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1979-02-27 第87回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和五十四年二月二十二日(木曜日)委 員会において、設置することに決した。 二月二十二日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任さ  れた。       青木 正久君   小此木彦三郎君       奥野 誠亮君    藤田 義光君       毛利 松平君    井上 普方君       安井 吉典君    岡本 富夫君       小平  忠君    山口 敏夫君 二月二十二日  藤田義光君が委員長指名で、主査選任され  た。 ————————————————————— 昭和五十四年二月二十七日(火曜日)     午前十時開議  出席分科員    主 査 藤田 義光君       青木 正久君   小此木彦三郎君       毛利 松平君    阿部喜男君       井上 普方君    新村 勝雄君       新盛 辰雄君    水田  稔君       飯田 忠雄君    岡本 富夫君       田中 昭二君    西中  清君       青山  丘君    大成 正雄君    兼務 斉藤 正男君 兼務 島本 虎三君    兼務 清水  勇君 兼務 土井たか子君    兼務 馬場猪太郎君 兼務 森井 忠良君    兼務 草野  威君 兼務 宮地 正介君    兼務 山本悌二郎君 兼務 三谷 秀治君  出席国務大臣         建 設 大 臣 渡海元三郎君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房同和対策室長 黒川  弘君         運輸省港湾局長 鮫島 泰佑君         建設大臣官房長 粟屋 敏信君         建設大臣官房会         計課長     永田 良雄君         建設省計画局長 丸山 良仁君         建設省都市局長 小林 幸雄君         建設省河川局長 稲田  裕君         建設省道路局長 山根  孟君         建設省住宅局長 救仁郷 斉君  分科員外出席者         環境庁企画調整         局環境影響審査         課長      大塩 敏樹君         環境庁水質保全         局企画課長   原  健彦君         環境庁水質保全         局水質規制課長 島田 隆志君         国土庁大都市圏         整備局整備課長 平野 侃三君         国土庁地方振興         局過疎対策室長 亀田  博君         大蔵省主計局主         計官      塚越 則男君         文化庁文化財保         護部長     山中 昌裕君         厚生省環境衛生         局水道環境部環         境整備課長   森下 忠幸君         厚生省社会局更         生課長     板山 賢治君         水産庁研究部漁         場保全課長  伊賀原弥一郎君         通商産業省生活         産業局窯業建材         課長      大高 英男君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部施         設課長     岩橋 洋一君         海上保安庁警備         救難部長    村田 光吉君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     澤田 光英君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     有賀虎之進君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     吉田 喜市君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     大島 哲男君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     持田 三郎君         参  考  人         (本州四国連絡         橋公団理事)  松崎 彬磨君     ————————————— 分科員の異動 二月二十七日  辞任         補欠選任   安井 吉典君     新盛 辰雄君   岡本 富夫君     古川 雅司君   小平  忠君     宮田 早苗君   山口 敏夫君     大成 正雄君 同日  辞任         補欠選任   新盛 辰雄君     阿部喜男君   古川 雅司君     飯田 忠雄君   宮田 早苗君     青山  丘君   大成 正雄君     工藤  晃君 同日  辞任         補欠選任   阿部喜男君     水田  稔君   飯田 忠雄君     渡部 一郎君   青山  丘君     竹本 孫一君   工藤  晃君     山口 敏夫君 同日  辞任         補欠選任   水田  稔君     新村 勝雄君   渡部 一郎君     鍛冶  清君   竹本 孫一君     中野 寛成君 同日  辞任         補欠選任   新村 勝雄君     安井 吉典君   鍛冶  清君     沖本 泰幸君   中野 寛成君     小平  忠君 同日  辞任         補欠選任   沖本 泰幸君     田中 昭二君 同日  辞任         補欠選任   田中 昭二君     西中  清君 同日  辞任         補欠選任   西中  清君     岡本 富夫君 同日  第一分科員清水勇君、森井忠良君、草野威君、  第二分科員馬場猪太郎君、第三分科員斉藤正男  君、土井たか子君、宮地正介君、第四分科員島  本虎三君、山本悌二郎君及び三谷秀治君が本分  科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十四年度一般会計予算  昭和五十四年度特別会計予算  昭和五十四年度政府関係機関予算  (建設省所管)      ————◇—————
  2. 藤田義光

    藤田主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしく御協力をお願いいたします。  本分科会は、国土庁運輸省、郵政省及び建設省所管について審査を行うことになっております。  なお、各所管事項説明は、各省庁審査冒頭に聴取いたします。  昭和五十四年度一般会計予算昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算建設省所管について説明を聴取いたします。建設大臣渡海元三郎君。
  3. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 建設省関係昭和五十四年度予算について、その概要を御説明いたします。  建設省所管一般会計予算は、歳入百五十五億一千五百余万円、歳出三兆九千九百三十一億一千三百余万円、国庫債務負担行為四千八百十六億五千二百余万円でありますが、建設省に移しかえを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係一般会計予算では、歳出四兆五千四百八十九億七千六百余万円、国庫債務負担行為五千五十四億二千八百余万円を予定いたしております。  次に、建設省所管特別会計について、まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも二兆二千六十四億四千九百余万円、国庫債務負担行為一千四百五十一億一千三百万円、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆六百九十四億六千七百余万円、国庫債務負担行為一千八百八十七億四百余万円、都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも五百十四億一千四百余万円を予定いたしております。  また、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出五百十六億四千六百余万円、国庫債務負担行為百十三億四千九百余万円を予定いたしております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、住宅宅地対策都市対策国土保全水資源対策道路整備等各般にわたる国土建設施策を推進してまいる所存であります。  なお、建設省関係予算事業別重点施策概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十四年度建設省関係予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じます。  よろしくお願い申し上げます。
  4. 藤田義光

    藤田主査 以上をもちまして説明は終わりました。     —————————————
  5. 藤田義光

    藤田主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新盛辰雄君。
  6. 新盛辰雄

    新盛分科員 主として建設関係並びに通商産業あるいは海上保安庁関係で、地元の問題を含めてただしていきたいと思っております。  最近、わが国の産業経済及び国内開発整備の進展、民間における設備投資の拡大とともに、骨材重要性が飛躍的に増大をしてきております。こうした需要増大、有限の資源の枯渇とさらには環境保全あるいは公害、そうしたものとのかかわり合いの中で急速に供給に対する条件も悪化してきている最近、特に砂利採取等についてお伺いをしたいと思うのです。  これは土木建築に関する円滑な推進のためにきわめて重要なことでございますし、天然資源をもってする砂利砕石、そうしたものに対して、特に砂利採取法やそれらによって決められております各法律もございますが、この一級河川、二級河川、いろいろと河川にもございますが、河川の中における砂あるいは石、そうした細骨材採取ということによって起こっておりますいろいろな弊害もあるかと思います。そこで、この河川における採取は、これは公共事業がこれだけどんどん進捗していくわけでありますから、材料不足になって、骨材を何としても補強しなければならないという面で、これからきわめて枯渇していくであろうという状況の中で規制もしなければなりませんし、調和のとれたいわゆる河川保全水資源の涵養、こうしたものとのかかわり合いもございますので、建設省として、特に河川局を中心にしたこれらのお取り組み、そしてまた将来の展望、そしてまた乱獲の防止、そういうことについてどういうふうにお考えであるかを冒頭お聞かせをいただきたいと思います。
  7. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 河川砂利採取につきましては、先生おっしゃるように河川砂利につきましては有限でございまして、一般的には枯渇しておるというふうな状況でございます。これらに対応しまして、なおまた骨材需要等に対応しなければいかぬわけでございますけれども建設省では河川砂利基本対策要綱というのを昭和四十九年に定めております。その要綱では、河川砂利につきましては、適正な河川管理のもとに総合的な砂利対策を実施しまして、河川砂利安定供給に努めるということにいたしております。それで、各河川ごとに一応、枯渇している川等につきましては規制計画を策定いたしまして、計画的な採取を行わせるということを主体に管理をいたしておるわけでございます。そのほかにも、さらに増大する砂利需要にも対応するために、特に砂防堰堤とかあるいは貯水池の堆砂の有効利用、それからさらには、砂利採取を先行させるために一部砂利業者におきまして負担をいたしました特定河川砂利採取制度というものを導入いたしまして、計画的な砂利供給に努めるということにいたしておるわけでございますが、大体、現在の採取量一億トン前後でございますけれども、これらを現状程度維持できるというのを大体目標に置きまして、現在砂利採取指導いたしておるということでございます。
  8. 新盛辰雄

    新盛分科員 河川砂利対策要綱に基づいてこれらの河川砂利安定供給計画的に進めておられる。一億トン前後だとおっしゃるわけですが、これは将来ともそういうふうになるわけですか。  そして、これはもちろん河川維持という問題もありますから、砂利あるいは砂を採取する際に、計画的とはいえ、災害とかあるいは風水害の場合におけるそうした河川維持という問題にも関係が出てくるわけですが、これは将来そのままずっとお続けになるつもりなんですか。
  9. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 河川管理との調整を図る必要があるわけでございます。したがいまして、地区によりましては若干不足のところもあるわけでございますけれども河川改修が進むに応じまして、また規制計画の変更ということがあり得るわけでございます。したがいまして、河床の低下の計画のあるところにおきましては、河道改修護岸等工事が進みますとまた新たに砂利採取できるというふうな地区も出るわけでございまして、これらは大体三年から五年程度既成計画を見直しまして、逐次開発可能量も訂正していくというふうな方針でやっておるわけでございますけれども、それにいたしましても一億トン前後をふやすということは、恐らく今後ともむずかしいのじゃなかろうかというふうに考えておりまして、おおむね一億トン前後を供給できるという目標のもとに、既成計画を逐次河川改修の進捗に合わして改定しておるというふうな現状でございます。
  10. 新盛辰雄

    新盛分科員 大臣、ここで大臣お答えをいただきたいのですが、確かに、今日の公共事業やあるいは民間投資計画等によって細骨材を利用する、そういう面ではコンクリートをつくったりあるいはアスファルトをつくったり、そうした加工の面もあるわけでありますが、これは資源はそうあるわけじゃない。未来にわたって取り尽くすということはないかもしれませんが、しかし、やはり有限であろう。だから、こうした面の将来の展望に立って環境保全を初めとして、また水資源、水路の問題を含めて、あるいは災害が未然に防止できるような、その中で調和のとれた砂利採取、こういうことをやはりやっていかなければいけないのではないかと思うのですが、その面について大臣としてはどういう御展望を持っておられますか、お聞かせいただきます。
  11. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 大体砂利必要量現状では八億トン程度である、こう考えております。将来またふえていくかもわかりませんが。これに対しまして河川砂利一億トンでございますから、大体一六%という姿で、あと砕石その他にゆだねておるという状態でございますから、いま局長お答えさしていただきましたとおり、その一億トンを要綱に基づきまして計画的に、しかも河川管理のことを考えながら実施していきたい、これが基本方針で進めておりまして、本年新たに取り上げましたダム埋没防止のための貯砂ダム予算を新規にいただきましたが、これなどもひとつその計画の中に入れまして、今後ともに安定、計画的な砂利採取というもので臨んでいきたい、かように考えております。
  12. 新盛辰雄

    新盛分科員 そこで、今度は海の方に移りますが、砂利採取法という法律があるわけでありまして、さらに細則があり、また砂利採取計画に関する規則というものなどが取り決められております。そこで、いま大臣からお答えがありましたように、大体八億トンの需給という面で、いまその一六%は河川細骨材である、こういうふうに理解がされるわけであります。あと残りは山あるいはまた海底から採取する、こういうことになりますが、山の方はまたいずれの機会にか申し上げますけれども、海の方の砂利採取に当たって、実は最近ある事件が起こっているわけであります。  これは五十三年十一月四日でありましたが、鹿児島海上保安部鹿児島湾海域海砂利不法採取していた砂利業者に対して砂利採取法違反事件として検束をし、現在公判中であります。この鹿児島湾というのは錦江湾でありまして、この中において不法採取をしていたということが明らかになって、その業者は一応家宅捜索を受け、あるいは関係書類を没収されて営業停止を受け、いま公判だ、こういうことになっている。  ところが、この事件の背景は何であったかということなんですが、まず第一に、この法律によって、いま鹿児島県下で十五の業者が県知事の許可を得て操業しているわけです。海岸線から五百メートル離れてやれ、あるいは水深四メートル以上でなければいけない、あるいは海岸保全などの公共施設影響を与えてはならないというような諸条件法律によって当然示されておりますし、漁業権補償の問題もあります。業者は、三カ月ごと所管土木事務所から採取許可を受けて、毎月採取実績報告書を提出するようになっているわけです。ところが、この捜査を受けた業者はそういうことをしていなかったということなんですが、あるいはにせの採取量を記載をしていたというようなことで、この指導あり方について、実はこの業者だけじゃなくて、ほかの業者も全部やっているんだ、たまたま利益が増大しているこの業者をある業者がさしたんだ、訴えたんだ、だからそこを集中的に海上保安庁が調べたんだというふうな風評が最近耳にされるところであります。しかし、業者同士の、こうした企業を保つためにいろいろな画策があることは、それはいずれの社会でもいろいろ起こることでしょうけれども、そのことをとやかく申し上げるわけではありませんが、そういう場合に採取許可基準量というのが、当然採取量について県が決めるわけでありまして、そしてほとんどがこれが認可量を超過している、こういう実態が明らかになっておったし、また、三カ月ごとチェックをするのに、どうも船の中に立ち入って検査をするなどというのはここ二、三年なされていないやさきだったとかという、いわゆる書類だけの審査をしておったためにこういうことになったんだ、こういう話も実はあります。  そこで、通産大臣はこの法律に基づいて、計画をした者に、例の「都道府県知事又は河川管理者は、政令で定めるところにより、砂利採取業者が第十六条の規定」というのが三十六条に記載されておりますが、その十六条というのは認可量とかあるいは砂利採取計画あるいは所在地、そうしたものを明確に示して、その一定量を取るということに規制がされております。そして報告をし、通報されるようになっているわけでありますが、どのような指導をしておられるのか。また、これまでこうした事件というのは、これは鹿児島湾に限らず、沿岸漁業を大事にしよう、見直そうという、最近二百海里時代に入りまして、いま日本漁業界の中で大変深刻な議論として行われておるわけですし、そういうことから考えましても、これは秩序ある、そしてまた採取の方法についてもっと関係行政機関需要供給バランスをとりながら指導しなければならぬのじゃないか。この海の砂というのはいろいろと活用度が大きい、こういうことも言われておるわけでありますが、この点について、まず第一に、通商産業省としてどのように指導し、また関係都道府県、各河川局あるいは河川課、そういうものに対して、業者指導について管理監督をしているのかをお聞かせをいただきます。  第二に、海上保安庁警備救難部長がおいでのようでありますから、この事件にかかわる実態の中で、実は他にもそういう類例があるという話などもあるわけでありますが、結局チェックあり方として、不法行為を行っている者は、当然これは厳重に取り締まらなければならないのでありますが、他のそうした関係についてもどういうふうにこれからこの問題についてお取り扱いをされるのか、その面もお聞かせをいただきたいと思います。まずその点からお答えいただいて、自後また、時間の許す限りやります。
  13. 大高英男

    大高説明員 お答え申し上げます。  砂利採取法につきましては、砂利採取に伴います災害防止をいたしまして、あわせて砂利採取業の健全な発展を図ることを目的としておる法律でございます。この砂利採取法の施行に関しましては、その権限の多くが県に移譲されておりまして、第一線の業務は県がほとんど実施しておるわけでございます。私どもといたしましては、毎年砂利関係者担当官会議等を開催いたしまして、その運用につきまして各県の意見を聞き、私ども方針ども示しておるところでございまして、また、問題があった都度、県から私どもに照会をいただいております。そのようなことで一般的に処理しておるわけでございます。
  14. 村田光吉

    村田説明員 お答えいたします。  海砂利不法採取というものは、いま先生もおっしゃいましたように、まず漁場を荒廃させるものである、また海浜を浸食するおそれもあるということでございまして、海上保安庁では従来から、その違反につきましては厳重に取り締まりを実施しているところでございます。  ちなみに、五十三年じゅうのこの種砂利採取法違反による送致件数は百八件でございます。これは全国でございます。鹿児島湾につきましても、先ほど来先生おっしゃいましたように、昨年末一件検挙いたしております。その他にもあるのではなかろうかという仰せでございますが、現在、情報に基づきまして、砂利超過採取の疑いで、同県の業者業者について目下捜査を続行しておる段階でございます。  海上保安庁では今後とも、この海砂利不法採取というものにつきましては厳正に取り締まりを実施していきたい、このように考えておる次第でございます。
  15. 新盛辰雄

    新盛分科員 まず、通商産業省の方のお答えに対してでありますが、この採取量基準というのは県が許可しているわけですね。そして、実際に許可した基準量にならって三カ月ごと報告をするということの義務を課せられております。ところが、実際の基準の一・四倍から二倍ぐらい不法採取をしている。もうどの業者もだ。これは供給需要バランスの問題もあって、もう追いつかないというので、なりふり構わずに海底海域を決め、あるいは何時から何時までの時間はどの船が、あるいは海流の流れ等も加味しながら砂を取るというようなことなんですが、船の喫水線をもはや超えてしまっている状況採取しているから、これは海上保安庁が何か監視していて、これは大変だというので捜査される場合もあるのでしょうが、ほとんどが黙認されているような、言ってみれば、それは法に違反はしているのだけれども、やむを得ざることではないか、こういうことでおられるのじゃないか、黙認しているのじゃないか。それと採取基準量は実際は県が割り当ててはおりますが、どうも一々行政指導として適確なことをやるのもどうかということではないでしょうけれども海砂利採取協同組合というのがありまして、各業者が寄り集まっておるわけであります。そこに一応、もう良識といいますかあるいは多少の信頼といいますか、そういうことで任せてある。これは通常そういうふうによく言われてきておったわけでありますが、それは事実なんでしょうか。そうしたことについてもちょっとお答えをいただきたいのです。
  16. 大高英男

    大高説明員 第一点の、認可量を上回る採取をしておるのを黙認しておるのじゃないかというふうなことでございますけれども、私どもの立場から申し上げれば、そのようなことは絶対ないようにということで各県にはお願いしておるわけでございます。  ただ、先生承知のとおり、今日工事量が相当増大しておりますので、砂利採取につきましては、先ほどお話しのように環境問題あるいは漁業権問題等非常に環境が厳しい点はございますけれども、可能な限り採取認可量をふやしていただいて、その範囲内において採取をするようにということを指導いたしておるわけでございます。また、いろいろな意味におきまして、協同組合であれば何でもやっていいかというふうなことではもちろんございませんで、協同組合たりとも同じような意味におきまして、当然認可量その他を守って採取するというふうなことかと存じます。
  17. 新盛辰雄

    新盛分科員 そういうことなんですが、通り一遍になっているのですけれども、実は現地の業者も、あるいは心ある人たちも、これでは非常にいけない、天然資源を大事にしなければならないし、細骨材需給の安定、開発、経営の近代化公害防止対策、こういう面で、指導取り締まりに当たる行政機関及び事業者にとっては緊急な課題であるから、この際各県なりあるいは関係諸団体、そうしたものを含めて海砂利対策協議会というのをつくったらどうかという課題を自主的に提起されているのです。だから、このことは何を指しているかと言えば、結局、乱獲あるいは基準量をはるかに超過すること、競争する、そういうようなことによってまさに海底がならされてしまって、魚礁、いわゆる魚の住みつきやすいようにする条件が生まれてこないと心配しておられるから、こういうふうに自主的に対策協議会をつくってやろうじゃないかというところまで来ているのです。そういうことなんですから、これはもっと積極的にそうした面について政府として、監督の面あるいはこれらの行政あり方としてチェックをしていく、あるいはこういう機関をつくるならば、設立をされたいとおっしゃるならば、そういうことに対して指導されるということがいまの当面の課題ではなかろうか、結論としてはこう申し上げたいのですが、どうなんですか。
  18. 大高英男

    大高説明員 海砂は骨材の相当大きな重要な部門を占めております。いま御指摘のように、いろいろな問題があるのも事実でございます。したがいまして、いま御提案のございました、対策協議会等をつくりましてその検討をするというふうなことは、非常に大切なことだと考えております。私どもといたしましては、全国的な団体といたしまして日本砂利協会というふうなものもございますが、そういう団体等とも十分相談の上、そのような方針につきまして今後十分検討させていただきたい、かように考えております。
  19. 新盛辰雄

    新盛分科員 最後に海上保安庁に。いま、このほかに四業者がどうも不法海砂利採取しているのじゃないか、いま調査しておられるというふうにお話がありました。それで、こういう取り締まりの面で、ただ基準量を超えたものを規制する、法律に基づいてそういうふうになるわけでありますが、こうした面が引き起こされないように、これは何としても行政機関指導しなければならない。海上保安庁だって船をたくさん持っておるわけじゃないでしょう。いま、こういうふうに、各船がお互いに牽制をし合って、写真を撮り合っているんですよ。それで、その内容を見ますと、まさに喫水線を超えているような状況を写してそれを出す。海上保安庁はそれっとばかり走っていくというようなことでは、いわゆる国家の一番基礎になる、コンクリートをつくったりあるいはアスファルトをつくったり、土木建築その他の細骨材としての役割りを果たしていくということの海砂利採取あり方としては、どうも当を得ていないのじゃないか。だから、今後どしどしお取り締まりはいただきますけれども、公正妥当な、だれが見てもそれはそうだというふうに理解のできるような取り締まり、そういうことをも含めて最後にお聞かせをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  20. 村田光吉

    村田説明員 先ほど来おっしゃられましたように、協議会等をつくっていただきまして事前の指導をやっていただく、これは非常に結構なことでございます。  昨年の検挙の端緒も、過積みで喫水線をオーバーしまして水面すれすれまで積んでおった船を、安全上の見地から立入検査をしたことで発覚したことでございます。このように、過当競争は人命の安全にも大きな影響を及ぼしますので、今後ともそういう面からも取り締まりを実施してまいりたい、このように考えております。
  21. 新盛辰雄

    新盛分科員 終わります。
  22. 藤田義光

  23. 土井たか子

    ○土井分科員 きょう私はこれから、大阪湾岸道路計画について建設大臣並びに関係の担当の方々にお伺いしたいと思います。  大臣承知のとおり、昭和四十三年に建設省は、大阪市周辺等幹線道路網整備計画ということの計画決定に従って調査をお始めになったといういきさつがございます。昨年の六月二十六日に建設省近畿地方建設局が大阪湾岸道路計画概要というのを出されたようでありますが、それに従って、現段階ではこの都市計画審議会、都計審が具体的にそれぞれ内容について案の具体策を進めておられる段階だということをわれわれは聞き知っているわけでありますが、一体これは何年完成ということを目標になされている計画であるかということをまずお尋ねしたいと思います。いかがですか。
  24. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  大阪湾岸道路の計画自身はかなり延長規模等が相当の規模になりますので、私どもといたしましては、長期的な見通しのもとに逐次その整備を図っていく、こういう考え方のもとに事業を進めておりまして、大阪の方からまいりますと、大阪市港区の港晴から堺市の方にかけましては現在事業中でございまして、五カ年計画内で完成をする予定にいたしております。次に、大阪市の港晴から西宮市鳴尾の間、約十キロございますが、大阪市分は都市計画決定がすでになされております。兵庫県分につきましては五十四年度中に都市計画決定を行うよう諸準備を進めている段階でございまして、先生の御指摘のとおりでございます。完成の目標といたしましては、おおむね昭和六十年代の中ごろというぐあいに実は考えておるところでございます。堺市から先の区間につきましては、それぞれ都市計画決定をすべく現在所要の準備を進めておるところでございます。その他の区間につきましてはやはりそれ以降になるわけでございます。しかし、この道路の重要性からかんがみまして最善の努力を尽くしたい、かように考えておるところでございます。
  25. 土井たか子

    ○土井分科員 いま、六十年代の中ごろということをおっしゃったのですが、いろいろな資料を見てまいりますと、確かにその辺を一つは意識しておつくりになっている資料ばかりだと申し上げてもいいと思うのですが、この六十年代の中ごろに湾岸道路全体についての完成ということを目標に、いま計画を進められつつあるのですか。それとも、先ほどおっしゃいましたとおり、都市計画がまだ完了していない部分というのは先の見通しというのはまだまだ立てられないわけでありますから、部分的には残るかもしれないという意味も含めて、六十年代の中ごろというふうなことをいま御答弁になったわけですか。いかがですか。
  26. 山根孟

    ○山根政府委員 地域とのいろいろな計画の中身をどう詰めてまいるか、どのように固まってまいるか、財政上の問題、そういったいろんな状況が相関連をいたしてまいりますので、はっきりといつということは断定できないわけでございます。私どもとしては、ただいま申し上げましたような目標のもとに進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  27. 土井たか子

    ○土井分科員 何だか余り自信のありそうな、なさそうな、はっきりしているような、していないような、頼りないような、聞いているとわからないような御答弁でありますが、昨年の三月一日にも、やはりこの問題について私は御質問を、建設委員会の場所でいたしました。その節、いまのところいつまでという見通しはちょっとつけておりませんという御答弁が建設省側から出ているわけでありますが、ちょっとここで聞いておきたいのは、いつまでかわからない、見通しがちょっと立てられないということでそれぞれの都市計画についてひとつお考えいただきたいし、自治体に対しておっしゃっているはずはなかろうと思うのですね。やはり一応の目安がないと、自治体の方の都合もありますよ。だから、自治体の方が都市計画をこれから考えていくに当たって、やはりこれくらいのタイムリミットというものを考えてやってもらいたいということの目安があるだろうと思うのですが、この点いかがですか。ないのですか。
  28. 山根孟

    ○山根政府委員 先ほど申し上げましたように、大阪の方から西宮市鳴尾までの間につきましては、昭和六十年代の半ばごろまでには何とかいたしたい。それから嶋尾から神戸の方にかけましては、これは本州四国連絡橋等との関連でございますとか、全体の阪神高速のネットワークの関係等もございますので、それよりはおくれることになるであろう。こんなことを考えておりますが、いずれにいたしましても昭和七十年代の初頭ぐらいというところが、私ども現在持っております計画を具体化していく上での一応の目標というぐあいに実は考えておるわけでございます。(「構想か」と呼ぶ者あり)いま構想を具体化する過程にありまして、それをどう実施していくかということについては、ただいま申し上げましたように昭和七十年代ということを考えておるということでございます。
  29. 土井たか子

    ○土井分科員 膨大な構想と言ってもいいと思うのですが、それは具体的に言うと鳴尾浜というのが一つの区切りになって、大阪から鳴尾浜にかけては六十年代の中ごろまでということを一つの計画の目安、これは計画の目安というふうに考えていらっしゃる。それから鳴尾浜からは本四架橋の関係もあり、それから以西、神戸に向けては時期的には少しおくれるであろうというふうに考えていまの問題に取り組んでいられる、このように理解してよろしいわけですね。
  30. 山根孟

    ○山根政府委員 そのとおりでございます。
  31. 土井たか子

    ○土井分科員 そこで、五十二年度はこれに対しての調査費が約二億九千万円ということですが、五十三年度もこれと同等でございました。五十四年度は、この点は一体どのように考えていらっしゃいますか。
  32. 山根孟

    ○山根政府委員 同じような程度の規模で引き続き諸調査を進めてまいりたい、かように考えております。
  33. 土井たか子

    ○土井分科員 五十三年三月一日の建設委員会での質問の節、私は環境アセスメントについての内容にわたる点を少しお尋ねしております。そのときには、五十三年度で少なくともこの環境アセスメントの問題に対して一定の調査を具体的にさせたいというふうな御答弁の趣旨だったわけですが、環境アセスメントの問題に対しては五十三年度で一応ある程度の調査を終えたというふうに建設省としては考えていらっしゃるのですか。いかがです。
  34. 山根孟

    ○山根政府委員 一応の調査は終了いたしまして、地方公共団体等にその結果を提示をいたしたところでございます。
  35. 土井たか子

    ○土井分科員 この湾岸道路計画というのは、埋立地の土地利用の問題と絡み合っている問題なんですね。埋立地については、兵庫県について言うと芦屋浜、西宮、尼崎と、大阪より以西について言うと、大きなところでは、神戸の六甲ポートアイランドに向かうまでに大規模埋め立て開発計画というのがございます。現にもうでき上がっている部分もあるわけでありますが、まだ計画自身はそのままであって、認可もまだだという地域もあるわけですね。そういうことから言うと、この埋め立てについて、少なくとも当初はこれは港湾計画で進められている問題ですから、したがって、港湾審議会でこのことに対しての答申がまず手続の上ではなければならない。港湾審議会の場所で一昨年の六月、西宮や浜甲子園などの港湾の埋め立て計画についての問題が討議された節、環境庁から十四項目にわたる内容が具体的に提示されて、そして具体的な内容が十分に調査検討されて具体的な案が示されない限りは、環境アセスメントをやっているということにはならないという意味の、申し入れと申しますか、覚書と申しますか、そういうものが提示されたはずでありますが、これは御存じですか。
  36. 山根孟

