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政府委員(清水汪君) 各種の調査結果はただいま先生のお挙げになったとおりでございますが、報道機関の調査結果につきましては、私
どもとしてはこのように受けとめているわけでございます。整理をして申し上げますと、報道機関の調査の場合におきましても、存続の希望についてはその意思を確かめているということがまずあるわけでございまして、その場合につきましては、元号は将来ともあった方がよいと、あるいはどちらかといえばあった方がよいというたぐいの、いわゆる存続賛成派がやはり八割程度を占めているということがあるわけでございます。それに引き続きまして設問といたしまして、ではその場合のやり方ということでございますが、
法制化に賛成か、あるいは
法制化するほどのことはないか、それから
法制化に反対か、その他と、こういうような大体四分類になっております。さらに本年に入りましてからの場合には、その第二番目の問い、
法制化するほどのことはないというところが少し変わりまして、元号はあった方がよいけれ
ども、その
方法としては政令でよいのではないかとか、あるいは慣習的にやっていけばよいのではないかとか、内閣告示でもよいのではないかというような種類の分かれた回答が寄せられているわけでございます。
そこで、私
どもとしてはこれをどういうふうに受けとめるかということでございますが、いずれの調査におきましても、存続はした方がよいがということがやはりそこにあらわれておるということが一つ確認できるわけでございますし、それからその
方法としてお答えになった方々がどういうふうに考えられたかということでございますが、具体的に三つに分けられたようなケースで申しますと、存続はした方がいいのだけれ
ども、政令でやったらいいじゃないかという点につきましては、これは現在のわが国の法制のもとにおきまして法律に根拠がないままに直接ある政令をつくって物事をやっていくというやり方は、これはできないわけでございます。
それからもう一つ、慣習でやっていけばいいじゃないかという点につきましては、これは前提として当然のことでございますが、昭和の次の元号のあり方についての設問でございますから当然そこの問題でございますが、そうなりますと、慣習でやっていけばよいではないかというふうにお考えになっていらっしゃる方々がそこにいることは示されているわけですけれ
ども、それは存続は希望しつつも、実は慣習ということの中には昭和の次の元号を生み出すルール、定めがないわけでございます。したがいまして、存続はした方がよいけれ
どもという願望は持ちつつも、結果として現実問題としてはその願望が果たされない結果になるということを申し上げるわけでございまして、その
意味におきまして、慣習でやっていけばよいのではないかというわけにもまいらないということでございます。
で、したがいまして、そこの調査の方式の中で申し上げれば、内閣告示でもよいのではないかというお答え、これは一考に値するわけでございますが、この点につきましては、
方法としてそれが不可能だということは政府としては申し上げてはおりません。おりませんけれ
ども、その点につきましては、従前から内部的には種々検討を重ねて・きました結果、やはり元号のような広く使われるというその
性格、そういうものを明確なものにしていくというような観点、それからそういうもののルールを決める決め方の問題、そのような両面から検討いたしました結果、これは
国民を
代表する
国会において議決する法律によって政府に御委任をいただく、具体的な名称の選定について御委任をいただくということが最も手続としても妥当であるし、内容的にも明確になって、その方がベターである、こういうふうに考えるわけでございます。そういうことの結果として私
どもとしてはこのアンケートに示された、実質的に存続してほしいという願望を受けとめつつ、それにこたえる
方法として、これは総務
長官の言葉をかりれば、政府の責任においてこのような法案を準備さしていただいたと、このように考えておるわけでございます。