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1979-12-07 第90回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十二月七日(金曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 北側 義一君    理事 小沢 一郎君 理事 大坪健一郎君    理事 渡辺 紘三君 理事 竹内  猛君    理事 渡部 行雄君 理事 伏木 和雄君    理事 瀬崎 博義君 理事 渡辺 武三君       上草 義輝君    鹿野 道彦君       鴨田利太郎君    谷  洋一君       中島  衛君    中村  靖君       丹羽 兵助君    村岡 兼造君       井上  泉君    小野 信一君       木間  章君    中村  茂君       貝沼 次郎君    松本 忠助君       井上  敦君    中島 武敏君       和田 一仁君  出席国務大臣         建 設 大 臣 渡辺 栄一君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 園田 清充君  出席政府委員         国土庁長官官房         長       谷村 昭一君         国土庁計画・調         整局長     福島 量一君         国土庁地方振興         局長      四柳  修君         建設大臣官房長 丸山 良仁君         建設省都市局長 小林 幸雄君         建設省河川局長 稲田  裕君         建設省道路局長 山根  孟君         建設省住宅局長 関口  洋君  委員外出席者         警察庁刑事局捜         査第一課長   加藤  晶君         国土庁長官官房         審議官     原田  稔君         大蔵大臣官房秘         書課長     小粥 正巳君         会計検査院事務         総局第三局建設         検査第一課長  西川 和行君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     澤田  悌君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     大塩洋一郎君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     星野 孝俊君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     有賀虎之進君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     櫟原 利嗣君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     今野  博君         建設委員会調査         室長      川口 京村君     ————————————— 委員の異動 十二月六日  辞任         補欠選任   上草 義輝君     田中 六助君   中村  靖君     河本 敏夫君 同日  辞任         補欠選任   河本 敏夫君     中村  靖君   田中 六助君     上草 義輝君 十二月七日  辞任         補欠選任   池田 行彦君     鴨田利太郎君 同日  辞任         補欠選任   鴨田利太郎君     池田 行彦君     ————————————— 十二月六日  障害者公営住宅入居等に関する請願(井上敦  君紹介)(第一〇〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 北側義一

    北側委員長 これより会議を開きます。  建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件調査のため、本日、日本住宅公団総裁澤田悌君理事大塩洋一郎君、理事星野孝俊君、理事有賀虎之進君、理事櫟原利嗣君及び理事今野博君に参考人として御出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 北側義一

    北側委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。     —————————————
  4. 北側義一

    北側委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
  5. 木間章

    木間委員 ただいまから、二点にわたりまして一般質問を申し上げたいと思います。  今日ほど公務員を初め公団公社粛正が問われておるときはないと思いますし、また関係省庁におかれましても、また議会そのものも、一日も早く国民信頼を回復するために鋭意努力をされておるところであります。そういった中で、建設省直轄事業の中にも少しばかり行き過ぎが見受けられますので、具体例を申し上げながら関係者所見をただしたいと思っております。  第一点は、飲食物を伴う問題についてであります。御案内のように、建設行政は、土地提供やあるいは物件の移転など、地域住民の協力がなければなかなか進まない実態を伴っております。しかし、おのずから飲食提供の方法にも限界があろうと存ずるところであります。  具体的に申し上げてみたいと思いますが、先般、富山県内で二カ所の国道改良工事が順調に進みまして、その完工式が持たれました。去る十一月二十一日と二十二日に私も招待を受けた一人でありますが、初めての経験でありましたので、十一月二十二日の国道百六十号線の完成式出席をいたしました。午前十時三十分から完成されたバイパス現地テープカットが行われ、新しい道路の試走、そしてその後、氷見農業会館完成式パーティーが持たれたわけであります。地元関係者を初め、あるいは県、市の関係、そしてとりわけ土地提供者も長年の悲願が実ったということで、お互いに喜び合い、そしてなごやかなひとときが過ごされたと思います。この問題については私もやむを得なかったと思いますし、あるいは時宜に応じた処置でなかったろうかとも思うわけでありますが、お伺いをしたいのは、その後の問題であります。  全体でパーティーを終えましてから、地元の料亭で昼食会がありました。出かけてみますと、中身は宴会でして、鳴り物入りの形もあったわけであります。今日、市町村では道路改良や舗装など細切れでやっておる、これらの中で建設省直轄工事が若干はで過ぎるのではないだろうか。いまいろいろの綱紀粛正が言われておりますし、先ほど申し上げましたように、鋭意国会でも集中審議がされておるさなかでありましたので、私は、その無神経さといいますか、残念な思いをして帰ってきたわけであります。  そこで、この種の主催はどこがされたのか、また資金はどうなっているのか、そして二次会や三次会が、まあ正しいとは思われないでしょうけれども、それらについての御所見をまずお伺いしたいと思うのであります。
  6. 山根孟

    山根政府委員 お答え申し上げます。  先生指摘の件は、一般国道百六十号の高岡四屋から氷見下田子間の開通式典を去る十一月二十二日に挙行をいたしたものでございまして、氷見農業会館北陸地方建設局主催開通式及び高岡氷見市長主催祝賀会が開催をされたわけでありまして、その後が、ただいま先生の御指摘昼食会の件でございます。  実は、この昼食会は、私も当日開通式及び祝賀会出席をいたしました後、両市長さんから御招待がございました。別に昼食にお招きをいたしたいということでございまして、ちょうど私も時間的な制約がございましたので、三十分程度で失礼をさせていただいたわけでありますが、そちらへ参りまして、実は関係の皆様と一緒に昼食をとった次第でございます。  実は、この昼食会の件につきまして、私ども、かねてから質素に、昼食会は原則としては祝賀会までということでおったわけでありますが、現実に現場に参りまして伺ってみますと、実は開通式祝賀会の後で、なおらい会というような昼食会を行うことがいわば慣習化されておるようでございます。このなおらい会というのは、実は地元の自主的な判断に基づいて行われているものでございますが、私どもといたしましては、社会通念上妥当な範囲のものであれば、やはり地元の意向でもございますので、これは尊重して対処してまいらねばならぬ、こう考えておるわけでありますが、先生指摘のように、やはり過度にわたることは厳に慎むべきでございまして、そのことのないよう、やはり関係者の御理解を得るように努めてまいらねばならぬ、こう考えておるところでございます。
  7. 木間章

    木間委員 過度にわたらないようにこれからよう持っていきたい、私もぜひそうお願いをしたいと思うのでありますが、ただ現状は、全国各地に、もっともっと橋をつくってもらいたい、道路改良を進めてもらいたい、たくさんの要望が出ておりますし、建設省もこれから年々それらの事業に精進されるだろうと思うわけであります。そこで、今日、他の省庁におきましても似通ったようなことが間々見受けられるわけでありますから、ぜひこの機会に建設省が他の省庁に先駆けて模範を示す、そういった対応で望んでいただきたいと思います。特にそういった中では、たとえば程度がどういったものならコンセンサスが得られるかどうか、そういったような対応を示しながら、具体的に市町村や、そしていま問題になっております公団公社にもその指示、通達などの処置をとってもらいたいと思いますが、それらについての御所見をお伺いしたいのであります。
  8. 山根孟

    山根政府委員 お答え申し上げます。  実は、政府機関が行います各種記念行事等につきましては、内閣官房長官から通達が出ておりまして、これは昭和四十九年九月十日に実はこの通達に基づきまして、建設事務次官名で各地方支分部局長所管各公庫、公団長あて通達がなされております。私どもといたしましても、これに従いまして、記念行事等について簡素に行うよう、常々指導してまいっておるところでございますが、今後ともこの考え方に沿いまして簡素に行うよう、さらに一層徹底を図ってまいりたい、かように考えるところでございます。
  9. 木間章

    木間委員 ぜひお願いをしたいと思います。しつこいようですが、要望を申し上げておきたいと思います。  さきの総選挙のさなかにもこういった問題に端を発しまして、すでに数カ月たっておるわけであります。そういった中にも、こういったことが起こっておる。きわめて残念でありますから、重ねて指示いただけるように要望を申し上げたいと思います。  第二の問題は、選挙事前運動疑いがある、こういったことについて実はお伺いをしたいのであります。  初めの質問に関連をするわけでありますが、この一連式典に参加された国会議員富山県二区選出の衆議院、参議院四名、そのほかに参議院全国区の坂野重信さんが参加されておるのであります。坂野さんは元建設次官であり、来年の参議院全国区に再び立候補が予定されておるところでありますし、またその式典のさなかにも、御本人からそれらの趣旨の発言もなされておるわけであります。申し上げるまでもなく公職選挙法百三十六条の二には、それぞれ利益誘導に対する公務員の規制がなされておるところでありますが、建設省所管事業工事完成式の中でこれらがやられたといいますと、一般的には建設省があるいは組織ぐるみでこれらの選挙事前運動をやったんじゃなかろうか、こういった疑念が持たれてもやむを得ないと私は思うのであります。もちろんそういったことは毛頭組織的にされたものではないと思いますが、こういったことについてどうお考えになるのか、特にこの一連式典にどういった資格で参加されておるのか、お尋ねをしたいのであります。
  10. 山根孟

    山根政府委員 この開通式並び祝賀会につきましては、やはり地権者方々工事関係のあった、具体的にその事業実施を行った方々関係公共団体等方々を御招待いたしてなされたわけでありますが、ただいま先生指摘坂野先生の件でございますが、実は、当時坂野先生事務次官をなすっておられたときにこの百六十号の下田子から四屋間の事業に着手いたしたのでございまして、その後、また工事の推進にいろいろ御配慮をいただいておったわけでございます。こういったような事情から、今回の開通式に当たりまして先生をお招きして感謝の意を表したいということで地元が御招待申し上げたもの、こういうぐあいに聞いておるわけでございます。したがいまして、こういった趣旨で御出席なされたものでございまして、御指摘のような公職選挙法に違反するというようなことは考えてもみませんし、またそのようなことを行ってもいないというぐあいに考えておるわけでございます。
  11. 木間章

    木間委員 ただいまの答弁では私はなかなか納得できないのであります。事務次官当時にこの仕事が着手された。私は事務次官がたまたま当て職であったと判断をするわけであります。別に次官個人の費用や次官だけの努力でそれらの事業は進めるべくもありませんし、たまたまその職においでたということにほかなりませんから、私はただいまの答弁ではなかなか理解しがたいのであります。  たとえばその前日、二十一日でございますが、百五十六号線の富山県の五箇山村から岐阜県の白川村に通ずる完工式にも同様に同じ行為がなされたわけであります。もっとも二十一日はたまたま空の便のストライキということで欠航になりまして、御本人出席されていませんが、坂野さんの秘書が出席されまして代理にごあいさつをされておるわけであります。ですからただいまの答弁では、むしろ逆に、そういったありありとした組織ぐるみ選挙が、あるいはその疑いが持たれて仕方がないわけでありまして、いま重ねて御意見を賜りたいと思います。
  12. 山根孟

    山根政府委員 お答え申し上げます。  百五十六号につきましては、岐阜県から富山県にわたりまして、とりわけまた富山県の奥地におきましては、上平、平、利賀、井波、庄川といったいわば冬場の交通も閉ざされるということで、実は直轄工事が始まりましたのが昭和四十年代、昭和四十年当時から進められている事業でございまして、こういった観点から歴代にわたりましてこの事業の遂行には大変な関係者努力が傾注されておりましたわけでありまして、そういった方々の中に、お互いにいままでの苦労を分かち、喜びを分かち合うといった趣旨で私は考えておるところでございます。
  13. 木間章

    木間委員 要望を申し上げておきますが、今後かかる行為のないように、ぜひまた疑いを持たれないように徹底お願い申し上げて私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうござい
  14. 北側義一

  15. 井上泉

    井上(泉)委員 毎日の新聞政治家政府関係機関、そういう関係との癒着、汚職、腐敗の姿が報道されるわけですが、その中で私はこの建設委員会に所属をするわけでありまするから、建設委員会関係住宅公団の問題でありますが、こうした実態というものを見て大臣は一体どうお考えになるのか。まだ着任されて日も浅いんでありますけれども、これについての御見解をまず承りたいと思います。
  16. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 お答えします。  今般元公団職員によります詐欺事件が発生するというような問題が生じましたことは、公団監督する建設省といたしましてもはなはだ遺憾と存じております。私は大臣に就任いたしましたときにも、多額の公共事業費執行いたします建設省は、何よりもその厳正、公正な執行に当たって信頼をされねばならぬということ、特に綱紀粛正を要請いたしたところでありまして、本当に残念だと思っておりますが、公団本人懲戒免職にいたしまして、監督者に対しましても厳正な懲戒処分を行いました。なお、私からも総裁に対しまして厳重な注意をいたしたのでありますが、総裁みずからもこれを受けまして、過日十分の一の減給をし、なお担当理事に対しましても同様な処分を行っております。また、公団も二度とこのような不祥事件を起こさないように再発防止対策を決定いたしておりますので、建設省といたしましては総裁の示されました自戒の決意を生かすよう、また実施徹底されまするように、またそれによりまして綱紀粛正の実が上がり、適正な業務執行を通じまして今後公団への信頼が回復されまするように、強力に指導してまいりたいと考えております。
  17. 井上泉

    井上(泉)委員 大臣は非常に世事に通じた大臣ですが、いまの答弁はいわばおざなりの答弁にすぎないと思うわけですが、大臣は、これ土路一人の犯罪だと今日もお考えになっておるんでありますか、それとも土路を中心とした一連の機構的な、構造的な腐敗した実態にあるとお考えになっておるのかどうか、その点……。
  18. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 私は、今日まで聞き及んでおりますのは、土路の個人的な詐欺行為であるというふうに聞いておりまするけれども公団のできました本来の使命、また公団職員使命感、こういうものをこの際もっとしっかり自覚をして、精励させていただくようにせねばならぬということは考えております。
  19. 井上泉