    ○山根政府委員 港湾計画につきましては、私ども承知をいたしております。
  37. 土井たか子

    ○土井分科員 港湾計画自身を聞いているわけじゃない。いまの質問にひとつお答えいただきます。
  38. 鮫島泰佑

    ○鮫島政府委員 港湾局長でございますけれども、この問題は私の方が直接担当しておりますので、お答えしたいと思います。  この港湾審議会の計画部会が開かれました前後におきまして、環境庁といろいろ接触をしております。そのうちの十四日の段階で環境庁から、十四項目とおっしゃったような内容につきましての照会が運輸省に対して出されております。そして、それに対しまして、私どもの方から環境庁に対して説明を行って、十六日、計画部会の前日でございますけれども、さらにもう一度、環境庁からのお話がございました。その際には実は六項目というかっこうになっておりますので、私どもは、最終的に環境庁から運輸省に対してお話のありましたものは六項目だというふうに理解しております。ただ、内容は必ずしもそれほど大きく違うものではないというふうに思っております。
  39. 土井たか子

    ○土井分科員 そこで、この内容で申し述べられている環境庁からの申し入れについて建設省としては十分に配慮された上、アセスメントに対しての一定の調査は終了したと認識されているのですね。いかがですか。
  40. 山根孟

    ○山根政府委員 実はこれは、近畿地方建設局並びに関係いたします地方公共団体が環境アセスメントについてのいろいろな調査を実施しておるわけでございまして、ただいま御指摘の点について私、明確なお答えができませんが、御指摘のような点については当然考慮して現在調査を進めるもの、かように考えております。
  41. 土井たか子

    ○土井分科員 それで、提示なすった方の環境庁にそれじゃお伺いしたいのですが、この中で、「大阪湾岸道路用地の確保の必然性を明らかにした上で埋立による土地確保の必要性を示すこと。」とか、「アセスメントは、湾岸道路及びその取付道路等の将来交通量を可能な限り想定し、その影響について予測し、評価すること。」とか、「予測評価に当たっては、国道四十三号線の公害問題も存在するため、地域的な予測評価を行うこと。」とか、こういうのが具体的に述べられているのですが、環境庁とされては、これは環境庁が十分納得できる線で建設省からお答えがあった、こういうことでありますか。いかがですか。
  42. 大塩敏樹

    ○大塩説明員 先生お示しの、環境庁が出しました十四項目の意見につきましては、主要幹線道路並びにアクセス及び四十三号線と、多岐にわたる内容のものでございますので、私どもは兵庫県知事にそのような、さらに十分検討するように申し入れたわけでございまして、これについて現在まで、十分納得がいく説明は受けておりません。
  43. 土井たか子

    ○土井分科員 環境庁側はそうなんです。建設省はそれで、五十三年度で大体アセスメントについての調査を終わったなんというふうな、見切り発車みたいな答弁を安易にされたら困るのですよ、これは。  特にこの中で、私はいまから指摘したいと思う点がある。四十三号線対策ということで、公害対策という意味を持って湾岸道路建設はされる。これは当初から、こういう構想の中の、なぜ湾岸道路は必要かというところでは、いつでも建設省側から述べられている点なんです。住民の人たち、特に四十三号線周辺の人は、それを考えれば、湾岸道路ができれば四十三号線というのは車の量も減る、公害もいまよりも少なくなる、本当にそうなのかと、それは期待を持ちますよ。それからすると、十分にこの点は現状把握して、将来に対しても相当緻密な予想というものをきちっと立てておいていただかないと、私は、おっしゃっていることは具体的な計画の上ではのせられないだろうと思うのです。  そういうことから、昨年の三月一日に質問をいたしましたのも、四十三号線について一体どのようにお調べですかということを確かめてみたところが、これは聞いて非常に情けない話でありますが、全国の交通情勢調査は三年ごとにしかおやりにならない。しかも一年間のうちでたった一日、しかも一日二十四時間ないのです。十二時間の調査なんですね。これのデータを私は持っておりますけれども、これをこの大阪の方の、関西の地建の方でおやりになっている、そのわずか三年間に一遍の交通情勢調査と三全総のフレームを見てひとつ四十三号線に対する対策は考えたい、この程度なんですよ。これじゃ困る。建設省としては調査費をお持ちなんだから、五十三年度中に四十三号線についてもっときめ細かい調査をやられて、将来この四十三号線の対策に必ず湾岸道路はなるのだということをきちっと見きわめていただきたいということを申し上げたのですが、これはどうなっていますか。
  44. 山根孟

    ○山根政府委員 まず、交通の把握の問題に関します御指摘と湾岸道路の交通上の機能と申しますか、そういう点の御質問でございますので、ちょっと初めにお答えをさせていただきます。  交通情勢調査は三年に一遍でございますが……
  45. 土井たか子

    ○土井分科員 その辺の経過は結構です、わかっていますから。それで、昨年どうなすったかというのを聞いている。五十三年度、昨年からことしにかけて……。
  46. 山根孟

    ○山根政府委員 詳しく申し述べますと大変時間が長くなりますので、はしょって申し上げますが、交通量の分析をいたしまして、湾岸道路がどういう交通を処理することになるのか、したがって四十三号にどういう交通負荷の軽減があるのか、アクセス道路にどういう影響を及ぼすかということにつきまして詳細な推計をいたしたわけでございます。
  47. 土井たか子

    ○土井分科員 詳細な推計、それは結構ですが、これはいま私の手元にある関西地建からの資料ですが、昭和六十五年ということを一つは想定しまして、一日の台数が、国道四十三号線について言うと、芦屋——神戸間というのは現状よりもはるかにふえる。現在は六万三千台とすると、これが六十五年くらいになったら何と七万一千台になるという指数が出ています。これじゃ四十三号線対策にならないですよ。さらにもう一つ言わしていただきますと、埋め立てをやることのために車の台数がふえていくんだという指数も出ている。埋め立てのために車の台数は、比率にすると約五〇%以上ふえます。だから、埋め立て計画によって車の台数はこのようにふえますよということも加算しなければならないし、しかもなおかつ、あそこにある阪神高速道路という道路計画がいまのまま順調に進むかどうかということも、これは問題です。あれやこれや考えますと、いまあるこの関西地建から出ている六十五年度の、現状国道四十三号線よりももっと、この湾岸道路ができたときには車の台数がふえるというのは、住民の方々にとってはまことに深刻なデータですよ。昨年これでやりましたじゃ困るんです。本当に困るんですよ。そして四十三号線対策だと断言なさっているんだから、そこのところは、四十三号線対策としていけるような構想と計画とをひとつ練り直していただかなければ困るなと言うつもりです、私は。  それから、埋め立てなくして湾岸道路計画というのは成り立たないと言ってもいいわけで、この埋め立てに対して運輸省が認可をなさる節、これは一昨年の六月段階で先ほどの環境庁側が出された十四項目の中身は、埋め立てそれ自身に対しての環境アセスメントの面から言う注文なんですが、今回、西宮と浜甲子園に対して利用計画の一部変更を申請されました。運輸省の方は、西宮に対してはこの二月二十三日に認可されているわけでありますが、認可に先立って、環境庁側から出されている申し入れの中身を十分に吟味して、運輸省としてはそれは大丈夫だということを環境庁と連絡の上でおやりになったかどうか、環境庁、それを運輸省から聞いていらっしゃいますか。いかがですか。
  48. 大塩敏樹

    ○大塩説明員 この件につきましては一昨年来、兵庫県から再三説明を受けておりますけれども、御指摘の処分の段階におきまして私ども説明を受けておりません。
  49. 土井たか子

    ○土井分科員 こういう調子なんですよ。認可をするに先立って、港湾審議会の席で環境庁から出されているいろいろな申し入れの覚書の内容というのは、だてや酔狂じゃない。これをいいかげんに考えて、認可をやってしまえばそれで終わりだという態度は、私は絶対に許すわけにいかないと思いますよ。これで西宮の方はすでに認可されちゃった、あと残っている浜甲子園の方の認可がされるかされないかというこの問題が、目の前の問題なんですが、運輸省の港湾局来ておられますか、いかがです。
  50. 鮫島泰佑

    ○鮫島政府委員 先ほど申し上げましたことをもう少し細かく申し上げますと、六月十六日に環境庁の方から運輸省に対してのお話がございました。簡単に申しますが、環境庁でいろいろ御検討の結果「別紙の意見のとおり今後計画の具体化までに更に検討を要する部分があるので、港湾管理者を指導する等一層の配慮をお願いする。」こういうことでございます。  そこで、いま先生のお話のございました埋め立ての期間伸長並びに設計変更等の認可でございますけれども、このうちで確かに湾岸道路が通るであろう用地の予定地を含んでおりますけれども先生のおっしゃっている十四項目あるいは私どもの受け取っております六項目につきまして考えますわけでございますけれども、この埋め立ての変更の認可に当たりまして、ただいま先生のおっしゃいましたようなことを判断する内容ではない、つまりこの埋め立ての期間伸長並びに設計変更の認可に当たって判断する内容を超えている部分であると思います。
  51. 土井たか子

    ○土井分科員 判断する部分を超えているというのはどういう日本語ですか。それはひどいのですよ。それはちょっとだめですね。これはどれだけ言われようとも、港湾審議会の席を通じて環境庁から具体的に文書で、その点に対する内容をきちんと守ってもらわなければ困ると言われている点なのです。だからこれは、環境庁の方との相談もない、聞いておりませんということですから、これはちょっと困った話だと思います。もういいです。  そういうことで、これは港湾計画に伴う埋め立ての問題だって運輸省の方で認可をされていくという状況なんですよ、建設大臣。建設大臣に一言お尋ねしますが、この下水の終末処理場の建設というのは建設省所管でございますね。下水の終末処理場というのは、本来港湾計画の中で考えられる問題なんですか。
  52. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 埋め立て計画の埋立地の一部に処理場をつくりたいという市の方の計画でございまして、港湾計画に基づく埋立地の処理場でございますから、その一部と言えば言えるかもしれませんと思います。
  53. 土井たか子

    ○土井分科員 一部と言えば言えるかもしれないとおっしゃるが、法的根拠がまことに乏しいのですよ、これが認められていいと言われる。法的根拠はどこにあるか示してくださいと言われたら恐らくお困りになるのじゃなかろうか。そうでしょう。ないですよ、法的根拠というのは。土地計画利用というのでも、港湾計画から始まっている土地計画ですからね。だから、その土地計画の中は港湾機能に付随するところの計画というのが原則です。これは港湾法でいうところの規則の内容をいろいろ調べてみたってどこにも法的根拠はない。建設大臣、これをどうお思いになりますか。
  54. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 法的根拠と言われますが、港湾のために必要な分だけをつくると言われたらそのとおりでございましょうが、下水処理場、私らの方でも、埋め立てをしましてそこへ持っていくというふうな全体計画として考えさせていただくということは、他にも例のあることでございまして、そういうふうな意味で、港湾とあわせて埋め立てする地に都市計画全体の中での下水道処理場を持っていかれるという計画でやっておられるのじゃなかろうかと思っております。  なお、時間がございませんから一言、私も地元の問題ですから、いままでの経過を聞いておりまして申し上げたいのでございます。いまの湾岸道路の問題、まず埋立地が必要であるということ、非常におくれておるということは事実でございます。それで、いつになるかわからぬという道路局長の答えでございますが、御承知のとおり第八次道路計画の中ではまだそこまで行っておりませんから、あのような答弁をいたしました。私はできるだけこれを推進していきたいという気持ちで、これの前線になりますところの大阪港湾線のものもぜひともということで本年度予算に入れていただいて、大阪の方を進めておるという姿でございますので、一日も早く都市計画をやっていただくように県にもお願いしておるという姿でございます。  それともう一つ、四十三号との絡み合いでございましたのですが、いま四十三号線、これが排除になるかどうかということでございますが、私は、全般的に見ましたら四十三号線の交通量の緩和に役立つ、これは常識的に考えたのですけれども、将来車の交通量がふえてきますという関係を考えたら、いまの関西地建が出されたような統計が出てくるのじゃないかと思いますが、これも見せてもらいたいと思います。しかし、四十三号線に対しましては、私は、建設大臣をやりましてから、特に道路局の担当課長に、兵庫県と連絡をとりながら鋭意四十三号線そのものの公害対策をいま検討をさせておりますので、ひとつその計画等の詳細を御報告できるときには地元の議員であられる土井先生にもぜひとも御協力を賜りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
  55. 土井たか子

    ○土井分科員 建設大臣、御発言ではございますが、ちょっといまの御発言をそのまま私は承るわけにいかないのです。きょうの質問を聞いておられて、私は、大臣が、いまの湾岸道路を建設することが、現状の深刻な四十三号線の公害対策という意味があるかということに対しての御認識をどれだけお持ちになっていらっしゃるか、いまのお話を承れば疑わざるを得ないのですよ、本当に。  先ほど来、この湾岸道路についての五十三年度の四十三号線の調査などを含めて環境調査に対して、何らこれは環境庁との連絡もない。また運輸省の方も、この港湾計画の土地利用の一部変更に対しての申請を認可するに当たって環境庁と何の連絡もない。これじゃ環境影響評価ということを幾ら口酸っぱく言ったって、具体的に誠意を持っておやりになっていらっしゃるとはとても言えない。どうです、建設大臣、これは建設省運輸省環境庁と三者が寄って、湾岸道路の問題に対しては、アセスメントに対しては、事前に十分に納得のいけるような内容にしていくための三者間の協議ということを改めてやってくださいよ。そうでないと、都市計画審議会に幾らかけられると言ったって、住民に対して説明をして、住民がこれに対して了解をする、住民の協力を得ずしてこういう計画を具体的にスムーズに進めることは私はとうていできないだろうと思うのです。だから、そういうことに至るまでの過程がやはり大事なので、いまここで私はそういうことを申し上げたいと思うのですが、大臣、いかがですか。
  56. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 私も、御指摘願いましてごもっともだと思います。私は、湾岸道路に対する認識がないと言われましたけれども、これを進めるためにぜひともやりたいという一念に燃えております。ただ、それだけじゃ解決できませんので、四十三号線は四十三号線の方としても、いま申しましたような措置もやっておるということを申し上げたのでございますけれども運輸省所管でございますが、埋め立てそのものに対する環境庁へのまだそのような欠陥というか準備の不足があるということは、いま御指摘されて、十分承知いたしましたから、関係各省と連絡をとりまして、地方公共団体等も入れまして十分進めさせていただきたい、このように考えます。
  57. 土井たか子

    ○土井分科員 だめ押しで一言。  港湾局長、いま残っている浜甲子園の埋め立ての問題は、環境庁と十分連絡をとった上で、認可に先立ってそういう手続をとられるように一言申し添えさせていただきたいが、よろしいですね。
  58. 鮫島泰佑

    ○鮫島政府委員 先ほども申しましたけれども、港湾計画の際に環境庁から申し入れ、いろいろ御意見があったわけでございます。その場合に、この埋め立ての変更の認可の際に措置すべきものにつきましては、先ほどの六項目なり十四項目について十分に配慮されていることは確認しております。しかし、先生がいま恐らくお考えになっている問題につきましては、これは埋め立ての認可の段階の問題ではなくて、別途措置すべき時期がある問題だと思っております。
  59. 土井たか子

    ○土井分科員 もうそういう説明はいいですよ。それは環境庁と連絡をとってください。これは当然なんです。
  60. 鮫島泰佑

    ○鮫島政府委員 認可に当たって云々ということではなくて環境庁と連絡をとらせていただきます。
  61. 藤田義光

    藤田主査 以上で土井たか子君の質疑は終わりました。  次に、宮地正介君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に際し、参考人として日本住宅公団理事澤田光英君、同公団理事有賀虎之進君及び日本道路公団理事持田三郎君が御出席になっております。  なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。  宮地正介君。
  62. 宮地正介

    宮地分科員 私は、大平内閣のいわゆる目玉であります田園都市構想と大都市圏を中心とした人口急増地域における生活圏の問題について、何点か具体的にお尋ねをしてまいりたい、このように考えるわけでございます。  そこで、初めに建設大臣に伺いますが、いわゆる田園都市構想の中で、緑と自然に包まれ、みずみずしい人間関係が脈打つ地域生活圏、こういうものをつくっていきたい、こういうふうに大平政府は考えているわけでございますが、特に大都市周辺の人口急増地域などにおきましては、まさにその逆で、過密、公害、そして環境の不整備、こういったことで大変なおくれをわが国はしているわけでございますが、建設大臣としてその点どういうふうに進めてまいる考えであるか、最初にお伺いをしたいと思います。
  63. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 総理のおっしゃいます田園都市構想、これは政策理念であるということは、予算本委員会等でも述べておられるとおりでございます。建設省といたしましては、四十四年度から、大都市圏を除く地域に対しましては、百六十八の生活圏を置きまして、建設省所管の田園都市づくりを推進してきておりますので、これを推進していくことが即総理の御政策を推進していくことになるであろう、このように考えております。  いま御指摘の、それ以外の大都市圏について過密地帯をどう考えておるのかというお尋ねでございますが、御意見のとおりでございまして、この人口集中をできるだけ住みよい大都市圏にせなければならないということで、公園の配置とかその他も特に大都市圏に持ってまいりまして、各地方公共団体ともあわせながら考え、また街路事業等もできるだけ強力に進めていただくというふうにいたしております。特に本年度からは、新しく市街地住宅改造計画と申しますかモデル地区を三大都市に、東京都、名古屋それから大阪にこれをつくりまして、都市改造を具体的に進めていく、このモデル事業を強力に推進していくことによりまして、何と申しましても市街地再開発というものは住民の協力がなければできぬものでございますから、こういったものができるのであればおれたちもというふうな姿に持っていって都市再開発というものを積極的に進めていかなければならない、このように考え、新しく五十億の予算をそのためにいただきまして、三地区を実施するということに今年度踏み切らしていただいたような次第でございます。
  64. 宮地正介

    宮地分科員 そこで私は、東京都のいわゆる田園都市、また関東周辺の人口急増というものは激しいわけでございますが、特に埼玉県におきましては、人口すでに五百万を突破いたしまして、まさにこの田園都市構想の現実的な具体化をぜひ推進をしていただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、本日は時間も限られておりますので、何点か具体的問題に触れまして御質問をさせていただきたい、こう思うわけでございます。  そこで、まず私は、何といたしましても、わが国が田園都市として本当に文化的な水準を保ち、生きがいを持って国民が生活するための基本の問題の立ちおくれの一つといたしまして、いわゆる下水の問題があると思います。その中で、特に埼玉県の西部地域の、現在建設省あるいは埼玉県当局との連携のもとに荒川右岸流域の公共下水道の計画がすでに昭和四十六年度から発足をしているわけでございます。完成目標昭和六十五年、総事業費一千五百七十億、こういう計画で進んでいるわけでございますが、この約二十年の計画の中で進められる荒川右岸流域公共下水道、まことに遅々として進んでおらぬ状態でございまして、この点について建設省としてどの程度認識を深く持ち、また、この公共下水道というものが埼玉県西部地域における公共下水の生命線であるという強い認識を持ってどのように積極的に取り組んでおられるのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
  65. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 荒川右岸の流域下水道は、ただいま御指摘のとおりの全体計画、それから計画期間で進捗を図っておるところでございますが、何分にも埼玉県は人口急増のテンポがきわめて著しいところでございまして、特にこの南部地域、この右岸流域下水道の計画区域は、そういう状況顕著な地域でございます。そこで、この辺を踏まえまして全体計画のうちの一期計画といたしまして、処理人口十二万三千人、処理水量八万立方メーター・パー・デー、管渠延長十九キロメーターというような計画内容につきまして、事業費といたしましては、処理場二百八十二億円、ポンプ場四十七億円、管渠二百三十九億円、合計五百六十八億円という計画で鋭意進捗を図っておるところでございます。  なお、ただいま下水道の五カ年計画は五十四年度が第四年度目になるわけでございますが、この四次の五カ年計画におきまして、この五百六十八億円のうち四百八十億円まで進捗させたい、その結果、五十六年度当初に、この計画区域の一部でありますところの和光市、朝霞市、志木市の三市につきましては供用開始ができるような運びに持っていきたいということで、目下鋭意進捗を図っておるところでございます。  ただ、申し上げましたように、非常に人口急増が著しい地域でございますために、この程度のテンポではなかなか地元からの強い御要望に十分タイミングとしましておこたえし切れてないという点もございますけれども、次の第五次の五カ年計画の改定も時間の問題でございますので、そのような機会にまた改めて地元ともよく相談をいたしまして、できる限りこの全体計画の進捗のテンポを早めていきたいというふうに考えておるところでございます。
  66. 宮地正介

    宮地分科員 ただいま五十六年度とおっしゃいましたけれども、当初は五十五年度末ではないのですか。誤りじゃないですか。
  67. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 五十五年度末に完成をいたしまして、五十六年度当初に供用開始をしたいということでございます。
  68. 宮地正介

    宮地分科員 いまお話しの五十五年度末に一部下水処理を行うこの地域は、これは終末処理場から一番近い新座、志木、和光、朝霞、こういった地域であろうと思いますが、この点いまの計画実行については後でおくれるという心配はないか。  もう一つ、さらに五十六年度末、いわゆる五十七年度当初でございますが、この段階において今度は上福岡、富士見、大井、三芳、川越、ここまで一部下水処理を拡大していく、こういう計画になっておるようでございますが、この五十七年度当初の川越、上福岡、富士見、大井、三芳、この点についての下水処理の計画の実行、これが万々一おくれるというようなことの心配はないか。地元地域の住民といたしましては、この二つの点において大変に心配をしているわけでございますが、その点の確約をお願いしたい、こう思うわけでございますが、いかがでございましょう。
  69. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ただいま御質問の五十七年度に使えるようになるかどうかという、新座、富士見、上福岡、川越等の……。
  70. 宮地正介

    宮地分科員 よく頭の中を整理してくださいよ。要するに柳瀬川から南の部分と北の部分と二通りあって、あなたがさっきおっしゃったのは、いわゆる最初の部分です。
  71. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 朝霞、和光、志木につきましては、五十六年度に供用開始いたしますが、いま御指摘のその他の地域につきましては、いま御質問のような時期に仕事が進むようにという目標でいまやっております。五十七年度は次の五カ年の時期に入りますので、五カ年の改定のときに現在の目標をできるだけ縮めるような、早く繰り上げられるような方向で検討していきたいと思います。
  72. 宮地正介

    宮地分科員 大変恐縮でございますけれども、ちょっとニュアンスが違うので私は確認をしたい。当初の五十五年度末の計画はこれは当然五十六年の頭ですね、これについてはいまお話しのように和光と新座と志木と朝霞、この四市が操業として入ってくるわけですね。そしてその後の川越、上福岡、富士見、大井、三芳というのは、今度は五十六年度末ですから五十七年の頭、これが操業としていま予定されているわけです。ということは、なぜこういうことをお話しするかと言いますと、五十七年の四月になりますと、川越と鶴ケ島に日本住宅公団の宅地開発本部がいま開発をしておりますところの大きな宅造の団地がオープンになる予定です。そしてこれがこの荒川右岸公共下水道に落とされることもいま計画予定となっている。もしもあなたが次の五カ年計画で考えますとかそういうあいまいなことを言っておりますと、日本住宅公団の宅地開発の方は入居不可能、こうなるわけなんです。連動しているわけです。ですから、その点もう一度、この二つの問題についてきちっと確認をしておきたい。
  73. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 失礼いたしました。御質問の幹線につきましては、住宅団地につながるところのパイプにつきましては、団地の完成に間に合うように竣工できるというふうに考えております。させるつもりでやらせております。ただ、私がちょっと混乱しまして申し上げましたのは、そのパイプの団地に至る幹線管渠の途中の周辺地域でございますけれども、これの補助幹線につきましては、この段階ではまだ完成させるというお約束はちょっと申し上げかねるという意味でございまして、メーンパイプにつきましては、団地のオープンに間に合うように完成をさせるつもりで進めております。
  74. 宮地正介

    宮地分科員 そこで、地域住民からいたしますと、建設省計画の進め方にどうしても大きな疑義を感ぜざるを得ない。ということは、いまお話ししましたように、日本住宅公団の宅地開発本部が川鶴団地という宅地を開発する、五十七年の四月にオープンをする。これにあわせて前倒しをして本線の促進が図られてきた。ところが、初めに私が申し上げましたように、この荒川右岸公共下水道というのは、埼玉西部地域、全国的な中において日本で有数の人口急増の地域、もう数年も前から何とかもっと積極的に促進してもらえないか、こういうことで地域住民からも何度か建設省、建設大臣にも陳情を御相談申し上げてきた。どうもこの住宅公団の計画に引きずられて二年間ぐらい前倒しになった。結果的には促進されたことは非常に結構な話でありますけれども、地元の地域住民からすれば、そういうことにとらわれず、政府の田園都市構想などが発表されているわけですから、人口急増に見合ってその地域における下排水の処理、特に公共下水道はこの地域には皆無と言っていいほどないわけですから、そういう点からももっともっと積極的に建設省が促進をしていくべきではないか。ましていま、その本線の支流についてはどういうふうに動いていくか全くわからない、こういうようなニュアンスの御答弁でしたが、ところがもう一つ、この西部地域の中で最も人口急増の激しいのに所沢市というのがある。この所沢市から荒川右岸の本線につなぐ最大の河川はいわゆる砂川堀という河川、これについては現在全くおくれているなんという問題じゃない、何ら手がつけられてないという状態なんです。ですから、そういう点について、建設省の主体性にのっとって、大都市圏の人口急増地域における流域下水道については、もっともっと積極的に進めていくべきではないか、私はこう思うわけでございますが、この点について大臣から御答弁いただきたいと思います。
  75. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 埼玉県の荒川流域下水道計画でございますが、先般、関係地方公共団体全員の方々から私、推進方の陳情を受けまして、そのときに積極的に推進してまいりますということもお約束さしていただいたような状態でございます。まあ予算関係で非常におくれて申しわけございませんでしたが、ことし公共事業費、建設省関係も相当いただきましたが、その中でも一番、下水道を三三%まで引き上げさせていただきまして重点的に取り組む。もう一つ私、その陳情を受けましたときに申し上げたのでございますが、反対はございませんねということの念を押したのです。流域下水道計画はございますけれども、反対のためになかなか計画どおりに進まないという地区が多々ございます。聞きましたところ、関係地方公共団体の方、口をそろえて埼玉県に関する限りはその反対運動は全然ないということでございましたので、私もお約束いたしましたような状態でございますので、この推進力につきまして十分検討し、御要望の線に沿いますように今後督励してまいりたい、このように考えております。
  76. 宮地正介

    宮地分科員 たまたまこのパイプにつきましては、国道二百五十四の下を通しますので、国道二百五十四の用地買収に伴って推進されますから、いま大臣のおっしゃったような心配はそんなにない、こういうふうにわれわれも理解しておりますので、ぜひ積極的に一年でも半年でも早く操業ができますように御努力をお願いしたい、こう要望したいわけでございます。  そこで、いまお話ししました川鶴団地、いわゆる日本住宅公団の側に立ちましても、今度は大きな宅地開発で大変な世帯がまた来るわけでございまして、いままで大変にミニ開発の中で吸い込み方式などで苦しんでいる、そういう方々から見ますと、ああやはり住宅公団が来ると早まるのか、また住宅公団の宅地開発に乗っておれば何とかこの公共下水もあずかりが早い、こういう感じをやはり受けると思うので、そういうことに対しまして、若干でも人間関係というもののギャップができてはならない、ぜひ日本住宅公団といたしましても、この荒川右岸公共下水道の促進については、でき得れば住宅公団がオープンする一カ月でも早く地域住民の人に操業できるようなそういう要請も、今後建設省にも働きかけをやはり道義上私はしてもらいたい。また、いろいろ地元埼玉県あるいは建設省との間で負担金の問題などが出てくると思いますが、そういう点についてもどうか前向きに取り組んでいただきたい、このことを要請するとともに、住宅公団の御見解を伺っておきたいと思います。
  77. 澤田光英

    ○澤田参考人 川鶴工業団地及び宅地開発、大分進んできておりますけれども先生がおっしゃいますように大団地でございます。周りの地域との融合ということは、まず第一に考えなければならないと思います。  下水道に関しましては、建設省局長さんからいまお話がございましたように計画がなっておりますけれども、一日も早く開通ということは私ども望んでおるところでございます。これがおくれますれば、そのおくれた期間だけ臨時処理なり何なり、あるいはずっとおくれるとなると処理場をつくるとかそういう経済的な問題が出てまいりますので、私どもは、できるだけ早く開設したいというお願いは今後も続けてまいります。  また、負担金に関しましては、県、建設省ともいろいろ御相談しておるようでございますが、応分の負担は私どもでさしていただくというふうな態度で検討を進めております。
  78. 宮地正介

