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1979-03-02 第87回国会 参議院 本会議 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年三月二日(金曜日)    午後一時三分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第八号   昭和五十四年三月二日    午後一時開議  第一 日本国ポーランド人民共和国との間の   通商及び航海に関する条約締結について承   認を求めるの件  第二 特に水鳥の生息地として国際的に重要な   湿地に関する条約締結について承認を求め   るの件  第三 南極のあざらしの保存に関する条約の締   結について承認を求めるの件  第四 北西大西洋の漁業についての今後の多数   国間の協力に関する条約締結について承認   を求めるの件  第五 日本国政府フィンランド共和国政府と   の間の文化協定締結について承認を求める   の件  第六 民事執行法案(第八十四回国会内閣提出   衆議院送付)  第七 民事執行法の施行に伴う関係法律整理   等に関する法律案内閣提出)  第八 関税暫定措置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第九 航空機燃料税法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、国家公務員等任命に関する件  一、地方税法等の一部を改正する法律案趣旨   説明)  以下 議事日程のとおり      ——————————
  2. 安井謙

    議長安井謙君) これより会議を開きます。  この際、お諮りいたします。  藤川一秋君から病気のため五十七日間請暇申し出がございました。  これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 安井謙

    議長安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。      ——————————
  4. 安井謙

    議長安井謙君) この際、国家公務員等任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、中央社会保険医療協議会委員圓城寺次郎君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  5. 安井謙

    議長安井謙君) 過半数と認めます。よって、これに同意することに決しました。      ——————————
  6. 安井謙

    議長安井謙君) この際、日程に追加して、  地方税法等の一部を改正する法律案について、提出者趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 安井謙

    議長安井謙君) 御異議ないと認めます。澁谷自治大臣。    〔国務大臣澁谷直藏登壇拍手
  8. 澁谷直藏

    国務大臣澁谷直藏君) 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  明年度地方税制改正に当たりましては、地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ、その負担適正化地方税源充実強化等を図る一方、住民負担軽減合理化にも意を用いることといたしております。  第一に、地方税法改正であります。  まず、地方税負担適正化地方税源充実強化を図る見地から、自動車税及び軽自動車税について、自家用車の税率を一〇%程度一般乗り合い用バス以外の営業用バス税率を五%程度軽油引取税税率を二五%程度それぞれ引き上げることといたしております。  次に、不動産取得税固定資産税等における非課税等特別措置のうち二十四項目について整理合理化を行うほか、産業用電気に係る電気税非課税品目を三品目廃止することとしております。  また、固定資産税につきましては、宅地等及び一般農地について評価替えに伴う税負担を調整するための所要措置を講ずるとともに、市街化区域農地に対する課税適正化措置については、引き続き検討を加えることとし、当面、昭和五十六年度までは現行制度を継続することといたしております。  さらに、住民負担軽減合理化を図るため、道府県民税及び市町村民税所得控除の額の引き上げガス税免税点引き上げ等措置を講ずることといたしております。  第二に、地方道路譲与税法改正でありますが、地方道路税税率引き上げに伴い、市町村道路目的財源充実を図るため、地方道路譲与税市町村に対する譲与割合引き上げることといたしております。  第三に、航空機燃料譲与税法改正でありますが、航空機燃料税税率引き上げに伴い、新たに空港関係都道府県に対しても航空機燃料譲与税を譲与するための所要措置を講ずることとしております。  第四に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律改正でありますが、国有資産等所在市町村交付金に係る交付金算定標準額特例措置整理合理化等措置を講ずることといたしております。  以上の改正により、明年度におきましては、自動車関係諸税税率引き上げ非課税等特別措置整理合理化等により、千八百二十三億円の増収が見込まれる一方、個人住民税課税最低限引き上げ等により五百九十二億円の減税を行うことといたしておりますので、差し引き千二百三十一億円の増収となる見込みであります。そのほか、地方道路譲与税等におきましても四百五十一億円の増収が見込まれております。  以上が地方税法等の一部を改正する法律案趣旨であります。(拍手
  9. 安井謙

