○瀬野
委員 交渉を決裂させるわけにいかぬのでこういう結果になったという
水産庁長官の答弁でありますが、
農林水産大臣がおくれておりますので、この件については大臣が見えたら若干
お尋ねすることにいたしますけれども、弱腰外交というゆえんは、御存じのように、全量的には前年並みといっても、その中身を見れば完全な後退である、かように私は
指摘せざるを得ません。
ちなみに申し上げますと、
日本がとるところのスケトウダラは、
昭和五十二年は六八%、五十三年四一%、五十四年四〇%、そして来年の五十五年すなわち一九八〇年は三八・六%になるわけです。一方、
ソ連がとるところのイワシ、サバは、五十二年が四三%、五十三年は四九%、五十四年が六九%、そして五十五年、一九八〇年は七五%と、このように逆に
漁獲割り当てがふえております。こういったことを見ましても、私はまさに弱腰外交である、このように
指摘せざるを得ないし、また一方、カレイとかメヌケ、マダラ等のような
漁獲実績の低い方に割り当てが多く配分されておる。そして、スケトウダラのように
日本が最も欲しい、しかも
漁獲量を多く望んでいる魚種については、逆に昨年から一万トンも減らして二十九万トンに減ってきた、それも年々減っていく。こういうことを見ましたときに、まさに憂慮にたえないのであります。
ソ連のスケトウダラ資源に対する評価というものが、一方では最近厳しくなってきておることも事実でありますが、
日本側は
ソ連が要求するマイワシ、サバの増量と引きかえに、今回の
漁業交渉に先立つ
日ソ漁業委員会でも、
ソ連側はスケトウダラの許容
漁獲量を従来の
主張より三十万トン低い百二十ないし百三十万トンに落としていることから、来年以降の
交渉でも、
ソ連側がスケトウダラ削減を要求してくるのは必至である、かように私たちは見ざるを得ません。このために、
わが国がスケトウダラを確保するためには、
ソ連向けイワシ、サバの増量を認めるという図式が毎年繰り返されることになっていく、このように私は思われて仕方がないのです。
そういう意味で、冒頭外務大臣に弱腰外交ということも
指摘し、いま皆さんも十分
承知である数字を五十二年度から挙げましてるるお話を申し上げ、そして今日に至っている現状と今後の見通しについて考えてみると、こういうパターンが繰り返されていく、こういう懸念が大であります。そういった意味で私は、こういったことでは
日本の将来の
漁業に対して大変不安定な要素が厳しくなってくる、かように思うわけです。そういった意味で
水産庁長官また外務大臣いずれからでも、これに対する所見を承りたいのであります。