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1979-02-22 第87回国会 参議院 地方行政委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十四年二月二十二日(木曜日) 午後零時二分開会
—————————————
委員
の異動 十二月二十二日
辞任
補欠選任
熊谷
弘君
三善
信二
君 十二月二十五日
辞任
補欠選任
三善
信二
君
熊谷
弘君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
永野
嚴雄君
理 事
衛藤征士郎
君 金丸 三郎君
志苫
裕君 委 員 加藤 武徳君 坂元 親男君 鍋島 直紹君 小山 一平君 佐藤 三吾君 阿部 憲一君 藤井 恒男君
前島英三郎
君
国務大臣
自 治 大 臣 国 務 大 臣 (
国家公安委員
会委員長
)
澁谷
直藏君
政府委員
警察庁長官官房
長 山田 英雄君
警察庁長官官房
会計課長
城内 康光君
自治大臣官房長
石見
隆三
君
自治大臣官房審
議官
石原 信雄君
自治大臣官房会
計
課長
大嶋 孝君
自治省行政局長
柳沢 長治君
自治省財政局長
森岡 敞君
自治省税務局長
土屋 佳照君
消防庁長官
近藤 隆之君
事務局側
常任委員会専門
員 高池 忠和君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
地方行政
の
改革
に関する
調査
(
地方行財政
、
消防行政
、
警察行政等
の
基本施
策に関する件) (
昭和
五十四
年度
自治省関係予算
及び
警察庁関
係予算
に関する件)
—————————————
永野嚴雄
1
○
委員長
(
永野嚴雄君
) ただいまから
地方行政委員会
を開会いたします。
地方行政
の
改革
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
地方行財政
、
消防行政
及び
警察行政等
の
基本施策
について、
澁谷国務大臣
から
所信
を聴取いたします。
澁谷国務大臣
。
澁谷直藏
2
○
国務大臣
(
澁谷直藏
君)
委員各位
には、平素から
地方自治発展
のため、また
警察行政
に格別の御努力、御尽力をいただき厚く御礼申し上げます。 この機会に
所管行政
の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と格段の御協力を賜りたいと存じます。 私は、かねてから
民主政治
の基盤は
地方自治
にあると確信しております。 新憲法のもとに誕生した
わが国
の新しい
地方自治
は、幾多の試練に耐えながら、たゆみない着実な発展を遂げ、
国民
の間に根をおろしてまいりました。しかしながら、最近の
地方自治
を取り巻く環境はきわめて厳しい状況にあります。このような状況のもとにおいて
地域住民
の福祉の向上と
地域社会
の健全な発展のための総合的な
振興整備策
を推進するためには、長期的な展望の上に立って
行財政両面
にわたり
見直し
を行い、
地方自治
の基盤の一層の
充実
を図ることが必要であります。 私は、このような認識のもとに、大きな転換期に直面している今日の
地方自治
に対処し、
明年度
における所要の
地方行財政施策
を講じてまいる所存であります。 以下、その概要について御説明をいたします。 まず、
昭和
五十四年度の
地方財政対策
について申し上げます。 国の
予算編成
に先立ちまして本年度の
地方財政
の
収支見通し
を行いましたところ、
税制改正
による
増収見込み額
を加えた後においても、本年度を大幅に上回る四兆一千億円の
財源不足
が見込まれるに至りました。この
財源不足
につきましては、
地方財政
の運営に支障が生ずることのないよう、
昭和
五十三年度に制度化された
地方交付税所要額
の確保のための方式の活用、
臨時地方特例交付金
の増額及び
建設地方債
の増発により、これを完全に補てんすることとしております。 なお、このほか
地方債資金対策
として、
政府資金
及び
公営企業金融公庫
の資金の増額を図ったほか、
公営企業金融公庫資金
の
