運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1979-12-05 第90回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十二月五日(水曜日)    午後一時八分開会     —————————————    委員の異動  十一月二十九日     辞任         補欠選任      渡辺  武君     橋本  敦君  十二月一日     辞任         補欠選任      橋本  敦君     渡辺  武君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         志村 愛子君     理 事                 上條 勝久君                 堀江 正夫君                 丸谷 金保君                 相沢 武彦君     委 員                 北  修二君                 西村 尚治君                 増岡 康治君                 勝又 武一君                 川村 清一君                 対馬 孝且君                 立木  洋君                 江田 五月君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)       小渕 恵三君    政府委員        北海道開発庁総        務監理官     大西 昭一君        沖繩開発政務次        官        伊江 朝雄君        沖繩開発庁総務        局長       美野輪俊三君        沖繩開発庁振興        局長       海原 公輝君        外務省欧亜局長  武藤 利昭君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 源三君        常任委員会専門        員        山本 義彰君    説明員        総理府北方対策        本部審議官   小宮山五十二君        防衛庁防衛局運        用第一課長    坪井 龍文君        外務省アジア局        北東アジア課長  股野 景親君        外務省情報文化        局海外広報課長  阿曽村邦昭君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (北方領土返還運動に関する件)  (北方領土サンフランシスコ平和条約に関す  る件)  (竹島問題に関する件)  (日ソ平和条約締結に関する件)  (北方領土の元居住者等に対する援護措置に関  する件)  (北方領土関係予算に関する件)  (色丹島のソ連軍配備に関する件)  (北方領土各国地図記載に関する件)  (沖繩経済自立格差是正に関する件)  (沖繩の基地問題に関する件)     —————————————
  2. 志村愛子

    委員長志村愛子君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、小渕国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小渕国務大臣
  3. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) このたび総理府総務長官並びに沖繩開発庁長官を拝命いたしました小渕恵三でございます。微力ではございますが、誠心誠意職務の遂行に当たってまいる決意でありますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。  沖繩振興開発につきましては、祖国復帰以来、沖繩振興開発計画に基づき、本土との格差是正自立的発展基礎条件の整備のための努力を重ねてまいった結果、それなり成果を挙げてきておりますが、なお残された問題も多くございます。先般、短い日程ではありましたが、私も現地を見てまいりましたが、今後もこれまでの成果を踏まえ、社会資本の一層の充実に努めるとともに、地場産業振興等沖繩発展県民福祉向上に全力を傾注してまいる所存であります。  また、北方領土問題につきましては、ソ連側が新たに軍事基地を強化するなど、きわめて厳しい情勢でありますが、日本国民の多年の念願であります北方四島の一括返還による領土問題の正しい解決を図るという従来の基本方針をいささかも揺るがすことなく、今後より一層国論の結集に向けて努力していかなければならないと考えております。このため、この問題に対する国民のより深い理解を得るための広報活動充実と都道府県、民間団体との連携による返還運動の盛り上げに力を尽くすとともに、北方領土からの引揚者に対する援護措置についても十分配慮いたしてまいりたいと考えております。  なお、国会日程が許しますれば、来る十二日、十三日の両日、北方視察を行い、現地の厳しい事情を見てまいり、また地元の方々の要望をよくお聞きして、今後の北方対策に生かしていきたいと考えております。  以上、はなはだ簡単でありますが、沖繩及び北方問題につきまして、所信の一端を申し述べまして、ごあいさつといたします。     —————————————
  4. 志村愛子

    委員長志村愛子君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 丸谷金保

    丸谷金保君 ただいま北方問題及び沖繩振興に対する長官決意のほどを承った次第でございますが、北方問題につきまして先日署名を持っての陳情を受けました。で、私はそのときにつくづく感じたんですが、国論統一といいますか、ということについて政府はもっと積極的に問題を進めなければならないんじゃないかと。たとえば実は前の大臣のときに、私は私の部屋で飾っておりました日本地図、これを写真にしてここへ持ち込みました。これには北方四島を含めた千島列島が載ってないんです。おかしいじゃないかと。参議院会館で売っている地図に載ってないので、これはけしからぬということで、そういう点に対する政府の何というか、目配りの悪さということを指摘いたしました。ところが、その後あわてて取りかえに参りまして取りかえていった今度の地図、これは千島列島全部日本領土として載っているんです。いまもかかっております。こういうふうに北方四島、北方四島という要望がある反面、国内にはそういう状況が至るところにあるわけです。私が国論統一ができてないというふうに考えるのは、こういう身近な事例からも推測できるんですが、いかがでしょうか。大臣のひとつお考えをお聞きします。
  6. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) ただいま丸谷委員指摘の点に関しましては、私も従来、千島諸島わが国地図に記載する場合に、種々の地図が世上領布されて、統一もされておられない趣旨も承ったことも記憶をいたしておりますが、今日の時点ではさようなことはすでにすべて処理されて、市販をされておるものその他も含めてすべて統一しておるものと実は私は認識をいたしましておりましたが、さらにの御指摘でございまして、まことに残念に存じております。この問題は、文部省を初めといたしまして、地図その他を監修することに対して責任を負っている役所とも十分相談をいたしまして、再度御指摘をいただくようなことのないようにさらに注意をいたしてまいりたいと、このように考えております。
  7. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) ただいま先生指摘地図の問題でございますけれども、これにつきましては、四十三年以来北方四島につきましては、北海道と同色になっておりまして、千島その他は——樺太でございますか、白色になっております。その他教科書につきましては、編集担当者にもお願いいたしまして、北方関係資料をなるべく提供するなどやっておりまして、記述内容充実に努めておる現状でございます。
  8. 丸谷金保

    丸谷金保君 質問趣旨をよく御理解なさっておらないようなんですが、私は教科書とか政府関係機関の印刷物がそうなっているというのでないんです。私たちが、たとえば参議院会館の中で買ってくる地図ですよ。それも大きな地図なんです。そういうのでさえも、北方四島含めての千島列島が何も入ってない地図を平気で持ってきます。指摘をした、あわてて取りかえていった、今度は千島列島全部入っている地図なんです。そういうふうに国論が、いわゆる役所ベースでやっていることと一般国民認識との間には、まだまだ相当のずれがある。このずれを埋めないで、北方四島だけわいわい言っても、あれは官製のものだと言われちゃうんですよ。このことについての皆さんの御認識を聞きたいんです。  いま言うように、こういうふうにやった、ああいうふうにやったと言ったってだめなんです。それは結果でね。結果はそうなってないんですから。国民考え方がそういうことできちっと統一されてない、こういうことについて、長官がいまこの問題一生懸命やると言われるので、まずそういうところから、国論統一というか、そういうところからきちっとやらないといけないんですが、それを進めるのはどういう手だてでやりますかと、こういうことを聞いているので、教科書を聞いているんでないんです。国論というのは教科書じゃないんですから。国民全体の理解の上に立たなきゃならないので、もう一度ひとつ。どうしていきますか、これ。
  9. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 総理府として北方領土問題に対する国民の意識の向上に努めてきたつもりでございますが、いま地図に象徴されるように、御指摘をいただくような点があることの事実を御指摘をされまして、まことに残念でございます。私どもとしては、今後とも一億一千万国民領土の問題も含め、統一した考え方を持つことのできるように、さらに広報活動等十二分に相努めて、御指摘をいただくことのなくなりますように、最善を尽くすことをお誓いいたしたいと思います。
  10. 丸谷金保

