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則武委員 流産はしないんだという
立場からお話しになっていらっしゃいますから、すれ違いになりますけれ
ども、私は流産をするだろう、するからにはもっと根本から出直せ、出直すに当たっては、その根本は、答申自体が相当ひん曲がっているのだから、中公審のメンバーの洗い直し、そして中公審の再度の答申を求めるというぐらいな
気持ちでやらなければいかぬのじゃないですかということを申し上げておるわけでありますから、よく御記憶をしておいていただきたいと思うのです。
私は、中公審のメンバー自体が
国会の同意を得ないで、
総理大臣の任命になっているのですかね、そういう中公審の運営についても検討をしていく必要があるのじゃないか。こういう重要な
審議会のメンバーは、
国会の同意を得てメンバーを任命するような、そういう制度に改めていく必要があるというふうに私は思うのです。そうでないならば、やはり三年前に、例の中公審の自動車の排ガス規制の専門
委員会に自動車メーカーの代表が参加をしていらっしゃる。そして中公審の専門部会で
論議されておる
内容が、秘密
会議だと先ほど
局長はおっしゃいましたけれ
ども、秘密でない、逐一自動車会社の方には筒抜けで、刷り増しをして、だれだれ委員はどんな発言をしたとか、全部自動車メーカーには流されていたということが
国会で暴露されたのは御存じでしょう。そういう
意味で、やはり私はこういう
住民参加ということを
内容とした科学的な
法律でなければならない、その答申を出す中公審、またその専門委員、こういうものがもっと公開をされ、
国会の場で任命をされるというような制度に改めていく必要があるというふうに思うのです。この点は私の
意見でありますから、こういうこともひとつぜひ参考に、将来再検討をお願いいたしたいというふうに思います。
せんだって連休のときに、五月五日ですか、第二回日本
環境会議というのが
大阪で開かれております。弁護士の方や
法律学者や科学者の方が千人ぐらいお集まりになって、
環境アセスメント制度等をめぐっていろいろ御
論議になっておりますが、そこで出てきた、これは
大阪大学の林
先生という方の資料を拝見しておりますと書いてありますが、大体アメリカの
環境影響評価法、NEPAがタイの姿焼きとたとえるならば、
環境庁の七六年に第一回の
法案の要綱を出されたのが切り身の塩焼きだ。大きい骨がなくなっている。そしてちょうどNO2の
環境基準の緩和をなさったころ、
環境行政の後退が言われ出したころに出された七八年のあなた方の三回目の
法案の中身は、もう骨がなくなってしまって刺身になっている。そしていよいよ流産目前の今回の八〇年の
法案は、まさに骨がないどころか、もうタイの肉が腐りかけて、かまぼこにしようかなということで、いますり身にしておる、すり身のだんごだ、こういうふうに第二回日本
環境会議の中で報告をされているのであります。
私はこれを見て、本当に情けないというか、アメリカのNEPAがタイの姿焼きなら皆さんの
環境庁のいまの案は腐りかけたタイの肉でかまぼこをつくろうとしてすり身にしておるところだ、小骨も何もない、これでは
環境は守れないということを科学者や学者は声を大にして言っていらっしゃるわけであります。そういう点で、私はやはり根本から出直すことがどうしても必要じゃないか。本当に
環境を守るに足る真にあるべき
アセスメント制度の追求というものをやっていただきたい。アメリカに比べれば十年もおくれているのですから、何としても、せめて、何でもアメリカのまねをなさるのが好きな方も大ぜいいらっしゃるじゃないですか。もっとこういうアメリカの
アセスメント法のすぐれた点は、十年もおくれているのですから、急いで勉強をして、少なくとも学者の諸君が言っておるタイの姿焼きぐらいな
アセスメント法にはしていただきたいと思うのですが、
最後に、
長官の決意を再度お
伺いして、
質問を終わりたいと思います。