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政府委員(名本
公洲君) アメリカと
日本におきます
たばこに関するいろいろな議論は、その発端は、現在通産省のもとに置かれていますアメリカとの間の日米貿易円滑化
委員会というものがございますが、そこにアメリカの
たばこ業界からの提訴があったのが始まりでございます。そこにおいて書かれております問題が、アメリカ
政府も同様に当方に申し越しておる中身でございます。
その大きな問題点は、
一つは
日本の
輸入たばこの
値段のつけ方がきわめて恣意的であり差別的であるということが第一点でございます。
それから、その余の問題はきわめて業界間の問題に相なるわけでございますけれ
ども、
日本におきます外国
たばこ、
輸入たばこを販売している店の数が非常に少ない。全国で二十五万店ありますうち、外国
たばこを取り扱っているのが一万四千数百店と非常に少ないということ。
それから、その広告につきまして非常に差別的である。それから手数料が
国内たばこは
——小売店の手数料でございますが、小売店に対して一〇%払っておるのに
輸入たばこは七%しか払っていないとか、そういう問題。
さらには配送、
たばこを
専売公社が小売店に配達しますのに、配達の回数が
国内のものよりも少ないということであるとか、幾つかの問題をその提訴の中で述べておるわけでございまして、これらの点についていろいろ議論をいたしておるわけでございますが、
定価の問題につきましては、恣意的で差別的であるという点、非常に
値段のつけ方が不透明であるという点につきましては、今回この
法律をお認めいただきますならば、言うならば一次方程式で
輸入価格が決まりますならば、方程式の解として
定価が出てくるということになりますので、その透明性ははっきりしたものになるわけでございまして、
一つの外国からの注文には応じたことに相なろうかと思います。
そのほかの、たとえば店舗数が少ないというような問題につきましては、これはきわめて商業上の問題でございまして、商業ベースに乗って販売ができるだけの
需要量があるところには外国
たばこを配達をいたしまして販売するんだと、これは非常に取引上の常識にのっとったものであるんだというような点をアメリカの業界には、これは
公社の方を通じまして
説明をいたしております。
また、広告の点につきましてはいろいろな点がございまして、
日本におきましても各種健康と喫煙の問題であるとか、そういう点もございまして、
公社としましては自主的に規制をいたしておるわけでございます。その範囲内におきまして国の内外を問わず無差別の原則でいくと。しかしこれは総量と申しますか、広告の総量におきまして制限を当然加えるべきであろう、そういうふうな点で
公社とアメリカのメーカー側との間で現在種種折衝をいたしておるような
段階でございます。
また、手数料の点につきましては、三%の差があるわけでございます。これは本来外国
たばこは高いものでございますから、その七%の手数料によります実額と
国内たばこを売ったことによる手数料の実額というものを比べてみますと決して遜色はないわけでございますけれ
ども、率から申しますと確かに差があるわけでございまして、そういう面から差別的と言われるわけでございます。これにつきましては、しかし手数料を一%上げますと必ずこれは
定価にもはね返る問題でございます。そういう面で
定価との、アメリカが
輸入たばこの
定価が高いというようなことを言っておりますときでございますから、
定価を決めます場合にこの手数料をどのように取り扱うのか、これはさらに協議をしていかなければならない問題であろうというふうに考えております。
一般的に
定価の
決定方式につきましては、これは
法律事項でございますので、
政府、私
どもの方で主として取り組むと。商業上の、取引上の問題に絡む問題につきましては、
公社の方で
たばこ会社の方と協議を重ねるという体制で話を進めてきておる
状況でございます。