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1979-10-11 第88回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年十月十一日(木曜日)    午前十時三分開会     —————————————    委員異動  十月五日     辞任         補欠選任      阿部 憲一君     田代富士男君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         三木 忠雄君     理 事                 安田 隆明君                 広田 幸一君                 太田 淳夫君     委 員                 井上 吉夫君                 伊江 朝雄君                 長田 裕二君                 高平 公友君                 山本 富雄君                 青木 薪次君                 穐山  篤君                 瀬谷 英行君                 田代富士男君                 内藤  功君                 柳澤 錬造君                 山田  勇君    国務大臣        運 輸 大 臣  森山 欽司君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        内閣官房副長官  加藤 紘一君        行政管理庁行政        管理局審議官   門田 英郎君        法務省刑事局刑        事課長      根來 泰周君        大蔵大臣官房長  松下 康雄君        大蔵省主計局次        長        西垣  昭君        国税庁税部長  矢島錦一郎君        国税庁徴収部長  田中 哲男君        運輸省鉄道監督        局長       山地  進君        会計検査院事務        総局次長     松尾恭一郎君        会計検査院事務        総局第五局長   小野光次郎君    参考人        日本鉄道建設公        団総裁      川島 廣守君        日本鉄道建設公        団理事      隅  健三君        日本鉄道建設公        団理事      森谷  要君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (日本鉄道建設公団経理問題等に関する件)     —————————————
  2. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る五日、阿部憲一君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。     —————————————
  3. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会日本鉄道建設公団役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、日本鉄道建設公団経理問題等について調査を行います。  まず、森山運輸大臣から、本件について報告を求めます。森山運輸大臣
  6. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) まず冒頭に、先般、総選挙中の運輸委員会出席しなかったことにつきましておしかりをいただきまして、まことに恐縮に存じております。謹んでおわびを申し上げます。  総選挙中のことでございまして、自民党の方針として、閣僚委員会出席しなくてもよいとのことでありましたので、党の方針に従って遊説に出かけた次第でございまして、お許しを願いたい、御了解を願いたいと思う次第でございます。  次に、日本鉄道建設公団不正経理問題につきまして、現段階における御報告を申し上げたいと思います。  本問題につきましては、会計検査院もいまだ検査の途上であり、かつ同公団におきましても精査中でありますので、現時点において必ずしもその全貌が明らかになってはおりませんが、会計検査院並びに公団のおおよその中間報告によりますと、まことに遺憾ながら、多額のカラ出張が広範にわたり行われていた事実が判明をいたしました。  監督官庁として、今回の事件について、迅速、適確に対処する必要上、会計検査院に対し非公式に金額等問い合わせをいたしましたところ、目下精査中であり、最終的に金額は確定はしてはおりませんが、会計検査対象個所合計で約二億七千三百万円程度になるとの回答を得ております。また、公団調査結果につきましても、同じく精査中であり、その内容について会計検査院報告し、検査院からの質問を受けている段階と聞いておりますが、金額はおおむね一億二千二百万円程度報告を受けております。両者を合計いたしますと、カラ出張総額は三億九千五百万円程度になるものと思われます。  いずれにいたしましても、理由のいかんを問わず、正規の手続によらずカラ出張という不正な手段によって資金を捻出していたことは許されるべきことではありません。今後、かかる不正な行為の絶滅を図るため、綱紀の粛正と公団内部管理体制充実に万全を期する所存であります。また、すでに不正に使用された金銭措置につきましては、会計検査院及び公団において現在調査中でありますので、その結果を待って対処をいたしたいと考えております。  また、国家公務員の水準を上回る特別手当の取り扱いにつきましては、現在、閣僚会議の場において検討中でありますが、私見といたしましては、役員及び管理職にある者につきましては、月額給与を含め国家公務員と同じ方式に改定することとしたいと考えております。さらに公団役員特別手当及び退職金支給に当たりましては、経営意識の高揚を図るため、勤務状況を勘案し、その支給額の増減が図れるようにしたいと考えています。  また、予算につきましては、従来の積算内容等について再検討を加えることはもとよりでありますが、執行の面につきましても厳正にすべきものは厳正にし、弾力的に運用すべきものは弾力的に運用する等、必要な手続適確に講ずるよう指導を徹底してまいる所存であります。  なお、今回の事件にかんがみまして、運輸省といたしましては、大臣官房運輸調査官制度を設け、公団等給与制度その他の内部管理に関する調査をさせておりますことはすでに御報告したとおりであります。  今回の不祥事を起こしたことに対し、総裁を含む関係役員から進退伺いがありましたが、速やかに事実関係を明らかにし、今後の適切な対応策を樹立するとともに、当面、工事の安全な遂行と事業の渋滞、混乱を避ける必要があると考え、一応これを預かっておりますが、会計検査院検査結果が判明するのを待って、できるだけ速やかに厳正な措置を講ずる所存であります。  いずれにいたしましても遺憾至極のことでございまして、国民の皆様に対し、申しわけないことであったと考えており、深くおわびを申し上げます。  以上、御報告を申し上げます。
  7. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 次に、会計検査院から、前回の報告に対する補足報告を求めます。会計検査院小野第五局長
  8. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 十月四日の運輸委員会におきまして、今回の鉄道建設公団に関する検査の概況を申し上げました。その際、特にカラ出張の問題に関しましては、検査内容計数等につきましては、事実の確認作業を行っている最中でございましたので、中間的にせよ報告できる段階ではないと申し上げた次第でございます。その後、事務総局におきましては、もう休日もすべて返上いたして出勤いたしまして、連日深夜まで事実の確認作業を行いまして、とりあえず、カラ出張により捻出いたしました金額の集計を一応終わりました。最終的な金額昭和五十三年度決算検査報告に掲載して報告するものでございますが、今回の事態にかんがみまして、現在までの検査で解明し得た内容報告さしていただきます。  検査を実施いたしましたのは日本鉄道建設公団本社東京新潟新幹線建設局名古屋盛岡支社及び青函建設局で、検査の結果判明いたしましたいわゆるカラ出張による不正経理総額は、五十三年度二億一千六百万余円及び五十四年度五千六百万余円、計二億七千三百万余円でございまして、この使途について見ますと、職員個人支給したものが五十三年度一億四千七百万余円、五十四年度三千九百万余円、計一億八千七百万余円。雑費的なものが五十三年度六千八百万余円、五十四年度千七百万余円、計八千五百万余円となっております。  ただいま申し上げました使途のうち、特に雑費的なものに充てたものの具体的使途金額につきましては、現段階ではなかなか申し上げるところまでは至っていない状況でございますが、その使途を大別いたしますと、会議費的なもの、交際費的なもの、事務庁費物件費等の雑支出的なものに分けられます。また、使途確認が困難なものも現在まだございます。  なお、賞与上積み分につきましては、去る四日の当委員会報告いたしましたとおりでございます。  以上簡単でございますが、追加説明を終わらしていただきます。
  9. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 広田幸一

    広田幸一君 まず最初に会計検査院お尋ねをするんですけれども、いま、大臣とそれから検査院の方から報告があったんですが、今日、現状の鉄建公団不正経理内容説明がいまあったんですが、もっと私は中身を質問をしたいと思うんです。これは五十三年と五十四年となっておりますが、五十三年以前のものはどうなっておるかということが一つ。それからこのカラ出張の、いま個所別報告があったんですけれども個所別にどういうふうにして処理されておるか、職員支給分雑費の別に分けて簡潔に御報告願いたいと思います。  それからもう一つ、いま大臣の方からの報告では、会計検査院の方の報告では二億七千余万円、それから公団の方の報告では一億二千余万円、合計すると三億九千万円という報告大臣の方からあったんですけれども会計検査院の方は二億七千万円になって、そこに約一億二千万円余の差があるわけですが、それはどういうふうになっているのか。含まれておるのか、列外なのか、その辺を御回答願いたいと思います。
  11. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) まず、五十三年度以前の分について検査できなかったことについて申し上げます。五十三年度分の検査につきましても、このカラ出張経理が非常に複雑になっておりまして、現在解明できない分があると申し上げますのは、証拠書類もすでにないものがあるので、非常に私ども作業に難渋をしている次第でございます。  そこで、五十二年度分にさかのぼって見ますと、さらに古いことでございますので、とうてい現段階調査では無理であると判断いたしまして、とりあえず五十三年度以降の検査に私ども徹したわけでございます。  それから最後に御質問のございました、大臣報告された数字との相違でございますが、これは御報告にございましたように、公団自身が御調査された分が含まれておりますので、私どもの申し上げた金額は、会計検査院確認した金額だけでございますので、開差が出るわけでございます。  それでは、内容について申し上げますと、ただいま調査の進捗につきましては、実地検査で持ち帰りました非常に膨大な資料を解明、分析、検討している最中でございます。そこで、昨日までに解明した結果、集計いたしました金額について先ほど申し上げたわけでございますので、まだ内容についても若干変動するおそれがあると思いますが、とりあえず現段階について御報告さしていただきます。  まず、部局的に申し上げますと、カラ出張金額は、公団本社は、五十三年度千六百六十万余円、五十四年度四百万余円、計二千六十万余円。東京新幹線建設局は、五十三年度六千三十万余円、五十四年度千五百万余円、計七千五百四十万余円。新潟新幹線建設局は、五十三年度八千七百八十万余円、五十四年度二千五百四十万余円、計一億一千三百二十万余円。盛岡支社は、五十三年度千二十万余円、五十四年度百二十万余円、計千百四十万余円。名古屋支社は、五十三年度二千八百五十万余円、五十四年度四百四十万余円、計三千三百万余円。青函建設局は、五十三年度千三百十万余円、五十四年度六百四十万余円、計千九百五十万余円となっております。  この旅費を不正に経理いたしましたものの使途については、大別いたしますと、先ほど申し上げましたように、一つ超過勤務手当上積みと称しまして職員個人に支払ったという事態であり、もう一つ雑費的に充てたものでございます。  これを部局的に申し上げますと、本社はすべて雑費でございます。  東京新幹線建設局は、職員支給したもの、五十三年度四千二百十万余円、五十四年度千二百二十万余円、計五千四百三十万余円。雑費的なもの、五十三年度千八百二十万余円、五十四年度二百七十万余円、計二千百万余円。  新潟新幹線建設局は、職員支給しましたもの、五十三年度八千六十万余円、五十四年度二千三百七十万余円、計一億四百三十万余円。雑費的なもの、五十三年度七百十万余円、五十四年度百六十万余円、計八百八十万余円。  盛岡支社は、職員支給が五十三年度百四十万余円、五十四年度二十万余円、計百七十万余円。雑費的なものが五十三年度八百七十万余円、五十四年度百万余円、計九百七十万余円。  名古屋支社は、職員支給が五十三年度二千三百五十万余円、五十四年度三百三十万余円、計二千六百九十万余円。雑費的なものが五十三年度五百万余円、五十四年度百十万余円、計六百十万余円。  青函建設局は、職員支給は全くございません。そして雑費的なものは、五十三年度千三百十万余円、五十四年度六百四十万余円、計千九百五十万余円。  合計いたしますと、職員個人支給いたしましたものが五十三年度一億四千七百八十万余円、五十四年度三千九百五十万余円、計一億八千七百三十万余円。雑費的なものが五十三年度六千八百九十万余円、五十四年度千七百万余円、計八千五百九十万余円となっております。  なお、ただいま申し上げました使途のうち、特に雑費的なものに充当したものにつきましては、いまだ確認困難な面も多々ございますので、具体的な使途金額につきましては、現段階では申し上げるところまでに至っていない状況でございます。何とぞそれを御了承いただきたいと思います。
  12. 広田幸一

    広田幸一君 もう一度確認をしますが、先ほど申し上げました公団の方の調査による一億二千余万円と検査院の方の二億七千余万円、これは重複しておる面があるかないかということですが、いまの報告によると別個だということでありますが、あわせまして、不正処理によるものが三億九千余万円あると、こういうふうに確認をしていいかどうかという問題が一つ。  それから、この雑費使用内容が、使途がまだ不明なものがあると、それは裏づけになる書類が整っていないからということでありますが、新聞等で知るところによると、会計検査院としては、公団側の非協力がある、関係書類を十分出してこないと、隠しておると、廃棄しておると、そういうふうなことが言われておりますが、そういうために使途がいまだわからないと、こういうことであって、積極的に公団の方がそういう関係書類を出してくれば早くそういう不明なものがわかると、こういうふうに理解してよろしいか。  それから雑費内容でございますが、いまの御説明によりますと、交際費、それから会議費、こういうようなものでありますし、なおわかりにくいものがあるということでありますが、世上言われておるところの政治家に対する資金、たとえば政治家が励ます会等をやる、そういった会に出ておるというようなことがあるかないか。その問題と、それから接待費交際費でありますが、どういうところに主体を置いて使われておるのか。たとえば、新聞等の報ずるところによると、大蔵省役人とやっておるとか、あるいは運輸省役人と一緒に飲み食いやっておるとか、こういうようなことが出ておりますが、そういう接待費会議費がどこを主体にして使われておるか、それをお聞かせ願いたい。  時間がありませんから、簡明にひとつ答弁願いたい。
  13. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) まず、公団検査院検査対象が違いますので、全く重複しておりません。別個でございます。  それから、非協力ということでございますが、これは現段階においては非常に協力していただいているんでございますけれども、五十三年度の前半あたり証拠書類におきまして、すでにおやめになった方が経理を担当していたというようなものが、どうしてもその証拠書類が、その方がおやめになるときに廃棄してしまったというような事情があるんでございます。そこで、その点について、原本がないもんでございますから、私どもなかなか確認し得ない状況でございまして、現段階では非常に協力していただいているという報告を受けております。  それから、その次の励ます会への使途でございますが、これは一部あるんではないかという報告を受けておりますが、ただいま、雑費的なものについては全部もう一度使途不明も含めて洗い直しております。ただ、またたとえば料亭等においての使用いたしましたものにつきましても、裏経理のことでございますので、だれが使ったかということは全く書いてございませんので、私どもの方としては確認のしようがないという段階でございます。  以上、御報告申し上げます。
  14. 広田幸一

    広田幸一君 わかりました。  雑費使途の不明なものについては、いまおっしゃったようなことでわかりにくいということでありますが、政治家に対してパーティー券購入等については、あったように聞いておるということでありますね。これは、将来調査をする段階で明らかになってくる可能性もあると、こういうふうに理解をいたします。  次は、運輸大臣質問いたしますが、私は、今回の鉄建公団不正経理事件というのは、御案内のように相当長期間にわたって、しかも組織的にやられておった。で、今回のこの事件が明るみに出たのは、会計検査院が、しかも内部告発によって検査をしてわかったと、こういう形態のものでありますね。ですから、もしもそういう内部告発というものがなかったならば、こうした不正事件は、経理不正処理というものはさらに続いておったというふうに予測しても差し支えないんではないか。  そこで私は、こういう長期にわたってしかも組織的にやられたことが、監督官庁である運輸省として今日までわからなかったということはどうしても理解できない。私は、これは監督上の責任として大変大きな問題だと思うんですが、この点について、運輸大臣はその責任をどういうふうにお感じになっていらっしゃるかということが一つ。それから問題は、なぜこのようなことが起こるのか、そういう体質が私はあると思うんですが、そこらの原因は一体どこにあるかということを、大臣としては、あれ以来すでに一カ月たっておるわけですから、すでに調査をされておると思いますが、その二点について御答弁を願いたい。
  15. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) カラ出張等については、先ほども申し上げましたように、いかなる理由があるといえ、架空の名目で支出した金銭を他の目的に使用することはとうてい許さるべきものではありませんから、会計検査院検査結果を待って厳正に措置をいたしたいと思っております。  監督官庁である運輸省がこの事実をわからなかった、慣行的に長年行われていたということにつきましては、公団法に基づいて決算関係報告書の審査は行ってはおりますが、その決算書類の背後にある事実関係にまで一つ一つ立ち入った調査を行うことは事実上困難でありましたので、遺憾ながら今回の事件も全く承知しておらなかったというのが実情であろうと思います。極力事実関係についても今後は調査するように努めたいと思いますが、運輸省といたしましても、監督官庁として当然責任のあるところでありますから、会計検査院検査結果が出された時点で、従前の例にとらわれず厳正な措置を講じてまいる所存でございます。
  16. 広田幸一

    広田幸一君 私は、いまの大臣答弁は少し抽象的でわかりにくいんですよ。それで私は、もう少しやっぱり監督上の責任があると思いますので、私がいままでいろいろと調査をした段階では、まず一つ問題があると思いますのは、公団内部監査体制に問題がある。  会計検査院は、五十三年度の場合、国鉄と鉄建公団の予算総額合わせても一兆五千億円、それを、聞くところによるとわずか三十人ぐらいの人間でもって検査をするわけですから、十分なことができないと思うんです。その人員の多い、少ないの問題は別のサイドでまた話をするとしまして、なかなか会計検査院もそう全部に目が届かない。特に工事主体というものを対象検査をされておるように聞いておるわけです。ですから、こういう一般の経理上の旅費の問題とかいわゆる上積みやみ賞与とか言われるようなところまでなかなか手が届かないというのが実態だろうと思うんです。  とすれば、内部監査というのがもっと徹底をしておれば、このような事件長期にわたって組織ぐるみになされるということは私はないと思うんですが、しかもこの会計監査監事というのは、総裁と同じように大臣が任命をする。それだけ重要なポストとして認識をされて監事の職があると思うんですが、私はここらに内部監査が本当に目を光らせて見ておったならば、すでにこのようなことはわかっていなければならないと思うんです。それが今日まで長い間表に出なかったというのは、私は会計監査内部監査体制というものと公団との間が非常に癒着しておった。極端に言えば、そこまでこんなことが何年間もわからなかったというようなそんな監査があるものか。私は、国民の皆さんは本当に怒りをもって見ておると思うんですよ、なれ合いであったと。  私はそういうふうに内部監査体制そのものに問題があったというふうに理解をしますが、監督上の立場にある大臣としてはどのように判断をされますか。また、総裁はどういうふうにこの問題を判断をされますか。簡潔に答弁願いたい。
  17. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 全く同感であります。
  18. 川島廣守

    参考人川島廣守君) お答えを申し上げます前に、このたびのような不祥事を引き起こしましたことにつきまして、深く責任を痛感し、心からおわびを申し上げます。(「声が小さい、聞こえない」と呼ぶ者あり)お答えを申し上げます前に、このたびのような不祥事を引き起こしましたことにつきまして、深く責任を痛感し、心からおわびを申し上げる次第でございます。  ただいまのお尋ねでございますが、現在、公団監査体制は、監事のほか監査室長を含めまして六名の人員内部監査を実施している次第でございます。監査は、各事業年度決算確認を最重点として、春秋二回行っておるわけでございますが、先ほどのお話にもございましたように、建設工事主体でございまするので、監査重点は主として工事の契約、あるいは工事代金の支払い、あるいは用地の取得事務関係重点が注がれてきたのが在来の経緯でございまして、ただ、今回の問題の発端になりました旅費等につきましても、一応毎回検査はいたしておるわけでございますけれども監査の期間でございますとか、あるいは要員等関係で、立ち入った調査をしてこなかったということは御指摘のとおりでございます。  そういう意味合いにおいて、先般大臣からも厳しく内部監査体制充実につきまして御指示をいただきましたので、目下内部組織、運営の両面にわたって改善策を考えてまいりたい、そういうふうにいま考えておる次第でございます。
  19. 広田幸一

    広田幸一君 事件が起こってからどんなに監査体制を強化したって、私は問題にならない。いま大臣が全くそのとおりであると、私は本当に正直に答弁されたと思います。  もっと私は突っ込んで言いたいこともあるわけです。ここに持っております資料の中には、この十年間、鉄建公団監事というのは、会計検査院の事務総長、事務次長をやった、そういうれっきとした肩書きを持っていらっしゃる人が監事になっておるわけでありますね。こういう特殊法人というものは、厳重に管理をし、監査をしてもらわなければいけないということで、大臣の任命事項にもなっておるわけであります。そういう人が監事にありながら、このような公費が不正に、しかも長期間にわたって組織的に行われるというようなことは全く国民として納得できないと思うんですよ。  それから、さらに私は大臣質問をいたしますが、公団運輸省関係です。  大臣運輸大臣に就任なさったときに、ちょうどロッキード事件の後の時期であったのでありますが、大臣は、運輸省内部の民主化を図っていかなければならないいろんな体質があると、これを改善をしていかなければならないということをはっきりおっしゃった。そして、人事の問題についても触れておられた。森山運輸大臣はやるだろうということが国民の皆さんから期待されておったんですよ。ところがこのような事態になったわけです。  私が調べたところによりますと、運輸省から、一たん運輸省やめ公団に行っておる役職員がかなりおるわけでありますね、ここに資料もらっておりますが、また復帰したというものはありますが。そういった人たちはかなり重要なポストについておるわけです。たとえば、公団本社経理部長についておるような人もあるわけですね。運輸省関係のそういった中堅幹部の人たちが公団に出向しておる。その人たちがこういうような公費の乱費を知らないわけはないと思うんですよ。私は、そういうところに公団運輸省とのなれ合い、そういうものがある、そういうものがなれ合ってこのような不正事件長期間にわたって組織的にやられたと思うんですが、大臣はその点についてはどういう見解をお持ちでありますか、率直に御答弁願いたい。
  20. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ただいま御質疑がございました。役所の出身者が公団の幹部になったから癒着をしたというような御趣旨に承りましたが、一概にそういうふうに言えるかどうかは、そこまでは私の立場としては考えたくないという気持ちでございます。しかし、結果的にこういう事態が出てまいりますれば、責任は負わなければなりません。ですから、今回のことを教訓といたしまして、十分ただいまの御質疑の趣旨というものを私の方はかみしめてこれからやっていかにゃならぬ、こういうふうに考えております。
  21. 広田幸一

    広田幸一君 結局、大臣、そうしますと、今後こういう事態を防止するためにはどういうふうにすればいいのか。私は綱紀粛正というようなことを百万遍言ってみたところで、そういう体質を直さなければ、公費を乱費してそれに罪悪を感じないようなことでは、こういった事件は巧みに今後も行われる可能性がある、そういうふうに思うんですが、具体的にこういう事態を防止するためにはどういうふうにしたらいいのか。大臣も、この一カ月間いろいろと苦心をされておると思うんですが、あなたの見解をお聞かせいただきたい。
  22. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 大変むずかしい御質疑だと思います。あなたのおっしゃるとおりだとも言いたい気持ちもございますし、果たしてそれだけかという気持ちもあります。  いま運輸省の点をおっしゃいましたけれども、たとえば、経理担当の理事は大蔵省から来ておりますし、監事会計検査院のベテランがお見えになっておるわけでございますから、私どもはやはりそういう方々を信用するほかないということでございまして、結局、一人一人の理事者の自覚というものを振起する、ふるい起こすということが大事なのではないかと思います。一概に、運輸省から行ったらどうの、会計検査院から行ったらどうか、大蔵省から行ったらどうかということだけではないのではないでしょうか。  しかし、御説の点は私もいろいろ考えていることでございます。どうかひとつ、その辺の現段階における私の心境について御推察を賜ればと思っておる次第でございます。
  23. 広田幸一

    広田幸一君 役職員の給与について公団総裁お尋ねをします。  問題のいわゆるやみ賞与上積み分でございますね。これはどういう原資を使って、財源を使って、それぞれに給付されたのか。しかもその給付は、私は、これは公団法三十三条によって当然大臣の承認を得なければならない、大臣報告をして支給すべきものである、こういうふうに解釈するのでありますが、どのような財源でこれをやったのか。そして大臣報告したのかどうなのか。その点を簡明に御答弁願いたい。
  24. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまお尋ねやみ賞与の問題でございますが、五十三年度の特別手当国家公務員を上回る部分の総額は、全体で八億一千四百万円に上っております。なお、このボーナスを支給いたしますときに同時に支給いたしました超過勤務手当総額は、二億三千六百万円でございます。  したがいまして、いま申しましたその水準を上回ります部分の八億一千四百万円の財源でございますが、これは法定福利費等でございまして、いわゆる役員役職員の給与の中で、実際の実行額が予算額を下回ったその経費から移流用をいたしまして支払いをいたしたわけでございます。超過勤務手当につきましては、予算の範囲内でそのとおり支給をいたしましたわけでございまして、したがいまして、予算総則上の規定並びに公団法の施行規則の上から考えましても、一応、公団の独自の判断にゆだねられておるというふうにわれわれは今日まで考えてまいったわけでございます。  ただ、現在、昨今の厳しい情勢から考えてみますれば、いま申しましたような判断がきわめて甘い認識であったということをいま深く考えておりまするけれども、そういうようなイメージでございましたので、大臣には報告しないで支払いをしてまいった経緯でございます。
  25. 広田幸一

    広田幸一君 総裁大臣報告しなかったということは間違いであったか間違いでなかったかというところを明確に答弁を願いたいと思うんです。  それから、関連をして大蔵省質問いたしますが、大蔵省は、このやみ賞与と言われるいわゆる上積み分については、事前に知っておったかどうか。それから、大蔵省の考え方としては、そういう上積み分というものの支給は正しいか正しくないか、そこらのことですね。  それからもう一つ総裁質問しますが、いまおっしゃった財源でありますが、私の聞いておるところによると、予算上の人員数とそれから実人員の間に、約百数十名の差があったと、それの給与とかいろんな金がそちらの方に回されたというふうに聞いておりますが、そのようなことがあったかなかったか。  以上、簡潔に御答弁願いたい。
  26. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 最初のお尋ねでございますが、先ほど御回答申し上げましたように、一応役職員給与の中で移流用したというふうにいたしたわけでございまするので、形式的には大臣報告する必要はないというふうに考えておりますが、これは、今後また運輸省の方の御指導をまって考えてまいりたいと思います。  それから第二のお尋ねの予算定員と実人員との差から回したのではないかというお話でございますが、さようなことはございません。実際問題として、予算定員と実人員との差は、五十三年度で申しますと、年初八十数名でございますが、平均しますと大体百四十名くらいの差がございます。その人員差によります金額は、大体年間で四億四千万程度になっておりますが、そのうちの一億三千万はいわゆるベースアップの割りに充当いたし、残りの三億一千万程度は、人員が大体国鉄の方の専門家を、途中採用者を迎えまするので、単価が違うものでございますから、そちらの方に充当したのが実情でございまして、このやみ賞与の方には、いま申しましたように回しておりません。
  27. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 第一に、大蔵省はそのような特別給与の上積みを知っておったかどうかという点でございますが、私ども、この事件が起こりまして実はびっくりしている次第でございまして、知っておりませんでした。  と申しますのは、公団等の給与につきましては、給与基準を主務大臣が承認される際に大蔵省に協議がございまして、この基準の中身についてはもちろん承知しておりますけれども、特別給につきましては公務員に準じてという規定になっておりまして、この公務員に準じてということでやっておられます限りはそれ以上のことはわからないわけでございます。私どもといたしましては、公務員に準じてということでございまして、予算の積算といたしましては四・九カ月分ということで計上しているわけでございます。それが第一に対するお答えでございます。  それから、このような上積みが正しいかどうかという点につきましては、私どもといたしましては、公団等の公共的性格から言いまして、公務員に準ずるということにいたしておりますので、公務員に準ずる範囲を逸脱しておりますれば、これは正しくないんではないか。で、今回のように多額のものが出るということについては、相当問題があるんではないかなというふうに思っております。  以上でございます。
  28. 青木薪次