    宮地分科員 大変時間がたつのが早いので、残念でございますが、持ち時間もあと五分ということでございますので、何点かちょっとお伺いをして簡明に御答弁をお願いしたいと思います。  特にこの荒川右岸流域公共下水道とやはり表と裏の関係で重要な河川、これがいわゆる新河岸川という河川でございます。この河川改修というものが、やはり大きなこれからの生活圏の中において——荒川右岸公共下水道は汚水でありますけれども、新河岸川になれば、また今度は別に排水の面がいろいろ適用されてくるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、新河岸川の河川改修、また西部地域といいますとどうしても入間川の河川改修、この二つの河川改修は、やはり生活環境の整備拡充の上から見ましても大事な問題でございますが、この点について建設省としてどのように積極的に取り組んでおられるのか。  また、いわゆる埼玉県西部地域の北になりますと、まだこの地域には国や県の公共下水道もありません。そういう中で、比企郡というところでございますが、どうしても生活用水などの問題あるいは洪水などの問題で国民生活に一番大きな影響のあるものが、いわゆる市野川、滑川、槻川あるいは都幾川という河川でございます。こういうような河川についても、ぜひ私は、建設省としても、人口急増地域の中におけるいわゆる生活用水としてのこの河川改修、これがされませんと、本当に悪臭だとかいろいろな生活に大きな悪影響が出てくるわけでございますので、この問題に積極的に取り組んでいただきたい。  また一方、道路の問題になりますと、この地域は御存じの関越高速道路が走っておりまして、防音問題などにつきましては、私も何度か陳情させていただきまして、大分対策も進んでまいりましたが、まだまだ相変わらずの人口急増に伴いまして、道路が先にできて家が後から来るといった問題もございますけれども、やはりこの人口急増という中におけるこの関越高速道路の防音対策、これも非常に重要な問題であろうと思うわけでございますし、また最近は、先ほど申し上げました所沢地域におけるところの地盤沈下の問題が、国内的にも最大の地盤沈下をしておる、こういうことで、所沢市民も大変な心配をしているわけでございますので、この問題についても一言、環境庁として積極的に取り組んでまいりたいという御決意を伺いたい。  さらには、国道問題が出ましたので、国道二百五十四あるいは十六号、この拡幅問題、あるいは道路の建設問題につきまして、地元住民との間にまだ若干いろいろと調整をしなければならない問題もございますが、この国道の建設に当たりましても、ぜひ地元住民との合意の中で本当に安心して生活できる環境づくりを進めていただきたい。  いろいろたくさんお話ししましたので、答弁をいただきますと大変に時間もかかると思いますので、関係当局の方は一言だけ、地元地域の住民の方のために積極的に取り組んでまいりたい、こういう決意を御披瀝いただき、総合的に大臣から、いまお話しした問題についての御決意を伺って私の質問を終わりにしたい、こう思いますのでよろしくお願いします。
  79. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 先生御指摘の新河岸川、入間川等の流域につきましては、特に都市周辺部の河川でございますので、河川局としましても、この都市周辺部の河川の改修につきましては、一番重点を置いて現在改修を進めておるところでございますが、今後とも推進していきたい、かように思っております。
  80. 山根孟

    ○山根政府委員 道路整備の問題につきましては、ただいま御指摘のありました十六号等につきましては積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  遮音壁の問題につきましては、建設段階のものにつきましては、路線あるいは構造等に配意いたしまして、環境保全に積極的に最善を尽くしてまいりたい、なお、供用中につきましても、学校、病院といったところが最重点になるわけでございますので、土地状況等も勘案しつつ、逐次その整備を図ってまいりたい、かように考えております。
  81. 持田三郎

    ○持田参考人 道路公団でございますが、ただいま道路局長からお話ございましたように、関越道につきましては、五十年から五十三年に相当の遮音壁を設置してございますが、来年度以降におきましても、関係市町村と協議しながら十分な対応をしていきたい、かように考えております。
  82. 原健彦

    ○原説明員 所沢の地盤沈下は、五十二年の調査におきまして、わが国で一番大きな九・八センチという一年間の沈下をして、非常に大きな問題でございます。  ただ、この地域の地盤沈下の原因でございますが、特にこの地域に地下水の採取が集中して行われておるということもございませんし、また井戸の抜け上がり等の現象も認められないわけでございます。したがいまして、かなり深い地層におきます地層の収縮によるものではないかと思われるわけでございます。何分にいたしましても、地盤沈下の機構解明をまずしなければならないということで、五十三年度におきましては、地質調査をいたしたところでございますが、五十四年度におきましても、引き続き地盤沈下の観測のための井戸を設置する等やってまいりたいと思っておるわけでございます。  なお、この地域につきましては、県におきましては、条例に基づきまして地下水の採取指導規制をいたしておりますし、通産省の指導によりまして地下水利用の合理化が進められております。また、上水につきましても、着々転換が進められまして、その成果が上がったと思われますが、沈下はやや鈍化の傾向を示しております。私どもこれからも、各省庁と協力いたしまして、総合的に対策を進めてまいりたいと思っております。
  83. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 ただいま各局長から答弁させていただきましたが、所沢の地盤沈下のことだけは、私、いま初めて御指摘をいただきました。十分検討をさしていただいて、御要望に沿ってまいりたいと思います。
  84. 藤田義光

    藤田主査 以上で宮地君の質疑は終わりました。  次に、斉藤正男君。
  85. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 本会議もこれあり、私の質問時間は二十四分だそうでございますので、厳守をいたします。答弁側もそのつもりで要領よく答弁をいただきたい。     〔主査退席、青木主査代理着席〕  先ほど同僚議員からは、流域下水道の推進について地元の賛成を取りつけ、反対はないというお話でございましたが、私が取り上げる問題は、残念ながら若干地元にも反対がございますが、その反対の理由は説明不足、手当ての不十分さというようなことからきているのじゃないかと思います。  これは県が主体でありますから、建設省にお尋ねをすることはどうかと思いますが、私の同僚が、地元の地方議員でございますけれども、かつて建設省にお尋ねをしたことがあるのです。そのお尋ねと回答について、時間がありませんから読み上げますが、私は回答になっていないと思うのです。こういうことがもめるもとではないかと思うわけです。  すなわち、お尋ねの点は「西遠流域下水道計画の変更について」、「一、静岡県は流域下水道区域を変更したと称しているが、この区域の変更が法第二十一条二項に該当するかどうか」というお尋ねをしました。そのお答えは「下水道事業認可区域面積が五千三百五十四ヘクタールから五千四百九十六ヘクタールに変更されたのは、処理場周辺の市街化調整区域である五島及び河輪地区を特定環境保全公共下水道事業として実施するため百六十ヘクタール追加したのと、浜松市の単独公共下水道事業として実施することとしている面積に修正があり、それにともない流域関連区域面積を十八ヘクタール減じたものである。」ということで、このお答えは「静岡県は流域下水道区域を変更したと称しているが、この区域の変更が法第二十一条二項に該当するかどうか」のお答えになっていないのですね。  それで、これを補完する意味かどうか、二番目として「都市計画決定の考え方について」、「都市施設は、必要なものを都市計画として定めることとしており(都市計画法第十一条)市街化区域については都市施設として少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとしている。(同法十三条一項四号)一方市街化調整区域については、市街化調整区域が市街化を抑制すべき区域である(同法第七条三項)ことにかんがみ、昭和四十四年都市局長通達により市街化を促進する都市施設については定めないこととし、直接に市街地の開発を目的としない施設、または市街化を促進する恐れがないものと認められるものは、これを定めることを妨げないこととしている。」という答弁なんですよ。  これは「法第二十一条二項に該当するかどうか」という問い、そしてもし「都市計画決定の考え方について」というのが二番目の問いに対する答えだとするならば、二番目の問いは「計画区域面積が五千三百五十四ヘクタールから五千四百九十六ヘクタールに変更されているが、この変更の理由は」と聞いているわけですから、決しておざなりとは言いません、ずいぶん局会議を開き、部の会議を開き、練りに練ったお答えのようなんですけれども、簡単に言って同僚市会議員の問いには答えていないと思うのです。局長、私は不親切だと思うんですよ。
  86. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ただいまの変更につきましては、御指摘の法律の条文に該当するということで行われているものである、ただ、当時御説明申し上げた内容が、法律に該当するとしましても、そういう変更の手続をとる必要があるかどうかという裁量につきましては、この都市計画決定権者である知事もしくは市町村長にゆだねられておる、したがって、権限を持つ者が法律上の必要がある場合ということで該当するとして認めた場合にその手続をとれば、これは当然該当する、したがって、その辺のところを少し懇切丁寧に御説明申し上げ過ぎたのじゃないかと思います。
  87. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 私は、工事施行者が県であろうと市町村であろうと、指導監督をされるのは建設省だと思うのですよ。懇切丁寧に説明し過ぎたから素人である斉藤正男にはわからぬのだ、わかる人が見ればわかるのだということだと思うのですが、しかし、行政というのは問いに対して簡単明瞭に答えていただくことが一番いいと私は思うのです。そういう建設省の意図を受けて県はやはりやったんですよ。都市計画審議会をやった、だから、こういう簡単明瞭な問いに対しては、それは法何条何項に該当するものです、ただし、その際は云々ですというような注釈を加えていただくことが一番親切だと私は思うわけであります。そんなことばかり聞いているとあれですから、西遠流域下水道のことはこれで終わります。  次に、建設省というか道路公団にお伺いします。五十四年度のなるべく早い機会に高速自動車道路の通行料金について身体障害者に割引制度を適用をするということが、決まったと言っていいのか決まりかけていると言っていいのか、とにかく進んでいるようであります。しかし、この身体障害者はきわめて狭い範囲に限定をされておって、身障者である運転免許者全体には適用されないということになっているのだそうであります。まだ実施したわけではございませんから、これからの計画のようでありますが、建設省としては一体どういう計画を持っておられるのか、まず、その概括について伺いたい。
  88. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  身体障害者に対する有料道路通行料金の割引措置につきましては、道路政策として有料道路制度の枠組みの中で他の利用者の協力を得て実施していこうということで、昨年一年ばかりかかっていろいろ検討した結果、五〇%以内の割引、まあ、まず五〇%とお考えいただいて結構ですが、五〇%の割引率をもって、下肢体幹不自由者がみずからの足がわりとして自動車を運転する場合を対象として割引措置を講じたい、五十四年度の早い時期にこれを実施してまいりたいということでございます。
  89. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 いまお話がありましたように、実施しようとする身障者への割引制度は、パーセントからいくと半額だ、そして下肢体幹身障者に限るというようなお気持ちのようであります。私は、身体障害者に対する各種の救済事項が不十分でありますけれども実施をされている事実は、いささか承知をしているつもりであります。今回、高速道路の利用について身障者にも恩恵をというお気持ちは当然であり、結構なことだと思うわけでありますけれども、なぜ下肢体幹身障者だけに限定をされるのか、その理由がわからない。なぜ身障者で運転免許を持っている皆さん全体に適用をしないのか、その理由をお話しください。
  90. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  歩行機能が失われている下肢体幹不自由者を対象にいたしているわけでございます。みずからの足がわりとして自動車運転をしているという点に着目をいたしておるわけであります。平面交差の多い一般道路を長時間にわたって通行することに身体的苦痛を伴うということから、有料道路を通行することを相当程度余儀なくされているということがその大きな理由でございます。
  91. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 モータリゼーションの今日、車というものに対する認識がきわめて狭いと私は思うわけであります。なるほど下肢体幹身障者は車を足がわりに使っているという解釈はできると思います。しかし、モータリゼーション全体の傾向というのは、そんなものじゃないですよ。要するに生活の合理化あるいは省力化、それよりも何よりも一つの潮の流れとして車というのが普及しているのが現実でしょう。下肢体幹身障者だけが車を足がわりに使っているという考え方は、きわめて狭量だと思うわけであります。特に私は、警察庁の統計から身障者がどの程度運転免許を持っておられるかということを調査いたしました。補聴器をつけた身体障害者は七千百六十九人と言われております。義手、義足の方は三千百二十五人と言われております。限定車両にしか乗れないという方が圧倒的に多くて七万七千四百七人、その他で三千六百八十一人、身障者で運転免許を持っておられる方の合計は九万一千三百八十二名です。身障者の中でも車の免許を持っておるという方はきわめて限定をされているわけです。車に特殊な装置をつける、あるいは特殊な装置のある車でなければ乗れませんよというようなことも含めても九万一千三百八十二名しかないのですよ。このうち下肢体幹身障者はどのくらいあると思っていますか。数字を把握されておりますか。
  92. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  下肢体幹不自由者四十九万人のうち自動車の運転免許を受けておられる方が約五万人と聞いております。
  93. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 そうしますと、身体障害者で運転免許を持っておられる方が全部でも九万一千三百八十二名ですよ。これは昨年十二月の統計なんですよ。そのうち下肢体幹が約五万名といえば、全部を割引さしてあげたって十万いかないですよ。しかも、特にろうあ者ですが、十メートルで百ホンの音が聞こえればよろしいという基準ですね。いま料金を払って高速道路を走るか、それとも渋滞している普通の道路を走るかといえば、身障者といわず多くの方々が高速道路を使いたいというのが人情であり傾向だと思うのです。私はこの際、そういうけちなことを言わないで、身体障害者全体に対する福祉の一環として、すべての身障者が高速道路を使う際は料金の割引をするというのが政治ではないかと思うのです。なぜろうあ者に割引制度を適用しないのですか。科学的な理論的な根拠を聞かしてください。
  94. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  下肢体幹不自由者以外の聴覚障害者等の身体障害者の場合につきましては、歩行機能が失われているというわけではありませんし、自動車を自分の足がわりとしなければならないという程度、あるいは有料道路の通行を余儀なくされる程度という点に関します限りは、下肢体幹不自由者に対してかなり低いという点があるわけでございます。道路の場合には一般道路という代替道路がありまして、そこの通行ができるわけでございますので、一年間の検討の結果、かような判断になった次第でございます。
  95. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 それは、なるべく恩典を受ける人を少なくしようという、建設省のけちな根性から出たと思うのです。では、あなたは足があるから歩いて行けと言われたらどうなんですか。車というのはいまはそういうものじゃない。足がわりに車を使っている下肢体幹者だけが特に車を欲しいと言っているのじゃないのだ。車というのはいまやそういうものじゃないという認識に立っていかなければ、事を誤まると思うのです。  まあ検討の結果、そういう結論が出たということですから、それはそれとして理解しないでもありません。しかし、心身障害者対策基本法という法律があって、その二十三条には経済的負担の軽減ということがうたわれて、それを受けて、当然でありますけれども、各種の割引制度等が行われているわけですよ。特に公共料金等については、国有鉄道の旅客運賃割引、航空運賃の割引、NHK放送受信料の減免、世帯更生資金の貸し付け、公営住宅の優先入居、点字郵便物の無料扱い、定期刊行物の低料第三種郵便物認可等々、不十分ではあっても幅の広い施策が考えられているわけです。今回、画期的な高速自動車道路の料金割引制度の実施に当たって、私は、下肢体幹障害者だけに限定することには絶対に承服できぬ。  厚生省の方、お見えですか。建設省がとろうとしている施策に対して、相談にはあずかったと思うのですが、厚生省の見解をひとつ伺いたい。
  96. 板山賢治

    ○板山説明員 身体障害者の幸せを守る立場からの御発言、私ども大変ありがたいと思います。実はきょうも聾唖者の団体から、この問題等について陳情を受けておったばかりでございます。  ただ、今回の割引の問題というのは、建設省が御中心になりまして、道路公団等の御協力をいただき、初めて実施をする、いわば道が開けたという意味で、対象者についてある程度の限定もやむを得ない、このような気持ちで、現在建設省とも御相談を申し上げておったわけでございます。この実施につきましては、いろいろな御相談もいただきまして、まず一つ道が開けたということで、一歩前進であると私どもは高く評価いたしておるものでございまして、今後ともさらに御協力をいただきますよう、努力をしてまいりたいと思っております。
  97. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 確かに前進であり、一つの道が開けて、将来展望もあるという考え方は私も是認をいたします。しかし、厚生省の、しかも責任者であるあなたの、まあやむを得ないというような発言は、私はいただけない、そっくりそのまま返上する。先ほども言いましたように、厳然たる数字が出ているわけですよ。全部適用しても九万一千三百八十二人だ。下肢体幹で約五万人でしょう。倍になるだけですよ。このことによって特に高速道路がふくそうするとか、警察庁の統計によれば、身体障害者の交通事故あるいは違反は普通の方よりも少ないのですよ。それだけに自覚をされ、注意をされて運転をされているわけだ。したがって、あなたの答弁は、初めてのことだからというお気持ちはわかりますけれども、少し遠慮し過ぎていると思う。もっと強く、聾唖者を含めて全身障者にこの制度を適用せよということを、建設省に迫っていただきたいと思うのですが、御決意のほどを伺いたい。
  98. 板山賢治

    ○板山説明員 建設省ともよく御相談を申し上げまして、さらに内容が充実されますように努力したいと思います。
  99. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 大臣、私と関係者のやりとりを聞いていただいたと思うのですけれども、広い意味の身体障害者に対する行政として、前進の方向で検討をいただき、一刻も早く全身障者に適用するような制度にしていただきたいと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
  100. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 私、建設大臣を拝命いたしまして、この身障者に対する料金割引、大分検討を重ねまして、やっとここまで日の目を見た。全身障者に対して、ほかの国の施策全部をやらなければならないということもよく承知をいたしておりますし、私もその気持ちでございますけれども、果たしてそれ以外にどれほどまた伸びてくるかとか、いろいろな点で検討すべき問題があろうと思いますので、御要望はよくわかりましたので、しばらく検討をさせていただきたい、かように思いますので、よろしくお願いいたします。
  101. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 終わりますが、検討ではなくて、前向きに検討するということを約束してください。
  102. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 前向きに検討するということを申し上げたいのでございますけれども、いつ幾日までにできるかということだったら……(斉藤(正)分科員「そんなことじゃない」と呼ぶ)検討はさせます。これは十分検討はさせます。
  103. 斉藤正男

    斉藤(正)分科員 終わります。
  104. 青木正久

    青木主査代理 次に、阿部喜男君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に際し、参考人として、日本道路公団理事吉田喜市君が御出席になっております。  なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。阿部喜男君。
  105. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 大臣冒頭お伺いしますが、建設省と道路公団というのはどういう関係になるのか、大筋で結構ですが、ちょっと知らせていただきたいのです。
  106. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  建設省日本道路公団との関係いかんということでございますが、事業の実施という点から考えますと、日本道路公団は、日本道路公団法に基づいて設立され、道路整備特別措置法によりまして、高速自動車国道については、建設大臣の施行命令を受けて高速自動車国道の建設を実施し、料金を徴収する、こういう関係にございます。  それから、一般の有料道路につきましては、日本道路公団が申請をいたしまして、それで認可を得て、主として一般国道等の重要な幹線道路の部分でございますが、建設を実施いたして料金を徴収する、実態論としてはそういう関係にあるわけでございます。
  107. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 高速自動車道については、建設大臣の命令を受けて道路公団が工事の施行者としておやりになり、あと料金徴収をおやりになる。これは建設命令だけですか、指導監督というものは建設大臣の権限に入りませんか。
  108. 山根孟

    ○山根政府委員 当然ございます。
  109. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 大臣は前に自治大臣もおやりになった経験がありますが、この種の道路建設等に当たりまして、特に地域の住民からいろいろな意見が出てくるわけでございますが、そういう地域住民のいろいろな意見については、どういう取り扱いをしていくべきだというふうに基本的にお考えでしょうか。
  110. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 工事実施のときはもちろんでございますが、計画あるいは着手、その他に対しましては、地域の地方公共団体とよく協議いたしまして、住民の御協力を得てこれができるように運んでまいりたい、そういうふうな指導をいたしております。
  111. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 きょうは時間がありませんので、その問題で余り議論する気はありませんけれども、いまの大臣の言葉の端に地方公共団体という言葉が出たのです。ところが、地方公共団体にしてみれば、一般論として道路をつけてもらいたいというのは、まあ普通の場合常識になるわけですけれども、それによって直接いろいろな影響を受ける地域の住民があるわけでございます。その直接影響を受ける地域の住民の立場と、地方公共団体の立場は必ずしも一致しない場合が多いわけです。私は、きょうそれで議論する気はありませんが、ただ、かつて厚生省が屎尿処理場をつくるときに、市議会ではつくってもらいたいという決議をする、しかしその屎尿処理場のできる地域の住民は挙げて反対をしておる。そういう場合に、一体厚生省はどういう判断をするのかということを私お伺いしましたら、市議会が決議をされ、地方自治体がお進めになるのは自由ですけれども、厚生省の解釈としては、影響を受ける皆さんの反対がある限り、これに対する補助行政を施行するわけにはまいりません、こういう厚生省の答弁を得て、その場合にはその屎尿処理の変更が行われたという経緯があります。これは参考までに申し上げておきます。  そこで少し具体的に、建設省並びに道路公団にお伺いしたいのですけれども、いま九州に九州横断高速自動車道路の建設の計画があり、特に大分湯布院線と呼ばれる区間について計画が進められているようでございますが、その進捗の状況、問題があるならばそういう点についてどういう把握をしておられるか、これは大筋で結構です、知らせてください。
  112. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  九州横断自動車道、湯布院大分間三十九キロメートルにつきましては、四十八年十月に施行命令を日本道路公団に発したものでございます。五十二年三月三十一日に路線発表を行いまして、その後日本道路公団が現地の事務所におきまして、地元協議を進めている段階でありまして、現在までに三十九キロメートルのうち約八割の区間について、中心ぐいの設置が完了している状況にある、かように聞いております。
  113. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 これは公団の方になりましょうか、もう少し年次別に説明していただけませんか。
  114. 吉田喜市

    ○吉田参考人 ただいま道路局長から答弁がありましたように、四十八年十月に私たち施行命令をいただきました。それで、この大分湯布院線の大分別府間については、特に山地部に路線を計画する、また別府市につきましては、これは国際観光都市で、温泉が非常に大きな観光資源になっております。したがって、温泉問題というものについて、特に別府市周辺での調査に念を入れました。それから湯布院につきましては、国立公園に近接しております。むしろ隣接しておると言った方がいいかもしれません。こういうふうな立地条件のところでございますので、要するに周辺の土地利用状況がどうだ、また地質、土質がどうだ、環境問題がどうだということを入念に調査をいたしまして、実施計画がまとまりましたのが五十二年の春でございます。で、認可を得まして、五十二年の三月に路線を発表いたしました。この間に約三年五カ月という期間がかかりました。これは先ほど申し上げましたような経過で、大変調査に、特に路線選定というものに対して慎重を期したためでございます。  それで現状は、先ほど道路局長から話がありましたように、約八〇%の中心ぐいが設置が終わっております。現在約八キロ、これはやはり別府市内の約四・九キロ、それから湯布院の町の二・七キロ、それから大分のインター付近の約〇・四キロ、いずれもインターを中心にした個所について若干の問題があって、まだ中心ぐいが打てない、かような姿になっております。私たちは、今後五十三年度も含めまして五十四年度、鋭意地域の方々と誠意をもって話をしていきたい、できれば御理解を賜りたいということで、この八キロの区間について努力をしてまいるつもりでございます。  それで、今後の見通しでございますが、やはり五十四年度中には少なくとも私は全線幅ぐいをしたい、でき得れば一部用地を取得をしたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、用地を取得いたしますれば、そのところから工事の準備に入ってまいりたい。五十五年には工事の準備に入る。特に温泉地帯を通りますから、隧道を掘るにしても高熱隧道その他の問題があろうかと私は思います。そのためには、少なくとも十分な工事準備をいたしまして、五十六年度ごろから本格的な工事にかかってまいりたい、かように考えております。
  115. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 そうしますと、そういう計画で進めていけば、仮にいま地域住民の皆さんからいろいろな意見があって、若干おくれておることはあっても、この計画が取りやめられるということはないわけでございますか。
  116. 吉田喜市

    ○吉田参考人 建設大臣から施行命令をいただいております。したがいまして、先ほどの、五十二年の春にいただいたこの実施計画の承認に、この区間は、大体六十一年度までには完成し、供用をするという一応の目標をいただいております。この目標から見ますと、現在はさほどおくれておるわけではございません。私たちはこの目標をなるべく早く、早期に完成をいたしたい、これから努力をしてまいりたい、かように考えております。
  117. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 実は、地方自治体の方は、どうも道路公団の言うことを聞かなければ、言うとおりにしなければ予算を召し上げられるのではないかとか、道路がつかないのではないかというふうに非常に恐れをなして、何でもかんでも公団様々で、公団の言うとおりにしなければできないのだというような錯覚を起こしまして、地域の住民を押さえつけて、公団の発表した路線で道路をつけなければならないものだ、こう思い込んでしまっておるのです。ところが、これは歴史的な経過がございまして、長谷川先生が建設大臣のころでございました。その路線の発表がございまして、地元の皆さん方も道路をつけることそれ自体には反対でございません。しかし、別府は温泉がある特殊な土地であり、地域の幅も非常に狭い保養地でございますから、土地の利用から考えても、またその地域で深い経験を持つ皆さん方の経験に徴しても、この道路をもっと山手の方に変更していただきたいという陳情がございました。当時の長谷川建設大臣は、いやそれは地元の人がそういう意向ならば、十分地元の意向をくむように措置しなければならないであろうというお話がございまして、当時の道路局長さん、かわられましたが、そのために予算が相当ふえたとしても、金のことについては私どもそれほど心配はないから、十分公団と話し合って措置をしてもらいたいというのが、当時の大臣並びに道路局長、それから住友さんでしたか、国道課長の意見であったわけです。私どもそれで、地元の方たちの要望が入れられ、しかも地方自治体の期待をする高速道路ができるのならば、それにこしたことはないではないかということで、実は公団の方にもお願いをして、何とか道路のつけかえと申しますか、発表路線の変更をずっとお願いし、陳情をし続けてまいったわけです。しかしなかなか公団の方では、一遍発表した路線を変更することは公団のメンツにかかわるとかあるいは一波万波になるおそれがあるとか、最近は地質学上困難であるとか、インターが無理だとか、山が崩れてくるとか、いろいろな理屈をつけまして、地元ではとにかくつけてもらいたいということで、私は知事や市長とも十分話し合いをしました。あなた方が一番考えていることは何かと言ったら、市も県も、とにかく道路をつけてくださればいいんです。ただ、公団の言うようにしなければ公団が道路をつけてくれぬと言うものだから、発表路線で推し進める以外にないのですというのが、率直な県や市の意向であって、県や市は、どうでもこうでも公団の言うところに道路をつけなければならぬと思っているわけではありません。道路がつけばいいんだ、道路をつけてもらうためには、泣く子も黙る公団のおっしゃることを聞かなければどうも道路がつかないのではないか、そういうおそれがあって地方自治体が無理をする。その結果、これは大臣、きわめて常識的な見方ですけれども、たとえば県の方でも地元を強引に押さえつけようとする。町内会長に金を配って署名をとらせる。署名をとれば、別府市民の圧倒的多数は賛成しますよ、自分に関係がないのですから。道路ができるのはうれしいことですから。私は市長に言ったのです。署名をとるならば、あなたの家のところを道路が通るかもわからない、それでも賛成してもらえますかという署名で圧倒的多数が集まったのならば、その署名は本物だ。ここを道路が通るがようございますかとこっちの人に聞けば、こっちの人が結構ですと言うのは、これは常識じゃありませんか。それを集めて、別府市市民の圧倒的多数が賛成だなどと言うに至っては、おおよそ行政の責任者としては不明ではないかということを、率直に私、市長さんにも賛成の陳情に見えた方にも申し上げたのですけれども、そういういきさつがありまして、今日ある意味では感情的というくらいにまでむずかしくなっておるわけです。  私は、やはり県や市がその反対をする地域住民の側に立って、建設省や公団にお願いをする、一生懸命やって、そして公団も建設省も調査をした、しかしその結果どうしても技術的に無理だというならば、地元の人だってそれは私はわかると思うのです。しかしそれをやらずに、県や市を抑えつけさえすればできるんだというふうな考えで、金を配って署名を集めさせてみたり、これは新聞に出ていますからうそじゃありませんが、あるいは市議会で多数を頼んで決議をさせてみたり、そうすればするほど地元の皆さんが反発するのもこれは当然でしょう。私は、もっと素直な気持ちになって、当時の建設大臣、道路局長の皆さんがおっしゃったように、公団が初めに立ち返って、地元の要求をする山手の方に無理をしても何とか行けないのか。  公団の立場からすれば、一番いいからそこを発表したことは間違いないのです。それは私は、公団の立場からすれば、発表路線が一番やりやすいだろうということはわかりますよ。しかし地元にそれだけの反対がある以上、もう一遍ひとつ白紙に立ち返って、山手の方で何とかならないのかということを真剣に検討してもらいたい。恐らく公団の方では、いやそれは検討しました、検討した結果この辺はどうなりましてと、ぐあいの悪いように道路を引っ張っていくわけです。ここをこのくらい山手にすれば、このくらい人家がかかりますとか、おたくがかかりますよと言うと、今度はかかる方がまた反対をする。こういうようないきさつになっておるのですが、地元の人がつけかえてもらいたいという路線は、かなり山手に入っていっても、技術的にできることであるならば、私は別府市の都市計画から考えても、若干予算がふくれても一番いい方法だと思うのです。  しかし率直に申しまして、公団は一遍もう発表したからメンツがある、一波万波になるというようなことを考えて、それに理屈をこじつけて、さっき申し上げたように山が崩れる、いろいろ言っておるわけです。しかし、別府市長が参画をしてつくった大きいゴルフ場があるのですけれども、そこの理事長が先般参りまして、もしこのゴルフ場をつぶしてもらって、それでインターができるのならば、インターが問題だと聞いておりますが、ゴルフ場を提供してもいい、何とか早く道路をつくってもらいたいという、そういう熱心な意見も出てきておるわけです。したがって私は、もう一遍白紙に返って地元の皆さんの意見を聞いて、本気で公団は、地元の皆さんがおっしゃる山手での道路のつけかえについて、検討する意思があるかないか。細かな、山が崩れるとか、地質が悪いとか、水がどうだとか、そういう問題を議論している時間がありませんから、大筋で、もう一遍やり直してみるかどうか、これを聞きたい。
  118. 吉田喜市