    丸谷金保君 それで、まあそういう意味での国論統一、それと同時に政府部内の問題をひとつお伺いいたします。  農林水産省、外務省その他ですね、固有領土ということを盛んに言っております。北方領土を。そしてあの水域の漁民もそう思っているんです。しかし日本法律の中で、北方四島について「当分の間」外国とみなすというみなし規定のあることを大臣御存じですね、いかがですか。
  11. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) 先生指摘法令によりましては、「当分の間」北方領土を本邦から除外する、こういう問題でございますが、そのことはそれぞれ当該法令背景、それから趣旨でございますが、内容と、それから施政権現実に及んでいないというその事実と総合的に勘案して、そういうぐあいにやむを得ないという形で措置しておると考えております。必要上やむを得ないものにつきましては、余り機械的に統一しては必ずしも好結果にはならないんではないか、こういう場合もあり得るわけでございまして、たとえばこちらも努力しておりますが、五十年の国勢調査につきましては、調査日設定要綱から北方四島を除くということになっておりましたけれども、これをまたお願いいたしまして、その規定を除くということをいたしました次第でございます。
  12. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣、いまお聞きのようなことなんです。といいますのは、それは要綱でないんですよ。たとえば外国為替管理法あるいは関税法、こういうようなれっきとした法律事項の中にみなし規定があるんです。まだたくさんあると思いますよ。一遍どれだけの法律北方四島を外国とみなしているかということを総理府としてはまとめ上げる必要があるんじゃないですか。幾つぐらいあると思いますか、それ。わかっていますか。大臣どうなんです。
  13. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) まことに申しわけないことでございますが、正確な数字を把握しておりません。
  14. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣が、たくさんの法律ですから、正確な数字でなくても少なくともおおよそこんなにたくさんあるんだという認識は持ってもらわないと、このことが地図にあらわれているような国論統一にならないことにもつながるわけです。政府部内においても、それぞれのポジションにおいてみなし規定外国とみなしているんですから。こういうことを踏まえてひとつ先ほどの決意に裏づけをしておいていただきたい。この本質的なものは何かと、こういう混乱。私はずっと一八〇〇年代からの千島の帰属問題の歴史を調べてみますと、どうも全千島要求することの方が理論的に正しいんじゃないかと思います。本来、千島列島というのは全部これは当然ポツダム宣言の範囲からはずれているんですから、堂々と要求すべきだと思う。四島なら何とか返るし、全千島なら返らないから四島だというような、そういう角度で国論統一しようとしても、長い歴史的な過程を知っておる国民の中に、あるいはまた政府の部内の法律規定の中においてさえもかえって混乱するんじゃないか。北方四島を外国とみなすというふうなみなし規定をつくらなきゃならない。これが全千島を当分の間外国とみなすと言ったらまだ混乱しないんですよ。そういう点についてどうですか、大臣認識のほどを伺いたいんですが。
  15. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) ただいまの御質問についてでございますけれども、わが国政府北方四島のみの返還要求を行っております根拠サンフランシスコ平和条約でございまして、サンフランシスコ平和条約の第二条(C)項におきまして千島列島に対するすべての権利権原及び請求権放棄しているということは御承知のとおりでございます。  それでは、なぜこのサンフランシスコ条約におきまして千島列島に対する権利権原請求権放棄したかということかと存じますけれども、それは当時の状況をさかのぼりますと、サンフランシスコ平和条約わが国敗戦国立場に置かれ、戦勝国との間に結んだ平和条約でございまして、わが国敗戦国立場から完全な主権を回復して名誉ある国際社会の一員として復帰するというためにやむを得ず経た道程であったかと理解しておりまして、そのような当時の状況のもとにおいてやむを得なかった措置ではなかろうかと考える次第でございます。
  16. 丸谷金保

    丸谷金保君 そこが議論の分かれるところなんですよ、そこが。しかし、サンフランシスコ平和条約放棄すると宣言しているのは平和条約締結に関してですわね。そうでしょう。条約をまだ締結していない国に対してこれは効果を及ぼしますか。
  17. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) わが国サンフランシスコ平和条約におきまして千島に対する権利権原を国際的に放棄したということであろうかと存じます。したがいまして、サンフランシスコ平和条約に入っていなかった国がそれを引用することができないということは先生指摘のとおりでございますけれども、片やわが国といたしまして国際的にその事態を引き戻すというわけにもまいらないということであろうかと存じます。
  18. 丸谷金保

    丸谷金保君 仮に相手国が歴史的な問題を踏まえて、これは返すとすれば一括返還だというふうになった場合にはサンフランシスコ平和友好条約というのは作動しますか。
  19. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) その場合にはサンフランシスコ平和条約に参加いたしました国の間でやはり検討はなさるるべきものではなかろうかと考えます。
  20. 丸谷金保

    丸谷金保君 そうしますと、いまの北方領土返還要求、これはサンフランシスコ平和条約に調印した国に対して行うものだということになりますか。
  21. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) 政府立場は御承知のとおりでございまして、わが国北方四島の返還要求しておりますのは、これは歴史的にも条約的にも日本固有領土であって、サンフランシスコ平和条約放棄をした千島列島には入らないという根拠から返還要求をしているわけでございますので、わが国返還要求サンフランシスコ平和条約千島列島規定とは関係がないと申しますか、サンフランシスコ平和条約に調印した国であろうとなかろうと要求するという、そういう関係になるのであろうかと存じます。
  22. 丸谷金保

    丸谷金保君 非常に微妙な問題ですので、私たち質問にも言葉を選ばなければならないと思います。しかし、いいですか、いまあなたはサンフランシスコ平和条約を認めない国に対しては条約効果はないということはお認めになりましたね、認めないとはっきり言っているんですから。その国に対してサンフランシスコ条約に調印した国と同じように国論として要求をしなくてもいいという遠慮しなきゃならない理由は理論的にはございませんでしょう。
  23. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) わが国といたしましては、サンフランシスコ平和条約において千島列島に対する権利権原はすでに放棄したという立場に立ちまして、サンフランシスコ平和条約放棄した千島列島に含まれない四島について返還要求を行っていると、そういうことでございます。
  24. 丸谷金保