貸付利率
の
引き下げ等
の
措置
を講ずることとしております。 次に、このほど策定を終え、先日
閣議決定
を見ました
昭和
五十四年度の
地方財政計画
の概要について申し上げます。
昭和
五十四年度の
地方財政計画
の策定に当たりましては、現下の
経済情勢
に適切に対処するとともに、財政の
健全化
に努めることを目途として、おおむね国と
同一基調
によりながら、
基本方針
を次のとおりといたしたところであります。 その第一は、現下の厳しい
地方財政
の状況にかんがみ、
住民負担
の
合理化
にも配慮しつつ、
地方税源
の
充実強化
を積極的に図るとともに、
地方交付税
及び
地方債
の
増額等
により
地方財源
を確保すること。 第二は、
生活関連施設
を中心とする
社会資本
の
整備
を推進し、あわせて景気の着実な回復に資するよう、
投資的経費
の
充実
を図るとともに、
地域住民
の福祉の
充実
、
住民生活
の安全の
確保等
に財源を重点的に配分すること。 第三は、
定員管理
の
適正化等
により、
地方行財政運営
の
合理化
を図るとともに、
国庫補助負担基準
の
改善等財政秩序
の確立を図るほか、
地方財政計画
の
算定内容
について所要の
是正措置
を講ずることであります。 この結果、
地方財政計画
の規模は
歳入歳出とも
に三十八兆八千十四億円となり、前年度に比し四兆四千六百十八億円、一三%の増加となっております。 また、
地方公営企業
につきましては、その経営の
健全化
を図るため、引き続き
交通
及び
病院事業
の再建を推進するとともに、
生活関連事業
を中心に
企業債資金
の
所要額
の確保と
貸付条件
の改善を図ることとしております。
地方税
につきましては、今後多額の
自然増収
を期待することが困難となってきている一方、
生活関連施設
の
整備
、
住民福祉
の
充実等地方公共団体
の
財政需要
は、なお増大するものと考えられます。 このような事態に対処するためには、歳出の一層の
節減合理化
に徹するとともに、
税負担
の
公平確保
に努める必要がありますが、それと並行して、長期的には
国民
に一般的な
租税負担
の増加を求め、
地方自主税源
の
充実強化
を図っていく必要があるものと考えます。
明年度
の
税制改正
におきましては、
経済運営
の
基本方針
を踏まえつつ、現下の厳しい
財政事情
に対処するため、
自動車税
、
軽自動車税
及び
軽油引取税
の税率の
引き上げ
を行うとともに、
税負担
の公平の一層の徹底を期して
非課税措置等
の
整理合理化
を進める等の
措置
を講ずることとしております。 また、
地方道路税
の
税率引き上げ
に伴い、
地方道路譲与税
の
市町村
に対する
譲与割合
を
引き上げ
るための
措置
、新たに
空港関係都道府県
に対しても
航空機燃料譲与税
を譲与することとするための所要の
措置等
を講ずることとするほか、
基地交付金
及び
調整交付金
につきましても増額することといたしました。 一方、
地方財政
の
現状等
から見まして、
地方税
において減税を行うことはきわめて困難であると考えられますが、
個人住民税
につきましては、最近における
国民生活水準
の推移、
住民負担
の
状況等
にかんがみ、最小限できる範囲内で
課税最低限
の
引き上げ等
を行うこととしております。 なお、
一般消費税
につきましては、そのうち
地方公共団体
に配分される額の一部を
地方消費税
(
道府県税
、仮称)とすることとし、
昭和
五十五年度中に実現できるよう諸般の準備を進めることとしております。 先般行われた
総理大臣
の
施政方針演説
における
田園都市構想
は、今後における日本の進むべき方向を見定め、自由な、そして幅広い立場で
国家形成
の
基本理念
を展開したものであります。この理念に基づき、国全体を通じてそれぞれの
地域
の特性を生かしつつ
人間居住環境
の総合的な
整備
を図るためには、
地方自治
体が主体となって新しい社会の形成に取り組む必要があります。このため、
自治省
としては、十年来施策を進めてきた
広域市町村圏
をさらに発展させ、それぞれの
地域
の課題に対応する総合的な
地域づくり
のため
道府県事業等
も含めた新