    井上(泉)委員 私は別に新聞記事をネタにして、社会新報にこう書いておる、赤旗にこう書いておるということで言っておるのではないのですが、きのうの読売新聞に載っておった課ぐるみという問題ですが、大臣はそれに対してどうお考えになっておりますか。
  20. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 私も、そのことにつきましては事実をよく承知しておりませんので、私よりは総裁の方から御説明をさせていただきたいと思います。
  21. 井上泉

    井上(泉)委員 事実があるかないかは別にして、そういうような報道がなされたときに、これは大変なことだというふうにお考えにならなかったか、これは事実かどうかわからぬ、新聞が書いておるのはいいかげんなことだ、こうお考えになったのか、あなたの感想を承りたいと思います。
  22. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 もちろんそういうようなことが少しでも出ておりまするならば、当然その事実を検討し、あるいはまた解明をさせることは当然でありますから、そういう注意は促しておきました。
  23. 井上泉

    井上(泉)委員 それで、あなたはそれぞれこのことについて公団処分をしたとか、総裁みずからも処分したとか言うが、これはマスターベーションもいいところじゃないでしょうか。そういう処分で事足れりでしょうか。建設大臣として何らか処分をする、これじゃだめだというようなことはお考えになってはいないのですか。ああいう処分でりっぱだ、十分その罪を認め悔い改めておる、こうお考えになっておるかどうか。
  24. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 私は、澤田総裁信頼をしておりますので、必ず責任を果たされるものと確信をいたしております。
  25. 井上泉

    井上(泉)委員 あなたは、任命をされた、監督下にある方ですから信頼するのはあたりまえでしょうけれども、しかし、ああいう処分の仕方で国民が納得し理解をしてくれるでしょうか。住宅公団というものは、住宅に悩む勤労者住宅を確保する、そういう使命を持ったものであります。その住宅公団の中で、職員がやったとはいいながらも、構造的な腐敗をした体質というものが浮き彫りに出てきておるのだから、そういう場合に、公団本来の使命に反した、使命を冒賣するような行為をしたことに対して、総裁信頼しておるから総裁のあの処分が適当であるとお考えになるということは、まあ不適当とはよう言わぬかもしれないけれども、われわれはどうも納得しかねるわけですが、公団本来の使命から考えて、こういう職員が出てくるような要素があるということについてのお考えには至らなかったかどうか。
  26. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 信頼していることと、現実の問題につきまして指導監督することとは、おのずから立場が違うわけでありまして、私といたしましては、二度と再びそのような問題が起きないように公団として措置をしたという報告は聞いておりますが、さらにそれが徹底されるように強力に指導監督をしてまいります。
  27. 井上泉

    井上(泉)委員 そこで、総裁にお尋ねするわけですが、総裁はもう土路処分をしたこと、そういう中で、昨日の読売だったかと思いますけれども、ああいう腐敗をした内情というものが報道されておるわけですが、そういうふうな状態がこれから次々に出されてきても、もうこれで自分責任は果たした、こうお考えになっておるのかどうか。
  28. 澤田悌

    澤田参考人 御指摘土路不正事件というものが発生いたしまして、先ほどからお話しのように、非常に重要な仕事をしておる住宅公団でございますので、常々綱紀の維持、厳正な職務執行については厳重に注意を喚起しておりましたにもかかわらず、こういう事件が起きましたことは、まことに申しわけないところでございまして、深くおわびをいたすところでございますが、あの事件につきまして、先ほど大臣からも申しましたような処分をいたしました。今後も、それとの関係者、こういう事件が発生することをチェックできなかったそういうあり方を、ただいま特別な委員会を設けて引き続き調査をいたしております。  そういう関係者につきましても、引き続きその軽重に応じて処置をしてまいりたいと思っておるわけでございますが、何より大事なのは、今後こういうことが二度と発生いたさないために、厳正な姿勢で業務執行に邁進することであろうと思います。それで、その不祥事件調査再発防止委員会におきまして具体的にその対応策を検討いたしまして、逐次実施いたしておる次第でございます。
  29. 井上泉

    井上(泉)委員 あなたはおわびをすると言うわけですが、一体だれにおわびをする気持ちで話をしておるのですか。
  30. 澤田悌

    澤田参考人 何よりも国民に対しておわびをするという気持ちでございます。特に、その代表でございまするところの国会におきまして、各種委員会でいろいろと御指摘がございました。そういう国会機関に対してもおわびをする、こういう気持ちでございます。
  31. 井上泉

    井上(泉)委員 国民おわびをするという気持ち、その言葉だが、しかしそれはいまのあなたの答弁だけで、そしてまたいままでとってきた措置から見て、国民おわびをし、反省をし、今後を期待するということは、いまのあなたたちでは無理ではないですか。いままでも公団では何回もあったけれども、そのあったことについては、その都度、今後再びそういうことはしないということ、これは悪いことをした者の皆言うことですけれども、これは世間一般の通俗的に言うことでありますけれども事住宅公団というのは役所と同じようなものでしょう。そしてこれはちゃんと予算も決めて、事業計画も定めて、そして金の支出も厳正にやらなければいかぬような仕組みになっておるでしょう。そういう仕組みが崩されておる。しかも総裁であるあなたを含めて理事者が、せっかく公団法で定めた諸規定というものがあるにもかかわらず、その諸規定を実行しないような、また実行しなくともまかり通ってきたような、そういうものを今日行っておるでしょう。だからそうなるならば、むしろあなたたちはこの際建設大臣に進退伺いでも出したらどうですか。  それだけの良心があってこそ、初めて困窮者のための住宅建設というものができる。安価で低廉な家賃で、そしてりっぱな住宅提供する公団使命から考えて、公団法に違反したこういうことをしでかしたのだから、やはり理事者としての責任だ。そういう責任感というものがなぜ起こらないのですか。ただ自分の減俸をしたことによって、これで責任を果たしました、これではちょっと国民は納得しないですよ。  それは土路という係長が悪かったからと言うけれども土路一人が飲んだのではない。きのうの新聞でも、課ぐるみで二千数百万円も飲食会議費を捻出して飲食に使った、こういうことが暴露されているじゃないですか。それに対して、なぜもっと謙虚な態度で、少なくとも大臣に、こういう状態が起こってまことに申しわけありません、これはもう私たちの手には負えない、私たち監督の中におって、私ども理事者としておってこういうことができたのだから、この際理事者の体制も一新をする意味で建設大臣に進退伺いを出すだけの、それだけの良心があなたはないのですか。
  32. 澤田悌

    澤田参考人 厳しいお言葉でございますが、(井上(泉)委員「厳しゅうないのですよ。」と呼ぶ)いや私が厳しく受け取っておるという意味で申し上げたのです。  私を信頼なさらないというような語調でございますが、これは私として大変不徳のいたすところでございます。しかし、私は、個人のことを申し上げてはなんでございますが、いろいろ問題のある公団を引き受けまして、日夜その改善、立て直しに努力をいたしている身でございます。今回の事件は、先ほど申しましたように非常に申しわけないことでありますが、私はいまの心境を申し上げますと、私がやめて済むものではないと考えておるのであります。やめて済むものならこんな楽なことはないのでありまして、そういうものではないという信念のもとに日夜改革の努力をいたしておるような次第でございます。  先ほど十二月六日の掲載記事についても御指摘がありましたが、報道によりますと、これは警視庁の捜査の過程において、そこから出たニュースのようでございまして、われわれそれを知る余地がないのでありまして、現在その内容はよく知っておりません。おりませんが、これはできるだけ手を尽くしてその内容について私の方としても可能な限り調査をするつもりでございます。  しかし、いろいろな事件も、報道にはいろいろ誤解もございます。たとえば四億一千百万円の会議費はやみであるというような報道がなされております。これは少しもやみではないのでありまして、いわゆる四千七百万円の積算内訳との比較において、その差額が(井上(泉)委員「ぼくはそんなことは問うてないのです」と呼ぶ)いや、省略いたしますが、そういうことで、実際に誤解のある報道も行われておりまして大変肩身の狭い思いをしておるのでありますが、われわれはこういう事件が起こって重々責任を感じておるのでありまして、それによっていいかげんなことをしておるというつもりは毛頭ございません。その辺もよろしく御理解を願いたいと思う次第でございます。
  33. 井上泉

    井上(泉)委員 だれが自分はええかげんなことをしておると言う人がおりますか、あんたらのような首脳部の人たちが。一生懸命やっておる、こう言うでしょう。それはあたりまえですよ。一生懸命やっておったけれどもこういう事態が起こったんだから、それに対して減俸ぐらいで自分責任が果たされる、また自分がやらなければこの改革はできないなんて思い上がりもはなはだしいですよ。それはもう何か総理がなんとかかんとか言うたようなことで、あなたがやらなければ公団が立ち行かないなんていうように考えるのは大誤りですよ。  大臣、灘田総裁がいなければ公団が運営できないのですか、公団の改革ができないのですか。  日本の国民は一億一千万おるのですよ。きのうあたりも寒空の中で住宅公団の労働組合の人たちは、年末手当をよこせというデモ行進をしておるのですよ。あなたたちのようにぬくぬくとしておらないですよ。そういう人たち住宅公団職員だけではなしに、この公団に住居しておる人たちは日本の平均的な労働者の人たちですよ。そういう人たち気持ちから考えても、あなたが減俸の一割や二割削減をしたからといって、これでこの問題の責任が果たせて、そして自分でなければできないなんというのは思い上がりもはなはだしいですよ。その職に恋々とする気持ちがこういう状態をつくり出してきておる。これはあなただけではないのです。理事全部のことですよ。あなたが自分でなければできないとそれだけ誇りに思って仕事をされることは結構。いままでやってこられたことは結構。しかし、あなたは誇りを持ってやったけれどもこういう結果になったのだから、この際、これは私の手には負えません、新しい体制の中で住宅公団のうみを出して、国民信頼を得るような、住宅公団本来の姿にぜひとも返してください、こうあなたが言うのが、私は総裁としての見上げた言動ではないかと思うわけですが、これは間違いでしょうか。
  34. 澤田悌

    澤田参考人 私の言葉が足りませんで誤解を生じてはいけませんので重ねて申し上げますが、私でなければできないなどとは毛頭考えておりませんし、申し上げているわけではありません。むしろいろいろな努力の過程においてこういうことが出てまことに申しわけない、この後始末なり今後の体制への立て直しなりこれを真剣にやることこそ私の責任ではなかろうか。それだから、ここでさっさとやめて済むものではないということを、その心情を申し上げたわけでございまして、そこの点はおくみ取り願いたい。私はこの職に恋々としている気持ちなどは毛頭ございません。ございませんが、それで済むものではない。ですから、この後始末と立て直しを今後軌道に乗せてしっかりやりたい、それが私の責任だ、こういう意味で申し上げたわけでございますから、御理解を願いたいと存じます。
  35. 井上泉

    井上(泉)委員 それはあなたの気持ちは、あなたはそう考えるけれども、ひょっとしたらあなたを監督する建設大臣の方は、建設省の方ではこれはもうこの際徹底的に改革をしなければ、首脳部人事を含めて改革をしなければいけないなと、こういう考えを持っておるかもしれぬ。そのことは私は大臣に尋ねません。お尋ねませんが、あなたは自分でなければできない、自分がやるのは自分責任だと思うても、監督をする大臣がどういうお考えかもわからぬが、ひとつこれは私がやってよろしいでしょうか、私が引き継いでこれをやってよろしいでしょうか、もう私はこの際引いたらよろしいでしょうか、そういう進退伺いぐらいは出すのが、私は理事者としての常識だと思うわけです。どこの会社でも、民間の会社でもそういうことをしますよ。常識だと思うわけですが、それだけのことすらする気持ちはないのですか。
  36. 澤田悌

    澤田参考人 今度の事件につきましての処分をいたしますにつきましての建設省と私どもとの間における過程の問題、どういうプロセスでこういうことになったかをここで申し上げることは差し控えさせていただきますが、重ねて申しますが、私の心情は先ほど申し上げたとおりでありまして、いささかの私心もございませんし、責任を果たす熱意を持って身を処しておるということを申し上げておきます。
  37. 井上泉

    井上(泉)委員 あなたの気持ちはわかるのだけれども、わかるかしらぬけれども国民はあれでもまだ、給料一カ月の一割ぐらい減俸して、それで総裁理事も居座って、関連の下請会社というか傍系の会社をつくって、そこでしこたまもうけて、そしてその金が飲食費に供されたり会議費に出されたりいろいろしておる。まさに公団は乱脈きわまる。洋光台ハイツの問題にしてもそうですが、そういう乱脈きわまる状態というものが天下に暴露された今日の段階において、私は進退伺いぐらいは出すのが監督官庁に対する公団としての、公団の首脳者としての当然の心理でなければならぬと思うわけですが、それすら出す意思はないのですか。それだけでいいです。出す意思があるかないか。
  38. 澤田悌

    澤田参考人 先ほど申しましたように、今度の事件に対する後始末について、建設省建設大臣との間にどういうプロセスがあったかということをここでは申し上げません。申し上げませんので、いま形式的に進退伺いを出すか出さぬかというようなことについても、お答えは差し控えさせていただきます。
  39. 井上泉

    井上(泉)委員 ぼくらのところの言葉じゃ、あんたらの態度をしぶといと、こう言う。しぶとい、いんぎん無礼と、こう言う。言葉はきわめて丁重、低姿勢で言うけれども、言うことは非常に無礼千万な態度です。これはきのうからの公団関係の質疑を聞いておってもいささかも反省の色がない。こんなことで日本の住宅政策が進められるのですか。  きのうも住宅協会か何かの大会があったのですが、自民党の先生も来ておった。各党の代表の方も来ておった。住宅政策をもっと進めてもらわなければ困る、こういうことを決議しておるその一方において住宅公団がこんな腐敗した構造の中におる。それを理事者の方たちがいささかの反省もなしに——いささかの言うたらそうではないかもしれぬけれども、言葉と実際とが食い違っておる。口ではまことに申しわけない、こうしたことが再び起こらぬようにします。こうしたことが起こらないような公団の財務規程ではないのですか。ああいう、会議費飲食代を立てかえて個人の飲食代に流用するような、そういう財務規程になっておるのですか。これはひとつ、担当の総務の理事が答えてください。
  40. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 これはチェック機関は、規程上は会計事務の処理の手続といたしまして、経費の支出から請求、それから会計課のチェック、それから出納役もある、四段階のチェックシステムができておるわけでございます。それを今回は、先ほども申し上げましたように、一人の担当者がチェックと支出との権限を行使する立場にありましてそれをみずから乱用した、それに対するチェックシステムが有効に働かなかったというところに原因があると思います。
  41. 井上泉