    ○青木薪次君 関連。  いま主計局次長は、実はこのやみ賞与といわれる期末手当の上積み分関係について、報告を受けてびっくりしたという表現をされたわけでありますが、きのうの新聞によりますれば、「日本鉄道建設公団など公社・公団の「カラ出張」と並んで「ヤミ賞与」が世論の批判を浴びているが、これまでは「まったく知らなかったこと」と主張してきた大蔵省が、実は公社・公団の「ヤミ賞与」作りに加担していた疑いが出てきた。公社・公団の元総務担当理事等が明らかにしたもので、元理事らの証言によると毎年、賞与支給時期になると「ヤミ賞与」の支給率、原資などについて情報交換を行うため公社・公団の総務担当役員による会議が開かれるが、この会合には大蔵省の給与課長が出席するのが慣例になっている」ということが出ているわけであります。  このことは、百十一もある特殊法人の関係等について大蔵省が知らないわけはないということでありますけれども、それらの点についてどう考えますか。
  29. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 昨日の新聞にそのような報道が行われていたようでございますけれども、これは事実に反するものでございます。政法連という会合がございまして、これは特殊法人の理事の方々が構成しておられる会合でございますが、現在四十三法人が加盟しておられる会合でございます。で、ここでは毎月一回定例集会を開いておりまして、この集会には、大蔵省の給与課長にも他省の関係職員とともに出席依頼がございまして、日程上支障がない限りは出席しているということは事実でございます。  ただ、この定例集会と申しますのは、特殊法人と政府側との情報交換の場というよりは、むしろ政法連の要請で、たとえば最近の労働情勢はどうであるかというようなテーマにつきまして政府側から御説明をするというような会合でございまして、ここで具体的な、賞与をどうするかというふうなことが相談される場ではないんでございます。そういった意味で、そういった会合で賞与をどうするかというような相談が行われ、給与課長がそれに参加して意見を申し述べ、暗黙の了解を与えたというようなことは全く事実に反します。逆に私どもといたしましては、特別賞与支給につきましては厳正にやってもらいたいということを、機会あるごとに申し上げているところでございまして、その点は誤解ないようにひとつ御理解いただきたいと思います。
  30. 青木薪次

    ○青木薪次君 全く大蔵省は関知しなかったと言うけれども、これだけの、いまあなたの説明によれば、四十幾つの特殊法人の会合に招かれて、いわゆる期末手当の上積み分支給する会合に出席した覚えはない、また関与してないということでありますがね、私は別に、その期末手当の上積み分と言われるものが、単なるやみ賞与という関係でいろいろやり玉に挙げられているけれども、特殊法人、特にこれは労働三法の適用の組合ですから、理事者側と組合と団体交渉やって、その金がどこから出るかという問題は全く理事者側の責任ですから、これは別にそのこと自体何も非難さるべきものはないわけですよ。  問題は、非常に忙しかったから、ひとつ期末手当を上積みしてやるんだとかなんとかということが恩恵的に出されるということについて、これがどういう立場から出されるかという点については、公団側としては大蔵省のいわゆる意向というものについては、これは聞かないわけがないと思う。また、大蔵省がこれだけ莫大な上積み分について知らないということについては、国民を説得する迫力に欠けている、こう思うんでありますけれども、次長、どう考えますか。
  31. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) いま、大蔵省の意向ということで御質問がございましたので、ちょっと私どもの考え方を申し上げさせていただきますと、特殊法人につきまして、労働三法の適用がございまして、給与、賞与の問題につきまして、経営者側と職員との間で団体交渉で取り決められるというたてまえになっていることは事実でございますが、同時に、公団等の法人は、それぞれ公共的な目的を持って設立された法人でございまして、やはり国民が納得するような水準、仕組みでなくちゃならないということで、主務大臣の承認を受けるということになっておりますし、主務大臣が承認をなさいますときには大蔵省に協議があるということで、私どもそういった形で関与しているわけです。  私どもの考え方といたしましては、先ほども申し上げましたように、そういった公団等の公共的な性格にかんがみまして、公務員に準拠するのが最も正しいということで、先ほども申し上げましたように、予算積算に当たりましても、特別給につきましては、公務員と同じ四・九カ月ということで計上しておりますし、機会あるごとに、これは労使交渉でお決めになることではございますけれども、公務員に準じてということでやらなければ国民の御理解が得られないんじゃないかということでお願いしているところでございまして、私どもといたしましては、何とかそういった方向で、労働三法の適用はございますけれども職員の方にも納得してもらっていただきたいというふうなことをお願いしているところでございます。
  32. 広田幸一

    広田幸一君 いまの問題に関連をして、会計検査院お尋ねをしますが、やみ賞与と言われる上積み分に対する問題があるかないか、そういう判断ですね、これはもうすでにやっておられるのか、いいか悪いか、そういうことを御答弁願いたい。  それから公団総裁に対しては、総裁答弁、私、まことに歯切れ悪かったと思うんですよ。やっぱりこれは三十三条によって、大臣報告すべきことでありますし、大蔵省はそれによって協議するということになっているわけですから、そうなっておればこのようなことはなかったと思いますし、問題は、隠そう隠そうとするから問題があるわけです。上積みをしなければならないという事情があれば、正式なルートをとって大臣報告し、要請をするとか、そういうことをしないで、隠そう隠そうとしたところにこのような問題が、国民の皆さんが疑惑を持つものがあると思うんですよ。私は、そういう体質が、今日のこの公社、公団の予算の運用の面にあると、こういうふうに判断をします。  将来の問題として、私は、国民の血税が筋の通らない形で使われることについては、全く遺憾だと思います。会計検査院の方から御答弁願います。
  33. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 先ほど大蔵省から御説明ございましたように、公団の給与規程を見ますと、期末手当及び勤勉手当は、国家公務員に準じて公団において定める一定の割合をもって算定することとなっております。さらに予算総則によれば、役職員給与につきましては、予算の範囲内であっても、給与の基準を超えてみだりに支給してはならないと定められてございます。したがって、公団職員の給与については、運輸大臣の承認を得た基準に従って支給されなければならないという制約がございます。それからまた、予算の上でも当然制約がございます。  ただ、私どもといたしましては、公団は国と違いまして、労働三権に基づく労使間の取り決めができるというたてまえがございますので、これが公団法や予算上の制約との関係についてどういう絡みがあるか、これについて、現在検討中でございますので、結論は差し控えさしていただきたいと思います。
  34. 広田幸一

    広田幸一君 私は、最後に政府側に質問をいたしたいと思います。  田中官房長官の出席を求めたのでありますが、かわりの方はどなたか出ておられますか。
  35. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 官房副長官です。
  36. 広田幸一

    広田幸一君 私は、今回のこの鉄建公団の公費の乱費、経理不正事件というのは、こういったことは、たくさんの公社、公団がございますけれども、大なり小なりこういうことがあるではないかというふうに推測をせざるを得ないわけです。で、こういうようなことがなされやすいその体質というものがあると思うんです。  それは副長官も御承知のように、この公社、公団の予算承認というものは、国会の承認になっていないわけでありますね。なっていないというのは、公社、公団というのは一つ事業をやるわけですから、事業をやる場合には、あんまり国会の方のコントロールがあってはやりにくいと、いわゆる予算の運用について弾力性を求めるという意味で国会の議決を得ないようになっているというのが過去の例のように私は承知しているわけでありますね。ですから、その弾力性の運用という面で、こういうことが拡大解釈されて便乗されて、こういう事件が起こるわけですよ。  私はそういう弊害が、今日のこの公社、公団の予算の運用の面で、もう悪い事実としてこういうふうにあらわれたというふうに判断をするわけであります。特に公社、公団というのは事業をやっておりますから、事業をやればそこに利権が入ってくるわけですよね。そういうことがもういままで一般的に言われてきたわけです。そこにまた政治家の利権が入ってくるというようなことでありますね。  ですから私は、そういうシステムといいますか、予算の承認の形態というものを変えていかなければ、私はさっきから言っておりますけれども、いろんな制度をつくってみたところで、綱紀粛正を言って、人間がそういう精神的にこうなるんだと、ならなければならないと言ったって、私はそういう弾力性を持ってやれるような、そういう予算の運用の面から私は問題があると思うんですけれども、政府としては、その点についてどういう見解を持っておられましょうか。今回の鉄建公団事件発生以来もう一カ月以上たっているわけですから、政府としての私は正しい御見解を承りたいと思います。
  37. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) 先生御指摘のように、公団事業団等の予算制度については、かねてより大きな議論があったことでございます。しかし、いま先生御質問の中に御指摘がありましたように、こういう機関の公共的性格から言えば、できる限り国会の御審議をお願いするのが筋であるという一方の要請と、また、一種の事業をやっておりますので、その能率性及び機動性からは、余りかたくに縛ったならば問題があって、かえって準公的機関として設置した目的が達せられないのではないかと、二律背反する二つの要請があろうかと考えております。  したがって、現在までのところ、全部が、すべてが国会の御審議の対象になっているというわけではございませんけれども、一応その公共性にかんがみまして、政府の出資、補助金等国の歳出となるもの及び財政投融資の対象となるものにつきましては、一般会計及び特別会計の予算総則または歳出予算の形で国会の議決対象になっておりますということは先生御承知のとおりでございます。また、財政法第二十八条の規定により、国の予算添付資料として主要法人の財務内容を国会に提出し、これを明らかにいたしております。  また、政府出資の割合が二分の一以上の法人または国庫補助対象等については、会計検査院検査を受けるべきこととされておりますので、検査報告として国会に提出いたしております。したがって、公団事業団等の業務内容及び会計については、これらの機会に国会の御審議が得られると思っておりますけれども、今後ともこういう現在行われております国会の議決対象及び御審議に当たる対象につきまして、できる限り資料を提出し、御要求があればその審議の場に供したいというふうに考えております。  そして、いずれにしましても、今度の問題が発生以来、総選挙等を通じて国民の皆さんからの強い御批判を政府としては十分に感じておりますので、できる限り国会の場で御審議願うような形にしてまいりたいと、こう考えている次第でございます。
  38. 広田幸一

    広田幸一君 私は、いま副長官がおっしゃったそういうこともわかるわけですけれども、やっぱり実際問題として、事業だから余り枠つけてはいけないというところにいわゆる便乗して、そこに悪いことが起こるんですよ。だから私は、私の考え方としては、国会の承認を得られる、たとえ時間がかかっても国会のコントロールを得るようなやっぱり議決の仕方をするのが正しいし、もうこの時点ではそういうふうに返していくべきであると、こういうふうに思っています。  そのことを、副長官、いますぐいい悪いということは御答弁にならぬと思うのですけれども、私はやっぱり税金が正しく使われるという意味では、できるだけ公開をすればいいんです。ベースアップの問題も、いわゆるやみ賞与の問題にしても、カラ出張の問題にしても、みんな公開にして、こういう金が要りますからどうしましょうというふうにやっておればこういうことは起きていかないわけですよ。隠そう隠そうとするから問題が起きておるわけでありますね。そういう意味では、私はやっぱりそういう国会の議決に持っていくことが正しいと、もうそういう時期に来ておるというふうに理解をするわけであります。  たとえば財政法三十二条では、各省庁の長は、歳出予算及び継続費については、各項に定める目的の外にこれを使用してはならないと、きちっとしてあるわけです。公団にはこうなっていないわけですよね。大臣の権限によってできるような、非常に幅が持たれておるわけです。ここに不正があり、利権が入り、政治が絡まってくるわけですよ。もうそういう時代は私は過ぎ去ったと思う。  そういう点についてもう一回、副長官の個人の見解でも結構ですから、将来を正しくするという意味において御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
  39. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) 御指摘の点、十分に貴重な御意見として承っておきたいと思います。そして、予算そのものを全部出さなくても、恐らくさっき言いましたように、政府出資及び財政投融資を各公社、公団に出資するという段階で、これは国民の血税及び国民からお預かりしているお金をそこに投入いたすわけですから、慎重な国会の御審議をこれまでも得てきたと思っておりますし、今後も得ることはできると考えておりますし、また各種資料等の御要求があれば、各主務大臣を通じて各政府関係機関に十分に出さしめるように、政府としても一層の努力をしたいと思っておりますが、先生御指摘の点については貫重な御議論として承っておきたいと、こう考えております。
  40. 穐山篤

    ○穐山篤君 最初、検査院の方にお伺いしますが、当委員会報告になりましたのは主としてカラ出張とそれから賞与の問題ですが、今回の調査対象になっておるのは、この問題を含めて、そのほかにどういう課題がありますか、まず最初にそれから伺います。
  41. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま公団検査重点的に進めておりますのは、この先ほど問題になった二点でございます。それからあと、一般的にこれは、ことしの検査でずうっと実行してまいりました、工事の計画、設計、積算、施工、これらについては、検査を担当しております鉄道検査第二課は、重要項目に挙げて重点的に検査をしておりますので、これらについて現在検討を加えている最中でございます。
  42. 穐山篤

    ○穐山篤君 たとえば入居ビルの問題だとか、それから、まあカラ出張に関連するんでしょうけれども使途不明金の問題などあるわけですよね。その点いかがですか。
  43. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 入居ビルの問題につきましては、これ、非常に古いことでございますが、私どもの方もできるだけ調査いたしましたが、ただ、特にこれは会計検査院としての、会計経理上の問題はないと判断いたしまして、調査はいたしておりません。  それから次に、使途不明金の問題でございますが、これはカラ出張から出した金の使途でございますので、現在徹底的に究明している最中でございます。
  44. 穐山篤

    ○穐山篤君 使途不明金について、領収書なりその他の書類を照合していると思いますけれども、最終的に検査院の務めとするならば、使途不明金がないように照合を終わりたいと、まあその気持ちはわかります。わかりますけれども、きょう報告されたこの二億七千三百万円の中で、概算どのくらいがまだ照合ができないんですか。使途不明金の大枠を、わかっておったら説明をしてもらいたい。
  45. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 実は、この使途不明金というのは、連日刻々詰めている最中でございます。で、もう一昨日もそれぞれの担当局なり支社から来ていただきまして詰めておりますので、刻々変わってきていると思います。で、これ私、現在その金額については把握しておりません、まことに申しわけございませんが。
  46. 穐山篤

    ○穐山篤君 まあ後でもよく詰めますけれども検査院使途不明金だと判断をして、証拠書類を照合し始めたわけでしょう。その最初の金額、大枠で結構です。たとえば五百万円とか、一千万円とか二千万円、あるいは五千万円というような、そういう単位で結構です。
  47. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これはまことに申しわけございませんが、直接幾つもの局、本社から五つの局にわたっておりますので、それぞれすべて初めはございまして、そして、それを詰めて詰めて詰め抜いてきておるのでございまして、ちょっと私、当初の使途不明金というのはよくわからないんでございますが、極端に言うと、もう五十三年度分の大半が初めは使途不明だったんじゃないかと思うんでございますが、それは逐次解明してきている段階でございます。
  48. 穐山篤

    ○穐山篤君 公団総裁にお伺いしますが、このカラ出張扱いというのは、個々の職員判断してできる筋合いのものじゃないんですね。やっぱり上司から受けて事務方の方はカラ出張の取り扱いをして金を浮かす、浮かした金を本社本社でプールをする、それから新潟の建設局は新潟の建設局でプールするわけです。当然そこには役員が、年間このくらいの資金をプールをしたいという計画があるわけですね。皆さん方の方では昭和四十七年からその計画は毎年毎年あったと私どもは調べておるわけです。これはどういう会議で年間どのくらいの資金を上げる、プールをするかという相談をされてるんですか、まずそこからお伺いします。
  49. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねでございますが、プールをするとか、あるいは年間吸い上げるとかというようなことは、本社といたしましては全くやっておりません。
  50. 穐山篤

    ○穐山篤君 たとえばの例ですが、東京公団本社新潟の建設局の人と大蔵省の方々と会議があった。で、それは公団側が招待をした会議ですから、あるいは接待をした会議ですから、当然理屈の上から言えば、公団本社が払わなければならない。ところが、その領収書は新潟の建設局の領収書になっているわけですね。新潟の建設局にしてみますと、正規の会議費以外に、ある一定の資金がないといろんな業務がやっていけない、そういうことになるのは当然だと思うんですね。そこで、この会議の、あるいは接待の費用は、公団本社が持たなければならないという場合があります。それに必要な金は資金をプールして持ってなきゃできないわけですね。  それから、先ほど私が指摘をしましたように、料亭の領収書が新潟の建設局になっているものがあるわけです。そうすると新潟は独自にそういう才覚をしなければならぬわけですね。個々の事務方なり技術屋さんがカラ出張の問題について年間このぐらいに考えて資金をプールをするという才覚はないと思うんです。当然それは役員がやっておることだと思う。ですから、あんまりしらばっくれた答弁をしてもらったんじゃ困ると思う。もう一回確認しますが、具体的にそういう相談をしてありませんか。
  51. 川島廣守

    参考人川島廣守君) そのような事実はございません。  ただ、ただいま先生からお尋ねございました中で、若干お答えさしていただきたいと思いますが、いまお話にもございましたように、正規の会議費をいただいておる予算はございます。たとえて申しますと、いま上越新幹線等が最盛期でございまして、御案内のように最盛期でございますので、年間、五十三年度で申しますと、おおむね視察者あるいは見学者というような方々が五千人以上お見えになるわけでございます。そういうふうなわけでございまして、そういう方々に対します接遇でございますとか、あるいはいろいろ御意見を伺うための懇談でございますとか、そういうふうな費用が必要なわけでございます。  しかし、いま先生お話のございましたように、予算としていただいておりますその予算では賄い切れない、それが今回のカラ出張のいわば原因と申しましょうか背景にあることは、これはもう間違いございません。
  52. 穐山篤

    ○穐山篤君 経理と総務の理事が見えていると思いますから、お伺いしますが、公団本社カラ出張を命令をして事務方にやらせて資金が出ますね、その資金はだれの責任で保管をしていますか。
  53. 森谷要

    参考人(森谷要君) 本社カラ出張が行われていたかどうかということにつきましては、検査院が目下御調査中でございまして、私どもはいままでないと確信いたしておったわけでございますが、遺憾ながらかようなことがあったということは先ほど申し上げたとおりでございます。御報告があったとおりでございます。  それで、出張命令でございますが、本社の場合におきましては係員につきましては課長でございます。それから課長につきましては部長でございます。部長の出張命令権者は担当の理事でございます。したがいまして、いま申し上げたプールしておったかどうかという問題につきましては、私ども先ほど検査院から初めて知ったわけでございますが、その資金の保管の責任者とかそういうものにつきましては、私現在のところ申し上げることができません。詳細に調べた上で御報告したいと思っております。  以上です。
  54. 穐山篤

    ○穐山篤君 ずいぶん人を食った返事だと思いますけれども、それでは、もう一つ事務的にお伺いしますが、公団旅費というのは、管理費の中の現場測量費、それから工事付帯の測量及び調査試験費というものが公式には旅費として計上されているわけですね。この管理費の方の現場測量費、これが昭和五十三年で結構ですが、実行予算を決められたと思いますが、決算はお幾らになっておりますか。それと同じように工事付帯の測量及び調査試験費の五十三年度の実行予算とその実績はどういうふうになっていますか。  それからもう一つ、これはいずれも適用する職種あるいは範囲というものがおのずから異なるわけですね、その基準を明らかにしていただきたい。
  55. 森谷要

    参考人(森谷要君) いろいろ技術的な問題にわたる問題でございまして、多少煩瑣になるかと思いますが、当公団旅費の構成を概略申し上げますと、いまお尋ねのまず管理費の中に職員旅費というものが、普通旅費というものがございます。これはどういう旅費かと申しますと、本社役職員、それから出先の管理系統におる職員が使う旅費でございます。それから当公団の予算の配賦は建設費が主体でございまして、たとえば上越新幹線、あるいは地方の線でいいますと何々線という建設費一本で配賦するわけでございます。その建設費の中に工事付帯費というものがございます。工事付帯費の中に旅費がございまして、現場調査旅費、それから工事監督旅費、それから測量調査試験費、こういうものが大別して三つあるわけでございます。  それで、最初申し上げました現場調査旅費と申しますのは、これは建設にかかわっておる出先のたとえば新幹線局、支社の本部の職員でございますが、その職員が建設所等へ出張する際に使う旅費でございます。それから工事監督旅費というのは、これは私どもの出先に建設所というものがございますが、その建設所の職員が使う旅費でございます。それから測量調査試験費というのは、これは工事の建設に従事している職員が測量あるいは調査等に出かけるために使う旅費でございまして、以上が大きく分けまして当公団旅費の形態でございます。  そこで、いまお尋ねの件でございますが、五十三年度の決算を見ますと、管理費の中の普通旅費が二億二百万円ございます。それから建設費の中に含まれておる現場調査旅費が七億四千六百万でございます。工事監督にかかわる旅費が八千百万でございます。それから測量調査試験費、これが八億三百万、建設費関係旅費が十六億三千万。それで先ほど申し上げた管理費の中の普通旅費が二億二百万、以上のようなかっこうになっております。
  56. 穐山篤

    ○穐山篤君 検査院の方からも報告がありますように、超勤手当見合いの出張をさしているわけですね。その金額、いまわかっている分だけでも五十三年度が一億四千七百万円余になるわけです。公団の金からいいますとかなり膨大な資金ですよ。これを、仮にこの分野を考えただけでも、課長クラスでどのくらいの金を浮かすというふうな計画や才覚は無理ですよ。部長なりあるいは役員会で当然本問題、細かい話は別ですよ、本年度おおむねこのくらいの資金ができないとやりくりがつかないという話があってしかるべきだと思う。そういう話があってこそ初めて個人の職員に対するカラ出張で手当てをする、あるいはその他雑費で処理するということになるわけですよね。課長が部長に言われる、部長が理事に言われる、あるいは一定の意思統一をして本社本社なりにこのくらいのことを資金的には捻出をしよう、六支社あるいは四つの建設局もそれぞれ方針、政策を決定する人たちが相談をしてこのくらいの金をプールをしよう、資金を浮かせようという話になるのは、だれが見てもこれは当然のことです。だから、私はいまのところ申し上げられないというのは、知らないという意味ですか、知っているけれども言えないという意味ですか、その点はっきりしてください。
  57. 森谷要

    参考人(森谷要君) たとえば、本社役職員あるいは出先の部長、課長が、まあ言葉は変ですけれども、お互いに相はかって計画的にこういうことをやろうではないかということを、こんなことを相談したことは一切ございません。
  58. 穐山篤

    ○穐山篤君 検査院、その点について調査段階で、これは単に個々の職員が考えてやったことであったのか、それとも指揮命令系統の中から話が出て、膨大なカラ出張を才覚をしたというふうに判断をしたのか、その点いかがですか。
  59. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これ、現在そこら辺の実態について、もう各人を、それぞれ旅費総額、それからそのうちの架空の額というのを一人一人割り出しまして、実は検討している最中でございます。それができますと、大体おおよその傾向がわかると思うんでございますが、ただ、いま私どもの方で調査した結果の報告によりますと、各人が才覚したというようなことは、これはちょっと考えられないんでございます。ですから、やはり管理者である課長なりだれかがある程度一定の枠を決めて、そしてその範囲内でカラ出張をして、そして一部を雑費に充てたり、一部を個人に支給さしたりというような形で統制をとっているんじゃないかというふうに現段階では判断している次第でございます。
  60. 穐山篤

    ○穐山篤君 公団の皆さんで、いま検査院も言われているとおり、個々の人が才覚をしたわけじゃない。当然大きな金ですから、あるいはこれは部内だけではなくて、部外に充てる金がかなりあるわけですね。そうしますと、一定のカラ出張の枠、あるいはつき合いの総枠というものをだれかが考えてカラ出張というものを命令しているわけですよね。どうしても明らかにできませんか。
  61. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまの穐山先生のお話でございますが、同じことの繰り返しになり大変恐縮でございますけれども、確かにお尋ねのございましたように、今回のカラ出張の額が御報告ございましたような多額に上っておるわけでございますから、これが個々人の才覚で行われたのではないことは、これはもう何とも申しわけございませんですが個人の才覚でないことはこれは明らかでございます。しかし、たびたびお尋ねにございましたように、これが本社役員会議で決定したものであるとか、あるいはまた本社が命令したものであるとかということは絶対にございません。それだけはぜひ御理解いただきたいと存ずる次第でございます。
  62. 穐山篤

    ○穐山篤君 検査院お尋ねしますが、使途不明金をいま詰めていますね。いつまでかかるかよくわかりませんが、最終的にこれが照合ができなかった場合、この取り扱いはどうなるんでしょうか、あるいはその責任はどういう形でとるのが適切でしょうか。
  63. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) これ現在作業中で、どこまで詰めるか、鋭意努力して公団の御協力を仰いでいるわけでございますが、どうしても最後まで詰まらなければ、私ども決算検査報告で、使途不明金ということで書くしかないと思っております。そして、それに対する処置につきましては、まず一義的には執行者である公団の方でお考えいただくのがあれで、私どもはその報告を受けて検討してみたいと考えている次第でございます。
  64. 穐山篤

    ○穐山篤君 その使途不明金の、まあ費目というのはなかなか見つけづらいと思いますけれども総裁交際費三百万円の枠の中で使途不明金が出ているのか、あるいはカラ出張ということで使途不明金が大部分出ているのか、その調査の過程ではわかりませんか。
  65. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 総裁交際費決算枠約三百万——二百九十九万三千円ぐらいでございますが、これは正規に出ている分でございますので、私どもの方はこれは特に問題はないとして確認しておりますので、ここには何らそういう疑念は持っておりません。で、私どもいまやっておりますのは、あくまでもカラ出張によって捻出された資金雑費等の使途でございます。
  66. 穐山篤

    ○穐山篤君 公団に伺いますが、使途不明金、言いかえてみれば、正規の領収書あるいはその他の証拠書類が整っていないということになるわけです。従来からそういう取り扱いをやっていたわけじゃないんでしょうけれども、放置されておったんですか。なぜ今回使途不明金というのが、われわれも指摘をしますし、検査院からも指摘をされているのですが、どういうわけで使途不明金というのが出るんですか。その点をお伺いします。
  67. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 大変恥ずかしいことなんでございますが、今回のようなカラ出張がかくも広範囲に、しかも多額に上ったということを知って、実は驚いておるわけでございまして、はなはだ私個人の指導力が足りなかったことにすべてが起因するわけでございますけれども、したがって、いまお尋ねがございましたように、いろいろいま会計検査院の方で御検査をいただいておるわけでございますが、われわれとしましては、使途不明金なんということが出るはずはないというふうに考えておったわけでございます。しかし、いま会計検査院の方のお話でございますと、何がしかわかりませんけれども、あるかもしれないというふうなお話でございますが、これはもう何ともおわび申し上げようがございません。  したがって、対処の方法といたしましては、会計検査院の方の御所見なり御指摘なりを待った上で善処してまいるしかほかに方法がないのではないかと、かように考えている次第でございます。
  68. 穐山篤

    ○穐山篤君 先ほど使途不明金について、検査院使途不明金で上げるよりしようがないと、これは事務的にはそうだろうと思うんですが、国民の税金あるいはその他が使途不明金のまま消えてしまうというのは何としても問題が多いと思うんですね。  そこで、先ほどの話に続きますけれども、こういうものを判こを押したり押さなかったり指示をするのは、総務部長とかあるいは経理部長とか、あるいは方針的に言えば、総務の理事とか経理の理事というところが具体的な作業責任者ではないんでしょうか、もう一遍お伺いします。
  69. 隅健三

    参考人(隅健三君) ただいま先生のお尋ねでございますが、総務担当、経理担当といたしまして、そのような点について詳細にこれを指示したということはございません。
  70. 穐山篤

    ○穐山篤君 きょうは時間ありませんから、あした決算委員会でもっとその点詰めますが、前に進みます。  そこで、大蔵省来ていますんでお伺いしますが、カラ出張で金を浮かせますね。出張旅費というのは実費支弁ですから、これは税金の対象では本来ないわけです。ところがそれをその他に転用しているわけですね。全く出張していないけれども出張した処理をする。二日出張しているやつを五日の出張にする。あるいは大蔵省会議をしていないけれどもしたことにした。で、その方で処理をし、何らかの領収書をもらう。あるいは領収書がなければ使途不明金で上がっているわけですね、現実に。で、こういうふうに幾つかのケースがあるわけですが、個人の所得ですね。もっと正確に言えば、手当なぞの所得に転換をした場合につきましては、御本人は当然所得税を払うわけですが、非課税の出張旅費というものがいろんなものに転用されている場合の課税の問題ですね、特に、公団というのは源泉徴収の義務者でもあるわけですから、この税金とのかかわり合いはどうなるんでしょう。
  71. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生の御質問でございますが、所得税法の二十八条一項におきましては、給与所得の定義につきまして、給与所得というのは俸給、給料、賃金、歳費、年金、恩給及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう、というふうに規定されております。いま御案内のように、超過勤務手当として仮にその仮出張旅費支給されていたという場合におきましては、その実態が、雇用関係に基づきまして労務の対価としてその使用者から受ける給付につきましては、その名称とかあるいは資金の支出方法のどうであるかを問わず、一応所得税法上の給与というふうに解されますので、その支給分、実態から見て給与等該当する部分につきましては所得税法上の給与ということで、仮にそれが返還されない場合におきましては、所得税の源泉徴収の対象となるということになろうかと思います。  それから、二番目にお尋ねの、出張旅費という問題に関係いたしまして、使途不明支出金という御質問でございますが、出張旅費につきましては、本来、職務を遂行するために行う旅行に必要な支出に充てられるものでございまして、通常必要と認められるものにつきましては本来非課税というふうに規定されております。これは所得税法の九条一項四号でございますが、仮にそういうものをためまして使途不明に使われるということになるとどうなるかという問題でございますが、使途不明支出金そのものは、鉄建公団の場合には公共法人でございます。したがいまして、法人税が課税される法人ではないということで、使途不明支出金であっても直ちにそのまま課税上の問題が生ずるということはないように思われます。  ただ、これもあくまでも仮定の問題でございますが、資金の支出の全部または一部が職員個人に経済的利益を供与するというような形で帰属しているという場合におきましては、先ほど申し上げました通勤手当のように、あるいは旅費のように課税されないこととして扱われているものは別でございますが、経済的利益がはっきりと帰属する場合には、厳密に言えば所得税を課税するということになろうかと思います。  以上でございます。
  72. 穐山篤

