○渡部(一)
委員 医薬品の話ではこの場所では余りこれ以上申し上げるのを控えたいとは思いますが、医薬品の審査に関し
わが国の
システムがとかく非常にレベルの低い機材等によって科学的に不安定な
状態の審査が行われているのではないかという討議が、本
国会においてもしばしば行われているところであります。そしてその内容は、ことごとく
わが国の医療行政の根幹にある、薬務行政の根幹にあるこうした問題に対しての政府の取り組みの弱さというものが論じられてきているわけであります。スタンダード
協定に関連いたしまして、
世界の国々の中から、
日本の医薬品に対する検定の仕方は妙なところに力こぶを入れて張り切っているけれ
ども肝心なところはあいまいではないかという非難が多数あるわけであります。
いま、
言葉じりをつかまえるようでありますけれ
ども、私も科学技術を専攻した一人として、全数検査であるからわが方は厳しく、全数検査でない抜き取り検査である
ヨーロッパ各国の検査は緩やかな検査であって受け入れることはできないと言われた。これは科学技術をちょっとかじったことのある方ですと反対の結果になるということを御存じにならぬと私はいけないと思います。ペーパーをつくられたのはどなたか知らないけれ
ども、そんないいかげんなことを言ってはいけない。なぜかと言えば、全数検査というものは全部の薬品を検査しているようではありますけれ
ども、その検査の
一つ一つがえてしてあいまいに行われたり、そして全数検査するという緩みから
一つ一つの検査が平均的な簡略なものになる可能性というのはきわめて高いからであります。抜き取り検査の方がかなり優秀なものであることはQOの一ページをかじった者にはよくわかることでないかと私は思うのですね。外務
委員会をなめてはいけない、そういういいかげんな答弁で。ですから、私はこれは後でその当該
委員会のところへ持ち込んでもう一回医薬品の検定の問題については論議を続けさしていただきたいと思いますよ。専門家もいなさ過ぎるのですから、きょうは。
第二番目に、私は輸入の自動車について触れたいと思います。輸入の自動車について運輸省の自動車の
関係は来ておられますね。
輸入自動車の
関税については現在どういうことになっているか。また
ジュネーブ議定書の新税率の適用について、一九八七年には何%になるのか。また輸入自動車の陸揚げ後ディーラーに渡るまでその価格は約二倍になると言いますが、この点を欧米の自動車メーカーは、
日本は
関税でない
関税類似の内国税を何重にも課して輸入制限を行っていると、もうやたらに攻撃するわけであります。外車の方が高くなるわけはどこにあるのか。
また、輸入自動車の車体検査については
日本は厳重過ぎるという苦情がきわめて多いわけでありまして、追突検査とか落下検査なんというのが必要があるのかどうか。スタンダード
協定締結後はこの検査はもう変えた方がいいのではないかと私は思っているわけですが、どうでしょうか。
というのは、これから実話で申し上げますが、私が先日
アメリカへ行った際、
日本はなぜ輸入してくる自動車を一台ずつ空中へつり上げてばかんとおっことすのか、
日本の自動車については
一つのモデルを落下試験やって、そして壊れなかったらそれでよし、壊れるのならそれでよしということで検査は完了するのに、輸入会社に関しては全部一遍空中につり上げては下へおっことしていく。波止場でそんなことをすれば大体シャシーが曲がるとか窓がへこむとかいうことになる。こんなのは漫画でしかない。
私は
アメリカ人の聞いているところではこの話をしたくなかったので、きょうのような夜のだれも聞いていない外務
委員会で小さな声で言うわけですけれ
ども、こんなばかなことをやっているというのは、要するに運輸省の自動車の
関係者の頭は外国があるということをわかっていないことを示している。つまりこれからの
世界では自分だけのルールで物事をやっていればいいのではなくて、人の国、相手の国との
関係が非常に問題になるのですから、そういうふうに国際的に通用しないような、人の国の自動車だけは空中にほうり上げて墜落さして裏返しにしてみて、まるでそれこそげたはいてあした天気になれというのでげたを空中にほうり上げて、どっちが裏返るかといって遊んでいた子供のように、そんなおもしろがってはいけない。自動車はがたがたするのはあたりまえだから多少落下させてみたいというお気持ちはわからぬじゃないけれ
ども、何で外国の自動車を一台ずつおっことすのか。そういうことをすればそれがひいきの引き倒しになり、現在のような
日米間の緊張
関係はきわめてでかいことになると私は思いますが、自動車局に返事をさせるとけがをしそうだから、
大臣、ひとつあなた答弁してください。