    丸谷金保君 それはいいんですよ。そのことでないんです。私がいま聞いていることは。国論統一の話を言っているんです。国論参議院会館で買った地図が全く何も載ってない地図が来たから何だと言ったら、今度は千島列島全部同じ色塗りで来る。そして質問すれば教科書はちゃんとなっていると。それはそうでしょう。政府機関の、しかしその政府の中でもまだ北方四島を外国とみなすというようなみなし規定がたくさんあって、大臣にまだ御進講もしていないから、大臣初めていま聞いたような顔していますよ。その程度なんです。いいですか。そして、そういう中で外交的な国と国との間の折衝の話をおたくはするわけです。私の聞いているのはそのことを聞いているんじゃないので、国論統一をする場合に、国論としては、サンフランシスコ平和条約を認めていない国に対しては、明らかにポツダム宣言で、千島列島というのは全千島平和裏日本領土にしたところなんですから、これはよこせと、こう言って差し支えないんじゃないか。ただ、外務省として言えないかしらぬけれども、国論としてこういう形の中で言えるんじゃないか。そしてそれがないから国論統一がそこのところで不明確になる。これは大臣に聞かないとならないことですが、大臣いらっしゃらない。次官いかがですか、いまのを聞いておられて。こういう機会に、ひとつ次官も答弁を記録に……
  25. 伊江朝雄

    政府委員伊江朝雄君) 実は私、沖繩開発政務次官でございまして、その辺のことはよくわかりません。国会議員としての意見は差し控えさしていただきます。
  26. 志村愛子

    委員長志村愛子君) 戻られました。  それではもう一遍質問をし直してください。
  27. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣、実は外務省からいま答弁があったんですが、これは外交的なルールの中でサンフランシスコ平和条約放棄をしているんで、わが国としてはそういう立場をとって北方四島は千島列島に入らないと主張をしているんだ、こうおっしゃるんです。その議論はその議論でおきます。  ただ、私がいま言っているのは、国の、政府機関の問題を言っているわけでないんです。これは政府機関がやっていることではないんですから。北方領土の問題のいま復帰運動をやっているのは政府機関でないんですから、政府機関でないところの立場で言えば、サンフランシスコ条約を認めないという国に対して北方領土返還要求する場合には、歴史的に、平和にわが国領土になった全千島ポツダム宣言に基づいて——ポツダム宣言しか認めていない国なんですよ、相手国は。国論として、これは政府でないんですから、よこせという国論統一があって可能でないんですか。これに対する、北方問題を手がける、特に国論喚起に努める大臣としての御見解をお願いいたします。
  28. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 先生、先ほど来の御指摘のように、千島とはなんぞやという問題です。  私も、過去江戸時代以来の歴史的な背景それなりに勉強いたしてきたつもりでございますが、そうしたことをつぶさに検討いたしますれば、私個人としては、先生指摘のような見解がまことに明快、直截だとも判断できますが、今日総理府としては、従来からその返還につきましては四島を返還するという立場でその活動をいたしてきたことでございますので、総理府長官といたしましては、従来の路線を踏襲をいたしまして、とにもかくにも、わが国領土たる四島の返還のための国民的世論喚起に努めていくことが私の任務である、こう心得ておりますので、さよう御答弁さしていただきます。
  29. 丸谷金保

    丸谷金保君 実は大臣そのとおりなんです。大臣のおっしゃるとおりなんです。だから国論がいろんなところでまちまちになっちゃうんです。明快でないんですよ、北方四島ということだけではどうしても。だからいろんな国論が出てくるんです。そういう点で、ひとつ大臣、いまの大臣発言というのはきわめて重要であり、また、私たちとしては意を得た御答弁なんです。  大臣の言うように、そこのところにこそ、この問題が二千万人の署名を集めながら国民の全体の高まる世論の中で統一された行為になっていかない大きな原因があるんで、大変むずかしい問題ですし、われわれも国益を踏まえて、これは主張すべきものは何十年、何百年かかっても、全千島を、サンフランシスコを認めてない、ポツダム宣言しか認めてない国に対しては要求できるという立場に立つと、そういう国論の中にもまだいろいろあるということを御理解いただきたいし、特に、この問題できわめて大事な決議が最近行われておるんです。全国町村長大会、これは全国世論——この中で、ここではやっぱり「北方領土早期復帰」という言葉を使っています。それと同時に、この隣で実は「竹島領土権の確立」ということを決議しているんです。「わが国固有領土である竹島領土権を確立し周辺漁場における安全操業を早急に確立すること。」。片一方は「わが国固有領土である北方領土早期復帰を促進するとともに周辺漁場における安全操業を早急に確立すること。」。大分違うんですよ。片一方は復帰して安全操業片一方の方は領土権を確立してと、これは放棄してないんですから。  そこで、きょうは防衛庁からおいでになっておると思いますが、竹島の現況について防衛庁の方ではどのような認識情報を持っておありになるかお伺いいたしたいと思います。
  30. 坪井龍文

    説明員坪井龍文君) 竹島につきまして特別変わったという情報をわれわれつかんでおりません。
  31. 丸谷金保

    丸谷金保君 特別変わった状況でないというのはどういうことです。全国町村長大会でこういう決議が行われているんですよ。
  32. 坪井龍文

    説明員坪井龍文君) ただいま先生がおっしゃいました決議につきましては、昨日入手いたしまして承知しております。  以上でございます。
  33. 丸谷金保

    丸谷金保君 領土権を確立しているんですか。
  34. 坪井龍文

    説明員坪井龍文君) 防衛庁としましては、たびたび国会でも御答弁申し上げておりますように、竹島につきまして、わが国固有領土であるということでございますが、現実にはわが国施政のもとにございませんので、これはあくまでも平和的な手段によって解決を図るとの基本的な立場に立っておりまして、自衛隊がこの問題について対処すべき問題だというふうには考えておりません。
  35. 丸谷金保

    丸谷金保君 自衛隊というのは、まあいろいろわれわれとしては問題ありますけれど、国を守るということになっているでしょう。これは領土権なんですよ。これいまどうなっているか御存じなんでしょう。どうなっています。防衛庁認識を聞いている。領土なんですから、どうなっているかということを防衛庁知らなかったら困るでしょう。
  36. 坪井龍文

    説明員坪井龍文君) ただいまお答えいたしましたように、わが国固有領土であるというふうに認識をいたしております。ただ、わが国現実施政のもとにないんだというふうに承知しております。
  37. 丸谷金保

    丸谷金保君 というのは、どこの施政下にあるんです。
  38. 坪井龍文

    説明員坪井龍文君) 韓国だと承知しております。
  39. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣、お聞きになりましたか。これは町村長大会では、片一方は「早期復帰」ということを言っているんです。だから、現在は復帰していないということを前提にして町村長大会では決議文をつくっているんです。ここに他国の軍隊がいることに対しても国を挙げて取り組んでいますわね、抗議もしています。韓国にはもちろん抗議していると思います。しかし、これはもう固有領土、完全に領土権の確立している——放棄もしていないのですし、ここに対していまどういう状態が行われているかということ、私はこれ実際に境港市議会の議長さん以下に陳情を受けて状況を聞きました。聞きましたけれども、私が市町村長から聞く以上に政府はもう少し情報を持っていなければならぬでしょう。これは政府としてどうなんです。竹島の現況をどのように把握していますか。
  40. 股野景親