    議長安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。佐藤三吾君。    〔佐藤三吾君登壇拍手
  10. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案になりました地方税法の一部改正法律案につきまして、緊急な諸問題を中心質問をいたしたいと思います。  総理、主題に入る前に、大平政権の姿勢について、特にあなたの御意見をお聞きしたいと思います。  大平政権が誕生して三カ月を迎えようとしています。「政治家は約束したことはどんなにつらくても果たさなければならない」「言ったことは必ず実行する」「たてまえと本音は一致させなければならない」、この言葉は、あなたが総理総裁として国民に約束した言葉であります。ところが、特殊法人の天下り、たらい回し人事であります。この問題は毎年国会で取り上げられ、高級官僚天国として国民の厳しい批判の的となり、福田内閣は五十二年十二月、選考基準閣議決定したことは御承知のとおりであります。その基準の中では、高級官僚たらい回し原則として六年、特例の場合でも八年と決め、高齢化規制民間人の登用を決めております。しかし、二月十三日の閣議で決めた地方公営企業総裁は、八年七カ月のたらい回し人事であります。さらに、前任者は十一年一カ月でございます。しかも、決算委員会での内閣の報告によりますと、このような総裁理事長の二〇%が閣議決定に反する人事であるということであります。官民格差の代表的な高級官僚の年金に加えて、百万を超える給与、官僚の高額な退職金、それに、特殊法人のみで四千万、五千万という退職金の事実に、失業と倒産に苦しむ国民が怒りを込めて抗議するのは当然であります。  総理、あなたは、「約束したことは実行する」「たてまえと本音が一致する政治」とか「国民の合意の上の一体の政治」を強調していますが、この事実が本音でありますか。二月十四日の参議院決算委員会では、田中官房長官が「閣議決定はたてまえ」、こういう答弁をしております。あなたもそのとおりですか、総理本音をしかと承っておきたいと思います。  次に、本題についてでありますが、わが国経済昭和四十八年を一区切りとして大きく変化しておりますが、この変化地域社会の情勢にも大きな影響を与えております。特に、この影響大都市地域に顕著であります。たとえば東京を例にとれば、実質国民支出に占める実質都内支出は、高度成長が開始された昭和三十五年に二〇・一%であったものが、昭和五十一年には一七・五%に低下しているのであります。個人所得指数においても、昭和四十年には一四八・六、大阪一三三・五でありましたが、昭和五十年にはそれぞれ二二六・四、一一五・二と相対的に低下しているのであります。こうした地域経済、とりわけ大都市地域経済相対的低下は、高度成長下での重化学工業化が既存の四大工業地域以外の地域で行われ、工業地方分散が一定程度行われた結果と言えますが、他方では、大都市地域に対する都市再開発など新たな投資がなされなかったためと言えます。たとえば、生活基盤投資においても、同じく東京大阪はそれぞれ昭和四十年に一九三、一七二でありましたが、昭和五十一年には一二五、一二四に低下しており、言いかえれば、これら大都市地域が得る税収は、もっぱら、これら大都市地域以外の地域投資されてきたと言えるのであります。  このような地域経済変化大都市自治体の行財政に大きな影響を与えないはずがありません。東京を初めとする大都市やこれらを含む府県の財政が悪化しているのは、まさにこうした地域経済変化によって深く規定されているのであります。その意味では、もはや東京をかつてのような税源豊富な富裕自法体とは言えないのであります。  そこで、総理並びに自治大臣お尋ねいたします。  わが国地方税制は、シャウプ勧告骨抜きにした上で、その後幾つかの部分的是正を経て今日に至っておりますが、高度成長から低成長経済へ移行し、地域経済にも大きな変化があらわれている今日、地方税制に抜本的なメスを入れなければならない時期が来ていると思います。すなわち、都道府県にあっては、法人課税を主体としつつも相対的に安定税収を得られる事業税外形課税への転換と法人所得割り配分を高めるとともに、市町村にあっては、固定資産税など大法人に対する資産課税強化を図るべきであります。「八〇年代は地方時代」だという言葉がいまや国民的なコンセンサスになりつつありますが、総理田園都市構想を公約し、そのために地方分権を主張なさっておりますが、田園都市構想は「地方時代」と同じ思想であり、この実現には大幅な行政権限財政力地方に移譲する必要があります。新たな地方税制改革は、まさにそのための基礎だと考えますが、率直な見解を明らかにしていただきたいと思います。  次に、大蔵自治大臣お尋ねいたします。  政府は、悪名高き医師優遇税制について、来年度から是正するかのポーズを示しながら、骨抜き、改悪の長期固定化を図ろうとしております。今回の是正内容については、多方面から厳しい批判が相次いでおり、私もその内容については新たに言及いたしませんが、地方税制の立場から見ますと、国、自治体間に大きな不公平が存在していることを指摘しないわけにはまいりません。国の医師優遇税制による地方税制収入の減収は五十四年度で七百五十億の見込みであり、他の租税特別措置についても同様でありますが、自治体からすれば、国が勝手に優遇するならば国の責任で行えばよいのであり、自治体負担をかける分はその分国財政的に補てん措置を講ずるのがあたりまえであります。また、事業税においては現在全く課税されておりません。五十四年度では二百六十六億円が全額非課税とされております。