○熊野
説明員
お答え申し上げます。
ただいま
先生御
指摘の点は幾つかあったわけでございますけれ
ども、第一点が地震等に対する心配の問題だと思います。それから第二点が排水による海水汚染のおそれはないか、それから第三点が監視をどういうふうにやっていくのか、それから第四点が
地元等への十分な
説明が必要ではないか、こういう御
指摘があったと思いますので、その点につきましてまず私の方から通産省としての考え方を御
説明させていただきたいと思います。
まず、第一点の耐震性の問題でございますけれ
ども、本モデルプラントの耐震性につきましては、旭化成工業といたしまして、もちろんのこと十分な解析を技術研究所等で行いまして、その結果を設計に反映することとしております。一方、モデルプラントの建設につきましては、先ほど来御
説明申し上げておりますように、原子炉等規制法に基づきまして使用の許可を得て行われることになるわけでございますけれ
ども、その際、先ほど科学技術庁の方から御答弁申し上げましたように、必要な耐震設計、地震
対策等につきまして所要のチェックあるいは指導が行われることになろうかと思います。もちろんこの点につきましては、私
ども通産省といたしましても、旭化成工業に対しまして必要な指導は十分に行ってまいり、保安
対策について、旭化成はもとより、国としても万全な
配慮をやっていく必要があろうかと考えております。
それから、第二の排水による問題でございますけれ
ども、これは先ほ
どもちょっと触れましたように、本プラントはシステムそのものがクローズドシステムになっております。したがって、運転中は外部への溶液の排出は一切ございません。ただ、運転中はございませんけれ
ども、先ほど来申し上げておりますように、点検とかあるいは分析、解析をするために溶液のごく一部をサンプルとして抜き取る必要がございます。この際は、当然、その点検あるいは分析をした後に溶液は容器に受けとめまして、必要な処理を行って再度貯蔵し、それから貯蔵したものについて分析モニタリングを行って、その上で
関係法令、規制等を十分遵守した上で排出することとしております。特にウランにつきましては厳しく回収を行いまして、海水に排出する際には、ウランの濃度は、もともと御
案内のように海水の中にはウランが十億分の三
程度含まれております。したがいまして、海水に放出する際には、もともと海水の中に含まれておる濃度、ただいま申し上げました十億分の三
程度のごく微量な濃度以下にするように旭化成工業の方では
検討しておる次第でございます。
それから、ウラン以外に当然このプロセスの過程で酸化剤とか還元剤といったふうな薬品も使うわけでございますけれ
ども、これらにつきましても、
水質汚濁法で言いますところのカドミウムとか水銀等のいわゆる有害物質は一切含んでおらない
状況でございます。したがいまして、排水による海水汚染については
影響を及ぼすおそれはないというふうに考えておる次第でございます。
それから、第三の御
指摘は、この監視をどういうふうにするかということ、あるいはウラン濃縮の危険性といったことなどと考えますけれ
ども、ウラン濃縮と申しますのは、
先生十分御
案内のように、天然ウランの中に実は――天然ウランというのはウラン235という同位元素とウラン238という同位元素が含まれておるわけでございますけれ
ども、そのうちウラン235が実は天然ウランの中には〇・七%
程度含まれておるわけでございます。この比率を、
発電用の燃料として使用するために三%
程度に高めるわけでございます。これは
基本的に、連続的に核分裂をするようなことはないわけでございますので、危険なものではないわけでございます。したがって、問題は
基本的にはないと思いますけれ
ども、当然のことながら、原子炉等規制法に基づきまして、同法の規定に従いまして管理区域あるいは
周辺監視区域内におきまして放射線の計測を十分に行うことは当然のことでございます。こういうことで監視は十分にやっていけるというふうに考えております。
それから、御
説明でございますけれ
ども、以上申し上げましたように、安全
対策につきましては
基本的に十分やっていけるものと判断しておりますし、また規制当局におきまして十分なチェックが行われるわけでございますので、問題はないと思っておりますけれ
ども、国と申しますか、私
どもといたしましても、本件につきましてすでに県の
関係部局に対しましては所要の
説明を行ってきているところでございますけれ
ども、今後とも必要に応じまして県当局に対し十分な誠意ある
説明を行ってまいりたいと考えておる次第でございます。よろしく御
理解をいただきたいと思います。