それによって級地分けをいたしますこの地点がさらにふえることが望ましいことは御指摘のとおりでございます。実情はさような状況でございます。  次に、年別格差の問題でございますが、普通交付税は御案内のように標準的な財政需要というのをとらまえることをその使命としておりまして、今回のデータで過去二十年間の観測データをもとにしまして算定の基礎に置いております基本的な考え方は、要するに、平年度並みの積雪に伴います標準的なそれに見合う財政需要額をとらまえてまいろうという考え方が基本になっておりまして、したがいまして、それを超えます平年度以上の豪雪があるとか、その他の特別な需要があるという場合には、特別交付税をもって対応してまいるという考え方になっておるわけでございます。
  187. 渡部正郎

    渡部(正)議員 先ほど申し上げました雪による障害ということを考えますと、道路交通確保というのが雪に関連しては最大の課題だと思うわけでありますが、積雪地帯において雪のために使えなくなる道路の延長あるいは日数というものについて、建設省あるいは国土庁で相当正確なデータを毎年つくっておられるのかどうか、それを伺いたいと思います。
  188. 藤井達也

    ○藤井説明員 建設省におきましては、毎年補助事業をやっておるわけですが、除雪状況につきまして各県から県道以上の報告を受けておりますので、それについて御説明いたします。  積雪地域内の国県道の総延長は六万三千七百キロでございますが、五十三年度——五十四年度は現在でございますから、昨年度の末になるわけですが、除雪延長は直轄及び補助の対象が四万九千二百キロ、七七・二%となっております。それで、通年的に除雪されていない春先除雪等の区間は四千八百キロということで七・六%となってございます。
  189. 渡部正郎

    渡部(正)議員 日本が現在の水準の国民総生産を維持し、現在の水準の生活程度を維持していくためには、年間国民一人当たり自動車によって三十九トンの貨物を運ばないとならない。トンキロにいたしますと千二百五十三トンキロの貨物を運ばないと、いまの日本の経済が回っていかない。これは五十二年度の数字で申し上げたのでございますが、そういう状況でございます。  そこで、もう一度お伺いしたいのですが、積雪のために積雪地帯の交通量——貨物だけというのはちょっと出ないと思いますので、交通量全体について伺いたいと思いますが、いろいろ除雪、排雪をやっているわけで、その結果でよろしゅうございますが、現状と最近雪のために積雪地帯で減る交通の量について、もし数字をお持ちならば教えていただきたいと思います。
  190. 藤井達也

    ○藤井説明員 交通量につきましては、路上の定点観測におきまして交通量の観測をやっておるわけですけれども、記憶でございまして大変不確かではございますが、無雪地域におきましても、冬期間につきましては年間平均四%の減だったかと記憶しております。積雪地域におきましては、これは幹線道路でございますが、二十数%ダウンしておるというように記憶しております。
  191. 渡部正郎

    渡部(正)議員 いまの話の、積雪地におきましてもし通年で二十数%交通量が減るということになりますと、恐らく貨物輸送も四分の一くらいは減ってしまうということだと思います。私の考えでは、貨物輸送量というのは生活程度あるいは年産程度というものの係数だと考えてもいいくらいのものだと思います。  そこで、非常に飛躍した結論になるかもしれませんが、雪のために輸送が四分の一減るということは、生産も消費もそれだけ水準が落ちるというふうに考えられる。そういうふうになりますと、積雪地帯においては、冬期間道路確保というのが大問題でございますけれども、これは各省いろいろ除雪、排雪について努力しておられますけれども、まず雪の対策として政府全体で積雪地の市町村ごとにゴールを設定いたしまして、たとえばある一つの市の道路の八割については冬期間の八割の日数は自動車が通れるように確保しなければならないといったような具体的なゴールを設定いたしまして、それに向かって市町村なり、あるいは県あるいは国というものが努力していくということであってほしいと私は思うわけです。現状がそうなっているなら、それでよろしゅうございますが、そうでなくて、とにかくいろんなところで除雪機械を買ってあったり、除雪費用を出してやったりするということで、目標がないような行政をやっている感じがするのですが、その点いかがでしょうか。  これはどこに伺ったらよろしいかわかりませんが、建設省自治省国土庁、どこでもよろしゅうございますから、答えていただきたいと思います。
  192. 四柳修