こうした税負担の非合理さは、自治大臣が一人決断すれば、明日にも課税することが可能であり、地方税としての事業税における不公平税制を即刻是正すべきであると思いますが、いかがでありましょうか。  次に、個人住民税課税最低限引き上げについてお尋ねいたします。  今回の改正案によれば、個人住民税課税最低限は、現行百四十一万から百四十九万に引き上げることとなっております。しかし、来年度における生活保護世帯に対する給付額は、最高でほぼ百四十万程度となることが明らかであり、また、政府の言う理論生計費とも近接しているこの課税最低限引き上げが果たして減税と言えるでありすしようか。これまでの所得税における追加減税は、わが党を初めとする野党の努力によってなされてきましたが、所得税個人住民税課税最低限の谷間にあるおおよそ四百万人の税負担者は、今回の改正によってもスズメの涙程度の恩恵にしか浴さないのであります。少なくとも、昨年の三千億の所得減税に見合った減税個人住民税においてもなされるべきであると考えますが、自治大臣の所見を伺いたいと存じます。  さて、来年度軽油引取税においては二五%程度税率引き上げが行われることになっておりますが、この税収入について約二百億円が再びトラックバス協会都道府県から交付されようとしております。三年前に、営業用自家用区分の一環として税率引き上げの半分が業界に交付され、わが党としても、トラックバス輸送に従事する労働者福利厚生対策として交付されることには賛意を表しつつも、交付の仕方については厳しく批判してきたところであります。すなわち、自治運輸両省通達によって都道府県がこれらの団体支出することを実質的に義務づけ、これを地方交付税で裏づけするやり方は、法律無視と言わざるを得ません。一たん都道府県税収となったものを交付金として支出することを実質的に義務づけるならば、そのための法律的裏づけを図るべきであり、通達法律を上回るようなやり方では断じて許されるものではありません。自治大臣の明快な答弁をいただきたいと思います。  なお、都道府県から交付された金額とその効果について、運輸大臣答弁をあわせていただきたいと存じます。  さて、最後に、一般消費税地方税制との関係につきましてお尋ねいたします。  政府は、健全財政回復のため、一般消費税創設を図ろうとしており、大蔵自治両省においては、創設そのものの問題より、その配分をめぐっての争いが当面の問題であるかのような観すら呈しております。わが党は、一般消費税創設国民税負担を拡大し、物価値上げにつながる最悪の税として批判してきているところであり、また、これがどのように配分されようとも地方財政根本的充実とは無縁なものであると考え、これまで折に触れ主張してきたところであります。ところが、政府部内においては、創設の可否よりも、その配分をめぐって争われている状況は、現下地方財政危機の出口を最悪新税創設に見出そうというものであり、断じて認めることはできません。しかも、自治省に至っては、一般消費税はその性格都道府県税となることから、都道府県市町村税源配分日程に上らせようとしているではありませんか。  そこで、自治大臣に伺いたいのであります。仮に一般消費税創設の際、国と地方との間にどのように配分しようとするのか、また、これによって地方財政再建の道が確実に開かれるのか、所信のほどを具体的に示していただきたいと存じます。  以上、秋は、現下地方税制について緊急な諸問題を中心質問いたしてまいりました。総理並びに各大臣の率直な答弁をお願いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳登壇拍手
  11. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 佐藤さんの最初の御質問は、特殊法人役員人事についてのお尋ねでございました。先般の公営企業金融公庫総裁人事は、特殊法人役員たらい回し的な異動及び長期留任を規制いたしました一昨年末の「特殊法人役員選考について」という閣議決定の違反ではないかという御指摘でございます。仰せのように、この閣議決定におきましては、厳しくたらい回し的な異動長期留任を規制いたしておるわけでございますけれども、この閣議決定それ自体にもございますように、これは「原則として」という言葉がございまして、適材適所の見地から、この原則に対する例外が皆無ではないという事実も御理解をいただきたいと思うのでございます。先般の人事はそういう見地から行われた例外措置でございますけれども、しかし、佐藤さん仰せのように、この閣議決定の運用に当たりましては一層厳格を期さなければならぬことは仰せのとおりでございまして、そのように十分留意してまいるつもりでございます。  第二の御質問は、地方分権についてのお尋ねでございました。私は、田園都市構想というものを考えまして、現在行われておるわが国国土計画の推進に当たりまして、地方活力地方個性というものを生かす上から、直さなければならぬ点がありはしないかということで、この政策的な理念について検討を進めておるところでございます。その一つの大きな柱は、申すまでもなく、地方活力を生かさなければならぬ、その個性を生かさなければならぬわけでございまして、その見地から、地方分権ということは大変大事な要素になってくると考えております。住民の身近なところで住民の意思を反映しながら行われることが望ましい事務につきましては、地方公共団体責任においてやっていただく方向で仕事を進めなければならぬと考えております。そのような観点から、今後とも、国と地方との適切な機能分担を踏まえつつ、両者の間の合理的な仕事配分並びにこれに伴う財源配分に努めてまいりたいと考えております。  自余の点につきましては、所管大臣からお答えいたします。(拍手)    〔国務大臣澁谷直藏登壇拍手
  12. 澁谷直藏