    ○穐山篤君 いま言われているように、通勤手当とかあるいはその他、課税の対象にならないものは別にして、経済的利益を供与するというものが現にあるわけですね。いずれ、最終的に確定をするわけですが、こういう場合に、事務的には何らかの処理をしなきゃならぬですよね、最終的に何らかの処理を。その場合に、よくお役所でやることなんですが、誤って記す、誤記というやり方がありますよね。あるいはもっと正確に調べていって、納めてない者について修正納付をさせるという手があるわけです。これはまだ過程の段階だから何とも言えないんでしょうけれども、いまの調査の進みぐあいからいえばどちらの方を大蔵省なり国税庁としては考えておられますか。その点はどうでしょう。
  73. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 誤記かどうかということにつきましては、いま鋭意検査院の方でその確認をお進めになっておられる段階で、実態がどうであるかということにつきましては、私どもはただいままでの段階におきましては承知していないわけでございます。しかし、仮にそれが給与であるということがはっきりいたしまして、会計検査院との連絡、協議が行われながら進めたいと思っておりますが、そういうことに相なれば、やはりその源泉徴収所得税を納めていただこうという形で、従来から私どもといたしましては、役所に対しましても、あるいは官庁に対しましても、公団に対しましても、指導とかあるいは調査という形でやっておるわけでございますが、自主納付という形であれば各人ごとのその源泉所得税を納めていただく、かようなことに相なろうかと思うわけでございます。
  74. 穐山篤

    ○穐山篤君 今回の事件に関連して、環境庁にもあったとか、どこにもカラ出張があったということが新聞にも出ておりますし、調べでもそういうものがあるわけですね。そうなりますと、そういう類似行為が全部あると判断をするのはよくないと思いますけれども、しかし国民の目は非常に厳しいと思うんですね。  そこで、大蔵省なり国税庁としては、百幾つかあります特殊法人なりあるいは諸官庁について類似行為が出た場合に、当然脱税ということになりますか、そういうものが発見されると思うんですが、この際思い切ってそういうことをやれという気持ちが国民の中には多いし、また新聞論調でもその意見は非常に多く最近出ているわけです。その対応策はどう考えておりますか。
  75. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 国税庁といたしましては、従来から官公庁、それから公団事業団につきましても、源泉所得税の徴収と納付ということがあくまでも適正に行われるようにということで、必要な調査とか指導をやっております。最近いろんな各種の問題が起こっておりますが、大体官公庁におきましてはおおむね正しくいままでは徴収されてきたというふうに私どもは思っておったわけでございますが、今後におきましてもこういう課税漏れの問題が想定される場合におきましては、やはり適切に調査とか指導を実施するといったような形で、源泉所得税の適正な履行の確保に努力してまいりたいというふうに考えております。
  76. 穐山篤

    ○穐山篤君 きょう大蔵大臣がいないのは非常に残念ですが、先月の八日ですか、事務次官から、大蔵省の幹部が公団役員との間に大変飲み食いが多い、ときにはツケを回しているという新聞が出たのに驚いたかどうかはわかりませんけれども、事の重大性を認識したわけでしょう。大蔵省自身として、大蔵省は潔白であるかどうかについて調べを始めたそうですが、具体的にそれはどういうものを対象にして、いつまでに調査を完了をする予定でいるのか、あるいは、その具体的な調査というのはなかなかむずかしいわけですが、どういう方法をとれば大蔵省としては潔白が証明されるか、そういう意味では苦慮していると思う。その具体的な調査内容についてお伺いします。
  77. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 財政当局といたしましては、かねてから厳正な姿勢で予算の査定に当たるように内部の指導をいたしておりまして、私どもも各省庁との会合等につきましては、事務を円滑に遂行いたしますのに最低限度必要かと思われます範囲のものを除きまして、過度な交際あるいは接待は行われていないものと確信をしていた次第でございますけれども、先般来、この問題に関連をいたしましていろいろと御指摘がございますので、大蔵事務次官の指示に基づきまして、省内でまず実態の明らかにすべきところは明らかにしようということで調査を始めているのでございます。  やり方といたしましては、私ども省内の関係者から事情を聞きますこと、あるいは相手方の方々からも事情をお聞きする、必要に応じて相手方の資料等も拝見をするという形で調査をいたす考えでございますけれども、何分ただいま検査院検査中でございますために、相手方の側からいろいろ事情をお聞きするとか、あるいは書類を拝見するということができませんため、調査はまだ続行中でございます。
  78. 穐山篤

    ○穐山篤君 その点、運輸省はどういうことでしょうか。
  79. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 業務の円滑な遂行を図るに当たって、社会的常識の範囲内のものはそういう事実はあったと思っております。しかし、世間の誤解を招くような、もしそういう点があってはならないわけでございますから、こういう批判を受けるに至ったことはわれわれ全体に対する貴重な警鐘でございまして、これを謙虚に受けとめて世間の誤解を生むことのないように極力慎んでまいりたい。いままでのところ度を過ぎたそういう接待というものはなかったと。私も聞きただしておるわけです。  いま御質疑がありましたと同じように、私も同じ熱意で聞いておるわけでございますが、そういう事実、度を過ぎた接待はなかったと言っておりますが、しかし、穐山委員と同じように、私もその点、心配をして、さらに調査を進め、また今後もそういう誤解を受けないようなことにしていかなきゃならないと、そういうふうに考えております。
  80. 穐山篤

    ○穐山篤君 公団総裁にお伺いしますが、今回の事件を通して、鉄道建設公団というのは必要かどうかという議論が現に始まっておりますし、それぞれの政党は一定の見解を述べております。公団責任者として、言いづらい話でしょうけれども、いまの段階で、公団のあり方について何ら意思表示をしないというのも無責任の限りだというふうに思います。  そこで、まず第一に、公団というのは御案内のとおり新しくできた暫定的な機関ではありますが、新幹線を除きますと、地方のローカル線というのは、それぞれの地域の方々の要望はあったにいたしましても、結果として国鉄に譲渡をするものについては赤字を累積をするわけですね。民間の鉄道につきましては、大都市が中心ですからそうばならないと思いますが、それらを考えてみまして、公団の存在を問われているわけです。あなたはどういうお考えであるか。  それから二つ目、毎年毎年こういうカラ出張でいろんなことを手当てをして業務の遂行を行ってきたわけですね。私は計画的にやったというふうに見ているわけです。で、計画的にやらなければこれだけ膨大な金は毎年捻出をされないわけですが、非常にいやな話ですが、今回のようなこういうことを今後一切やらないと、やめるとなった場合、本当に業務の遂行上支障がないと判断ができるかどうか。やっていけますと、自信を持ってやっていけますというふうにお答えができるかどうか。  それから三つ目に、先ほど同僚委員からも指摘がありましたように、賃上げの問題にしろ一時金の問題にしろ、公務員並みとはいえ多少水準が高いわけです。それを予備費から転用をしたり、あるいは人件費総枠の中から移流用をしたり、あるいはまた今回のような方法をとっているわけですね。そこで、毎年皆さん方からの予算の要求案は見ておりますけれども、この際、運輸省なり大蔵省に予算編成上こういうことだけは頼みたい、言っておきたいという話が当然あると思うんですが、その点が第三番目。  第四番目は、私も一、二の支社及び建設局を最近回りました。ところが、職員の皆さんは大変意気消沈でございまして、困ったな、弱ったなという気持ちのようです。私もかつて国鉄の技術屋の一人でありましたので考えるわけですが、青函トンネルにしましても、あるいは新潟の新幹線——上越新幹線にしましても、技術屋さんの気持ちというのは非常にいま苦しい状況にあるわけです。仕事はしなければならないし、世間からは冷たい目で見られているし、まあ社会通念上の一杯も飲めないというふうな状況にあるわけですね。はなはだ困った状況にあるわけですが、仕事は仕事としてきちっとやってもらわなければ困る。また、安全な、業務災害のない建設工事を進めなきゃならぬと思うわけですが、その点について、士気を高揚するような、特別な何か方法を考えられているのか。この四つについてお伺いします。
  81. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 第一の問題につきましては、いま先生からもございましたように、私の口からいまのような段階で申し上げることは大変僭越でもあろうかと存じますけれども、せっかくのお尋ねでございますのであえて申し上げさせていただきます。  いまも先生のお話にもございましたように、いま当公団といたしましては、世界で唯一のいわゆる海底青函トンネルを掘削しておりまして、いま最後の仕上げの段階に差しかかっておるところでございます。また、上越新幹線につきましては、昨年来最盛期に入りまして、最後のいま仕上げの段階にこれまた入っておる段階でございまして、いずれの工事にいたしましても、わが技術集団といたしましては、全世界的な経験に学び、最高の水準でいま懸命に努力をしているわけでございます。  存立以来十五年の歳月がたったわけでございまして、そういう意味合いでようやくわが公団も、そう言ってはなんでございますけれども、一応先生を初め斯界の方々からは、ある程度の評価を得ておるものというふうに実はひそかに自負をいたしておったわけでございますけれども、今回このような不祥事を引き起こしまして、いまお話しのようにその存廃が問われておるわけでございますが、先ほど申しましたように、われわれといたしましてはきわめてじみちに、地方の交通事情の大変に恵まれない地域の新線建設につきましても、これも十年あるいはそれ以上の年月をかけてじみちに、愚直に実は鉄道網の整備に当たっておるわけでございまして、いずれの面から申しましても、社会的評価とひそかに自負します実績の上に立って、今後とも鉄道網の整備を通じまして格差の是正に貢献してまいりたいという信念においてはいささかも変わっておりません。  第二の問題でございますが、いろいろお話にもございましたように、確かに今回のカラ出張はその大部分が超過勤務手当への充当と会議費等の雑費に充当いたしたわけでございます。先ほども触れましたように、いただいております予算額では賄い切れなかったことから、ついつい安易に流れましてこのようなことが行われてきた実情のように考えられるわけでございます。したがいまして、まだ最終的にと申しましょうか、先般来、臨時に支社長、局長会議等を開きまして、いろいろ問題点を煮詰めておりますが、いまだ十分に問題点の整理ができておりません。したがって、そのような段階で申し上げる十分な自信はございませんけれども、財政当局に対しましてもお願いすべき予算の増額はもちろんのこと、科目の流用等につきましても従来以上に弾力的にやっていただくことが可能かどうか、あるいはまた予算の立て方等につきましてもそうでございまするし、さらにまたいろいろ関係省庁の御指導等につきましても十分にいただきながら今後の立て直しをやってまいりたいと、かように考えているわけでございます。  第二番目の問題でございますが、いまやっていけるかというお話でございますが、少なくとも今日のカラ出張の実態をもう少し精細、詳細に承知いたしました上で、全体でやっていけないことはこれはきわめて明白でございますけれども、その中でどういうふうに問題を改善したらいいのかという問題について、もう少し時間をかしていただいて問題点を整理させていただきたいと思っております。  それから、三番目の財政当局に対するお願い、いま申し上げたのと重複いたしますけれども、これも従来から超過勤務手当の増額等につきましてはその都度お願いをしてまいった経緯でございますけれども、諸般の事情からこれが認められないで今日まで至っているわけでございます。交際費等も、三百万という額はずっと三十九年以来少しも増額になっておらないわけでございます。  以上泣き事になりますが、以上のようなことで、これまた財政当局と寄り寄りいろいろお願いできるものにつきましては精いっぱい努力をいたしまして今後の士気の振作に当たってまいりたい、かように考えております。  四番目の、先生が現地をお回りになられて、いろいろお尋ねいただいたそうでございますが、大変ありがたいことでございます。文字どおり、わが公団は技術陣が八〇%でございまして、私の口から言うのはなんでございますけれども、私は先輩各位からもいろいろお伺いいたしますと、非常に高い士気の旺盛な若い活気に満ちた活力ある技術陣の集団であるというふうに実は自負をし、さらにまた、そのような評価を先輩からも実は元気づけられておるわけでございますので、今回のこのような間違ったことをしでかしたこととは別に、われわれが持っております長い間の経験とその実績、これをどうかして維持し、士気の振作に当たってまいりたい。  いますぐ、いまお尋ねにございましたように、おまえはどうするんだというお話でございますが、実はいま申しましたように、まだ問題点の整理が十分にできておりませんのと、いまだに会計検査院検査を受けておる段階でございまして、気持ちの整理も十分についておりません。そういうわけでございますので、いま具体的に先生にお答え申し上げるいろいろな自信はございませんけれども、私を先頭にしまして、一生懸命ひとつ士気の落ちないように、あるいは組織の動揺、不安がないように、しかもその結果からくる、いま御心配ございましたような事故等が絶対にないように努めてまいりたい、かように考えておるのが現在私の心境でございます。
  82. 穐山篤

    ○穐山篤君 最後に二つほど聞きますが、会計検査院です。  今回の事件を通して、そのほかの特殊法人にも類似の問題が挙がっておりますね。この選挙の期間を通して、国民は特殊法人というものについての特別な認識を深めたと思うんです。それと同時に、疑惑も深めたというふうに私は思うわけです。そこで、通常毎年毎年検査院としては検査をおやりになっているわけですが、今回の事件を契機にして、特殊法人のこの種の問題、たとえばカラ出張というふうな問題について特別に検査をする計画がなければならないと思いますが、その点が一つ。  それから官房副長官にお伺いしますが、やっぱり特殊法人というものについて大きな問題があるというふうに判断がされるわけですね。すでに行政管理庁の方からも統合整理、行政改革についての一定の見解が述べられておりますが、この際思い切って縮小合理化を図れというのが国民の意見だし、また国会の意思であろうと思うわけですが、この問題について来年度の予算編成に向かってどういうふうに計画を立てていくのか、具体的にその点をお伺いをします。  それからもう一つ、特殊法人もありましたけれども国家公務員であります官庁ですね、総理府だとか、あるいは環境庁というものにつきましては、また別な意味で予算執行職員等の責任に関する法律というものもあるほど国民の目は厳しいし、しっかりしなきゃならない、こうなっているわけですが、いまのところ大平総理なり、官房長官、運輸大臣のお話は、もっぱら公団の幹部に向けてだけ責任を厳しく問うようなお話があるわけですが、これを順に追及していきますと、当の運輸省なりあるいは大蔵省も無関係ではないということも少しずつ明らかになってくるわけですね。したがって、単にそれは公団役員、幹部だけを対象にしたものではなしに、もっと広い意味で、すべての中央諸官庁についてこの種の類似の行為がないかどうか、すっきり政府自身として究明をすべきだと思う。もしあるとするならば、関係者の処分というものにつきましても、これは厳正にやらなければ国民は納得しないと思うわけです。その点についての考え方をあわせて聞かしていただきたい。  なお、先日も新聞にも発表されておりましたし、前回の決算委員会の警告決議にもありましたけれども、例の天下りの問題に関します閣議の了解事項、これは甘いじゃないかということが野党の委員から指摘をされているわけですね。たまたま東京信用保証協会の会長が、六億円という膨大な退職金をもらいまして、これはみんなびっくりしたわけです。したがって、例の閣議の決定、了解事項というものについても、これを根本的に見直しをする時期に来ているんじゃないか、積極的に改正していくのが今日政府の責任だと思うのですが、その点の見解を伺います。
  83. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 現在鉄道建設公団、それから環境庁につきまして不正経理問題を検査中でございます。そのほか、現在いろいろな情報が入っておりますが、それらにつきまして参考にすべきものは今後大いに参考といたしまして、今後の検査に組み入れまして厳正に検査していきたいと考えております。
  84. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) 穐山先生、前段の公社、公団の数が多過ぎないか、今後それを整理していく方針はないかという御指摘でございますけれども、現在のところの公社公団は、それなりに国民生活及び経済活動の発展及び行政需要の増大に対応して、それぞれ国会で御審議いただいて、法律で設置されていたものであり、それなりに十分に存在の意義があろうかと考えております。したがって、先ほど鉄建公団総裁も申し上げましたように、それなりに意義ある仕事をやっておると考える次第でございます。  ただ、このようなものについて、それぞれ設置された段階では、そのように御審議いただき、意義あるものと認められておりますけれども、それが現在の状況から本当にまだ存在意義があるかにつきましては不断の見直しを行い、合理化に努めてまいりたいと、こう考えておりまして、少なくとも現在のところ、新たないわゆる特殊法人の設置につきましては、厳密にスクラップ・アンド・ビルドの原則を適用して最大の努力をいたしておるところでございます。この方針は今後とも貫いてまいりたいと考えております。  それから、役人自身の問題があるではないか、いわゆる公社公団監督するところそのもの自身に問題があるのではないかという御指摘でございますが、この点につきまして、特に最近、政府内部の問題について新聞等で御指摘もございますので、去る十月六日の日に官房長官より各省庁に通達を出しまして、公務員の綱紀保持につきましてかなり厳格にその指示を出したところでございます。そして、いま実態を調査いたして、それなりに対処しようと考えております。  それから、天下りが多過ぎるのではないかという御指摘でございます。まあ五十二年の十二月にいわゆる閣議決定いたしまして、その際の第一項目には、いわゆる特殊法人の役員等につきましては、できる限り民間からの採用を多くし、そして天下りを少なくするようにという点がございまして、それが第一に掲げてございます。現在までのところ約八百人ほどの公社、公団役員おりますけれども、その中で本当に直接にお役所から行ったという人間は約四〇%でございまして、途中どこかの民間に行ってそして来たのが二〇%、そして純粋に民間から入ってきている人が四〇%おります。したがって、その閣議決定の方向を今後ともできる限り遵守していくようにすることで当面努力すべきであって、閣議決定そのものにその方針が書いてありますので、それを現在特に変えるという方向はいまのところ考えておりませんが、今後とも検討させていただきたいと思います。
  85. 青木薪次

    ○青木薪次君 時間がなくなってしまいましたから簡単に申し上げたいと思うのでありますが、カラ出張による金が超勤手当と会議費名目の接待費、それから交際費と飲食費という大体概略して四つに分けられていると思うのであります。総裁、その点認めますか。
  86. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 詳細会計検査院でお調べ中でございますが、大体そのとおりだと考えております。
  87. 青木薪次

    ○青木薪次君 簡潔にお答えいただきたいと思いますが、会計検査院は不当支出というものについてはどういう認識を持っておられますか、この中で。
  88. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 旅費を架空に捻出いたしましてこれを別途の使途に使用しましたのは、経理紊乱でございますので、すべて不当経理だと考えております。
  89. 青木薪次

    ○青木薪次君 国税庁にお伺いいたしますけれども、この処理について、一つは返還、一つは先ほどありましたように脱税という形で事後処理するという認識に立っておられるようでありますが、その点確認してよろしゅうございますか。——帰ったようでありますが、これらの関係については一般職員は、ただ仕事をしたり、それから架空の名義——その人の名前を使ってカラ出張につけられたり、そういうことをされておるので、その点は会計検査院としても、解釈についてよっぽど厳格に調べませんと、かえって迷惑をかけてしまうということになりますので、その点についてはひとつよく調べていただきたい。  それから、領収書に基づいて一件ずつ克明に調べているということでありますが、この点は、不当支出の問題等についてそういうように理解していいですか。
  90. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) カラ出張で浮かした金のいわゆる会議費とか接待費とか雑費的なもの、これについては一枚一枚領収書を点検いたしませんと本当に使ったかどうか確認できませんので、その点についてはそういうことで確認を実行しております。
  91. 青木薪次

    ○青木薪次君 運輸大臣、いま穐山議員からも話があったのでありますが、鉄建公団の存廃問題については、これは特に国鉄の新線建設に上がっておりますけれども、他方で国鉄の財政再建が叫ばれて、政府の具体的再建施策が確立されて国鉄再建が進んでいる。また、国鉄独自でも九千キロのうち五千キロをバスその他にするんだと、あるいはまた当面合理化対象にしているわけでありますが、私のところで二俣線というのがありまして、これは線路そのものをめくってしまおうという話が実は出ている。その遠江二俣というところから佐久間線が出ておりまして、これはいま建設中なんですよ。ことしも三億五千万円あなたの配慮によってつけられた。つけられたけれども、一体元がなくなってしまってどこから出るんだということになって、このままいったら百年ぐらいかかるという話が出ているわけです。  高度成長のときにはいろいろ全国国鉄の新幹線も、あるいはまたその他地域住民のためとして鉄道をどんどん敷設しようということであったんですけれども、今日そういう事態にはない。赤字ローカル線の廃止が叫ばれているときに、この際、大平総理も、余りにも増税問題を口にし過ぎ、財政再建という問題を増税によって乗り切ろうとしていろいろ言ったために、余波がいろいろ起きているようでありますけれども、このときに三K問題の中心である国鉄再建の問題について、特にまた鉄建公団によってAB線によるいわゆる赤字線が国鉄に押しつけられた。こういう問題について、この際ひとつ機構の存廃の問題について議論をすべきときに来たと思うのでありますけれども、いかがですか。
  92. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) このたびの鉄建公団のいわゆる不正経理問題は、先ほど申し上げたとおりでございまして、改善すべき点は速やかに改善し、処分すべきは速やかに処分するという方針で先ほどるる冒頭に申し上げたとおりでございますが、それと鉄建公団の存立の問題は、これは別の角度からの問題として考えるべきことだと思っております。  そういう角度から見ますると、鉄建公団昭和三十九年に設立されましたが、その設立目的が、当時鉄道新線の建設が強く要望されておった反面、国鉄が独立採算制のたてまえと、既設線の大幅な整備、増強計画に力を注いでいる関係上、新線建設を積極的に推進できない。それのために鉄道建設審議会の建議の意も体して、日本国有鉄道から切り離して独立の機関を設けて新線建設に当たらせたわけであります。新線建設自体には問題もありますが、しかしこれはちょっとひとまず置きまして、その後、新幹線と民鉄線の建設事業を業務範囲に追加して今日に至っている。  確かに現段階におきましては、経済情勢が変わり安定成長期に入った。国鉄の財政問題が深刻の度を深めてきた。鉄道建設による客観情勢が変わってきたことは事実であります。しかし、大都市周辺の通勤、通学対策として、国鉄新線の建設及び私鉄の輸送力増強の必要性は引き続き高いわけでありますし、青函トンネル、上越新幹線といった大プロジェクトも進行中でありますから、現在において鉄建公団の必要性はないというふうに言い切れる段階かどうかは、私はそこまでは申し上げにくい。  ただ、いわゆるAB線等の問題につきましては、すでに御承知のとおり、従来のような形で一律に予算をつけるということはやめました。すなわち、国鉄の再建計画によりまして、輸送密度二千キロ以下の問題につきましては、もし工事を着手して完成するにいたしましても、これは国鉄再建の基本方針に従ってそれらの工事が完成しても処理する。すなわち、第三セクターの措置によってそれでもいいという地元の意向であるならば、それは続けましょう。しかし、もうわずかしか進んでいないものは、これはいますぐ手をつけるわけにはいかない。たとえば七割あるいは五割、相当工事が進んだところにつきましても、いま言った枠をかけてやっておりますから、昭和五十四年度においてすでにその点は一歩前進をしつつあるわけでございます。  しかしそれで足りるかということになりますれば、なお必ずしもそれで一〇〇%割り切れておるわけではない。多少私どもの頭の中に激変緩和という頭をもって対処していることは事実でございますから、それと鉄建公団の問題とは、先ほども申しましたような意味で、必ずしも現段階におきまして直ちにもって公団が不必要だというふうに現段階で言い切れるとはいまは考えておりません。しかし、そういう点を十分念頭に置いて、考慮すべき状況の変化だとかいうことはもうよく頭に入れてこれから仕事をしなきゃならない、そのように考えております。
  93. 瀬谷英行