広域市町村圏計画
の策定とその実施を積極的に推進してまいる所存であります。 また、新
広域市町村圏計画
による全国的な
基盤整備
とあわせて、特に人口の
地方定住
に
先導的役割り
を果たす
地方都市圏
について、その
計画的整備
を優先的に促進してまいりたいと存じます。 なお、最近における
日本経済
の急激な
構造変化
に対処しながら、
地域経済
の振興により
国民経済
の均衡ある発展を図っていくため、特に不況に陥っている
地域
について
地方公共団体
が
地域
の実態に即応して産業の振興、雇用の
安定等
に関する施策を総合的かつ計画的に推進し得るよう、所要の
措置
を講じているところでありますが、さらに
地域ごと
の
経済状況
の把握のための
体制
の
整備
を図ってまいりたいと存じます。 最近における
社会経済情勢
の変化に伴い、
地方自治行政
に対する
住民
の要望は一段と複雑多様化してきており、
地方行政
の果たす
役割り
は一層大きなものとなってきております。このような状況のもとにおいて、新しい
社会経済情勢
に即応し
住民福祉
の向上と
地方自治
の基盤の一層の
充実
を図るためには、まず、国、
地方
を通じて行政のあり方についての
基本的見直し
を行い、その上に立って、国と
地方公共団体
の適切な
機能分担
と
行政責任
の
明確化
を図り、自主的で責任のある
地方行政
を確立する必要があると考えます。このような見地に立って、今後
地方制度調査会等
の御意見を伺いながら事務再配分の
促進等地方行政
の改善に努めてまいりたいと存じます。 また、
住民
の
自治意識
の向上に資するため、
コミュニティー
における
生活環境
の
整備
、
コミュニティー活動
の促進など
コミュニティー施策
の推進を図ってまいりたいと考えております。
地方公務員行政
につきましては、かねてより
公務員秩序
の確立と公務の公正かつ効率的な遂行に努めてまいったところでありますが、今後とも、この方針に基づき、
服務規律
及び綱紀の厳正な保持と
公務能率
の向上を図るとともに、
地方公務員
の
給与水準
、制度・運用の
適正化
、
職員増加
の抑制など、給与及び
定員管理
の改善を一層推進し、もって
住民
の期待と信頼にこたえるよう、さらに積極的に取り組む所存であります。 次に、
消防行政
について申し上げます。 昨年、
自治体消防
は発足以来三十周年という意義ある年を迎えましたが、この間、時代の変遷に対応しながら
関係者
のたゆみない努力の積み重ねによって、その
体制
の
整備
が進められてまいりました。 私は、この三十年間の歩みを踏まえて、
自治体消防
が今後とも、
地域住民
の期待にこたえ得るようその基盤の一層の
整備充実
を図ることが必要であると存じます。 私は、今後の
消防行政
を推進していくに当たり、何よりも人命の尊重を消防の基本とし、安全な
地域社会づくり
を目指して消防の
科学化
、
近代化
を推進するとともに
地域ぐるみ
の
総合防災体制づくり
を進めてまいりたいと考えております。 まず、
震災対策
につきましては、
地域
における総合的な
震災対策
を確立するため、大
規模地震対策特別措置法
の制定に伴う
防災計画策定等
の指導、地震時における
初期消火
及び避難のために必要な施設の
整備
、
防災知識
の
啓発等
を推進することとしております。このため、
地震防災対策強化地域
における
消防施設
の
整備
に対して特別の補助を行うことといたしました。 また、
コミュニティー防災センター
を
整備
し、
住民
の連帯による
自主防災体制づくり
を進めてまいりたいと存じます。
消防力
の
充実強化
と
地域
の
防災体制
の
充実
につきましては、
消防施設
及び装備の
科学化
、
近代化
を推進するとともに、大
規模災害
に備えて
消防防災無線通信網
及び
防災資機材
の
整備
を促進してまいりたいと存じます。 また、
建築物
に対する
予防査察
の
充実
、
防火管理体制
の強化、
既存防火対象物
の
消防設備
の
設置促進等予防体制
の
充実強化
を図ってまいる所存であります。 次に、
警察行政
について申し上げます。 言うまでもなく、治安の確立は、
わが国
の
民主政治
、