    国務大臣澁谷直藏君) お答えいたします。  まず最初に、地方税制の抜本的な改革をやるべきではないかというお尋ねでございましたが、御指摘のように、地方財政は非常な窮迫の状態にあるわけでございまして、このままの状態で進んでいくならば、やがて地方財政全体の破綻的な状態が来るわけでございますので、これに対する制度的な対応をやらなければならないと考えております。したがいまして、一般消費税導入も含めて、地方財政の制度的な改革に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、近年大都市財源がだんだんと低下をしてきておる、これを充実するために、その一つとして、法人外形標準課税導入すべきと思うがどうかという御質問でございますが、大都市税源充実については、御案内のように、昭和四十九年度市町村法人税割税率引き上げ昭和五十年度事業所税創設昭和五十三年度都市計画税制限税率引き上げ等、その充実に努めてまいってきているところでございますが、一般消費税導入される場合には、道府県税として地方消費税創設されることとなりますので、これに伴って、都道府県市町村間の税源配分の見直しに際して十分配慮してまいりたいと考えております。  次に、医師については事業税非課税となっておるが、これを是正すべきではないかという御質問でございますが、現行非課税措置は、昭和二十六年に決定された社会保険診療報酬単価等を考慮して、社会保険診療促進見地から、昭和二十七年において議員提案によって設けられ、その後の社会事情の変遷を経ながらもそのまま現在に至ったという経緯がございます。また、事業税については、その性格上、事業の経費とされることから、仮に社会保険診療事業に対して課税するとすれば、結果的には被保険者がそれを負担することになり、他のサービスの提供と異なる社会保険診療性格上、まあ若干の問題があると考えられます。また、公益上の理由から非課税とされている他の事業との均衡も考慮する必要があるのではないかという意見等もございます。これらの点を十分踏まえまして、今後慎重に検討を行ってまいりたいと考えます。  次に、個人住民税課税最低限、今回百四十九万円になったわけでございますが、もっと引き上げるべきではないか、もっと減税をすべきではないかという御質問でございますが、御承知のように、明年度においては本年度以上に大幅な財源不足が見込まれておりますし、今後とも地方財政の厳しい状況は継続するものと考えられます。このような状況の中で、住民税において課税最低限引き上げ等減税を行うことはきわめて困難な状況にあるわけでございますが、最近における国津生活水準の推移、住民負担状況等から見て、所得税課税最低限以下の所得者層住民税負担問題等もございますので、これらを総合的に勘案して、今回、できる範囲内で、約六百億円の見当でございますが、住民税減税を行うことにしかわけでございまして、明年度地方財政全般状況から見て、せっかくの御提案ではございますが、これ以上の大幅な減税を行うことはとうてい困難であると考えております。  次に、軽油引取税税率引き上げに伴い、トラックバス協会に対して交付金交付されておるわけでございますが、これを通達で義務づけて地方交付税財政措置をしておるのは法律無視ではないか、速やかに是正すべきではないかという御指摘でございます。この点は、御指摘のとおり、昭和五十一年度税制改正の際に、営業用バストラックについては輸送コストの上昇の抑制を図ることが必要であるという意見が強かったのでありますが、軽油引取税に複数の税率を設けることは課税技術上困難であったことによって、現行交付金制度が設けられたわけであります。今回の引き上げに伴う助成交付金取り扱いにつきましては、いろいろと議論があるわけでございますが、さしあたり、昭和五十四年度におきましては従来の方式を基本とした取り扱いを続ける考えでございますが、御指摘の点も十分体しまして、今後のあり方については検討をしてまいりたいと考えます。  最後に、一般消費税については大蔵省自治省とで、実施することが決まったものとして国と地方との配分のやりとりを行っているが、問題である、その経緯内容はどうだと、こういう御質問でございますが、一般消費税については、税制調査会の五十四年度税制改正に関する答申の中で、五十四年中に諸般の準備を行い五十五年度から実施すべきであるとされているわけであります。したがって、この答申の線に沿って、五十五年度中に一般消費税導入が実現できるよう、政府部内において、国、地方間の配分の問題も含めて、現在検討を進めておるわけであります。  なお、この一般消費税は、国、地方を通ずる大幅な財源不足の事態を改善するためのものであり、これが導入される際は、国、地方間で適正な配分がなされるべきであると考えております。同答申においても、一般消費税のうち地方配分される額の一部は地方消費税とする旨述べられておりますので、この答申の考え方に沿って今後大蔵省十分検討を進めてまいりたいと考えておるわけであります。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣金子一平登壇拍手
  13. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 佐藤さんにお答えいたします。  社会保険診療課税特例措置は今度の税制改正改正を行うことにしておりますので、前年度課税主義をとっておる住民税等地方税におきましては、この措置によって五十五年度増収が見込まれることになるわけでございます。  なお、五十四年度地方財政対策を講ずるに当たりましては、財源不足額を完全に補てんすることによりまして、地方財政の運営には支障がないように十分配慮をしておるつもりでございます。  以上でございます。(拍手
  14. 安井謙