    説明員股野景親君) 竹島の現状につきましては、ほぼ毎年一回海上保安庁にお願いをいたしまして、海上保安庁が竹島の周辺に巡視艇を派遭いたしまして現状を確認すると、かつこれは日本政府としては日本固有領土であるという立場から、当然自国の状況を見に行くという立場で行っておりまして、昨年もこういうことを行い、ことしにつきましても去る十月十三日、海上保安庁の巡視艇に竹島の現況を視察、確認をしていただいております。ただいまその結果につきましては海上保安庁側で取りまとめ中でございまして、外務省側はまだその一番最近の十月十三日の視察の結果について詳細を承知いたしておりませんが、遺憾ながら韓国側が竹島に不法に構築物をつくり、また人員を置いておるということは事実でございました。この点は、先生指摘のとおり私ども大変遺憾に思っておりまして、かねがねこの事実に対して厳重な抗議を繰り返してまいっておりますし、ことしもこの竹島巡視の結果が明確になりましたところで、私どもさらにこの現状について抗議をする考えでございます。ただ、日韓関係の歴史的な背景にかんがみまして、この問題を外交経路で平和的に解決するという考え方で従来も努力を重ねてまいりました。機会あるごとにこの問題を平和的に処理しようということで努力を重ねてまいりました次第でございますが、この努力は引き続き続ける所存でございます。
  41. 丸谷金保

    丸谷金保君 十三日のまだ結果を聞いていないというのですが、十三日に海上保安庁の船が行きまして何をやったと思います。いいですか、これはあの地域の漁村を持っている町村長の話です。この大会があった二十九日、私はその前の日に聞きました。行ってやったことといえば、島へ近寄るなと言って、わが方の漁船を追い出すことをやっているんですよ。みんなくやしがっていました。いいですか、調査に行ったと、まだ報告を聞いていないとあなた言うけれども、行ってやったことは近寄るな、危ないから近寄るなということで、わが方の漁船を追い出すことをやったというのです。だからこういう決議になるんです。
  42. 股野景親

    説明員股野景親君) ただいま先生指摘のわが方漁船の竹島沖操業の問題でございますが、この問題が昨年の春以来、非常に問題になっておることは先生指摘のとおりでございまして、私どももこの問題の解決のために、またこの領有権の交渉と並行いたしまして、るる努力を重ねてまいってきておる次第でございます。いままでたびたび外交ルートを通じましてこの努力をしてまいったのでございますが、今日まだこの問題についてはなかなか微妙な問題もございますので、引き続き韓国側と話し合いで、実際に日本側の漁船の安全な操業が確保されるということを目指して努力しているわけでございます。ただいま先生の御指摘日本側の漁船が十分にあの近海で操業できないという点、私ども大変遺憾と思っておりますので、この問題の解決については、今後ともさらに全力を挙げて努力をいたす所存でございます。
  43. 丸谷金保

    丸谷金保君 それで大臣ね、いま構築物といいましたわね、軍事構築物だというんです。近寄った漁船の話を聞くと。そうでしょう、どうなんです。外務省、あなたの方の情報で。
  44. 股野景親

    説明員股野景親君) 幾つかの構築物がございますが、そこに少数ではございますが、韓国の武装した警備隊がおるということであると承知いたしております。
  45. 丸谷金保

    丸谷金保君 近寄った漁船に言わせると兵隊がいると、こう言うんです。そうすると、いいですか、軍事占領されているわけですね。これ防衛庁、もう一回聞きます。あなたの方は所管でないの。ちょっと立ってやりなさい、はっきり。防衛庁関知しないの。これはもう領土権がある、明らかに。これが兵隊さんいるというんですから、軍事占領されているわけだ。しかも、全国町村長大会決議にまでなった。いいですか、町村長の全国の大会ですよ。これで防衛庁、これは私の方関係ございませんということになるの、どうなんです。
  46. 坪井龍文

    説明員坪井龍文君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、この竹島の問題につきましては、あくまでも平和的手段によって解決されるべきものということで外務省の方で交渉されているということで、自衛隊としましてこれに対処するべき問題であろうというふうには考えておりません。  以上であります。
  47. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣ね、こういう微妙な問題なんです。いいですか。明らかに全国町村長大会で取り上げるほどの大問題になっても、事韓国との関係になると、政府機関は事務官僚のこの程度の対応の仕方で済んでいるんですよ。大臣ひとつ、先ほどの御決意を承ったんで、北方領土と同じように竹島問題についても、閣議で大上段に、わが国領土がこれはもう明らかに軍事占領されているという事実を踏まえて善処方をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  48. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 竹島の問題につきましては、先ほど来、各担当から御答弁申し上げておりますように、これまたわが国が抱えておるきわめて困難な、かつ重大な問題であることは、私も承知をいたしております。御答弁にありましたように、外交的手段を用い、平和的にこの問題を解決するために、従来とも政府は最大の努力を図ってきておることと存じますけれども、なお、御指摘ございましたので、私としても閣員の一員として、十分この問題について配慮いたしていくことをお誓いいたします。
  49. 丸谷金保

    丸谷金保君 それで大臣ね、また北方問題に戻るんですが、先ほどの大臣の御答弁、これは私は承りましたが、ある意味では先ほどの大臣答弁というのは重大な政府の政策、方針の転換と受けとめておりますので、その点について十分ひとつ内閣の中で御論議を引き起こしていただきたいと思います。
  50. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 御指摘の御認識でございますが、御答弁申し上げましたように、千島とは何ぞやという問題につきまして私もかねて来自分なりに勉強してきたことについての見解を明らかにしたわけでございまして、政府としての基本的考え方は、後段申し上げましたように従来の路線がございますし、政府統一した見解もございますので、そのことをもって総理府長官としては従来以上に国民世論喚起その他なすべきことを十二分に果たしていくというふうに御理解をいただきたいと存じます。
  51. 丸谷金保