    ○瀬谷英行君 関連してちょっと質問いたしますが、昭和三十九年の運輸委員会でやはりこの問題がいろいろと論議されまして、最終的には自民党が賛成をし、社会党、公明党、民社党が反対をするという形で成立をいたしております。私も、三十九年の予算委員会でこの問題について質問をした覚えがありますが、詳細はちょっと忘れてしまったんですけれども運輸大臣は綾部健太郎さんでした。国鉄総裁が石田礼助さんで、池田内閣でした。それで、われわれが一致して疑問にしたのは、政府の出資が当時は五億である。それから、国鉄の出資が七十五億である。つまり、出資のあらかたは国鉄である。ところが、こしらえる新線のことごとく、ほとんどことごとくが赤字路線である。自分で出資をしておいて、でき上がった赤字路線を有償でもって買うか借りるかする、こんなばかなことがあるかということが質疑の中で繰り返されております。  で、言ってみればこの公団は、もうもっぱら採算のことを考えないで与えられた仕事だけすればいいようになっております。これはまあふところのことを考えないで飲み食いと買い物だけすればいいと、こういうようなものですよね。こういう形になれば、気前よくそれはもうもっぱら金を使うということに専念をするような気風が出てきますよ、どう考えたって。だから、こういう形の公団のあり方がいいかどうかということは検討してみる価値があるんじゃないんですか。これはわれわれが反対したのはやっぱり正しかったと思うんですよ。自民党は、当時の会議録を見ますと、加賀山さんが賛成討論をやっております。綾部運輸大臣も、いずれも故人になられた方でありますけれども、この際、もう一度これは反省をして、公団のあり方そのものを検討すべき時期じゃないのか。  だから、公団そのものを廃止してできないのかというと、当時綾部運輸大臣はできますと、国鉄でやれないことはないけれども、国鉄としては独立採算制のたてまえで、その赤字のわかっていることをやるのはぐあいが悪いからという意味のことを言っておりますけれどもね、だから再度、じゃ鉄建公団がなくったって仕事ができるんならば、どこに仕事をさせるかということを検討してもいいでしょう。当時、公社、公団というものは整理するということを総論では池田総理は言ってたんですよ。ところが各論ではこういうものをつくっているんですよ。こういう矛盾があるんですね。  だから、もし仕事をやはりやらなければならないということであれば、少しは採算のことも考え、仕事に責任を持つという意味で、運輸省の一部局とするか、直接の監督下に置くか、あるいは国鉄の中の一部局とするか、そういうふうな組織のあり方も考えてみる必要があるんじゃないか。もし現状のままで置くんならば、この公団そのものの性格、国鉄との関係、これも再度整理をしてみる必要があるんじゃないですか。それをやらないと、本家から離れて分家になったようなかっこうで、それで本家の監督が行き届かない、遠く離れた離れの方で適当な仕事ができるという環境に置いておくこと自体が問題じゃないかなという気がしますので、根本的な問題についての再検討ということを政府としてむしろやるべきではないかと思いますので、その点についての運輸大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  94. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 国鉄の情勢が昭和三十八、九年ごろと今日とではもう格段の差があることは御承知のとおりでございますし、また高度経済成長時代とそれから安定成長期に入った今日と、情勢が非常に変わっておることも事実でございます。当時のいきさつについてはいまお話があったような経過であったのでございましょう。  ただ、その後大都市周辺の通勤対策としての国鉄新線の建設とか、私鉄の輸送力増強の必要性あるいは青函トンネル、上越新幹線といった大プロジェクトも進行中というような情勢の変化はこれはあるわけでございますから、そういう点をいま直ちにもって否定することができないような、その点は国鉄の問題とは切り離しましても否定できないような仕事をやっておるわけでございますから、いま直ちにもって必要性はないというふうに割り切るのが適当かどうか、そこまで踏み切るということについてはちゅうちょをしております。  しかし、ただいまお話がありましたような国鉄自身の情勢も変わり、経済界の情勢も変わっておることでございますから、そういう点を念頭に入れてこの問題に対処していく必要性は私は否定はいたしません。いま、ただいまのお話を十分念頭に置きましてこの問題に対処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  95. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後一時二十四分開会
  96. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、日本鉄道建設公団経理問題等について調査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  97. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは、午前に引き続きまして鉄建公団の問題につきまして御質問さしていただきます。  この事件につきまして、先ほど大臣からもお話がありましたが、この鉄建公団不正事件につきましては、増税問題、これが総選挙の論議の的になったわけですが、その中でやはり国民の批判の対象となった、このように私たちは考えております。増税の前に行革あるいは冗費節約をという国民の声が大きかったのでございますが、その点、大臣としてはどのように受けとめて見えましょうか。
  98. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ただいま増税問題というお話がございましたが、私は財政再建問題と受けとめておるわけであります。財政再建のためには増収を図ることが一つであります。たとえば景気を定着さして税の自然増収を図る。もう一つは、国の経常経費を節約するということであります。すなわち税金のむだ遣いをやらぬ、こういうことであります。そういう角度からこの問題を関連さして考えておりまして、いわゆる増税問題とは考えておりません。増税問題というふうな表現をとられるのは、これは野党の方々の総選挙におけるそういう、何といいますか、問題の取り上げ方でございまして、私どもはそういうふうに考えておりません。
  99. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは会計検査院お尋ねいたしますが、今回の検査の過程におきましてですが、検査対象となりました公団で、公団側として関係資料の提出を拒んだり、あるいは文書の改ざんの事態、こういったことがあったように聞いているわけですが、この検査にかなり困難な点があったんじゃないかと思いますが、この実態究明の隘路となりました点について御説明願いたいと思います。
  100. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 当初からこの旅費検査というのは非常にむずかしい検査でございまして、表面上のつじつまはすべて合っているわけでございますので、それを一々具体的に調査いたしまして、そして相手方のお話を聞いて解きほぐしていかなきゃいけない、非常に細かい一々の旅費を当たっていかなきゃいけないというところに非常に困難性がございました。そしてまた、これは初めの間は、書類がそういうふうにつじつまを合わせておるわけでございますので、当然、検査を受ける担当の方はやはりその自分のつくったつじつまを合わした書類で御説明していくわけでございますので、そこで検査が難航した次第でございます。
  101. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 公団側でも、このカラ出張の実態については特別調査委員会を設けて調査されたわけですね。その金額につきましては、一億二千万、このように聞いております。公団独自の調査分でその金額でございますか。
  102. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 公団といたしましては、九日に副総裁を長といたしまして特別調査委員会を設けまして、早速に調査を実施して今日に至っておるわけでございます。午前中に大臣からお答えがございましたように、当公団といたしましても、会計検査院検査の行われておりません個所につきまして独自で調査をいたしました。その結果、今日まで、おおむねの数でございますが、一億二千二百万円の内訳について簡単に御報告申し上げておきます。  五十三年度分でございますが、五十三年度分は、札幌支社雑費八百万円、超勤充当はございません。東京支社雑費千八百万円、超勤五千万円、合わせまして六千八百万円。大阪支社雑費七百万円、超勤充当二百万円、計九百万円でございます。下関支社につきましては、雑費が四百万円、超勤充当が二百万円、合わせまして六百万円。富山新幹線建設準備事務所は雑費百万円、超勤充当百万円、合わせまして二百万円。以上で五十三年度分の合計額が、雑費充当が三千八百万円、超勤充当が五千五百万円、合計九千三百万円でございます。  次いで五十四年度分、四月から八月までの分でございますが、札幌支社雑費充当が三百万円、超勤充当はございません。東京支社雑費充当が五百万円、超勤充当が千五百万円、合わせまして二千万円。大阪支社雑費充当分が二百万円、超勤充当百万円、合わせまして三百万円。下関支社雑費充当百万円、超勤充当百万円、合わせまして二百万円。富山新幹線建設準備事務所、雑費充当百万円、超勤は百万を切っております、小計百万円でございます。したがって五十四年度分を合わせますと、雑費が全体で千二百万円、超勤充当千七百万円、合わせまして合計二千九百万円。  以上、五十三年度分と五十四年度分の総合計額が、けさほど大臣から御報告申しましたように、総合計で雑費充当分が五千万円、超勤充当七千二百万円、合わせまして合計一億二千二百万円。以上の数字に相なっております。
  103. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 そうなりますと、いま総裁がお話しになりましたカラ出張で浮かした金、超勤手当の見返りあるいは雑費に充てた分ですね、これは先ほど穐山同僚議員からいろいろ質問がありましたように、公団としてやはり組織ぐるみ長期にわたってこれが行われていた、このように国民として考えざるを得ないわけです。今後の責任の所在を明確にするとともに、その実態について解明する必要が公団側としてあるのじゃないか、このように思います。  このような経理操作につきましては、総裁、副総裁は全く御存じなかった、こういう先ほどからのお話でございます。理事の方あるいは監事の方も知らなかった。しかし、私どもとしてその点どうしても納得できません。ですから、どうして、いつごろからそういうことがどういうようなセクションで計画され、そしてどのようなポジションでそれが決裁されて流されたか、そういうことについて、もう発生以来一月もたっているわけでございますから、公団独自の調査においてももうそれは解明されても当然ではないかと思いますが、その点いかがでございましょうか。
  104. 川島廣守

    参考人川島廣守君) けさほど来お答え申し上げておりまするように、公的機関として不正な経理処理がございましたことはまことに申しわけなく存じておるわけでございます。  ただいまもお答え申しましたように、今回のカラ出張が生まれてまいりました原因あるいはその背景と申しましょうか、そのことにつきましては目下鋭意会計検査院におかれましても検査中でございますが、私どもといたしましても懸命に調査を続けておる次第でございます。  ただ、申し上げておきたいと思いますことは、けさほども申しましたように、このようなことがわれわれ幹部の目の届かないところで行われておったという事実がはなはだ遺憾きわまるわけでございます。これは言いかえますれば私らの指導力が足りなかったということでございまして、それぞれ第一線において働いておる人たちからしてみますれば、十分なる超勤をやったにもかかわらず、超勤がいただけない。あるいはまた必要な雑費が足りないというようなことが現実にあったことは事実でございます。そういうようなことが、われわれのところで過去の実態をつかみ得なかったというその不明さを実は恥じるばかりでございます。  先ほど午前中も穐山先生にもお答えいたしたのでございますが、ちょっと申し上げさしていただきたいと思いますのは、たとえば青函トンネルの見学者は、五十三年度で申しますと、内外からの、外国の代表団などを含めまして年間七千人の見学者、視察者がおいでになっておるわけでございます。このような方々に対しましての接遇あるいは懇談というようなことにつきましてもかなりの費用が必要でありますことは、これは当然でございます。また、上越新幹線につきましても年間五千人以上の視察者がおられるわけでございまして、これらの方々はそれぞれこのような工事に関心を持たれ、あるいはまた非常に専門的な知識を持たれた方々で、学生などを含めまして年間訪れておられるわけでございまして、そういう意味合いで、これらの方々の接遇、懇談に要した費用がいただいておる予算で間に合わなかったということは事実でございます。そういう声が当然下からあったに違いございません。それが私らのところまで届かなかったということをはなはだもって申しわけなく存ずる次第でございます。  なお、超過勤務手当でございますが、実は、上越新幹線の例によりましてもそうでございますけれども、五十三年度はこの工事の最盛期でございまして、全体の工事量から申しましても、かつてない最繁忙期になっておるわけでございます。具体的に申しますと、いただきました決算の規模で比較いたしますと、四十九年から五十一年までの平均と五十二年から五十三年度までの平均の決算額で比較を申しますと、物価騰貴を修正いたしまして一五%のアップになっております。他方、定員の増加はわずかに〇・二%の増でございまして、かような業務量の急増に伴いましての超過勤務がございましたことは、これはいま申しました数字からも御理解がいただけるかと思うのでございますが、このような事情でございまして、にもかかわりませず、そのような超過勤務手当についての手当てがわれわれ責任者がそれを知らずにおったということ、現地の人々にしてみますれば、悪いこととは知りながら、きわめて安易にそのようなことを捻出をしてカバーをしておったというのが実態でありますことをいまさらながらに知りまして、ただただ不明を恥じておるのが実態でございます。  したがいまして、今後このようなことにつきましての再発防止のためにどのような具体策を考えたらよいのか、いま懸命に研究をいたして勉強いたしておる次第でございますので、御理解いただきたいと思う次第でございます。
  105. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 会計検査院にお伺いいたしますが、今回のこのカラ出張の財源の一部になりました測量及び調査試験費の使途についてでございますけれども、これは工事費の一環としてもっと注目してよかったのじゃないかと思うのですが、たとえば四十六年度の新潟新幹線建設局検査、これでこの測調費についての実地地方検査を行われましたけれども、そのときに院法第三十四条による是正改善の処置要求をなされている、このように思いますが、その点どうでしょうか。
  106. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 測量及び調査試験費につきましても、これはいろいろ設計の業務委託とか測量とかいう外注費が大部分を占めております。そういう点につきましては私どもの方は重大な関心を持って従来から検査をしておったところでございます。したがいまして御指摘のように前に処置要求もした次第でございます。  旅費につきましては、非常に全般的に金額が少額でございましたので、十分目が行き届かなかったというのが実態でございます。
  107. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 そのとき、処置要求とそれから警告がなされておりますけれども、四十七年以降につきましては、この測量費の使途についてどういう検査をされていたのですか。
  108. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま申し上げましたような、いろいろ設計業務の外注がございます。その設計業務の外注が適切に行われているかどうか、契約どおり履行されているかどうか、で正しい成果物が入手できているかどうか、そういうような点に着眼いたしまして、十分な検査をしたつもりでおりました。
  109. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 その当時では旅費についての検査はされていなかった、こういうことですね。特に、この測調費予算というのは、五十二年度の場合、五十一年度のそれに比べますと東京建設局でも九億九千万円から二十億三千万円に、新潟建設局では十四億二千万円から二十六億九千万円と、こういうように倍増しているわけです。したがって、このような予算の際立った増加については、その使途についてもやはり十分な検査をすべきじゃなかったかと思うのです。特に新潟局につきましては、測調費について警告をしているようなこともありますのですから、その点特に精密な検査をすることが当然ではないかと思います。五十二年度検査では、この費目についてどういうような調査をされたのですか。
  110. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) その五十二年度ごろから測調費が増加いたしましたのは、上越新幹線の工事が最盛期になってまいりまして、事業費そのものが非常に増額したということに関連して測量及び調査試験費が増加したわけでございます。そこで、私ども、その内容については十分検査をしておったわけでございます。  特に五十三年度の検査につきましては、六月に名古屋支社でこういう旅費の問題があるということが発見されましたので、私ども、それ以降の検査をいたします東京新潟新幹線建設局については、旅費に至るまで徹底的に検査をするということで、今回、検査を行った次第でございます。
  111. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 五十二年度では、その旅費については検査をしてないということですね。
  112. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 全くしてないわけではございませんで、そういう旅費経理についても一般的な経理検査の中で行ったわけでございますが、重点をどうしても工事そのものに向けましたものでございますので、十分な人員を投入することができなかったので発見できなかったのではないかと思っている次第でございます。
  113. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 五十二年度についても、十分にカラ出張可能性があるという判断ですか。
  114. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 実は、申しわけございませんが、そういうことで五十二年度以前については私ども発見していないものでございますので、絶対あったとは断言はできないんでございますが、五十三年度の検査の結果から見ますと、あったのではないかと推測せざるを得ないんじゃないかと思っております。
  115. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは、これも午前中穐山同僚議員から御質問がありましたけれども、この使途不明金ですが、これにつきましては、現在、どのような状況になっておりましょうか。
  116. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま使途不明金、使途確認できない金額が若干ございますが、これについては領収証がなかったりして確認ができないものでございますので、徹底的に何か当時の資料がないかということで、それらの資料の提出を求めて逐次確認に努めている次第でございます。
  117. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 鉄建公団にちょっとお尋ねしますけれども、これらの裏金がプールされていて、実際にいろいろと使用されてきたわけですが、先ほどの午前中の理事の御答弁では、保管しているものはないというお話でございましたが、これ、実態はどうでしょうか。やはりだれかきちっと保管をして、それをいろんな使途に振り分けて使っていた、そしてそれを示す裏帳簿というものがやっぱり存在をしていたのではないか、このように思うんですが、その点はいかがですか。
  118. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 先ほど来、会計検査院の方からもお話がございましたわけでございますが、われわれといたしましてはプールをして云々ということではございませんで、いま申しました会議雑費の不足に充当しておったことは事実でございますけれども、その領収証その他の詳細についてはいま会計検査院の方でお調べをいただいておるわけでございますので、私らの方としては十分まだ承知をしておらないはずでございます。
  119. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) ちょっと語尾が聞こえなかったらしいんです。もう少し大きな声で言ってください。
  120. 川島廣守

    参考人川島廣守君) そうですか。  ただいまのお尋ねの問題につきましては、会計検査院の方で現在御検査を続けておられるわけでございますので、その結果を待ちたい、かように考えておる次第でございます。
  121. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 会計検査院ではどうですか。検査中ですけれども、いまの裏帳簿の問題はどうでしょうか。
  122. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) まず、先ほど来申し上げましように、カラ出張による財源の捻出で使いましものが二種類ございますが、職員個人支給されているもの、これは裏帳簿に受け入れないで直接命令権者がカラ出張を命じまして、そしてそれをそのまま職員個人がもらっている、支給を受けているというものがございます。また、帳簿に別途受け入れまして、そして今度それぞれの支給金額を決めまして支払っているというものがございます。  それから次に、雑費的なものでございますが、これも当然、少なくとも旅費を捻出したといっても公金でございますので、帳簿に掲載いたしまして整理しているのが当然だと思うのでございます。ただ、それがいま、ほとんどあるのでございますが、一部、先ほど申し上げましたように、担当がかわっちゃったりやめたりしたために、その前の人の分が廃棄されてしまっているものがあるので確認ができないという状況で、その当時においては帳簿で正しく整理されていたというふうに私ども判断している次第でございます。
  123. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 運輸省お尋ねいたしますが、いろんな報道があるわけでございますけれども公団本社カラ出張によって浮かした金額は五十三年度分だけで千数百万円もある。この金は職員には支給されずに、すべて会議費など接待用に使われた。しかも、その相手としてはいわゆる大蔵職員とかあるいは運輸省職員という名前も、そういうのが挙げられているわけでございますが、公団本社には、本来、会議費九百万円あるいは総裁交際費などでも、少なくとも合わせますと千二百万円に上る既定予算がついていることは承知のとおりですが、これは私はほかの公団等に比べても決して少なくない、こういうふうに思うのですけれども、そのような予算で接待経費などを賄い得ないとなりますと、これは過剰接待をしていたのじゃないか、このように思うのですが、その点はいかがでしょうか。
  124. 山地進

    説明員(山地進君) ほかの公団状況は私は存じ上げませんが、いま先生のおっしゃるように、交際費三百万円、それから会議費が九百万円とかなりついているわけでございまして、普通の場合でございましたらそれで十分賄い得たと思うのでございますが、先ほど来総裁答弁しておりますように、上越あるいは青函の方で見に来られる方も非常に多かったとか、そういうような状況から、これでは若干足らなかったのかなというふうに感じております。
  125. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 いま御質問しましたのは、公団本社の問題を申し上げたわけです。  それで、五十三年度でも、これらの予算のほかにカラ出張をやって千数百万円引き出して、合わせて二千数十万円というものが保管されている。しかも、それは政治家へのせんべつとか、あるいは官庁職員のもてなしなど、このように行っているわけですね。その点、監督官庁としてどういうふうにこれを思われますかということです。
  126. 山地進

    説明員(山地進君) それらの金の使途につきましては、ただいま検査院の方で検査中でございますので、私どもといたしましては検査院検査の結果を待って判断したい、かように考えている次第でございます。
  127. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 私も、調査の結果というお話でございますけれども、これは公団事業運営上どうしても必要なら、公団として予算要求をすべきじゃないか、こう思います。また、それが認められないなら、他の多くの特殊法人のように、認可予算の範囲内でそれをいろいろと行っていくべきじゃないかと思うのです。  公団では、この程度の接待というのは社会常識上必要である、このように考えておられるようですけれども、もしもこういうような各省の職員を料亭に接待しなければ、それが公団にとって不都合を生じてくる、このようなことは私ないと思いますけれども、あるいは予算や事業認可の面で悪影響が出てくる、こういうことがあるとこれは一大事でございますが、その点はいかがでしょうか。
  128. 山地進

    説明員(山地進君) 私どもの知っている範囲内では、公団がさように社会的な常識を逸脱いたしまして業務上不必要な使用はしてない、かように存じておりますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、公団がいかなる額をいかように使っているということまで現在把握しておりませんので、検査院の方の検査結果を待って判断したい、かように考えております。
  129. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 会計検査院お尋ねしますけれども公団の特別調査委員会調査によりますと、本社カラ出張でひねり出した千数百万円の裏金からは、政治家の励ます会のパーティー券の購入や政治家個人へのせんべつなど、合計して百万円を上回る支出がなされていたということでございますけれども検査院検査ではこの点どうでしょうか。これらの政治家関係への支出証拠書類は整っているんでしょうか。また、使途として不明確であるため確認できない状態のものもあるのではないかと思いますが、その点いかがですか。
  130. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) その励ます会へのことでございますが、正規の交際費から出ていることは調査官は確認しているようでございます。また、どうもカラ出張で浮かしました裏経理と申しましょうか、その中からも出ているやに報告を聞いておりますけれども、このところは詳細いま詰めている最中でございますので、内容についてはまだ十分判明いたしておりません。
  131. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 ただいま励ます会に正規な交際費が使われている、こういうお話でしたが、これは総裁交際費ですか、いかがですか。
  132. 川島廣守

    参考人川島廣守君) さようでございます。
  133. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 総裁としては、どの程度励ます会のパーティー券購入に交際費を使われたわけですか。
  134. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 交際費内容についてでございますが、いまお尋ねの励ます会への出席は必要最小限度の範囲内に限っておつき合いをしたのが事実でございます。
  135. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 必要最小限とおっしゃいましたけれども国民の立場から見ますとやはり国民の税金が政治献金に使われていくという、そういうことになりますし、とうてい国民として納得できない点だと思いますので、その点、今後、改めていくお考えはございませんか。
  136. 川島廣守

    参考人川島廣守君) もうしばらく時間をかしていただいて、後ほどまた資料等で報告できる場合も参りましたならば報告を申し上げたいと思います。
  137. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは会計検査院お尋ねいたしますけれども、いままでの調査をしてみえた範囲内でどういうことが不正であり、不当なのか、あるいはどういう点に刑事事件の疑いがあるのか、その点の見解を伺いたいと思いますし、検査院としては、カラ出張によって浮かした金について、今後なお精査しても使途不明金がある場合には、これは告発するという考え方をお持ちでしょうか、どうでしょうか。
  138. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 先ほど申し上げましたように、私どもの方は、旅費旅費に使わずに、カラで出張いたしまして、裏でそれをほかのものに使うということは経理紊乱でございますので、その行為そのものがもう不当だということで、全額不当だと考えている次第でございます。  その使途不明金につきましては、これはやはり最後まで詰めていって、どうしても不明の場合には、昭和五十三年度の決算検査報告に不当事項としてこの問題を掲載する際に、使途不明のものということで金額を計上せざるを得ないんじゃないかと考えております。そして刑事事件かどうかということは、これは何しろいま全般的に個々の使途を詰めている最中でございますので、詰める段階ではそこまでの検討はできておりません。今後、全部詰め終わった後で十分検討をしたいと思います。また、一々告発するかどうかということにつきましては、私ども決算検査報告で国会に報告するわけでございますので、そうすれば明らかに国民にも報告するわけでございますので、十分それで公表できるのじゃないかというふうに考えてもおるのでございます。
  139. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 後の検査院としての今後の進め方、たとえば運輸省とか公団に対して質問状を出すとか、その回答を待って検査会議を開催する、そういう日程的なものはどのようにいまお考えでしょうか。
  140. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいまの御質問の、質問照会の件でございますが、これはいま本当に連日連夜調査官を督励して計数を固めておりまして、固まり次第一日も早く質問を発したいと考えておるわけでございます。そして私どもの役所の検査報告への提案の方法といたしまして、局の委員会で課が提案してまいりました不当事項案に対しまして三回審議を繰り返すわけでございます。そのときには十分他の課の者を覆審委員というものに任命いたしまして、徹底的にその内容を洗うわけでございます。それでそれが済んだ後に、事務総局次長の主宰いたします官房の調整委員会に提出して審議を仰ぎ、さらに総長審議、それから検査会議という一連の会議を経ることになっているわけでございます。  したがいまして、まず私どもの局としては一日も早く質問を発しまして、一日も早く局委員会に課から提案さして審議をするという態勢でいっておるわけでございます。
  141. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 大蔵省お尋ねいたしますけれども、いま報道されておるところによりますと、大蔵省職員の方もいろいろとうわさが出ているようですが、大蔵当局としては、このカラ出張で過剰接待を受けた職員ということで省内で調査を始められたようにお聞きしていますが、その点はどのようでございましょうか。
  142. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 鉄建公団カラ出張問題に関連をいたしまして、御指摘のような報道が行われてございます。そこで私ども財政当局といたしましても、常々厳正な姿勢で査定を行うべきことを内部で指導いたしているつもりでございますが、なお今回の問題につきましては真相を明らかにすべきであると考えまして、事務次官の指示に基づきまして、省内でこの問題に関しまして調査を始めまして、ただいま調査を行っておるところでございます。
  143. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 これは自主申告をさしているというお話を聞いているわけでございますが、職員に自主申告をさせるというやり方は、通常の場合ではいいかもしれませんけれども、このような異常な事態の中で、しかも財政再建のやはりかなめとなるべき大蔵省でございますし、当然これは姿勢を正していかなければならない点でございますけれども、結局、自主申告をしたその結果として接待を受けた事実はない、該当する事実はない、こういうことで終わってしまうという懸念もあるわけですが、その点はどのように取り組まれてみえますか。
  144. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 私どもは、内部職員から事情を聞きますとともに、また必要に応じまして相手方の事情をお伺いするなり、あるいはまた書類を拝見するなりということも必要であると存じております。ただ、現在会計検査院のお調べ中でございますので、私ども調査も終わるところまで進行いたしておりませんけれども、現在までの段階で部内で事情を聞きました限りでは、仕事をやってまいります上でこの程度はやむを得ないかと思われます範囲の儀礼的な会合でございますとか、あるいは軽微な会食でございますとか、そういうものを別といたしまして、社会常識の範囲を逸脱するような過剰の接待を受けたという事実は認められていないのでございます。  しかしながら、いずれにいたしましても、これは私ども厳正なるべき財政当局といたしまして疑惑を受けること自体まことに遺憾なことでございますので、今後とも姿勢を正し、規律の厳正化に努力をしてまいる考えでございます。
  145. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 運輸大臣、このような不正経理事件を生むような事態になりましたのは、一つには測調費を含む旅費、この予算がカラ出張できるほど余裕がある。また第二は、公団側が他の経費への流用を意図してあらかじめ過大な見積もりを行って予算要求をする。それに対して所管の運輸省が単に前々年度の使用実績に伸び率を掛けるだけという査定の甘さでこれを認める。第三には、測調費や職員研修費あるいは未整備工事費、付帯業務費等の場合がありますが、これらの費目からはいずれも旅費を支出することができるようになっていて、その額というのは限定されていない。すなわちこの予算を弾力的に使用するようになっていることが問題だと思います。したがいまして、これらの旅費として使える費目については、運輸省あるいは大蔵当局ともこの機会にこれを是正をして、カラ出張の財源とすることができないような、そういう措置を明確にするときが来ているのじゃないか、このように思いますが、その点どうでしょうか。
  146. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 原則的にそういう方向で進むべきものだと思います。予算の款項目節の流用等がございますので、私は、この際、厳正にすべきものはあくまでも厳正にする、弾力性を持たすべきものは弾力性を持たせる、そういうことで再検討を真剣にやったらよろしい、そのように考えております。
  147. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 行管庁は見えていますか。——この鉄建公団不正経理事件というのは氷山の一角だと、このように言われているわけですが、公的資金や税金が裏金としてプールされて、接待費やみ賞与に流用されていくということに対しては国民の批判というものは非常に厳しいものがあります。特に、鉄建公団のあり方につきましては、これは国鉄財政再建とも関連して関心を集めているわけですけれども、その存廃については行政管理上からも多くの議論を呼んでいるわけです。先ほど総裁からもいろいろ話がありましたが、技術集団としてのその存在価値というのは私たちも認めないわけではございません。しかし、その設立のときの目的でありました、高度経済成長期、このときの公共事業の推進という大きな役割りはもはや時代に適合しなくなってきているんじゃないかと思うんです。  そういう意味からしますと、やはり行政管理庁としてはこの鉄建公団の存廃についていろいろ検討されていると思います。十八特殊法人の中にも入っているわけでございますが、いまその実態、見直しを調査しているところでございますけれども、その中間報告、そしてそのめどをいつごろに置いているわけでしょうか。
  148. 門田英郎

    説明員(門田英郎君) お尋ねの件でございますが、鉄建公団昭和三十九年に設立されましたとぎの経緯というのは、いまさら御説明するまでもございません、国鉄が独立採算制のたてまえ、あるいは既設線の大幅な整備増強計画ということもございまして、新線建設を積極的に推進しなければならないということから、新たな組織として設置された次第でございます。  その後、いろいろ経済情勢も変わってきたわけでございますし、かたがた国鉄財政というのも非常に大きな変化を遂げてきたという状況であるわけでございますが、私どもといたしましては、この鉄道建設公団、この御指摘の廃止あるいは統合というふうなあり方の問題につきましては、新幹線建設を含めまして鉄道新線の建設、その必要性、あるいは国鉄の財政再建計画と申しますか財政事情、そういったものとも絡めまして、各方面にいろいろな御意見があるというふうに承知しております。今後とも、諸方面の御意見、これを伺いながら慎重に検討していくべきものと、こう考えている次第でございます。
  149. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 終わります、時間が来ましたので。
  150. 田代富士男

    田代富士男君 午前中からの引き続いての質問を私も行いますが、今回のこの鉄建公団の問題につきましては、私も衆議院選挙の街頭演説等で話もしてまいりました。そのときに国民の皆さんから一貫して言われたことは、一般消費税や所得税増税をやり国民から税金を取る前に、この行政の腐敗を正してもらいたい、その生の声を街頭演説が終わりました場所場所で聞いてまいりました。私は、国民の皆さんのその気持ちというものを代弁いたしまして質問をしたいと思います。  最初に、午前中からるる質疑が行われておりますけれども、これだけの大規模な経理の不正が長年にわたって見逃されてきた、これ自身が大きな一つの問題点ではないかと思います。きょう会計検査院から報告がありました金額が二億七千三百万余円。しかし、そのような金額が判明する前に、どうして正式な機関で判明できなかったのか。鉄建公団にも独自の監査制度があるでしょうし、また監督官庁運輸省にも業務検査をやる機構がありますし、また会計検査院経理検査もあったはずであります。にもかかわらず、これが明確にされなかったということは、内部告発がなければこれは永久にわからなかったものであるのか、それともいま申すようなそれぞれの監査機構を持っている機構でこういうことを判明することができたのか。できるとするならば、どういうところから判明できるのか。できないとするならば永久にできないのか。ここを明確に、運輸省公団検査院の立場から御説明いただきたい。
  151. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 山地鉄監局長
  152. 田代富士男

