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土井委員 それではお答えにならないのです。このことについては、きょう二、三ここで確認をしたことに引き続いて、さらに質問を詰めていきたいと思います。さっきのはよろしゅうございますね。ベトナムのときは昔のことなので帰って少し検討してみるとおっしゃいましたが、それはそのようにひとつお願いをして、あともう一問だけ
大臣に
お尋ねをしたり、そしてこのことに対しての御
見解を賜りたいと思うのです。
最近、朝鮮においては南北対話や南北直通電話が実に三年五カ月八日ぶりに再開されるという実情や、伝えられるところによりますと、崔圭夏大統領と与党代表との会談で、金大中氏の復権についても
政府も前向きの姿勢で多角的に検討しているというふうな話し合いが伝えられてまいります。すでに昨年、在
日韓国人の政治犯で受刑中の八人の方が釈放されたという
いきさつは、
大臣御承知のとおり、よく御存じでございますが、私どもは、この朴政権の後を継いだ崔新政権が旧体制を清算して民主化を進めようとするならば、在
日韓国人の多くの政治犯を釈放するということがその具体的な前提
条件に恐らくなるであろう、逆に言うなら、政治犯に対する新政権の姿勢が、いわばその民主化の
内容というものを見る場合の試金石とも言えるのじゃないかというふうにも
考えられるわけでございますが、いま、多くの在
日韓国人の政治犯の中で、特に徐きょうだいの問題をきょうは取り上げて問題にしたいと思うのです。
徐きょうだいは、一九七一年の四月に、朴大統領と金大中氏との間で戦われていた激しい大統領選挙のさなかに、国家保安法、反共法の違反容疑で逮捕されました。お兄さんの徐勝さんの方は無期に、そして弟の徐俊植さんの方は七年の刑に処せられたわけであります。この七年の刑期が満了するときに私は
外務委員会でこの問題を取り上げて、刑期が満了するので、釈放されたときには必ず
日本に帰りたいと言われるのに、
日本としてもそれだけの受け入れ措置を十分に
考えていくようにというふうな
意味も含めて質問をしたことを覚えております。ところが、一九七八年の五月二十七日がその日だったのですが、懲役七年の刑期を満了いたしましたところ、社会安全法によって保安監護処分を受けまして、二年たった現在まだ監護所に収容中でございます。
ところが、この九年の間、裁判の傍聴や面会と、数を数えて何と六十回以上も
日本と韓国の間を往復されましたお母さんが、実はいま重病の床に伏せっておられるわけでありまして、一日も早くこのきょうだいの釈放を祈りながら、わけても弟の方の徐俊植さんの釈放に強い期待をかけて、重い病の床で待っておられるという実情が実はございます。
このことに対しましては先日いろいろ具体的に
外務大臣に申し入れをいたしまして、
外務大臣もそれなりの御努力を払っていただいたことに感謝を申し上げますが、この問題について
外務大臣がいろいろ御努力をなすったその途次どういう感触を得ておられたか、このことについてひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。