○
矢原秀男君 じゃ、日米問題のことですから、はっきりできないと言えばそれは
協力をしようと思いますが、ここで
外務省の対応について一言私も言いたいわけですが、いま
片山さんからもお話がございましたが、向こうでは、いわゆる米国の国
会議員、すなわちアメリカの下院歳入
委員会の貿易問題の中に小
委員会が設けられてやっている。そのほかには米国の政府
関係省、それから米国貿易開発のそういうような財界等も入ると思いますけれ
ども、こういう巨大な国が、日米経済の中で通称アメリカがくしゃみをすれば日本がかぜを引くと言われているような長い
歴史の中で、
外務省が出先として一番こういう問題を敏感に知っていらっしゃるわけです。
もちろん、
外務省のトップは
外務大臣になりますが、その裏には政府というきら星のような人たちが並んでいらっしゃる。それが東京ラウンドというものを逆に限定をする中で、短い期間の中で、米国が強腰になればなるほどそれに対応しながら唯々諾々とするというか、そういう形でやっている。こういう問題は、その国その国のいろんな事情の中で、長い
歴史的な時間の中で折衝を平等の
立場でしながら、あらゆる
関係階層の者が時間を重ねていきながらやっていくのが外交
交渉の私は特に日本の置かれた
立場であろうと思うわけです。
いまお話が出ておりましたが、私もこの航空問題で外国に行っておりまして、話が余談になりますけれ
ども、グラマンにしても、ダグラスにしても、ボーイングにしても、お金さえ出せば、日本の商社やコンサルタントと言われるような連中がその国のプライドまでも外しても平気で動いていく。そうして、その国の人たちの見識を下げながら、お金を出しているそういう強力な国々にしっぽを振っていく。それを私はまざまざと向こうの会長や社長と話をしてみて本当に感じた。これは極論していけば、いま人種差別の話が出ましたが、白人、黄色、黒人という
段階、いまだに私は人種の差別というものが、パーセント的にはそうではございませんが、なおウエートを持っている。
私は実感としてそういうことを感じながら、また、ちょうど向こうに行っておりましたら、この公社の問題が出ておりました。
外務省のある向こうの方の一人とお話をしたわけです。その人は一生懸命日本の
立場でやっておりました。その人が言うのには、いろいろな日米
関係の開放のことで攻撃をされたと。しかし、貿易に対してアメリカも
努力をされていないのではないか。たとえば車の
一つにしても、これは公社の
関係の非常に精密な問題は別として、簡単な車の問題にしても、日本からアメリカに車を運んでいるのに、輸出しているのに、ハンドルはどうなっているかと言うんです。アメリカの交通規制にきちっと合わしてやっているんでしょう。ぼくは、日本の自動車メーカーに対しても、こういう交通事故の問題とか、生産過剰の問題とか、決して納得はしておりませんけれ
ども、ハンドル
一つにしても、売るために一生懸命
努力をしてアメリカの交通規制にきちっと合わしている。では、アメリカは日本に車を持ってくるのに、日本の交通規制に合わした車体、運転方式でやっているかというんですね。その外交官の方は、一生懸命その反発の中で、そういう話を
一つ一つ具体的にしながらやったら、いや、これはアメリカが本当に日本にむちゃを言っていますねと、だからいろんな面で
話し合いをしてもらわなくちゃいけないですねと。そういうふうにして話を聞いた人の大半が、よく話がわかったと、こういうふうにして一面では出先で一生懸命していらっしゃる方もある。もう一面においては、アメリカから言われたら、ああそうですか、何とかせにゃいかぬ、こういうふうにして、これの最たるものは、前の福田さんだっていろいろなことを外交で簡単に決めてしまう。大平さんがそれに追随する。さあ日本でこういう問題がやってくる、期限が迫っている、早くやらなくちゃいけないことになれば全部しわが寄せてくる。しかし、その下には中小企業や働いていらっしゃる方々が非常に多いわけです。そういう問題には長い期間をかけて対策をしていかなくちゃいけない。
私がいま言いたいのは、
外務省に対して、もちろん日本政府ですけれ
ども、牛場さん一人で、牛場さんを中心とした数人だけで、これだけのアメリカの大国ががっちりと組んで押してきているものに対してなぜ簡単に構えてやっていくのか。これはあなたに言ってもどうしようもないんですけれ
ども、これは
大臣、どうなんでしょう。アメリカの議会構成というのは、アメリカの国
会議員は、通れば、十七名から十八名の専門家が国の費用できちっとつくようになっているんです。日本の国会の
制度とアメリカの議会の
制度とは違いますから、日本の国
会議員を見るような形で政府や
関係者が見ておればえらい目に遭うことは当然なんです。向こうの国
会議員のそういうふうなアメリカで占める位置というものは、すべての面において非常に重要視をされた
段階の中で動いているわけです。そういう中で、米国議会、政府
関係者、そうして貿易
関係ががっちり組んでぐうっと押してきているわけです。牛場さんの足、力があるとかないとかは言いません。しかし、余りにも日本の対応の仕方がいいかげんではないかということをまず私は
外務省に対して一いまこの二十世紀の中で八〇年代を迎えているときに、一人の英雄の出現やなんか、そんなものは
関係ないんです。すべての英知を結集していま対応していかなくちゃいけないときに、こんなアメリカのがっちりしたような体制の中で、日本が、牛場さんが英語がうまいから、向こうで非常に友人がおるからと、何を
一体言っているんですか。日本の
国民の
立場で、働いている者がどんなに苦労しているか、それを日本の政府がわからぬか、総理
大臣以下。あなたに言っても申しわけないと思いますけれ
どもね。
そういう点について、
外務省はいま
交渉の
段階だから金額を言われない、いいですよ、幾らでも
協力しますよ。
交渉が大変だったら私たちは言いません。言わないけれ
ども、もうこじきのような外交はやめにゃいかぬです。もう
片山さんにも言っていたけれ
ども、本当に航空機の調査に行って私たちは涙が出るような感じなんです、ばかにされているんですから。
関係ありませんと。そうですよ、飛行機の問題だって。アメリカでは株主を保護するためにあの問題が出ているんですから、日本の法律と違うんですから。そのためにSECに航空会社からすべてのもの、刑事事件にならないようにきちっとなっているんだ。日本と
立場が違うんです。
そういう
意味で、これは
外務大臣にもあなたからきちっと、もっともっと日本の
国民の代表として、そうしてもう
一つは、私は日本のエゴだけを言っているんではないんです。世界の大きな
立場から見ても、ヨーロッパの一部の国のように、対等の
立場で意見の調整ができなければ、東京ラウンド、ああ、そこに来ている
——そんなことではなしに、時間をかけて本当に友好の中で
話し合いをしていかなくちゃいけない。私はそれを思うんです。それをただ単に、ああ牛場さんは英語がうまい、実力がある、向こうに御友人がいらっしゃる、そんなことで国と国の外交
交渉ができるんだったら、各国のいろんな問題はたちどころにいままで
解決してますよ。総理
大臣以下何を考えているのかと思います、私は。
まあ私、取りとめのないことを言いましたけれ
ども、この
交渉問題の中で、私いま申し上げていることについて
外務省の対応が非常に軽過ぎるのではないかと思うわけです。その点、いかがでございますか。