  15. 森山欽司

    国務大臣森山欽司君) 森山運輸大臣でございます。(笑声)  軽油引取税に関連いたしまして、運輸事業振興助成交付金交付実績はどうかというお話でございますが、五十一年度バス関係二十億円、トラック関係六十七億円、計八十七億円であります。五十二年度は、バス関係二十六億円、トラック関係百五億円、計百三十一億円となっております。  交付金の主な使途は、バス停留所上屋案内板の整備、トラックステーションの設置、融資のための基金造成等で、利用者に対するサービスの改善、輸送効率化関係労働者の福祉の増進等に大きく寄与しているものと考えております。  五十四年度におきましても、先ほど自治大臣からお話がありましたように、このような趣旨に沿いまして地域交通サービスの向上が図られるよう、十分指導してまいりたい所存であります。(拍手)     —————————————
  16. 安井謙

    議長安井謙君) 阿部憲一君。    〔阿部憲一登壇拍手
  17. 阿部憲一

    阿部憲一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま御説明のありました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣質問をいたします。  申すまでもなく、今日の地方財政は、地方自治制度が発足して以来最大の危機に陥っております。昭和五十年度以降この四年間にわたる財源不足は、ついに十兆円を超えるという非常事態に立ち至ったのであります。  しかるに、この間政府がとってきた地方財政対策たるや、何であったでしょうか。    〔議長退席、副議長着席〕 それは、法律に明記されているところの地方財政制度の改正交付税率引き上げという抜本的な解決策はなおざりにして、ただ、交付税の先食いとも言うべき交付税会計の借り入れとか、交付税を地方債に振りかえるだけといった、単に一時しのぎの糊塗策を重ねたにすぎなかったのであります。  この結果、地方財政は、五十二年度決算概況を見ましても、都道府県市町村ともに、地方債や交付税会計における借入金などの実質債務負担額が著しく増大し、特に市町村地方債依存度たるや戦後最高の一三%にも上るなど、全くの借金依存の財政体質を余儀なくされてしまったのであります。今後の日本経済の動向を考えたとき、現在政府がとっている借金依存の財政政策をなお将来も地方自治体に押しつけるならば、地方自治の崩壊は明らかであります。  今日、民主主義の基盤となる地方自治の健全な発展と住民福祉の向上を期するために最も望まれることは、財源不足額をただ単に量的に確保するということだけではなく、地方自治の本旨にのっとった地方財政の自主性と健全性に資する対策がとられなければならないということであります。すなわち、地方財政再建のためには、国と地方を通ずる税財源配分適正化を初め、地方財政の構造それ自体の抜本的な改革こそが必須の要件であると考えるものでありますが、残念ながら、私は、この点について政府は明らかに努力を怠っていると判断せざるを得ないのであります。総理のお考えはいかがですか。もし今後抜本的改正を行うというのであれば、具体的にどのような対策を講じようとなされるのか、お伺いをいたします。  さらに、一昨日出された地方財政収支試算におきましても、五十五年度以降毎年度四兆六千億円から六十年度には七兆五千億円にも上る財源不足が見込まれる現在、どのように地方財政の健全化を図ろうとなされるのか、ただ増税のみによってこれを乗り切ろうとするのか、基本的な考え方と方策を明確にお示し願いたいと思うのであります。  以下、具体的にお伺いいたします。  まず、税源の再配分と税体系の見直しについてであります。  今日の地方財政の大幅な財源不足の原因は、租税負担水準の問題もさることながら、むしろ、風と地方税源配分の不均衡、さらには、不況の影響を受けやすい税構造の基盤の脆弱さを挙げなければなりません。地方財源は可能な限り自主税源で賄うべきであるという地方自治の本旨からすれば、現在の国と地方税源配分の不均衡は、まさに実態に即しているとは申せません。少なくとも地方の歳入に占める税収入の割合が五〇%以上になるように税源の再配分を断行し、その不均衡を是正すべきであると思いますが、御見解を求めます。  第二に、事業税外形標準課税導入についてお伺いいたします。  わが党は、かねてより、地方財政安定化のために、このことを強く主張してまいりました。これについては、全国知事会も繰り返し制度改正を提言しており、また、地方制度調査会の答申におきましても同様にその実現を推進しておりますが、政府はいつどのようなときに実施されるのか、明確に示していただきたいのであります。  第三は、住民税減税についてであります。  今回の改正案では、三年ぶりにようやく課税最低限を約八万円ほど引き上げて百四十九万円としたのでありまするが、この額は、一般標準家庭の生計費や生活保護費に比べますとなお隔たりがあり、最低生活費には課税しないという原則に反するものでもあります。重税感にあえぐ国民税負担の軽減のためにも、少なくとも標準家庭で百五十八万円までは課税最低限引き上げるべきであると思いまするが、どのようにお考えでありましょうか、お伺いいたします。  第四に、源泉分離課税が選択された利子配当所得等については現在住民税課税されないことに対し、その地方税課税相当分として臨時地方特例交付金交付されておりますが、その配分額が明確ではありません。昭和五十四年度の臨時地方特例交付金千八百億円のうち幾らに該当するのか、お示し願いたいのであります。また、利子配当所得の総合課税化を早急に進めるとともに、地方税につきましても課税すべきであると考えますが、御所見を伺います。  次に、自動車税についてであります。  今回の改正案によれば、自家用自動車のオーナーには、排気量千ccクラスで年額二千円、千八百ccクラスになりますると三千円の増税となっております。その反面、ハイヤー、タクシー会社などの営業用普通自動車には増税はなし、クラスによっては年額二千円も逆に安くなるというおかしな結果になっております。  法改正によって税負担の増加を余儀なくされる者がいる反面、反対に、同じ環境にありながら安くなる者もいるというこの不公平をどのように説明すればよいのか、マイカーを所有する国民に納得のいく説明をする必要があろうと思いますが、いかがでしょうか。  最後に、総理が提唱された田園都市構想地方自治についてお伺いいたします。  自治省が過去十年近くも続けてきた全国三百余の広域市町村圏構想と、国土庁の三全総による地方定住圏構想、この両計画は双方が譲らないまま今日に至っております。道路建設関連の地方生活圏さえもまだ調整がついていないところへ、突如として降ってわいたように田園都市構想があらわれ、地方も何が何だかわからないというのが実情であります。よしんば、総理田園都市構想が、国民に受け入れられたとしても、国民が真に要請する地域整備を進めるためには、同時に真の地方自治権と地方財政が確立されることが不可欠であることは言うまでもありません。中央に集中している行政権限の大幅な地方への移譲や、地方自治体が独自に活動し得るような地方財源の確保が図られなければ、魅力ある地域づくりは、旧態依然、壁にぶつかることは必至であります。総理は、田園都市構想の中において基本的条件とも言える真の地方自治の確立ということについて一体どのような見解をお持ちなのか、明快な御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大平正芳登壇拍手
  18. 大平正芳