    田代富士男君 大臣からお願いします。
  153. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 公団法に基づき決算関係報告書の審査を伺ってきておりますが、その決算書類の背後にある事実関係にまで一つ一つ立ち入った調査を行うことは困難でありまして、遺憾ながら今回の事件は全く承知しておらなかったというのが実情であります。今後は、極力事実関係についても調査するように努めたいと思っております。
  154. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねでございますが、私といたしましては、先ほどもお答え申し上げた次第でございますけれども、下部で一生懸命働いておる職員が、申しましたように、超過勤務手当を十分にもらえないというふうな実情から、悪いことと知りながら安易な方法に頼ったというのが実情でございます。  これを内部告発というふうな形でなくて、われわれの耳に入るべきルートも当然あってしかるべきでございまするし、また、われわれ幹部がみずからそのことを知らなきゃならない、そういう職責をわれわれは担っておるわけでございまして、そういう意味合いで、先ほども申しましたけれども、私らの力が足りなかったことが今回の原因でございますので、われわれの力がもしもございますれば、当然にこのことは内部告発という方法でなくて知り得たはずであるというふうに確信をいたしておるわけでございまするし、今後に向かいましては、職員の各自の自覚はもちろんでございますけれども、いかようにもせよ正規の手続を経ないで安易に国民の税金を使ったということはとうてい許さるべきことではございませんので、そういう意味から申しますれば、職員一人一人の良心のうずきと申しましょうか、そういうことに期待をいたして今後努力してまいりたい、かように考える次第でございます。
  155. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 日本鉄道建設公団検査につきましては、毎年多額の事業費をもって建設工事を実施されております。また、従来、検査の結果指摘されておりますものの中にも非常に工事に関するものが多数ございます。そこで、ひっきょう私どもといたしましては、多額の工事費、これに重点項目として目を向けざるを得なかった次第でございます。  したがいまして、経理検査につきましては全くやっていないというわけではございませんで、限られた人数、限られた実地検査の日数の中で一応検査はしていたわけでございますが、何分にもカラ出張検査というのは、表面上の出張令命簿あるいは出張の請求、こういうものと出勤簿とは全部符合して整理されており、なかなか発見しにくい問題でございます。したがいまして、今回、六月に名古屋支社において有力な情報を得まして、それは具体的に得ましたものですから、非常にこれは私ども検査としていい端緒になったと思いまして、すぐ実施したわけでございます。その結果発見いたしましたので、その後の検査活動についてはすべて徹底的に旅費検査を実施するという検査体制を組んだわけでございます。  従来、こういうものについて究明できなかったということに対しては非常に遺憾だと思っております。今後は、もっと適切な検査体制を組んで対処してまいりたいと思っております。
  156. 田代富士男

    田代富士男君 私が質問をした趣旨は、内部告発がなければこの問題は表面に永久に出ないのか、もし出るとするならばどういうところから出るのかというのが私の質問です。いまの答弁は全部質問の答えになっておりません。大臣のいまの答弁なんか私の質問一つも答えてないんです。ただ何かしゃべればいいという、そういうものじゃないんですよ。運輸大臣にそれを申し上げたい。  それから、総裁、悪いこととは知りながら悪い方へ走ったと。で、幹部が知らなくちゃならない、力不足のためにこれを知り得なかったということは、私は午前中からここでメモも全部とっています。総裁答弁は、総裁や中央の役員はこういうことは知らなかったと一貫してあなたは午前中から言っていらっしゃった。しかし、いまの話とはいささか食い違いがある。あなたがいまおっしゃったとおりに、力があれば知り得たはずである、悪いとは知りながら悪い方向へ行ってしまったと言うならば、一体、いつごろから、どこでどのようにそういう計画が起案され、そういう企画がされ、どのポジションが決裁をしてこれをやったのか、これをあなたは知っているはずです。これは明確にしていただきたい。午前中、あなたは知らない、知らないと言っていたけれども、あなた知っている。これを明確にしなければ、あなたは責任回避ですよ。  また、私が会計検査院に申し上げたいことは、内部告発があったからこれはできたんだと。それは一生懸命やっていらっしゃることは私も了としております、一生懸命やっていらっしゃることは。しかし、この鉄建公団には、創立以来十五年間、三代にわたりまして会計検査院からOBが監事に就任していらっしゃる。だから、このような不正経理が発見できなかった原因になっているんじゃなかろうか。先輩が行っているからと、そういうところがあったんじゃないかと思うんです。検査にそういう手心を加えられたために発見できなかったのではないかと思うんですけれども、こういうことがあってはならないと思うんですが、会計検査院としてどうですか。これだけの内部告発がなければこれは永久にわからない。いま申された出勤簿からそういう出張の命令書から全部そろっている。こういうものがそろっていたならば、会計検査院としてもできない。  そういうことを思うならば、運輸大臣、こういう公団のやっていることは、会計検査院が行っても、帳簿とかそういう資料は全部そろっている、こういう状況であれば永久にわかりませんよ。しかし、監事という、こういう監査制度がある以上は、こういう監査制度をもっと用いるような制度を考えるわけにいかないですか。もう一度私の言った趣旨に基づいて答えてください。
  157. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ただいまお話がありましたように、監事会計検査院の事務総長経験者であります。経理をやった者は大蔵省出身者であります。総務担当の理事は運輸省の出身者であります。総裁はかつて警察庁の出身者であります。いずれもそういう方々を信用申し上げて私どもは見ていくのであって、今度のような結果を見まして、こういうビューロクラシーの中に何が一体起こっているのかということを私は基本的に考えます。あなたのおっしゃるように、投書ですとか内部告発とかいうものより以前に、いま現在、こういうビューロクラシー出身者の人たちの中に何物かわれわれが改革をしなきゃならない基本的なものがある、こういうふうに私は考える。あなたのように、ただ目の前に出た投書がなければわからないのかという、そういう考え方以上に私は深刻な問題だと考えています。
  158. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 先ほどお答え申し上げましたことを私の責任回避のようにおとりでございますが、私は責任を回避するつもりは毛頭ございませんし、申し上げたかった意味は、第一線で日夜営々として働いている職員が当然いただけるべき手当がいただけない、そういうふうな実情が長い間続いておったわけでございます。そういうようなところに対してカラ出張という形で超過勤務の補充をいただいたというのが実情でございます。したがって、そういうことをやっておった人たちの心情に思いをはせますならば、いかほどかつらかったろうということを実は私は思いやるわけでございます。  繰り返して、責任回避とおとりかもしれませんけれども、実は、残念ながら私の力が足りなかったものでございまするので、そのような実情をつかむことができなかったということを恥じ入って申し上げている次第でございます。
  159. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 検査院から過去三代にわたりまして監事が出ているというのは事実でございます。私どもは、検査院が実施している外部からの検査と、それから公団が実施します監事監査、それから公団内部監査監査と、三者は相互に相まってよろしく運用されて万全を期するものと考えておりますが、検査院としましては、本院の出身者が監事になっているからといいまして検査の上で手心を加えるということは決してないのでございます。  今回の問題は、先ほど局長が申しましたとおり内部告発に基づいておりますが、また内部告発がなければ非常に発見困難な問題でございますが、ないからといって検査院の仕事ができないというわけではございませんので、これからその点を十分注意してやっていきたいと考えております。
  160. 田代富士男

    田代富士男君 いま運輸大臣は、私が質問すること以上の重大な責任を痛感しているということでございますから、私は一つの提案として申し上げますと、今回の鉄建公団等の特殊法人に対しまして、外国の例を見ますと、民間による行政監視の委員会等が設置されております。こういう機構があるわけなんですが、だから私の質問以上に真剣にその問題の解決のために努力するとおっしゃるならば、検査院と並んで外部からチェックしていくべきこういうような機構をつくるように、閣僚会議において提案なさるお気持ちはありませんか、どうでしょうか。いまさっきの決意とあわせてお聞かせいただきたいと思いますが。
  161. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 具体的にどういうことを言っておられますか。
  162. 田代富士男

    田代富士男君 いま申すとおりに、外国では民間のそういう行政監視委員会というべきチェック機関ですね、検査院と並んで外部からチェックしていくようなそういう機構を考えて、よりこういうことが、内部告発によってわかったくらいですから、それがなければわからないんだから、こういうことを検討して、これの改善策閣僚会議で提案をしていただくお気持ちはないかどうかということです。
  163. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) いま伺ったばかりでございますから、そういう御意見があったということを念頭に置いて今後考えてみたいと思います。  私は、その制度もさることながら、そういう立場に立った人たちの使命感と申しますか、責任感と申しますか、そういうところに基本的に問題はないかということをかねがね感じておりますから先ほどのような発言をいたしたのであります。制度問題で片づく問題ではないのではないか、そういうふうに考えますが、しかしせっかくのお話でございますから検討してみたいと思います。
  164. 田代富士男

    田代富士男君 またそういうことをおっしゃると、時間のないところで私言いたいと思うんです。使命感とかいま責任感とかおっしゃった。大臣が申されたとおりに、公団の最高幹部は、出身地が最高の立場から来ていらっしゃる人だから信頼をしていたと。そこにこういうことが起きてきているんだから、こういうことを、そういう使命感とか責任感とか、これで済まされたならば何も心配する必要はないからあえて言ったわけなんですから。一つこのことをあえて申し上げたいんです。どうですか、こういうことでは解決できないと思うんですけれども
  165. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ただいまの御質疑の御趣旨をよく念頭に置いて今後対処をしてまいるようにします。
  166. 田代富士男

    田代富士男君 それでひとつ、こういうことがまかり通っていることがわからなかったということでございますが、九月十七日付の朝日新聞にもすでに報道されていることでございますが、会計検査院名古屋支社検査したときに、五十三年度の同支社旅費予算は、測調費、一般旅費、現場調査費など合計すると七千六百万円であった。これらの旅費からカラ出張で浮かした金が約二千三百万円から二千四百万円に上っている。結局、この支社では旅費予算の三分の一がカラ出張の財源となっているわけなんですが、このように予算の三分の一を使用しなくても、まあ、とどのつまり職員が出張しなくても、仕事に行かなくても業務上何らの支障も来さなかった。これは一体どういうことか。  もしこれが三分の一の旅費を使わずに支障なかったという、そういうことになりますと、この七千六百万円の予算額というのは本来過大な予算額ではなかったのか。こういうような予算を認可される運輸省はこの実態をどのように受けとめるのか。これでよいのか。三分の一ですよ。だから、旅費の予算そのものに余裕があり過ぎるのではないか。  こういうことを考えますと、公団側が毎年度、それぞれの経費への流用を悪用しても、悪用するためにあらかじめ過大な見積もりを行って予算要求をしてくるのに対しまして、運輸省大蔵省が、ただ単に前年度の大まかな使用実績に伸び率を掛けたくらいでこういうような査定をやっている甘さにも原因があるのではないかと思いますけれども、これは大臣、三分の一ですよ、監督官庁責任者としてこれをどう受けとめられますか。その点どうですか。
  167. 山地進

    説明員(山地進君) ただいま田代先生の御指摘のように、予算上旅費というのは、普通旅費につきましては基準単価に定員を掛けて出す。それから、いまの現場の方の測調費等につきましては、これは建設費に比例させて配分しております。と申しますのは、各現場におきましてどのような使用の仕方をしたらいいかということにつきましては、事前に克明に旅費の分はこれくらいというふうな決定がなかなかしにくいという事情で、建設費に応じて各現場に配付していると、かように承知しております。
  168. 田代富士男

    田代富士男君 いまの説明ではわかりませんね。私が言っているのは、三分の一が、もう現実に出ていますよ、カラ出張費の方へ組み込まれているんです。それでも支障を来してないということは、過大に見積もりしているじゃないですか。この実態、ただ、いまの説明では納得できませんよ。大臣どうですか、いまの説明で納得できますか。私、納得できませんよ。
  169. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 従来の慣例による予算の査定方式によって決まった予算だと思いますから、今後の運用並びに来年度については、きちんとした体制をもって臨みたいと思います。
  170. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、こういうような名古屋支社の実態というものは好ましくない実態であるから、今後、こういうすべてにこれは検討を加えるという、このように理解してよろしいですか、どうですか。
  171. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) そのとおりです。
  172. 田代富士男

    田代富士男君 それから、朝からいろいろお話が出された中で、この会計検査院調査に非協力な面が見られたと。それで会計検査院の口から、たびたびそういう証拠書類となるべきものが廃棄されているということでございますけれども、少なくとも、これだけの金額のものが流用されるんですから帳簿は現存しているはずなんです。で、いま会計検査院局長が言われるとおりに、調査費的なものの帳簿は掲載してあるのがあたりまえであると、そういう御発言をされているわけなんですけれども公団総裁は——こういう帳簿は現存していたわけなんでしょう。そしてそれが破棄されたということは、本人が破棄したということでございますけれども、それぞれ官庁出身者であるならば、たとえば会計検査院のそういう対象になった書類は五年間は最低保管しなくちゃならないと、それぞれの書類内容による保管規定があるはずなんですが、そういう中で生きてきた人たちがそう簡単に破棄されるわけありません、これは。だから、いずれかのそういう指示によってこれが破棄されている。だれの指示でそういう破棄をされたのか、私はそのことをお伺いしたい。  そうして、総裁お尋ねしたいんですけれども、中央はそういうことは知らなかったとおっしゃられるけれども、再度聞きますけれども、それであるならば、それぞれのここに出先機関の事業所、支社、事務所がありますけれども、ここの中心者が主体的にやったのか、そこらあたりも明確にしていただきたい。よろしゅうございましょうか。破棄をしたのはだれなのか、そういう指示を出したのはだれなのか。本人だけがやったというわけにはまいりません、これだけの……。帳簿もつけてあるのがあたりまえであるという発言がありますから、それにこたえて、どうでしょうか。
  173. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 今回の会計検査実地検査を受けるに当たりましては、あくまでも、本社といたしましては洗いざらい、あるがままの検査を受けるように、これは関係支社長、局長にその旨を厳重に示達をし、そういうふうなたてまえで検査を受けたはずでございます。ただ、いまお尋ねがございましたように、具体的には証拠書類がなくて、破棄してしまったというようなことがあるようにお聞きしておりますが、これは、いまお尋ねございました、だれが命令したとかなんとかということにつきましては、実は残念ながら実態を把握しておりません。これから一生懸命、会計検査院の方の検査と並行いたしまして事実関係についても究明をいたしたいと、かように考える次第でございます。
  174. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、今後明確にしていただきたいと思います。  それと、けさからも言われておりましたけれども、このようなカラ出張の問題が、新聞報道等によりますと、環境庁を初め各省——政府官庁の郵政省だとか大蔵省とか国税庁とか、いろんなところにもこういうことが行われておるということが報道されておりますけれども、きょうは官房長官お見えになっていらっしゃいませんけれども、こういう問題に対して、けさも、綱紀粛正のための通達を出したとか言っていらっしゃいますけれども、これは電電公社だけでなくして、これも明確にすべきじゃないでしょうか、この問題に対して。その点に対してどうです。
  175. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) けさほどから申し上げておりますように、この公社、公団等の問題につきましては、九月二十一日、閣議において総理大臣より厳重に発言いたしまして、その旨を各関係監督省庁に伝えてございます。  そしてまた、その後に議論になりましたいわゆる官庁そのもの自体のカラ出張等の問題につきましては、六日の日に官房長官よりも各省庁にその実態を調査するよう、また今後綱紀の粛正に全力を挙げるように通達はいたしております。そして、この問題がなぜ発生するか、その仕組み等、その基本を今後とも十分に関係各省庁とも協議してその問題の根本の追求に当たっていきたいと考えております。関係閣僚協議会もつくりまして、現在鋭意検討しておりますけれども選挙もありまして十分なる時間がなかったことは事実でございます。来る十八日には幹事会、十九日にはまた正規の閣僚協議会等を開いて、この問題を十分に検討していきたいと考えております。
  176. 田代富士男

    田代富士男君 それでは、いま今後のスケジュールを簡単に申されたけれども、この問題のやはり結末というものは出さなくちゃならないんですけれども、おおむねいつごろまでにその結論をお出しになる御予定ですか、実態の明確。
  177. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) これはまた、会計検査院等の調査結果がいつすべて明らかになるかとも密接に絡んでおりますので、現在のところ会計検査院の動きを見なければなりませんので、ここでは政府が一方的に申し上げることはできないと考えております。
  178. 田代富士男

    田代富士男君 そこで運輸大臣お尋ねしますが、いまも官房副長官が申されたとおりに、この仕組みあるいは基本を協議して、根本の問題を解決しなくてはならないといま申されたわけなんですが、それは私はまさしくいまお聞きしたいと思っていたところなんです。こういうようなカラ出張をやってお金を捻出しなくてはならない、お金を捻出したという事実がある。これはぜひ、その必要な金があればこそ捻出したと思うけれども、その背景にはどういう背景があったのか、捻出しなくてはならない背景、これをわからずにお金がどうなったこうなった、これは現実の問題だけれども、目に見えない、そのようなものをつくらなくちゃならなかったという背景の根本を、これを解決しなければこれは根本解決にならないと思うんです。  この背景について、大臣はいまさき、私の質問以上に責任は感じているとおっしゃったけれども、この背景をどのように受けとめていらっしゃるのか、この鉄建公団監督の最高責任者である大臣にお聞かせいただきたい。
  179. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほど来余り御質問がないのでありますが、このカラ出張の問題とあわせまして、いわゆるやみボーナスの問題もあります。この問題もあわせてこれは考えていかなければならないわけであります。公務員に準ずるというボーナスが、準ずるというのはどの程度のものかは別にいたしまして、しかし五割も六割も公務員よりも高いボーナスが支給されているという実情については、いままでの御質疑の中では余りお触れになっておられないと思います。それらの問題もあわせまして、公団全体といたしまして、そこにある幹部諸君の物の考え方、あるいはビヘービアといいますかね、そういうもの、あるいは公団職員組織している組合の問題等々を、総合的にこれらの問題を考えてまいりたいと思っております。  ですから、違法なるカラ出張の問題だけではありません。不適当なる、適当ならざるやみボーナスの問題も考え、それらを総合的にわれわれは問題を処理してまいりたい、こういうふうに考えておりますから、そういうつもりで対処してまいりたいと、そういうつもりでおります。
  180. 田代富士男

    田代富士男君 いまの趣旨で、その背景について総裁としてどのようにお考えになっていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
  181. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねは、カラ出張の生まれてきたその背景あるいは原因ということのお尋ねのように承りますが、先ほどもお答え申し上げた次第でございまするけれども、今回のカラ出張の多くの部分はいわゆる超過勤務の不足分に対する充当という形において支払われておるのが実情のようでございます。  したがいまして、これは上越新幹線を中心としました部局に特に多いのでございますけれども、それは昭和五十三年度が上越新幹線のいわば最繁忙期でございまして、御報告申し上げましたように、全体の決算をいたしましても五十二年、五十三年の決算では四十九年から五十一年に比べまして一五%の決算額の増になっております。それに引きかえて人員の増はわずかに〇・二%の人員増というふうなかっこうになっておりまして、そういう意味合いからも御判断いただけるかと存じますけれども、異常な繁忙をきわめたわけでございます。時あたかも公共事業の促進の機運の情勢でもございまして、そういう意味合いで超過勤務分が大幅に減少いたしたということが一つの原因でございます。  もう一つの原因は、これまた御報告申し上げた次第でございますが、いずれのプロジェクトも大きなプロジェクトでございまして、私は必ずしも専門でございませんけれども、うちの専門家の言をかりますならば、現在の国内外においてこれほど高い、最もむずかしいいわば最高の国鉄の鉄道土木技術が展開されておる最中でございます。そういう意味合いで、内外からの見学者あるいは視察者が非常に多いのでございます。そういうふうな方々に対する説明でございますとか、あるいは接遇でございますとか、あるいはそういう方々との打ち合わせ、懇談でございますとか、そういうふうな予想外の費用が増高しましてかさんだというふうなことが今回のカラ出張を生んだ背後の原因でございます。  重ねて大変無責任なことを申し上げるようでございますけれども、そういうふうなことであるならば、当然に必要な経費は要求すべきであったのではないかというお尋ねは当然だと思います。そういうことにつきまして、私らが現場の一線のそういう苦しい実情について、それをつまびらかにしなかったということについて、重ね重ねその不明を恥じる次第でございます。  以上でございます。
  182. 田代富士男

    田代富士男君 それで、いまいろいろ背景について申されたわけなんですが、申されてない分もあると思うんです。  というのは、きょう検査院から報告された不正経理総額は二億七千三百万余円ですが、このうちの雑費分八千五百万余円、言うなれば約三分の一の金額です。この雑費分の明細が定かでないんです。何にどれだけ使われたかのか、これが不透明です。この中に、大蔵省やあるいはいまさっきも質問が出ておりました運輸省、そういう関係の皆さんとの接待費あるいは政治家との交際費に使われたと、それだけのことであって、この金額内容がどのように使われたのか、少なくとも三分の一の金が使われているならば、この雑費分という固有名詞の中に含まれるこういうお金も必要であったがためにこういうことが行われたのではないですか。そういうような大蔵省運輸省関係者との接待費、これは必要なものもあるでしょうけれども、少なくともきょう判明しているお金の三分の一がそういうものに使われている。  これは国民の皆さんがこの数字を聞いたときに、これは納得しませんね、だれがどう言っても。内容についてはきょうも明確にならないじゃないですか、朝から聞いておりますけれども。これはだれがどう使ったのか、これはどうなんですか。総裁としまして、大枠このくらいの、いまそういうようないろいろなお客さんが大ぜい来るとか、そういうことを何回も言っていらっしゃいますけれども、それもわかりますけれども、そのくらいわかっていらっしゃったら、雑費分の八千五百万余の内訳はおおむねどういう内容になっておりますか、わかっていらっしゃる範囲内でも結構ですけれども、感触だけでもいいですから。
  183. 川島廣守

    参考人川島廣守君) はなはだ申しわけないことでございますが、現在の段階ではまだその具体的な内容がつまびらかではございません。  ただ、いまお尋ねございましたように、公団の業務に密接な関係のある方々との間において、われわれが社会通念的に考えて必要だと思われる最小限度の範囲内において、いろいろと御懇談やらお教えを受けるというようなことをやっていることは、これは事実でございます。もう少し額その他につきましては時間をかしていただきまして、いずれ正確なところを御報告いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  184. 田代富士男

    田代富士男君 だから、ここらあたりが明確にされてないんです。それで政治家へのそういう献金については、総裁交際費の約三百万円の中から、一応最小限度のおつき合いをされたということを言ってらっしゃいますけれども、新聞報道等によりますれば、最小限度のおつき合いではないわけなんです。だから、ここらあたりの私は関係性といいますか、特に政治献金との関連については会計検査院としてはどういう立場をおとりになるのか。だからこの三百万円の交際費というものは、そういうような規定の中に合った使われ方をやっているのか、私はこういうようなパーティー券を購入するというようなことは行き過ぎじゃないかと思うんですけれどもね、総裁会計検査院からお尋ねしたいと思います。
  185. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 先ほどもお答え申し上げましたわけでございますが、確かに励ます会等の場に出席いたしますために、対価としてそのようなことを、お支払いをした事実はございます。しかしながら、その具体的なことにつきましてはもうしばらくお答えを留保させていただきたいと存じます。
  186. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) いろいろ考え方があるかもしれませんけれども交際費の性格から見まして、励ます会等出席するための会費が社交的、儀礼的な範囲内であれば、検査院としてこれを不当としがたいと考えております。
  187. 田代富士男

    田代富士男君 それはどのくらいの金額ですか、その基準は。最低限度というのはどのくらいの基準ですか。
  188. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 常識的に見て社交的、儀礼的な範囲内であればと考えておりまして、最低という、いまここで幾らということはちょっと申し上げかねますが、そのケース・バイ・ケースによって考えた金額であると考えております。
  189. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、総裁交際費は約三百万でしょう。そのうち、そういうような政治献金をしてもよろしいという、それは規定があるんですか、明確にそういう規定があるんですか。
  190. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 公団は政府から出資された団体でありますので、政治献金というのは一切していけないことになっております。
  191. 田代富士男

    田代富士男君 しかし、こういう公団の金は税金でしょう。だから、税金がこういうようなパーティー券という形を通じてなされているということに対しましては、これは今後改めるべきことであると思うんですが、どうですか。いまのままでよいですか、これは。改めるべき事項であると思いますが、その点どうですか、検査院として。
  192. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 先ほど、国から出資を受けている法人は政治活動に関する寄付はしていけないとなっておりますけれども、この場合は励ます会の発起人に対するものであるという考えを持っております。それで、その点については社交的、儀礼的範囲内であれば不当としがたいと、検査院は会計経理上不当としがたいと考えておりますが、これが奨励すべきものであるかどうかというのはちょっとこちらとしては言えないものでございまして、なるべく自粛してもらいたいという考えを持っております。
  193. 田代富士男

    田代富士男君 いま、なるべく自粛してもらいたいということですが、大臣、こういうようなことはなるべく自粛してもらいたいということよりも、監督官庁の長としまして、明確にこういうことはやるべきでないと思うんですけれどもどうですか、大臣としまして。
  194. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 一応現段階における考え方だけ申し上げたいと思います。  交際費は、公団がその業務を円滑に推進するため儀礼的、社交的な目的で部外者に対し支出する経費である。その具体的な使途については総裁判断に任せてある。その内容調査したことはありません。励ます会への支出も、励ます会という儀礼的、社交的な場への参加が公団として必要であると判断したことによるものと理解をしております。しかし、公団の公共的性格並びにその予算の一部が国民の税金によって賄っていることを考え、このような支出はできるだけ抑制すべきものであると考えます。  なお、政治資金規正法との関係については所轄省庁に御確認を願いたいと思いますが、われわれとしては励ます会への出席への対価であって、政治活動に関する寄付には該当しないと承知をいたしております。これが目下の私どもの考え方であります。
  195. 田代富士男