    井上(泉)委員 本当に私は国民気持ちになっていらいらする、住宅公団のその姿勢に。チェックする機関があるのに、それを一人に権限が集中した。そういう任命をしたのはだれですか。だれがそういう職員の任命をしたのですか。だれが辞令を交付したのですか。
  42. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 任命したのは公団総裁でございます。
  43. 井上泉

    井上(泉)委員 そういう任命をしたことは、あなたはよかったと思っているのですか、総裁
  44. 澤田悌

    澤田参考人 こういう不祥事件が、特定の人間に権限が集中したり、配置がよくなかったり、そういうことと関連のあることは深く反省されるところでございます。したがいまして、先ほど申しました委員会におきましても、いろいろな具体的措置についてや人事の配置なり任命について今後格段の配慮をする、かように考えているわけでございます。
  45. 井上泉

    井上(泉)委員 任命したことがまことに至らなかったということですけれども、及ぼす社会的影響というものをあなたは考えなければいかぬ。これは職員が二千万、三千万、四千万、五千万使うても、公団の予算の全体から見てささいなことかも知れぬけれども、これによってもたらされた社会的影響というものを、やはり公社公団あるいは役所、こういう政府機関というものは、そこで起こった問題がどう社会的な影響を与えるのかということを考えなければいかぬ。そういう大きな社会的影響を与えたことに対して、そういう任命をした総裁として、ただ不明をわびる、ここで何ぼ頭を下げても、何ぼあなたが銀座の街頭で、灘田総裁でございます、このたびはあんなことをしてまことに悪うございましたと頭を下げたところで、それは不明をわびるということにはならないですよ。やはり具体的な行動であらわさなければ。  具体的な行動が減俸一〇%か何か私は覚えていないですけれども、あんなちゃちなことで自分責任をこれで逃れたような考え方で、これでおれはまだ残ってのうのうとして改革をやるんだというようなことをやっても、そういう任命をする神経を持った者がいくらやったって改革できるはずがないでしょう。どうですか。そこら辺の責任を感じなければいかぬ。そして自分が過ったら、申しわけないと思ったらどうするのかということでなにしなければいかぬ。事実を示さなければいかぬ。どうですか、自分の不明というものは。
  46. 澤田悌

    澤田参考人 こういう事態が起こりましたことの深い反省の上に、事実によって改革の実績を示すということが私の目下の最大の任務であると考えておるわけでございます。
  47. 井上泉

    井上(泉)委員 あなたには能力がないのだから、もうそういうことをおこがましくも残ってやるのだというようなことを言う資格がないのですから。あなたがいつ任命されたかどうかは知らぬ。いまの建設大臣が任命されたかどうか、恐らく建設大臣が任命したのでないでしょう、あなたにしろ、大塩理事その他の理事にしろ。やはりこれだけの社会的な不信を住宅公団全体が与えた。これから住宅公団の家賃の値上げとかいろいろな問題もまた出てくるでしょう。あるいは公団の払い下げの問題も出てくるでしょう。そういう大夫な問題を抱えておる中で、こうした不正な職員を生み出すような人的な配置をした当の責任者がそのまま居座っておってどうして問題が解決をするようなことになりましょう。あなた、ちっと自分というものを過信しておるのじゃないでしょうか。これはあなたにしても大塩理事にしてもそのことが言えると思うわけです。これは幾ら言っても始まったことじゃないと思うけれども、大塩理事どうですか。あなた担当の理事ですが、これじゃどうも申しわけない——これはまだ世渡りの盛りだ、女房、子供の生活もある、いろいろなことをお考えになっておることもあろうと思いますけれども、しかしそれとこれとは別ですから、やはり公務の職にある者のその責任が果たされなかった、そうして大きな迷惑を国民に与えた、そのことに対する反省で、任命者の大臣に対して進退伺いぐらいは出すだけの心境、良心というものが、少なくとも公社公団の管理者にはなければならぬと私は思うわけですが、あなたないですか。
  48. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 公団理事総裁の任命にかかっております。私といたしましては、総裁の御指示及び任命にお任せしておる次第でございます。
  49. 井上泉

    井上(泉)委員 あなたは、総裁に御迷惑をかけたからといって総裁に進退伺いを出す気はないのですか。そんな言い逃れをする、もってのほかだ。
  50. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 内部の関係でありますが、総裁にそういうことはいつもお話をしております。
  51. 井上泉

    井上(泉)委員 内部の関係だと言いますけれども、あなたたちの内部は国民のための内部のことでなければならぬのですよ。自分の保身をする、ぜいたくをするために会議費を流用する、それがための内部の問題じゃないですよ。あなたたちの出す一円でも千円でも、これは全部国民の金なんです。この任務をしておる者は、私はもっと謙虚な姿勢で——こんなことでは日本の住宅政策の前途が思いやられるわけです。これはあなたは法律上の解釈なんかをいろいろすると思うわけですけれども、第六十三条にある「第五十三条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。」とかいうようなときには過料処分、こういうことになっておるのですが、これは課員がやったことで私はやってないと言うかもしれぬ。しかし、私はやってないけれども職員がやった。それは責め元帥にありで、職員を任命した公団理事がしょわなければならないわけですけれども、そんな理事者の神経でこれからの公団の立て直しができるのでしょうか。大臣、どうですか。  これは、いま、私ども国会としても非常に不勉強で、私も恐れ入ります。というのは、公団は毎事業年度、経理とか事業計画、そういうようなものを大臣に提出をするわけですから、その提出をしたものをわれわれが委員会で検討するだけのものがなければいけなかったと私自身反省をするわけですが、そういう状態の中でこれからの公団の改革、立て直しというものがいまの理事者の陣容でできると思うか、期待できると思うのか。これは大臣として言いにくいかもしれませんよ。これは言いにくいかもしれませんけれども、あなたが任命した者ではないのですから、この際あなたが思い切って公団の改革をするんだというだけの決意を示していただきたいと私は思うのですが、どうでしょうか。
  52. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 私どもが日ごろ尊敬しております井上委員の御発言の趣旨は私もよく理解をいたしております。私が見ておりますところは、こういうまことに遺憾な事件が起きました公団の解明とその立て直しに全身全霊を挙げて努力をして自分の責めを果たそうという総裁の真意は私にはよくわかるわけでございますけれども、表現の方法によりまして十分井上委員の御理解がいただけないように私には思われるわけでありまして、非常に残念であると思います。何より大事な問題は行政が信頼をされることである。今日まで私は三十三年間地方行政を通じまして政治に携わってまいりましたが、それが何より大切な問題だというのが私の信念でございまして、したがって、大臣に就任以後もそういうことをよく言ってきておるわけであります。  そこで、いまいろいろお話がございましたが、私どもといたしましても、すでに御承知いただいておりますように、昭和五十六年度の十月、第四期住宅五カ年計画の発足にあわせまして宅開公団住宅公団の統合、また新しい発足にいま備えようというところでございますので、井上委員の御発言等も十分私ども体しまして、もちろん再びこのような問題が起きないように強力に指導監督することは申すまでもありませんが、そのような御趣旨も十分私ども体しまして、新公団を発足させるために鋭意努力をしてまいりたい、こう思っております。
  53. 井上泉

    井上(泉)委員 大臣も着任早々でありますし、渡辺大臣としての真価を発揮していただきたい。  従来のいわゆる官僚機構の中に公団というものも埋没してしまって、そうして、役人のいわば天下り先のような位置づけの中に公団がおるところが今日の腐敗が生じた原因だと私は思うわけです。そういう点についても思い切ったメスを入れるために大臣がかなり、それは情においては忍びないところがあるかもしれませんけれども国民のためにはあなたのその豊かな経験の中で決断をしてもらわねばならないときではないか、私はこう思うわけであります。また、本来ならば私はこうしたことで多岐にわたって質疑をしたいわけですけれども、限られた質問時間の中でそれができないのを残念に思うわけであります。  しかし、公団の立て直しのためには——これは委員長お願いをするわけですけれども、五十一年、五十二年、五十三年度の事業年度の公団建設大臣に提出をすべき書類というものを、決算書も含めて資料として提供してもらうようにお願いをしておきたいと思います。
  54. 北側義一

    北側委員長 この問題につきましては、後刻理事会で検討していきたいと思いますので……。
  55. 井上泉

    井上(泉)委員 公団も団地サービス会社とか何かいろいろな下請の会社、いわゆる役員の天下り先の会社をまたつくっておるわけですが、こんなものに公団が出資をしてやるだけの余裕があるのですか。公団本来の使命というものをもっと果たすために——こんなサービス会社をつくり、またこれに関連して、公団に出入りのいろいろな建設業者に公団の役職員の幹部級がずいぶん再就職をしておるという話を私は聞くわけです。何もそれは建設省局長をやって、役人をやめたからすぐにうちで遊べというわけにはいかないと思うのです。それぞれ適材に応じた仕事をすることはやむを得ないことだと思うわけですけれども、それがいわゆる天下り的になって、そこで利権と結びつくような人事配置というのは厳に慎むべきことであろうと思う。  そういう点を含めて、私は大臣の重ねての決意をお伺いし、その他、国土庁の長官にもせっかく出ていただいておるので、これだけは聞いておきたいと思います。三全総の計画について五十五年度は一体どういうふうに前向きにこれの予算づけをしようと考えておるのか、その点、国土庁の長官に見解を承っておいて、私の質問を終わります。
  56. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 今回の日本住宅公団不祥事件の発生は、先ほど以来申し上げておりますように、特定の職員に職務権限が集中をし、他の職員によりまするチェック等も十分に行われなかったということが大きな原因となっておりまするが、私は一番大切なことは、こういう公に奉仕する立場の者の自覚がまず大切だと思いますし、またそういう意味におきましては、その責任に当たる者がやはり責任を十分痛感しながら全力を挙げまして職務に精励するということではないかと思います。そういう意味で今後とも一層指導監督を強力に進めてまいる覚悟でございます。  なお、建設省におきましては、去る十月二十七日に所管の公庫、公団に対しまして通達も出しておりまして、部内の事務処理の総点検を行う、またチェックシステムを整備する、職務の責任範囲、権限内容の明確化を図るということなどを指示しておりますが、今後ともその徹底を期するように十分指導してまいりますし、なお予算の認可等に当たりましても審査を厳重にいたしまして、今後遺憾のないように指導してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、このような事態を見ましたことはまことに遺憾でございまして、そういう意味におきまして今後十分指導監督をしてまいりたいと思います。
  57. 園田清充

    ○園田国務大臣 お答えをいたします。  私ども国土庁の仕事に対しましてかねがね非常に御理解を賜っておりますことを、まずお礼を申し上げます。  来年度の予算につきましては、私ども、各省庁に対しまして、それぞれ三全総の推進について、また定住圏構想等の問題につきまして積極的に取り組んでいかなければならないということで、調整役所としての機能が十分発揮せられるような形での予算の要求もしてまいりたいと思います。たとえを申し上げますと、先生の地域の問題もございますけれども、これも閣議で決定されたもので、一億前後の調査費をつけまして三年間で終わるということで来年を仕上げの年といたしておりますので、お話がございましたような趣旨を踏まえて定住圏構想の推進ということに中心を置き、同時に、立ちおくれている地域を住みよい地域に、同時に地域の人たちが定住し職業を持ち得るような地域にしていくということで精いっぱいの努力をさせていただきたいと思います。どうぞ十分な御指導を賜りたいと思います。
  58. 井上泉

    井上(泉)委員 終わります。
  59. 北側義一

    北側委員長 貝沼次郎君。
  60. 貝沼次郎

    貝沼委員 私は、この建設委員会質問をするのはきょうが初めてでございます。それで、まず先ほどからお話がございましたけれども、一つは綱紀粛正の問題、さらに今度は、住宅公団法三十二条の二によってできた団地サービス並びにその子会社の問題、その他について時間があれば質問をさせていただきたいと思います。  そこで、綱紀粛正の問題は事態がかなり微妙な段階に入っておると私は考えております。そういうところからお尋ねをしたいと思いますが、去る五日に当委員会において、わが党議員の松本忠助氏が、日本住宅公団職員の公金詐欺事件に対して当局の見解をただした。そのとき、これだけ大きな不正をたった一人でやったとは思えないと前置きして、犯行を一人になすりつけたのではないか、こう迫ったわけでありますが、これに対して日本住宅公団総裁参考人として、共犯というものはいない、こう述べ、しかしその後で、事情を知らなかったり誤信したものがあり、現在関係した程度を調べているというふうに非常に含みのある回答をしておられるわけでございます。  そこで、この公金詐欺事件はどうも一人だけでやれるようなものではないように私は思うわけであります。そこにきのうの読売新聞の記事が出てまいりまして、そしてその記事はすでにお読みになっておると思いますので、私はくどくど申しませんが、「住宅公団課ぐるみ“隠し口座” 遊興費をプール 会議費名目で三種二千数百万円も」というように出ております。これとは別でありますが、さらに週刊誌等でもある民間人の話として、たくさんそのことはあり得るのだというような意味の記事も出ておるようでありまして、こういうところから考えますと、どうも一人だけでやったというふうに考える方がむしろ無理であるという感じがいたします。  そこで、新聞社の独自の調査とはいえ、これがかなり具体的に書かれてありますので、これは非常に信憑性が高いように私は思えてなりません。そこで、警察庁にお伺いをいたしますが、この一連事件の捜査の状況、措置、今後の方針、これについてどのようになっているのか、御説明を願いたいと思います。
  61. 加藤晶