    ○吉田参考人 ただいま先生からお話がありましたように、地元からの御提示のあった、御要望のあった山側の路線につきましては検討いたしました。その結果、これはやはり別府の温泉源になっておる大切な地下水をぶち切る、こういうふうな問題が出てくるのじゃないかということです。それからまた、見返台付近の地質は、鶴見岳の火山砕屑物で大変隧道を掘ることがむずかしい、とても技術的には通すことが私たちはできない、こういうふうな判断をいたしたわけでございます。  それで、先生御存じのように、ぎりぎりに山側へ振った場合はどうなるだろうかというような、逆に中間的な案まで私たちは検討したのです。ただ一番問題は、やはりあそこに道路が通るだけではまずい。やはりその道路がインターチェンジで直接別府との直結がなければならない。そうすると、インターを一体どこに置くかという問題が一番大きな問題じゃないか。やはりインターを通じての地域振興が……(阿部(未)分科員「時間がありませんから、もう一遍やるかどうか」と呼ぶ)では結論だけ申しますが、インター設置の場所としてはいろいろあります。ありますが、私たちが現在提起した場所がインター設置地としては一番最適な場所だ、かように考えております。
  119. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 いま理事さんからお話のあったようなことは、私もるる説明を受けておるのです。しかし、それは公団発表の路線のとおりに道路ができるならいいのです。私は何も言うことがないのです。できないのですよ。そこの地権者たちは、それじゃ絶対に土地を提供しない、売らないと言うわけですよ。だから、仮に裁判をおやりになっても、恐らく十年やそこらの期間を要するだろう。これは一番いいところです。さっき申し上げたように、だれが考えたって公団が一番いいところを選んだのに間違いがないのです。しかしそれでは道路がつかないとするならば、次善の策であろうとももう一遍検討してみるのがたてまえではないのか。これが最高だから、これより都合の悪いところはだめなんだとおっしゃらずに、一番いいので道路がつかないとするならば、次善の策でも道路をつくる以外にないではないか、その検討を本気になってなぜやらないのかと私は申し上げておるのです。それをやる気があるかどうか、そこだけ答えてくれればいいので、インターの問題から水の問題、全部聞いています。聞いていますが、それは想定の上でいろいろ言えるのであって、もしインターをとりにくければ、さっき言ったようにインターをほかに持っていけばいいかもわかりませんし、ほかにいろいろ方法は考えられる。方法は考えられるが、基本的にいまの発表路線では地権者が土地を譲らない。裁判すれば十年も十五年もかかるだろう。期待をする道路がつかない。それではせっかく建設省が命令をし、公団がそれを受けて進めておる道路建設の意味が全然ないではないか、建設をするのが目的ならば、次善の策であろうとももう一遍検討してみるべきだ、私はこう申し上げておる。そこだけ聞かしてください。
  120. 吉田喜市

    ○吉田参考人 先ほど申し上げましたように、やはりルートを山側に通しまして、そこでいま先生お話しのゴルフ場をつぶしてインターをつくってもいいじゃないか、こういうふうなお話もありました。しかしその場合でも、やはりインターとその下の道路、主要地方道の別府一の宮線との間に四十メートルぐらい差がございます。そこへ取りつくのは、やはりヘアピンカーブで取りついてもらわなければならない。それから、途中にやはり料金所も置かなければならない。そういうことを考えますと、その場合に、確かに本線についてはいまおっしゃるように住居地域を一部避けることが可能かもわかりませんが、インターにおきましては逆に新しく住居地域をつぶさなければならぬ、こういうふうな問題が出てまいります。だから、別府全部をながめての住居地域を一体どういうふうに考えていくか、住居地のつぶれ地はどうするかということを考えますと、路線というよりは、やはり現在考えておるインターの地が一番最適だかように申し上げたわけでございます。
  121. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 そういうふうに言えばいつまでたってもだめなんで、それじゃあなた方がおやりになりたいという方針でおやりになって道路がつくのですかと、私は逆に質問せざるを得ないのです。つかないでしょう。地権者が絶対土地を譲らないと言う以上、幾らあなた方がそうおっしゃっても道路がつかないとすれば、たとえばインターを、ゴルフ場が悪ければ、ちょっと遠くなるが、十文字の山の上に持ってくれば広いのですから、あそこにインターとれぬわけじゃないのですよ。いろいろ方法は、あなた方が考える責任があるのであって、その方法を考えずにここは無理、あそこは無理、だからつかないと言ってしまったのでは、発表路線でもつかないとするならば、この道路はっかないのですかと言う以外に言いようがないのですよ。ですから、せっかく建設省も下命をして、公団もつけようという姿勢ならば、次善の策でもひとつもう一遍真剣にやってみてもらいたい。それをあなた方が初めから否定するから、幾ら言ったって地元の人が公団と話し合わない。なぜ話し合わないかと言ったら、変更しないという大前提を持って話し合って何になりますかと言う。それはぼくはそのとおりだと思うのです。絶対変更しませんと言うものを話し合ったってしょうがないのですよ。できるならば変更してもいいのだという、その意思の上に立って話し合いをするのが、私は本当の話し合いだと思うのです。できるものなら変更してもいいという意思がなくして、変更できないという大前提で話し合いましょうと言ったって、地元の人が話し合いに応じないのは当然じゃありませんか。そこにぼくは公団のかたくなな姿勢があると思う。いまぼくがこれだけ口を酸っぱくして言っておる。次善の策、その次の策でもいいじゃありませんか。道路がつかないよりついた方がいいはずなんですから、そのことをもう一遍検討してみる余地はありませんか。これもないとおっしゃいますか。
  122. 吉田喜市

    ○吉田参考人 先生からいま御指摘のありました点も、私たち十分いままで検討してまいりました。また、私たちが調査した各種のいままでの結果について、ひとつ御報告をし、お話をしたい、かように申し上げておるわけですが、この私たちの調査の結果、経緯、これについても、いま、いや路線を変えなければそういうふうな結果は聞く必要はないのだということで、これまたお話の機会がないわけです。やはり私たちは、なぜその路線を選んだか、こういうことを、全般を見た上でのお話をぜひやりたい、かように考えております。
  123. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 もう時間がありませんから……。  それで大臣、公団はこういうふうです。私は、公団もそれなりに下命をされて路線を発表されておるわけですから、公団の立場が全然わからぬわけではありません。公団は、その中で軽々に変更しにくいだろうと思うのですが、私のいま申し上げた意見を受けて、冒頭私がお伺いしたのは、建設省監督管理の権限があるというふうに伺いましたから、建設省の方が乗り出して、もう一遍真剣にいま公団のおっしゃる問題について調査をしていただくという、これだけの労はとってもらいたいと思うのですが、大臣、どうでしょうか。
  124. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 私、地方公共団体ということを言いましたのですが、地方公共団体は住民の代表として見るべきで、いま言われました、住民の側に立ちたいのだけれども、それをやるとやってくれないからというふうな知事さん、市長さんだったら困る、私はこういうふうに考えます。だから、知事さんや市長さんが納得して、それは不利益を受けられる関係者もありましょうが、全般のためにぜひのんでくれ、心からそういうふうに地方公共団体の方に言っていただくようにするのが行政であろうと私は思いますので、先生の点をよくのみ込みまして、一応検討さしていただき、円満にこれが進みますように努力をさしていただきたい、このように思います。
  125. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 大臣、私の申し上げた趣旨が大体おわかりいただけたようですから、特に、公団の立場としてはなかなかむずかしい問題もあろうと私も率直に思います。それだけに建設省の方が、道路局長さん乗り出して、この問題の解決にせっかく努力をしてもらいたい。これはようございますか。ちょっとはっきりしてください。
  126. 山根孟

    ○山根政府委員 地域の方々の理解を得るように、今後とも最善を尽くすように道路公団を指導してまいりたい、かように存じます。
  127. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 希望ですが、押しつけるのではなくて、地域の住民の言い分もよく聞いて、十分な検討をしていただくということをお願いしておきます。  時間がなくなりましたから、あとはお伺いするだけですが、北大バイパスと呼ばれる北九州から別府に抜けてくる道路です。これが九州横断高速自動車道路に関係があると私は考えておるのですが、この計画と大体の予定。  それからもう一つ、国道十号線の、特に亀川古市というところがございますが、ここの拡幅で人家の立ち退きが問題になっております。これをどう把握されておるか。この二点、ちょっと知らせてください。
  128. 山根孟

    ○山根政府委員 北大道路につきましては、北九州の方から曽根バイパス、苅田拡幅等々のバイパス、とりわけ曽根バイパスを最重点に現在事業を促進しておるところでございます。また、椎田バイパスについては、五十四年度から有料化することも一応検討をさしていただいておるところでございます。  大分県下につきましては、中津バイパス、別府大分間の拡幅、大分南バイパス、これの事業を現在実施しておるところでございまして、引き続き、鋭意その推進を図ってまいりたい、また宇佐別府道路につきましては、調査を継続してまいりたいと思います。  それから、ただいま御指摘の亀川地区でございますが、これはいろいろ問題がございまして、最終的には立ち退きになる方々、これは市の当局と打ち合わせをいたしまして、代替地を道路の山側の方の北新田地区及び埋立地の中のB地区でございますが、そういったところに確保をしてございますので、そういったことで立ち退きの方々の住居が得られるべく、進めておるという状況でございます。
  129. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 大臣、いま局長から説明をいただきましたが、特に北大バイパスの宇佐別府線というのは、先ほど申し上げました九州横断高速自動車道路に取りつけることになってくる、すると、この九州横断高速自動車道路というのは早くでき上がらなければ、せっかく北大バイパスができても十号線の緩和にはならないといういきさつがあるわけです。それだけに私は、建設は早くしなければならない、早くするためには、さっきから申し上げておるように、地元の皆さんと話し合いをして、次善の策、その次の策であろうとも、早く道路がつくように努力をしてもらいたい。  十号線の亀川古市の拡幅の問題については、地元の皆さんが長く住みついてきた土地でございます。当初これは海岸の方にバイパスを通すという計画が急遽変更されて、現行十号線の拡幅というふうに変わってきた。その辺にもいろいろな疑義があるようでございまして、何もE2Cという問題ではございませんけれども、いろいろ疑義があるようでございますから、これはいずれ改めて私は建設委員会で時間をもらって議論をいたしますが、余り拙速をとうとばれては困ると思います。これもひとつ地元の皆さんの意見を十分聞きながら措置をしてもらうように、きょうはとりあえず要望をしておきます。どうもありがとうございました。
  130. 青木正久

    青木主査代理 次に飯田忠雄君。
  131. 飯田忠雄

    飯田分科員 道路問題につきまして御質問を申し上げます。  道路問題につきましては、地域住民の要望が多くて、陳情書が多く出ておりますことはもう御存じのとおりだと思います。そこで、きょうはそれらに基づきまして、二、三御質問を申し上げます。時間が非常に足りませんので、できるだけ要領よくお答えを願いたいのです。  まず第一が、高速自動車道路の路線をお決めになる場合の決定基準というものは、お考えになっておるかどうか。
  132. 山根孟

    ○山根政府委員 高速自動車国道の路線選定に当たりましては、基本計画に定められております経過地と道路等との連結地、これをもとにいたしまして、地形、地質、気象、文化財、自然環境、生活環境、関連公共事業といった、実は路線の位置を左右するいろいろな諸条件がございます。こういった諸条件を総合的に勘案をいたしまして計画を立てる、こういう考え方をとっております。
  133. 飯田忠雄

    飯田分科員 西宮インターチェンジと姫路の間の高速道路の路線計画があるということを聞いておりますが、これは事実でございますか。
  134. 山根孟

    ○山根政府委員 御指摘の区間につきましては、昭和四十七年に基本計画が定められておりまして、現在、この基本計画に沿って調査を実施している段階でございます。
  135. 飯田忠雄

    飯田分科員 その路線というのは、聞くところによりますと、三木市、加古川市を経由して姫路に至る、こうなっておると聞いておりますが、間違いありませんか。
  136. 山根孟

    ○山根政府委員 そのとおりでございまして、主たる経過地として神戸市、三木市、加古川市となっております。
  137. 飯田忠雄

    飯田分科員 その三木市、加古川市を経由してという意味は、そのほかの都市は経由してはならないという意味でしょうか。
  138. 山根孟

    ○山根政府委員 主たる経過地でございまして、そのほかの都市も当然通るわけでございます。それにつきましては、整備計画で経過する市町村がそれぞれ明確になるということでございます。
  139. 飯田忠雄

    飯田分科員 そこでひとつお願いがあるのですが、この路線、実は、西宮インターチェンジから姫路まで定規を当てて線を引っ張りますと、一番近いのはどこかといいますと、小野市の南端を通って、そして加古川市の志方町を通って姫路に出る線。この線は山地、丘陵地帯でございまして、家も少ないし、買収するのも非常に容易だ、しかもこれが最短距離であって、三木市も小野市も両方利用できる、こういうような地域のものなんですが、これについて、この線をおとりになるお考えはないかどうか。
  140. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  現在、路線をどのように考えているかということについて、調査を実施している段階であります。御指摘のように地形条件がかなり厳しい上に、近年土地開発その他、かなり土地利用が進んできております。そういったことから、私ども、慎重に路線計画を立ててまいらねばならぬ。とりわけ周辺の土地利用計画、関連公共事業といった点について詰めまして、また小野市からもいろいろな御要望もあるようでございます。そういった点も考慮いたしまして路線計画を検討してまいりたい、かように考えております。
  141. 飯田忠雄

    飯田分科員 それでは次の問題についてお尋ねいたしますが、国道百七十五号線というのがございます。これは現在交通量が非常に多くて、危険度が強くて、沿道の住民は非常に迷惑しております。そこで、これにつきましてバイパスの建設が計画されておりまして、すでに着工されておりますが、これがもう数年間途中で切れまして、放置されたままでございまして、利用度が非常に少ない、こういう状態になっておりますのはどういうわけでしょうか、お尋ねいたします。
  142. 山根孟

    ○山根政府委員 この百七十五号バイパスにつきましては、現在三木バイパス、小野バイパス、社バイパス、滝野インター関連バイパス、西脇バイパス、いわば連続した五つのバイパスを同時に実は事業化をいたして、その整備を図っているところでございます。したがいまして、地域との関連その他から、若干の進捗状況あるいは整備に前後があるという状況は、これは私ども、一気にという気持ちは十分あるわけでございますが、やむを得ないと考えております。
  143. 飯田忠雄

    飯田分科員 そのなかなか進捗しない原因はどこにありますか。早急に解決できるような見通しはございませんか、お尋ねします。
  144. 山根孟

    ○山根政府委員 特に大きな問題はございませんが、ただ、都市計画決定の手続が若干おくれているところはあるということでございます。
  145. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 応援を願いましてまことにありがとうございます。これがとまっておったがということではございません。毎年毎年できるところからやってまいりましたものですから、滝野とかああいった方面では、もうすでに小野を越えてできておる。ただ、一番問題は小野でございまして、これが土地買収がおくれますものですからできませんで、やかましくお願いをいたしまして、先般やっと都市計画が決定いたしましたので、強力に今後進めていきたい。特に小野は真ん中でございますから、両方やりましても目立たなかった。そのためにとまっておる、こういう印象をお受けになったように思いますが、まあ、小野が決定いたしましたので、あとはいままでおくれておりました分も含めてやりたいと思っておりますので、何とぞ地元議員として御協力をお願い申し上げます。
  146. 飯田忠雄

    飯田分科員 大臣の御所見ありがとうございました。  それじゃ次の問題に入ります。中国自動車道の滝野福崎間の距離が約二十キロございますが、その中間にインターチェンジを設けるということは、道路局としては何か不都合があるとお考えでしょうか、お尋ねします。
  147. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申します。  インターチェンジの追加の問題は、地元からの要望もあります。ただいま約二十キロとおっしゃいましたが、インターチェンジの間隔は、地域の利便性がどの程度向上するか、その効果の度合い、地域計画あるいは採算性といったものを総合的に検討いたしまして、これは国土開発幹線自動車道建設審議会の議を経て決定されるものでございまして、こういった諸条件にどう適合するか、こういった点を検討いたさなければ、提案できるかどうかといった点は、この検討結果の上で判断せざるを得ない、かように考えております。
  148. 飯田忠雄

    飯田分科員 この問題につきましては、地元住民の非常に強い要望がございます。しかもこの距離二十キロの間に加西市が含まれておりますが、この加西市からこの中国自動車道を利用しようとすると、大変よその方まで行って不便になるわけですね。ですから、もし特別にこれを設けることができないんだという理由がない限り御考慮願いたいと思います。大臣、どうですかね、これは。
  149. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 私、大臣になりまして一番最初に加西へ行きましたときに、加西の議長さんでしたか、突然その話を出されまして、早速帰りましてお伝えしたのですが、御承知のとおりにあのときに現在の吉川町に——どこに置くか、加西に置くか、いずれかということで検討しまして、吉川町の方へ持っていったという点で、加西があの当時おくれた。それと、二十キロという制限の中におきましては、非常な問題もあるということを調査の結果聞いたんですが、そういった意味で、加西の方からは、そんな壇上でぽんと議長が言われたんですけれども、実際に書類としての請願等も出ておりませんので、整備していただきまして、先般請願書も正式に持ってきていただきましたので、これ、いま申しましたような手続が要るものですし、また二十キロの範囲というふうな諸条件もございますものですから、大変困難なる問題も伴うておりますけれども、地元の一人として極力やりたいと思っておりますので、これまた飯田先生の御協力もお願いいたしたい。よろしくお願いいたします。
  150. 飯田忠雄

    飯田分科員 この問題も大変いい御答弁をいただきましてありがとうございました。  それで次の問題に入りますが、時間の都合で質問の順序を変えます。  国道二号線というのがございますが、これが加古川市内に入りまして、交通量が非常に多いので一方通行になっておるわけです。東行きの方の一方通行になりまして、西へ行くのは加古川の市道を利用しております。そこで、その加古川の市道の傷みが大変なので、その修理等で加古川市の財政を圧迫することが大きい、こういう状況を聞いております。それで、こうした問題につきまして、どのような救済策を講じていただけるのか、お伺いをいたします。
  151. 山根孟

    ○山根政府委員 御指摘の点は確かにわかるのでありますが、しかし市町村道の国庫補助事業につきましては、現在逐年増額が図られておりまして、私ども相当の努力をいたしておるところでございますが、現在の予算規模では、やはり改良でありますとか橋梁のかけかえ、そういったところに最重点を置いておりまして、新しく舗装するということについても、実はまだ市町村の要望を満たし得ない現状にある。したがいまして、舗装補修という範疇に入るわけでございますが、このことにつきましては、やはり原則としては単独事業として実施をしていただきたい、かように考えておるところでございます。
  152. 飯田忠雄

    飯田分科員 単独事業として実施するという意味はどういう意味でしょうか。つまり国道を加古川市の方で代行をしておるのですが、それをどういうふうに単独事業でやるのですか。
  153. 山根孟

    ○山根政府委員 これは道路自身はやはり道路網全体として受け持っておるわけでございます。したがいまして、国道にも実はローカルな交通も入っておるといったようなこともあるわけでございます。したがいまして、市町村道に関します改築事業といった点がより重要であり、そちらの方が実は財政上も多額の費用を要する、こういったことで、国庫補助の対象としてはむしろそちらに重点を置いて、維持修繕ということについては、これは市町村にお願いをするということで、全体の道路網の整備水準を上げてまいりたい、かような趣旨からであると考えております。
  154. 飯田忠雄

    飯田分科員 そうしますと、こういうことでしょうか。財政圧迫は知っておるけれども、修理の方は市でやってくれ、そのかわりほかの方で金をめんどう見てやるから、こういうことですか。
  155. 山根孟

    ○山根政府委員 ひとしく市町村道と申しましても、その中には改良あり、舗装あり、橋梁のかけかえがある。したがって、舗装の補修という観点よりは、いま申し上げた点の方がより重要であり、財政上も市町村は問題であるから、そちらに重点が置かれておるということを申し上げたかったわけでございます。
  156. 飯田忠雄

    飯田分科員 これは私お話を聞いていてどうもはっきりせぬのです。恐らく加古川の市長もあなたの説明では聞いてもわからぬと思う、もっとわけのわかるように説明をしていただかぬと。たとえば、この二号線のバイパスの方は加古川市にお世話になるが、そのまま修理の方はやってくれ、そのかわりほかの方でこういう建設があるじゃないか、その方で金を流してやるからどうだと、こういう話ならまだ話がわかる。あなたは何を一体補修してくれるかさっぱりわからない。何ですか、そのほかの方面というのは。
  157. 山根孟

    ○山根政府委員 私のお答えは実は一般論で申し上げたわけでありまして、個々具体の問題につきましては、なおその実態を踏まえてお答えをせざるを得ないと思いますので、直ちにの御答弁は御容赦をいただきたいと思います。
  158. 飯田忠雄

    飯田分科員 それでは、時間の関係でこの問題は預けておきます。  それで、次に一つこういう問題があるのです。地方自治体の市街地道路政策について御指導をなさっておりますね。御指導をなさっておるのですが、その御指導がどうも徹底しないために、住民が非常に迷惑しておる例があります。それは現在、明石市の駅前の整備問題に関連しまして、明石の市道を建設しておりますが、その市道建設が途中までは土地収用法で収用しておりますが、ほんのわずか駅に近いところからとまってしまっているわけです。土地収用法を用いないで減歩式でやろう、こういうことでやっておられるようですが、こうした一つの幹線道路を、市道でありましても幹線道路をつくるに当たりまして、このようにやり方が途中で変わるということは、これはどういうことでしょうか。これについての御指導はどうなっていますか。
  159. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ただいまの御質問は、大久保駅前の駅前土地区画整理事業と、それから街路事業でやっております大久保岩岡線の問題、両方の問題と思いますが……
  160. 飯田忠雄

    飯田分科員 ちょっと説明すると、これはそうじゃなくて、明石市の北の方に大きな団地ができました。その団地と駅を結ぶ広い幹線道路をつくる、それが途中で切れてしまって進まない、それで住民は非常にその問題で迷惑を受けている、こういうことなんです。この御指導を願うのに、そうした幹線道路なんだから土地収用法で収用して実現する、完成させるということをお考えになって御指導願えないかということ。それから駅前の整備の問題は別口にして、そちらはそちらでまた別に御指導願いたいということなんです。
  161. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ただいまの街路事業でございますが、やはり収用権はバックにございますけれども、都市計画事業でございますから、関係の権利者の同意を得るということがまず大前提で、市としては交渉を進めておるわけでございますが、一部の方々の非常に強い反対がありまして、用地買収の交渉は難航しておるというのが実情でございます。ただ、御指摘のように、最後には収用権という問題もございますけれども、一般的に申しましてもそうでございますが、特に都市計画事業は、やはり関係の地域市民の理解の上に成り立っていくべきものでございますから、その辺を踏まえて、事業主体としても、むずかしゅうはございますが、一生懸命説得を続け、理解をしていただくように努力しておるというところのように聞いております。
  162. 飯田忠雄

    飯田分科員 そこで、駅前開発の整備をするためには、これは土地だけではいけませんので、商店の権利もあるだろうし、いろいろ住民の権利がありますから、そういうものに支払う金というものは相当かかるのですよ。それで、そういうものにかかずらわって、ほかの方の幹線道路をつくる問題を絡めておくらせるというのはよろしくないので、道路は道路で別口でつくるように御指導願うことはできないか、こういうことです。つまり、建設省で両方に金を出してやるということです、話をわかりやすくすれば。一遍に出さぬでもいいから、年次を分けて出していただいてもいいのです。先に道路に出すならその次はこっちの方とね。
  163. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 区画整理事業については、御指摘のようにそういう考え方で、五十四年度以降におきましても、街路等の公共施設に充てるための用地、これを一部先買いをするということで、区画整理の減歩の緩和を図って事業促進をしていきたいというふうにいま考えております。そういう点で、区画整理の中の幹線街路が先にでき上がるような方向で、先買いをしてもらうというふうに指導してまいりたいと思います。
  164. 飯田忠雄

    飯田分科員 まだほかに問題がございますが、もう時間が来ましたので、これでやめます。  そこで最後に、きょうは大臣に、積極的に非常にいい御答弁をいただきましたけれども、締めくくりとして、こうした問題につきまして事務当局の御意見を承ったのですが、大臣の御所見を総括的にひとつ承りたい、こう思います。よろしく。
  165. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 同じ地元でございますので、御意見の具体的な内容はよくわかるのでございまして、私も地元のことだけを余りに言うことはいかがか、こう思っておりますけれども、御協力を得まして事業推進のために努力をいたしたい、こういうふうに考えておりますので、御協力をお願い申し上げます。
  166. 飯田忠雄

    飯田分科員 ありがとうございました。これをもって終わります。
  167. 青木正久

    青木主査代理 午後二時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十八分休憩      ————◇—————     午後二時五十九分開議
  168. 藤田義光

    藤田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省所管について質疑を続行いたします。青山丘君。
  169. 青山丘

    青山分科員 最初に、境川水系改修促進についてお尋ねをいたします。  もうすでに御承知のとおり、境川は昭和四十七年七月の豪雨及び昭和五十一年九月の台風十七号で多大な被害をもたらしました。また最近の大幅な上流における工場群の新設並びに住宅開発増大、さらには圃場整備事業の進展で、わずかな降雨でも鉄砲水になる状態であります。     〔主査退席、青木主査代理着席〕 境川は衣浦湾頭の感潮河川でありながら、昭和初期に一時、改修が施行されたのみで、その後、流下堆積した土砂で河川断面は次第に狭められております。このため危険水位を超えて決壊寸前という状態でありますので、降雨時における流出量の増大の対処と地域の安全確保のために今後の抜本的な大改修の見通しをお伺いいたしたいと思います。
  170. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 境川水系につきましては、先生御指摘のように最近の流域の開発と急激な都市化の進展によりまして、これに対応するための治水施設の整備が現在、緊急な課題となっております。  この改修につきましては、四十九年度から中小河川の改修事業によりまして改修を進めておるわけでございます。また支川等につきましても小規模河川あるいは局改等で改修を進めております。逢妻川等を含みます中小河川の境川の改修の計画規模といたしましては現在、長期的には確率百分の一の降雨に対して対応できるように、改修延長、境川本川につきましては二十四キロ、逢妻川につきましては十一キロメートルにつきまして計画をつくっております。当面、五十三年度までの実施状況といたしましては、時間雨量五十ミリに対応するための河道整備というのを当面の目標といたしまして、現在、全体計画に基づく用地買収並びに暫定計画に基づく河道改修ということで鋭意、改修を進めておるという現状でございます。
  171. 青山丘

