○伊江
朝雄君 実は、そこが問題なんですよ。したがいまして、片一方は、
沖繩製品というものは生の果実で本土内には移出してないんですね、ほとんどが。それでかん詰めの形で出る。ところが、一方、かん詰めの形で入ってくる輸入品は制限をして割り当てしておいて、それでかん詰めの製品になるであろうところの冷凍パインそのものは全然自由化して、もう野放し。したがって冷凍パインで入ってくるものがどんどんかん詰め化されますと、それこそ需要オーバーなんですよ。規制の
措置がないんだから。そこが
沖繩が困っている問題なんです。
しかし、これはいま国際環境あるいは貿易上いろんなガットの問題もあるし、いきなり規制を外れたAA制度の冷凍パインをもとのIQに戻せということはこれは不可能でしょう。不可能ですけれ
ども、やはり輸入すべきそれだけの需要があり、それだけの消費量が二百七、八十万ケースとある国内市場であるならば、やはり輸入品のかん詰めとそれから
沖繩品のかん詰めというものが市中に相当のシェアを持ってしかるべきじゃないだろうか。ですから、季節によってこれは時期が違うんでしょうけれ
ども、冷凍パインがわあっと輸入されてかん詰めになる、
沖繩製品は締め出しになるという過去の苦い経験があるわけです。そのはね返ってくるのは生産者なんです、それと同時にパッカーなんですね、つぶれてしまうんです。
さっき冒頭に、
長官にももちろん御認識いただいているんですけれ
ども、やはり
サトウキビは植えられない、普通の野菜はできない、そういった開墾地の酸性土壌のところにつくって、いわゆるほったらかしてしまってもよろしいような
土地の開墾にこれが当たり、生産を上げているというこの事情はやっぱり何とか保護しなきゃならない。保護するためにはその
措置ができていない。その
措置はどうやってやっていただけるんだろうかということを私は
質問しているわけです、この流れとして。したがって冷凍パインの輸入を制限しなさいとはもちろん言わない、しかも国際信義の問題もあるから言えない、なるべくなら枠を持ってもらいたいけれ
ども、これはできない。そうならば国内市場に占める
沖繩産のかん詰めの割合というものはどの程度であろうか。したがって果樹振興法によるところの作付面積も
農林省は御認可にならなきゃならぬから、その
立場で御指導にならなきゃならぬ、そのためには保護政策をしてもらわなきやならない、こういうことになるだろうと思うんですよ。したがって輸入の変動によって影響をこうむるであろうところの果樹、特に
政令十二品目の果樹はそういう保護をしなきゃならぬというのが先ほどから伺ったものの中の一部の制度としてあるわけですね。
そこでお聞きしたいのは、そういった輸入の変動によって絶えず不安な
状況にあるところの果樹で保護しなきゃならない制度として果樹特別調整基金造成事業というのがあるはずなんです。この中身はどういうのか、ちょっと御説明願いたい。