    丸谷金保君 大臣ね、そうおっしゃいますけれども、私の全千島ということに対しても大変深い理解大臣いま示していただきましたね。このことはいままでの政府答弁の中にはなかったことなんです。いいですか。そういう点では、いままでの方針がどうあろと、そういう御答弁というのは、たとえばことしの五月三十日の参議院の本会議で、前金子大蔵大臣は一般消費税の導入を五十五年度のできるだけ早い機会に行う考えだと、こういうことを言ったんですよ。ところがその後大平総理によって後退しましたね。だから、従来のいろいろな各大臣が言ってきたこととおたくの見解に多少全千島ということに理解が深まったということについて、これはやっぱり重大な御発言と受けとめておりますので、その点を申し上げて私の質問を終わります。
  52. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 先ほど総務長官のごあいさつの中で、日程が許せば北方領土現地視察ということで十二月の十二、十三日に行かれる予定だと承りましたけれども、もし行かれた場合、どういう点に力を入れて視察をされ、また地元の人たちとの懇談をされてくるのか、準備の中身をひとつお聞かせいただきたいと思います。
  53. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) まだ具体的な日程を詰めておりませんが、私といたしましては、とにもかくにもみずから体を運んで懸案となっております北方の諸島を目の当たりに視察をしながら、その周辺の状況を十分つぶさに視察をいたしたいと思いますとともに、現地に引き揚げておられる方々あるいは漁業問題で大変御苦労されておられる方々等、住民の皆さんとも対話を深めながらその実態に触れて勉強してまいりたい、このように考えております。
  54. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 余り具体的に準備されてないようなんですけれども、総理府長官に就任されたんですから、所管のその守備範囲である沖繩なりあるいは現地の根室に行かれて視察をされる、いろんな問題で聞かれる、これは当然の任務であろうと思いますけれども、やはりこれまでに各歴代の長官がそれぞれ地元の方たちからかなり克明にいろいろ陳情を受けているわけです。問題点も披瀝されておりますので、これまで歴代の長官がいろいろ陳情を受けながら、あるいは取り組みながら未解決であった問題について自分はどうするのかというやはりきちっとした腹構えなり、また計画なり準備なり持って行っていただきたいと思うんです。単なる視察で終わらないように。長官どれぐらいの在任期間あるかわかりませんけれども、やはり最初の取り組みは大事ですから、十分これまでの経緯をよく勉強されて、検討されて、そして現地へ行っていただきたいということをあらかじめ御要望申し上げます。  それから十一月の三十日に北方領土返還要求中央要請の請願団が参りまして、北方領土復帰実現に関する請願、二百五十万人の署名簿を持ってこられたわけですが、長官も御出席だったと思いますけれども、この北方四島一括完全祖国復帰を実現することを絶対条件とするこの日ソ平和条約の早期締結を強く提唱していられるわけですけれども、この請願に対して就任早々の長官としてどういう決意でこれに取り組まれるのか、ひとつ披瀝していただきたいと思います。
  55. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 御指摘のありましたように、今般北海道及び民間諸団体の関係者が返還要求大会の決議署名及び千五百万人に対する署名のうち今年度分二百五十万人分の署名を持って御請願なされました。私も総理に同席をいたしましてそうした方々の請願をお引き受けをいたしたわけでございまして、国民のそれこそ十分の一にも達する大変な多くの方々がみずから署名をして返還のことに対して御熱意を示していることでございますので、われわれも真剣にこれを受けとめて対処しなければならないという気持ちを新たにいたしまして対処いたしていきたいと思っております。
  56. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 それから北方領土返還要求、この北海道・東北国民大会というのが行われましたけれども、ここで内政措置として五項目の要請があったわけですが、そのうち二点ばかりお尋ねしておきたいと思います。  一つは、北方領土元居住者に対する援護措置なんですけれども、従来の措置をもっと拡充してほしいと、こういう要請がありますが、来年度予算に向けて従来よりもこの中身を拡充できる点が現在考えられているかどうか、その点ちょっと御説明いただきたいと思います。これは長官でなくて結構です。
  57. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) 御承知のとおり一応終戦の八月の十五日には一万六千七百四十五とかなりおられたわけでございますが、ただいまは一万二千五百二十九という数字に減りまして大体四分の一は減ったと、こういうわけでございます。そして大体不詳の者を含めまして二割四分死亡されたと、こういう状況でございます。生存者の七割ぐらいが北海道の方に居住されておる、漁業に関係されておると、こういうことでございますが、その千島歯舞諸島居住者連盟というかつての在島者の連盟でございますが、これはもう相当高齢化してきていると、こういうわけでございまして、これに対して援助をしなければならないという考えでございまして、かねてからこれに関しましてはある程度の補助はいたしておりました。しかしながら、今度はかなりこれを強化しなければならないというように考えまして、助成をただいま検討を進めておるわけでございます。かねてから十億円の基金によります融資の事業は御承知のとおりでございます。それから、千島会館の供用によります宿泊研修でございます。それから、船員の講習等、これはやっておったわけでございまするけれども、今後ともさらに強化してまいりたい、こういうぐあいに考えております。
  58. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 それから北方領土問題、この未解決に伴う関係地域振興のために国の施策による特別措置を実施せよという要求があるわけですけれども、前の総理府北方対策本部長、これは三原総務長官が前担当されていて、ことしの七月の時点に地元環境整備、また住民対策というものを特別措置要綱で強化するんだということでお考えでありましたけれども、ちょっと確認したいんですが、これは総理府として、各関係官庁との十分な、何というのですか、理解、協力を求められなくても、ぜひこれはやるべきだという強い御意思があって、見切り発車しても決めるというようなことがあの七月の時点で言われていたんですけれども、これは現在特別措置要綱として強化されることに決定されているんですか。その辺ちょっと確認したいのですが。
  59. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) これにつきましては、昨年来いろいろ現地根室それから根室支庁あるいは道庁の方とも協議いたしまして、それから、開発庁その他の所管庁とも、入っていただきまして、協議いたしておりまして、それで向こうといたしましてはかなり詰めたものを持ってまいりましたけれども、さらにこれは検討を要するということで、一応根室支庁管内の意見を聞き、さらに道庁としてもこれに対応するということで、道の方でただいま現在詰めておる段階におります。そして来年早々またこれは協議いたしまして、今後の取り扱いを協議し、また所管庁とも相談いたしまして、関係省庁とも御相談いたしまして進めてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
  60. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 これまでに根室市と標津町など周辺四町村に対するコンブ魚礁の造成、それから根室の花咲港の重要港湾指定、それから不況地域指定あるいは根室湾のヒトデ駆除とか、あるいは望郷の岬公園、北方館建設、こういったことは従来から要望されて進めてきたんですが、そうすると五十五年度以降の新しい北方環境整備対策については、道の方から上がってこなければ、あなたたちとしては全然無策なわけですか。
  61. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) いや、たとえば根室地域総合開発期成会というのがございます。そこで詰めたものを一応そのまま生に上に上げられませんので、さらにお互いにその段階段階で協議してまいる、煮詰めてまいる、実行可能なものからやっていくという段階でやっておりました。そういう事情でございます。
  62. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 その実行可能なものと思われるのは、いまのところ見通しについてはありますか。
  63. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) 四項目ございます。沿岸漁場整備開発事業、これは調査費がつきまして、千三百五十万円でございます。それから道道根室半島線の整備事業、そういうのがございまして約五億二千万、これは要求中でございますけれども……。それから三番目に北海道開発庁にお願いしている中標津空港整備事業でございます。それから地熱エネルギー利用調査事業、以上の四点でございます。
  64. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 それから来年度の北方対策本部として五十五年度要求額、これは五億二千七百万円要求しているんですけれども、前年度と比べて伸び率一〇六・五%ですね。この北方領土問題対策協会補助として四億六千五百万円、これ計上されているんですけれども、この六項目目、「その他」の項目ですが、一億二千百万円要求されています。これは前年度比で五千九百万円の減になっていますが、来年度の事業の中身をお聞きしますと、北方対策協会の事務所が手狭になっているんで移転を考えているんだと、そういうことなんですが、狭くて移転するんだからこれもっと大きいところへ行くわけでしょう。前年度よりもいろいろとまた事業費がかかるんじゃないか、予算がかかるんじゃないかと思いますが、前年度と比べて今年度の五十五年度の中身、「その他」の中身についてはどういうことで考えているんでしょうか。
  65. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) 少なくなりましたのは、北方館の建設費が一億一千万ございましたけれども、これは単年度事業でございますので、これがまず減ったということでございます。  それから「その他」の中では、それを除きますとやはり現地啓発費その他で中身はふえているという感じでございます。そういうことになっています。
  66. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 いただいた資料ではなかなか中身わからないし、それからお尋ねしても、いろいろと五項目項目挙がっているんですが、金額的にあちらこちら飛んでいるのがあるんですよね。なかなか整理して覚えようと思うんだけれども、わからないんで、もう少しわかりやすい表にして後から御提示いただきたいと思いますが、お願いできますか。後から資料で提示をしていただきたい。
  67. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) 承知いたしました。
  68. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 それから北方領土返還要求北海道・東北国民大会で、今後返還運動を促進するための対策として決議されていますが、北方領土返還要求県民会議、この設置を進めるべきである。それから二つ目には領土返還要求運動の強調月間、これを設置して推進しよう。それから領土返還要求の都道府県大会、この開催を促進したい、四番目が都道府県並びに北方関係団体が行う啓発事業に要する経費に対する助成の措置ということを打ち出したんですが、これについての政府の対応をお伺いしたいと思います。
  69. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) まず県民会議でございますけれども、これはただいま現在全国に四十八名の推進委員というのを置いておりまして、返還運動の推進を進めておるわけでございます。それで、都道府県あるいは市町村との連絡をとり、あるいは民間団体との協力を取りつける等、これでやっておるわけでございますけれども、さらに地についた運動を起こすためにはやはり県民会議なりの形としてやらなければならないと、こういうわけでございまして、ただいま八県ばかり県民会議が編成されております。それで、これも北方領土問題対策協会等を通じまして助成をいたしておる次第でございます。  それから強調月間につきましてはさまざまな団体のそれぞれの立場がございまして、民間団体の中で御要望が強ければそれに沿って大きくなっていくことを願っているわけでございますが、先ほども申し上げましたようになかなかそれぞれ立場がございまして、現在なかなか統一できないという、まだそういう事情もございます。なお、これからも効果的に運動を進めるためには強調月間をぜひ編成してまいりたいと、こういうことで考えております。  次に、都道府県の大会でございますが、これは昨年度は名古屋で二千名を集めて行うことができました。さらに、ことしは二千二百名を岡山県で集めてやることになっています。県の御協力を得て非常に感謝しておるところでございます。しかしながら、これは全国的にもこういうものは高まらなければ、県民会議を基礎としてさらに県の大会というぐあいに進めなければならないと、こういうぐあいに考えておるわけでございますが、こういうものをやってくれという県も最近はふえておりまして、かつてのやや関心の薄さというものに比べれば非常に高まりを見せていると、こういうものは推進をしてまいりたいと、返還運動の基本的な問題でございますのでこれを進めてまいりたいと、こういうぐあいに考えております。  それから都道府県並びに北方関係団体が行う啓発事業に要する経費の助成の問題でございますが、これは非常に現在高まっている状況に即応いたしまして、なるべくこの方向で考えてまいりたいと、そういうぐあいに考えております。  以上でございます。
  70. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 県によりまして、元居住者がいらっしゃる、あるいは非常に北方四島返還の問題について理解、関心の高まっている県、そうでない県、いろいろ差があると思うんですね。やはり全国民世論をバックにこの運動を進めないと盛り上がりませんし、せっかく各県に推進委員を置いているわけですから、この各県の推進委員同士の横の連携あるいは研修等あるいは協力体制をとらせると、こういうようなことをお考えになってはどうかと思うんですが、いかがでしょう。
  71. 小宮山五十二