    田代富士男君 じゃあ制限時間が参りましたから次へ移りますが、今回の一連の検査が終わりますと事後処理にかかるわけでございますが、大きく分けて二つに分けられると思うんです。経理や税に関するものと、人事や組織、制度に関するものではないかと思うんです。  そこで、会計検査院の立場からしますれば、毎年の検査報告に盛り込まれます不当事項というものは、すぐに改善させるのが原則になっております。これはもう御承知のとおりだと思いますけれども、そこで今回のケースは、現場の測量調査に立ち会ったように見せかけまして、出張命令や旅費請求書をつくりまして、毎月一人二万円を上回る旅費を受け取っているわけでございます。当然その旅費対象になりそうなものでありますけれども、そこに超過勤務手当問題が微妙に絡み合っている、これが実情ではないかと思うわけなんです。  公団の超勤は現場関係が月平均三十時間、事務関係が二十時間、頭打ちされているというようなことを聞いておりますけれども、それ以上働いた分は公式な手当は支給されてない。そのために検査院カラ出張費のかなりの部分が超勤手当の不足分の穴埋めに充てられたと見られておりますし、きょうもここに数字が出されておりますが、こういう立場から考えますと、職員にじゃそれを返還を求めたならば、本来受け取るべき手当だったのにという職員や組合から反発が出てくるのは火を見るより明らかではないかと思いますし、特に、数年さかのぼって天引きによってこれを返還さすようなことになりましたならば賞与なんかも吹き飛んでしまうと、こういうことが起きてくるし、また逆に、大部分が超勤手当の穴埋めだったとして追認した場合、クローズアップされるのが脱税問題ではないかと思うわけなんです。  というのは、御承知のとおりに、出張旅費というのは経費扱いされまして非課税でありますが、超勤手当は所得の一部として課税対象となりまして、少なくとも三年間はさかのぼって税金の追徴を受けることになる、こういうことが起きてくるのではないかと思うわけなんです。その場合、申告漏れの直接の責任者は源泉徴収義務者である公団、税務調査により脱税の意図があったとして重加算税でも課せられますと、政府関係機関として初めてこれは脱税という汚名をかぶるようなことになるわけなんですが、こういうことから考えまして、この経理や税に関する問題をどのように、返還すべきであるか、超勤と認めるべきであるのか、個人の所得となっている以上は課税すべきであると、いろいろなあれがあるわけなんですけれども、これに対する見解を述べていただきたいと思いますし、第二番目の人事や組織や制度に関するものに対するこの処理はどのようにお考えになっているのか、関係各省からお答えいただきたいと思います。
  196. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま、各人の旅費から超過勤務と称して支給されている分については、個々に詳細に個人ごとに分析中でございます。そこで、その実態はまだ判明いたしておりませんが、ただ鉄道建設公団の現場としては、非常に忙しい建設現場であるということは私ども承知しております。ですから、超過勤務の正規の中で消化できるかどうか、これも非常に苦しいところだと思います。ただ、私ども実際に検査に当たりまして、その超過勤務が実際にそれ以上行われたという関係書類がないんでございます。そこで、当然その背景的にはオーバータイムの支給ということになるかと思うんでございますが、会計検査院的にはそれを立証する資料が全くないものでございますから、いまの場合何とも申し上げられないところでございます。  したがいまして処置につきましても、会計検査院で直ちにいまどうしろということを申し上げられない段階でございまして、まずこれは第一義的には公団なり監督官庁でお考えいただく問題ではないかと思っておるわけでございます。
  197. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) ただいまの御質問でございますが、いま検査院の方から御答弁がありましたように、事実確認が中心ということになろうかと思うのでございますが、その実態が明確になった場合の処理ということに相なろうかと思います。したがいましてあくまでも仮定としての一般論、税務面から見た一般論というお答えで恐縮でございますが、仮に鉄建公団カラ出張をいたしまして、その分を、旅費をプールいたしまして、これを個々の職員に対して実際に支給した、しかもそれは実際に超勤手当としての実体を備えているというものであると仮定いたしますと、そういう諸手当につきましては、通勤手当などのように課税されないように一応取り扱われているようなものでない限りは返還が行われないとすれば、その職員各人に対して渡されたものに対しましては、給与の支給があったということとして所得税の源泉徴収を行う必要が出てくるのではないかというふうに考えられます。  いずれにいたしましても、検査院の方とも十分協議を重ねながら処理を進めてまいりたいと、かように考えております。
  198. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 原則的に課税すべきものだと私は考えておりますが、それについては会計検査院のお考えも伺い、それから国税庁側の御意見も伺いまして、最終的に決めてまいりたいと思うのです。  ただ、これ御参考までに申し上げたいと思いますのは、先ほどもちょっと触れたんでありますが、きょうはカラ出張に、いわゆるカラ出張重点を置いた御論議に限られております。しかし問題は、いわゆるやみボーナスの問題も入るのであります。すなわち、公務員並みのボーナスと言いながら、実は公務員よりも五割ないし六割多いボーナスが支払われておるわけでありまして、その中に一般職員については、超過勤務五十時間というものが含まれております。それは金額にいたしまして約二億三百万円ということでございまして、たまたまこの個人支給にわたります三億九千五百万円がカラ出張でありますが、その中で二億五千九百万というのが個人支給であります。それで、これは五十四年度が一部七月まで、あとは五十三年度。五十三年度は約二億でありますから、実際問題としましてはボーナスの方に超過勤務の分が回っておりますから、その足りない分の補いがこの数字面から見ますと個人支給カラ出張の方から回っておる、こういうことでございまして、どうかひとつ問題を総合的にお考えを願い、総合的に背景を検討していかなきゃならない問題ではないか。  先ほど申し上げましたのは、いまのビューロクラシーの持っている基本的欠陥というものも私はあると思いますが、しかしやはり公団、公庫、事業団という特殊の政府機関の持っている性格、したがって一般職員組織している組合運動というものにも、問題を触れずしてこの問題の解決ができないということも、これはやはり考えていかなきゃならぬことではないかと思います。  したがって先ほど田代委員からの御質問の趣旨だけを申しますと、私は、当然税金は取ったらいいじゃないですかと、きわめて簡単に考えておりますが、しかし、いまも申しましたようになかなか取りづらいという条件等もあるようでございますからね。だけど、それは国税庁や、それから会計検査院の方とよく御相談をしてと、こういうふうに思っております。しかし、どうかひとつ問題をカラ出張のみに限らず、いわゆるやみボーナスと言われる、いわゆるでございますよ、やみボーナスというものの生まれる背景、一般公務員が約五%のボーナスであるにかかわらず、公団、公庫、事業団、少なくとも鉄建公団におきましては、五カ月分のものに対して六・五カ月というボーナスが与えられているというところに問題があるということもどうかひとつ御銘記を願って、そういう広い角度からこの問題の解明に入っていくべきだ、こういうふうに考えておるわけでございまして、どうかひとつ、そういう意味では格別の御教示をお願いをいたしたい、格別のまた御理解もお願いしたいというのが私の気持ちでございます。
  199. 田代富士男

    田代富士男君 時間がありませんから、最後に官房副長官に、これは実態を知りながら御検討をいただきたいことですけれども、今回こういうような問題がありまして、国民の皆さんの信頼を回復しなくちゃならないわけなんですが、ところが来年度の予算を控えまして、いまから申し上げるような実態があります。こういう実態もあわせて改革をすべきであるということを最後に申し上げたいんです。  大蔵省調査でももうすでにわかっていると思いますが、五十三年度特殊法人の財政投融資計画の二六%、四兆八千億円が使い残されているということが明らかにされております。特に中小企業振興事業団、地域振興整備公団、日本輸出入銀行などは計画の半分以上が予算未消化、予算がついても仕事がないという実態です。  だからこのことは、これらの特殊法人が必要以上に財政計画を拡大して、政府がこれにこたえて大盤振る舞いをした事実がこれで証明されているわけなんですが、こういう問題に対してどう対処するのか。まあ最初に私が言いました行政腐敗を改革していかなくちゃならないし、こういうところから具体的な行財政改革案を私は明示すべきじゃないかと思いますし、朝から一連のいろいろな特殊法人の検討の問題等も出ておりましたけれども、これをあわせて最後に御答弁いただきたいと思います。
  200. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) 先生の御指摘の事実、ちょっと私たち現在の段階では承知しておりませんでしたけれども、十分に調査して、そして問題点があれば、来年度予算編成の際に十分に御趣旨の点を踏まえて検討さしていただきたいと思います。
  201. 田代富士男

    田代富士男君 それだけではなくて全部にわたって、これは一つの例ですから、全部にわたってどういうふうに具体的な行財政改革をやるのかというお考えを聞かしていただきたいと思います。
  202. 加藤紘一

    説明員(加藤紘一君) 先ほど申しましたように、公社、公団というのは、それなりにその設立の段階では国会でも御審議いただき、その存在理由があると判断してできたものでございますけれども、その事態の推移に合わせて必要なくなっているケースもある可能性がございます。その点はスクラップ・アンド・ビルドで十分に見ておるわけでございますが、今後ともその点については検討を加えていきたいと思います。そして現在の国の財政の状況の中からいわゆるぜい肉を十分にそぎ落とすように、それはまず国の機関及び関係機関からやるべきではないかという声は非常に強く私たちも感じております。そういう社会全体の雰囲気及び世論というものを十分に踏まえた上で、先生の御指摘の点も参考にさせていただいて来年度予算の編成に当たりたい、こう考える次第でございます。
  203. 内藤功

    ○内藤功君 鉄建公団は、国民の税金に基礎を置く補助金などで八百九十八億円、それから、郵便貯金など、これも国民の負担に由来する財政投融資で二千六百八十九億円、こういうような貴重な国民の文字どおりの血税で賄われておる団体であります。法人であります。しかるに本朝来の答弁で明らかなように、会計検査院調査では約八千五百万、それから、これと別個に公団調査によって別途五千万、合わせると一億三千五百万と、こういう膨大な雑費的なものにカラ出張分が向けられておる、この究明が徹底的にやはりなされなければならぬと思うんです。  そこで、まず、この根本にさかのぼって問題を提起したいんですが、鉄建公団交際費です。この交際費は三百万計上されておる。これの支出の方法、稟議の手続きはどんなふうになっておりますか。
  204. 川島廣守

    参考人川島廣守君) お尋ねございました交際費の三百万でございますが、この支出の手続は、起案者は秘書室長が起案をいたしまして、それを総務部長、それから総務担当の理事を経まして総裁の決裁というふうに手順はなっております。  しかしながら、元来、交際費と申しますのは儀礼的、社交的な性格のものでございまして、部外者に対して一方的あるいは贈与的に支出をするものであるというふうに定義づけられておるわけでございまして、そういう意味では冠婚葬祭その他恒常的なものがほとんどでございます。したがって、私のところの実情では、総務担当理事におおむね任せてこれをしておるというのが実態でございます。
  205. 内藤功

    ○内藤功君 総裁が自分で直接決裁をするものと、総務担当理事限りでやるものと分かれておるんですか。その基準はどこにあるんですか。
  206. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 特別むずかしい基準というようなものは持ち合わせておりません。そのときどきの情勢と申しましょうか、そのときどきの必要に従って、ケース・バイ・ケースで判断してまいるのが実態でございます。
  207. 内藤功

    ○内藤功君 たとえば冠婚葬祭について、こういうような範囲、こういうような人についての冠婚葬祭で、金額はこれだけというふうな明文化された基準はあるんですか、どうですか。
  208. 川島廣守

    参考人川島廣守君) そのようなものはつくってございません。
  209. 内藤功

    ○内藤功君 政治家に対するパーティー券の購入、励ます会のパーティー券の購入あるいは政治家に対する寄付、献金と、こういうようなものについて、どの範囲、あるいは金額は上限は幾ら下限は幾らと、こういう明文化された基準はあるんですか、ないんですか。
  210. 川島廣守

    参考人川島廣守君) そのような基準は全くございません。
  211. 内藤功

    ○内藤功君 そういう基準もなしに、運輸大臣の所管の特殊法人の中で、私は七つの代表的な法人を表にしてみたのですが、日本国有鉄道、これが二百九十七万、船舶整備公団が百五十万、日本鉄道建設公団が三百万、新東京国際空港公団が二百四十一万、京浜外貿埠頭公団が二百四十一万。これ何にも仕事をしていないと言われているやつです。あくびばっかりして仕事をしていると言われているやつです。阪神外貿埠頭公団が二百四十一万、国際観光振興会が百九十万、こういうような、しかもまだほかにもありますが、いま私は代表的な七つを挙げましたが、百人ごとの役員数は非常に多い。船舶整備公団が六・四人、国際観光振興会が六・三人、京浜外貿埠頭公団が四・三人、阪神外貿埠頭公団が四・二人、新東京国際空港公団が一・二人、こういうふうに非常に多い役員数を抱えておるのであります。  これがみんな、いま総裁が言ったような基準は何にもないと、どういう政治家に出すか、あるいはどういう冠婚葬祭で幾ら出すかという基準なしにやられている。もし、全体に、こういうものがいまのビューロクラシーの中であるのだったら、根本的にこれは洗い直さなきゃいかぬと私は思うんですが、大臣どうですか。
  212. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 御趣旨に沿わぬかもしれませんが——年額三百万円ですね、年額でしょう、月額じゃないでしょう。
  213. 内藤功

    ○内藤功君 年額ですよ。
  214. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 年額というと月に二十五万円ですね、月に二十五万円ぐらいは総裁のポケットマネーとして、それぞれの大きな仕事をしているんですから、社会通念上そう目くじら立てて言うほどの額ではない。これが月に三百万円というなら考えますがね。御列席の皆さんも政治のお仕事をしておられる。それぞれ政治というのは金がかかるわけでありますから、毎月二十五万円ぐらいの、程度の——ぐらいというのは取り消します——程度交際費総裁がある程度自由にお使いになる。大体総裁の給料は百万円近いと思いますから、二十万円ぐらいのその交際費を、それはもうわれわれは信用して総裁にした人でございますから、やっぱりそれだけの信頼してそういうものをお任せしても私はおかしくないと、それを一々どういう基準でどうのというようなことでは私はないように思いますがね、これは。いかがでございましょうか。
  215. 内藤功

    ○内藤功君 いまやその感覚を打破しなきゃいかぬですよ。いま、私らが街頭でやりましても、五億円なんという金はぴんとこないというんですよ。二十五万、三十万という自分の月給や月給に近い額の金がどういうふうに軽く扱われておるか、これがいま国民の大きな感覚なんです。ですから、いま森山大臣の言ったこの感覚をまさに打破しなければいかぬ。大蔵省も言っておるじゃないですか、骨の髄まで削るといま言ったでしょう。われわれはやっぱりこういうことを一つ一つ厳密にやっていく時代が来ていると私は思う。  それから、いま、月給が百万円だから交際費が二十五万円、あたりまえだと。この観念をやはり打破しなきゃいかぬですね。つまり、百万円月給があるなら、その中でなぜ自分の自腹を多少切っても冠婚葬祭やれないか。冠婚葬祭、必要なものはポケットマネーでやれないか、そういう清廉潔白な気持ちになぜなれないか。これが国民の感覚だということを私はあなたに申し上げたい。  私はこういう点で、いまのあなたのお話は、私の予想しておった答弁なんです、実は。予想しておった答弁だけれども、まさにそこが見直されなければいかぬと思うんですね。  そこで、ここで聞きたいのは、政治家の励ます会のパーティー券購入というのは、大体四、五十人の人に対してやられたということが報道されております。これは総裁に聞きたいんですが、昭和五十三年度でどのくらいのパーティー券の購入がやられたんですか。
  216. 川島廣守

    参考人川島廣守君) あくまでも、主催者の方からお誘いがあって、たびたびお答え申し上げておりまするように、最小限度のおつき合いをしておるわけでございます。したがいまして、これはこちら側が判断をしてやったわけでございまするので、その員数とかお名前とかについては遠慮をさせていただきたいと存じます。
  217. 内藤功

    ○内藤功君 なぜ遠慮をする必要があるんです。これは国民の税金と郵便貯金から出ているものです、ぼくが冒頭に言ったように。おわかりになるでしょう。これがどう使われているかということは国民の最大の関心事であります。特に国民は、郵便貯金や税金が、そういう政治家の、しかも一般消費税を導入しようという人がいるかもしれませんよ、この中には。そういう人に、この政治家のパーティーの会費でもって出されるなんということを期待してはおりませんよ。容認しませんよ、どういう人にこれは出しているのか。その前に、人数はどのくらいの人かと聞いているんです、昭和五十三年度。おわかりなんでしょう、総裁が決裁しているんだから。どうなんですか、これは。
  218. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 答弁を差し控えさせていただきます。
  219. 内藤功

    ○内藤功君 何でこれは答弁を差し控えるんですか。四十人、五十人というのは報道もされておりますよ、これは。これは九月十八日の新聞ですが、「選挙を控えて会が花盛りだった五十三年度は、総裁交際費が少なくとも四、五十回の会」、これはつまり励ます会、「のために支出されていたことがわかった。」、これはちゃんと報道されて、みんなそう思っているんです。どうだと、こう確認しているんです。  じゃ、このとおり受け取っていいんですね。どうなんです、それは。こういうことも言えないんですか、あなた。
  220. 川島廣守

    参考人川島廣守君) お答えを遠慮させていただきます。
  221. 内藤功

    ○内藤功君 これ、重大な問題ですよ。  これは後刻、私は委員長に申し上げたいが、これは委員会としても、後で出てくるように非常に重大な問題です。委員長としても、後でこれからいろいろ聞いていく政治献金の内容について、必要に応じて委員長の名においてやはりはっきり答弁するように勧告していただきたいと思うんです。
  222. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 理事会で、よくいまの問題検討いたします。
  223. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、いまこの四、五十人というのは、否定は私はされなかったと思う。遠慮をしたいということですね。それでこの金額ですが、一回の金額、これはパーティー券というのは一枚数万円、二万円のものもあり、三万円のものもある、いろいろあるということを私は聞いている。私は自分でやったことはない。だから全然私は経験がない。しかし、報道されているところでは二万円のものあり、三万円のものもある、あるいは五万円のものもある。それを一枚買わせるというんじゃなくて、やっぱり何枚か、多いときは十枚から二十枚、場合によったら数十枚を役所に買わせる人もあるということを私は聞いているんです。  そこで、あなたに聞きたいんですが、この一枚の単価はどれぐらいで、枚数はどのぐらいなんです、昭和五十三年度においては。これをちょっとここで明らかにしてもらいたい、国民の税金ですからね、これは。
  224. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 金額もいろいろあろうかと思いますが、員数もあわせましてお答えを遠慮さしていただきます。
  225. 内藤功

    ○内藤功君 これは交際費というのは、冠婚葬祭もある。しかし、そういう政治家に対するパーティーの分もあるという、一体どういう割合なんですか。冠婚葬祭、いわゆるそういう慶弔に対するものと、それからこういう政治家に対するものと、この割合はどうなんです。どのぐらいの割合であるんですか。あなたの決裁事項でしょう、これは。これも言えないんですか。
  226. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 交際費内容は、先ほど申しましたような意味合いでございまするので、答弁することを差し控えさしていただきたいと思います。
  227. 内藤功

    ○内藤功君 私がこれを聞くのは、あなたの前の総裁である篠原という方がおりますね。これはある週刊誌の記事ですが、こういうことを言っているんですね。「一般に、公団関係の深い自民党運輸部会のメンバー、衆参の運輸委員会のメンバー、そして運輸大臣、政務次官経験者などの政治家の励ます会などには、いわゆるお付き合いとして、誰か理事が出席することになっていました。その場合のカネは、ポケットマネーから出すこともありましたが、公団交際費から出せるものについては、慣例として交際費から出していました」、ここにメンバーとして具体的に、たとえば衆参の運輸委員会のメンバーというのがあります。本日は運輸委員会です。どういう方がこういう方に当たるのか私はわかりません。しかし、これは運輸委員会のメンバー全員の、やはりある意味では名誉に関することですよ。  私は、普通はこういう記事は取り上げません。しかし、このように一般に流布されている出版物の中で活字になって、前総裁の言葉として出ているんですね。それではどういう人物に——衆参の運輸委員会のメンバーに対して電話がかかってきます。運輸委員会のメンバーと書いてありますから、まさかないでしょうねという電話がかかってきた議員は、これはどういうふうに弁明すればいいんですか。これはまさにあなたの方から運輸委員会の名誉にかけて、運輸委員会の潔白証明をしてもらわなきゃならぬですね。どうなんですか。その意味で回数、一回の金額、そうしてどういう人に出したのかということは、当然遠慮すべきことじゃなくて、この委員会であなたがはっきりされるべきことですよ。これがなきゃ問題点は出発しません。どうなんですか。前総裁のこの言葉はここまで言っているんです。
  228. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 前総裁がどこでどのようなことをおっしゃったか、全く承知いたしておりません。  なお、いまのお尋ねに関しましては、先ほど来申し上げておりまするように、答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
  229. 内藤功

    ○内藤功君 これは委員長に申し上げますが、運輸委員会というはっきりした名前が出されている問題ですから、ひとつこの点は委員長からも、運輸委員会の名誉にかかわる問題ですから、はっきりと調査をして当委員会に明らかにするように要求をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  230. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) よく理事会で検討いたします。
  231. 内藤功

    ○内藤功君 それでは、こういう政治家に対する名前も明らかにできないと、こういうような状況ですね。この点について私はさらにお伺いしたいのは、社交的な儀礼的な範囲と、こういうことを言っている、さっきから聞くと。ちょうど大蔵省が来ておられますが、大蔵省は社交的、儀礼的な範囲で政治家パーティー券を出すと、どこまでが社交的、儀礼的な範囲だと、皆さん方は査定をなさる側でありますから、どういう御見解か承っておきたいんです。
  232. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) お答え申し上げます。  私ども、査定いたします際には、交際費の性格からいいましてこれはそれぞれの最高責任者が持とうということで判断していただくということでやっておりまして、先ほど検査院からもお話がありましたように、社交上、儀礼上ということで弾力的にその御執行を任しているということでございます。
  233. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、何も具体的な基準はないということです。国民の税金はこういうふうに交際費の名のもとに総裁判断でもってどんどんどんどん出ていくと。これはさっきの月二十五万円なんというこの価値判断は私はもってのほかだと思う。論外だと思うんですよ。そうして、こういうふうにしてどんどん血税が出されて、鉄建公団の予算というものがいわば食い物にされていくと、こういう実態だと思うんです。私はこういう意味で先ほどからの総裁答弁は非常に遺憾だと思っております。特に、週刊誌においては名前もはっきり三人ぐらいの人が出ております。これは三人の名前もはっきり出ている。こういう状況の中で名前はなお明らかにしない。人数も明らかにしない。国民の側からはこれに対して当然これは厳しいやはり批判が加えられるだろうと思うんであります。  それから、私がもう一つお聞きしておきたいのは、会計検査院にお伺いしたい。  わが党の調査によりますと、大清水トンネルの工事中に、そこで発掘された非常に珍しい石があったそうですね。これを木組みに入れまして、木の枠に入れまして東京都内の某政治家邸にこれを運送したと。そうしてその運送の経費を、約三十万円の経費を落としたと。こういう情報を私ども調査しておるわけです。で、これをいま私ども調査をしておりますけれども検査院の方ではこの情報をキャッチしておるかどうか。それから、いわゆるさっき言われていた使途不明金というものに関連をして、こういうものについての調査の情報を得ておるかどうか。この点をいま率直にお伺いしたい。
  234. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 新潟新幹線建設局雑費等の経理につきましても現在鋭意詰めている、作業中でございます。そして、その中で特にそういう費用があったということは報告に接していないわけでございます。ただ、まだ使途不明金も詰め切れませんので、またさらに調査いたします。
  235. 内藤功

    ○内藤功君 いまの点は引き続き調査を、いまの点も留意して調査をされることを要望しておきます。
  236. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 調査を続行しております。
  237. 内藤功

    ○内藤功君 そこで、この政治家パーティー券という問題は、先ほどのお話だと、これは業務をやっていく上で社交的な、儀礼的な最小限のものだと、社交的、儀礼的に必要なものだと、こういうお話であります。しからば、これは公団としてどういうようなメリットを考えてこれをやるかという問題ですよ。国民の血税でありますから、どういうようなメリットを得るためにやるのか、これは必ずそれに対する報酬というものがなければならぬはずであります。どうでしょうか。これはどういうような効果を策してやるのであるか。総裁どうですか。
  238. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 先ほど来いろいろ御答弁がございまするように、本来交際費は社交的、儀礼的なものでございますが、われわれは儀礼的、社交的と申します意味は、常に対価を求めておつき合いをするという人間関係だけではないと私は思っております。したがって、広い意味で公団の業務に密接な関係のある方々の最小限度に限ってのことでございます。さように御理解をいただきたいと思います。
  239. 内藤功

    ○内藤功君 対価のないものであれば、これはやめるべきであります。対価のないものであればその政治家公団との関係が金でもってつながっている、そういう癒着の関係国民に印象づけるだけだ、私はそういうものだったらやめるべきだ。こういうことについてはさらに政治資金規正法の問題もさっき議論された。このさっきの答弁は、私、よく聞いていないけれども、何か政治活動に関する寄付ではないと言われています。しかし、この二十二条の三には何と書いてあるか。国から補助金その他の給付金の交付の決定を受けた会社その他の法人は、政治活動に関する寄付をしてはならないというのが一項で、国から資本金その他これに準ずるものの出資を受けている法人は、政治活動に関する寄付をしてはならない、これが二項であります。  ところが運輸大臣答弁は、これは所管官庁に詳しいことは任すと言いながら、これは単なる対価だと、会に対する対価であるというふうな答弁ですね、政治活動に関する寄付じゃない。それじゃそれは金額によって違ってくるんですか、そういう議論になると。対価か対価じゃないか。金額によっては対価であり、金額によっては対価でないと、こういう議論に発展していくんです。これはどういうふうに見るんですか。全部、これはどんな高いものであろうと、パーティー券は、十万円であっても二十万円であっても、あるいは何十枚買おうとも、これは対価だというふうなことになってくるんですか。ここのところの説明を伺いたい。
  240. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほども申し上げましたように、所管官庁に確認願いたいがという前提のもとに、われわれとしては励ます会の出席の対価であって、政治活動に対する寄付には該当しないと、したがって、政治資金規正法の第二十二条の三の第一項にはかからないと、こういう考え方であるということを申し上げておる。それ以上の問題について、ただいまどの辺に限界を置くかというようなお話につきましては、これは所轄官庁の方にひとつ正式の見解をお求めになっていただきたい。
  241. 内藤功

    ○内藤功君 そうしますと大臣、あれですか、対価の関係になるような場合と、対価以上のものと、こういう二つの場合があるということは認めるんですね。
  242. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 出席の対価かどうかというのはやはり社会通念の問題だと思います。
  243. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、社会通念上出席の対価——出席の対価ということ自体があいまいですけれども出席の対価という場合とそうでない場合と両方あることを認めるんですね。
  244. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほどもお答えしましたように、出席の対価であるかどうかは社会通念上決まると、こういうふうに考えております。
  245. 内藤功

    ○内藤功君 そこの社会通念を、あなたは監督官庁としてどう考えておられますか。
  246. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) それは私よりも所轄官庁に御確認願いたいと思います。私が政府の一員として私見を申し述べることは適当ではないと思いますから。社会通念上の問題として考えていただきたい。これは私は交際費全体も、月額二十五万円程度のものであれば、社会通念上総裁に任せると、総裁判断にゆだねるということも、これは社会通念上の問題でありまして、それらの額につきましては、内藤委員選挙等おやりになりますから大体見当がおつきになっておるんではないかと思います。
  247. 内藤功

    ○内藤功君 私は全然そういうような、あなたのやるような選挙と違いますね。全然わかりません。  あなたの答えは大体わかってきた。そうすると、大体、会の対価と見られる場合とそうでない場合とがある。両方の場合がある。そうすると、会の対価と見られる場合はこれは政治活動に関する寄付じゃないが、それより上回ったものについては、これは政治活動に関する寄付になると、両方の場合があると、こういうことですね。
  248. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) ですから、先ほど来所轄官庁の御確認を願いたいがという前提のもとに、出席の対価という表現をいたしたのであります。したがって、これをどういうふうに最終的に解決するかは所轄官庁のお考え方というものであろうかと思います。それ以上の私見は申し上げない方がいいと、こういうふうに思います。問題は社会通念であると、こういうふうに考えております。  私はこの際、もう一つ申し上げたいのは、先ほど来、後にお触れになるのかもしれませんけれども雑費の問題に関連しての御質疑が多いのでありますが、個人支給の問題も、雑費総額一億三千六百万円、それに対して個人支給は二億五千九百万円でございますから、その方もきわめて重要でございまして、これがいわゆるやみボーナス五十時間分の中に、すなわち五カ月分の公務員のボーナス支給率に対して六・何日分以上のボーナス支給になっている。その中には五十時間分の超過勤務該当分が含まれておりまして、したがって、それよりもこの金額とが大体パラレルな数字になっておりますものですから、そういう問題もやはりあわせお考え願いたいと思います。どうも個人支給の分とかいわゆるやみボーナスの分に先ほど来御質問が入らないので……
  249. 内藤功

    ○内藤功君 それは別問題ですよ。質問に答えてください。
  250. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) やはり、全体として問題を把握していただきたいと、こう思っておりますわけですがね。
  251. 内藤功

    ○内藤功君 委員質問が自分の答えたいところに来ないからといって、先ほどからこの点に質問が来ないのはおかしいと言っていますが、それはまたきちっと聞きます、それは。これは大きな問題なんです。  さっきの質問どうなんですか。対価か対価でないかという基準はどこにあるかというその質問ですよ。
  252. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほど来申し上げているとおり、所轄省庁に御確認を願いたいが、社会通念上出席の対価というふうに考えられる範囲内を考えておるわけでございますから、それ以上の問題はまた別でございましょう。しかし、どの辺に線を具体的に引くかということは、これは私としていま申し上げる立場にはありません。しかし、物の考え方は大体おわかりになったと、こう思います。
  253. 内藤功

    ○内藤功君 わからない。
  254. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) それは立場がいささか違うのではないかと、こう思います。私が現段階においてお答えできるのはその程度でございます。
  255. 内藤功

    ○内藤功君 こういう実に抽象的な、基準と言えないような基準で国民の血税が使われているということだけははっきりしたと、私は思いますよ。  そこで今度は、大蔵省運輸省に対する接待の問題が先ほどから出ているので、これは大蔵省にもお伺いしておきたいと思うんです。  報道によれば、大蔵省運輸省の幹部職員公団役員が高級料亭やクラブで接待をして、一回に二十万以上の場合もある。一人三万円以上かけた場合もあると報道されております。  そこで、まずこれを受けて、大蔵省の事務次官名で先刻この調査の指示が出されたと聞いておりますが、この指示の内容、指示は何を調べろという指示なんですか、次官の指示は。
  256. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 報道されますところで、鉄道建設公団から関係職員が過剰な接待を受けたかの疑惑があるということでございますので、その事実関係について調査をするという指示でございます。
  257. 内藤功

