○宮崎
正義君
大臣は非常に正直な面がおありだということで、私はずいぶん前には尊敬しておりました。先ほどの同僚
委員の
質問等を伺っておりましたけれ
ども、そのことで少しこれは
考えを改めなきゃならないのかなと思われる点が出てきたわけです。
と申し上げますのは、前の話でございますけれ
ども、これは四十五年の十二月の十五日の参議院の農水の
委員会でございました。そのときに
農林大臣として、これは農薬問題、農薬の取締法の問題を審議している、その
大臣の御
答弁、この御
答弁読んでみますと、当時私の
質問に
お答えしている。全く正直なことをおっしゃられておる。その要点だけちょっちょっと拾って読んでみますと、「私は化学工業会社の社員でありましたけれ
ども、これは何であろうか、こんなもので」
——これはDDTの問題であります。DDTがいかに恐ろしいものであるか、BHCという問題、両方取り上げたときのことなんでありますが、「こんなもので消毒ができるならば、これはいい金もうけになるなと思っておりました。やがて東京にたどりついて、私のつとめておりました会社はソーダ会社でありますので、DDTを大量に製造いたしまして、つい最近までやりました。しかし、そのころは化学のほうをやった技師がたくさんおったのでありますけれ
ども、このDDTについて、いまほどの毒性についてだれも何とも言いませんでした。ところが最近になって、たとえば、大掃除なんていうときに区役所は畳を外へ干して、今度は入れるときには
新聞紙を敷いて、DDTをまけということを長い間教えておりまして、だれもふしぎに思いませんでした。私
どもはそういうことを
考えてみますと、われわれの知恵が足りなかったのかもしれませんし、そういう点は不勉強であったのかもしれませんが、そういうことで、残念ながら、ことにわれわれは化学的にはしろうとでございまするので、いま一つDDTの例を申し上げましたけれ
ども、諸般の問題にやっぱりそういうところがあったと思います。」、ずっとこう続きますけれ
ども、省略しますけれ
ども、これ何かと言いますと、四十一年のあれは三月の十六日の日に、
予算委員会で私が農薬の問題を取り上げました。このときに
指摘しておりましたものが、五年後にDDTの取り締まりの問題が出て法律の一部改正があったわけでございますが、このときの御
答弁なんです。その前には、復員してきたらアメリカ軍に頭からそのDDTをかぶせられていた、それもあたりまえのことだと思っていた、こういうふうに率直に
答弁なさっておられた。その正直な
大臣の
答弁で、私はそれほどに農薬というものの害というものが恐ろしいものであるかということも知らなかった、初めて今回は知ったという率直なことをおっしゃっておられます。これは法律によって取り締まることができました。
ところが、今回の問題というのはこれから尾を引く問題だと思います。と申し上げますのは、先ほどの例の四十三年の衆議院の
予算委員会の問題も、私も同じように取り上げようと思っておりました。寺田
委員の方から
質問がありましたから、これは私はやめますけれ
ども、いずれにしましても、今回のあのいままでのやりとりから伺ってみますと、まことに率直といいますか、そういうものが御
答弁の中にうかがわれていないというようなことを非常に残念に思うわけなんです。こういうことから
考えまして、
大臣の
発言というものは重大なことが将来も残されているんだということであります。ですから、それについては将来はそういうことは慎んでやらないというような御
答弁でありますけれ
ども、ともあれ
個人的感情と言われても、またその
真意を
報道関係は
誤解をしているとかいうようなことを必ず言われるわけです。四十三年のときにもこういうふうにおっしゃっております。「ただいまお読み聞けの中には、だいぶ誇張と粉飾があるようでありまして、私の
真意を伝えておりません。」このように「
真意を伝えておりません。」ということを言っております。それから今回の場合も同じことをやはりおっしゃっているわけですね。
〔
理事上田稔君退席、
委員長着席〕
「初
閣議後の
記者会見の際、
ロッキード公判に関する私の
感想を求められ述べたことについて、一部の
報道には私の
真意を伝えていないと思われる」、この「私の
真意を伝えていないと思われる」ということは、前のときも、四十三年の問題のときにも
真意を伝えていない、今度も
真意を伝えていないと言って、
報道関係が勝手に書き立てたんだと言わんばかりの
真意を伝えていないということを言われているんです。これは
報道関係の
方々だって黙っちゃいないと思うんですが、こういうことをおっしゃっておられる。この点についても正直さが疑われるということなんですが、こういう点についてどうなんでしょうか。