    ○四柳政府委員 お尋ねの点、実は各省にまたがる問題であろうかと思いますものですから、豪雪地帯の問題をお預かりしている私どもの方の立場からで恐縮でございますけれども、一応お答えさせていただきます。  お尋ねの点は、豪雪地帯市町村の行政あるいは住民生活の目標として、いままではどちらかというと、施設の建設とその維持管理という受け身の点ばかりであったが、そうではなくて、せっかくつくった施設をどれだけ利用するか、その利用限界の物差しなりそのネットワークといいますか、必要最小限度の利用効率といいますか、そういった物差しができないだろうか、あるいはそういうものについて、単に一市町村ばかりでなくて、一つのルートとして確保できるような、あるいは期間を通じても時間を通じても確保できるような配慮ができないだろうか、こういう御主張だろうと思いますが、そういう点、大変恐縮でございますけれども、いまの段階でそれじゃそれに対してどういう物差しがあるか、あるいはどういう資料を使ったらいいのかということは直ちにお答えできかねますけれども、せっかくの御主張でございますから、もちろん建設省の方はそれなりに冬季交通確保という形で御配慮いただけると思いますけれども、これからの施設の整備につきまして、やはり私どもの方も何かそういった物差しの配慮ができないかどうか、関係者の意見も聞きながら検討させていただきたいと思います。
  193. 渡部正郎

    渡部(正)議員 公害という問題がございますが、公害の方ですと、あの有名な「声なき春」、サイレントスプリングとかラルフ・ネーダーとか共産党の方が排気ガスで非常に市民運動を起こされたとか、いろいろ声を大にしている人があるわけでございますが、雪の方は神代の昔から降っておりますので、大体被害者意識がないようなところがございまして、雪による生活障害というものが国の行政で十分取り上げておらないような気が私にはするわけです。公害につきましては、これは歴史的に見ますと、ごく最近の問題であるし、声が大きいしということで、非常に敏感に反応している。ほかの主要国と比べますと、日本は公害に対して異常反応しているぐらい、ちょっと程度がひど過ぎるのじゃないかと思うぐらいの反応を示しているわけでございます。環境庁という役所もつくったわけでございます。  ところで、雪の方になりますと、何か各省ばらばらにいろいろなことをやっておられるという程度にすぎないということで、雪の課題というのは、実は始まったばかりという気がするわけであります。  国土庁に伺ったところによりますと、一般豪雪地帯が国土面積にして五〇%を超えるそうでありまして、特別豪雪地帯でも二〇%近いということでございますが、そうすると、日本というのは大変な雪国だという気がいたしますけれども、人口で見ますと、一般豪雪地帯は一七、八%、特別豪雪地帯は三・五%ぐらいだということで、人間中心に見ますと、雪国ではありながら、やはり雪の障害で苦しむ人というのは非常に偏りがあるわけでございますから、そういう点で問題を大きく取り上げていかなければならないのじゃないかという気がするわけでございます。  そこで、公害対策にどのぐらいの国費が使われているか私は承知しておりませんけれども、雪の対策につきまして国が出している金というのは、総計いたしますと約一兆前後になるということでございます。雪の被害というのはなかなか押さえにくいということもございますけれども、これはせっかく御出席しておられますので、大臣にお伺いしたいと思いますけれども、一兆ぐらいの国費の出し方というものが、日本の雪で苦しめられている現状から見て、これは大体妥当な額と認識すべきなのか、はなはだ少ないというべきなのか。それから、いま申し上げましたように、公害については環境庁というりっぱな役所があって、大臣さんもおられるわけですが、雪については各省ばらばらの対策がなされているという現状をどう大臣は認識しておられますか、その点をお伺いしたい。  それから、時間がございませんので、あわせて全部申し上げてみたいと思いますが、やはり雪が降るから税金まけろという話もあるわけですけれども、それよりも、私は、山形県の出身でございますが、山形県の産業構造を見ておりますと、雪による交通障害のために、重量当たりの付加価値の低い産業というのは発展しないわけでございます。そこで、たとえばエレクトロニクス関係ですとか縫製ですとか、軽くて値段がつくものだけやるものですから、そこで女子の雇用はいいのですが、男子の雇用というのはなかなか確保できない、そこで所得が上がらないという問題があるわけでございます。  そこで、時間がないので詳しいことを聞きませんでしたけれども、過疎地帯の指定豪雪地帯指定というのは非常にダブりがあるということは、雪の問題は実は貧乏の問題でございまして、雪貧乏というものに対する総合的な対策というものを強力に推し進めていきませんと、地方の時代も空念仏に終わってしまうというような気がするわけでございます。その辺のところを、大変基本的な原則的な問題で恐縮でございますけれども、今後のやや長期的な展望とも絡んで、考えておられることをお伺いしたいと思います。  最後に、大変個別的な問題でございますが、建設省にお伺いしたいと思います。  ことしもどか雪が降って困っている地方が幾つかあるわけでございますが、かつて一度おやりになりました、一度じゃないかもしれませんが、臨時の市町村道路除雪費の補助、これを今年度もおやりになるお考えがおありかどうか、これを最後にお伺いしたいと思います。
  194. 園田清充

