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国務大臣(
上村千一郎君) 私は出席いたして非常によかったと、こう思いました。
と申しますのは、実は先ほど内容、時期、経過、いろんなことにつきましては御
報告を申し上げましたので省かしていただきますが、
会議は五月七日と八日と二日間ございましたが、こちらは副
議長の
立場にもございましたので、
議長のアメリカの担当大臣であるコストル氏に、私はどういうふうに
会議を運営するのか、いろんな問題点その他についてあらかじめお話ししておいた方がいいと思いまして、会見を申し込みました。
ところが、コストル
議長の方は、いや、わしの方から行くと言って、スタッフを三名ばかり連れまして、そして私のホテルへ見えまして、こちらも随行した幹部の方もそこへ立ち会いましたが、率直にすぐ、いずれ話が出るのは原子力のスリーマイル島の事故だろうと思うから専門家を連れてきたとかなんとかいうようなことから、きわめて問題点をぼんぼんとすぐ出されてきた。で、
日本政府としてはどう
考えておるかとか、いろんな率直な
意見交換というものが
会議の席上でなくてできるという感じですね。それ以外に、いろいろアメリカの方では
化学品の
公害というものについて関心を持っておる、というのは、あれは国境を離れてずうっと出ていくわけだからとかというような率直なことを言っておられました。そういう
意味で、私もとにかく
会議の席上じゃございませんけれ
ども率直にいろいろ申し上げた。こういうことで、形式的でなくてはだで触れ合うという機会を得ました。
それから、
会議の席上につきましては先ほど申し上げましたような経過、それから内容でございました。その間に私三回演説をいたしております。
日本の
環境政策、そういうものの現在までの経過ということです。それとともに、最終的にはいま
各国もそうであろうが
日本も当初の
公害問題というものについて形態も複雑化してきた、
自然環境保全というものもいろんな大きな問題点を含んできた、そこへもってきてアメニティーの問題が出てきた、ですから少なくとも世界的にこういうものを統合した、全部含めたような
環境保全というような理念とか哲学というものを
検討してはどうかという
発言を私はいたしたわけでございます、もちろん経過的には。それから
予見的環境政策のときにこちらが演説をやり、それから
勧告のときに一度演説し、計三回演説をやっております。それは
会議の席上なんです。
けれ
ども、
会議の席上外に毎朝、ちょうど
国会の議運みたいなかっこう、あるいは
委員会の理事会みたいなかっこうにもなるかと思いますが、
議長国と副
議長国が集まりまして、どういう問題を
中心にどういう討議の
方針でというようなことの話し合いがありました。私もその席へ出てそこでも
発言をするというような経過を見ますというと、全体の流れとしまして、
環境問題という問題についてはいろんな問題よりも
優先度をもってやっていくべきだということは、とにかく多く論ずるまでもなく、
OECDというのは加盟国二十四カ国入っておりますが、大体先進国の国々の会合になっておりますので、おおよその点のコンセンサスというものはできておるようですね。そういう感じを得ました。そして率直な
意見の交換ができる。
それから、それ以外に食事どきがございまして、ただ食事をするというだけでなくて、その間にいろんな
各国との
意見交換、事情というようなものの話し合いができるということで、非常に
環境問題という問題は国内だけでなくて国際的に協力をしていきませんというと真の成果というものは上がらない。たとえば欧州や何かで、オランダや何かが言っておりますが、大気
汚染でも、自分の
ところの大気
汚染は西ドイツから入ってきておる、イギリスから入ってくるというように言い、それから
一つの河川問題でも上流の国と中流の国と下流の国が違うということになると、上流の国が
汚染するやつが今度はその下流の方の飲料水やなんかにも
影響するというような、なるほどインターナショナルな要素が非常に多いというような感じとか、いろんな
各国々の特殊性というものがある。だから、先ほどいろいろ
指摘されましたが、
日本にも
日本の風土に合った
環境政策というものも当然あってしかるべきだという感じも得ましたし、それから国際的にも協力しなければならぬという問題も得て、そして私は非常に成果があったというふうに思っております。
先ほど御
報告の中に入れましたが、
宣言、
勧告がございますが、これは大体
日本の従来の
方針と大きな相違を来しておるとは思いません。ですから、一層これを
検討して
日本の
環境政策の
充実強化を図りたい、こういうふうに思っておるわけでございます。