○
工藤(晃)
分科員(新自) 最後におっしゃいました医学の進歩というのは大変大きな要因の
一つではございます。しかしながら、振り返ってみますと、これは人の
努力の結晶でございますし、またそういう分野で働く方々の大変な御
努力の結果だろうと思うわけです。また、一方においては、
日本の
医療制度そのものもやはり高齢化社会と対応してきたのではないか、そういうことが
考えられるわけでございまして、そういうもろもろの要因の中から、高齢化社会という社会がいま出現しようとしているし、それが大変急速な勢いで伸びてきつつございます。
こういうことに対する対応が、別の面から見れば、中高年齢層の雇用の問題とか、あるいは定年制の延長の問題とか、あるいは終身雇用制をどうするかとか、そういう社会のすべての尺度が急激に変わっていく要因の
一つになっているわけだと思うのです。
そうなりますと、やはりここで
考えなければならないことは、健康社会の創出というものがどのように
国民にとって大変なことかということもおわかりいただけると思いますし、またそういう健康という無形の財産は非常に大きな資本投下によってかち得たものであるというふうにも
考えるわけでございます。また、その間に、いろいろな形であれ、健康保険制度というのがそういうことの一助になってきたことは間違いのない効果であったと私は評価するわけです。そういう意味においては、いまの健康保険制度というのは大変
国民にとってありがたい制度であるはずでありますね。
しかしながら、その
内容を
考えてみますと、大変いろいろな矛盾を露呈し、それがすべての
国民に対して
一つのいらいらの原因になっていることも事実だと思うのです。そこで、
考えなければならないのは、このような制度をそのまま今後存続さしていって、果たしてこの高齢化社会に対応し得るのかどうか、あるいはまた、そういう制度をそのまま維持することが今後の
国民の健康を守るためにいいんだという
結論になるかどうかについては、大変異論のあるところでございます。
そこで、きょうは、そういう周辺の問題について、いささか私見を述べながら、
大臣の御見解を賜り、またそれに対する御決意を伺いたい、こう思うわけでございます。
その前に、最初に、これは
局長で結構でございますけれ
ども、私が統計の数字を簡単に申し上げます。いま八つに分かれております健康保険の制度の仕組みの中で、健保組合と政管健保について、私の持っております資料を簡単に申し上げますから、それが合っていれば合っている、間違っていれば間違っているところを御指摘願いたい、こう思うわけです。
まず、健保組合の財政概況についてですが、組合数は
昭和五十二年度で一千六百六十六、経常収支黒字組合数が五十二年度で千四百六十四、経常収支赤字組合数が二百二、その黒字組合数と赤字組合数の比率は一二・一%、それから経常収支黒字額が一千四百二十六億円、経常収支赤字額が七十二億円、経常収支
差額は一千三百五十四億円、黒字に対する赤字の比率は五%、こういうふうな数字をまず御披露申し上げたいと思います。
それから次に、健保組合の積立金の
状況でございますが、これは時間がございませんので合計の数字だけを申し上げますと、積立金が六千百九十七億円、これは黒字でございますが、こういう数字が出ております。それから、逆に赤字の点について申し上げますが、私の持っております資料では、国保の方は詳しい数字を持っておりませんが、政管健保の方については、単年度収支で五十三年度に二百四十七億円の赤字が見込まれている、こういう数字を申し上げたいと思います。それについて四十九年以降の累積収支は一千六百四十一億円の赤字、こういう累積をしております。
それから、
国民医療費と
国民総生産、
国民所得の年次推移については、五十一年度の数字だけを申し上げますと、
国民医療費が七兆六千六百八十四億円、
国民一人当たりの
医療費が六万七千八百十円、それから
国民総生産に対する
国民医療費の占める割合は四・五三%、それから対
国民所得の割合は五・三二%、こういう数字を申し上げます。
そういうところの数字に対して
局長、私の申し上げた数字に誤りがございますか。