    ○加藤説明員 お答えいたします。  この事件の発端は、本年十月の二十六日に住宅公団側から、元同公団監事付室の主査土路重昌、これを被告訴人とする詐欺罪での告訴がございました。これを警視庁で受理いたしまして補充捜査をいたしました上、十一月の五日、同人を逮捕いたしまして、さらに取り調べ等の捜査を続けたわけでございます。その後この土路は、十一月二十六日、詐欺罪で東京地検から起訴になっております。  起訴の内容は、架空の飲食代金等の請求書などによりまして支出命令を起こし、あらかじめ設定しておきました銀行口座に同公団からその支払い名下に金員の振り込みを受けて、これを詐取したというものでございまして、その回数は百二十三回、金額で合計いたしまして千五百七十万円余りとなっております。  それで、後で御質問ございました、そのほかに共犯者あるいは組織で関係者があるかというふうなこと、あるいは捜査方針でございますけれども、御承知のとおり捜査は証拠の積み上げによりまして順次固めていくというものでございまして、現在、これらの関連事件につきましてなお捜査は継続中でございますので、この段階で、具体的なことにつきましてはちょっと答弁を差し控えさせていただきたいと思いますけれども、警察といたしましては、こういう事案につきまして厳正、公平な捜査を今後も遂行していくという方針でございます。
  62. 貝沼次郎

    貝沼委員 状況、措置、それから今後の方針としては厳正、中正にという話でありましたが、今後の場合でありますが、非常に言いにくい面も、たとえば証拠隠滅等がありますから、むずかしいとは思いますけれども、しかし、先ほど私が申し上げましたように、どうもこれは土路一人だけによってやれるような性格のものではなさそうだというような感じがしてならないわけでありますけれども、警察当局としては、こういう面についての感触はどのようにお持ちですか。
  63. 加藤晶

    ○加藤説明員 お答えいたします。  感触というようなことでございますけれども土路一人だけの行為のみに終わっておらないのじゃないかという御懸念を抱かれておるわけでありますが、いままで捜査いたしました中で、そういう事実行為そのものでございますね、これに土路だけが終始関与している、ほかは全く関係ないかということになりますれば、そういう御懸念が出てくるということは当然あり得ることでございますが、ただ、それが犯罪として成立するかどうかということは、これまた厳格な法令の適用を考えなければいかぬということになりますので、ここで直ちにそれが関与者が出てくる出てこないということは、まさに今後の捜査にまたなければいかぬことでございますので、ひとつこの程度に御勘弁をお願いしたいと思います。
  64. 貝沼次郎

    貝沼委員 懸念が出るのはあり得る、犯罪としてはこれからの捜査というようでございますが、先ほどの答弁で、今回のこの捜査は、刑事訴訟法第百八十九条の二項にいわれておる「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。」という条文の中の、捜査において「犯罪があると思料する」というところは、いま詐欺罪として思料して捜査を進めたということだと思いますが、今後の捜査の進んでいく段階において、それが個人に限らず、複数にふくれ上がることもこれは当然あり得るというふうに受け取ってよろしいですか。
  65. 加藤晶

    ○加藤説明員 御指摘のとおり、詐欺罪に問擬して送致をいたしまして、土路につきましては詐欺罪で起訴になっておるわけでございます。そして、今後複数に及ぶかどうかということでございますけれども、私ども、先ほど来お答えしておりますように、何といいましても事実関係を確定し真相を明らかにして、それに法律を適用していくということになるわけでございまして、いまそういう作業といいますか、捜査を全般にわたって進めておる段階でございますので、予断を持って判断することもこれまた差し控えなければならないと思いますし、また、厳正、公平な捜査を進める上におきまして、いまの段階でそういう見込みあるいは見通しというふうなものもちょっと申し上げる時期ではないと思いますので、答弁をその点につきましては差し控えさせていただきたいと思います。
  66. 貝沼次郎

    貝沼委員 公団側にお尋ねいたします。  きのうの参議院建設委員会でもこの新聞の記事は問題になったわけでありますが、公団は、この記事の内容として記されているいろいろな具体的な事実がございますが、これについて調べましたか。そしてその具体的に出ておる、たとえば計友会あるいは黒田商事株式会社あるいは割烹「とわゑ」、こういうようなものは存在しておったのかどうか、またその内容はどういうものであったか、説明を願いたいと思います。
  67. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 御指摘の件は、土路重昌の公金詐取事件の捜査の過程で判明したという報道でございまして、当公団としましては、現在、その事実があったかどうかということについてはまだ知っておりません。当公団不祥事件調査再発防止委員会という組織を公団の中につくりまして、土路事件に関する事態の把握に努めているものでございますが、関係書類は捜査機関に押収されていること、また司直が現在捜査中であること等の関係、事情もございまして、事実上限界はございますけれども、今後、至急調査をしてまいりたいと思っております。
  68. 貝沼次郎

    貝沼委員 私はわりとおとなしくいま聞いておるわけですよ。ところが、これはよそのことを聞いているのじゃないんですよ。あなたの公団のことを聞いているのです。それがあるかないかわからないとか、しかも、そこには金が流れておるんですよ。それがあるかないかわからない。それくらいはっきりしなければ、これは一体管理職というのは何をやっているのですか。そういう答弁は私は受けられませんよ。あるかないかわからぬ、そういういいかげんな答弁はありません。もう一回答弁してください。
  69. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 その事実につきましては、至急調べますが、いまのところわかりません。
  70. 貝沼次郎

    貝沼委員 そんなわからぬなんという答弁は今度からやらぬようにしてください。かっこうが悪くてしようがない。大体そういう姿勢だから、管理監督ができずいろいろな問題が起こってくる。あるいは、考えようによっては、わかっているからそういうものが起きている。こんなことは一つの公団の中においてはむしろあたりまえの事実のような発言すらあるわけでありますから。じゃ、至急に調べるといったっていつまでに調べますか、それをはっきりしてください。
  71. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 これは私どもの帳簿によったり、あるいはその指摘されております口座というものの所在を突きとめて行うわけでございますので、数日かかると思いますが、それは至急やりたいと思います。
  72. 貝沼次郎

    貝沼委員 きのうから調べておるのでしょう。それで、私が聞いたところによれば、計友会とあるけれども実はその通帳は計和会という名前のものであったようだというところまでわかっているんじゃありませんか。それはうそですか。
  73. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 申しわけございませんけれども、いま私は承知しておりませんので、これにつきましては至急調査いたしたいと思います。重ねて申します。
  74. 貝沼次郎

    貝沼委員 まあわからぬ者に何ぼ聞いても仕方ありませんけれども、とにかく、そういういいかげんなことではこれから困るのです。  それからもう一つは、先ほど再発防止調査委員会ですか、これをつくってやると言うけれども、これだっていまのとおり名前ばかり、内容は何もなし。そして、材料はもう警察に持っていかれているからわかりません、そんなことでは、管理者がおる意味がないのです。もっとしっかりしてもらいたい。  それからもう一つは、警察庁に、くどいようだけれどもちょっとお伺いいたしますが、この新聞記事の中にいろいろな具体的事実が、たとえば通帳の名前だとかいろいろ出ておりますが、これは捜査の段階でこういう名前は出てきたことはございますか。
  75. 加藤晶

    ○加藤説明員 新聞に報道されたそのものずばりの名前というのは、いままでの捜査によっては把握いたしておりません。ただ、土路の犯罪事実につきまして、やり方といたしまして、そういうふうな架空口座を設けてそれに振り込ましておったというような事実は、これは出てきております。
  76. 貝沼次郎

    貝沼委員 ずばり出てこなくても、やり方としてはそれに似たようなものということでありますが、捜査当局としては、捜査を進める上においてはなるべく多くの資料を持って、参考にすべき材料を持って恐らく今後も捜査に当たられると思うわけでありますが、したがって、ここにずばり出てきたものがいままで捜査段階において出てこないとすれば、ここに書かれておるものは新しい事実であり、これはかなり信感性のあるものだと私はにらんでおりますが、したがって、こういうような事実に対しても警察としては重大な関心を持って捜査に当たられることが当然だと考えますが、この点はいかがですか。
  77. 加藤晶

    ○加藤説明員 事、犯罪に関しまする限り、おっしゃるとおり重大な関心を持って今度の捜査を進めていくということでございます。
  78. 貝沼次郎

    貝沼委員 重大な関心を持ってやるということでありますので、その成果を期待したいと思います。私は、何も犯人をつくるために言っているわけではないのでありまして、せっかく公団があるにもかかわらずこういう不祥事件が起こっていることは、国民から全く信頼がなくなってしまう。先ほど大臣から答弁がありましたように、何といっても信頼というものは大事でありますので、はっきりとその病根は突きとめておかないと、信頼を取り戻すということはできませんので、それで言っておるわけでございます。  それから、時間が余りありませんので、もう一点だけ警察庁に伺っておきますが、これはあくまでも一般論としてお伺いいたしますが、ある会社の会計の責任者に当たる人物が、部下の公金の使い込みとかあるいは流用とかの事実を知っておりながら、黙認して承認印を押したような場合は、これは一般論としてどのような犯罪が成立いたしますか。
  79. 加藤晶

    ○加藤説明員 お答えいたします。  あくまで一般論でございますけれども、上司が、部下の公金の使い込みを知っておりながら、それに関する、その手段となされる書類等について、内容を十分承知しながら承認印を押したという場合、いかんということでございますけれども、この場合、横領なりあるいは背任なりというのが、使い込みをやっている人間について成立することは、これは当然でございますが、さらに、そういう形式的に関与した者についてどうかということだと思います。  それで、そこでは形式上、そういう犯罪行為の一部に関与したということかもしれませんが、いま前提として、そういう犯罪事実であることを承知しておりながらというお言葉がございましたけれども、そしてそれに積極的に加功をしようというふうな犯意を持ってやるということになりますれば、成立する場合が、共犯というものになり得る場合が多かろうと思います。ただ、そういう犯意なり、あるいは具体的な事務の処理の流れというものにおける会計責任者といいますか、上司の印鑑を押すという行為が、どの程度それに関与してくるのかというのは、個々具体的にはっきり詰めていかなければ何とも申し上げられませんが、一般論として、承知しておってそれに加功する意思を持ってやったということになるならば、形式的には共犯としての成立が十分考えられるということでございます。
  80. 貝沼次郎

    貝沼委員 その点はわかりました。  それで、今回のこの新聞の記事の中に、A部長のコメントとして「儀礼的なつき合いで、建設、大蔵省などの接待に使った。組織(公団)としてやっていることで、やましい点はいささかもない」こう釈明しておるようであります。私は、これは事実かどうかわかりませんけれども、もし事実ならば、これは組織ぐるみの問題であって、そういうにおいが非常に強いわけでありますが、これが重大な問題となってまいりまして、ただいま答弁のあったようなこともあるいはあり得るかもしれないということも考えられます。  そこで、もう一回だけ警察庁にお願いをいたしますが、こういうようなコメントも十分な関心を持つ対象となりますか。
  81. 加藤晶

    ○加藤説明員 先ほどのお答えの中で、ちょっと念を押しておきたいのでございますが、部下の公金の使い込みという犯罪事実が明確に成立しておる、あるいは係属中であるということが前提になっておるということでございまして、そこのところが罪でなければ、もとよりそれに加功いたしましても何ら罪にならないということがあろうかと思います。  それから、いまお尋ねのそういう発言についても関心を持つのかということでございますけれども、おっしゃいますとおり、捜査はできるだけ広くそういう事実を集めまして、それを証拠として進めていくわけでございます。それが証拠たり得るものであるかどうかという検討も、これは始めなければいかぬと思いますが、一般的に申し上げれば、捜査の参考資料にはなり得ることが多いということでございます。
  82. 貝沼次郎

    貝沼委員 次に、会計検査院の方にお伺いいたしますが、日本住宅公団は、会計検査院法第二十二条一項五号によって、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計になると思います。したがって、これは必要的検査事項に入ると思うわけであります。そういたしますと、会計検査院が全部監査しなければならないわけでありますが、それにもかかわらず、このような重大な詐欺行為が発見されなかったということは、非常に残念なことであります。しかし、いま思うと、監査を通じてこのような事件が起こり得る温床も見られたのではないか。たとえば、経理の流れ、先ほども話がありましたけれども、そういうことは満足しておったのかどうかというと、そうでもなかったようだし、こういうことを考えて、会計検査院としては今後どういうふうにこれに立ち向かおうとしているのか、その点を伺っておきたいと思います。
  83. 西川和行

    ○西川会計検査院説明員 お答えいたします。  従来この種の件について必ずしも検査が十分行き届かなかったことは、はなはだ遺憾でございます。私どもといたしましては、会議費をめぐる不正事件が発生いたしまして、会議費の使用について大変問題があるということがわかりましたので、会議費の支出の適正を期するため、今後できるだけ早期にこういう点についても検査いたしたい、かように考えております。
  84. 貝沼次郎

    貝沼委員 早く調査をして、その結果を公表していただきたいと思います。  それから、公団の方に申し上げたいと思いますが、先ほどから各議員がいろいろ聞いておりますけれども、どうもはっきりした答弁が返ってきません。資料が皆とられたからどうとか、そんなことばかりなんです。こういうことでは非常にいけません。そうして、ただいまもいろいろ議論をしてまいりましたが、その規模が大きいか小さいかはわかりませんけれども、A部長の話によると公団ぐるみでありますけれども、どうも組織絡みの事件であるというにおいはふんぷんとしておるわけであります。そういうようなことから、国民の目から見ると、今回土路に対して損害賠償云々ということも言われておりますが、これは土路一人におっかぶせてしまって、公団はほおかぶりしようとしておるのではないか、こういう批判が強いわけであります。したがって、相当の決意と具体的な事実をもって国民に示さない限り、これを払拭することはできません。したがって、今後国民信頼を取り戻すために公団としてはどうするのか。ただ単に調査をいたしますとか、そんなことだけではいけません。もっと具体的に答えてください。  それから、建設大臣としてはどう指導されるのか、この点をお願いいたします。
  85. 澤田悌