    ○内藤功君 これまたおかしいですね。過剰な接待を受けたかどうかというその過剰の基準、過剰の観念は、まあ皆さん頭脳のいい方ばかりのお役所だから言わなくてもわかるんだろうけれども、そういう調査なんですね。そうすれば答えは過剰なものは受けておりませんという答えが自主申告では返ってくるに決まっているじゃないですか。その調査の設問自体がナンセンスだと思いますが、いかがですか。
  258. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 接待の関係について調査をいたしました結果、過剰であるかないかということは社会通念の上から判断をするべきものであると、そう思っております。
  259. 内藤功

    ○内藤功君 そうすると、事務次官の通達、調査というのは、過剰な接待を受けたかどうかということについて自主申告をしろと、こういう内容なんですね。その程度なんですね。
  260. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 鉄建公団関係職員との間の接待の関係につきまして調査をした上で、その内容が過剰なものにわたっているものがあるかないかと、そういうものを判断をすることが目的でございます。
  261. 内藤功

    ○内藤功君 どうもはっきりしない。  この九月二十九日の新聞の記事ですと、「1鉄建公団不正経理を黙認してその見返りに接待を受けていたことがあるか2高級料亭、クラブの飲食代金を公団にツケ回し、さらに接待を催促したことがあるか——について」指示したと、こうありますが、これよりもっと抽象的なんですね、実際は。
  262. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 一般的、全体的に調査を指示されております。その調査の中で、恐らく例を挙げればそういうものがあるという報道であるかと存じます。
  263. 内藤功

    ○内藤功君 じゃ、どっちなんですか。いま私の読み上げた新聞の記事が正確なんですか。あなたのさっきのああいう一般的な答えが正確なのか、どっちなんですか。
  264. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 一般的な調査をいたしますけれども、一般的な調査をいたしますればその中に、仮に過剰なもの、不当なものがございますれば、当然含まれて入ってくると考えております。
  265. 内藤功

    ○内藤功君 この時点で公団にちょっとお伺いいたします。  公団経理部次長に兵頭寛、こういう人がおられますが、この人の経歴、これはずうっと公団経理課長をやっていたんだけれども、ことしの六月に大蔵省主計局の総務課長補佐に一たん移っているんですね。そうして今度は一カ月後の七月にいまの公団経理部次長というところにやってきた、こういう経歴ですが、これは一カ月だけ大蔵省の主計局総務課に行っていた。これはどういうようなわけですか。非常に奇妙な経歴ですね。
  266. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) いま御指摘の人物につきましては、これは大蔵省の主計局の経験者でございますけれども、かつて鉄道建設公団に出向をいたしまして、経理の実務を担当いたしたことがございます。その後再び主計局に復帰して予算の仕事をいたしておりましたが、その後もう一度、懇望いたされまして公団に出向いたしております。ただ、この人は今回、ただいままでは出向職員ということでございましたけれども、正規に大蔵省を退職をいたしまして、公団のプロパーの職員になるということになりましたので、これまで出向、復帰を繰り返しておりました大蔵省職員の身分を正式に打ち切りますために、その間の年金の通算関係でありますとか、退職金の計算でありますとかを清算をいたしまして、役人の身分に終止符を打つ必要があったわけでございます。そのような技術的な理由から、一たん大蔵省に復帰をいたしましてその間の関係を清算をいたしまして、大蔵省を退職いたした上で公団に就職をしたのでございます。
  267. 内藤功

    ○内藤功君 この人物が、この人が接待や裏金にも関係があると言われております。そこで私は聞くんですが、検査院はこの人に事情聴取をしましたか。
  268. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 経理責任者でございますので、したと思います。
  269. 内藤功

    ○内藤功君 この人がいわゆる接待、役所に対する接待の関係の線上にある一人であると、こういう感触はつかんでおりますか。
  270. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいまお話しの兵頭次長は、たしか元経理課長をおやりになっていたと思いますので、経理課に関しては当然課長が責任を持っていろいろな雑費カラ出張で捻出した裏金の経理を担当いたしますので、これは経理課に限らずどこも課長が責任持ってやっていると思っておりますので、当然そういうことでの関係はあると思います。
  271. 内藤功

    ○内藤功君 公団のこれは経理担当理事に伺いますが、経理部次長というのは今度新設されたポストですか。
  272. 森谷要

    参考人(森谷要君) 経理部の次長につきましては、実は二年ぐらい前から機構上ぜひ必要であるということを運輸省を通じてお願いいたしてきた経緯がございます。  それで、本年度からは、実は俗に言うAB線という線がございますが、これが非常に複雑な補助金制度に制度が改変になりました。また、もう一つ、御承知のとおりに、当公団資金調達が非常に膨大な量を調達しなければならないという事情もございまして、経理部長一人ではとても手が回らないという事情もございまして、お願いいたしましたところ、経理の次長のポストをお認めいただいた、こういうのが実情でございます。
  273. 内藤功

    ○内藤功君 いつからですか。
  274. 森谷要

    参考人(森谷要君) この七月一日からでございます。
  275. 内藤功

    ○内藤功君 この人物に私は会おうと思って探したんですが、麻布の鉄建公団の寮に六日の土曜日までいた。ところが、ちょうど選挙の前の日ですから、六日の土曜日から所在がわかりません。これはさらに調べて、一つの渦中にある人物だと思うんで、検査院もこの人には注目しておると言われるんですが、一つの大きなかかわり合いがあると思うんです。私はこういうふうな人物が絡んでるとすれば、非常に組織的な接待行政というものがずうっと行われていたという推測がここに出てくると思うんです。  ところで、大蔵省に伺いたいんですが、予算査定あるいは財政投融資の具体案の策定の担当者である主計局あるいは理財局の幹部職員の方と、それから一方において公団のごとく予算の要求、増額要求、非常に強い要求を持っている公団の幹部が、お互いまあ公人同士とはいえ、仲間同士とはいえ、過剰な接待をする、一方が一方に過剰な接待をする、これは私はやはり厳に禁止されるべきことじゃないかというふうに思いますがね。その、一体許される限界というのは、あなた方のモラルでは金額的に、あるいは場所的にどういうふうなものとして認識しておられるかというのをお聞きしておきたいんです。
  276. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) どの程度の範囲で過剰かどうかが分かれるかという点は、私は基準となりますものはいわゆる社会的な常識ということに尽きると思うのでございまして、その置かれた関係、場所、環境、内容その他、いろいろの要素を判定をいたしまして、関係者が自分の良識に従ってこれが許容されるかどうかということを定めてまいるべきものかと考えております。
  277. 内藤功

    ○内藤功君 報道によれば、いろいろ東京都内の赤坂あるいは銀座の料亭あるいはクラブで、大蔵省運輸省の接待が行われていたということが報道されておるんです。報道されている以上、私はここで聞かざるを得ないわけですが、たとえば、公団にお聞きしますが、公団本社の地下に「麗水」という、何といったらいいですか、料理屋がありますね。これは御存じですか。
  278. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 私の事務所がございます山王グランドビルの地下に、そういう名前の食事を出すところがございます。
  279. 内藤功

    ○内藤功君 私も試しに行ってみました。ここに行った証拠は持ってきました。なかなかりっぱな料理屋さんですよ。この「麗水」、それから、私の調べた範囲では、赤坂のTBSビルの近くにある、これはクラブの「大島」というようなところで、まだほかにもいっぱいあると思いますが、私はいまとりあえずこの二つだけ名前を出したのです。会計検査院、どうですか、こういったところで接待をしたという領収書その他の証憑書類確認をしておりますかどうか。この点お答えになれますかどうか。
  280. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいま雑費についてはすべて調査中でございますので、内容については、私詳細には承知しておりません。
  281. 内藤功

    ○内藤功君 いまの点も留意してお調べいただきたいと思うんです。  そこで、せっかくの機会ですから、大蔵省にもう一問だけお伺いいたしますが、一回に一人三万円、人数にもよりますが、総体で二十万円というような飲食の接待は、これは過剰というふうにお考えでございましょうか。
  282. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 内藤君、もう時間です。
  283. 松下康雄

    説明員(松下康雄君) 先ほども申し上げましたように、過剰であるかないかは全体の条件をすべて総合いたしまして、個別によく考えて決めるべきものであると存じておりますので、画一的に金額でこれを一線を引くということは困難なことではないかと存じております。
  284. 内藤功

    ○内藤功君 時間が来ましたが、最後にもう一問。  法務省の刑事課長おいで願っていますが、この事件が七日に報道されて以来、法務当局として、これは中には公文書の偽造にかかわる疑いのあるものもあり、それから証憑隠滅罪に触れる疑いのあるものもあり、それから横領にいくのではないかという疑いのものもあり、あるいは贈賄、収賄になるのではないかという疑いのあるものもあり、いろいろ新聞を見るたびに法律の専門家であるあなた方はそれなりの関心を持っていると思うんですが、検査院の告発の有無にかかわらず、こういう問題についてどういうような関心を持っていま見ておられるのかということをお聞きしたい。
  285. 根來泰周

    説明員根來泰周君) 先ほど来お話がありますように、この件に関しては会計検査院において検査中であるというふうに伺っておりますので、現在のところ静観中であるというふうにお答えを申し上げることでお許しいただきたいと、こういうふうに思います。
  286. 内藤功

    ○内藤功君 ちょっと一問だけ。  静観中ということは関心を持って静観中であると、こういう意味ですか。
  287. 根來泰周

    説明員根來泰周君) 関心という内容はいろいろ解釈ができますけれども、一言で言えば静観しておるということでございます。
  288. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 大臣が先ほどから催促していますから、私はやみボーナスの方から入っていきます。  総裁ね、もうこれは一カ月前になるんですけれども、九月八日の朝日新聞で監督官庁運輸省に届けていないやみ賞与職員約三千三百人に平均で年三十万円も支給されていた。これは十五年間続いてきたというから、総額百数十億円に上ると言うのですが、これは事実ですか。
  289. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 金額内容につきましては後ほど担当理事からかわって答弁させますが、三十九年以来、いま申しますように公務員に準じた……いわば上回りましたことでボーナスを支給してまいったことは事実でございます。
  290. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総裁、そうするといまも言われた三十九年以来公務員を上回ってってとお答えになったんだけれども公団のボーナスというものは公務員並みだということは御存じだったんじゃないんですか。
  291. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 公務員に準じて支給しなきゃならないということは承知いたしておりました。それが先生御案内のようにこの問題は労使間で交渉で実は決めてまいった長い間の経緯でございまして、慣行的に今日に至っておるのが実情でございます。  ちょっと数字を具体的にお答えさせます。
  292. 隅健三

    参考人(隅健三君) いま具体的な数字は持ち合わせておりませんが、すぐ後ほどお答えいたします。  昭和四十年に、これは国家公務員が予算上四・三カ月でございましたが、公団の方はプラスアルファといたしまして一カ月分の上積みがございました。その後変遷いたしまして、月数といたしましては若干減っておりますけれども、定額部分というものが新しくふえてまいりました。また途中から超過勤務相当分の上積みというような形になっております。
  293. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総裁、いま交渉でお決めになったんだというんですけれども、交渉で決めたということは、労使が合意をして決めたわけですよね。労使が合意をして決めても、当然運輸大臣の承認を得なくちゃいけないはずだと思うんだけれども、なぜ大臣の承認を得なかったんですか。
  294. 川島廣守

    参考人川島廣守君) いまのお尋ねでございますが、この問題につきましてはけさほどもお答え申し上げましたように、この移流用いたしました金は、法定福利費などの実行額が予算額を下回りまして、余りましたと申しては失礼でございますが、その差額から流用してこの上回った分に充ててまいった経緯でございます。そうでございますので、労使の間で決めたことは事実上決めたんでございますが、ただ、その超過勤務手当云々というような細かなことにつきましては、毎年毎年その都度話し合って決めてきたわけでございまして、年々少しずつふえてまいったというのが実態でございます。
  295. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 法定福利費の余ったものから持ってきたとかいろいろ言われますけれども、現実に職員にお払いになったわけでしょう、上回って、どこから持ってくるかは別として。そうなればそのボーナス総額がきちんと税金の対象になってお支払いにならなければいけないはずなんで、そこはどういう処置をしたんですか。
  296. 隅健三

    参考人(隅健三君) ボーナスのプラスアルファ分につきましては全部源泉徴収を払っております。
  297. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 総裁に最後にこのボーナスの関係だけでお聞きしますけれども、やみボーナスであることは事実だと思うんですね。労使が合意をしても、大臣の承認を得てないんですから。鉄建公団内部では合意がされたけれども、政府機関の中においての承認を得てはいけないことになるんですから、そういう点においてはやみ。これを取り上げて大蔵省にお返しする意思はあるんですか。結論だけ。
  298. 川島廣守

    参考人川島廣守君) これまでのわれわれの考えが大変甘い認識のもとにあったかもしれませんけれども、これまでは人件費の中の流用で上回った分を支給しても差し支えないものというふうにわれわれは、実は甘い認識かもしれませんが、判断をして支給してまいった経緯でございます。したがって、そういう意味で形式的には大臣にも御報告をしなくてもよろしいというふうに実は、甘いかもしれませんが、そういうふうに考えてまいりました。  しかし、向後に向かいましては、いまいろいろお話がございましたように厳しいことでございまするので、大臣その他の御指示を得て処理してまいりたいと考えております。
  299. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 その総裁のいまの見解、大臣はどう受け取られるんですか。
  300. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 鉄道建設公団職員給与規程によりますると、これは第二十七条でありますが、「期末手当の額は、」すなわちボーナスの額は、「国家公務員に準じ別に定める割合を乗じて得た額とする。」と、こうなっておるんでございます。したがって「国家公務員に準じ」ということであります、割合がですね。  そして役職員給与の制限につきましては、予算総則の第七条に、「公団は、この予算の範囲内であっても、役職員の定員及び給与を、この予算において予定したところの定員及び給与の基準をこえてみだりに増加し、又は支給してはならない。」というふうになっております。したがって、「みだりに」というふうに書いてございますから、私どもはみだりに公団がやったと考えております。  でありますから、そういうことをおやりになる際には私どもの方に了解をとってやるべきことだと、こういうふうに考えておるわけです。これは法律上届け出をするとかなんとかというよりも、道義的にやらなきゃならない、みだりに許しちゃいかぬと。現実には公務員並みの率でございますと約五カ月であります。ところが、実際は六・五カ月のボーナスを払っております。公務員並みの率から言えば五カ月、それに対して六カ月半というボーナスを払っておるのでございます。国家公務員に準じているとは私は思いません。どこまでが準じているか。国家公務員と同じと、準じているの差はどうかというふうな御意見もお出しになりたい方がおありになると思いますが、少なくも五カ月分のボーナスと公務員並みならば決めるべきものを、六・五カ月になっているというのは少なくも準じてないと思いますし、そのための予算の流用、みだりに増加してやっておるという意味においてまことに遺憾千万だというふうに考えております。  これが違法であるか適当であるかという概念を離れまして、こういうことを一体やっていていいのか。そしてその中に、六カ月半の中に超過勤務時間五十時間分というのがありまして、金額にして二億三千六百万、たまたま先ほどのカラ出張の中の額と大体平仄しておりますものですから、私はだから議論するならと、こう思っておるわけでございます。
  301. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 公団総裁の方は、このことは大臣の承認を得なくてやっていいことだと思ったということで答弁があった。大臣の方から、それは間違いなんだと御見解が出されたのだから、それで理解をいたします。  次に、総裁、今度はカラ出張の問題。で、けさほども会計検査院の方から、五十三年度分二億一千六百万、五十四年度分は五千六百万、合計二億七千三百万という報告があったんです。これは一年ちょっとでしょう。言うなら、五十四年度だってまだ数カ月しか検査できない。そうして五十二年度以前は、検査しようとしたら、もう書類が全部不備でもってできませんでしたというのがきょうの午前の会計検査院の方からの答弁。何でその書類がそういう形で整備をされておらないのかどうなのか。しかも、いよいよ会計検査院の方から手が入ることになったら、本社監査室から早いところわからないようにやっておけと言って、改ざんをしておけという、そういう指令かなんかまで出されて、いろいろと伝票なんかの手直しをやられたというわけなんですよ。その辺のところまでもきょうの総裁の御答弁では、私は知らなかった、知らなかったと言っているんだけれども監査室までがそういうことをおやりになっておったのについても、まだ知らなかったんですか、カラ出張の件。
  302. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 大変お恥ずかしい話でございますが、そのようなことが行われておったことは、それは知らなかったわけでございます。ただ、いまお話にございましたように、会計検査院検査を受けますために、いろいろ書類の準備、整理が必要なんでございますが、その中で、書類のいろんな準備の過程の中でいろいろ行き違い等がございましたのが、一部の新聞等には改ざんというような表現で報じられたことも承っておりまするけれども、実際会計検査を受けますためのいろんな準備は大変な業務量になるわけでございますけれども、まあお話がございましたようなことについての詳細については、はなはだ申しわけございませんが、私自身は知らないで今日までまいったのは実情でございます。
  303. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 その改ざん作業ということを、本社監査室から指示があってやりましたということは、新潟新幹線建設局の幹部が証言しているわけなんで、それが新聞に載ったのが九月の十三日です。朝日新聞。恐らく、一般の人はさておいても、総裁がその記事をお読みにならないはずはないと思います。その記事をお読みになって、総裁、どういうことをなされたんですか。
  304. 川島廣守

    参考人川島廣守君) あの記事を読みまして、直ちに担当の理事にその旨をたださせました。監事に対しましてもたださせました。そうしましたら、そのときの報告では、いろいろ当初旅費検査があるということがございまして、それからいろいろ問題になっております測量及び調査試験費の中の旅費をも一緒に検査をするというふうになってあわてまして、いままでは測量及び調査試験費の中の旅費については検査を受けないで済むものというふうに何か現地では考えておったらしゅうございます。それも今度あわせて旅費の全体について検査を受けるということで、あわてて書類を整備し直したと、こういうふうな経緯があった、その中の行き違いでそういうことになったのだと、こういう報告を私は受けたわけでございます。
  305. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 会計検査院から検査があるならば、何もやましいことがなければ、それはきちんと全部材料を提供してありのままに受けろということを言うのが総裁なり上司の姿ですわね。ところがそうではないから、いよいよ乗り込むとなったら、その新聞の報道によれば、古い伝票も皆書き直して、そのまま置いておいたのではばれちゃうからといって、日にかんかん照らしたり、コーヒーをおっこぼしてやったということを新聞が書いているじゃないですか。総裁がきょう余り朝からやられているんで、総裁を私はいじめる気はないんですけれども、大事な点だけはきちんと御答弁いただきたいんです。  そして、ずっときょうの御答弁をお聞きをしておりまして、何回となく総裁が言われることは、超過勤務に対して職員がいただけるものがいただけないんで気の毒なんですと、だから何とかしてということをよく言われるわけですね。だったら、何で総裁大蔵省関係局長なり、いろいろな大臣のところに行って、この枠じゃ少ないんだと、予算のときもっとふやしてくれということをじきじき総裁が行かれて、それだけの必要な予算の枠をお取りにならないんですか。  そして、もう一つの今度は御答弁の場合は、いろいろのあれで、いまもそう、さっきも言われるんだけれども、知らなかった、知らなかった。本当に総裁が知らなかったんならば、社会を騒がせるようなこれだけの大きな不正事件でしょう。新聞でも書いているように、組織ぐるみ不正経理事件だと言っているんですよ。本当に総裁だけつんぼさじきで知らないでそういうことが行われておったんなら、総裁として断固たる措置をすべきじゃないですか、局長なり、部長なり、課長なりをまず。そういうことについて何かおやりになったんですか。
  306. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 大変お尋ねに対しましてお答えにならないことばかり申し上げているようでございますが、今回のカラ出張というものがこのように広範囲で、しかも多額にわたったということを、全然総裁が知らなかったということはまことに申しわけないことでございますけれども、残念ながら実は私はそれを把握できなかったわけでございます。これはけさほど来たびたびお答え申し上げておりまするように、一線の末端では、いま申しましたようなことでカラ出張という形で資金を捻出をして、それがいま申しましたような超勤という個人支給の形で支給ができてきたと申しましょか、そういう事実が隠されたまま今日まできたというのは、はなはだ恥ずかしい話でございますけれども、それが実態でございます。  それはたびたび申し上げておりまするように、私の指導力はもちろんでございますが、幹部の指導力の足りなさということに尽きるのではなかろうかと、かように深く反省をいたしておる次第でございます。
  307. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間がないですからあれだけれども総裁、ますますわからなくなってくるんで、本当に知らなかったというふうに信じていいんでしょうかね。本当に総裁は知らないで、もうちょっと下の方だけでこうやっていたんだということになるならば、私は少なくとも鉄建公団総裁として、おまえたちは何やっておったんだ。それなりの規則に照らして、やっておった管理職局長なり、部長なり、課長の処分がまず行われるべきだし、それだけの金を全部洗いざらいなにして全部返させるということをおやりにならなければ、総裁は知らなかったと言えないはずですよ。また本当に知らなかったら、それができるはずなんですよ。おやりになれますか、やりますか。
  308. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 私個人の身柄につきましては、運輸大臣に御一任申し上げている次第でございますけれども、現在総裁であるわけでございまするから、いまお尋ねがございましたように、会計検査院検査の結果が出ましたならば、厳しい厳正な措置をとることは当然のことと考えております。
  309. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そんなことを聞いてるんじゃないって。私が聞いているのは、総裁として自分が本当に知らないでこれだけの大事件が起きたんだということならば、当然部下に向かって、わしが知らぬでそういう勝手なことをおまえたちがやって、国民の皆さん方を騒がして御迷惑をかけて、政府機関そのものの権威をおっことしたわけでしょう、行政機関としての。それは民間の会社で何か重役が背任横領やったとわけが違うわけですよ、これは。だったら当然その人たちを厳重に処分すべきことが一つ。それから、そういうかっこうでもってカラ出張という手続きを経て、使った金は全部返せと言って金庫に返させるということをきちんとやらなければいけないんです。それは総裁としておやりにならなければいけないことだし、やれるはずです、知らなかった以上は。それを聞いているんですよ。
  310. 川島廣守

    参考人川島廣守君) お尋ねでございますが、いま申しましたように、現在会計検査院検査が進んでおるわけでございまするし、私の方も現在自分で調査いたしております。その結果が出ました上で、どこに責任が、一体だれが、局長が、あるいは部長が、課長がということがおのずと明らかになるべき、またしなければならぬ問題でございますから、そのような事実認識の上に立ちましていま御指摘のような措置をとるつもりでございます。私も含めまして、さように考えております。
  311. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、今度は大臣の方。  やみボーナス関係は、大臣は相当前からそういううわさをお聞きになっていたそうですが、いま一連のこういうふうな事件がこれだけ明るみに出てきて、これは監督官庁として具体的にどういう処置をおとりになろうとしているか、そこをお聞きしたい。
  312. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) これが一般職員だけならまだいいのでありますが、公務員に準ずるという観点から見ますると、公団役員公団管理職クラスにおいても右に準ずる、たとえば具体的に言えば、一般職員は六・五カ月でありますが、公団役員は五・八カ月、公団の主要管理職は六・八カ月等の高率の、公務員をはるかに上回る率のボーナスを受け取っておる、基本給もまた高いわけですね。一般職員も公務員より一〇%か一五%か、一概には言えないと思いますが、ある程度高い。それから本部の部長、課長に当たる主要管理者もそれより恐らく率は高い。それから、公団役員局長クラスに比べるとやはり高い。したがって、向こうが毎月の給与が高いところへもってきてボーナスの率が高いわけでありますから。私は川島総裁と長年の懇意でありますから、川島さんは、まさに御自身は意識されなかったと思います。しかし、実際は川島総裁も公務員に準じた率からすればはるかに高いボーナスをもらっておったという事実は事実として認めなきゃならぬ。したがって、私は少なくも運輸省管下の公団につきましては、各公団の理事の給与は役所の局長並み、それから部長等につきましては公務員の課長並みという程度に、これははっきりごく近い時期に実施をする予定でございます。  それから、ご自身が意識されなくても、長い間の慣行ということでなれっこになって行われたという事態につきましては、もうまさに長年のおつき合いからいたしますと、そういう面からいたしますと、はなはだ忍びざるものがありますけれども、これはやはり責任を負っていただかなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。したがって、少なくも理事及び主要管理職については具体的に近い時期から実施をいたします。それから責任もとっていただきます。まことにつらいことであります。まことにつらいことであるという心境だけは、どうか皆様の御理解をお願いをいたしたい。  一般職員につきましては、労働三法の関係もございますので、その後の段階で慎重に考慮してまいりたい、こういう目下の考え方でございます。
  313. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 大蔵省の方、来ていらっしゃるね——さっき内藤委員も取り上げておったので、ダブらぬようにしてお聞きをしていくんだけれども、いわゆる赤坂とか銀座とかの高級クラブに、大蔵省の主計局、理財局の幹部クラスが御招待をされたんだという。端的に言って、あなたはその中に入っておられたんですか。
  314. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) お答え申し上げます。  私は主計局次長に就任いたしましたのは最近でございまして、たまたまということではないのでございますが、先ほどから私どもの松下官房長が申しておりましたように、財政当局といたしましてはやはり厳しい姿勢で査定をしなくちゃならないということでございますので、一層みずからの持し方につきましては気を使ってまいりたいというふうに考えております。
  315. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私もそう信じたいです。  それで、もう一つ、これきのうの朝日新聞で、こういう記事が載っているんですね。大蔵省は「カラ出張による裏金づくりを組織ぐるみでやっていた疑いがきわめて濃くなったにもかかわらず、松下官房長は「ないと信じている」と突っぱねる。だが——。「ご主人が大蔵省に勤めている友人のうちに遊びに行こうと思って電話したら、『うちの人きょうは家にいるの。カラなのよ』といっていた」」「また、大蔵省に勤めていた東京都内の女性の告発によると、カラ出張で浮かした金は接待費用などの裏金に回るだけでなく、個人にも渡されていた。「慰労出張」と称し、夫人同伴で旅行する幹部もいる。一方、「出張中だけど仕事があるから」と出勤している〃良心的〃な人もいた。四十年代初めには「女子にも慰労出張させよ」と女性職員が要求したことがある、という」。  次長はいま、最近主計局の方へということですから、昔のことはおわかりにならないかとも思うのだけれども、こういう新聞に報じられていること、これも私はうそでないと思うんですけれども、そういうことについて大蔵省の担当の立場でどうお考えになり、どういう見解をお持ちですか。
  316. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 私は、松下官房長がクォートされておりますように、そのような事実はないと信じております。少なくとも、私大蔵省に入りましてもうすでに二十数年たっておりますけれども、そういったことを見聞きしたことはございません。私はあり得ないと信じております。
  317. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、なるべく私もそう信じようと思います。  ただ、そうであっても、先ほどからの一連のカラ出張、やみボーナス、予算の不正使用であったことは事実だと思うし、その点はお認めになりますか。
  318. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 一般的に申しまして、カラ出張ということは不正な予算の使用だと思います。
  319. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 もうちょっとはっきり。
  320. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 一般的に申しまして、カラ出張というようなことは許されないと思います。
  321. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 許されないことが事実として——きょうは鉄建公団だね、ほかの関係はお聞きしているわけだけれども、それについて、大蔵省としてどういう処置をしようとお考えになっていますか。
  322. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 鉄建公団の問題につきましては、現在監督官庁である運輸省がお調べになっておられますし、それから会計検査院も現に検査中でございますので、その結果を待ちまして、運輸省ともよく御相談をして、今後こういう事態が起きないように工夫をしてまいりたい。で、予算の編成、予算の執行につきまして、私どもでやれることがございましたらやっていきたいというふうに考えております。
  323. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 大蔵省としてどういう処置をお考えかということを私は知りたいんです、監督官庁として。これはまだ時間があれば、あと大臣の方にもお聞きしたいんですが。ですから、その辺が大変むずかしいですから、お答えを差し控えたいというならば別にそれも私構いません。ただ、何かこういう不正使用であったことはお認めになったんですから、そうした行為があったときに、もらい得になってその事件というか、そういう行為が終わってしまうということは私は許されないと思う。国民も許さないと思うんです。ですからそういうもらい得になるようなことはしないという、そういう意味でのお約束は聞かしていただけますか。
  324. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 鉄建問題の処理につきましては、先ほども申し上げましたとおり、現に検査が続行中でございますので、その結果を待ちまして、やはり国民が納得するような処理をしなければならないというふうに思っております。  それから、先ほど私が申しましたのは、財政当局として今後どうするかということの心構えを申し上げたわけでございまして、私どもといたしましては、これからも予算の厳正な執行が行われるように制度面につきましても検討を加えてまいりたいと、かように考えております。
  325. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 国税庁、この事件が総選挙のさなかに起きたから、そういう関係もありますけれども、私もかなりのところで、こんなことでもって柳澤さん、ばかばかしくて税金納められますかという声をかなり聞かされたんです。これはそういう意味では大変ゆゆしきことだと思うんです。ですからそういう点で、国民の側でもって、もうわれわれとしてはばかばかしいから税金は納めませんと言ってきたときに、国税庁、どうなさるおつもりかです。規則に照らして延滞金、追徴金もかけて取り立てて、それでも払わなければ差し押さえすると、そういうお考えを持っているのか。それとも、こういう事件を政府関係部内で起こした以上は、国民に向かってそういうことはできないからといって、何か別な方法をお考えになるか。そこをお聞きしたいのです。
  326. 田中哲男