    説明員小宮山五十二君) 先生おっしゃるとおりまことにそのとおりでございまして、県のブロック会議、推進委員のブロック会議、これを進めてまいりたいとただいま考えておるところでございますが、全国の推進委員会議はただいまやっております。そこでなるべく先生のおっしゃいますような方向で考えてまいりたいと思っております。
  72. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 小渕長官にお伺いしますけれども、北方領土四島における、特に昨年来ソ連の軍事基地化が強化されていまして、また今回色丹にも建設されていることがわかったわけですけれども、これについてどういう認識をしているのか、閣僚の一人としてお伺いしておきたいと思います。
  73. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 昨年来、御指摘にありましたようなソ連軍の基地が国後、択捉島のみならず色丹島にまで設置をされておるという報道に接して、まことに残念至極の話だというふうに承知をいたしております。本問題につきましてもすでに報道等されておるところでございますが、私どもは固有領土外国の軍隊が駐留するなどということは許されざることだという認識をいたしておりまして、これは国民世論の力を待ってそうしたことが一日も早く排除されるように心から念願しております。
  74. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 きょう、外務大臣が総理と一緒に中国に行かれて欠席なので、欧亜局長が来られているわけですが、さきの歯舞、色丹へのソ連軍基地化について伺いたいのですけれども、この色丹島へのソ連軍配備、これはアメリカ政府から情報が伝達されてわかったということなんですけれども、米国政府からいつ色丹のソ連軍配備、存在というものがわかったのか、伝えられたのか、これについてちょっと明らかにしてください。
  75. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) 色丹島にソ連軍が存在する徴候があるという情報は、十月二日に閣議におきまして防衛庁長官から御報告がある前の某時点でアメリカから受け取っていたわけでございますけれども、政府といたしまして第三国から得た情報をそのまま利用いたしまして抗議を行うということは適当ではございませんので、まず日本側の手で十分事実関係について確認するという必要があったわけでございまして、そのようにいたしまして政府部内において慎重に情報を確認した結果、閣議において防衛庁長官から御報告があり、同日外務省から在京ソ連大使に対して抗議をしたということでございますけれども、そのアメリカからの情報がいつ入ったかということにつきましては、これは米国から当時におきましては極秘の情報として入手したということもございますし、また二国間の外交信義上の問題もあるわけでございますので、その時期について申し上げることは差し控えさせていただきたいと存ずる次第でございます。
  76. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 どちらにしてもこれは北海道の一部である色丹島にまでソ連が軍事基地を建設したということを意味するわけなんですが、これについて一九五六年の日ソ共同宣言第九項で、ソ連は日本要望にこたえて歯舞群島及び色丹島を日本に引き渡すことに同意する。日ソ間に平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。こういうことが宣言されたのですけれども、今回のソ連側の行為を見ますと、日ソ共同宣言との関係から見てこれをどう解釈すればいいのか、これについて外務省としてはどういう受けとめ方を現在されているわけですか。
  77. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) 外務省といたしましては、御承知のとおり北方四鳥いずれわが国固有領土でありまして、ソ連邦はわが国固有領土を不法に占拠しているということでございますので、日ソ共同宣言第九項の規定とはかかわりなくソ連の行動はわが国としては抗議すべきものということで解釈いたしております。
  78. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 日本政府が抗議を申し込んだときに、ソ連側は乱暴な内政干渉だとして抗議文を受け取ることすら拒否したんですけれども、国内世論の中には非常に、日本政府のこれまでの弱腰外交の悪循環を絶てと、こういう意見もあるのですけれども、外務省としては今回のソ連のやった色丹島の軍事配備、これに対する抗議あるいは向こうの出方に対してどういう考え方を持っていらっしゃいますか。
  79. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) 外務省といたしましても、北方領土におけるソ連軍の増強につきましてはきわめて重大な関心を持って受けとめている次第でございまして、十月二日閣議におきまして防衛庁長官から報告がございましたときにも、外務大臣からそのような外務省認識については御発言があったと記憶いたしております。
  80. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 この問題につきましては非常に、ただいきり立つだけじゃかえって問題をこじらせるのだとか、あるいは言うべきことをもっと筋を立てて言わなきゃいけないとか、いろいろ議論はあるわけです。ただ、もっと日ソ経済協力というものを有効にソ連外交に使えという声も多いし、あるいはまた教育、文化の交流というのをもっともっと進める中から日ソ平和外交というものを進めるべきである、こういう意見もあるわけですけれども、それも含んで今後の日ソ外交に対する政府の取り組みというものについて御説明いただきたい。
  81. 武藤利昭