    澤田参考人 本件につきまして、御指摘のように、国民信頼が失われておるではないかということ、これはまことに申しわけない次第でございまして、われわれといたしましては、たびたび申し上げておりますように、この事態を究明し、二度と起こらない措置と体制を確立するということで、目下鋭意努力中でございまして、前にも申し上げましたが、防止委員会におきまする具体的措置といたしましては、公団は膨大な仕事をしておりますので、外部との接触の機会が非常に多いのでありますけれども、そういう会合あるいは打ち合わせ等の場合にも、会食を伴うことは極力避ける、内部的な会合における会食等は原則としてもうやらないというかたい方針をとりたいと思っておりますし、会議費執行、使い方につきましては、その最初の起案から実施、最後の支払いによる終結に至るまでのプロセスを厳格に規制いたしまして、その間事務粗漏になるようなことは絶対にないように、これは厳重に処置をしたいと思っております。  それから、監査でございますが、監事の監査というのは年に一回総括的な監査がございます。それから、ときどき特別の問題についての監査もございます。それと同時に、いま考えておりますのは、考査役によるもっと細かいことの監査、あるいは経理関係者による全体の経理処理に対する検査、こういうこともあわせ行います。実は、これははなはだ反省を要するところでございましたが、われわれ事業遂行上の問題については、非常に大事でございますから神経を使っておりました。内部事務についてもっと神経を使うべきだったのではないかということを私自身つくづく感じておるわけでありますが、そういう内部監査というのを実施してまいりたい。  それから、予算の執行計画、これ自体もきめ細かに作成いたしまして、その執行状況を年に何回か逐次チェックしまして、それによって、その間に粗漏や不正の起こる余地のないように、また節約できるものは節約していけるように、執行状況の常時把握ということに努めてまいりたいと思います。  それから、非常に大事なことは人事でございます。人事につきましても先ほど来いろいろおしかりを受けましたが、いろいろなチェックシステムが原則としてはありながら、特定の、能力があるというような個人に権限が集中したり、それについてチェックが十分働かないような運営があるとすれば、これはまことに遺憾なことでございます。そういう事務の執行についての適正化のために、人事の配置、組み合わせ、あるいは在任期間の調整等きめ細かに考えていかなければいけない。そういった各種のことについて具体的にその委員会において検討いたし決して、決まったものから早速実行中でございますので、御理解をいただきたいと存ずるわけでございます。
  86. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 お答えします。  先ほど来お話を申し上げておりまするように、このような詐欺事件が発生いたしましたことはまことに遺憾だと思います。私は大臣就任以来特に信頼を得られるようなことにつきましては強く要請をしておりますし、また、この際大切な問題は、いわゆる公に奉仕する立場の者に対して十分な反省と自覚を持たせることだと思いますので、いま総裁が言いましたように、再びこのような問題が起きないような具体的な措置を進めておりますので、それが徹底することができまするように、十分指導監督をいたしてまいりたいと思います。
  87. 貝沼次郎

    貝沼委員 次に、株式会社団地サービスの件をお尋ねしたいと思います。  これは日本住宅公団法弟三十二条の二によって設立されたものでございますが、その性格についてはすでに昭和三十六年の建設委員会における住宅公団総裁答弁にも「営利追求に走るということがないように、むしろ会社全体がもともと入居者の利便のためということでできておりますので、その本来の目的を逸脱しないよう」公団としても十分配慮したい、こういう答弁が出ておりまして、常利追求に走らないということを言っています。それからまた三十六年三月二十四日の衆議院建設委員会の附帯決議においても、このことについては「居住者の意思が充分反映し、且つ運営が営利に走らないよう措置すると共に」ということがございます。大臣が一番よく御存じでありますが、こういうふうにあるわけであります。それから昭和五十二年十月二十六日、わが党の古川議員からもこの点の質問が当委員会においてなされました。その後果たしてこれが約束どおりそうなっておるかどうか、これについて伺いたいわけでありますが、それはどうなっておりますか。
  88. 有賀虎之進

    ○有賀参考人 ただいま先生指摘のとおり、国会における審議、それからまた法律改正の際の附帯決議等におきまして御指摘のような趣旨のことが行われていること、これにつきましては私どもも十分承知いたしております。それで、私どもといたしましても設立以来住民サービスあるいは営利に走らないようにということでもって指導してまいってきておるわけでございまして、その意味におきましては、全体として見まして、現在、団地サービスの営業成績を見ましても特に多額の利益を得ているとかいうことはなく、あるいは人事その他につきましても適正にいくように要請あるいは指導いたしておりまして、設立の趣旨、所期の目的のとおりやっておる、こういうように思っておる次第でございます。
  89. 貝沼次郎

    貝沼委員 もうけていないという話ですけれども、それは、あなたのおっしゃるのはうそなんですね。それで具体的に数字を私の調べた範囲、これは間違いがあるかもしれませんので、もし間違いがあったら直していただきたいと思いますが、たとえば資本金の推移を見ると、三十六年六月は三千万円、現在三億六千万で、十二倍になってきておる。これはいいでしょう。それから株の配当率を見ても、三十六年から三十八年はゼロ%、三十九年から四十年は六%、四十五年から現在は八%というふうに、これは非常によくなっておる。それから営業収益を見ましても、三十六年は三千百七十八万円でありますが現在は四百七十七億円、設立のときから見ると約千五百倍になっておる。純利益を見ても最近では、たとえば昭和五十年は一千三百五十万円、五十一年が三千百万円、五十二年が三千八百万円、五十三年が五千八百万円と順調に利益を上げておることは数字のとおりであります。そして株主の比率を見ると、日本住宅公団が三十分の二十、銀行が三十分の四、損害保険が三十分の三、生命保険が三十分の三、こう圧倒的に日本住宅公団が多いわけでありますが、こういうような実態から見てもうけていないということは言えるんですかね。どうですか。
  90. 有賀虎之進

    ○有賀参考人 お答えします。  株主の配当率あるいは営業の総売上高等、いま先生指摘のとおりでございます。私どもさっき申し上げましたのは、その営業総売上高等から見まして通常の八%程度の配当ができる程度の利益であるということでもって多額の利益を得ているようなそういうことはない、こういうように私ども考えておる次第でございます。
  91. 貝沼次郎

    貝沼委員 そこへいくとこれは主観の相違になりますので議論いたしませんが、それならば具体的に一つの例、先般新聞で問題が出ておりますが、たとえば「団地サービスのボロもうけ黙認」というので、十二月五日ですか、新聞の報道によれば、団地サービスは駐車場賃貸料の差益、年間一億四千万円にも上る不適正な収入を会計検査院より指摘されておるわけですね。この内容、これは恐らく間違いないと思いますが、そういう報道が出ております。この点は間違いありませんか。
  92. 有賀虎之進

    ○有賀参考人 会計検査院から措置を要請されておりますのは、私どもが有料で貸しております駐車場につきまして、その算定等につきましてもう少し考慮する点があるではないかということで、たとえば第一点は、修繕費等につきまして、仮に最近の実績で算定してみるとこれこれの差額が出るのではなかろうか、それから、減価償却の期限につきまして、一部その後十年と改正したものにつきましてなお五年でやっているものがあるというふうなことで、それらの点について計算をし直してみるとしかじかということでもって、先生いま御指摘の数字になるというふうなことでございます。  それで、私どもも実はかねてからこの駐車場につきましては、算定等も含めまして当初からずっと据え置きのままになっているものもございます、そういった点で、賃貸料の改定とあわせてその算定等も、改善すべきものは改善するように検討してまいったところでございますけれども、今日会計検査院からも指摘されたところでありますので早い時期にこれを改めたい、こう思っておる次第でございます。  なお、先生指摘の駐車場につきましては、このように多少利益が上がっておりますけれども、私ども会社全体として見ますと、先ほど申し上げたように多額の利益を上げているというふうなことではなくて、ほかにたとえば汚水処理場の管理とか水道の管理とかそういった問題で非常に欠損を出しているという部門もございます。こういう点で、会社は総合的に見まして経営しておる次第でございまして、総決算で見れば適当な利益の範囲ではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  93. 貝沼次郎

    貝沼委員 そんな答弁は私は余り聞きたいと思わないのです。片っ方でもうけて片っ方で損したというのはあたりまえのことです。けれども、サービスというのは一つ一つについてサービスしなければならないのです。あなたの会社がもうかるためのサービスじゃないのです。一つ一つについてサービスしなければならぬのに、片っ方についてがばっともうけておいて片っ方で損したから埋め合わせたら大体同じ、そういういいかげんな理論は成り立たないのです。ですから、そういうことは今後言うのはやめてもらいたい。  それで、先ほど会計検査院から言われたことについて、公団としてはこれぐらいにしか受け取っていないのですよ。会計検査院としてはそういう軽い気持ちで言ったことですか。検査院の方からお願いします。
  94. 西川和行

    ○西川会計検査院説明員 お答えいたします。  ただいま先生からいろいろお話がございましたように、このことは、団地サービスが利用者から徴する利用料金の算定が実情に沿わないのにこれを考慮していないために、賃貸料、つまり住宅公団が団地サービスに貸す賃貸料が低額のまま据え置かれていたということを踏まえまして、私ども会計検査院といたしましては、この賃貸料に係る関係通達や利用料金の算定基準を実態に適合するように整備して賃貸料の適正を図るように、措置を要求したものでございます。
  95. 貝沼次郎

    貝沼委員 会計検査院から言われるというのは大変なことですから、もっとえりを正して受けなければなりません。  それから、あとは言いわけは聞きたくありませんので聞きませんけれども、もう一つ俗に言う天下りの問題であります。これも建設委員会においていろいろ答弁があり、いろいろなところでただされておるわけでございますが、団地サービスの役員というのはいま何人おって、そのうち日本住宅公団のOBというのは何人になっているか、この実態を示していただきたい。
  96. 有賀虎之進

    ○有賀参考人 団地サービスは全体では二十一人の役員がおりますけれども、実際に業務を担当している、日常執行している常勤的な役員は十三人でございます。そのうち公団から直接行きました者は六人、もと公団におったとか、行ってから取締役に昇任した者とか、そういう者を含めますと広い意味で公団関係者というのは十一人おる状況でございます。
  97. 貝沼次郎

    貝沼委員 何のことはない、ほとんどそうだということじゃありませんか。ですから、大臣建設委員会で幾ら口角あわを飛ばしてやっても、実態はそうなんです。たとえばこの前の昭和五十二年には二十名中六人だったのです。それがいま二十一名中十三人もいる。きのう調べたところではどうもそうですが、むしろだんだんふえておる。したがってこれは国会審議の無視につながってくる。こういういいかげんなことは今後やらないようにしていただきたい。今後こういうことをどういう気構えで守っていこうとされるか、大臣からお答え願いたいと思います。
  98. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 お答えいたします。  まず団地サービスの問題でございますが、これは団地居住者に対しましてサービスをするという公共性の高い団体のはずでございまして、その点が十分実行されていないということにつきましてはわれわれも今後特に注意をしなければならぬと考えます。直接的には公団指導監督するというたてまえになっておるわけでございます。しかし、御指摘のような点を含めまして改善点につきましては公団に改善策も検討きせ、それに基づきまして公団が団地サービスを十分指導監督するよう今後とも留意をいたしてまいる所存でありまして、遺憾なきを期したいと考えております。
  99. 貝沼次郎

    貝沼委員 それから、これはいま団地サービスに対する問題でありますが、ところが団地サービスからさらに子会社がある。住宅公団から見ればいわゆる孫会社です。それで、住宅公団から子会社へ天下っているのもおるし、それからカエル跳びみたいに住宅公団からその子会社に天下っているのもあるわけですね。ですから、こういうようなものがございますが、たとえば、ちょっとお尋ねいたしますが、この子会社にはどんなのがあって、そこの役員の中に住宅公団OBは同名おるか、これをお答え願いたい。
  100. 有賀虎之進

    ○有賀参考人 お答え申し上げます。  団地サービスが出資している会社は、団地開発株式会社、関西団地開発株式会社、宅地開発技術サービス、この三社でございます。  それから、お尋ねの役員についての公団関係者ということでございますが、団地開発につきましては、役員数七名、うち常勤役員は三名でございます。公団から直接行った人は一人でございますが、先ほど申し上げましたとおり関係者を入れると常勤役員三名のうち三名とも関係者でございます。  それから、関西団地開発株式会社、これは役員が六人でございます。常勤役員三名、そのうち公団から直接行った方は二人、過去に公団職員であった者を入れますと、この常勤役員三名のうちの三名ともそうでございます。  それから、宅地開発技術サービス、これは役員数九名でございます。うち常勤役員は四名おりまして、これも直接行きましたのが二人でございますが、関係者を入れますと四名とも公団関係者でございます。  そういう状況でございます。
  101. 貝沼次郎

    貝沼委員 何のことはない、全部そうだということであります。こういうことでは困るのですね。民間会社だからと言うかもしれません。しかし民間会社であっても、ここにおられる住宅公団総裁はもと公取におられたわけでありますから、公正なる取引あるいは公正なる競争条件ということを考えますと、いろいろなことが問題になってくることはよくわかると私は思います。  それで、うわさとしていろいろ出ておりますのは、たとえば、この孫会社が技術職員不足を理由に大手、中堅の建設会社からかなりの社員を出向さしておる。そして建設会社はこの出向の見返りに公団から工事を受注するとか、これは私は具体的なことは言えませんけれども、そういうことがあるらしい。また、工事の入札のときの基礎資料、調査、設計等の基礎資料などをつくる建設コンサルタント会社からは工事に関する情報が漏れやすいということになってきますと、これは公正なるものではなくなってまいります。したがって、こういうことについてたしか建設省も五十二年、工事を発注する役所や公社公団に対して、資本や人事面で建設会社と密接な関係のある建設コンサルタントヘの業務委託は好ましくないという通達も出したようでありますけれども、その後こういう状況が続いておるということは、通達なんか出しても何も変わってないのです。総裁のいままでの経歴から見たって、こんなものは許すはずはない。したがって、今後どうされるのか、その点を伺っておきたい。
  102. 澤田悌