国民生活
の存立と発展の基盤をなすものであります。私は流動する
社会情勢
に的確に対応する
警察運営
の推進を図り、引き続き治安の確保に努めてまいる所存であります。 最近の
犯罪情勢
を見ますと、ここ数年、
刑法犯
の
認知件数
は漸増を示しており、特に昨年は近来にない増加を示しております。しかもその内容を見ますと、銃砲を使用した
暴力団対立抗争事件
、
連続放火事件
、身のしろ
金目的等
の
誘拐事件等国民
に著しい
不安感
を与える犯罪が多発しましたが、本年に入りましても、
三菱銀行北畠支店
における
猟銃強盗殺人
、人質立てこもり事件のようなきわめて凶悪な犯罪が発生しているのであります。 このような
犯罪情勢
に対し、
警察
といたしましては
国民
の要望に即した
捜査活動
を強力に推進し、犯人の
早期検挙
により
国民
の平穏な生活が確保されるよう努力してまいる所存であります。 特に
暴力団
は、昨年
近畿地方
において銃砲を使用した
対立抗争事件
を繰り返したり、
経済活動
に介入して
不法事案
を敢行するなど、危険な動向を一層強めておりますので、広く
国民各層
の協力を得て、組織の壊滅を目標とした総合的な
取り締まり施策
を強力に推進してまいる所存であります。 最近、
多発傾向
にある
国際犯罪
につきましては、
外交ルート
によるほか
国際刑事警察機構
を通じて、
外国警察
との
捜査協力
を一層推進し、事案の解明と犯人の検挙に努めてまいる所存であります。 また、
増勢傾向
にある
覚せい剤事犯
、
公害事犯
、
高金利事犯等国民
の
日常生活
を侵害する
各種事犯
の
取り締まり
を強化するとともに、犯罪の予防、
少年非行
の
防止等
の諸対策を積極的に推進してまいる所存であります。 なお、
無限連鎖講
の防止に関する法律が来る五月一日から施行されることとなりますので、
悪質事犯
の
取り締まり
に重点を置いて法の適正な運用が図られるよう努めてまいりたいと存じております。 次に、道路
交通
問題について申し上げます。 御承知のように、昨年の
交通事故
による
死者数
は八千七百八十三人で前年に比べて一・八%減少し、
昭和
四十六年以来八年
連続交通事故死者減少
という成果を上げることができました。特に昨年は、年初から厳しい
交通情勢
を反映して全国的に増加の兆しが見られるなど困難な状況のうちに推移しましたが、
関係機関
、団体との連携のもとに異例の夏の
全国交通安全運動
を実施するなどによってその増勢を食いとめ、さらには十二月一日から施行された
改正道路交通法
の適切な運用により一時は困難かと思われた
死亡事故連続減少
の目標を達成することができたのであります。 しかしながら、年間の
交通事故
による
死傷者
はいまだ約六十万人にも達しており、依然として重大な社会問題であって、
交通事故防止
が緊急な課題であることは言うまでもないのであります。さらには、
運転免許人口
や
自動車保有台数
の著しい増加によって、いまや
国民
皆
免許時代
、
大量交通時代
を迎えており、それにふさわしい
道路交通秩序
を確立することが重要な課題となっております。
警察
といたしましては、このような情勢に対応しつつ、
交通事故防止
のための諸対策を強力に推進しているところでありますが、特に昨年は
交通事故防止対策
の推進と
国民
皆
免許時代
における
運転者
の
社会的責任
の
明確化
を柱とした
道路交通法
の大幅な改正を行ったところでありますので、本年は
改正道路交通法
の適切かつ積極的な運用に努め、
交通事故
の
減少傾向
の
定着化
を一層進めるとともに、
自動車交通
と
人間生活
との調和のとれた新しい
車社会
にふさわしい
道路交通秩序
の確立を図ってまいる所存であります。 当面の
治安情勢
は、内外の厳しい諸情勢を反映して昨年にも増して多事多難の様相を呈しております。特に、
極左暴力集団
は引き続き新
東京国際空港
に対する反対を当面の
闘争課題
としながらテロ、ゲリラの
本格化
への動きを強めており、凶悪な
爆弾事件
や陰惨な
内ゲバ事件
も依然として続発する傾向にあります。また、六月には東京において
主要国首脳会議
が開催される予定でありますが、
極左暴力集団
の間には