    園田国務大臣 一兆円の予算が現状の中で適切であると思うかどうかということでございますが、御承知のとおり、私どもは、それぞれの寒冷地における総合的な対策を進めておるわけでございますが、そこで、いまお話がございましたことと三全総が実は関連をいたしますけれども、三全総の中で、私どもは、北海道、東北、日本海沿岸地帯、それから四国西南、南九州、沖縄というものを今後の問題の地域として、どう日本の過疎を解消していくかという大きな期待の地域として取り上げておるわけでございます。  いま御指摘がございましたが、いわゆる産業部門として、山形県はいま一番問題になっておる半導体の仕事をおやりになっている、こういう産業がどんどん雪国に入っていった場合に、やはり定着する一つの産業ではないかということで、私なりに実は事務当局に指示をいたしておりますが、従来のこうした定住構想の推進の前段として、産学協同と言うと語弊があるかもしれませんけれども、地域地域に大学ができているから、この大学の先生の知恵をかりながら、この地域には何が適するのかと、さっきのような気象条件まで含めた姿の中で問題を検討していかなければならないのではないかというふうに、国土庁としては、三全総の中で取り組みながら、東北、北海道、日本海沿岸というものに対して定着しやすい産業をどう誘致し、人口の定着を図っていくかということが最大の課題だということで、実はいまのようなことを考えておるわけでございます。  現行の厳しい財政事情の中で一兆円が適当であるかどうかということでございますが、私は、厳しい財政事情からすると、政府としてはまずまずのこの総合行政の中での財政の裏づけだというふうに御理解賜りたい、こう思います。
  195. 四柳修

    ○四柳政府委員 二番目の点についてお答え申し上げます。  確かに御指摘のとおり、豪雪地帯の相当部分が過疎地域でございます。ただいま御意見の中にもございましたように、私ども、実は過疎地域豪雪地域も関係の法律の関係でそれぞれお世話しておりますけれども、やはりいずれの地域でもいま一番求めているのが、お話にございました御主人の方あるいは後継者の方の職場ないしは地場にございます農林業なり中小企業の振興といいますか、そういう問題でございます。そういう意味で、確かにいままでのような各施設づくり、計画づくりが、単なる施設の水準を上げるというだけの話ではなくて、あるものをどうやってよりよく使うかということも必要でございましょうし、あるいはそういう中で、決して税金ばかりではなくて、住民の方々の御努力なりあるいは御協力なり、そういったものを織り込みながら御指摘のような点を考えていかなくちゃならないのではないだろうか、実はそういうことを痛感しておるものでございます。
  196. 柴田啓次

    柴田政府委員 市町村道についての除雪経費のことでございますが、本年度の降雪は、全国的には過去五カ年間の平均量程度でございますが、地域的にはかなりなところがございます。そういう実情を踏まえまして、五十一年度の先例にならった措置がとれるかどうか、関係方面と緊密な連絡をとっているところでございますが、本日の委員会で各議員からいろいろ御指摘のあったことも踏まえまして検討を進めてまいりたい、かように考えております。
  197. 渡部正郎

    渡部(正)議員 これで質問を終わります。どうもありがとうございました。      ————◇—————
  198. 藤田高敏

    藤田委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  先般の理事会において理事各位と協議いたしましたとおり、災害対策基本問題について調査を行い、必要な対策を樹立するため、本委員会に小委員十二名よりなる災害対策基本問題に関する小委員会設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 藤田高敏

    藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、小委員及び小委員長選任の件についてお諮りいたします。  小委員の各会派割り当ては、自由民主党・自由国民会議六名、日本社会党三名、公明党・国民会議一名、日本共産党・革新共同一名、民社党・国民連合一名とし、小委員及び小委員長は、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  200. 藤田高敏

    藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、災害対策基本問題に関する小委員に       斉藤滋与史君    高鳥  修君       原田昇左右君    堀之内久男君      三ツ林弥太郎君    山崎武三郎君       藤田 高敏君    米田 東吾君       伊賀 定盛君    田中 昭二君       中川利三郎君    神田  厚君 以上十二名を指名し、小委員長三ツ林弥太郎君を指名いたしたいと存じます。  なお、本委員の異動等に伴う小委員及び小委員長辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  201. 藤田高敏

    藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十一分散会