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藤井恒男君 これは
大臣一遍よく勉強してもらいたいんですがね、私は日韓議員連盟の幹事としてことし二回韓国へ行きまして、韓国の国
会議員の諸君と討論してきたんだけど、日本と韓国の間の貿易がインバランスである。なるほどそうだけど、日本が韓国に輸出するものによって韓国に失業を来しておるか。
一つもないですよ。そのために韓国の経済成長は著しく外貨を獲得して韓国の産業は栄えておるんですよ。その見返りとして入ってくるのは
繊維でしょう。そのために
繊維産業は大変なダメージを受けておる、これはもうだれでも認めるところですわね。しかも、そうやって入ってくるものが韓国
政府によって輸出優遇制度を持ち、政策的な価格決定を行っておる。こうなってくると、要するに、わが国で
構造改善を行って、価格競争力をつけよといっても、この輸入品との競合に対してこんな
構造改善やったって勝てっこないですよ、国策として持ってきておるんだから。どうしようもないですよ、これ。結局その論をエスカレートしていけば、日本の
繊維産業というものは国際的な水平分業の中でつぶしてしまえということに極論すればつながるんですよ。それでいいのかどうかという問題ですわね。だから、大体
世界のどの国にあっても、どの国も自由貿易は認めておる。わが国ももちろん認めておる。しかし、そういう中にあっても
繊維品は例外だと、それは必然的に先進工業国と発展途上国との間には交錯するものなんだと、だからこそガットのもとにMFAという制度が設けられておるわけなんです。そして、工業
先進国が全部それを適用しておるんでしょう。ところが、私は日本は単細胞だと思うんですよ。わが国は自由貿易なんだから、自由貿易を志向する日本が輸入
規制するのはおかしい、そんな論理は
一つも成り立たぬですよ。だから、問題はMFAも言うごとく、その品目について明らかに市場を攪乱し、あるいは攪乱するおそれがあるその品目については、ガットの精神に基づいて二国間協定を持つべしということなんですからね。だから、わが国が輸出しておるもの、たとえばわが国が
アメリカに弱電を輸出する、あるいは鉄鋼を輸出する、そのことによって鉄鋼なり弱電が失業者を招くというんであれば、それはわが国が自主
規制するごとき
状態にある。しかし、わが国は
繊維製品もなお輸出産業じゃないか、みずからも輸出しておりながら輸入
規制するのはおかしいというけど、しかし、わが国が
繊維製品を輸出することによって、相手国がそのことによっていわゆるガットの精神に基づく被害立証があるのかと、あれば自主
規制したらいい。また現にわが国はその
意味において過去も自主
規制はしてきた。だから、輸出産業であろうとも品目によって現に被害があるなら、その品目について輸入
規制をガットの精神に基づいて取り行うことは何もおかしくない。それは国際的に認められておるところなんです。しかるがゆえに、私は各党の御同意をいただいて五十三年十月二十日の本院
商工委員会で附帯決議、特別決議をしておる。これをよもやお忘れじゃないと思うんですよ、これは院の決議ですからね。だから、輸入急増によって被害を受けている品目について、MFAに基づく二国間協定の締結を促進する、あるいは
繊維品輸入関税の国際水準並み引き上げを図る、輸入関連
業界に対し
政府の行政指導を強化し、輸入の秩序化を進める、
繊維輸出国の
政府、
業界に対しわが国
繊維衣料産業の
現状、雇用、失業の実態を訴え、
理解を求める、この
趣旨に基づいて、
最近における
繊維製品の輸入の急増が
構造不況下にある
繊維関連産業に与えている
影響にかんがみ、速やかに適正な
対策を講ずるよう検討すること
この付帯決議をつけておるんですよ。これは全く無視しておるんですよ。提言にもきちっと書いておるんですよ、繊工審の提言にも、秩序立てて。これも無視しておるんですよ。だから、
需給貿易問題に関する
委員会が持たれたって一回しか
会議開いてないでしょう。何にもやってないんですよ。ほったらかしなんですよ。これで
大臣がいま答弁されるようなことというのはこれはとんでもない話で、
大臣のこれは所管事項ですからね、だからこの辺はやっぱり所管
大臣として、しかも
繊維産業、選挙地盤でしょう。これはもっとはっきりしなきゃだめですよ、それは。どうなんですか。