    政府委員武藤利昭君) 日ソ間にはこの北方領土の問題はあるわけでございますけれども、政府立場といたしましては、この北方領土問題はあるにせよ、つまり、その意味におきましてはソ連邦が北方領土問題なるものは存在しないというような言い分にはわれわれとしては断じて同意し得ないわけでございますが、そういうことでございまして、北方領土問題はある、ただし、北方領土問題はあるにせよ、日本とソ連との間の関係はこれは着実に進めていくというのが政府の態度でございまして、その一つといたしましては、ただいまお話がございましたような経済関係もございましょうし、文化の交流もございましょうし、日本とソ連との間で互恵の原則に従って友好関係を進め、相互理解を進めるということが願わしいと考えている次第でございます。
  82. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 世界の教育交流の面で一つ課題になることがあると思うんですけれども、それは、各国ともそれぞれ世界地図というものを発行しているわけなんですが、特に各国の中学生、高校生が使用している地図ですね、出版物の地図を見ますと、わが国固有領土北方四島はどういうふうに扱われているか。これはさまざまな説明づき、あるいは境界線の引き方がまちまちになっているわけなんです。ある種によりますと、ソ連が占領中と、こういう注釈づきの地図がアメリカ、イギリス、中国。それから現在ソ連の管理下に置かれていると、こういう表現で出されているのが西ドイツ。それから何にも書かれてない国の地図もあるようですし、それから国境の線引き、これについてもまた各国まちまちでして、中国だけが宗谷海峡と択捉島のフリーズ海峡に国境線を引いているというような状態なんですが、今後世界各国で発行される特に権威のある地図については全世界各国とも共通な地図が発行されるというようになるように日本政府としても努力すべきじゃないのか、こう思いますけれども、この問題について今後の取り組みをお聞かせいただきたいと思います。
  83. 阿曽村邦昭

    説明員(阿曽村邦昭君) 北方領土問題に関しましてわが国内外の正しい理解を求めることは非常に重要であると外務省としても考えておりますし、今後とも適当な方法によってこの問題に関する内外の正しい理解及び支持を得るための努力を継続していくつもりでございます。  具体的には、外務省海外広報資料「北方領土問題」、こういうものを英文とフランス文で昭和四十五年度作成いたしまして、おのおの一万部作成しております。さらに昭和五十二年度に至って改訂版を出すと。また、こういう資料を使用いたしつつ諸外国の報道関係者へのブリーフィングなどを随時行っております。いま御指摘のありましたさまざまな地図の訂正につきましては、もちろん同じような、わが国が望むような地図が各国で出版されることは最も望ましいのでございますけれども、具体的な訂正につきましては個々の出版会社との話し合いによらなければならないわけでございます。この点につきましても、最近では、イギリスのフィリップ社の世界地図北方領土関連部分及びパリで発行されておりますインターナショナル・ヘラルド・トリビューンという新聞でございますけれども、こういう新聞に掲載の地図の誤りを指摘いたしまして間違いを直していただくように申し入れ、いずれの場合も直していただくと肯定的な回答に接しております。今後ともこのような地図に関する努力は継続をしていくつもりでございます。  なお、諸外国で発行されております教科書などには日本に関する誤った記述のものがまだ見受けられますので、外務省としても、こういった教育資料の調査及び是正を目的といたします財団法人国際教育情報センターと密接に連絡しながら、今後ともその是正に鋭意努めてまいりたいと考えております。
  84. 相沢武彦

    ○相沢武彦君 時間が来ましたからやめます。
  85. 江田五月

    ○江田五月君 どうも本委員会の委員の出席がはなはだ芳しくないのでありますが、もうしばらく質問をさしていただきたいと思います。  沖繩の問題について一般的、概括的なことを少し聞いておきたいと思います。第二次大平内閣が発足してからいろんなところでいろんな波乱含みの発言が出ておりまして、法務省の方からはロッキード関係の被告人の無罪を念願するかのような声が聞こえてきたり、環境庁の方からは私も水俣病患者になりたいというような声が聞こえてきたりということでありますが、よもや沖繩開発庁の方からはそういうような問題の発言は聞こえてこないと思いますが、沖繩問題について長官の基本姿勢といいますか、基本的な物の考え方、先ほどごあいさつの中で多少ありましたが、もう少し突っ込んでお考えを聞かせていただきたいと思います。
  86. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 御案内のように、沖繩は復帰をいたしまして七年半余りになります。この間、平和で明るい豊かな沖繩県の実現を目指して、振興開発計画に基づきまして各分野における本土との格差是正自立的発展のための基礎的条件整備のため力を重ねてきたところでございます。それなり成果は上げたと思っておりますが、しかし、よく見てみますると、まだ解決を要する経済的、社会的な問題が数多く存在しておることも承知をいたしております。この計画はまだ二年間残されておりますが、従来積み重ねてまいりました振興計画を十分この十カ年間の中で処理をいたすようにこれから最大限の努力を図っていくことがまず大切な問題だと思っております。  今後積極的に取り組むべき問題の中で特に重要な点は、沖繩経済の自立的体制の確立と雇用問題であると考えております。先般も沖繩県に参りまして、県民の自助的努力によってかなり上向いてまいっておりますが、いかんせん各産業別のパーセンテージが他の府県並みと相当違っておる、あるいはまだ基地経済に依存しておる点も多々あるというようなことで、非常にまだその過程にある、こういうことでございますので、振興開発、特に経済的自立がなくしては県民の生活は成り立たないわけでございますので、それがまず大切なことだと、こう思って、いろんな問題の解決に取り組んでいきたい、このように考えております。
  87. 江田五月