    澤田参考人 御指摘の団地サービス、それから孫会社三社につきましての人事構成は先ほど申し上げたとおりでございます。  私、公団に来まして、来た当初から天下りの問題はいろいろお聞かせ願って反省をしておるのでありますが、できることなら、もう少しバラエティーに富んだ外部からの人あるいは生え抜きの人等によって構成するのが妥当だということは、もう申すまでもないのであります。いろいろいま苦心をいたしているところでございますが、何せ民間からといっても優秀な人がとても来てくれない、これは住宅公団も当然そういう悩みを持っておるわけであります。と同時に、新しくできた機関でございますから、人はどうしても寄せ集めなければならぬ。そうすると、生え抜きの人が育つまでにはなかなか時間がかかる。しかし、団地サービスももう二十年近くなりますから、だんだん支社長クラスには人も育ってきております。そういうことも考え、これは御指摘の点はまことにごもっともなことでありますから、今後あらゆる機会に努力をして、この設立の趣旨に反するような姿でないように努力をしてまいりたいと考えております。
  103. 貝沼次郎

    貝沼委員 時間がもうありませんので、細かいことはできませんけれども、要するに、こういうものができておりますと、いまのような状態でありますと、何のことはない、役人の天下りのための子会社をつくっているではないか、あるいはトンネル会社ではないかという批判が強いわけでありますから、十分ひとつ気をつけていただきたい、対処願いたい、こう思っておる次第であります。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕  それから、これは話はかわりますが、中国地方開発促進計画というのがありまして、その中に「中国山地を中心とする地域においては交通体系をはじめ諸基盤の整備が遅れており、なお過疎現象が進んでいる。このような過疎現象のみられる中国山地等の農山漁村においては、何よりもまず豊かな活力ある地域社会を形成することが重要な課題となっている。」閣議決定でこうなっておりまして、「本地方のうち吉備高原等の広大な低利用地でしかも開発の比較的容易な適地において、これを活用して、教育、文化、保健、福祉等の広域利用施設の整備と関連させつつ、新たな都市を建設することにつき調査検討を進め、その結果をまって推進する。」こういうふうになっておるわけでございます。  そこで、その後のことについてお伺いしたいわけでありますが、時間がありませんのでまとめて申し上げますが、一つは、吉備高原都市の開発について国土庁としてどうお考えになっておられるか、長官から回答を求めたいと思います。  それから、吉備高原都市開発を地域振興整備公団事業として取り上げることについて、建設省と国土庁の両方にまたがっておりますので、その関係の方からお答えを願いたいと思います。  それからもう一つだけお伺いいたしますが、実は国道二号線、これは非常に重大な国道になっておるわけでありますが、岡山県に入りますとぐうっと細くなってしまう、そうして広島県に入るとまたばあっと広くなるんですね。岡山県の特に玉島のところで渋滞を来しまして、せっかくの動脈が実は動脈硬化を来しておるわけであります。これは何も岡山県に限らず、山陽線でありますから西の方と東の方を結ぶ重大な路線でありますので、この二号線のバイパスの早期建設ということは前々から言われておりました。ところがそれが、買収が終わっているにもかかわらず全然進まない、地元に対してはすぐやるようなことを言っておったにもかかわらず、いまだにやらないで、これは動く駐車場と言われるぐらい混雑をしておるわけであります。したがって、地元でこの買収に当たった方々は、自治体は、うそを言って買収したように言われて非常に困っている、また、住民の理解もこれから得られなくなってくるというような観点から、重大な問題になってまいりますので、この二号線のバイパスについては今後どういうふうに進めようとなさっておるのか、この点を聞いて終わりといたします。
  104. 園田清充

    ○園田国務大臣 お答えをいたします。  ただいま先生指摘のとおり、吉備高原都市開発ということで、閣議決定も御指摘のとおりでございますが、特に地元岡山県におきましては、いまお話がございましたとおり、人間都市づくりということで、私どもの地域振興整備公団と共同で調査を進めておるわけでございますが、五十四年度三千万円を支出をして調査をいたしました。  そこで、いまちょうど予算の時期でございますけれども、五十五年度に一体どういうふうに進めるのかということでございますけれども、計画が終わり次第、五十五年度はまず実施の第一着手として用地の買収を進めたいということで、この予算要求も大蔵省と折衝中でございます。  そこで、ぜひひとつ五十五年度から用地買収に着手できるように、また他の事業につきましても、それぞれ各省庁と相談をいたしまして、御期待に沿うようになるたけ早くひとつ進めたいということで取り上げてまいりたいと思います。  今日までの御協力を感謝いたしますとともに、今後とも、いま申し上げましたように、五十五年度からぜひひとつ事業実施に着手したいという考えでございますので、御協力をお願い申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  105. 原田稔

    ○原田説明員 ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、四十九年度から地域整備公団と県の方で共同で調査をいたしております。     〔伏木委員長代理退席、委員長着席〕 その結果を踏まえまして、本年の二月から、県等から公団に対しまして調査要請がなされまして、現在公団において事業実施に向けての事業計画調査実施中でございます。  したがいまして、この調査結果を踏まえまして、来年度におきましては公団の地方都市開発整備事業として検討いたしまして、事業採択に至るべく現在財政当局に要求中でございます。
  106. 小林幸雄

    ○小林政府委員 建設省といたしましても、国土庁からただいま御答弁がありましたとおり、来年度におきまして事業化すべく鋭意予算折衝中でございます。
  107. 山根孟

    山根政府委員 お答え申し上げます。  一般国道二号の混雑緩和策でございますが、大きくは中国縦貫自動車道、山陽自動車道、それからそれぞれのバイパス、こういった各計画を整合をとりながら進めていくということによりまして、瀬戸内二号沿いの混雑緩和に資する、こういう基本的な考え方をいたしております。  それで、御指摘の玉島地区の問題でございます。これは四十七年度から事業に着手いたしておりますが、そういう抑制等のために事業が若干停滞をしておるというのが実情でございます。  ただ、用地買収につきましては、用地先行取得制度によりまして進めてきておりまして、おおむね完了した段階でございます。  工事につきましては、当地域は大変軟弱地盤であります関係上、地盤改良等々のための試験工事を五十三年度から行っておるわけでございます。  今後の見通しといたしましては、用地先行の再取得と並行いたしまして、実は高梁川を渡る橋梁がございますが、これはかなりな事業費がかかるというようなことから、全線の県期供用のめどは実は現在のところ立っておりません。  しかし、この玉島市街地の交通混雑をやはり早急に解決する必要がある、こういう観点から、国道二号とバイパスとを結びます県道、市道等がございますので、こういったところを活用しながら、ひとつ玉島パイパスを部分的に供用する方策について検討を進めたい、こう考えております。したがいまして、このバイパス工率の工程、連絡道路となります幾つかの県道、市道の整備状況、予算の推移等を勘案しながら、地元関係機関との調整を図りながら検討を進めまして、早期に供用をいたす努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  108. 北側義一

  109. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、先般来当委員会において問題になっている日本住宅公団における不正、腐敗問題について聞きたいと思っています。  この土路は、会議費が接待の費用を含むものであることを利用して不正を働いたわけであります。そこで、会議費についてお尋ねしたい。  一昨日、当委員会においてわが党の井上敦議員が、会議費の全容を明らかにすること、そしてそれを当委員会に提出することを要求いたしました。そのとき、総裁答弁調査するということでありました。これはわかりましたか。
  110. 澤田悌

    澤田参考人 まだ判明いたしておりません。
  111. 中島武敏

    中島(武)委員 いつになったらわかるのでしょうか。大体のところで現在わかっているところでちょっと聞きますが、この会議費の本社、それから支社、営業所関係、これの占める割合はわかりますか。
  112. 星野孝俊

    星野参考人 本社の内訳でございますが、昭和五十三年度におきます本社共通の会議費の額は一億二千九百万円であります。支社等の会議費の額は二億八千二百万円であります。
  113. 中島武敏

    中島(武)委員 この会議費の中身についてもう一つお尋ねしたいのは、いわゆる本当の会議費と、それから内部における飲み食いと、それから外部に対する接待、こういうふうに分けますと、どこから線を引くかということが、むずかしい問題かもしれませんけれども、これは一体どれくらいの割合になっているものですか。
  114. 星野孝俊

    星野参考人 いま御質問の本当の会議費という意味はよくわかりませんが、本当の会議費と、それから内部の会議費と対外的な接待費用、この三つの内訳でございますが、現有わかっておりません。
  115. 中島武敏

    中島(武)委員 結局余りはっきりしないわけですね。  もう一つ重ねて聞きますけれども、大蔵省とかあるいは建設省とかあるいは政府関係、こういう人たちを接待をしたというのはかなりの部分、どの程度の部分を占めているものですか。
  116. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 外部に対する会議費の支出につきましては、従来からも必要最小限度の儀礼的なものにとどめているわけでございますが、その中身につきまして、内訳はいまつまびらかにしておりません。
  117. 中島武敏

    中島(武)委員 儀礼的なものにとどまっているというのですけれども、儀礼的なものにとどまっているのかどうかということについて調べるべきじゃないですか。そして、この間総裁が言われたように、会議費の内訳についてはきょうも言われましたけれども調査しているところであるというふうに言っておられるのですけれども、早急に中身を明らかにするべきだと思うのです。いま日本住宅公団の不正問題で非常に国民が注視しているのです。ところが、こういうことが、中身がはっきりしてきませんと、全貌がわからないわけですよ。だから、それをいち早く明らかにするということが公団にいま課せられている任務じゃありませんか。そういう点から言えば、いつまでたったら、一体、何がわかるのだかわからないのだかわからないようなことではどうにもならないと思う。
  118. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 私ども、そういう内部用、外部用というふうに分けるような作業を現在持っておりませんけれども、至急そういう作業をして明らかにしたいと思っております。
  119. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、日本住宅公団会議費というのは非常に多過ぎるのじゃないかと思っています。それで、営利を目的とする、たとえば鹿島建設、有価証券報告書で調べてみると、交際費が五十二年度は四億四千万円です。五十三年度は五億三千万です。日本住宅公団は、これは私から言うまでもないし、先ほどからいろいろ問題になっているところですけれども国民生活の安定と福祉の増進に寄与するため住宅に困窮する勤労者のために住宅を供給するというのは、その重大な任務だと思うのです。その日本住宅公団の五十三年度の会議費が四億一千百万円、会議費のすべてが飲み食いだとは言いませんけれども、しかし、相当な部分を占めていることは明らかなんじゃないですか。そうすると、常利会社と比べても遜色のない会議費を使っている。あるいは会議費名目での接待に充てているということになると思うのです。四億一千万と言えば、この間の九月に値上げした家賃三カ月分に相当するわけです。それが全部居住者のつけに回されるということになるのです。私は、さつきも言ったように、余りにも多過ぎるのではないかというふうに思っております。いわば民間営利会社並みではないかというふうにさえも思っておりますけれども総裁は、会議費というのは一体どれくらいが適切なものであるというふうにお考えですか。
  120. 澤田悌

    澤田参考人 会議費というような経費は、これは業態によりいろいろな任務により一概に比較はできないと思いますけれども、しかし、極力節減すべきものというふうに私は考えておる次第でございまして、四億一千百万円が直ちに過大なものかどうかということは検討を要しますけれども、できるだけ節減するという方針で、たとえば昭和五十三年度の会議費四億一千百万円は五十二年度の四億八千七百万円に比して一五%余節減をいたしております。それから、五十四年度、現益執行中の予算は三億二千七百万円、これは前年度に比して二〇汚余の節減を図っておるわけでございまして、いまいろんな業態の会議費との比較でよしあしを申し上げる用意はございませんが、公団といたしましては、極力この節減を図り、自粛をしてまいるという姿勢を貫いておる次第でございます。
  121. 中島武敏

    中島(武)委員 後でまたこの問題はお尋ねしたいと思います。  土路事件の問題について警察庁に伺いたいのですけれども、さっきも質問があったかと思いますが、土路には共犯者がいると警察庁は見ているかあるいは共犯者がいるとまでは言えないけれども、しかし、協力した者がいるというふうに見ておられるかどうか、この点をちょっと聞きたいのです。
  122. 加藤晶

    ○加藤説明員 土路事件につきまして、現在までの捜査によりますると、共犯者として立件すべき者はおらないということでございます。ただ、全く事情を知らないで書類の作成等に使われたといいますか、そういうふうな人たち、これは若干おるということでございますが、これはいま申しましたように共犯者というわけではございません。
  123. 中島武敏

    中島(武)委員 警察庁にもう一つ聞きたい。  土路が追起訴されていますね。この追起訴は何によって追起訴されているわけですか。
  124. 加藤晶

    ○加藤説明員 送致いたしまして、先ほども申し上げましたように起訴になりましたけれども、その後の追起訴というのはまだ検察庁から通知を受けておりませんので、これはなかったんじゃないかと思います。
  125. 中島武敏

    中島(武)委員 そんなことはないでしょう。この間この委員会でも非常に問題になっていたところではありませんか。
  126. 加藤晶

    ○加藤説明員 恐らく、十一月七日に逮捕事実について送致をいたしております。そして、それが先ほど申し上げたように起訴になっております。その後、十一月二十日に警察の捜査を遂げまして追送致をいたしておるわけです。そしてそれを合わせました分が千五百何十万幾ら、こういうことで起訴になっているということでございまして、これは一括起訴されておるというふうに私どもの方は伺っておりますので、これが十一月二十六日に一括して起訴されておるということでございまして、その後の起訴は私ども伺っておりません。
  127. 中島武敏

    中島(武)委員 追送致というのは中身は何ですか。
  128. 加藤晶

    ○加藤説明員 詳しく申し上げますと、十一月七日に送致いたしました分は、これは逮捕事実に係る分で二百六十三万三千幾らという金額でございます。そして十一月二十日に追送致いたしました分が逮捕事実以外の件数でございまして千三百十万二千幾ら、こういう数字でございます。手段方法は全く同様ということでございます。
  129. 中島武敏