    国務大臣大平正芳君) 阿部さんの第一の御質問は、地方財政の抜本的な対策についてでございました。仰せのように、昭和五十年度以降地方財政には大きな歳入欠陥が生じておりまして、これを地方交付税特別会計からの借入金でございますとか地方債の増発によって賄っておることは変則的であって、安定した財源を確保するように考えなければならないのではないかという御提言は、私も全く同感に存じます。そのためにはどういう抜本的な政策を構想しておるかというお尋ねでございましたが、第一に、何よりも税負担の増加を、大変残念ながら、これは求めていかなければならないと考えるのでございまして、中央地方を通じまして新たな歳入計画を立てなければならぬと。御案内のように、一般消費税を初めといたしまして、政府明年度からそういう構想を持っておりますこと、そして国会の内外で論議を深めていただくよう要請いたしておりますのは、それが一つの柱になってくるものと思いますが、同時に、地方財政制度自体の基本的な改正が必要であることは、阿部さんも御指摘のとおりでございます。したがって、関係審議会等の御審議を経ながら、そういう方向に財政改革を進めてまいらなければならぬと考えております。  第二の御質問は、田園都市構想についてでございます。私が申し上げておる田園都市構想は、現在行われておりまする、中央地方を通じて行われておる国づくり、社会づくりというものと対立したものを提案いたしておるのでは決してないのでありまして、こういった現に行われておるもろもろの施策がどういう点が不足しているか、どういう点を加味しなければならないか、どういう点を改めなければならないか、そういった基本的な政策の道標につきましての基本理念になることを追求いたしておるものでございます。いま各方面の頭脳をおかりいたしまして検討を進めておるところでございます。その構想の中には、当然、阿部さんの言われる地方自治の拡充が大きな柱になることは申すまでもないことでございまして、地方公共団体活力によらなければこの構想が具体化できないことは申すまでもないことでございまして、大都市地方都市、農山漁村それぞれの地域の自主性と個性を生かしながら、もろもろの施策が均衡的に追求されるように持っていかなければならぬと考えております。  自余のことは関係大臣から御答弁いたします。(拍手)    〔国務大臣澁谷直截君登壇拍手
  19. 澁谷直藏