会議粉砕
を呼号して
違法行為
を敢行しようとする動きがあらわれております。一方、右翼も最近の諸情勢の推移にいら立ちと
危機感
を深めており、先般の
大平総理襲撃事件
に見られたように過激な直接行動への志向が高まっているのであります。 このような厳しい
治安情勢
に対処するため、
警察
は強靱な
体制
を確立し、
総合力
を発揮して法と秩序を破壊する
暴力的行為
の
取り締まり
に努め、
国民生活
の
安全確保
に万全を期する所存であります。 最近の流動する
社会情勢
を背景として、
警察
が当面する各般の諸問題に的確に対処するためには、これに対する
警察体制
の
整備
、
充実
、強化を図ってまいることが不可欠の前提であることは言うまでもありません。このため、
昭和
五十四年度においては、
人口増加
の著しい
新興住宅地域
における
外勤警察官要員
を初めとして、
暴力団上層部
の検挙と
組織壊滅
を図るための要員、
看守勤務体制
を
整備
、強化するための要員等緊急に
体制
の
充実
、強化を要するものについて、
地方警察官
三千三百人の増員を行うこととしたいのであります。また、
警察
がよくその責務を全うするためには、
体制面
の
整備
、強化と並んで
警察官
の資質の向上を図ってまいることが肝要であります。このため、
警察教養
の推進と処遇の改善についても配意してまいりたいと考えております。特に、
若年警察官
の指導、教養については、昨年来、逐次所要の
措置
を講じているところでありますが、今後とも
人間教育
の
充実
と職場における
監督指導
には力を入れ、
警察職員
の規律の保持を図るとともに士気の高揚について一層努力いたし、もって
国民
の信頼にこたえてまいる所存であります。 以上、
所管行政
の当面の諸問題について、所信の一端を申し上げましたが、
委員各位
の格別の御協力によりまして、その実を上げることができますよう一層の御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
—————————————
永野嚴雄
3
○
委員長
(
永野嚴雄君
) 次に、
昭和
五十四
年度
自治省関係予算
及び
警察庁関係予算
の
概要
について、それぞれ
説明
を聴取いたします。
石見官房長
。
石見隆三
4
○
政府委員
(
石見隆三
君)
昭和
五十四
年度
の
自治省関係歳入歳出予算
につきまして、
概要
を御
説明
申し上げます。 第一に、
一般会計予算
でありますが、
歳入
は一千二百万円、
歳出
は六兆一千四百八十五億一千五百万円を計上いたしております。
歳出予算額
は、前
年度
の
予算額
五兆八千九百九十九億八千九百万円と比較し、二千四百八十五億二千六百万円の
増額
となっております。 また、この
歳出予算額
の
組織別
の額を申し上げますと、
自治本省
六兆一千二百八十四億四千百万円、
消防庁
二百億七千四百万円となっております。 以下、この
歳出予算額
のうち主な事項につきまして、
内容
の御
説明
を申し上げます。 最初に、
自治本省
につきまして御
説明
を申し上げます。 まず、
地方交付税交付金財源
の
繰り入れ
に必要な
経費
でありますが、
昭和
五十四
年度
は五兆二千八百八十一億六千万円を計上いたしております。 この
経費
は、
昭和
五十四
年度
の
所得税
、
法人税
及び酒税の
収入見込み額
のそれぞれ百分の三十二に相当する
金額
の
合算額
五兆二千三百四十五億六千万円に
過年度特例措置
に係る
昭和
五十四
年度
の額五百三十六億円を加算した額に相当する
金額
を
交付税
及び
譲与税配付金特別会計
へ
繰り入れ
るために必要な
経費
であります。 次に、
臨時地方特例交付金
の
繰り入れ
に必要な
経費
でありますが、三千七百六十六億円を計上いたしております。 この
経費
は、
地方財政
の
状況等
を考慮し、
昭和
五十四
年度
の
特例措置
として
交付税
及び
譲与税配付金特別会計
を通じ
地方交付税交付金
として交付する
財源
の同
特別会計
への
繰り入れ
に必要な
経費
であります。 次に、
借入金等
の
利子
の
財源
の
繰り入れ
に必要な
経費