    中島(武)委員 十一月二十日の方の分には東京支社関係のものがあるのじゃないですか。
  130. 加藤晶

    ○加藤説明員 東京支社関係分はただいま申し上げました十一月七日及び二十日の送致分には入ってございません。その後の十一月二十二日にさらに追送致をいたしておりますが、その中に入っておるわけでございます。
  131. 中島武敏

    中島(武)委員 この東京支社関係のことが入っているということですね。そのことについて伺いたい。この中には、私ども調査によりますと、国の監査機関である会計検査院と会議のために飲み食いをしたという架空の会議設定の請求書があった。ところが、ことしの夏、もちろんこの土路事件が表ざたになる前のことですけれども土路の公金詐取事件を知って、会計検査院に知られるとまずいというのでこの文書の改ざんを命じた、こういうことを私どもは知っていますが、総裁はこれは知っておられますか。
  132. 澤田悌

    澤田参考人 私、存じておりません。
  133. 中島武敏

    中島(武)委員 この文書の改ざんを命じたことについて、警察庁ではいまここで答えられますか。
  134. 加藤晶

    ○加藤説明員 捜査をやりました現段階までそのような事実は承知いたしておりません。
  135. 中島武敏

    中島(武)委員 ところがわれわれの調査によると、その後警視庁にこの請求書が押収された。それで十一月十日前後に事情聴取が予想された職員に対して口どめ工作をやっている。総裁はいろいろ調査をしておられると思いますが、このことについても知りませんか。
  136. 澤田悌

    澤田参考人 存じておりませんのです。
  137. 中島武敏

    中島(武)委員 総裁いろいろ調べておられるようなんだけれども、これ知らない。この問題は非常に重要な問題です。内部を徹底的に調べてもらいたい。これは事実とすれば架空の会議をつくり上げていることを知りながら協力した者がいる。しかも文書改ざんを指示した、事件を隠蔽する、表ざたになるということになればぐあいが悪いというので口どめ工作をするということは大変な問題なんですね。こうなってくると組織ぐるみの犯罪ではないかということになってくるわけですけれども徹底的な調査を必要としていると思います。
  138. 澤田悌

    澤田参考人 御指摘のようなことがあれば重要なことであります。事実を究明いたしたいと存じます。
  139. 中島武敏

    中島(武)委員 会議費の問題で伺いたい。  料亭などから請求書が来る。経理伝票の起票がされる。四億円と言えば一日ざっと百万円であります。一口ざっと百万円の会議費、その中には非常にたくさんの接待費を含むものが実際にやられていて、請求書つきで伝票がずっと通って歩って、それでこれ何も異常だというふうには考えなかったものですかね。私らには、一日百万円のこういうことがやられるということになると、ずいぶんと異常なことだという感じがするんですけれども、チェックの部署にある者はもう異常とは感じなかったんでしょうかね。あるいは担当の役員もこれを異常とは感じなかったんでしょうかね。どうなんですか。
  140. 大塩洋一郎

    ○大塩参考人 先生指摘のように、たくさんの伝票が毎日回ってまいります。これをチェックする機構につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、その中のそれをチェックする者が同時に自分でそれを書く、それを起案したりする職にありましたがゆえにやりやすかったということと、それから、それをチェックすべき上司の課長及び支出担当の部局の目がそれに届きかねた、まさかそういう者がやると思っていなかったというような事情等が重なって、かかる不祥事に発展したというふうに思いまして、そのチェックの仕方及び起案する者とチェックする者との相互牽制の機能がそこで麻律し、失われていたということを深く反省するものでございます。
  141. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、土路事件だけじゃないと思うのです。つまり、そういうことがなぜ起きてくるかというのには、やはり日常、ふだんから膨大な会議費が使われていて、そしてそれには接待とか飲み食いとかいうようなことが日常化されている。そういう中で起きてきている事件だからこそ、これが発見しにくいということだったのじゃないかと思うのですよ。この点は単なる、彼の部署がどうの、それから、彼が有能な者で信頼をしておったとかいうようなところに最大の問題があるのじゃなくて、やはり日常的に、そういうことはやられていてあたりまえという、まるきり異常とは感じないという、そういう体質の中に根本的な問題があると思うのです。だから、こういうことが風潮、慣習としてやられているというここにメスを入れ、ここを改めるというようにする必要があるのじゃないですか。  私は、そういう点から、建設省や大蔵省にも聞きたいのです。建設省は一昨年会計検査院を接待をして、そして佐藤会計検査院長も当時の長谷川建設大臣も深く陳謝をしました。ところが、今回住宅公団の問題が明らかになっていろいろ調べてみると、やはり接待を受けているということが出ている。たとえば井上住宅日本住宅公団監理官もその一人だと思いますし、それからまた、十二月四日付の東京新聞監督官に対してアンケート調査をやっている。それに対してどう答えているかと言えば、建設省関係の方は皆会食をやりましたとか、中には車で送ってもらったとかいうことが述べられているわけであります。人によっては「会議後二、三回一席たまわった。帰りはタクシーで」こういうふうに書いておられる人もいるのです。私はこういう、何というのですか、まさか建設省は接待をしたのはいけないけれども受けるのはいいというわけじゃないと思うのです、幾らなんでも。まして監督の立場にある者がこういう接待を受けるというのは、こんなことをやっていて監督の任が勤まるでしょうか。こういうことをやっていたら、監督の任なんというものは勤まらないものだと思うのです。  そこで、私は建設省と大蔵省と両方に聞きたいのですけれども住宅公団から接待を受けたということについて内部を厳重に調査をしておられるのかどうか、その点を聞きたいのです。
  142. 丸山良仁

    ○丸山政府委員 建設省におきましては、綱紀の粛正につきましてはかねがね特に注意していたところでございます。しかしながら、一連の接待事件が起こりました十月の下旬に、住宅公団のみならず所管公団全体からどのような接待を受けているかということにつきまして、私が各局の第一課長並びに所管公団の人事部長を呼びまして、事情を聴取したわけでございます。  その結果は、人事異動の際あるいは会議の後などに主として公団の寮等で食事をごちそうになっているというような事実が見られたわけでございます。これらのものは一般には儀礼的な範囲ではないかと考えられるわけでございますが、やはりいま先生がおっしゃられましたような、監督の地位にある者がこういうことをすることは適切でないという判断に基づきまして、私から各局並びに公団の人事部長に対しまして、今後一切接待を受けないこと、こういうことを厳に注意した次第でございます。また、会議等の際の食事につきましても、必要やむを得ない場合でもごく質素なものに限るようにという指示もいたしております。  なお、先生御承知のように、本内閣は綱紀の粛正を一つの眼目にしておるわけでございまして、内閣総理大臣からの指示に基づきまして、去る十一月三十日に職員及び所管公庫、公団等に対しまして、接待及び贈答品の授受は一切行わないこと、こういうようなことを含めました具体的な次官通達を発しているところでございまして、今後ともこの趣旨徹底させていきたいと思っている次第でございます。
  143. 小粥正巳

    ○小粥説明員 大蔵省の職員住宅公団の役職員と会食をした事実につきまして、私ども内部で関係者から事情を聴取したところでございますが、それらの会食は、人事異動後の顔合わせあるいは予算作成後の意見交換という、従来いわば慣行的に行われていたものに限られているようでございますけれども、最近これらの問題につきまして特に強い批判が寄せられております。私ども率直にこの点を反省いたしまして、先般内部で改めて、従来のこのような問題について考え方を見直しをいたしまして、今後は職務上の関係者との会食は、原則として一切これを行わないということを含む綱紀保持についての厳しい通達を出しまして、今後このようなことでいやしくも批判を浴びるようなことは再びないように、内部を厳しく綱紀の保持に努めさせているところでございます。
  144. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、さっきも言いましたけれども、この土路事件がなぜ起きているかということの一番根本的なものは、やはり接待があたりまえというそういう風潮、習慣、この土壌が今度の事件を生んだものだと思うのです。やはり政府関係機関とかあるいは公共、公益の仕事をする特殊法人、こういうところは本当にみずから身を正していくというようにしなければうそだと思うのです。ところが特殊法人の内部にもそうだし、政府機関の内部にもやはりいまここでこういうことはやらないようにというふうに言わなければならないような、そういう風潮や習慣というものがあるわけです。  いま日本住宅公団に関して言えば、生活防衛のために家賃値上げ反対ということ、家賃を上げられてはたまらぬということを言っているようなそういう居住者の人たちやあるいは多くの国民の皆さんに対して、今度の事件及び会議費の使用問題、接待問題というのは大変納得しにくい問題だと思うのです。やはり本当に国民公団住宅居住者の信頼日本住宅公団が獲得するためには、もっと厳しい姿勢で臨まなければならないのじゃないですか。総裁はどう考えますか。私はそうだと思う。  日本住宅公団の役員を見ますと、十四名中十一名がいわゆる天下りであります。政府機関にいるときに接待はあたりまえというような風習に染まっていて、公団に来る。公団に来て、同じようなことがやられていく。そういう一つの、何というのですか、原因をつくり出していると言っても決して言い過ぎではないのです。だから、幾ら綱紀粛正を叫んでも一時しのぎのものに終わる危険性を持っていると私は思う。  そこで、思い切って人事政策を一新するということが、大臣、必要なのじゃないですか。それから総裁も同じです。日本住宅公団の場合には、やはり天下り人事を一定数抑えて、もっと広く人材を登用するということが必要じゃないか。あるいは公団の居住者の代表とか、あるいは公団自治協の代表なんかが管理委員会——ここは重要政策についての意思決定機関でしょう。こういうところにそういう代表を加えるということをやれば、居住者や国民意見が本当に反映するし、民主的な運営ができるというふうになるのじゃないかと思うのです。私はそういうふうに思いますけれども、この点について総裁と、それから大臣答弁を求めたいと思います。
  145. 澤田悌

    澤田参考人 いまの御趣旨、よくわかるのでございますが、公団の役員構成につきましても、私実は天下りになっておる、天下りに入っておるようでございますが、私もともと役人ではないのでございます。その前に公取委員長をやっておりましたので天下りの中に入れられておるわけでございますが、もともとは役人ではない。そういう一人の経済人の目で見るせいかもしれませんが、先ほど来ほかの御質問でも申し上げたように、もう少しバラエティーのある人員配置の方がベターではないか。また、公団も二十年余たちましたから、下からもだんだんと人材が育ってきております。そういうことももう少しよけい考えていいのではないかというようなことを、私個人としてはいろいろ考えておるわけでございますが、まあ人事の問題でございますから、なかなか思うようにもいかない面もございます。しかしその他の問題、公団の運営全体の問題をあわせまして、御趣旨のような姿勢で対処してまいりたいと考えるわけでございます。
  146. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 ただいま中島議員の御発言、非常に大切なことであると思います。すでに御承知のように、昭和五十二年十二月二十三日の閣議決定によりまして、「特殊法人の業務内容を勘案し、民間からの登用を積極的に推進すること。国家公務員出身者から選考する場合は、関係省庁職員にとらわれず、広く各省庁から適任者を選考すること。特殊法人相互間のたらい回し的異動は、原則として行わないこと。」こういうことを閣議決定しておるわけでございまして、私どももこれは厳に実行しなければならぬと思っております。今回の行政改革等につきましても、こういう点は当然強く推進をさるべき問題であると心得ておるわけでございます。  なお、ただいまの住宅公団の問題等につきましては、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、建設大臣といたしましてはまことに遺憾であると思っております。お話のように、再びこのようなことを繰り返さない措置をとっておりまするけれども、それが徹底をされまして、そして実行ができまするよう、われわれといたしましても一層指導監督をいたしまして、一日も早く住宅公団信頼を取り戻すということにつきまして努力をいたす決意を新たにいたしておるわけでございます。  なお、住宅公団業務は、国の行政と団地サービスの業務、こういうものが住宅公団業務とそれぞれ密接な関係がございますので、その業務の円滑な推進を図るために国家公務員または公団職員からそれぞれの役職員への就任が必要な場合もございますけれども、有能な民間人の起用及びそれぞれの事業体内部の人材の登用につきましても、今後とも十分配慮してまいる必要があると思います。今後とも十分努力をする決意でございます。
  147. 中島武敏