    青山分科員 境川水系については、すでに愛知県の大府市、豊明市、東郷町、東浦町、いずれも陳情が重ねられております。また洪水時の写真等もお手元に渡っておると思います。ひとつ十分ごらんいただいて実情をつかんでいただいて、今後の対処に当たっていただきたいと思います。  続きまして、愛知県西春日井郡師勝町町内の県道及び都市計画道路、さらには都市下水路事業についてお尋ねをいたします。  県道春日井稲沢線の道路改修についてであります。本道路は春日井市より稲沢市に至る、名古屋北部を東西に通ずる主要地方道であります。順次整備されてまいっておりますが、県道小口名古屋線と国道四十一号線を結ぶ間は、幅員が六・五〇メートルないし八・〇〇メートルときわめて狭く、特に師勝町地内は幅員が狭く、交通量も、午前七時より午後七時までの十二時間観測で一万四千台を記録しております。交通渋滞は終日続いておりまして、歩行者、自転車交通は全くできない状況であります。また本道路の南側、豊山町地内には、これは仮称でありますが名古屋市北部市場が建設中で、昭和五十五年度中には営業が開始されますので、この県道春日井稲沢線よりも搬出入されることは必至と見られております。したがって、大山川、合瀬川、中江川に架橋されている橋梁改築も含めて早急に整備される必要があると考えていますが、建設省のお考えをお尋ねいたします。
  172. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  春日井稲沢線につきましては、いま先生御指摘のように師勝町地内の名鉄犬山線との立体交差処理が実は残っておりますが、それを除きまして一応完成をいたしております。ただ二車線区間を四車化をするという点が今後の課題の一つでございますが、これにつきましては重点的に事業を進めてまいるという方針でおるわけでございます。それから、やはりいま申し上げました名鉄犬山線との立体交差をどうするか。これがやはり交通渋滞の解決に重要な問題でございますので、名鉄で現在、高架化の計画がございます。したがいまして、この地域の方々の御協力を得まして、これがうまくまいりますように私ども努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  173. 青山丘

    青山分科員 名鉄線との交差については、もうすでに前から検討されてきました。そして実は、この問題は将来にわたっても、まだまだなかなか解決されにくい問題も抱えております。ただしかし、いま申し上げましたのは国道四十一号線から県道小口名古屋線の区間、現在片側一車線、いまおっしゃった二車線の道路です。これが非常に交通量が多くて、しかも将来まだ交通量がふえるという状況であります。また歩行者、自転車通行者、非常に危険な中で通行しているのが実情です。そういう実情を踏まえて地元の町では、この区間に対して何とかしなければならない。それには地方財政ではなかなか解決が困難なので国の御理解がいただきたい、こういうことなんです。その辺の御見解をいま少し伺っておきたいと思います。
  174. 山根孟

    ○山根政府委員 御指摘の点は市場その他の関係もありまして、やはり四車線に拡幅をすべき区間であろうというぐあいに考えておりまして、これはぜひとも来年度には何らかの方法で事業を進めてまいらねばならぬという考え方のもとに現在、検討中の段階でございます。
  175. 青山丘

    青山分科員 県道名古屋外環状線の道路改良についてお尋ねいたします。  この道路は師勝町の中央部を南北に、名古屋市より小牧市へと通ずる主要道路であります。昭和五十年度より名師橋の改築や取りつけ道路の整備が行われてきました。そして昨年十一月開通となったものでありますが、その後の改築整備は実は進んでおりません。一方、小牧市内においては、すでに整備完了しておりまして、小牧トラックターミナル及び小牧市、岩倉市よりの自動車交通が激増して、交通量も昼間の十二時間観測で一万台に達してまいりました。師勝町内の道路幅員は約六メートルと非常に狭い。したがって渉滞が続いております。本道路もまた西側にあります県道名古屋江南線と東側の先ほど申し上げた県道小口名古屋線の中間にあって、両道路のバイパスとも言われる主要道路です。実は県当局に対して町は公共事業対象路線に採択されるように再三陳情を重ねてきたのですが、まだ採択されておりません。そこで建設省からの行政指導ということも相まって、ぜひひとつ公共事業対象路線として採択されますように御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  176. 山根孟

    ○山根政府委員 お答えいたします。  師勝町地内の問題でございますが、実は先ほど先生ちょっとお触れになりました土地改良事業との調整問題が残されておるわけでございます。この調整の結果をまちまして私どもとしては最善を尽くしたい、かように考えております。
  177. 青山丘

    青山分科員 これは県のやることだ、県が判断することだという御見解もあるかもしれませんが、建設省として地方自治体が抱えている問題を率直に御理解をいただきたいということでお話しさせていただきました。  それから都市計画道路西春師勝線、現在、役場の北側を東西に結んでいる道路でありますが、五年計画で何とか五十七年までに幅員十六メートルの道路として整備していきたい。いま計画して、すでに五十三年度から取り組まれております。五十四年度に対する建設省の考え方をお伺いしたいと思います。
  178. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 西春師勝線につきましては、五十四年度新規事業として県を通じて要望が出てきております。ただいま検討中でございますが、役場が移転しまして、その関係もあって早くやりたいという御要望のようでございますので、前向きに検討をさせていただきたいと思います。
  179. 青山丘

    青山分科員 実は、師勝町というのは名古屋市のベッドタウンとして最近急激に人口急増している町です。昭和四十年ごろから人口急増が激しくて、したがって基盤整備がどうしても農業を主体として、居住環境の整備が若干立ちおくれてきた、そういう状況でありまして、五十一年度から一部、都市下水路工事に着手してきました。今後、都市計画事業に努力してまいりますが、何といっても財政的には困難な状況でありますので、現在進めております都市下水路事業鹿田下水路について、この下水路も五年計画で整備していきたい。事業費は恐らく三億円くらいはかかるであろうと言われております。国に対して大きな期待を寄せておるのですが、建設省方針、態度をお聞かせいただきたいと思います。
  180. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 鹿田都市下水路は五十一年に都市計画決定をいたしまして、五十三年度に事業認可地域新規事業として採択をしておるわけでございます。総延長千八百メーター、総事業費約五億円ということでございますが、地元の要望を十分しんしゃくしながら、できるだけ早期に完成するように引き続き整備に努めてまいりたいと思います。
  181. 青山丘

    青山分科員 師勝町は終わります。  春日井市の東部に高蔵寺ニュータウンというのができてきております。この春日井市も名古屋のベッドタウンとして近年急激に人口が増加している都市です。このニュータウンを結びまして名鉄小牧線からニュータウンへ、そして国鉄高蔵寺駅まで十六・三キロの新交通システム桃花台線の建設計画があります。この現状と将来取り組んでいかれる姿勢、方針についてお尋ねいたします。
  182. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの新道路交通システム桃花台線でございますが、愛知県が小牧市に計画をしております桃花台ニュータウンに対する公共輸送機関として計画をいたしたものでございまして、一般国道百五十五号等の改築に合わせてインフラ部分を施行いたそう、こういう基本的な考え方のもとに現在、事業を進めておるところでございます。  昭和五十三年度におきましては調査、概略設計、軌道法による認可、都市計画決定の申請準備を行ってきたところでございます。また第三セクターの設立準備も進めまして、第一回の発起人会が昨年十二月六日に開催をされて、資本金の払い込みも一応合意されたという段階になっております。今後、私どもといたしましては都市計画決定、これは都市高速鉄道としての都市計画決定になるわけでございますが、都市計画決定をいたしまして、特許事業としての特許を得まして、施行認可申請という段階を経て、冒頭に申し上げましたインフラ部分の着工を予定をいたしたい、かように考えております。  今後の整備の目標でございますが、桃花台ニュータウンへの入居状況に合わせまして、現在のところ昭和五十八年度を一応予定をいたしておりますが、小牧駅から桃花台ニュータウンまで七・四キロメートルについては、いま申し上げました時期までに間に合ように整備をいたそうという方針のもとで諸準備を進めておる段階でございます。
  183. 青山丘

    青山分科員 春日井地内における国道三百二号線、これは春日井市内においてはわずか五キロぐらいですが、もう一つ国道十九号線バイパスがあります。通過交通量が非常に多い中において、この国道十九号線バイパスが果たしてきた役割りというのはきわめて大きい。勝川町から現在は坂下まで整備されております。さらに、その以東建設計画について、それからもう一点は先ほど申し上げた三百二号線について、お尋ねいたしたいと思います。
  184. 山根孟

    ○山根政府委員 まず一般国道三百二号でございますが、春日井市の関連する区間は国道十九号から二十二号までの北部の区間、東北部の上社から十九号に至る区間でございます。このうち北部区間十九号から二十二号の間八・六キロメートルにつきましては来年度末、五十四年度末に暫定二車線で供用を図る予定を立てております。東北部の区間につきましても用地買収を促進をいたしまして整備を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。  それから十九号の春日井バイパスでございます。五十四年度末には三百二号とあわせまして、バイパスの起点周辺の短い区間でありますが、この区間が問題でございます。その隘路を打開をいたしまして、この起点の付近の供用を図りたい。それから都計道の白山線から以北の部分でございます。当面、西尾地先の現道接続部までの事業を進めることといたしております。それから先の山間部の事業の進め方については、今後の交通量、現道の道路状況等を勘案しながら検討してまいりたい、かように考えております。
  185. 青山丘

    青山分科員 先ほども申し上げましたように春日井市は名古屋のベッドタウンとして本当に近年、人口が急増してまいりまして、この都市の抱えておる問題はたくさんありますが、とりわけ交通問題は深刻です。ぜひ市の意向をよくくんでいただきたいとお願いをしておきます。  もう一つは公共下水道事業なんですが、現在、市内において八カ所、公共下水道を整備していこうということで、きわめて前向きに取り組んできております。しかし何といっても、これも国の方針に負うところが大きいものですから、今後のこの整備の方針についてお聞かせいただきたいと思います。
  186. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 春日井市の下水道計画は、全体計画としまして処理区域千五百二十三ヘクタール、計画処理人口十五万三千二百人ということで、鋭意整備を進めてきておりますが、今年度末に処理面積にしまして約六割弱の八百三十九ヘクタールに処理区域が広がるわけでございます。しかしながら、この地域は人口急増の著しいところであり、なお引き続き大幅な増加が予想されますので、今後も市当局の意向を十分しんしゃくいたしまして、積極的な整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
  187. 青山丘

    青山分科員 次に、半田市の清水北町地内における二百四十七号線道路改良事業の早期完成についてお尋ねします。  半田市市街地通過車両の緩和を図るために、昭和四十二年度から国道二百四十七号線バイパスとして着手してまいりました。一応県道名古屋半田線までは整備されたわけでありますが、これから西へ、いわゆる日本食品化工半田工場前交差点までの六百メートル区間を、知多半島横断道路の完成予定であります五十五年までに完成をしていきたいということで今日まで取り組んできました。ここだけが道路が狭いのです。これを何とか解決していきたいと考えております。  いま一つは、都市計画街路環状線整備事業について、これは長根町、庚申町地内の用地買収、補償をしていきたい、こういうことで、これまで取り組んできましたが、国庫支出金が全体の六五%ぐらいになりますか、国の補助をいただかないとできない事業です。  もう一つは、これも五十三年度と五十四年度の事業ですが、交通安全、いわゆる歩道新設の整備事業です。住吉岩滑新田線わずか四百メートルぐらいですが、五十四年度で完成させたいと考えております。三路線について御見解を承りたいと思います。
  188. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  まず二百四十七号の半田市清水北町の地域の現道拡幅整備の問題でございます。延長六百十メートルでございます。ちょうど人家連檐地域でもありまして鋭意、用地買収及び工事の促進を行っておるわけでございます。私どもといたしましては何とかして五十五年度末には、ひとつ完成をできるように鋭意、事業を進めておるところでございます。  次に、半田市の環状線の整備の問題でございます。これは半田市をちょうど西側の方にぐるっと取り巻いている部分でございます。全体計画としては現在いろいろな観点から検討中でございます。ただ、このうちの半田市のちょうど北東の部分になりますが県営の長根住宅団地が立地をいたしておる、そういったことから、この千百二十メートルの区間につきましては、五十三年度から住宅宅地関連公共施設整備促進事業ということで事業を実施をしておるところでございまして、私どもの心づもりといたしましては、この団地の関連ということもございますので、五十四年度、五十五年度にかけまして、ぜひ事業の促進を図ってまいりたい、かように考えております。  それから、半田市道の交通安全施設の整備でございます。これは自動車交通、自転車、歩行者交通、いずれも大変ふくそうをいたしておるところでございますので、現在、若干の残事業がございますので、五十四年度におきましても引き続き継続して事業を実施いたしまして、五十四年度中にはぜひとも完成を図ってまいりたい、かように考えております。
  189. 青山丘

    青山分科員 知多郡阿久比町地内の県道名古屋半田線の新設であります。これは幅員二十メートル、延長二千メートル、すでに一部用地は買収されておりますので、できるだけひとつ整備を図っていきたい。それから知多郡武豊町の町道山ノ神線道路改良事業、これもできるだけ進めていきたいと考えております。建設省方針を伺いたいと思います。
  190. 山根孟

    ○山根政府委員 まず名古屋半田線でございますが、現在二次改築の計画について検討をいたしております。このうち阿久比町地内につきましては、すでに事業に五十三年度から着手をいたしておりますが、圃場整備事業との進度調整を図りながら、事業を進めてまいりたい、かように考えております。  それから、武豊町であります。山ノ神線につきましては五十二年度以来、事業の促進を図っております。私どもといたしましては、第八次道路整備五カ年計画目標年次でございます五十七年度までにはぜひとも完成させたいという考え方のもとで、事業の促進を図っているところでございます。
  191. 青山丘

    青山分科員 最後に、できるだけ簡単にお尋ねします。  国道二百四十八号線、瀬戸市下半田川町地内、それから国道二百四十八号線、瀬戸市藤四郎町地内二B区間、さらには瀬戸大府線、瀬戸市原山町地内、これは市の事業で進めておるのですが、国の方からもお力添えをいただいてきました水野中線、さらには都計街路菱野線、この整備については、地元の瀬戸市の交通事情の中で非常に大きな意味を持ってくる道路で、整備されてまいりますと市内の各交通機関を結んでいく非常に経済効率の高い道路ですので、できるだけ整備を進めていただきたいと考えておりますが、国の方針と見解をお聞かせいただきたいと思います。簡単でいいです、もう時間がありませんから。
  192. 山根孟

    ○山根政府委員 二百四十八号、瀬戸市につきましては引き続き用地買収を促進いたしまして事業の促進を図ってまいりたい。  なお、水野中線につきましての橋梁でございますが、これは五十四年度には完成させるように事業を進めてまいりたい、かように考えております。
  193. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 都市計画街路菱野線につきましては、五十五年度からは事業主体を県に切りかえるというふうなことで、用地買収を急ぐとともに事業の促進を図りたい。  それから瀬戸大府線でございますが、これも同じく用地買収中でございますが、その促進を図り、事業全体の整備促進を図ってまいりたいと思います。
  194. 青山丘

    青山分科員 ありがとうございます。質問を終わります。
  195. 青木正久

    青木主査代理 次に、島本虎三君。
  196. 島本虎三

    ○島本分科員 これは道路行政と文化財の保存の面とがかち合って、どうにもできない問題について、それぞれの立場から指導性をちょっと伺いたい、こういうように思って、きょうは特に文化庁と建設省こういうような関係でお伺いするわけであります。本来ならば、これは文化庁主体の方がいいのじゃないか、こういうような陰の声もあるのです。しかし、やはりその方面で幾らやっても、らちが明きませんし、最近は少し、ほのぼのとした解決のめどもついてこないわけでもない。いまこの際だ、こう思って、建設省を主体に文化庁がそれを推し進めるような形で、ここで質問をさしてもらいたい、こう思ってきたわけなんであります。  北海道庁が事業主体の都市計画道路でありますあの道道小樽臨港線です。これは事業費は国費が三分の二、道費が三分の一、これは準国道級の幹線道路になるわけです。道路としては、そういうような性質。ところが運河と石造倉庫群の歴史的、文化的価値については、東大の村松貞次郎教授も、小樽の運河と、その周辺の石造倉庫群は長崎、神戸と並ぶ日本近代史を象徴する三大景観の一つである、こういうように言われておるわけなんであります。日本建築学会でも、文化遺産としての価値は高いと評価しているし、文化庁でも相当に評価しているはずであります。この運河を埋め立てて、そして道路にするという案が、いま小樽市当局から出されているのであります。そして文化遺産の価値と今度は道路としての経済的な価値とで、いま争われていること、ここ数年であります。これはやはり大臣としても、こういうような実態はよく知っておられると思うのでありますが、文化庁は知っておるのであります。大臣はこの点、耳にしたことがございますか。
  197. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 寡聞にして今回の御質問をお受けするということで初めて事務当局から聞かされました。
  198. 島本虎三

    ○島本分科員 それでは、これは文化庁、木曽の妻籠宿、それと飛騨の高山、金沢、倉敷、この地域住民と自治体が、こういう場合は手を携えて保存運動に成果を上げてきたわけですね。これは私は評価してもいいと思うのであります。そして、これがきっかけになって昭和五十年には文化財保護法が改正されて、これが歴史的な町並み保存運動にはずみをつけているのがいまの状態だと思います。小樽運河も北海道では数少ない対象と思うのでありますが、これに対して文化庁はどのような指導をしてまいりましたか。いまだに、この問題が争われておって、道路にするのか残すのか、まだどうにも決めかねているというのが現状でありますが、これは文化庁は、数少ない対象物なんですから、指導性は十分に発揮してもいいはずだと思うのであります。文化庁の御意見を聞かしてもらいたいと思います。
  199. 山中昌裕

    ○山中説明員 いま先生からお話がございました妻籠その他は文化財保護法で申しますと重要伝統的建造物群保存地区、こういう形のものでございます。これは一つ一つの施設を文化財として指定するのではなしに、一つ一つの価値あるいは芸術的な価値その他ではなしに、その地域の、たとえば町並みあるいは集落、こういったものが一群として一つの歴史的な価値があるというような場合に、その全体を保存地区として選定するというやり方で保護を行っているものでございます。この場合には、その市民生活に非常にかかわってまいりますので、それぞれ市町村におきまして条例ないしは都市計画の中で、そういう町づくりをしようということを決められたものにつきまして文化庁の方に上がってまいる、それを受けて文化庁の方として選定を行い、必要な助成措置を行うという形で進んでいるものでございます。  小樽の運河をめぐる問題につきましては、すでに建築学会などの指摘もございまして、お話にございましたように数少ない石造倉庫群として貴重なものであるという認識を私どもも持っております。そこで小樽市に対しまして、そういう調査をなさる意図はないかということを、すでに前に申し出たわけでございますが、昨年、市独自において調査するので、しばらく様子を見てほしいということで今日まで様子を見ているものでございます。  具体的に市の内部において、どのような整備を行うか、都市計画をどのようにするかということにつきまして、道路の問題あるいはこういう倉庫群の今後の問題ということをめぐって、まだ市の意見が固まっていない段階であるというふうに承知しております。私どもとしては道の教育委員会とも連絡いたしまして、そういう市内部の、いろいろな市民の意見が対立が余り強くて、こんがらかるというようなことがないように折を見て適当にこじれないように指導して、こちらに連絡してほしいということで見守り続けているところでございます。
  200. 島本虎三

    ○島本分科員 その点はよくわかりました。ただ私どもとしては、一つの文化遺産として運河を控えている倉庫群として、これは相当価値が高いものである、こういう認識はそのとおりなんです。問題は、教育委員会を初め、その問題を受けようとしない、その態度に対する文化庁の指導性というもの、これに対して、ちょっとおかしいのじゃなかろうか、こう私どもは思っております。  この問題に対しては確かに、いまおっしゃったような点があるわけで、日本建築学会の評価は貴重なものだという、これは文化庁としても相当に理解して認めてくれている。しかしながら五十年に改正された文化財保護法、こういうような法律は生きているのでありますから、そういうような場合には、もう少し、動こうとしないその地域の教育長、教育委員会に対して、逃げて歩いている教育長に対して、もっと北海道を通じてでも指導、強力な説得、こういうようなものも文化庁としては当然してもいいのじゃなかろうか。これは下の方の決めるのを百年河清を待つように待っているんだ。これでは少しおとなし過ぎるのじゃありませんか。これがもし破壊されたならば後は、こういうようなものは相当復活が困難でありましょうし、ここ二、三年争われておりますから、そういうようなものに対して、なぜ適確な文化的遺産としての指導ができないのか。これを私どもとしては、その指導性を問いたい。  どうにもできないものなんでしょうか。必要なことであるならば、これはきちっと当然すべきだと思うのでありますけれども、しておらない。そうして任してくれ、何をしたか。商工会議所、倉庫関係の経済的な問題ばかりでやって、これはもう価値がない、こう言わしているのであります。片やそれと反対に文化的価値というものもまた一緒にやって、だから争うのであります。ここできちっするのが文化庁じゃありませんか。そして、その意を受けて建設省も、こういうような重大な一つの道路でありますから、はっきりした決断を下すのじゃございませんでしょうか。そういうようなことからして文化庁の腰が少し弱過ぎはせぬか。それとも保存する価値がない、こう思っておられるのかどうか、これはやはり問題であると思うのであります。この点はいかがでございましょうか。  運河と倉庫群の景観、これは全国に例がないと言われるほど貴重な文化財。これは五十三年六月だったと思いますが、観光資源団という責任者か事務局長を務めておられる西山夘三京都大学教授もここを調べたはずでありまして、その点に対してはきちっと保証されたはずであります。運河を守れという主張の背景には、歴史的な環境それから伝統的な建造物が保存されているその集落、町並み、こういうようなものを計画的に保護していこうとする、こういうような運動だと思っておりますが、それをつぶして埋め立てて道路にしようとするこの動き、これはちょっとおかしいのじゃないかと思うのでありますが、これは指導力の不足か、それとも何かあるのじゃないか、こう思っております。  文化庁、こういうような点きちっとつかんでおりますか。
  201. 山中昌裕

    ○山中説明員 前にも先生から御指摘があった点でございますが、指導の仕方の問題について私ども非常に腐心いたしております。すでに地元の方々、賛否それぞれの方々が私どもの方に意見をお述べになるわけでございますが、そのどちらの方々にも、いま申し上げておりますのは、小樽市の中で地元で、お互いに話し合う場をまず設けて、相互に意見を対立させて外に出すだけではなしに小樽市の中で、そういう話し合いをして解決の方向の糸口をつくることが大事である、これは両方の方々に申し上げているわけでございます。そして、ことに私ども課長が小樽市へ参りましたときに小樽の市長さん、教育長さんにもお目にかかって、やはり小樽市として、賛成の御意見も反対の御意見もあるのであるから、そういうものを一度ひざを突き合わせて話し合ってほしい。まず、そこからが出発点であると考えて、そのことを強くお願いしているわけであります。  先般も北海道の教育委員会の担当課長が私どものところに参りましたときにも、その後の小樽の様子を聞きましたけれども、現在まだ対立の状況が強くて、お互いに一つのテーブルで話し合える状況ではなかなかないようでございます。いつまで、このままにしておくということもよろしくありませんので、北海道の教育委員会としてはテーブルについて話し合える時点、そういう方向で進めるということでタイミングを見て、その機会をつかまえてほしい、そして私どもにも連絡してほしい。そういうことで、まず話し合いの場をつくるきっかけを持ちたい、このようにいま考えているところでございます。
  202. 島本虎三

    ○島本分科員 その点わかりました。  ただ、かつて惜しいものが壊され、いま考えてみると、やはりこの問題だけはどうしても聞いてもらいたかったという悔いが残っているのであります。それは勝内、色内両運河のうちで勝内運河は、いち早く埋め立てられてしまっているのです。ないのであります。そして両岸の倉庫も、もうすでに取り壊されているのであります。ないのであります。そうしますと小樽市では、さらにいま札樽バイパスの出口から国道五号線につなぐ三・六キロの道道小樽臨港線、これをつくるために現在、運河の上流部分約七百メートルを埋め立てよう、こういうような考え、これがいまの問題をはらんでいる計画なんであります。  かつて私どもとしては文化庁に、この問題だけは、もう聞いてもらいたいと思った問題は、同市の文化行政に好ましくない前歴もないわけじゃないということなんであります。と申しますのは、全国的に知られた旧小樽新聞社の社屋、それから旧手宮駅長官舎、この駅長官舎は北海道で初めて鉄道ができたときに、その駅長がそこへ住みついた木造の、格調ありますけれども、これは何というのですか、小さい家なんであります。木造なんであります。それから小樽新聞社の社屋、石川啄木がこの中で勤めて、口角あわを飛ばし議論し、さびしきは小樽の町よ、歌うことなき人の声の荒らさよ、こういうような一句を吐き捨てるようにして旅立っていった、その小樽新聞社屋、こういうようなものは全部取り払われてないのです。そして道路になったり、あるいはまた代替地に使われたりして、ないのであります。この市民の強い保存要望、こういうようなものに耳をかさないで取り払われてしまった。このことであります。  何でも道路をつくればいい、そういうようなものでもないと思うのであります。文化庁は指導性をもう一歩強力に発揮すべきじゃないかと思うのであります。なるほど住民との話し合いの場につかせるということは重要だと思うのであります。そのテーブルにつかせることは大事だと思うのであります。道路の開設許可それの予算も、そうでない限りにおいては慎重にして、文化財の場合は特にそれを考えての指導でなければ、悔いをまた再び残すことになりはせぬか、こういうようなことをおそれるのでありますが、この点、道路の開設許可予算づけも、話し合いができない以上は慎重にする、もちろんこういうような態度だと思うのでありますけれども建設省も、その点はいかがでございますか。
  203. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御意見のとおりに対処してまいりたいと思います。地元における意見の調整を待って街路事業を進めるという基本的な姿勢でまいりたいと思います。
  204. 島本虎三

    ○島本分科員 それならば、さらにもう一つ今度、建設省に伺いたいのでありますが、市の道路計画をつくったときに算定基準、これは大正九年から昭和四十年までの人口増加率を単純に六十五年まで延ばした。そして、この人口から自動車保有台数の将来性予想を割り出したものです。したがって社会的、政治的、経済的要因、これを加味してみると現在やはり修正する必要もあるのじゃないか。もし、それを修正できたならば、やはり波風なく話し合いがつくはずなんであります。そこがやはり今度は建設省としても十分お考え願いたい点であります。  交通体系の構想、確かにこれは交通渋滞地区のバイパス建設、こういうものも一つの方法じゃございませんか。そして、あそこは国道五号線が通っていますから、国道五号線のほかに、もう一本の幹線道路を建設する、これも手じゃございませんか。そして同時に地下道、これの開設も考える、こういうようなことも方法としてあるじゃございませんか。また、市街地へのマイカーの乗り入れ、こういうようなことに対しても、やはりある程度の考慮、制限、これだって考えられないことはないと思うのであります。これはやはり二者択一でないはずなんでありますが、いま二者択一まで行っているようですね。  ですから方法的にも建設省は建設の方法こういうようなことに対して十分指導性を発揮してやってもらわなければだめなんじゃないか。道路建設、建造、こういうようなことになると建設省の方では、やはり一歩高い次元から、いろいろ判断もできるはずであります。そして、こういうものの一つの割り出しの欠陥を、これもはっきり見抜くこともできるはずであります。いま六車線というようなことで問題になっているのでありますから、それから見ると、少しそれを縮めてやったならばやれるのに、わざわざ運河を埋め立てなくてもよろしい、こういうようなところまでいくはずじゃありませんか。六車線を強引に主張するから、現在さほどでもないじゃないかという批判の声、学者の反論がたくさん出ているのであります。やはり、こういうような点は建設省としても十分にお考えの上で指導してもらいたいと思うのでありますが、この点、局長いかがですか。
  205. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ずいぶん古い時代から四十年までの人口統計をもとにして交通量の推定をやっているというお話でございますが、確かに都市計画決定が四十一年でございますから、そういうことだと思います。ただ私どもの方では全国的に三年に一度、全国交通情勢調査をやっているわけでありますが、その結果から見ますと、この都市計画の札幌市全体の交通の配分の一環としての都市計画街路、これはなかなかやはり依然として重要な性格を持っている。  これは御承知かと思うのでありますけれども、国道五号線が町の中心部を通っております。現在二万台の交通量がある。しかも昭和四十一年以降今日までの三年に一遍の交通情勢調査の結果を見ましても、逐次これは急速に交通量がふえておる。町の中へ大変な交通量が入っておるわけでありますから大変な問題でありまして、これをどこかで分散して配分しなきゃいかぬ。その計画の一環でございまして、この街路はそういう意味では、国道五号線、市街地の真ん中を通っている五号線の増加する交通量の一部を受け持つということでございまして、将来構想としましては六車線で五万台の交通量をここでしょい込ませるということからできておるものではございます。  しかしながら、文化財についてのさまざまな御意見が四十八年以降出てきたわけでございまして、先ほど来、文化庁からるる御説明ございましたように、私どもは、そういうものはやはり都市計画の問題でございますから、これはもう申し上げるまでもなく都市計画は、まさに、その市民、都市が主体となりましてまずアクションを起こして決めるというものでございます。建設大臣はあくまで、それに基づいて、認可申請が出てきましたものにつきまして認可を行っていく立場でございますが、なお行政指導としまして、今後の交通情勢の推移等も見ながら、ほかに何らかの方法があるかどうかということはなお検討させていただきたいと思いますが、今日までのところ、どうもほかに方法がない。この文化財の保存と都心部を通る膨大な急増する交通量の処理、この札幌市としての二つの都市問題を市民なり市がどういうふうに受けとめて、どういう解決を図るか、これはまさに挙げて地元の調整にゆだねる以外はないというのが、私どもの現在の考え方でございます。
  206. 島本虎三