    国務大臣澁谷直藏君) 阿部さんにお答えをいたします。  まず最初に、地方財政再建についての御質問でございますが、総理からも御答弁があったわけでございますが、補充する意味で私からもお答えをいたします。  御案内のように、昨日地方財政収支試算を国会に提出をしたわけでございますが、この収支試算は、「新経済社会七カ年計画の基本構想」で採用しております諸指標及び先般国会に提出された国の財政収支試算を参考としまして、いろいろな仮定を置いて、五十四年度から六十年度に至る地方財政の姿を試算したものであるわけです。この収支試算において、地方税及び地方交付税については、新経済社会七カ年計画に示された昭和六十年度の租税負担率の予測値、国民所得対比二六・五%程度、これを踏まえまして、かつ、国と地方との現行の税財源配分の割合に変更がないものと仮定して算定しておるわけであります。今後、地方財政の健全化の確立を図るに際しては、この収支試算による見通しを踏まえながら、一方において歳出の節減合理化に努めなければなりません。他方におきまして、地方税地方交付税等の一般財源の増強を図らなければなりませんわけでございまして、この両方を踏まえて、できるだけ早期に地方税財政制度の抜本的改正の実現に努めてまいりたいと考えております。  それから、事業税外形標準課税はいつごろ導入するのかという御質問でございますが、先ほどもお答えしたわけでございますが、この問題は、御承知のように、多年の懸案であったわけでございますが、その仕組みが一般消費税における税負担の帰着関係課税標準ときわめて類似しているわけでございますから、先般の税制調査会答申においては、事業税の外形標源課税による方法にかえて地方消費税創設することが適当であるとされたわけでございます。したがって、地方税として地方消費税創設されるならば、この問題は実質的に解決されることになるものと考えております。  次に、住民税課税最低限を少なくとも百五十八万円までに引き上げるべきではないかという御指摘、御質問でございますが、この問題も先ほどお答えしたわけでございますが、もう御承知のように、明年度地方財政、きわめて厳しい状況にあるわけでございます。そのような状況ではございますけれども、この住民税の最低限の引き上げはどうしても行わなければならないという判断に立ちまして、今回財政的に許される限度内で、大体六百億円程度でございますが、減税を行うことにしておるわけでございまして、これ以上の減税ということは、来年度地方財政状況からしてとうてい実施は困難であると考えておるわけであります。  それから、今回利子配当所得に係るものが臨時特例交付金措置されておる、五十四年度は幾らくらい措置したのかという御質問でございますが、この源泉分離課税を選択した利子所得等に係る所得税の一部、これが総合課税に移行するまでの間は臨時地方特例交付金の中で措置することといたしておることは、もう御指摘のとおりでございます。昭和五十四年度におきましては、住民税減税も実施されると、そういったその他の事情も考慮いたしまして、千八百億円の臨時地方特例交付金の中に、この分に相当するものとして、これはもうラウンドの数字でございますが、約六百億円程度を繰り入れることとしておるわけであります。  最後に、今回自家用自動車について増税が行われたが、営業用自動車のうち排気量三リットル以下の自動車については二千円の減税が行われておる、不公平ではないかという御指摘でございますが、今回の自動車税改正案におきましては、その税率原則として自家用車については一〇%程度引き上げる、営業用車については公共輸送機関としての性格等にかんがみ据え置くと、こうしておるわけでございますが、これと同時に、かねてから地方団体において要望の強かった税率区分の一部について、軸距——軸の距離でございますが、軸距による区分を排気量による区分に今回改めることとしたわけであります。その結果、適当な段階を設けて車種間の税負担のバランスを図る必要から御指摘のような事例を生じたものでありまして、結果としては決して不公平なものになっておるとは考えておらないわけでございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣金子一平登壇拍手
  20. 金子一平

    国務大臣金子一平君) 阿部さんにお答えいたします。  利子配当所得の総合課税の問題につきましては、昨年の秋から政府税制調査会で御検討を願っております。今後、その審議を踏まえながら、五十五年度税制改正のときまでに結論を得て税制改正を出したい、こういうことで鋭意努力をしておる最中であることを申し上げます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣中野四郎君登壇拍手
  21. 中野四郎

    国務大臣(中野四郎君) 阿部先生にお答えを申し上げます。  御質問趣旨は、田園都市構想地方自治についてという御質問でありました。すでに御承知のように、第三次全国総合開発計画の定住構想は、住みよい居住環境を全国にわたりつくり上げていこうとするものであります。また、総理の提唱される田園都市構想は、都市の高い生産性と田園の豊かな自然や人間関係とを高次に結びつけ、ゆとりと潤いのある地域社会の形成を目指す地域づくり、国づくりの基本理念を示されたものと理解をしております。したがって、両者は矛盾するものではなく、定住構想を推進することによって田園都市構想の具体化に貢献できるものと考えております。政府といたしましては、定住構想推進連絡会議を設け、関係十六省庁が国土庁を中心に一体となって定住構想を推進していくこととしております。  以上であります。(拍手
  22. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これにて質疑は終了いたしました。      ——————————
  23. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第一 日本国ポーランド人民共和国との間の通商及び航海に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第二 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第三 南極のあざらしの保存に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第四 北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約締結について承認を求めるの件  日程第五 日本国政府フィンランド共和国政府との間の文化協定締結について承認を求めるの件  以上五件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外務委員長菅野儀作君。    〔菅野儀作君登壇拍手
  24. 菅野儀作