    ○江田五月君 いまのその経済的自立ということでありますけれども、その自立ということを基礎に置いた考え方として、一方ではときどき、沖繩というのは甘やかされているんだと、ああいうところを早く自立させるためには、もう余り援助援助じゃなくて、手をかすのじゃなくて、ほっといて自立させるまで苦労させたらいいんだというような意見も聞かれないわけではないわけですね。そういうことについて、一体沖繩というのは甘やかされているからほっといて自立させなきゃならぬのだというようなお考えをおとりになるのかどうか。あるいは、私はどうも沖繩が甘やかされているというようなことをもし仮に言うんだとすれば、それは本土の側が逆に甘えているんじゃないか。長い間沖繩というところを一つの犠牲にして本土がこれまでの戦後の発展を遂げてきたわけで、そういう意味で、沖繩をこのままの、いま雇用の問題にしても、あるいはそのほかさまざまの問題で沖繩を除く各県と大きな格差があることは事実です。それをそのままにして沖繩の自立に任せるということだと、これは逆に本土側が沖繩の犠牲の上に甘えてあぐらをかいているんじゃないかという気がするわけですけれども、その辺について一体沖繩県民は甘えているのか甘えてないのか、どうお考えでしょうか。
  88. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 沖繩県が戦中、戦後を通じて非常に特別なわが国における地区として存在をし、特に戦後はアメリカの施政権下にあったと、こういう特殊な地域であることはだれしも承知をしておる。そこで、復帰以降全国民もその事態を十分承知をしてそれなりに配慮をすべきであるという考え方のコンセンサスがあったことは事実です。事実でありますが、まあしかし、昨今御指摘のような一部の意見のあることも承知をしております。しかし、私個人は、やはり今日沖繩が本当に自立していくためには何としてもここで全国民のコンセンサスを得て、それなりの力をかしてあげなければそのことは達成できないと、こういう基本的な気持ちに立ってこの沖繩問題に取り組んでおるつもりでございますので、私自身は甘やかしておるとも思いませんし、甘やかされておると現地の人が思っているとも思いません。
  89. 江田五月

    ○江田五月君 沖繩へ先般行かれたというお話でございますが、十一月の二十二日から二十四日までと伺っておりますが、どういうところをごらんになってこられたか、そしてその現地長官の目で実際にごらんになった感想をお聞かせ願いましょう。
  90. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 大変駆け足でありましたが、二日間にわたっていわゆる先島と言われる八重山あるいは宮古両島並びに本島を視察いたしてまいりました。  私は、ちょっと申し述べますと学生時代から復帰運動に携わってまいりましたので、もう二十年来沖繩とは深い交わりを持っておりまして、毎年もう行っておりますので、昨年からことしの変化というよりも、むしろ長いその間の沖繩県の発展ぶりを見ておりますと、それ相応に相当伸びてきて、特に復帰以降振興計画を実施いたしてまいりまして以来成果が上がっておると思っております。思っておりますが、実際先島の問題の一つの例を挙げますと、水の問題等につきましても、地下ダムをつくったりあるいは真栄里ダムなどをつくってこれから水が確保されるのですね。しかし、水が確保された後、一体じゃ農業問題どうするかというプログラムを考えなければならない時点だと思うんです。したがって、基礎的ないろいろな他の府県並みの施設なり、そういうものは建設されてきましたが、今度はそういうものを一体今後の恒常的な生活の維持のためにいかにいたしていくかということは、一次産業、二次産業、三次産業すべてにわたって再検討もしなきゃならない時点じゃないかというふうに認識しております。
  91. 江田五月

    ○江田五月君 ここへ手元についせんだってのこれは朝日新聞「天声人語」というのがあるんですが、沖繩に混血の国際児が三千五百人いる、大部分が母子家庭だということで、沖繩のことが書いてあるわけです。  どうもこういう記事を見ましても、なかなか本当に沖繩の経済的あるいはそのほかにおける自立、そして本土と格差のない状態をつくっていくというためには、まだまだやらなければならないことが山ほどある。たとえば沖繩県民が日本国民としての自覚と誇りを本当に県民全部が持つことができるようになるためにしなければならないこともまだまだこれからあるような感じもいたすわけですが、そういう中でいまのこの国際児のことなどを考えてみますと、やはり基地の問題というものですね、これを余り避けて通ってしまうわけにもいかないような気がするわけです。基地があって現実にそこにアメリカの男性がたくさん入ってきて、そしてやはりいろいろな問題が起こっていることもまた事実ではないか。そうやって生まれてくる、国籍が日本のいまの法律のもとではっきりと日本国籍を与えることにならない子供たちに対して一体どういうふうにこれから沖繩県の中で対策をとっていくのか。基地を抜きにして、ただ小手先のばんそうこう張りだけではどうも済まない問題があるように思いますが、基地問題というのをどういうふうに御認識になっていますか。
  92. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 日本全土に散在するアメリカ軍の基地のほとんどが沖繩県に存在しておるという事実は明らかであります。このことは当然のことですが、わが国の安全保障のために当然のこととして存在をする基地ではありますが、しかし、それが存在することによって起こるいま御指摘の問題も付随的に起きてくる問題だろうと思いますが、いろいろ社会問題その他惹起することも事実でございまして、したがって、御指摘のように、沖繩県の問題を語る場合に基地の問題をないがしろにしてできないわけでございますので、われわれとしてはそのことによって県民に御迷惑をかけたりすることのないように最大の配慮を払うとともに、残念ながら起こってまいっておる事実についてはいち早くしかるべき処置をすることによって県民の御理解も得ていく努力をしていきたい、こう考えております。
  93. 江田五月

    ○江田五月君 いまの基地の問題一つ取ってみても、これが現実日本の平和に役に立つのかどうかという点は議論があるところですが、少なくとも日本の平和のためにと称して基地を置いていることは事実ですね。そうすると、やはり沖繩にそれだけ沖繩を除く他の日本の各県の平和のために犠牲が集中しているということがやはりあるわけでありまして、これから沖繩開発庁長官としていろいろなお仕事をお願いしなければならぬわけですが、沖繩にひとつ温かい目で臨んでいただきたいと思います。ひとつそのことをお願いしておいて、時間でございますから、質問を終わらしてもらいます。
  94. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 誤解あってはいけませんですが、駐留軍施設区域、そうしたものをそのままにあっていいと、こう言っておるのじゃなくて、沖繩振興開発を促進していく過程におきましては、そうしたものの整理統合を図りながら、そして沖繩振興開発計画のうたっておる方向を完成していく努力をしていかなければならぬということでございますので、御指摘いただいたこと十分努力をいたしていきたいと思っております。
  95. 江田五月

    ○江田五月君 終わります。
  96. 志村愛子

    委員長志村愛子君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  これにて散会いたします。    午後二時四十二分散会