○岩佐
委員 諸コストの問題については、
原油の製品コストに占める割合が八割であるというふうに言われている実態、あるいは先ほど来からいろいろユーザンスだとかなんとか言われていますけれ
ども、私たちにはたとえば決済方法でもアットサイドで決済して、それで後国内金利にかえている会社もあるというふうな話もあるし、いろいろ各会社によって違うだろうと思うのです。ですから、そういうことはどうも推定できないから、やはりある
数字でもってやらざるを得ないというふうに思いますし、ぜひそういう点では、何度も申し上げるようですけれ
ども、
価格というものは公表されるべきではないか、納得いくような形でしてほしいと思います。
それから、元売り各社がずいぶんいいかげんな方法で
価格を決めている。そういうような事例がありますので、ちょっと紹介をさせていただきたいと思います。これは六年前の
石油業界が、石連及び元売り会社がやみカルテルを行った。刑事事件にもなっていますし、民事事件にもなっています。民事事件の中で出されました検察官の面前調書と、それから検察官が押収しました
資料の一部を御紹介したいと思います。
一つは、岡田一幸氏、これは当時は日石の常務取締役で、現在は社長になっておられるわけですけれ
ども、四十八年八月の中間三品の値上げ、
数字づくりを命令したという、そのくだりについてちょっと御紹介したいと思います。
この値上げ額の根拠については、厳密なコスト計算をした
数字に基づいて出て来たのではなく、とにかく一、〇〇〇円位はやらなければというような
程度の話から自然そのように固まって来たというふうに記憶しております。それで、計算部隊の野田君にも
これは当時の計算の係の人だったわけですね、日石の販売部副部長、いまは直売部長になっておられるようですが、
何かその線で辻つまの合うような計算をやってくれと指示した記憶
である、こういうことを言っております。
その野田氏がその
数字づくりをやったくだりがあります。
九〇八円という
数字に合わせるためのへ理屈のようなもので、たとえば、一〇−一二月については、一六三円のフ
レートアップ、一−三については、一七〇円の経費アップというような適当な
数字を加算して辻つまを合わせただけのことでありました。
その
数字について、これは検察官が札幌支店で押収した書面でございますけれ
ども、これをちょっと見ていただきたいと思うのですけれ
ども、小鳥のマークがここにあります。これは「アウト」、コトリ、つまりコウトリに見せてはいけないという文書でございます。そして、このページに、ページ一、ページ二のかわりに、コトリ一、コトリ二というふうになっているわけですね。ずいぶんふざけた話だし、公取がずいぶん軽く見られているのかというふうに思いますが、その中で彼の証言どおりに実際にこういう
数字も出ているわけです。公取にこういうのを見せてはいけないということで
資料が出ております。
それからもう
一つ、ガソリンの値上げについて丸善の泉さんという人が言っているくだりがあります。
場合によっては一〇〇円単位で決め、業界全体が値上げを
達成できる値上げ額をいくらにするか多少びくつきながら決めていたそれまでの値上げと違って、今回は大げさに言えばいくらの値上げ幅を決めてもその値上げが
達成できるというムードのときでありましたので、エッソの情報もあったことから、理論的な根拠はないにしても、値上げできるときにいくらかでも多くの値上げをしておきたいという気持ちもあって、この七、〇〇〇円の案を、いわば思いつきみたいに出したのでした。すると、他の正副
委員長も私と同じ感覚であったらしく、すぐに七、〇〇〇円アップが決ったのでした。斉藤さんは
というのは、これは出光の常務で、現在も常務でおられます。
これらの話をしていた応接セットの椅子にふかぶかと腰をおろしておられたのですが、この時ガソリンのアップ幅を七、〇〇〇円にしたらどうかと私が提案し他の
委員と話していたときに、カッと目を開くようにして、よし、それでいこうかと言われ、七、〇〇〇円説に賛成されたことが今でも記憶に残っております。このようにして、ガソリンの値上げ幅が六月比で一〇、〇〇〇円という大台に乗ったのです。
これは当時のことをちょっと御紹介申し上げたわけでございますけれ
ども、こういうふうに非常にでたらめなといいますか、元売り会社がずいぶんいいかげんな方法で
価格を決めておるというような例があって、幾らきれいな言葉でいろいろ説明されても
国民は納得ができない。ですから、先ほどから何度も申し上げておりますけれ
ども、値上げを納得できるような
数字、それを
国民の前に明らかにすべきである、こういうふうに思います。
改めて
通産大臣のお
考えをお聞きしたいと思います。