    ○島本分科員 その際に、やはり都市交通地区のバイパスを延ばしていく、あそこでとまっていますからバイパスを延ばしていく方法があるわけです。それからもう一つは、国道五号線のほかに、もう一本の幹線道路の建設という方法もあるわけでございます。いま建設省が考えられている点では、一たんこの臨港線の方に入っても、函館方面に抜けていく場合に、また国道五号線に入るわけです。だから市内だけはふくれますけれども、外に出るところのふくそうは何ら緩和されないのであります。したがって、もう一本幹線をつくるということ以外にはないのであります。それと同時にバイパスを延ばしていくことなんであります。この二つが解決方法として考えられるわけでありますが、この点は大臣も十分考えておいて対処してもらいたいと思います。この点、意味はわかっただろうと思うのでありますが、この点を私は強く要請したいと思うのであります。  それで、文化庁もなにですけれども、いま新しい構想が北海道大学の助教授である飯田勝幸さんの手によって、これは建築工学ですが、ここでまとめて、市もこの問題に対して動きつつあるようであります。この際、いままでの失敗を繰り返さないためにも、双方に十分話し合いをさせる。そして先ほどの答弁で札幌とあったのですが、これは小樽です。六車線にこだわらないで、運河の持つ歴史的、景観的な特性を守って、その上で道路を考えるべきだ、私はそういうように思うのであります。建設省も十分その点に留意して今後考えてもらいたいし、代案として私の示した点も十分考えてもらいたい。  それと同時に文化庁でも、いま新しいこういう案が出て、双方を満足させるかどうかわかりません。しかし両方ともテーブルについたようでありますから、もう一回その点を十分話し合いをしなさい。そして、そこで話し合ったならば煮詰まります。一方的にやろうとするから問題になるのでありますから、その点は事態を十分把握して善処してもらいたいと思います。これは両方から御意見を伺いまして、もう時間ですからやめなければならないのでありますが、最後ですから、いい答えを出してください。
  207. 山中昌裕

    ○山中説明員 御示唆いただきましたことを念頭に置きまして前向きに対処してまいりたい、このように考えます。
  208. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御意見を十分参考にさせていただきまして、地元に対しましても積極的にいい解決方法が得られるように協議をしながら指導してまいりたいと考えております。
  209. 島本虎三

    ○島本分科員 文化庁は、文化財保護法のもとで適確なる運営を図ってもらいたいことを再度私は要請いたしまして、これで終わります。どうもありがとうございました。
  210. 青木正久

    青木主査代理 次に、馬場猪太郎君。
  211. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 都市における道路と鉄道との連続立体交差に関する協定に基づいての問題をお尋ねいたしたいと思います。  この協定に基づいて全国の都市の立体化がずいぶん促進されたと思いますが、特に大阪におけるいままでの実績と補助額、そういったものについてお教えをいただき、それから進捗状況をお教えいただきたいと思います。
  212. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 大阪府下におきましては、連続立体交差を現在十カ所施行中でございまして、全国で最も数が多い府県だと思います。十カ所の総延長三十四キロ、それから鉄道及び街路両方の事業を合算しました総事業費千四百七十二億円、五十二年度までの実施額同じく鉄道、街路を合算しまして四百五十八億四千三百万、進捗率三七・五%でございます。
  213. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 これに対して私鉄側は幾ら負担しておりますか。
  214. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 これは協定によりまして七%でございます。ただし、純粋に鉄道側だけの線増その他のものは、これは別でございます。
  215. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 総額幾らになりますか。
  216. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ただいまの共用部分といいますか、共同で分担する部分でございますが、街路の部分が千百七十五億八千万円でございまして、その差額でございますから約二百九十億くらいと思います。これが鉄道の持ち分でございます。  ちょっと失礼いたしました。それからもう一つ、先ほど七%と申しましたのは私鉄の場合でございまして、国鉄の場合は一〇%が鉄道側負担でございます。
  217. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 いま言われた軌道法とか地方鉄道が七%で国鉄の場合が一〇%、ということは、九〇%ないし九三%が公共負担ですね。非常に有利だと思うのですが、これが本当に、たとえば私鉄運賃等の値上げ等にこういうずいぶん助成率の高いものがどの程度計算されておるか。余り運賃値上げのときなんかには加算しておらないようなんです。ですからこれは、一般的にほかの事業の補助率を考えますとずいぶん手厚い補助だと思うのです。それに対して、四十四年当時といまというのはまたずいぶん違うと思うのですが、改定をするとか、何らかのそういったような新しい考えはお持ちではございませんか。大臣、こういう実績とか事実は御存じでしょうね。それで、改定するというような考え方をお持ちじゃございませんか。
  218. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 全般的な負担あり方ということについては承知しております。具体的な、大阪につきましては本日の質問で聞いたとおりでございますが、現在のところ、これを運賃その他のなにによりまして改定するとか、そういったことはまだ検討いたしておらないのでございます。
  219. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御承知かと思いますけれども、念のためにちょっと申し上げますと、連続立体をやります場合には、実は鉄道の方は非常にメリットがあるわけです。踏切が除却されます。しかし同時に、街路側としましても、従来平面交差であったものが、これが除却されるという意味で非常なプラスになる。そういった両方にメリットがあるわけでございます。そこで、鉄道側の受益、街路側の受益というふうなものをいろいろ議論をしまして、運輸省建設省が折衝の結果、先ほど申し上げましたような負担区分になっておるわけでございまして、鉄道に街路の方から補助をしておるわけではございません。この街路事業分の九〇ないし九三%分、これは街路事業でございますから、通常の街路事業と同じく三分の二の補助で自治体に対して補助しておるということでございまして、鉄道に対して補助をしておるわけではございません。  また、運賃の問題は、私ども所管でございませんが、私ども運輸省あたりから聞いておる限りにおきましては、非常に経営が苦しいので、その辺も考えて、まあこのくらいの負担を街路の方でしてくれ、これくらいしてもらわないと、もっとどんどん値上げをしなければならない、そういうこともあるので、というようなことを言われて、こういうふうに決まったように聞いております。
  220. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 その九三%ないし九〇%が公共側負担になった理論的な根拠というのはどういうことでしょうか。
  221. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 単独立体についてまず申し上げますと、これが基礎になりまして、それを基礎にして先ほど申し上げましたような別途の配慮をしていまのような負担になっておるわけであります。したがって連続立体に直ちに当てはまるわけではございませんが、その基礎になっておるところの単独立体についての分担の考え方、これは列車の運行回数、それから踏切の遮断時間、それから当該踏切を通る自動車の交通量、そういうふうなものを基礎にしまして、道路側、鉄道側のこれが除却された場合のメリットというものを換算しまして、それをまたさらに単純化しまして負担区分を決めておるわけでございます。これはもうずいぶん昔、鉄道省、内務省時代からありました。この連続立体というものは新しいものでありまして、この議論が始まりました十年ぐらい前でございますけれども、そのときに、昔からあるところの単独立体の考え方を基礎にして両省で議論を展開しました結果、いま申し上げましたようなさらに理論的な部分に対するプラスアルファの要素、すなわち鉄道がだんだんふところが苦しい、運賃値上げの問題もある、一方、その原因になっておるのは、車がどんどんふえて、その車のガソリンで道路をどんどんつくる、ますます車がふえる、そのために鉄道の荷物もお客もどんどん減っていく、これはちょっと私どもは必ずしもそうだとは思いませんけれども、そういうふうなこともあって、間接的に鉄道赤字の原因は道路にもあるのだからというようなこともこれあり、そこで相当プラスアルファ分を加味したもので持ってくれというようなことで、今日のような負担区分になっておるというように聞いております。
  222. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 一般的に、いま言われた運行回数だとか踏切の交通量だとか、漠然とわかるのですが、なぜ九三%になって、なぜ九〇%になったのか、そこらのところ、どうも納得ができないのですね。
  223. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 いま手元に詳細な資料を持ってきておりませんので、やや細かい点で正確さを欠くかと思いますけれども運輸省建設省の交渉事で決まったものでございますから、もとになったスタート時点では、先ほど申し上げましたように相当理論的なところから出発しておる。これは計算式がございます。ここに持ってきておりませんが、しかし最後に九〇とか九三になったのは、これはやはりいろいろ国会の諸先生も間に調整にお入りになったように聞いておりますが、いわば政治的と申しますか、えいやっというところで決まったのだというふうに思います。
  224. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 えいやっという決まり方はいいかげんな決まり方だと思うのですね。さっき言われたような交通量とか自動車の台数だとかいいますと、踏切ごとにみんな違うはずですよ。それに全部画一的にやっている。たとえば大阪の中でも、万博関連でやりました石橋のところが約十三億やっていますが、これが七%きっちり。これは運建協定がないときですよ。それから近鉄の中央環状線も同じ七%。これは四十二年、三年ごろ同じにやっているのですよ。ずっと計数合わせをやったような感じがするのですね。ですから、どうもほかの補助率と比較しまして非常に手厚い——それはいいことだと思いますよ、高速交通、高速鉄道をどんどん増置したらいいことだと思いますが、非常に手厚い助成をなさった限りにおいては、ただ単に計数的な問題じゃなしに政治的なと言われたところが問題じゃないかと思うのですね。いま現在でも各地で、さっき言われたように三十四キロですか、やっているわけですから、それぞれ実態が皆違うのに画一的に適用されているのでしょう。ですから、それだけの手厚い助成があったらあるだけに、地域に対してももっと何かあっていいのじゃないかと思うのですが、その点ひとつお願いいたします。
  225. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 手厚いとおっしゃる点は確かにそういう点があるかもしれませんが、ただこれは決まったことでございますから、私もこの協定の締結の最後の詰めの段階では担当課長をやっておりまして、まさに先生御指摘のような議論を主張しまして、そこで、これだけ街路側で持つのだから、でき上がった高架下につきましては、鉄道の方で駅の事務室とかあるいは保線区の事務所だとか、それぞれの方で使ってきたものをそのまま入れるのはやむを得ない、しかしそれ以外のところは原則的に都市施設として、公園なりあるいは自転車置き場なり何なり、あるいは街路の敷地にするなり、そういう都市側の公共施設用地に提供すべきであるということを私どもいろいろ主張しまして、これまた非常に甘いじゃないかとおしかりをこうむるかもしれませんが、現在のような形で、少なくとも使い方としましては、原則的にそういう姿勢で鉄道側と道路側で相談して決めるということにはなったような次第でございます。
  226. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 いまそう言われるけれども運輸省建設省の協定をなさった時分はむしろ道路側の理由が多かったわけですよ。鉄道側は別に上げる理由はないんです。一つは万博関連ということです。あの当時、期日までに間に合わさなければならぬという非常に切迫したあれがあったためにやむなく政治的に譲ったという面があるんですよ。期日までに高架化しないことには交通量がさばけないという面があったんです。そうすると鉄道側、道路側といっても、道路側が大幅に譲ったという経過があるんです。  それはそれでいいとして、それじゃそれだけのことを、地域にもっとメリットのあるようなことを、たとえばこの協定の中でも、細目協定の中に一〇%をめどとしてというような意味がありますね。補助率は九三%ないし九〇%出しながら、地元が一〇%しか利用できない。これは非常に不公平じゃないかと思うのです。中央でも東京都が五〇%ぐらい使わせろという要請が出ておるそうですが、これはもっともな主張だと思うのです。そういう点がバランスに欠けてはおりませんでしょうかということなんです。
  227. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 正確に申し上げますと、必ずしも万博だけではございません。モータリゼーションが非常に急激に伸びまして、全国どこでも都市部ではあかずの踏切が続出した。道路側としてはこれを何とかしなくちゃならぬ。鉄道はもうすでに斜陽化しておりましてやってくれない。やむを得ずという点があったわけでございまして、万博のみではございません。その辺は御理解願います。  それから一〇%の問題でございますけれども、これは一〇%以上は使わせないということではございません。先ほど申し上げましたように公共の用に供する施設をこの高架下に設置しようとするときは、鉄道事業者は鉄道事業として支障がない限りは優先的にこれを認めるということを決めたわけでございます。一〇%と申しますのは、その場合に貸し付け可能面積の全体の一割相当分は、これは公租公課相当額という程度の使用料でよろしい。しかしながら、それを超える部分につきましては、鉄道側の決めておりますところのそういう場合の賃貸料の基準がございますので、それに従って賃貸料を払ってくれ、ちょっと高いのを払ってくれということでございまして、これは使い方としましては一割以上使わせないということではございませんので、御理解をいただきたいと思います。
  228. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 それはよくわかるんです。それはわかっているんですが、やはり一〇%というめどを決められている限り、それが根拠になるんです。  その前に、いま言われたのは、私は大阪の例を申し上げたから万博関連で期日までに間に合わせなければならなかったということを申し上げたのであって、ほかの府県のことは知りません。それは一般的にいろいろあったと思います。ただし、大阪の例を見ていますと、期日に迫られて、結果的にはずいぶん手厚い助成が強いられたような形になったという経過がよくわかりますので、そうするとそのわりに他の利用部分については認めてないんだから、考え直す必要はないでしょうかということを申し上げたんです。  大臣、こんなに九三%ないし九〇%も助成を出しているというのは例が少ないと思うのですが、公平を欠くとは思いませんか。それに対して、いまのところ大体使うのは一〇%ぐらいしかないというのは、一般論としてで結構ですが、公平を欠くようにはお思いになりませんか。
  229. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 最初から両方が同時に建設するという姿であれば非常に公平を欠くものだ。一応鉄道が走っておった、そこへ道路が非常に自動車でふくそうしていった、あかない、たまたま鉄道の方は赤字になっておる、そういった既設権の背景というものもあって、私は両省で話し合いの上でそういうふうな割合で決められた、このように思います。私も、連続立体ではございません、田舎でございますから単独立体交差で、いろいろ鉄道側と地元側とに立ちまして交渉いたしました。そのたびごとに割合でいろいろ問題が起こっておりましたのを、全般的に両者におきまして話し合いの上で決めたということでございまして、まあやむを得なかったのではなかろうかと、そんな感じがいたしております。
  230. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 そうすると、東京都あたりが半分ぐらい使わせろというのはむちゃ言うとるということになりますが、そうですか。
  231. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 いまのは建設に対するものでございまして、その高架下の利用というものに対しましては、いま御指摘のようにそれだけ手厚いものを建設の方で持たしていただいているんですから、鉄道そのものが必要な場合はなにですけれども、それ以外のものは建設の方にも利用するように話し合いで使わせていただく、これは当然であると思います。
  232. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 それで、実際にいままでに高架下利用の実績、大体何%ぐらいになっていますでしょうか。
  233. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 はなはだ遺憾ながら、おおむね全国平均で一〇%程度公共施設に使っておるという程度にすぎないという状況のようでございます。
  234. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 ということは、やっぱり一〇%以上何ぼやってもいいですよ、交渉次第ですよということになっておっても、現実は一〇%ですね。一つはそれは利用しようにもしにくいところもあるでしょうけれども、少なくとも大阪のような都市周辺、都市の中心部あたりではそんなところはないんです。もうそれこそ東京のように五〇%ぐらい使いたいというところはたくさんあるんですがね。現実にはこの協定、細目協定があるために、私鉄側にとってみたらやっぱり一〇%という一つの防波堤があるじゃないか。たとえば私は京阪ですけれども、京阪と私は個人的に話をいたしますと、それはもう社会的な使命も電鉄側もあるんだ、お客さんのサービスという立場からも、公共利用以外にも自転車の置き場だとかあるいは交番の要請だとか迷い子の保護だとか、そんなことも必要なんです、私は二〇%なり二五%なり、御要望どおりひとつ高架下利用をしたいと思うんですがということはわかります。これはまた京阪だけではありません。近鉄もそのように言います。そしてまた南海もそのように言います。ところが、やっぱりこの細目協定があることが盾にとられて、結果的には一〇%に終わってしまっておるという結果があるわけですから、そこをやはり盾にとられたくない。それはもう一つは、やっぱり民鉄協会同士の中でどこそこが先鞭を切って、一〇%が二〇%になった、三〇%になった、そこがやはり他の会社からいろいろと批判を受けるようなことにもなって、実情はわかりながら、そう踏み切れない面が多分にあるということは、これは局長よく御存じのとおりだと思うんですよ。そういう意味で、高架下利用については何らかの形でもっと前向きで——みんな気持ちないのなら別ですよ、九三%に対してたった一〇%というのはちょっと不合理だとみんな思っているわけです。いま大臣も、この辺は公平を欠くというような感覚のことをおっしゃいました、その点は。ですから、本当はもっと余地があるんだけれどもできないんだから、その余地をもう少し生かせるようにという、そのために協定というのは変えられないものでしょうか。
  235. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 協定で決めておりますのは、一〇%までのものは使用料についての一つの線引きでございますが、昨今の国鉄、私鉄の経営状況等々から見ますと、これをもっと安い部分を広げろというのはなかなかむずかしい問題であるとは思いますけれども、その辺も含めまして、しかし基本的に、利用価値の非常に高いところが多いわけでございますから、利用料の問題は仮に話がつかないとしましても、もっと公共施設に必要な部分は、鉄道に必要な部分を除いては原則的に公共サイドで使うようにもっと強く積極的にやれ、交渉しろということを自治体側にも強力に指導したいと思いますし、また国鉄、私鉄含めまして、運輸省の方にも、並行しましてそういうふうなことは私どもの方からも強く折衝をしてまいりたいと思います。
  236. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 さっきも申されましたように、進捗率三七%ということは、徐々にもう高架下を利用しなければならぬ時期が来ておりますね。現に私どもの周辺を見ても、ショッピングセンターをつくったり、そういう計画がどんどん進んでおります。そこで、やはり市側あるいは地元側、そしてまた電鉄側とが、これをめぐって、いや二〇%だ、二五%だ、いややっぱり一〇%だということで、現実に非常におくれておるのですね。ここの線が早く解決つけば基本計画が立てられるわけですから。それはそうでしょう、ショッピングセンターをつくるのに二〇%と一〇%と大いに違いますから、全体計画が立ちませんね。そういう意味で、ただ単なる指導じゃなしに、この協定の部分で大抵ここをやはり根拠にされるのですね。現実にそうだと思うのです。大阪府あたりにも私は申し入れをいたしましたけれども、実際には大阪市も民鉄協会の個々には当たるけれども、民鉄協会の協議の中には参加することはできないものですから、だれだって経営者側としてみたら、自分のところの勝手に使える利用部分が減っていくことを積極的に自分から言い出すばかはありませんからね。進まないのです。これはもう御理解いただけると思うのです。そうすると、ここの部分を何らかの形で表現を変えていただくなり、ただ単なる指導だけじゃなしに、もっと具体的に、民鉄協会も気持ちがあるのだから、その気持ちを無理やりというのじゃないのですから変えられるような余地、こういうものをつくり変えていただくという、そういうお気持ちはございませんか。
  237. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 この細目協定におきましては「地方公共団体等が公共の用に供する施設を設置しようとするときは、鉄道事業者は支障のない限り協議に応ずべきこと」ということになっておりますので、これはこれで十分足りている。ただ、鉄道側が支障がないのに応じないとか、あるいは地方団体の方が「公共の用に供する」というところについての説明が非常に不十分なのか、その辺のところはあるいは問題があろうかと思います。  それから、たとえばショッピングセンター等に使う場合でございますけれども、実は鉄道側は非常に手なれておりまして、いわゆる第三セクターを設置しまして非常にきちんとした形でこういうものをやっておりますが、どうもこういうものをやるのに大体市あたりは、そういうことについては率直に申しまして国鉄、私鉄よりもはるかにふなれで立ちおくれておる。このために、いろいろな個別の利害の調整に振り回されて、なかなかこれがうまくできないというようなこと。それから、何と申しましてもやはり個々の市よりも、大きな市は別としましても、やはり天下の国鉄あるいは大私鉄というようなものが出てきますと、この方がなれてもおるし、信頼もされておる。そこで、いろいろな利害も、商店街に入るテナントなどの調整その他も非常にうまくやるというふうな問題もあるようには聞いてはおりますが、しかし基本の姿勢としましては、こういう「支障のない限り協議に応ずべきこと」ということを決めておるわけでございますから、これをひとつ鉄道側にもさらに強力に私どもが折衝をし、自治体にも遠慮しないできちんとした計画をつくってどんどんやれというふうに実は指導していきたいと思います。
  238. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 局長の言われること、よくわかるのですよ。でも地元私鉄と自治体との間に相互利害関係がずいぶんありますよ。そうすると、自治体として言えないということは結局これを根拠にとられたということ。ほかの事情がいろいろあって、譲ったり譲られたりあるのです。でもやはり断る側にすれば、これを根拠にとりますね。そうすると言葉の上で幾ら指導されても、これを根拠にとられて、協議をせいと言われてもなかなか言えない面があるのですよ。ですから、ここの表現一〇%というところを、たとえば二〇%になればいいですけれども、そうじゃなしにパーセンテージをあらわさずに、もっと実情に即してとかなんとか言っていただければ。これは地方の大都会でないところはそんな切実なものは感じないでしょう。いま地元の自治体側が説明不足な点もあると言われるけれども、そんなこと説明するまでもなしに、自転車だけでも五〇%なければだめですよ。それはもう鉄道が知っていますよ、自治体も知っていますよ。説明する必要はないのです。知っておるけれども結局これを根拠にして、まあまあそうは言うけれども、何々市さん、ひとつ枚方市さん、守口市さんも、これでしんぼうしてください、こういうふうになっておるのだ、こう言われるのです。そういう根拠にされているから、私は、これを変えていただかなければ幾ら指導されても実際の問題として進みませんよということなんです。だから、ここを何とか表現を変えて、ただ単なる指導だけではなしに、そんなにこの協定を変えるということはむずかしいことなんですか。
  239. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 率直に申しまして、これは運輸、建設両省間で大変厄介な交渉をずいぶんやりましてようやく妥結したものでございますので、なかなかむずかしいと思います。ただしかし、自治体側が非常に弱い立場で、これはここに一〇とかなんとか書いてあるために押されっぱなしであるというふうなことをほっておくわけにはいかぬと思いますので、これを改定するのがいいかどうかは別としまして、その問題も含めましてほかにまだ方法がないか、単なる行政指導といいましてもいろいろございますので、口先で指導すると言うことのみならず、何らかの形で自治体側の体制をバックできるような形がとり得ないかどうかということについて、まじめに積極的に検討をさせていただきたいと思います。
  240. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 なかなかずばり言っていただけない事情もわかります。しかし、道路局側あるいは都市側にとっては、これはむしろ積極的に進めたい側なんでしょう。しかし、この協定の中でも五十一年に現に側道については簡単に妥協していらっしゃるのですよ。私鉄側にとってみたら、側道が二・七何メートルというか五・何メートルというと、これはそれだけ用地買収費が多く要るわけですからね。簡単に応じていらっしゃるのですよ。私鉄側が相当費用もかかることであっても、三者協定を五十一年に改定していらっしゃるのですよ。そうしたら、そんなにこだわることじゃないと思うのですよ。簡単に改定できるんじゃないですか。
  241. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 その点だけ御指摘になられますと、そのとおりでございますが、ただ全般の背景も御理解願いたいと思うのです。すなわち、昨今鉄道が非常に苦しいということで道路整備の特定財源をこれを一部鉄道の方へ回せというふうな構想がいろいろ出てきておるわけでございまして、私どもはそういうふうな考え方に対しまして、これは事柄の性質上そういうわけにはまいらない、ただしかし、鉄道に道路側から協力できる場合にはできるだけ御協力を申し上げておるという、基本的にそういう考え方でやってきておるわけでありまして、いまの側道云々のような問題も、実はそのような全般的な背景のもとに、そこら辺を見ますと譲ったように見えますけれども、むしろ、元金の方をごっぽりよこせとこういうお話についてはとてもいただけない、できることでは個別に対応してお手伝いをしますという姿勢でやってきておりますので、その辺をひとつ御理解願います。
  242. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 もう時間が来ましたので重ねては申しませんけれども、私鉄に対するのと国鉄に対するのとはやはりちょっとずつ違う面があると思います。国鉄の場合だったらほとんど大阪市内なんか、そんなこと言ってみても無理な点があります。私鉄の状況も違うわけですから、何とかここで、これを根拠にとられないでスムーズに進めるように、先ほどから何遍も言いますように、もういま直ちに計画を立てなければいけないところはずいぶんあるのです。近鉄、南海、阪神、阪急、京阪、全部同じような条件のところがずいぶんあるのです。これが決まらないものだから計画がずるずるおくれる。そうすると、地域の商店街もいろいろと支障を来している面もあるわけですから、重ねてひとつ決意等を込めて大臣からも御返事をいただきたいと思います。
  243. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 先に私から申し上げます。  高架下の利用につきましては、関係地元の地方団体の意向を十分にくんで、これが活用できるように、鉄道側に対しましても自治体側に対しましても、何らかの形でこれがバックアップできるように検討を進めてまいりたいと思います。
  244. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 いま局長が答えたとおりでございまして、特に私鉄側についてのいまのよき御示唆を賜りました。十分検討いたします。
  245. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)分科員 終わります。
  246. 青木正久

    青木主査代理 次に、三谷秀治君。
  247. 三谷秀治

    三谷分科員 私がお尋ねしたいのは、最近自治体が管理しております屎尿処理場におきましても、オーバーワークのために排水基準に達しない屎尿が河川に排出されておるという事態がございます。これはまた別の場所でお尋ねをする予定でおりますが、きょうここでお尋ねをしますのは、コミプラ、地域屎尿処理施設における基準違反がかなり広範囲に生じてきておるという事例がございます。  大阪府が水質汚濁防止法及び瀬戸内海環境保全臨時措置法並びに府公害防止条例によりまして実施した屎尿処理場の検査の結果、非常に高率の違反処理場が明らかになっておる。まあ処理場と申しましても、これはいわゆるコミュニティープラントでありますが……。違反内容を見てみますと、五百一人槽以上のコミプラの場合ですと、昭和五十二年度で五百一人から二千人槽で見ますと、これは九十二施設のうち基準不適合が三十八になっております。二千一人から四千人槽で見ますと、これは検査しました施設が二十七でありますが、五施設が基準不適合になっておる。四千人以上の槽で見ますと、二十二施設を調べましたが、六施設が不適合になっております。合計しますと、百四十一施設中四十九施設が排水基準に適合しないという結果が出てきております。これは大阪府の検査の結果でございます。  こういう事態につきまして、厚生省あるいは環境庁などは実態を把握されておりますかどうか。把握されておりますならば、この対策はどうお考えになっておるのか。あわせて建設省方針もお聞きしたいと思います。
  248. 森下忠幸

    ○森下説明員 お答えいたします。  コミュニティープラントと呼ばれる公団等の団地でございますけれども、大体五百一人槽以上ということになりますと、技術管理者を置かなければならぬということで、維持管理も大体良好ではないかと思っておったわけでございます。しかし、これより小さいもの、お尋ねにはございませんけれども、小さいものは格別専門家を置かなくてもよろしいということで、あるいは管理が行き届いていないのではないかということで、私ども五十年度に調査をいたしました。これは一道六県に委託いたしまして、それぞれの県の中からランダムに拾ったわけでございますけれども、そういう調査をいたしましたところ、大きいもの、小さいもの合わせまして三一%ほどが不合格であったということでございます。そのうち、お尋ねの大きなもの、五百一人槽以上のような大きなものにつきまして、これは合併処理と言っておりまして、屎尿と雑排水と一緒に処理しておりますけれども、こういうものにつきましては、私どもの調査では一三%が不合格というふうな結果でございました。  こういったものについて今後どうするかということでございますが、厚生省の方は維持管理部門だけを所管しておりますものですから、この維持管理部門について強化をしなければならぬということで、昨年厚生省施行規則の一部改正をいたしまして、浄化槽の小さなものについても、公的機関あるいは厚生大臣の指定する機関によって年に一回以上の検査をしなければならぬという改正をいたしまして、これが五十五年の一月から施行になるものですから、その間そういった体制の整備にいま全力を上げているところでございます。
  249. 島田隆志