    説明員(田中哲男君) 先生も御承知のように、税金は法律の定めるところに従って納めていただくということになっておるわけでございます。したがいまして、法定の納期限までに納付されない場合には延滞税もいただくことになりますし、また徴収のためにいろいろ必要な措置があれば、それも法令の定めるところによってとらざるを得ない、このように考えております。
  327. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そんな、あんたよりか上の人いないの、ここに。そんな子供だましみたいな。だから、私さっきから言っているでしょう。国民の側だって納めてきたんだよ、いままで。しかし、こういう税金の使われ方をされて、長いこと不正なことをやられて、それでそれがうやむやになっていま終わろうとしているようなことで——去年やことしの問題ではない、十何年も続いているわけです。とてもじゃないけれどもばかばかしくて税金なんか納められますかというんだよ。政府の中の人たちが、ちゃんと法律の規則に従ったことをやらないで、やみ行為をやってきたわけでしょう。それであんたたちは国民だけに向かって、法律に照らしてちゃんと納めてもらいますって、そんなあほなことありますかというんだよ。そんなことを国民が許しますかというんだよ。もう少しきちんとした——いけなければ大臣からもちゃんと答弁してもらう、政府を代表して。国税庁からいまお答えをまずいただいて。
  328. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 先生のおっしゃる点、まことにごもっともでございまして、そのような一般の納税者がどういう気持ちでこういう問題をお考えになっておられるかという点については、十分認識しておるつもりでございますが、しかし、まあ釈迦に説法であろうかと思いますが、私どもの税務行政というのはあくまでもやはり自主申告納税制度というのをとりまして、自主的に皆さんに納めていただくということで、三十年の長い歴史をもって自主申告納税制度がやっと定着しつつあるわけでございます。  源泉のお話が先ほどから出ておりますが、源泉徴収義務者が全部で二百六十四万人もおります。それに徴収されておられます給与所得者の方は四千万近くになるわけでございます。私ども職員といたしましては、源泉の職員が千八百人、できるだけの、事務量の許す範囲におきまして、じみな、人に好かれない仕事を一生懸命やっているわけでございまして、先生御案内のとおり、やはり私どもは……
  329. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 源泉がそんな二百四十万なんという試算はないじゃない。何言っているんだよ。
  330. 矢島錦一郎

    説明員矢島錦一郎君) 源泉徴収義務者、法人とか役所も含めまして二百六十四万人の源泉の徴収義務者がおります、全国で。これに対しまして給与所得者は四千万人になんなんとしている。非常にたくさんの所得者の方を千八百人の職員で、まあ私ども一生懸命やっておるわけでございますので、やはり税務行政におきましては、税法に従って職務を遂行していくというのが私どもの立場でございます。非常に苦しい立場に置かれているわけでございますが、この点についてはぜひひとつ御理解と御協力を得たいというふうに考えております。
  331. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 運輸大臣いらっしゃるし、それから大蔵省の次長も来ていらっしゃるので、ここですぐ、——いまの答弁では納得しませんから。それから、もうこちらの答弁なんというのは全然、少なくともこの問題を取り上げられてわざわざ運輸委員会が開かれている、その場における政府の答弁じゃないんですよ。普通の場合のときにそういうことを聞かれたらそういう答弁をするんで。ですから、無理に私、ここで答弁してくださいと申し上げませんので、大蔵省なりあるいは政府全体としてでもいいですから、この事件に対する取り組む姿勢と同時に、そういう、ばかばかしくて税金を納められるかいと言っている国民が大多数、いっぱいいるんですから、そういう人たちが理解ができるような政府としての統一見解を出してくれませんか。そのお約束ができるかどうか、そこをお聞きしておきたい。
  332. 西垣昭

    説明員(西垣昭君) 私がここで申し上げるまでもなく、わが国の財政というのは大変な時期に来ておるわけでございます。われわれといたしましては、国民の皆さんの御協力を得まして何とか再建しなくちゃいかぬ、こういった時期に今度のような事件が起きたということはまことに遺憾に存じます。私どもといたしましては、やはり今度の事件一つの教訓といたしまして、予算につきましても極力効率的な予算を組む、その執行につきましては厳正な執行を行うということでやっていきたいと、こういうふうに考えております。言葉は足りませんけれども、そんなことでやってまいりますので御協力をいただきたいと思います。
  333. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 統一見解。
  334. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) タックスペイヤーといいますかね、納税者、国民の立場、したがって、国民の御納得のいくような措置をするということが最大の当面の私どものなすべきことである、そう考えております。そういう角度から、なかなか個人としては、こういう慣行的に長年やられてきたこともあるわけでございますから、そういう点につきましては、大義親を滅する思いでこの問題の処理に当たるつもりでございます。
  335. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私、統一見解というのも、持ち時間あと二分で終わっちゃうわけ。だから、まだもう少し私、聞きたいことはある、会計検査院の方も申し上げたいことあるけれども、時間がございませんので、いまこれ以上、別に私、それはいま大臣おっしゃったとおり、大臣であろうが、総裁であろうが、個人的にどうこう言うつもりはないんですが、とてもじゃないけれどもこのままでは国民が納得できないんですから、そういう点に立ちまして、何らかの方法で政府の方から、そういう国民が納得できるような見解をお出しをいただきたい。後ほどでよろしいですから、何らかの場を通じて発表していただきたい。そのお願いをして、そのお約束をいただければそれで終わりますから。
  336. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 柳澤委員ね、会計検査院はいま調査続行中のところでございますから、これは区切りはいつがいいかという意味では、会計検査院のある程度の結論が出てきたところでね……
  337. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 じゃ、会計検査院が結論を出すまで税金納めればいいって言いなさるのか。
  338. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) いや、そうは言いません。しかし、この問題につきましては、問題が起きました当初に、森山運輸大臣は、改善すべき点は速やかに改善し、処分すべきものは厳正に処分するという態度を持って一貫して今日まで臨んできておりますし、きょうの答弁も納税者の方々に御納得のいくような措置をしたいという形で努力をしておるわけでございますから、この少なくも当該問題についての私の姿勢というものだけは御理解願えるだろうと思うんです。それが納税者に与えている悪影響を考えますればこそ、こういう点について厳しい態度を持って臨んでおるわけでございますから。  また、政府としましても、この点につきまして六日の日に声明を出したようでございますから、したがって、しかるべき時期に御趣旨に沿うような何らかの手段を考えて、近い時期に、いずれにしろ閣僚会議がございますし、それから幹事会もありますから、そういう点を十分配慮をいたしまして対処したい、そういうことでひとつこの段階、お許し願いたいと思います。
  339. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 終わります。
  340. 山田勇

    ○山田勇君 すでに幾つもの問題点が指摘されておりますし、私の質問も重複する点があると思いますが、その点はお許しを願いたいと思います。  まず、会計検査院の方にお尋ねをいたします。  カラ出張などの不正経理については、先ほど来、内部告発という言葉が使われております。その内部告発が端緒となって発覚したわけですが、その経緯についてできる限り詳しくお知らせを願いたいと思います。先ほど名古屋の方からというお話もありましたが、その点も含めて内部告発、ここに至る経緯をお知らせ願いたいと思います。
  341. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 私ども検査に当たりまして、先ほど来申し上げましたように、旅費検査というのは非常にむずかしい検査でございます。表面上の書類が全部整っているわけでございますので、具体的な内部告発がございますと非常に検査の参考になるわけでございます。しかも、やはり内部告発というものも、私ども検査の有力な手法の一つだと思っておるわけでございます。  この問題につきましては、七月に、鉄道検査第二課というのがこの鉄建公団検査を担当しておりますが、そこのところの課に電話で連絡がまいりました。そして、公団職員であるが、実際に自分の所属しているところでカラ出張が行われている。そして、カラ出張によりましてその金を浮かして、それを実際に工事を担当しております建設所というところでございますが、その所長以下階級に応じて分配しているという連絡がございました。私どもたまたまそういうときには、すでに鉄道建設公団名古屋支社検査は終わっておったのでございますが、その同じ課の人間が別に名古屋地区に検査に入っておったわけでございますが、そこで直ちにその者を公団名古屋支社に派遣いたしまして実態の調査を行わせました。そうしたところ、まあ三カ所ばかりの建設所において事実そういうことをやっていたということが発覚したわけでございます。  それで、そのときには非常にわずかな日数しかかけなくて、一つの端緒をつかんだわけでございまして、全貌がつかみ切れませんでしたものですから、公団支社長、名古屋支社支社長でございます。そこに御協力方をお願いいたしまして、御調査されて、検査院の方に報告していただくようにお願いしたわけでございます。そうしたところが、支社長の方から、自分の管内の問題につきまして御調査いただきまして、その結果を私ども報告いただいたわけでございます。それによって一応こういうカラ出張によっていわゆる超過勤務見返りと称する給与的なものが支払われているということが判明したわけでございます。  そこで私どもの方は、その以降の検査につきまして徹底的に検査する方針を決めたわけでございます。特に重点を置きましたのは、鉄道建設公団本社、それと非常に事業費の多い東京新潟の両新幹線建設局、ここに焦点をしぼって検査を行ったわけでございます。  その間、もちろんこの問題が各紙に取り上げられた中ではいろいろな告発もございましたが、それは特にここで申し上げるほどのことでもございませんで、単なるうちもこうありましたというような情報が寄せられてございます。それよりも参考になりましたのは、名古屋で、鉄道建設公団の方で十分お調べいただいた結果の報告を得たということで、私どもの方は確信を持ったわけでございます。
  342. 山田勇

    ○山田勇君 それ、支社長にあとを託して検査院はとりあえず引き揚げて、それから新潟管区というふうな形の中で会計検査を徹底的に入れていったということですが、そのほかではその内部告発者というのはいない、会計検査院独自の力でそれを一つのきっかけとして調査をなさった、そういうように理解してよろしゅうございますか。
  343. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) そう御理解いただいて結構でございます。
  344. 山田勇

    ○山田勇君 大臣、先ほど来非常に論議になっておりますし、記者の皆さんもおいでなんですが、社会通念上というやりとりが先ほどから論議がありました。社会通念上逸脱をしない程度パーティー券の購入云々がありましたね。ひとつその社会通念上という言葉について、大臣の御見解を伺いたいのですが。
  345. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 社会通念という言葉は法律上よく使われる言葉でございまして、具体的な問題でこれがいいか悪いかということを使う場合の言葉でございまして、具体的妥当性あるいは社会通念、社会常識、いろんな言葉が使われます。一般的にわれわれがこの程度のことはということだろうと思うのです。ただ、この程度のことはという形でずるずるずるずる野方図にいくことを恐れるのでありまして、私は、今回のこともそういう形でずるずるずるずるできた面もいろいろ見られないことはない、こういうふうに思っております。ちょっと私のボキャブラリーではそれ以上のお答えはできませんが、御了解願います。
  346. 山田勇

    ○山田勇君 ぼくも大臣の見解と全く一緒なんです。社会通念上逸脱をしないということは常識の範囲内である。許される範囲内のものである。その許される範囲の中から、三百万の総裁の持っている交際費の中からパーティー券を買ったのですから、社会通念上悪くないものを買って儀礼的な交際範囲を広めていったのですから、総裁としてここで、五十人であるとか、私は名前を追及しようとか氏名を公表しなさいとかそういう意味ではなく、社会通念上良識の範囲内で儀礼的にやったことについて、先ほど来の委員の主張に対してかたくなに答弁を固辞なされる、辞退なされるという点、どうもぼくは第三者的に純粋に見て納得がいかないのです。社会通念上正しいことであるということならば、堂々と何月何日のパーティー券が何ぼというふうな形の中で総裁としてはっきり言えないのか。  先ほど来報道もたくさん入っておられます。これは全国的なニュースとして流れる中で、総裁がそういう、御答弁を辞退したいということを再三繰り返すということは、柳澤委員が言ったように国民の納税意欲をそぐ大きな社会問題になっているんですから、それの最高の一応総裁としての責任の地位にある者ですから、その点をはっきりとなさった方が——私は大変うがった見解を申し上げますが、総裁はそれは身を捨てておられると思います。腹はくくっておられるにしても、その点を、もう一度総裁の決意のほどをお伺いしたいと思うのです。
  347. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 大変念の入ったお尋ねでございますが、私がお答えを差し控えたいとお答え申し上げましたゆえんのものは、本来われわれ個人もそうでございますけれども、いろんな方とおつき合いがあるわけでございますが、自分のつき合っている相手の名前を全部しゃべってしまって、かえっていろいろある意味では御迷惑がかかったり、いろんなことがありはしないだろうかというふうな、そういう配慮が個人としてもあってしかるべきだと思いまするし、公団としていろいろな業務の関係でおつき合いがあるわけでございまして、そのすべての方に全部またおつき合いできるものでもございません。先ほど来申し上げておりますように、最小限度の範囲でおつき合い申し上げているわけでございまして、あの男につき合ってこの男につき合わないのはけしからぬではないかというような、大変俗な言葉でございますが、おしかりを受けるようなことがあっても、これまた将来の公団の運営にも差し支えはしないだろうかというふうな、あれこれの配慮に基づきまして先ほどのような御答弁を申し上げた次第でございますので、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
  348. 山田勇

    ○山田勇君 会計検査院の方にお尋ねいたしますが、五十三年、五十四年は出てまいりました。五十二年以降のものの書類が焼却なされたり紛失をしたりという形ですが、もうややっこしいことは聞きません。この五十二年、五十一年、五十年、四十九年という形の中で、こういう形で不正経理があったと、これは専門家でいらっしゃいますからね、感触としてで結構です。確信として公的の立場ですからあったなんて言えないかもわかりません、確証がないですから。しかし個人の感覚として、こういう会計検査に携わってきた専門の皆さんとして、これは五十二年もあった、五十一年もこういうものであったというふうにお受けとめになっておられますかどうか、その辺の見解を伺いたいんです。
  349. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) ただいまお話しのような感覚でございます。
  350. 山田勇

    ○山田勇君 そうしますと、これは公団発足以来十五年間に、一度もいわゆる鉄建公団に対する不正経理を摘発できなかったということは、きつい言葉で言えば、どこか職務怠慢といいますか、どこかで抜けていた部分があるんではないかというふうに判断いたしますが、いかがですか。
  351. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 御指摘のとおりでございます。  弁解さしていただきますと、先ほど来申し上げておりますように、この鉄道検査第二課というのはほかの課と違いまして、工事を専門にしている課なんでございます。だからこの課において、たとえばこの課の所管といたしましては日本国有鉄道の工事勘定、ですから工事専門にやっているわけでございます。そしてこの鉄道建設公団工事を専門にやっている公団でございますので、工事の課という感じで実はこの課が編成されておるわけでございます。そういうものの中で非常に経理検査が不十分だったということは、非常に反省しているわけでございます。今後はそういうことのないように厳重に検査をいたします。
  352. 山田勇

    ○山田勇君 厳重に検査と言いますが、ここにいただいた資料では担当係官が三十名でしょう。実際それだけの人数ですべてをチェックできるとは私は思わないですが、数字間違っておるでしょうか。会計検査院として、担当官として三十名、間違いございませんか。
  353. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 課長と、実際に検査をいたします調査官が三十名でございます。それから調査官補というのがこれはほかに三名ございますが、これも検査に携わっております。
  354. 山田勇

    ○山田勇君 それにしても、各そういう公団ないしいろいろな形の中で、会計検査院としてこの三十名では少ないと思いませんか。
  355. 松尾恭一郎

    説明員松尾恭一郎君) 三十名で決して十分であるとは考えておりませんが、検査院全体の人数は約千二百名でございます。それらが各省、国の全体あるいは公団事業団のこれを含めて全部検査するわけでございますので、鉄道二課の三十名に振り分けるとこれは精いっぱいのところでございます。
  356. 山田勇

    ○山田勇君 こういう機会に国民理解を求めて、不正に血税がこういう形で使われるより、行政合理化という中で、しかしこういうチェック機関の職員というものはぼくはもっと人員をふやしてもいい、そのかわり徹底してそういう不正というものを防止する、未然にチェックするという方がぼくはより親切な行政であろうと思うのです。  これはまた話は違いますが、来年度予算等におきましては、そういう中で堂々と人員の増員などを主張しながら、そのかわり徹底してこういう不正を防いでいく姿勢といいますか、もっとはやり言葉で言うGメン的な存在である。先ほどの委員が民間のチェック機関を設けてはどうかというようなお話がありましたが、そこに至るまでこれほど情けないことないですよ。だからもっと国の機関の中で充実し補足していくという形の中で、こういう不正はまだたくさんあると思います。そういうんだったらあと三百名ふやしてでも徹底的にそのかわりチェックをするという形の中でひとつ、まあこれは余談としてこれをお聞き願いまして要求をしていかれたらどうですか。かえってぼくは国民にそういう点で御理解いただけるんじゃないでしょうか、血税をこういう形で使われるよりね、というふうな気がいたします。これは私の個人的な要望でありますし、希望でございます。  それで公団お尋ねいたしますが、カラ出張で浮かしたお金は超過勤務手当上積み職員個人ごとに支払ったりまあ雑費的なものであるというふうに言われておりますが、その内容について、わかる範囲内で結構です、総裁のわかる範囲内で結構ですが、お知らせ願えますか。
  357. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまのお尋ねの件は、会計検査院と別個に公団自身といたしまして特別調査委員会をつくりまして調査をした結果のお尋ねでございましょうか。
  358. 山田勇

    ○山田勇君 そうです。
  359. 川島廣守

    参考人川島廣守君) それでは合計金額で申し上げさせていただきたいと思いますが、私の方で行いましたのは、まず札幌支社でございますが、札幌支社の、五十三年、五十四年一緒で合計で申し上げさせていただきますが、一千百万でございます。それはその全額が雑費充当でございます。東京支社は八千八百万でございまして、雑費充当が二千三百万、個人支給、超勤支給が六千五百万、大阪支社一千二百万、雑費充当が九百万、超勤充当が三百万でございます。下関支社八百万、雑費充当が五百万、超勤充当が三百万、富山の新幹線建設準備事務所が三百万の総額でございまして、内訳は雑費充当が二百万、個人支給が百万、以上合わせまして、総計でございまして一億二千二百万。その内訳は、雑費充当が五千万、個人支給、超勤支給が七千二百万、以上のような数字に相なっております。
  360. 山田勇

    ○山田勇君 これは一部うわさされていることですし、一部報道もされた部分ですが、そのお金がまた現場建設事務所へ一たん戻って、まあそのお金という意味じゃなくですよ、いままでそういう形の不正経理のお金が現場建設事務所へ戻り、それから支社へ、そうして新幹線の建設局を経てさらに本社へ逆のルートでそのお金が還流しているという事実は絶対にありませんか。
  361. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 会計検査院において調査中でございますので、そちらの方は私の方から申し上げる段階じゃございませんが、私の方で独自で調査いたしました限りではそのような事実は判明しておりません。
  362. 山田勇

    ○山田勇君 まあ各個人に渡っているこのカラ出張で浮かした超過勤務手当名目の金は、現在不正とはっきりしている。これはもう大臣もお認めになっている、これは不正であると。各職員に返還を求める措置をとるのか、それとも修正納税としてこれを片づけていくのか、公団並びにこれは検査院の方にお尋ねいたします。
  363. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) この問題は先ほどお答え申し上げたんでございますが、現在、その個々の個人について徹底的に分析している最中でございます。そしてこれがオーバータイムの見合いということで御説明をいただいておるわけでございますけれども、実は私どもの方、そのオーバータイムの見合い、オーバータイムだという確証が書類上得られないんでございます。結局、超過勤務手当として超過勤務命令簿に掲載されているのは、予算上支出された分だけでございますので、その分が明らかにオーバータイムで命令をされて勤務したという事実関係がどうしても確認できないんでございます。そこで、この問題については各人別にいろいろ分析してみましていま検討している最中なんでございますので、結論的には検査院からは申し上げられないという段階でございます。
  364. 山田勇

    ○山田勇君 そういうことになりますと、判明する部分もあるし判明しない部分も出てくる。ケース・バイ・ケースということになってきますね。
  365. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) そのオーバータイム見合いの分については、これは判明しようがないんではないかと思うんでございます。と言いますのは、それは超過勤務手当として支給するものではございませんので、実績としてつけられてないわけでございますので、もしそれをつけたといたしますと、またこう作為した書類になってまいりますので、これは私どもの方ではとうてい確認し得ない数字ではないかと考えているんでございます。
  366. 山田勇

    ○山田勇君 その確認し得ない金は事実として手交しているわけですわね、本人に手渡っているんですから。その辺の処理についてはどういうふうに詰めをなさっていくつもりですか。
  367. 小野光次郎

    説明員小野光次郎君) 実はいま詰めておりますのは、全体の各人ごとの出張の旅費が出たのをずっと線に記入いたしまして、そのうちどの分が本当に行ったものか、どの分が本当に行かなかったものかということで実はこの集計をしたわけでございます。その集計ができました段階で、終わりましたので、きょう御報告申し上げたんでございます。  今度はそれを各人ごとに集計してまいりまして、そしてどういう各人ごとの支給状況になるんだろうかと、それでバランスがとれた支給になっているのか、あるいは特定の者だけにいっているのか、そういうようなことを見まして、その勤務の状態からいってある程度推測はできるかもしれないと考えているんでございます。
  368. 山田勇

    ○山田勇君 これはカラ出張の問題とちょっと外れますが、九月十八日付の毎日新聞によりますと、昭和四十七年の岡多線用地買収の際、当時の用地部長と用地一課長が、交渉を有利にするため金が要ると言ったので、用地交渉をした鉱山権利者が四十万円を渡したと証言しているんですが、この件について公団は、二人から実情調査に入ったと報道されているんですが、その後、この問題はどうなっておるでしょうか。
  369. 川島廣守

    参考人川島廣守君) ただいまお尋ねございました岡多線の用地買収に当たりまして、買収を有利にするために四十万のお金を手渡したというふうな報道でございますが、本件に関しましては、元公団職員二名に対しまして、昭和四十七年当時の事件でございますが、事情を詳細に聴取いたしました結果、そのような事実はございません。  もう少し詳細に申し上げますと、本来この本件の相手方でございます大圏株式会社の社長伊藤真という方と公団名古屋支社との間で、現在、岡多線の建設に伴いまして、鉱業権の補償問題とそれから損害賠償問題でいま係争中でございます。昭和四十七年の八月の二十九日の日に、わが方の当時の用地部長ともう一人職員が、この方と一緒に会いまして会食をした事実はございます。その際、その伊藤という方が代金だと称して七万円を置いていかれたそうでございまして、それを知って翌日、現金書留封筒で相手方に返金、返送をいたしておりまして、その引受書も全部現在職員が保管をいたしております。そういうわけでございますのでそういう事実はございませんです。
  370. 山田勇

    ○山田勇君 公団にもう一つ尋ねますが、先ほど来、総裁公団としてこの不正経理調査するということで、独自の調査機関を設けたという話を伺っておりますが、その機関の構成、またどなたとどなたがこの調査機関の選任をなさって公団内で調査なさっておるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  371. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 特別調査委員会を設けましたのが九月九日でございまして、平岡副総裁委員長でございます。副委員長は、ここに出ております隅、森谷、総務、経理担当両理事が副委員長でございます。実際に現地に出向きまして調査をいたしましたのは、計画部長、その他経理部長、電気部長、——部長の面々が編成いたしまして、一応三名一組にいたしまして、それぞれ先ほど申しました札幌支社を初め十の支社を全部実地検査をし、現在取りまとめて、先ほど来お話がございましたように、会計検査院にもその一応の結果を御報告申し上げて、いまその精査をお受けをしておる現在であり、さらにまた必要な補充資料についても、先ほど来お話がございましたように、現地についてまた関係職員について、いろいろな事情を聴取をしておるのが現状でございます。
  372. 山田勇

    ○山田勇君 その調査機関では、会計検査院検査対象になってない個所を中心的というふうに言われておるんですが、その会計検査院調査対象から外している個所とはどこを指して言われるんですか。
  373. 川島廣守

    参考人川島廣守君) 名前を申し上げますと、札幌支社それから東京支社、大阪支社、下関支社及び富山県にございます富山の新幹線建設準備事務所というのがございますが、以上五カ所につきまして独自の調査をいたしたわけでございます。
  374. 山田勇

    ○山田勇君 時間もあれですので、これ最後にいたします。  大臣お尋ねをいたします。運輸省としましては監督官庁という立場から、鉄建公団不正経理の問題の処置をどうなさるのか。先ほど来、大臣の御決意は聞いておりますが、ひとつ国民が納得する形で大臣から御答弁をいただきたいと思いますし、また、運輸省職員自体がカラ出張などで浮かした金で接待を受けるというようなことが報道されているんですが、そういう点はないというふうに先ほど来の御答弁ですが、再度その問題について御答弁をいただきたいと思います。  公費天国とか官僚天国とか言われ、国民から預かったお金や血の出る思いで納めた税金を、不正な経理操作で、さしたる罪悪感もなく、当然のように使っているというその金銭感覚は、われわれ民間人にとっても非常に理解しにくい点があります。そういう点も含めて、先ほど来各委員がおっしゃったように、こういうことでは国民の納税意欲をそぐではないかというような話もありました。その点も含めて、大臣から御決意のほどを聞きまして、私の質問を終わります。
  375. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 先ほど来再三申し上げましたとおり、今回の鉄建公団不正経理問題、いかなる名目があるとはいえ、架空の名目で支出した金銭を他の名目に使用したものであって、これはとうてい許されないことであります。会計検査院検査結果が出されました時点で、厳正な処置をしたい。すでに川島総裁初め主要幹部から進退伺いが出ていることは御承知のとおりでございます。  運輸省職員が接待を受けたということが一部新聞に出たようでありますが、私もそういうことを最も気にする方でございますから、いろいろ事情を聞きましたが、今日までのところ、運輸省職員鉄建公団から社会常識の範囲を超えて過剰接待を受けたという事実はないということでありまして、一安心はしているところでございますが、しかし、まだ問題はなお精査中でございますので、さらに検討してまいりたいと、こう思っております。  それから、当初からこの問題は、改善すべき点は速やかに改善し、処分を要するものは厳正に処分するという措置で、そういう考え方で終始一貫をいたしております。その意図するところは、一般国民、納税者の立場から、そういうお気持ちを体して御納得のいくような結末をつけてまいらなければいかぬ、そういうことで鋭意努力を尽くしているわけでございまして、こういう席だけでなくて、何かお気づきの点がありましたら、どうか遠慮なく御教示をお願いしたいと思います。  これは運輸省だけの問題だと思っておりません。政府全体としてもこの問題に対して真っ正面に取り組んでまいるつもりでございます。今日までもやってまいりました。これからも一生懸命やります。どうか御支援をお願いします。
  376. 三木忠雄

    委員長三木忠雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十六分散会