    ○菅野儀作君 ただいま議題となりました条約五件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。  まず、ポーランドとの通商航海条約は、戦後わが国が諸外国と締結した通商航海条約と同様に、わが国とポーランドとの間で、関税事項を初め、通商及び航海の分野における広範な事項について相互に内国民待遇もしくは最恵国待遇を供与すること等を定めるとともに、特に両国間の貿易の発展及び経済関係強化のために協力することをうたったものであります。  次に、特に水鳥の生息地として重要な湿地に関する条約は、一九七一年二月にイランのラムサールで開催されました国際会議において採択されたものでありまして、各締約国が、その領域内にある湿地を指定するとともに、その保全及び適正利用を図り、湿地に生息する動植物、特に水鳥の保護を促進すること等を定めたものであります。  次に、南極のあざらしの保存に関する条約は、南極のアザラシを保護するとともに、これについて科学的な研究を行い、合理的な利用を図ることを目的とするものでありまして、締約国の国民または船舶が、この条約に規定される規制措置に従う場合を除くほか、南極のアザラシを殺さず、または捕獲しないこと等を定めたものであります。  次に、北西大西洋の漁業についての今後の協力に関する条約は、従来わが国も加盟していた北西大西洋漁業条約の適用区域において沿岸国が相次いで二百海里水域を設定したことに対応して新たに作成されたものでありまして、北西大西洋の漁業資源の保存及び最適利用の促進並びに国際協力の促進のために、北西大西洋漁業機関を設立し、共同措置及び国際的取り締まり措置提案を採択すること等を定めたものであります。  最後に、フィンランドとの文化協定は、戦後わが国が諸外国と締結した文化協定とほぼ同様の内容のものでありまして、わが国とフィンランドとの間で文化及び教育の各分野における交流を奨励すること等を定めたものであります。  委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知を願います。  質疑を終え、別に討論もなく、昨一日採決の結果、以上五件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  25. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより五件を一括して採決いたします。  五件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  26. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、五件は全会一致をもって承認することに決しました。      ——————————
  27. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第六 民事執行法案(第八十四回国会内閣提出衆議院送付)  日程第七 民事執行法の施行に伴う関係法律整理等に関する法律案内閣提出)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長峯山昭範君。    〔峯山昭範君登壇拍手
  28. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ただいま議題となりました二法案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  まず、民事執行法案は、強制執行法と競売法〉を統合した民事執行に関する手続の基本法を制定し、債務者その他の利害関係人の利害を調整しつつ、執行手続の改善及び執行の適正迅速化を図ろうとするものであって、その要旨は次のとおりであります。  第一は、執行抗告等の不服申し立ての方法を整理するなど執行手続の迅速化を図ること。  第二は、配当要求制度の改善、執行官による不動産の現況調査権限の強化、物件明細書の作成閲覧など債権者の権利行使の実効性を確保するとともに、売却手続の改善を図ることであります。  第三は、不動産買い受け人の所有権取得の時期を明確にするとともに、不動産の引き渡し命令の制度など、買い受け人の地位の安定強化を図ることであります。  第四は、差し押さえ禁止の範囲の合理化など債務者の保護規定を整備することであります。  また、本法の施行期日を昭和五十五年十月一日としております。  なお、本法案は、第八十四回国会提案され、審査が重ねられましたが、議了するに至らず、本院において継続審査となっていたものであります。  次に、民事執行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、民事執行法の施行に伴い、六十一の関連する諸法律について、字句の整理等の改正を要するものを一括して行おうとするものであり、今国会提出によるものであります。  委員会におきましては、労働組合活動と民事執行法との関係、執行官等の職務及び待遇の改善、民事執行手続に関連する諸問題について、多岐にわたる質疑が重ねられたほか、競売場の視察、参考人の意見聴取など、慎重に審査を行いましたが、それらの詳細は、会議録によって御承知願います。  質疑を終局した後、民事執行法案に対し、自由民主党・自由国民会議日本社会党、公明党、日本共産党及び新自由クラブ各会派共同に係る修正案が寺田委員より提出されました。その内容は、不動産強制競売における売却のための保全処分、買い受け人等のための保全処分及び引き渡し命令の相手方をそれぞれ債務者とすることなどであります。  両案及び修正案について討論に入りましたところ、寺田委員、宮崎委員及び橋本委員より、それぞれ賛成意見が表明されました。  次いで、順次採決の結果、まず、民事執行法案について、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって本案は修正議決すべきものと決し、民事執行法の施行に伴う関係法律整理等に関する法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  29. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  まず、民事執行法案の採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。  本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  30. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員長報告のとおり修正議決されました。      ——————————
  31. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 次に、民事執行法の施行に伴う関係法律整理等に関する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  32. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ——————————
  33. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 日程第八 関税暫定措置法の一部を改正する法律案  日程第九 航空機燃料税法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長坂野重信君。    〔坂野重信君登壇拍手
  34. 坂野重信

    ○坂野重信君 ただいま議題となりました両案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、関税暫定措置法の一部を改正する法律案は、内外の経済情勢の変化に顧み、まず、フルフラール等十一品目について課税負担適正化を図るため関税率を引き下げ、アルミニウムの塊に対する関税割り当て制度についてその一次税率を引き下げ、タマネギについて関税無税点を引き上げ、除虫菊について関税割り当て制度を廃止するとともに、昭和五十四年三月三十一日に適用期限の到来する原重油等九百五十一品目について暫定税率の適用期限を一年間延長するほか、関税の減免還付制度等について所要改正を行おうとするものであります。  次に、航空機燃料税法の一部を改正する法律案は、航空機燃料に係る税負担の現状及び空港整備財源充実等の要請に顧み、昭和五十四年度税制改正の一環として、航空機燃料税税率現行一キロリットル当たり一万三千円を二倍の二万六千円に引き上げようとするものであります。  委員会におきましては、両案を一括して質疑を行い、電電公社機材調達の外国に対する門戸開放問題、東京ラウンド及びサミットに臨む政府の対応策、空港及び基地周辺における騒音対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論なく、順次採決の結果、関税暫定措置法の一部を改正する法律案は多数をもって、また、航空機燃料税法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、航空機燃料税法の一部を改正する法律案に対して、政府は空港周辺における生活環境の改善対策を推進し、実施に当たっては地元住民の意向を尊重すべきである旨の各派共同提案に係る附帯決議が付されました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  35. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。  まず、関税暫定措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  36. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。      ——————————
  37. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 次に、航空機燃料税法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立
  38. 加瀬完

    ○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時十八分散会