    ○島田説明員 ただいま先生から御指摘ございました浄化槽のうち、五百一人槽以上につきましては水質汚濁防止法の特定施設になっておりまして、排水基準が適用されておるわけでございます。いわゆる排水基準の監視につきましては都道府県あるいは政令市に権限を委任しておりまして、県あるいは政令市がその監視状況についてチェックをやっているわけでございます。  いま先生から御指摘ございましたように、遺憾ながら、一部そういう違反の状態であるというようなものがあるわけでございます。いま厚生省の方から話がございましたように、浄化槽につきましては、構造基準は一応建設省の建築基準法、あるいは維持管理基準につきましては厚生省の方の廃棄物法の体系で見る、またさらに、水質汚濁防止法の中で排水規定をかけるというような、三者が相まってその辺管理を徹底して排水基準を守っていこうということでございますので、いままでも三省庁との十分な連絡をとりながらこの問題にどう対応するかということを検討しているわけでございますが、今後とも十分検討してまいりますし、また、都道府県あるいは政令市に対しましては、立入検査等の監視の強化ということを今後とも指導してまいりたいということで考えております。
  250. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 建設省は二つ立場がございまして、一つは、すべての新設の屎尿浄化槽につきまして構造的に十分機能を発揮するような構造として監視する立場と、それからもう一つは、公的住宅団地について水質基準に合うような改修を進めるという二つの立場がございますが、いずれにいたしましても努力を重ねてまいりたいというように考えております。
  251. 三谷秀治

    三谷分科員 努力とかなんとかいう一般的な、どこでも通用する話をしてもらっては困るのです。具体の事例を挙げて申し上げているわけですから、問題は差し迫った問題になっているわけですから、具体の方針を示さずに努力するとおっしゃる、そういう答弁の仕方は実に不親切なのですよ。  それで、いまのお答えを聞きまして、環境庁の方の調査は環境庁が直接おやりになったわけですか。委託しておやりになったわけですか。これを一つお尋ねしたいのと、それから、御承知のように、環境庁は従来から二十五万以上の市に対して立入検査を委託されておるわけでありますが、その委託されております市町村の屎尿処理場が排水基準をオーバーしているという事態になってきている。ですから、本当に検査をしますと、自分のところの処理場が水質汚濁防止法の環境基準に反するという結果になってくるわけでありますから、もしもそういうものに検査を依頼してお出しになった数字ですと、これはやはり正確を欠いてくるということが言えるわけですが、その点はどうでしょうか。  それから、建設省の方へお尋ねしたいのは、大阪府ですが、この違反施設のうち、届け出施設二百二十三、五七%が共同住宅のコミプラの基準違反になっておるわけです。ですから、これは特に建設省監督責任と申しますか、そもそも建築基準に伴う処置が果たして妥当であったかどうかという問題になってくるわけであります。  五十二年度で、共同住宅百二十八団地のうち、八十五回の採水検査を行いましたが、基準違反が二十六団地に見られております。五十三年四月から十二月まででは、六十九団地の採水検査のうち十五団地が違反をしております。これは断っておきますけれども、いま検査を委託されております大阪で申しますと八市が抜けておりますよ。これは市が検査する権限を持っておりますから、その分をのけまして、大阪府が直接検査する権限を持っている場所におきましてそういう状態になってきておるということでございます。  これを公営の団地と民間の団地で見ますと、公営団地では四十六団地のうち違反が五十二年で七団地、五十三年の十二月まで三団地、こういう結果になっております。民間では八十二団地のうち五十二年度で十九団地の違反、五十三年の十二月までで十二団地が違反民間の方が相対的には多いわけでありますが、こういう結果が出ておるのであります。こういう結果について、先ほどの環境庁の検査のデータというものが、私どもから見ますとどうも合点がいきません。これは市町村の違反でも、千葉県、埼玉県、大阪府、私は三県しか調べておりませんが、この調査を見ましても、三県平均で三八%の屎尿処理場が排水基準に反しておるという結果が出ておるわけでありますから、いまお述べになりました数字というものはやや正確を欠いておるという考え方を私は持っております。ですから、環境庁が直接検査をされましたのかどうか、これをいまお尋ねしたわけでありますが、これが一つ。  それから、それに対して、こういう実態についてどういう対策をお持ちなのか。いろいろ努力されておる、検討されておるそうでありますが、どういう具体の処置をとっていこうとされておるのか、これを知らしてもらわぬと、単に努力をしますというだけですとこれは何も具体の質疑に対するものじゃありませんから、その点についてお答えをいただきたいと思うのです。
  252. 島田隆志

    ○島田説明員 お答えいたします。  ただいま水質汚濁防止法第二十二条によりまして、都道府県知事が工場等の排水基準の遵守状況等々を立入検査することができることになっておりまして、これは直接環境庁がやるのではございませんで、県知事の権限で県知事がやる。その中で、先生御指摘がございました特定の市につきまして、現在大体二十五万人以上の市を、水質汚濁防止法第二十八条によりまして、政令で政令市の長に権限を委譲することができることになっておりまして、そういう政令市につきましては、工場等の立入検査あるいはいろいろな特定施設の届け出だとか、そういうものにつきまして水質汚濁防止法で県知事の権限を移管しておるわけでございます。したがいまして、いろいろな監視、指導等につきましては直接環境庁がやるのではございませんので、政令市なり県知事がやっていくという状況でございます。  それから、では具体的にどういうことで対応しておるかということでございますが、水質汚濁防止法の中で立入検査をやりました場合、改善を要する基準違反あるいは違反のおそれがある場合につきましては、期限を定めまして、改善命令をかけて個々具体的に施設の改善をやらしていく、あるいは物によりますが、いろいろなそういう行政指導で終わる場合もございますし、法律に基づいて改善命令をして改善させるというようなもの個々ばらばらでございますが、法のシステムとしてはそういうことになっておるわけでございます。
  253. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 先生の御調査の内容、私どもつまびらかにいたしませんが、問題は二つあると思います。こういった水質汚濁防止法の施行以後に新設された浄化槽、それ以前の規格に合わない浄化槽と二つあろうかと思います。どちらがどういう数字になっているか私ちょっとわかりませんが、少なくとも私どもはその法施行後のものにつきまして——新設のものにつきましてはそう問題はないのじゃないかというような判断をしております。問題はそれ以前のものでございますが、これにつきましては公的住宅につきましてはそれぞれいろいろな予算措置をとりまして、現在いろいろ改修を進めているところでございます。
  254. 三谷秀治

    三谷分科員 公的なものと民間のものとありますから、民間の方の対策も必要になってくるわけですが、おっしゃいますように問題が二つあると思うのです。  一つは、コミプラの建設基準法に基づく構造基準が適正かどうかということです。これは一つの問題だと思うのです。そうして、廃棄物処理法によります施設管理が十分になされておるかどうかということです。これが一つであります。ですから、建設省にお尋ねしたいのは第一の構造基準についてでありますが、建設省はこの問題点を改善するために、五十年以降におきましては団地群については構造上安定した処置を行う対策として調整槽の設置を義務づけられました。つまり、朝夕ごく限られた時間に排出されるものを調整をして、常時一定の分量が平均的に消化されるという指導をされておるのでございます。そこでこの点につきましては若干の効果があることは疑いがありませんが、問題はこの調整槽がつけられない古い団地が多いということですね。ここが問題です。住宅公団にもこれがかなりありますし、それから民間のこういう集合住宅にもかなり古いものがあります。府営住宅にもこれはもうずいぶん古いものがあります。そこでいろいろ改善処置はとられておりますけれども、検査の結果十分ではないということが明らかになってきておる。特に民間の施設におきましては、府が勧告を行いましても業者に義務がない。すでに業者の手を離れてしまったものもたくさんあるわけです。私の知っておりますのでは羽曳野市の羽曳が丘団地だとか、あるいは河南町の阪南ネオポリスなどは民間施設でありますが、つい最近までは悪臭が立ち込めまして、住民の間で非常に問題になっておった。もちろん処理能力も及びませんでした。何か脱臭剤ができたそうで、それを利用し出しましてから、においの方が幾らか改善されたといいますけれども、においは改善されましたけれども、これの浄化能力というものは一向に改善されていない、そういう状況になっておりますために、構造上問題があるものがかなりある。そしてそれは管理を十分に行いましても、排出基準内に抑えることはなかなかできないという状況がありますが、こういう状況についてはどのように実態の把握をされておりますか。そうしてこれに対する対策などはどのようにお考えになっておりますか。
  255. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 急なことでございまして、大阪の事情につきましては先ほど電話で問い合わせいたしておりますが、これは担当者がおりませんためにはっきりした正確な数字かどうかわかりませんが、まず大阪府の条例では、既設のものについては改善は法的に義務づけてないというような報告を受けております。したがいまして、これは行政指導ということでございまして、たとえば公的な大阪府の府営住宅につきましては、合併処理の二十五カ所中十四カ所がすでに改善を終わっておる、単独処理については百三十一基中五十九基が改善を終わっておるというような、若干おくれておるという事実がございます。しかし、住宅公団につきましては、五カ年計画で改善するということで五十三年度中にほとんど全部の改善が完了する見込みでございます。ただ、その後途中で上乗せ基準が強化されましたりというような、一部にはまだこれからやらなければならないものもございますが、住宅公団についてはそういう状況でございます。  それから東京都の都営住宅につきましては、これは条例による規制値につきましては、五百一人以上のものにつきましてはほぼ改修を終えておるという報告を受けております。  それから民間のものをどうするかということでございますが、これは民間につきましてはそれぞれ非常に行政指導がむずかしいわけでございますが、建設省といたしましては、住宅金融公庫の融資の中でそういった御要請があれば対応してまいりたいというように考えております。
  256. 三谷秀治

    三谷分科員 構造基準、これが大体妥当かどうかということ、奈良の新しくできましたあれは何とかいう団地、忘れましたけれども、これなども屎尿処理能力が足りなくなってきて増設をする、そのために入居者に新しい分担金を求めるというようなことがありまして問題になっておったこともありますが、建てましたときの基準がどうかという問題、このことが私は一つの問題だと思っております。  それにつきまして厚生省にお尋ねしたいと思いますけれども、厚生省は一体一人が排せつします屎尿の分量についてどのような計算をされておるのか、そこに実態との差がかなりありはしないかということを私は感じておりますけれども、その点はいかがでしょう。
  257. 森下忠幸

    ○森下説明員 先生がいまお尋ねのはくみ取り屎尿の量ということでございましょうか。——そうしますと、私どもは一人当たり一日一・四リットルを収集するということで計算しております。それから浄化槽の関連ということになりますと、汚泥がたまりますから浄化槽はやはり掃除をしなければならぬ。その汚泥の量でございますが、これが一人当たり換算いたしまして通常の単独処理、屎尿だけの処理をいたします浄化槽ですと一日〇・五四リットル、それから合併処理、雑排水と屎尿と一緒に処理いたします浄化槽ですと一・二リットルというのを標準としております。ただし、市町村がこういった浄化槽の汚泥を集めまして自分で屎尿処理施設に入れて処理をするという場合、こういう計画が出てまいりました場合には、これはいままでの実績をもとにして計画を立てなさい、そういう実績を持たないような、勉強していない市町村にあっては、いまの標準の〇・五四リットル、一・二リットルを基準にしてやりなさい、こういう指導をしております。  それから計画が進んでまいりまして、実施段階に入った場合に、それが足りるとか足りないとかいうことでございますが、それは一人当たりの排出量よりもその人口の見込み、将来下水道の整備とあわせましてくみ取りあるいは浄化槽の人口を推定するわけでございますが、この見込みがどうも食い違ったということで全体の汚泥の量、屎尿の量が狂うということがあるようでございます。
  258. 三谷秀治

    三谷分科員 これは埼玉県などの資料でありますけれども、一人当たりの排出量の測定が根本的に違っている。厚生省の見込みでは約半分になっておる。これはきょうは余り時間がありませんから、後刻またこういうような問題だけでお尋ねしたいと思っておりますが、それも一つの原因になっておる。一人当たりの排出量が少なく見積もられておりますから、それに人数差、人口差がさらに加わってくる。そして処理能力を超える屎尿が処理槽に蓄積してくる。そこでオーバーワークになって処理が十分できないままでこれが流出されるという状況になっておるわけでありますから、この点もよく調べてもらう必要があると私は思っております。これは何といいましても、文化国家とおっしゃる大平さんが、肥やごみの始末ができないという、ごみの問題はきょうは申し上げる時間がありませんけれども、そういうことでは問題外でありまして、これは最も重要な課題だと私は思っております。     〔青木主査代理退席、井上(普)主査代理着     席〕  そこで、もしもそういう状態がありますならば、建設省住宅公団について改善工事を直ちに行わせる、そして排出基準に適合するものに改善をさせる必要がある。古いものでありましても、やらさなければ片がつきはしません。  それから、府営住宅等の公営住宅につきましては、改善指導とともに、これはやはり財政的な対策が要ります。それなしにやれといっても、いまはとてもじゃありませんが、自治体でそれを積極的にやるという状況にはありません。  それでもう一つは、民間につきましても実情を調査しまして、たとえば資金の融資の制度をつくるとかあるいは補助の制度をつくるとか、指導の強化も行っていくというふうな具体の処置をもってこういう事態の改善を速やかにやっていただきたいと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
  259. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 住宅公団につきましては、先ほども申し上げましたが、すでにほとんど終わっております。ただ一部先ほど申し上げました上乗せ基準がその後変わったものとか、あるいは分譲住宅との合併によりまして、先ほど先生ちょっと御指摘になりましたが、負担の問題でもめておるというようなものが若干おくれております。これはもう早急に片づけてまいりたいと思います。  それから公営住宅につきましては、五十一年度からそういったものに対する補助の制度を新設しております。逐次これを進めているところでございます。  それから民間につきましては、これも先ほど申し上げましたが、住宅金融公庫の改良融資の中で、そういった条例に合わないものにつきましては融資の対象として今後進めていきたいというように考えております。
  260. 三谷秀治

    三谷分科員 もうちょっと時間があるようですね。  いまおっしゃいました点、これはいろいろおっしゃっておりますが、私も、いまこの問題につきましては大阪府下だけの調査でありますから全国的な統計は握ってはおりませんし、他の大都市の状況もわかってはおりませんけれども、ただ市町村の屎尿処理場の状況から推定をしますと、こういう処理槽におきましてもかなり広範なこういう状況があると推定をしても差し支えがないと思います。  そこで、いまの対策でありますが、この対策、補助率の問題だとかあるいは融資の進め方、融資制度の内容の改善だとか、そういうことを速やかにやっていただいて、早くこういう状況がなくなっていくということができるようにやってもらいたい、こういうふうに思っております。その点、大臣いかがでしょうか。
  261. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 御要望の点、前向きに検討させたいと思います。特にいまの公営住宅に対する補助金、それから民間に対する融資、それで果たして行政指導あるいは通達等によってでき得る状態であるかどうか、この点は十分検討させていただきまして、それが困難な状態であるというときには、それにさらに上乗せするというふうな点も検討させていただきたいと思います。
  262. 三谷秀治

    三谷分科員 環境庁、それから厚生省、これはどうなんですか。こちらの方も具体の対策を立ててもらう必要がありますが、特に監督官庁であります環境庁などが東京都の水質の総量規制などを緩和するというようなことを言い出していらっしゃいますが、それもこういう状態を基礎にしてお考えになっておるものかどうか、お尋ねしたい。  そして、公営住宅等につきましては建設省指導権限が強いわけでありますが、民間などのすでに建設を終わったところに対してはどのような指導措置をおとりになるか、どのように強化するかという点、これをお尋ねしたいと思います。
  263. 島田隆志

    ○島田説明員 先ほど御説明いたしましたように、排水基準の適用状況について、逐次立入検査等でその状況をとらえるわけでございますが、その際排水基準をオーバーしているもの、あるいはおそれのあるものにつきましては、一概に一律的な方法ということじゃないと思います。個別、具体的に施設の大幅な改善を伴うようなものもございましょうし、あるいは維持管理の徹底という形で対応できるものもございましょうし、個別、具体的に指導していく。その結果、先ほどお話ございましたような財政を伴うようなものについては建設省なりそういうところにお願いしていくということで、個別、具体的には措置していくというのが——排水基準の遵守ということが法律に定められておりますので、私どもとしてはその辺の立入検査等の監視について今後とも強化していきたいと思いますし、現在私どもそれにつきまして立入検査等に対する補助金を出しておるわけでございます。そういうものを毎年強化してきてございますが、今後とも先生の御指摘のございましたような屎尿浄化槽なり屎尿処理施設で排水基準が守れなくて水質汚濁の原因になっているというようなことのないように、個々に指導してまいりたいというふうに考えております。
  264. 三谷秀治

    三谷分科員 厚生省はおっしゃいませんか。
  265. 森下忠幸

    ○森下説明員 いまのコミプラの関係でございますが、いままでは五百一人以上の大きな槽に対しまして、市町村がそれを管理いたします場合に補助ができることになっておりました。五百一人と申しますと大体百軒家が集まらないといけないというのでなかなかむずかしいということで、昨年度、百一人以上、三十戸まとめてこういう施設をつくる場合には補助をしていこうという制度にいたしまして、普及を図っているわけでございます。  昨年、先生から屎尿処理の関係でお尋ねがあったわけでございますけれども、既存の屎尿処理施設にいろいろ汚泥等が入ってきて負荷がふえてくる、あるいは排出の方の規制が厳しくなってくる、これをどうしたらというふうなお話がございました。今度は総量規制方針が導入されますものですから、既存の屎尿処理施設に新たに高次の施設を付加する場合には、五十四年度からこういったものにも補助をしたいということで予算をお願いしてございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  266. 三谷秀治

    三谷分科員 どうもありがとうございました。
  267. 井上普方

    井上(普)主査代理 山本悌二郎君。
  268. 山本悌二郎

    ○山本(悌)分科員 大臣どうも御苦労さんでございます。大分お疲れのようでございますから、非常に簡潔に、私もそう長く質問なんかしたくございませんから、ただ聞いていただきたいこと、許せないことがあるものですから、ぜひ大臣に聞いていただきたいし、できることならばやめさしてもらいたい、こう思うのです。  それはどういうことか、簡単に申し上げますと、これは全国的にもあることだと思いますが、一つの例であります。例というのはそういう問題が起きた場所でありますけれども、新潟県佐渡郡、佐渡島であります。佐渡島の羽茂町素浜というところです。全島約三・七キロございます。非常にいい海岸であります。砂浜の層が約百五十メートル以上あります。波打ち際から幅が百五十メーター以上あります。現在で言えば、ありました。ところが、この砂の採取を新潟県の土木で認めたわけであります。業者は丸藤さん、藤井藤作というのでありますが、この砂業者にとらせることになったのです。昭和四十五年ごろからやっているわけです。非常にいい海岸なんですよ。いわば国定公園の地域に存在しているところですから、海水浴場としてもいいのであります。  ところが、佐渡島というのは、私は出身地でありますからあれですけれども、御存じのように建築屋さんの砂がなかなかないところなんです。新潟県の砂の採取をするのは、阿賀砂と言っておりますが、阿賀野川の砂を一応とれということになっている。ところが、阿賀野川から砂を運んできて佐渡島でやったのでは運賃がかかってとてもかなわぬというので、そこで浜砂とか山砂とかいろいろやったわけです。佐渡島では両津の羽吉というところですけれども、すでに海岸全部とってしまいまして、それこそ侵食されちゃってえらいことになりまして、そこはだめになりましてやめさせました。  同じことなんです。ここも非常にいいところなんですけれども、いわば十年に近い間砂をとり尽くした。これは許可をしたのだから仕方がないと思うのでありますが、問題はここからなんです。  ここは国有の海岸線ですね。砂をとる許可を与えられるところは海岸線から五十メーターだったのです。ところが五十メーターではとてもとり切れない。とり切れないというのは少ないということで、丸藤及び土建業者からの申請があって、新潟県相川土木事務所は私有地——あとは私有地でございますから、いわゆる共有者に対してあと三十メーター譲ってくれぬかという話し合いをした。そうしたところが、結構でございますということになりまして、結局八十メーターとることになったのです。その許可証があるかないか、私はそこまで調べてありませんけれども、あるのでしょう、とるのを許しているのですから。そして海岸線八十メーターを約三・七キロにわたって砂をとった。とったのはいいですよ。そこまではとることを認められたのだから当然いい。ところが、八十メーターをさらにオーバーして七十メーターとっている。これは全くの民有地なんですよ。共有者がいるから共有者の許可を得ていると言うのであります。ところが、許可を得ているのですが、七十メーター超して全長百五十メーターのところに——波打ち際があってちょっと高台があるのですね。高台のところに学校林がある。学校林を皆焼いちゃって、そこの下の砂を全部とっちゃった。それでも足りない。そこでその隣に、浜地に育つ植物のボウフウを栽培している人たちがいるわけですね。そこのところも手をかけた。そこでボウフウ組合の人たちが怒って、そんなことではかなわぬ、問題は一体何だということになった。国有地まで全部とり尽くして、さらに砂なんか全くなくなっちゃって、今度はボウフウという植物をつくっているところまでとりにかかった。しかもそれはやや高台になっているものですから、下を全部削ったので、その上にあるたんぼ、畑ががけ崩れを起こしそうになっている。これは地元の新聞も、読売新聞も全国版でやりましたけれども、ここまでくると本来なら公害問題なんです。これが実情です。  そこで大臣に、これは官有地、国有地である砂地をどういうふうな形で許可をしておるのか。海岸を全部侵食してしまえば砂がないからだんだんだんだん波打ち際が迫ってくるわけです。私は去年の暮れに見にいったのですよ。それは佐渡島がなくなるだろうと思って私は心配したくらいですよ。まあの話はそんな感じです。それはブルでどんどんとって、ダンプで運んでいっちゃうのですから、そうすると大体原状復帰するには約十年以上——原状復帰は不可能ですね。波がだんだん寄せてくるから原状復帰は無理ですけれども、砂がある程度たまるには十年くらいかかるのではないか。一年でたまる場合もありますけれども、まあたまらぬですな。そんなふうにしてまで土建業者を保護しなければならないのか。ここに法律がたくさんあります。たとえば海岸法でちゃんと禁止しているのです。その次へ参りますと、砂利採取法というのもあります。それから公害もあります。いろいろ禁止している法律があるにもかかわらずそういうことを認めておられるという国の考え方、建設大臣の考え方を私はまずお聞きしたいと思うのです。佐渡島がなくなってしまっては困るのです。あそこには十万人近い人が住んでおるのでございますし、私どもも親兄弟みんないるのでございますし、一市九町村もあるのですから。地元の問題ですけれども、、どうかひとつそういうことで……。  もう一つ申し上げておきます。そこまではよかった。これは県会で取り上げて、県会では一つの問題として提起をして、しかも県の土木はしばらくの間業者にとらせないと一応押さえているのです。ところが、悪いやつでございまして、羽茂町のこの業者の丸藤、藤井藤作というやつは、羽茂町の町会議長をしているんですよ。昔は教育長もやった。助役もやったんだ、羽茂村というところで。そしていまは議長をしているんですよ。これは無論町でも問題になりまして、そして議長はどうしてもやっていられなくてやめました。やめたはいいけれども、そんなことはどうでもいいんだが、ところがこのボウフウ採取者、ボウフウをつくっている百姓たちを相手取って告訴しているんだ。おれがとって何が悪いんだという告訴をしている。裁判を起こしている。だから私たちの仲間は、このボウフウをやっている人たちは私の仲間でありますけれども、おかしいと言うのですね。自分の土地をとられるのだから自分たちが訴えるならいいのだけれども、砂をとっているやつがおれを訴えているというのはどういうことだ。そこで県の方が、それはやめさせろということでいわゆる取り下げをやらせているのだけれども、きかないのです。経過はそういうことです。  そういうことで、まず大臣から、御答弁の余地ありますか。ありましたらひとつ言っていただきたいし、おわかりでなければ調べていただいて結構です。これはぜひ問題にしなければならない。こんなことが許されていいと思いませんよ、本当のことを申し上げて。
  269. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 いまお話しの海浜地及び海底の土地につきまして、用途または目的を妨げない範囲におきまして使用、収益させることができるという規定は国有財産法十八条にございますが、建設省といたしましては、海浜の保全のために、いわゆる海浜地につきましては砂利採取許可を行わないという指導をいたしておりまして、現に砂利採取許可が行われておりますのは主として海底の土地でございます。しかもかなり沖合いでかつ海浜地並びに海岸保全施設に支障を及ぼさないというところで認められているのが通例でございます。  いま先生お話しの新潟県の場合におきましても、新潟県の報告によりますと、海浜の国有地につきましては許可をいたしたことはないということを申しておるわけでございます。
  270. 山本悌二郎

    ○山本(悌)分科員 そうなるとますます問題だ。大変な問題ですよ。だって国有地として——ちゃんとここにあるんです。あと書類をみんなお上げしますけれども、国有地として五十メーターについてはちゃんと県の土木が認めているんですよ。それでも足りないというので三十メーター、共有地の百九十五名の共有者の判こをとって、そして八十メーターをとらしたわけです。だからそれは問題です。それは官房長の言われるとおりだ。私もそうだと思って質問をしているんだ。ここが問題です。こんなことが許されるとなると、日本じゅうの海岸の砂はみんなとられちゃう。大変なことです。ひとつもう一回御答弁ください。
  271. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 県の報告によりますと、許可をしたことはないということでございますが、ただ何回かにわたりまして盗掘が行われているという報告はございました。そこの盗掘という場合におきましては、これは国有財産法の違反のみならず、砂利採取法違反でもございますので、県におきましては、かかることのないよう当該業者指導しておる、こういうことを申しておりますが、なお詳細につきましては今後十分調査をいたしまして善処いたしたいと考えております。
  272. 山本悌二郎

    ○山本(悌)分科員 それで私まあ一つ安心をしました。お電話をいただいた建設省の方が、これは通産省の問題でございますと言う。それはもう砂利採取法を見れば通産省の許認可事項になっているからわかっているんです。だけれどもそうかといって、通産省まで呼び出してごたごた言ってみたところで始まらないんだ。だれかがどこかでちゃんと一つの区切りをつけない限りはこのことが繰り返されるんです。国が許可をすればいいということになるならばどこの砂をとってもいい、私はそれを心配するのです。  もしこれが、まだ認可を取り消さないのだけれども、認可を取り消さないならば、逆にこの人たちに告訴させてもいいのです。したいと言っているんです。本当はまず裁判を取り下げてもらいたいんです。原告の方の砂をとっているやつは和解をしたいと言うんだ。しかし、和解とは何だというんです。砂をとられている被告の方は、自分が悪いことをしておいて和解をしようというばかな話があるかと言うんだ。そんなことはない、裁判を取り下げろと言っているんですが、取り下げないんです。取り下げないから、砂をとられている方の連中はそれじゃどうするかといったら、まあ恐らく県の土木だって黙っているものじゃないだろう、国だってそんなにひどいこともしまい、そのように期待して、しばらくがまんしましょうといってじっとしているんですよ。ところが、ちっともしないんです。もう去年の十月の県会から今日まで約四カ月になっていますけれども、していないんです。だけれども、もうちょっと待ってみよう、しかし、どうしてもやらなければこの人たちは逆告訴をするという。逆告訴も私は当然いいと思うのですけれども、そんなことよりも、新聞種になって全国版になって地方版でもでかでかと出て、しかも新聞記者が私が行くときについてきて全部写真をとって、テレビにも出て、それで県会でも取り上げられて、知事の君さんもこれは善処しましょうと言っていながら、いまだに何もしないというのは私はおかしいと思うんだ。そんなことを建設省が許しておく。しかも国の砂をじゃんじゃんブルドーザーでとっちゃって売りまくって、本当に盗作なんだ。名前のとおり。藤井藤作というんだが盗作と書くんだ、あいつは。悪いやつなんだ。それがいばっているんだよ。  本当に建設大臣、これはここに大岡越前守かだれかが出てこなければおさまらない。本当にかわいそうだ。まあ行ってみてください。あなた、暇になったら佐渡島へ行って、私が言ったところを御案内しますよ。それは見る影もない浜になってしまった。昔いい砂浜だったんです。そういうことを許されているということは私は本当に情けないと思います。  そこで官房長、たくさんは申し上げません。もう私はきょうはこれだけにしぼって来たんだから、地元から出ている代議士が国会でそんなことも言えないのかと言われたんじゃ本当に悲しいから私は申し上げているんです。こんなことは一々大臣に申し上げるようなことではないけれども、しかしこれはやめさせなければいけません。と言うのは、三・七キロといったら約一里ですよ。見渡す限りのところに砂がなくなっちゃったんだから。子供が海水浴ができないんだから。しかもそこで子供が三人も死んでいるんだ、砂をとられたばかりに、いいですか、波にのまれて。砂浜があれば何でもない。砂浜がなくなるものですから——これも参考のために申し上げておきます。海岸というのは砂がずっとありまして、それをとってしまいますとそこのところにぽこっと穴があくのです。そしてまた大陸棚みたいにできていくんですね。その深みができたところに子供が落ちて死ぬんです。砂がもともとあればずっと平らになっているんですよ。そこのところだけとったものですからそこがなくなっちゃう。そうすると、日本海に向いた方でしょう、波が荒いですからなおさらそういう結果になるんです。子供のとうとい命を十年の間に三人もなくしているんです。そのことを何遍も地元の人たちが言いますけれども承知しないんです。相撲取りみたいに大きな男なものだから、それでけしからぬということを町議会で言うと、このやろうと言ってぶんなぐっちゃうんですよ。あばれまくるんだ。そんなことまで問題になったんです。それはもう一部始終ここに全部データがありますけれども、写真も欲しかったらお上げします。  そういうことでございますので、私はもう質問をたくさんしません、そのことだけを一つ申し上げてやめたいと思います。それで大臣から決意をひとつ聞かしてください。こういうことが許されてはいけないと思いますので、ぜひ御決意を伺っておきます。
  273. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 具体的な問題でございまして、私承知せぬものでございますから、ただいま官房長になにしておきましたけれども、私たちは国有地を知事に委託して管理していただいておりますが、この管理の方法に遺憾なきを期するのが私たちの責任であろうと思います。十分事実を調査いたしまして、ぜひともいまのようなことが起こらないようにやってまいりたいと思います。
  274. 山本悌二郎