でありますが、三千二百八十四億百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
地方交付税交付金
に係る
借入金
及び一時
借入金
の
利子
の
支払い財源
を
交付税
及び
譲与税配付金特別会計
へ
繰り入れ
るために必要な
経費
であります。 次に、
国有提供施設等所在市町村助成交付金
に必要な
経費
でありますが、百七十五億五千万円を計上いたしております。 この
経費
は、いわゆる
基地交付金
でありまして、
米軍
及び自衛隊が使用する
国有提供施設等
の所在する都及び
市町村
に対し、
助成交付金
を交付するために必要な
経費
であります。 次に、
施設等所在市町村調整交付金
でありますが、四十七億五千万円を計上いたしております。 この
経費
は、特定の
防衛施設
が所在することに伴い
税財政
上特別の影響を受ける
施設等所在市町村
に対し、
調整交付金
を交付するために必要な
経費
であります。 次に、
交通安全対策特別交付金
に必要な
経費
として、七百七億七千四百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
交通安全対策
の一環として、
反則金収入
に相当する
金額
を
道路交通安全施設
に要する費用に充てるため、
都道府県
及び
市町村
に対し交付するために必要な
経費
であります。 次に、新
産業都市等建設事業債調整分
の
利子補給
に必要な
経費
につきましては、九十六億三千九百万円を計上いたしております。 この
経費
は、新
産業都市
、
工業整備特別地域等
の
建設
、
整備
の
促進
を図るため、
建設事業債
の
特別調整分
について
利子補給金
を交付するために必要な
経費
であります。 次に、
地方公営交通事業再建債
の
利子補給
に必要な
経費
でありますが、三十三億一千四百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
地方公営交通事業
の
再建
を
促進
するため、
再建事業
を経営する
地方公共団体
が起こす
再建債
について
利子補給金
を交付するために必要な
経費
であります。 次に、
再建地方都市バス事業
の
車両更新費
の
補助
に必要な
経費
でありますが、十億八千五百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
再建
を行う
地方都市バス事業
を経営する
地方公共団体
に対する
当該事業
の
車両更新費
の
補助
に必要な
経費
であります。 次に、
公営地下高速鉄道事業助成
に必要な
経費
でありますが、百六十二億八千四百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
昭和
四十六
年度
末における
公営地下高速鉄道事業債
に係る
支払利子
に相当するものとして
発行
を認める
企業債
の
利子相当額
について、
地方公共団体
に
助成金
を交付するために必要な
経費
であります。 次に、
公営病院事業助成
に必要な
経費
として、三億五千九百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
昭和
四十八
年度
末における
公営病院事業
の
不良債務
の
範囲
内で
発行
を認めた
公立病院特例債
の
利子
について、
地方公共団体
に対し、
助成金
を交付するために必要な
経費
であります。 次に、
公営企業金融公庫
の
補給金
に必要な
経費
でありますが、六十四億一千四百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
公営企業金融公庫
の
水道事業
、
下水道事業
、
工業用水道事業
、
交通事業
、
市場事業
、
電気事業
及び
ガス事業
に係る
貸付利率
の
引き下げ
のための
補給金
を同
公庫
に交付するために必要な
経費
であります。 なお、このほか、同
公庫
につきましては、
出資金
を
増額
するための
経費
八億円が
大蔵省所管産業投資特別会計
に計上されております。 次に、新
広域市町村圏計画
の
策定
に要する
経費