    中島(武)委員 終わります。
  148. 北側義一

    北側委員長 瀬崎博義君。
  149. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 公団をめぐる天下りの構図は一覧表にして資料をつくっておきました。ただいま委員長の了解を得てお配りしております。その二枚目の方から先にごらんをいただきたいのであります。  まず資金の天下りぶりを見ますと、建設省住宅公団に対して七百九十八億九千万円を出資している。政府の出資を受けた公団が今度は団地サービスに対して二億四千万円の出資をしている。団地サービスは団地開発に一千万円、これは資本金全額、関西団地開発に一千万円、これも資本金全額、宅地開発技術サービスに一千三百万円を出資、これも全額出資しております。建設省を頂点に完全な企業グループがここにでき上がっているわけであります。  そして仕事の流れを見ますと、団地サービスの総売り上げ四百七十七億円の約八割は公団の発注だといわれております。団地開発、関西団地開発、それから宅地開発技術サービスは一〇〇%その仕事公団と団地サービスに負っているわけであります。  そうして今度は人事の天下りぶりを見ますと、先ほど来若干言われておりますが、一覧表を見ていただければいかに役員の数が多いか、天下りが多いかは一目瞭然わかります。  日本住宅公団の役員十四人中建設省など政府からの天下りは十一人。団地サービスの役員十六人中九人が住宅公団からの天下り、特に常務以上の五人は全員が公団からの天下りであります。まさに団地サービスは第二の住宅公団と言うことができる。  続いて、団地開発の役員五人中四人が公団または団地サービスからの天下り、関西団地開発の役員五人は全員が公団または団地サービスからの天下り、そして技術サービスの役員七人中三人が公団の天下り、まさにここに第三、第四、第五の住宅公団があるわけであります。まさに天下り天国としか言いようがないと私は思います。  大臣は、こうした事実をいままでから御存じだったのか、今日ここで改めてお知りになったのか、いかがですか。
  150. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 具体的に承知しておりましたものもございますし、今回改めて承知したものもあります。特に孫会社といいますか、そういう末端の詳しいことについては、遺憾ながら本日初めて承知したこともあります。
  151. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 特に団地サービスの社長南部さんは、建設省公団、団地サービスと渡り歩いているわけであります。続いて専務の林隆善さんに至りましては、建設省住宅公団、団地サービス、団地開発、関西団地開発、宅地開発と全部の天下り会社を渡り歩いているわけであります。  しかも団地サービスの役員給与を見ますと、社長九十二万円、専務七十六万円、常務六十万三千円と、公団にいる場合とほぼ匹敵するくらいの高給になっているわけであります。これが平取締役になりますと、がたんと下がって三十六万五千円、ここらは実際に仕事をしていると思います。  さらに団地サービスの林専務は子会社三つの社長を兼務しているのでありますが、一体これでどんな仕事ができるのだろうかという疑問を私は持ちます。  また、団地サービスのトップ二人がいずれも建設省出身で、公団関連会社をすべて渡り歩いている。こういうことが今日言われているいろいろな不正、腐敗と絡んで果たして妥当なことだとお考えか、これはまさに具体的に大臣の感想を聞いてみたいと思うのです。
  152. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 これは一概には言えませんけれども、常識的に考えまして、果たしてこれでいいだろうかということは多少の懸念は持たざるを得ないと思います。
  153. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 こういう背景の中でいま問題になることが起こっているのですが、すでに去年の八月八日の朝日新聞にこういう記事が出ているのです。   日本住宅公団の幹部職員が、用地買収事業を  請け負わせている公団関連会社から「現場の経  費」として多額の金を受け取っていたことが、  七日までに公団や警視庁捜査二課の調べでわか  つた。業者がこうした経費を、公団職員に一  括して手渡し、自由に使わせていたのはこれ  までに例がない。その一方で、去年の十月なんでありますが、実は内部告発とも言える投書が私のところに来ております。   八月八日朝日新聞日本住宅公団についての  記事を、この会社側の内部から見たときに、会  社がこのような不祥事件を引き起こしたのは当  然のことと思います。なお、この新聞記事中  の出向公団職員とは堀内敏のことです。この堀内敏という人物は当時団地開発に出向しており、ことしの五月ごろに公団に戻り、その後退職している、こういうふうに聞いているのでありますが、これは事実ですか。事実かどうかだけ答えてください。
  154. 櫟原利嗣

    櫟原参考人 お答え申し上げます。  いまの件については事実でございます。
  155. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、いわゆる内部告発的な投書の中身が中身だけに、慎重にこれを扱っておりました。したがって、一年以上も手元に置いておったわけであります。ところが、いまここに指摘された一つは事実であることが報告されました。及び、最近表面化しました公団一連の飲み食い、乱脈経営と照らすときに、この「御報告とお願い」と題する投書の内容はほとんどが事実ではないか、こういう思いを強くいたしました。そして、直ちに行政に生かして、改めるべきどころは改めなければならない内容を多く含んでおりますので、あえてここに主な点を公表したいと思います。これは去年来ております。   本年の六月まで社長は秦重徳です。当時彼は  親会社である団地サービスの社長でもありまし  た。   彼は当会社に顔を出したこともなく、これが  社長の態度であるかと思うほど、無関心、無責  任そのものでした。ですから、ごまかしの経理  処理が終始行われ、この事件は氷山の一角であ  ると思います。社長の月給は公団総裁と変わ  らないということですが、そんな高給を取りな  がら、彼は会社に出勤してもほとんど弁護士の  仕事にかかりっきりで、余り当社のことはして  おりません。本社は支社に厳しく経費の節約  を言ってきますが、林専務やその一派ははで  な飲食、はでな自動車使用ではばかばかしく  て。ですから交際費は毎年確実に増加するば  かりです。こういう指摘があります。  それから、決算にも問題があるということが指摘されております。  ヒーターとかバスシャワーなど値がさの商品の  販売には割賦販売の方法をとってきました。販  売には特約業者が当たり、代金の回収は当会社  がすることになっています。この場合特約業者  は販売時に代金総額を当社から受け取りますか  ら、回収不能の損害はすべて当社が負うので  す。こうした制度からくる無理な販売と下手な  代金回収のため、こげつき債権が累増していま  す。古い債権については前から回収を断念して  いるにもかかわらず、それを資産計上(売掛  金)しています。   また、たとえば洗剤など一部の日用品的商品  は当会社が仕入れ、これを特約した小売業者に  卸売りして団地で販売しています。この業者は  首都圏で十数社ありますが、この半数は零細業  者で、その多額の代金の回収が不能になってい  ます。つまり決算に示されただけの資産はな  いのであります。さらにまた、こういう指摘も出ております。  この場合、まず責任を追及されなければならな  いのは当然秦前社長です。当社のために働かず  して高給を取る月給どろぼう、その人に多額の  退職金を払うとは何事ですか。さらに相談役一  して残し、また相当の月給を払うとはどんな理  由があろうと認められません。これはもっと具体的にわかりました。社長をやめたときに——会社をやめたのではない、社長をやめたときに支払った退職金約六千万、直ちに平取の相談役となって今日に至るもなお四十五万円の月給をもらっているのであります。出勤は週に三日だけ。これもきちんとした出勤ではないようであります。これは実際仕事をやっている平取締役に比べれば十万も多い金額であります。また、  林専務は、こんな社長であることをよいことに、思い上がりの限りを尽くしています。彼は会社の費用で好んで酒を飲み 云々とあるわけであります。  団地サービスヘの公団の出資は建設大臣の認可にかかっているものでありますが、そういう点から考えても、私はこうした部内からの指摘にはそれなりにこたえていく必要があると思います。天下り幹部の勤務状況、ここに指摘されていますね。それから、不良資産の状況、こういうものはぜひ調査すべきだと、私はまず第一点として思います。  二つ目は、秦社長が社長をやめて六千万円、そしてすぐ相談役になって、また四十五万円の月給を週三日間出勤するだけで取る。果たしてこんなことが世間の常識で通用することだろうか。この会社の規模を考えてもむちゃくちゃではないかと私は思うのです。この点について、大臣、ひとつこれからとられるであろう処置と感想を聞いておきたいと思います。
  156. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 いま初めて私は耳にいたしましたけれども、これが果たして事実であるとすれば、私どもの常識から言いますと、非常に奇異な感を抱かざるを得ないわけでございます。したがって、こういう問題がいま指摘をされたわけでございますが、指摘をされるされないにかかわりませず、私といたしましては、先ほど申しましたように建設省関係綱紀粛正、特に公団、公庫、その他につきましてもしっかり指導監督をするように指示してございますので、このような事実を指摘されました以上は、ひとつ十分事実を検討いたしますと同時に、今後万全の監督ができますように指示をいたしたい、こういうふうに考えております。
  157. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 実は、こういう内部告発的な投書は一回にとどまりません。これはごく最近の十一月です。またもう一通参っております。これも問題であります。部分的にちょっと御紹介します。  「トンネル出資をさせて公団がつくった会社ですが、」これは問題になっている宅地開発技術サービスのことであります。もうちょっと前から読みますと、  これは五十三年三月に住宅公団の子会社の団地サービスにトンネル出資をさせて公団がつくった会社ですが、いまでは公団が発注する全委託業務の七〇%以上を優先的に随意契約して他の民間業者を締め出しています。 として三点、問題点を指摘しております。  第一点は、  役員及び幹部社員は全部住宅公団OBで、公団の現幹部は公団退職後の就職先ですから、現職中に優先的に仕事を発注してますます会社を大きくしておく必要があります。 二つ目に、  罪悪意識が少しもなく、年じゅう両者間で飲み食いが行われております。 両者間というのは公団、団地サービス、そしてこの技術サービスのことだと思います。それから三つ目に、  一番問題なことは、技術サービス株式会社の一般技術職員はほとんど大手建設会社からの出向社員だということであります。 もちろん私ども調べました。そうしますと、この技術サービスには、具体的に言いますと大林組、鹿島建設、熊谷組などから出向社員が出ておりまして、そしてこういう会社に発注された工事監督している、こういう事態が上がってきております。こういうことは果たして妥当なことだと大臣はお考えになりますか。
  158. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 いま言われましても、私としてもいま承ったところでございますから。ただ、お話のようなことが事実であるかどうかは検討しなければならぬと思いますが、事実であるとしますならば、これは常識的に考えまして決して正常であるとは思えないと思います。
  159. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 一つだけ確認しておきますが、この技術サービスに、私が指摘しました大林組とか熊谷組、鹿島建設、こういうところの出向社員がいることは、少なくも公団の方は御存じでしょうね。総裁どうです。
  160. 澤田悌

    澤田参考人 孫会社の営業上のそこまでは存じません。
  161. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣ですら、もしこういう出向社員を大企業から受け入れて、その受け入れた出向社員が発注した大企業の工事監督しているとすれば、こういう問題はゆゆしき問題だとおっしゃっているのです。あなたのところは、それよりはむしろ孫会社に直接発注も行っている公団ですね。もう少し責任の重い立場です。どうされます。
  162. 澤田悌

    澤田参考人 先ほど大臣からも申されたとおりでございまして、実態をよく調べまして、常識外れのことがあったら当然是正すべきだと考えております。
  163. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 最後に大臣に重ねて答弁を求めたいのですが、天下りの罪悪にはいろいろあろうと思います。しかし、こんなに内部告発が相次いでいくということは、いかに内部の乱脈経常がひどいか、こういうことの反映だと私は思います。しかも、この文章のすべてが、こういう二重三重の天下りの仕組みがこういうことになっている原因だと指摘しております。  二つ目には、これだけの天下りが系列化されてまいりますと、この五つの会社について言えば、形の上では別会社なんだけれども、内部的には、幹部同士の間で同族意識、身内意識、何をやってもばれない、かばい合い、なれ合い、こういうことが起こるのは必然だろうと私は思います。役員ポストの私物化にもつながってまいります。監督する者とされる者とのけじめもつかなくなります。  第三に、これがさらにこのまま放置されておりますと、必要となればまた若干の出資をして第六、第七、第八の天下り会社ができないとは限りません。  第四に、建設省を頂点とする、この公団住宅仕事に群がっている役員総数を一遍見てください。団地サービス以下は、監査役を除きましたが、それらを会部含めればざっと六十人になるわけであります。その高い給料、退職金、こういうものは結局は、この公団がつくっている団地の居住者の負担増になってくるのでありますし、また一方では、まじめに働いている一般職員の待遇の圧迫にもなるわけであります。  五つ目には、こういうふうな幹部が必ず天下りで来るということになってまいりますと、その企業や機関職員が働きがいを失うことは当然だと思います。企業の事業活動の活力だって生まれてきょうがないと私は思います。したがって、これはどこからどう見ても改善をしなければならないと私は思います。そうしなければ、今後また、いま問題になっておりますような会議費という名目でしたいほうだいの飲み食いをするとか、いろんな問題が起こってくるでしょう。  したがって、まず第一にお願いしたいことは、この膨大な役員が実際に必要なのかどうか検討していただきたい。また、それぞれの役員が現にどんな仕事をしているのか、先ほども申し上げましたが、勤務状態を調べてもらいたい。  第二には、綱紀の粛正を言うならば、まずこの天下りの仕組みにこそメスを入れるべきだ。まあ、政府は、肉を切り骨を切る覚悟でやるのだと言われる。しかし、国民にとって必要な仕事もあるわけです。こういう部門を預かっている職員を削減して、逆にこういう天下り幹部をもし温存するとするならば、これは全く逆になって、骨を削り取ってぜい肉を残すことになるわけです。大臣はゆめゆめそういうことはされないと思いますが、改めてこの天下り人事によってつくられた不必要な役員にまずメスを入れる、このことをしていただきたいと思います。  第三に、関連会社、つまり孫会社で起こっております、大企業に工事を発注し、その大企業から出向社員を受け入れて逆に監督させる、こういうことは官、財の癒着になるわけであります。  以上の三点、こういうことをぜひ調査し、改善をするように大臣の方で実行していただきたいのであります。答弁を求めます。
  164. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 先ほど来申しておりますように、私は、実はいち早く行政改革をやろうということで、宅開公団住宅公団の統合、そして形式的なものでなしに実際に効果の上がる、そして行政需要に合った新公団をつくるという決意を表明して、いま、次官を中心とする委員会で検討を始めておるわけでございますから、当然その精神をくんで諸般の問題には対処すべき立場だと思います。  そこで、いまお話のございましたことにつきましては、第一、事実の問題についても検討しなければなりませんし、そのようなことに対処することにつきましても当然検討してまいりますが、もう一つ問題は、建設省が直接監督指導する立場のものと、それから日本住宅公団がいわゆる指導監督する立場のものとございますから、それぞれの立場に立ってひとつ監督をし、指導してまいりたいと思います。  ただ、もう一つ大事な問題は、まじめに、本当に人生を通じて公に奉仕するという公務員がほとんどなんでございますから、そういうまじめな、有能な公務員のいわゆる希望を失わせるということになってはいけないのでありますから、そういう点は私どもも十分気をつけながら、いまお話しのような問題につきましては、やはりこれだけ行政改革が叫ばれておるときでありますから、本当の意味におきまして実効の上がるようにわれわれ努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
  165. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その実行を私はぜひ期待をいたしますが、特に一点、念を押しておきたいのは、政府が直接行政指導し得る部分と、それから公団にやらせなければならない部分とある、こうおっしゃいました。それが実は隠れみのになって、わずかな出資金で、また、先ほど言いましたように第六、第七、第八の住宅公団がつくられるようになったら何にもならないので、これはやはり国のきちっとした政策方針としてそうならないような歯どめをどこかでかける必要がある、このことだけははっきりしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  166. 渡辺栄一

    渡辺国務大臣 それはいま、精神として私は申し上げておいたわけですが、現実に制度的にできないことをお約束いたしましても、それは誠意のある答えにならぬのでありますから、私は精神を申し上げましたので、そういう問題につきましては検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  167. 北側義一

    北側委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十八分散会