でありますが、二億九千百万円を計上いたしております。 この
経費
は、各
地域社会
に住みよい
生活環境
をつくり上げるため、新
広域市町村圏計画
を
策定
するに必要な
経費
であります。 次に、
選挙
に関する常時
啓発
に必要な
経費
でありますが、十二億円を計上いたしております。 この
経費
は、
選挙
をきれいにするための
国民運動
を展開するとともに、常時、
選挙人
の
政治常識
の
向上
を図るための
啓発
に要する
経費
について、
地方公共団体
に対し
補助
する等のために必要な
経費
であります。 以上が
自治本省
についてであります。 次に、
消防庁
について、御
説明
を申し上げます。 まず、
震災対策
に必要な
経費
として、三十億六百万円を計上いたしております。 この
経費
は、大震災に対処して
初期消火
及び避難のために必要な
施設
の
整備
、
防災知識
の
啓発
を図るとともに、
住民
の自主防災活動の拠点となる
コミュニティー防災センター
の
整備
等を
推進
するために必要な
経費
であります。 次に、
消防施設
等
整備
に必要な
経費
として、百五十五億三百万円を計上いたしております。 この
経費
は、
市町村
の
消防力
の
強化
を図るため、
地域
の実情に応じて
施設
の
整備
及び
消防
の
科学化
、
近代化
を
促進
するとともに、石油コンビナート等防災
対策
の
推進
、
消防
防災通信網の
整備
を図るために必要な
経費
であります。 第二に、
特別会計
予算につきまして、御
説明
を申し上げます。
自治省
関係の
特別会計
といたしましては、大蔵省及び
自治省
所管
交付税
及び
譲与税配付金特別会計
がありまして、この
特別会計
の
歳入
歳出
予定額は、十三兆五千七百七十五億一千四百万円となっております。
歳入
は、
地方交付税交付金
及び
借入金等
利子
の
財源
に充てるための一般会計からの受入見込額、
地方道路税
の収入見込額、石油ガス税の収入見込額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込額等を計上いたしております。
歳出
は、
地方交付税交付金
、
地方
譲与税譲与金及び
借入金
の償還
財源
等の国債整理基金
特別会計
への
繰り入れ
等に必要な
経費
であります。 以上、
昭和
五十四
年度
の
自治省
関係の一般会計及び
特別会計
予算の
概要
を御
説明
申し上げました。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
永野嚴雄
5
○
委員長
(
永野嚴雄君
)
警察
庁山田官房長。
山田英雄
6
○
政府委員
(山田英雄君)
昭和
五十四
年度
の
警察
庁予算案につきまして、
概要
を御
説明
申し上げます。
昭和
五十四
年度
の
警察
庁予算総額は一千四百五十七億三千三百余万円でありまして、前
年度
予算額
(第一次補正後)一千二百七十二億余万円に比較しまして百八十五億三千三百余万円の
増額
となっております。 次に、その
内容
の主なものにつきまして御
説明
申し上げます。 第一は、
警察
庁一般
行政
に必要な
経費
五百億一千四百余万円であります。 この
経費
は、
警察
庁、
警察
大学校及び
地方
機関の職員並びに
都道府県
警察
の警視正以上の
警察官
の職員俸給等の人件費、全国的情報管理システムその他のために設置した電子計算機
組織
の
運用
に必要な電子計算機の借料とそれに付随する消耗品購入費等のほか、
警察
庁、
警察
大学校及び
地方
機関の一般
事務
費と
都道府県
警察官
三千百人の増員に必要な
教養
経費
等であります。 第二は、
警察
機動力の
整備
に必要な
経費
百十七億二千七百余万円であります。 この
経費
は、ヘリコプター、
警察
車両の購入、
警察
装備品の
整備
及び
警察
通信
施設
の
整備
並びにその維持管理等の
経費
であります。 第三は、
警察教養
に必要な
経費
十九億一千百余万円であります。 この
経費
は、
警察
学校入校生の旅費と
警察
学校における
教養
のための講師謝金、教材の
整備
等であります。 第四は、刑事
警察
に必要な
経費
七億一千八百余万円であります。 この
経費
は、
暴力団
犯罪
及び一般
犯罪
の捜査、
取り締まり
の
指導
、連絡等に必要な旅費、物件費並びに
犯罪
鑑識に必要な法医理化学器材等の
整備
費、消耗品費、死体の検案解剖の
経費
のほか、
犯罪
統計の
事務
等に必要な
経費
であります。 第五は、保安
警察
に必要な
経費
四千二百余万円であります。 この
経費
は、青少年の非行化
防止
、風俗
取り締まり
、麻薬、密貿易、拳銃等
銃砲
危険物、公害等に関する
犯罪
の捜査、
取り締まり
の
指導
、連絡等に必要な旅費、物件費並びに公害
取り締まり
に必要な鑑定謝金等であります。 第六は、
交通
警察
に必要な
経費
一億二千二百余万円であります。 この
経費
は、
交通
安全に関する広報及び
運転者
対策
等に必要な物件費並びに
交通
取り締まり
指導
のための旅費等であります。 第七は、警備
警察
に必要な
経費
五億三千余万円であります。 この
経費
は、警備
警察運営
に関する
会議
、
指導
、連絡等の旅費、器材類の
整備
等に必要な
経費
であります。 第八は、
警察
活動に必要な
経費
百三十二億四千五百余万円であります。 この
経費
は、
犯罪
の捜査、
取り締まり
等
警察
活動に必要な旅費及び捜査費であります。 第九は、
警察
電話専用回線の維持に必要な
経費
三十九億二千五百余万円であります。 この
経費
は、
警察
電話専用回線を維持するために
日本
電信電話公社に支払う、いわゆる
警察
電話専用料であります。 第十は、統一
地方
選挙
の
取り締まり
に必要な
経費
一千九百余万円であります。 この
経費
は、本年四月に執行される統一
地方
選挙
の
取り締まり
の
指導
、連絡等に必要な旅費、物件費であります。 第十一は、千葉県
警察
新
東京国際空港
警備隊に必要な
経費
四十八億三千四百余万円であります。 この
経費
は、昨年千葉県
警察
に設置された新
東京国際空港
警備隊の維持、
運営
に必要な旅費、物件費及び空港警備隊員の人件費等の
補助
金並びに空港警備隊の
警察官
二百人の増員に必要な
教養
経費
等であります。 第十二は、船舶の建造に必要な
経費
四億六百余万円であります。 この
経費
は、
警察
用船舶の建造に必要な
経費
であります。 第十三は、科学
警察
研究所に必要な
経費
七億四百余万円であります。 この
経費
は、
警察
庁の付属機関として設置されています科学
警察
研究所職員の職員俸給等人件費と鑑定、検査、研究に必要な機械、器具類の購入費、維持費、その他一般
事務
経費
であります。 第十四は、皇宮
警察
本部に必要な
経費
四十億一千七百余万円であります。 この
経費
は、皇宮
警察
本部職員の職員俸給等人件費のほか、行幸啓の警衛に必要な旅費、物件費、その他一般
事務
費であります。 第十五は、
警察
庁の
施設
整備
に必要な
経費
三十五億七千三百余万円であります。 この
経費
は、直接国庫の支弁対象となっております
都道府県
警察
学校等の
施設
の
整備
に必要な
経費
であります。 第十六は、
都道府県
警察
費
補助
に必要な
経費
百八十四億四千四百余万円であります。 この
経費
は、
警察
法第三十七条第三項の規定による
都道府県
警察
の一般の
犯罪
捜査、
交通
指導
取り締まり
、外勤
警察
活動、防犯活動等の一般
行政
費の
補助
に必要な
経費
であります。 第十七は、
都道府県
警察
の
施設
整備
費
補助
に必要な
経費
三百十三億九千四百余万円であります。 この
経費
は、
警察
法第三十七条第三項の規定による
都道府県
警察
の
警察
署、派出所、駐在所、待機宿舎等及び
交通
安全
施設
の
整備
費の
補助
に必要な
経費
であります。 以上、
昭和
五十四
年度
の
警察
庁予算案の
内容
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
永野嚴雄
7
○
委員長
(
永野嚴雄君
) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会 —————・—————