    ○山本(悌)分科員 ありがとうございます。私はそれだけ言っていただいて、もう本当に安心をいたしております。  官房長、よく調べてください。たくさん問題があるのですよ。時間がないから、これはやっていると切りがございませんが、たとえばここでとった砂を、普通阿賀砂をとってきた価格で売っているかどうかという問題がありますね。阿賀砂を持ってくるとすれば、阿賀野川から船で持ってきて佐渡島に揚げる運賃がかかっているはずです。運賃がかかっている部分と同じに売っているわけです。全く盗作だ、それは盗んでいるんだ、こういう問題も残っているのですよ。十年近くとって売ってしまったものをいまさらどうしようもない。そこでこの地元の人はどういうふうに言っているかというと、まず原状回復してくれ。原状回復といっても、いまさら砂をあそこに持っていってまくわけにはいきませんから、まずそこで砂をとらないようにしていただきたいというのが第一点。  それから第二点は、国有地はもうとり尽くしてしまったわけです。だから、もうあとは民有地しかないわけです。民有地もとろうとするから、もう絶対に許可しないでもらいたい。それまでやるなら認可を取り消してもらいたい。これは当然取り消してやってください。それから裁判はやめろ、これはもう言っていただかなければいけませんよ。本来被告になるべき者が原告になって訴えているのです。とってはならないことをしている者が部落民を訴えているなんてばかなことはない。これは言うべきことだと私は思うのです。それは県庁もよくわかっております。  それから三番目は、適正価格で売っていたのかどうかということを調べていただきたい。これは大きな問題ですよ。幾ら佐渡島に砂がないからといっても、そんなばかげたことを、しかも司直の目が届かないからといってやる。そしてそういう問題がちょっと具体化してきますと、土木の所長をみんな首をかえてしまうのだ。いなくなってしまう。いまの人も初めて来たものだから、幾ら言っても全然わからない。わからないと言っても、もともとわかっているのだけれども、そういうことなんだ。  大臣、土建業者に顔色をよくするのも結構だと思います。大臣のお友だちの小沢辰男先生の地元でございますし、みんな小沢先生の支持者なんだ。だけれども、これは言いようがないんだ。持っていっても、けつの方の土建業者が、砂がないじゃないか、やれやれと言うものだから、いままでみんなそれでやっているわけです。それで圧力をかけると土建屋が来て、おかしいじゃないか、選挙でたたき落としてやる、こうなるわけだ。こんなばかげたことが許されている。それこそ大岡越前守か何かいない限りはだめだ。ぜひひとつ、大臣に大岡越前守になったつもりで処置してもらわなければいかぬ。  これは羽茂の素浜の問題だけだとは私は思いません。恐らくこんなことは知らないうちにどこかでやられていることがたくさんあると思うのです。それは国有地だと思いながら、だれもそれを調べる手だてがないでしょう。結局、民有地に入ってきたときに初めて気がつくのです。海岸の砂をとってはいけないということになっているのに、それを認めていることすら、先ほど官房長が言ったようにおかしいのに、さらにそれを民有地まで拡大していく、しかも学校林まで焼き払って、その下まで全部とって、上のたんぼが落ちかかっているのです。それでも認めようとはしないのだ。これには驚いた。  私はこれで質問を終わりますけれども、どうかひとつ官房長、もしあなたが手当てをしなければまたやりますよ。私はどこかでやりますよ。やってやってやりまくります。そうしなければ、残念でございますけれども、佐渡島がなくなってしまいます。これは許されないと思いますので、ぜひひとつ、資料は私のところに写真から何から皆ありますからお上げしますし、必要ならば夏にでも大臣が佐渡においでになれば御案内をします。私がいやだったら、ひとつ小沢先生にでも頼んで行ってみてください。これは大変なことであります。  そしてつけ加えておきますけれども、ボウフウを持っている人たちも、この砂は元に戻らぬけれども、戻るならばその土地は、いまボウフウという植物をつくっているけれども、県でも町でもいいですからお上げして、そしてその辺を海浜公園地帯にしたい、お上げすると言うのですよ。そこまで腹をくくって話をしているのに、朝に晩に行ってダンプで皆持っていってしまうのです。そんなことでございます。  以上、質問を終わります。よろしくひとつお願いします。
  275. 井上普方

    井上(普)主査代理 次に、大成正雄君。
  276. 大成正雄

    大成分科員 私はこの機会に、建設省予算に関連いたしまして、若干きめの細かい質問をさせていただきたいと思います。  質問に入る前に、質問通告の不手際等がありまして、その点を含んで私も御質問させていただきたいと思いますが、しかるべく御答弁をお願いを申し上げたいと存じます。  まず第一番目には、公共事業に関連したことで二、三承りたいと思います。それは、景気浮揚効果等に関する問題でございますが、今年度の公共事業費は、一般会計の伸び率一二・六%を上回って二二・五%、こういうことになっております。六兆三千四百八十四億ですか、そうなっておりますが、この内容は前年度に引き続いて公共投資による景気浮揚効果を期待してのものだというふうに考えておるわけであります。予算委員会の総括等におきましてもこの点にはいろいろ触れられておるわけでありますが、この機会に改めて大臣から、建設省に関連した公共事業の景気浮揚効果というものをどのように認識しておられるのか、現場において機械化が進むとか、なかなか期待したほどの効果がないのじゃないだろうかとか、いろいろ言われておるわけでありますが、それらについてまず概念的に承りたいと思います。  それから二番目には、関連資材の値上がりが非常に問題でございます。予算編成の時点では、そう大して大きな問題にはなっておらなかったと思うのですが、その後イランの問題を初めといたしまして、あるいはカルテル価格の問題だとか、あるいは外的な要因であるとかということで、合板、木材あるいは非鉄あるいは過積み規制による骨材関係であるとか、そういった関連資材が非常に値上がりをいたしまして、いま末端におきましては発注単価が非常に問題になっております。  したがいまして、一年未満の契約の場合にはインフレ条項その他で発注単価の見直しはできない、一年以上ならばできる、こういうのですが、実際に発注される内容を検討しますと、その大部分が一年未満ということで、特に地方の公共事業等においては、年度内に完成を見るといったことが多いわけでありまして、施行業者としては、この請負単価の問題は非常に重大な関心を持っておるわけであります。これらについて建設省は、どのようにこれを既定予算との兼ね合いにおいて手直しをしていこうとしているのか、第二点目に承りたいと思います。  それから三番目に、住宅政策に関連して、国土庁の関連ではございますが、線引きの見直しをしなければならぬ。いわゆる五十五万戸の住宅政策を進めるにしても、宅地供給がそれについていけないのではないかといった問題があるのでございまして、大都市圏における線引きの見直しというものは、重大な政策課題になってきていると思います。五十三年度で一応五年ごとの見直しをした段階でございますが、建設大臣としてはこの大都市圏の線引きの見直しについてはどのようにお考えになって行政を進められようとしているのか、まずそれらの三点について承りたいと思います。
  277. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 公共事業の景気浮揚効果に関する御質問でございますが、五十三年度に前年対比公共事業三五%増をいたし、さらに補正予算を組んだわけでございます。その完全執行を目指して努力をいたしておりまして、われわれとしては完全執行はできるものと確信をいたしております。  公共事業の景気浮揚効果につきましては、いわば乗数効果として理論的に一・三倍ないし四倍の効果があるというふうに言われておるわけでございまして、そういう論拠でもって公共事業の大幅計上と前倒し実施をいたしたわけでございます。その結果、昭和五十三年度の経済成長率は対外的な要因では若干マイナスになっておりますが、内需を中心といたしましてかなりの成長率を達成することができたわけでございまして、公共事業のいまのような姿勢がとられなければ現在のような景気回復基調は維持しがたかったのではないかというふうに考えておる次第でございます。  それから第二番目のお話の、最近の資材価格の値上がりに対する発注単価をどうすべきか、あるいは既契約のものについてどうすべきかというお話でございますが、新規発注のものにつきましてはわれわれといたしましては常に実勢価格を積算に反映させるというたてまえをとっておりまして、これにつきましては公益法人の発行しております物価指標等によってやるわけでございますが、さらに最近の価格上昇の傾向にかんがみまして、建設省独自で各府県、毎週一回調査をいたしておりまして、できる限りその時点における的確な実勢価格を反映するように努力をいたしておるところでございます。  さらに、既契約のものにつきましての契約更改のお話でございますけれども、いま御指摘ございましたように中央建設業審議会が建議をいたしまして、官公庁が採用いたしております現在の工事請負約款におきましては、一年未満のものにつきましては契約更改をしないということになっております。ただ、物価の著しい高騰等によってやむを得ない場合はインフレ条項というものも用意をいたしておりまして、それによって年度内契約更改できる約款もございますけれども、問題はそのインフレ条項を発動するに至るかどうかという判断の問題がございまして、現在まで発動いたしました例といたしましては、四十八、九年の狂乱物価時代に、直接工事費の中に占める資材、労務費の割合が五%以上ある、そういう工事で、さらに全体として積算して二〇%以上の値上がりがあった場合にインフレ条項を発動した例があるわけでございます。そういう事態には現在至ってないとは思いますけれども、なお注意深く物価等の動向を見て善処してまいりたいと考えております。
  278. 大成正雄

    大成分科員 ただいまの御答弁、ごもっともでございますが、二番目の関連資材の値上がりの問題ですが、このインフレ条項の適用、約款の適用の問題ですが、現場のニーズからしますと非常に窮屈だというのですね。ですから私は、今年度予算の消化が果たしてできるのかどうか、業者泣かせの公共事業ということになりはしないだろうか。この予算の執行に当たっては、上から下へ押しつけるという形でなく、ある程度の適正利潤の確保はできる、そういう発注単価でなかったならば、景気浮揚効果は出てこないのじゃないかと思うのですね。五%とかあるいは二〇%とか言っておられますけれども、現場のいまの状況からしますと非常に困難な局面が出てきておるということを御認識をいただいて、ひとつぜひ予算の執行を弾力的な運用をしていただきたいということを、これはむしろお願いかもしれませんが、お願いを申し上げたいと思います。  次に、特定不況地域の公共事業との関連について御質問申し上げますが、私どもの党としては、前国会におきまして不況地域に対する公共事業の傾斜配分についていろいろ要望も申し上げ、また特段の御配慮もいただいたわけであります。今年度この特定不況地域に対する公共事業の傾斜配分についてはどのようにいま用意をしておられるのか、まずそれから承りたいと思います。
  279. 粟屋敏信

    ○粟屋政府委員 特定不況地域の傾斜配分につきましては、五十三年度の補正予算の際に御議論が出たわけでございまして、建設省もそういう御議論を受けとめまして補正予算の配分につきましては傾斜配分をいたしたところでございます。申し上げますと、当初予算に対する補正予算の比率というものが全体で九・五%であったわけでございます。九・五%平均で配分をいたしますれば全くもって並行配分でございまして、傾斜をかけたことにならないわけでございますが、特定不況地域三十地域につきましては二〇・三%の配分をいたしたわけでございまして、かなり思い切った配分をしたと考えております。  なお、五十四年度予算の配分につきましては現在作業中でございまして、その詳細についてまだ申し上げる段階に至っておりませんけれども、先ほど申しました補正予算の際にも傾斜配分をいたしましたので、その精神に沿いまして重点的な配分をいたしたいと考えております。
  280. 大成正雄

    大成分科員 そうすると、今年度においても大体前年並みぐらいの傾斜率で配分をしたいという考え方があるのでしょうか。
  281. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 いま官房長からお答えいたしましたが、二〇・幾らになったというその基礎、根拠は、そうでなくして、むしろ初めから二〇・これだけふやすということでなくして、地方公共団体がこれだけはやっていただきたい、また受けることができるというところに対しましてはもう全面的、優先的に割り当てを行った、その結果集計したら平均点九・幾らでございましたのが、特定不況地域には二〇・幾らという姿でございます。ことしの配分もそういうやり方で地方公共団体と連絡をとりながら優先的にやっていきたい。したがいまして、いまのパーセントでなくして、運営の方針だけは五十三年度同様にやっていきたい、このように考えております。  それから、前に線引きの問題、お答えを落としておったのでございますが、大体五年目ごとに一回見直しをやる。それに該当するものが二百八十ございますが、すでにその中で線引きが完了したものが百十七、それから手続が進んでおるものが三十七、残りの百二十六がそれぞれの市町村で検討中である。おいおいこれも決めていただきまして府県に持ち上がり、本省へ来るという姿で進んでおります。
  282. 大成正雄

    大成分科員 特定不況地域に関しては、引き続き前年の傾向でぜひひとつお願いをしたいと思います。  これに関連してひとつ個別的にお伺いしたいのですが、私、昨年長崎の造船不況の視察に行ってまいったのですけれども、たとえば長崎県の場合離島が多いものですから、確かに県からは五つぐらい架橋の要望があるはずであります。これは造船所の能力を生かした不況対策としてぜひひとつ橋の予算を大幅に欲しい、こういうことであります。しかしながら、この橋梁予算が道路予算の中の一部として位置づけられておりますので、特別長崎県に橋の五つ分の予算をということはなかなかむずかしいのじゃないかと思うのです。しかしながら、造船所の能力を生かした不況対策としては、確かに橋梁といものは効果的な施策だと思うのでございますが、そういった長崎県のそういう個別的な要望等についてはどのようにお考えでございましょうか。
  283. 山根孟

    ○山根政府委員 長崎県におきます橋梁の問題については離島の関係が一つございまして、かなり要望が出ております。その中で直ちに事業化できるものもございますが、やはり相当大きな橋梁でございまして、相当調査、計画を固めてまいらなければ、直ちに発注という段階にはこぎつけにくいという事情もあるわけでございますが、ただ全体的に申し上げまして直轄の事業、補助事業、特に直轄の事業等につきましては、長崎に立地をいたしております企業等がやはり全国的にいろいろ営業活動をなすっておられるわけでございます。そういう観点から申しますと、道路事業全体としての橋梁をやはりこういった観点から取り上げる、こういうことが全体としては適切ではなかろうか、こういうぐあいに考えておりまして、私ども昨年度来そういう意味で橋梁事業についてはかなり重点的に事業の促進を図ってまいったところでございまして、まあ今後ともそういう方向で検討してまいりたい。そんなような観点から、直ちに不況対策、発注という段階にはまいらないわけでございますが、たとえば名港西大橋でございますとか、東京湾岸道路につきましては横浜ベイブリッジでありますとか、それから本州四国の橋梁の促進でございますとか、そういった点にも配慮をして事業を進めてまいりたい、こんな考え方をとっておるところでございます。
  284. 大成正雄

    大成分科員 問題は、橋梁専門のメーカーあるいは鉄鋼業界がその橋梁の受注をするということだけでは問題の解決にならないわけで、要は不況造船所の能力を活用するという方向でそういった橋梁の予算の消化がなされるというところに、この不況造船所の救済措置がなされるわけであります。本四架橋二百七十億余の予算も、果たしてどれだけこの造船所の不況対策に役立つのかわかりませんけれども、これはひとつぜひ一般的な橋梁メーカーでなく、造船所の能力を生かして活用していくということで、御省におかれても御配慮をいただきたい。また、それが現地の非常に強い要望であるということを特にお願いを申し上げておきたいと思うのでございます。  次に、道路予算について個別的な問題を含めてお伺いしたいと思いますが、現在本予算予算化されております第八次道路整備五カ年計画の二年次の予算であります。進捗率三六・七ということでありますから、実質前年度からしますと一八・九%の純増になるわけでありまして、かなりの道路予算を消化していかなければならないと思うわけであります。建設省の方としては重点事項を幾つか掲げまして、そしてこの五カ年計画の推進に当たりたい、こういうことをうたっておるわけでございます。その各重点事項に対するそれぞれの予算の配分も、その伸び率等からしますとそれぞれ適切であると私ども判断いたすわけでありますが、一例として、第七番目に掲げておりますが、都市における道路整備の推進ということであります。その中で、地方中心都市における一般国道の著しい交通事故の多発であるとか混雑であるとか、そういった環境を解消するために、いわゆるバイパスの整備を促進しようとしておるわけでございます。このバイパス予算、五十三年度千五百八十六億に対して、五十四年度千八百四十一億という予算になっておるわけでございます。また、都市間連絡幹線道路の整備ということで、前年度二百七十億に対して今年度三百二十三億、これも一・二〇という倍率になっておるわけでありますが、全国百九十二カ所の中で五十一カ所を今年度供用させようということでこの予算が組まれておるわけでございます。道路局としては、この個所別に予算を配分する根拠というものを何に置いておられるのか、その地域地域の政治の力関係で配分しているのか、そういったことはどういう根拠によって配分しておられるのでございましょう。まず、その辺から承っておきたいと思います。
  285. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  都市等のバイパスの必要となる点は、やはり直接的には都市を貫通しております部分の交通混雑、環境悪化、交通安全、こういった点でございます。したがいまして、こういった指標をベースにして現在事業化をいたしております。地方中心都市の場合でございますと百九十二カ所のバイパスを採択いたしておるわけでございますが、これを年度年度どういうぐあいに遂行してまいるか、こういう点が御質問の趣旨であろうかと思います。  まず混雑、安全、環境といった指標の程度の問題、そういういわば道路交通をめぐる問題の解決という観点が第一でございます。第二のカテゴリーは、やはりそのバイパスをつくるモメントになります他のいろいろな要因があります。たとえて申しますと、高速自動車国道のインターチェンジに関連をして必要になるような場合でございますとか、圃場整備との調整ないし都市計画上のさまざまな土地利用計画との調整を必要とする、あるいは新たな交通発生源がある一定計画のもとに立地をしてそれから多くの交通の発生が見込まれる、こういったようないわば道路の外側からのいろいろな諸条件があるわけでございます。こういった交通上の要因、要請、それから土地利用等他の要因といったことを総合的に判断をいたしまして、おおむね供用を予定する目標の年度を決めて、それに応じて効率的な事業の執行が図れるような予算配分をしていく、こんなような考え方をいたしておるわけでございます。
  286. 大成正雄

    大成分科員 いままでの状態つぶさにはわかりませんけれども、全国の国道事務所の前年実績等を参考にしながらある程度配分していくといった考え方もとれるのじゃないか。いま局長がおっしゃったような指標なりあるいは他の要因を総合的に判断をして配分をするということになれば、個別には緩急の度合いというものが必ず出てくるはずだと思うのですね。何しろ百九十二カ所もあるのですから、それはとても全部が全部一度にめんどうは見られないということはよくわかるのでございます。  そこで、私ども関係として特に個別でひとつ御指摘を申し上げたいと思うのですけれども、千葉、埼玉、神奈川を貫通している十六号国道です。この十六号の大宮市内のバイパスですね。これがいまの五カ年計画でも用地完了くらいで、見通しはまだいつになるかわからないという状態。しからば、現状を先ほど局長がおっしゃったようないろいろなファクターを現地で私ども判断したときに、これは大変な状態になっているわけです。そういう現地の沿道住民の批判からするならば、国は何をやっているのだという批判が先に立つわけです。そういうわけで、ともかくいまの現地国道事務所の方から来年度予算の個所別要求として出ているような、そういう場当たり的な予算の配分だけではどうにもならぬのですね。この十六号の東大宮バイパスあるいは西大宮バイパス、特に西大宮なんというのは、この五カ年計画で用地を買収できれば精いっぱいだなんという、むしろこの五カ年計画で供用開始してもらっても遅いくらいな状態にもかかわらず、そういう配分になっているということはまことに遺憾だ、このように思うわけであります。  時間がないので一緒に聞いてしまいますが、さらに、上武国道の上尾バイパスの件です。促進期成会等で毎年熱心に要望申し上げておるわけですが、これなんかはいま調査、予備設計の段階であって、五カ年計画の入り口にも立たない、こういった状態であります。大都市圏、特に東京に密着したこういうバイパスが、全国百九十二の中で五カ年計画の中に首も突っ込めないという状態に放置されておるということは、冒頭申し上げたようなその配分の指標なり総合的判断というものがどこにあるのか。いわゆる役人的な、場当たり的な、産児制限的な、そういう配分でやっているから、局部的には極度に関係地域住民が困難を強いられる、苦難を強いられるといった結果になるんじゃないかと思うのです。その点をまず承りたいと思います。  それから新大宮の十七号でありますが、高速車線部分もいつになったら完成するかわからないような状態、見通しも立たない。埼玉県としては、県営の有料道路としてこれを開発してもいい、いま申し上げました上武国道の上尾バイパスの真ん中の高速車線部分も含めて、首都高速五号線に有料でつないでいこう、こういう構想もあるわけですが、県営の有料道路構想というものに対しては建設省は前向きに検討していただけるものなのかどうなのか、この点を承ると同時に、首都高速の下笹目までの延伸がいまだもって目立った工事が進んでおりません。同時に、下笹目まで延伸しただけでは何にもならないので、外郭環状まで延伸をして、インターチェンジ、ランプをつけなければ首都高速としての機能は果たせないと思うのです。この新大宮バイパスと外郭環状とのクロスには、ランプのそういった用地は確保されておらないわけでありますけれども、若干きめ細かくなって恐縮でございますが、この首都高速五号線の埼玉県内延伸のビジョンについて承りたいと思います。
  287. 山根孟

    ○山根政府委員 お答えいたします。  まず、包括的な御質問として、大変混雑しているところが放置されておるのではないか、一体その辺は配分との関係はどうなのか、こういうきつい御指摘でございます。実は、その混雑がない、一応スムーズに通れるという道路の状況を私ども混雑度一の状態というぐあいに考えております。さらに、それが一日じゅう込む、混雑を来しておる、そういう状態は、そういう混雑度で申し上げますと大体一・五くらいの状況でなかろうかと思います。そういたしますと、全国の建設大臣管理をいたしております指定区間で一・五以上の延長が三千二百八十五キロ実はあるわけでございます。これは五十二年度の交通情勢調査の結果でございます。私ども交通混雑解消という観点からは、この辺のところをまず事業化をするということで、かなりの分が実は事業化の段階にあるわけでありますが、いずれも実は、石油危機等のこともありまして、大変事業の進捗がおくれているというのが実情でございます。私ども道路を管理するという立場からまいりますと、何とか事業の促進を図りたいという気持ちでいっぱいなわけでございますが、残念ながらなかなか応じ切れないというのが実情であるわけでございます。  そこで具体の問題に入りまして、十六号は私ども大変重要な幹線道路であるというぐあいに考えておるわけであります。おかげさまで東大宮バイパスの部分につきましては、何とか諸問題が解決——これは団地等の環境対策に関する諸条件等が出ておりまして、これが順調に解決されるならば五十六年度早々までには大体全区間四車線で供用を図れるのではないか、こう考えておるわけであります。東大宮バイパスが先のめどがかなりついてまいりますので、今後は西大宮バイパスにつきまして、沿線町内会等と環境対策その他道路構造等のいろいろな協議を積極的に進めて、第一段階でございます用地の取得を進めてまいるようにやってまいりたい、かように実は考えておるところでございます。  それから次に、十七号系統で逐次事業化を図っておるわけでありますが、上尾バイパスにつきましては、実は先生御指摘のように事業がまだ未着手の状況でございます。これにつきましては、昭和四十四年に都市計画決定がなされたのでございますが、その後実は計画ルートの沿線に住宅等いろいろな立地が進んでまいりまして、計画を立案した当時の沿道状況と相当変わってまいりました。こんな状況から現在、計画の見直しをいたしておるところでございます。今後は、この計画が固まり次第環境影響評価を実施いたしまして、さらに都市計画変更の手続を行った後、事業化の時期等について積極的に取り組んでまいりたい、かような状況にあるわけでございます。  それから次に、新大宮バイパスに関連をいたしまして、現在の新大宮バイパスにいわば高架道路を乗せることによって交通渋滞と申しますか交通需要に対応できないか、こういう御指摘で、ただいま先生が県営有料道路ではできないか、あるいは首都高速道路の五号線を延伸するような考え方がとれないか、こういう御指摘であろうと思います。これらにつきましては、道路網全体の観点、それからひとしく有料道路でやると申し上げましても、採算その他いろいろな条件が整ってまいりませんと、かかったもののなかなか進まないというような事案もございますので、どういう施行主体がどういうやり方でやっていくのがいいのか、こういうことについて今後十分検討してまいりたいと思います。また、首都高速五号線を東京外郭環状道路まで延伸するかどうかにつきましても、やはりただいま申し上げましたものの一環として今後検討を進めさせていただきたいと考えておるところでございます。
  288. 大成正雄

    大成分科員 大変時間がないので、私ども十分な答弁が得られなかったのですが、いずれまた委員会ででもひとつさらに詰めさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  289. 井上普方

    井上(普)主査代理 清水勇君。
  290. 清水勇

    清水分科員 井上主査の大変な御配慮で質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。  さて私は、国道及び主要地方道に関連をして、少し具体的な問題できょうはお尋ねをしたいと思います。  初めに、これから質問をする内容についてある程度のバックグラウンドを理解をしてもらいたい、こういう意味でちょっと申し上げたいと思います。  長野県を走る国道十九号線のうち、特に長野市への通勤圏となっている西山地域というのがあります。ここには信州新町、小川村、中条村及び大岡村の四カ町村がございます。その人口は、昭和三十年には三万三千八百七十一人を数えておりましたが、四十年には二万七千三百九十四人に減り、五十年にはさらに二万一千五百六十三人というふうに、およそ四〇%近く激減をしております。自治省の昨年三月の調査では、Uターン現象等も含めて、およそ四十九年以降は町村部人口も増勢に転じている、こういうふうに言われておりますが、この地域はいまなお減少の一途をたどっておる。こうした意味で過疎化の問題が非常に深刻なんですね。その原因をたどってみると、最大なものは、道路事情が悪く、長野市までわずか二十キロそこそこなんですけれども、交通渋滞のために通勤ができない。そして離村をし、長野市へ転出、移住をする、こういう傾向が増大をしているわけです。  まず最初に、私は大臣にそういう状況、過疎化を何とか食いとめなければいかぬと言われながら、現実には道路に隘路があってそういう方向に逆行しておる、そういう状況をどのように受けとめておられるのか、所信をお聞かせをいただきたい、こう思います。
  291. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 過疎地域対策の中で道路が最も重要な施策の一つである、これは当然であろうと思います。  いま具体的な例をお挙げになりました。寡聞にいたしまして、私その具体的な場所は知りませんけれども、そういうふうなものを解消していきまして、都市と付近の農村が一体となっての均衡ある国土の発展を図ること、これが総理の田園都市構想にも通じるものではないかと思いますので、今後ともに推進していかなければならない重要な問題であると思います。
  292. 清水勇

    清水分科員 いま大臣から均衡ある国土の発展を図る、私も同感であります。国土庁は去年、定住圏構想なるものを示しておられますし、いま大臣が言われるように、大平さんの時代になってから田園都市構想というものが打ち出されております。ふるさとを見直そう、私もこれは賛成なんでありますが、しかし実際には、見直そうと言われても、そのふるさとにいたのでは生活の維持ができない。これは政治の力で解決しなければならない重大な課題なのではないか。そうでなければ、何をうたい上げてみてもそれは絵そらごとになってしまう、こう言わざるを得ません。  いま申し上げた西山地域というのは、かつて、養蚕を初め農業が主要な生活基盤でございました。しかし、高成長時代を通して農業が全体として生産基盤たり得ないというような状況に衰退をする、好むと好まざるとにかかわらず生活基盤を他に求めなければならない。そこから、申し上げたような、長野市への通勤というような傾向が増大をしているわけです。私は、その種農山村が農業を主たる生活基盤として立て直されていくために必要な施策、これはこれで別な機会に問いたいと思いますが、きょうはいまの問題に限定をいたします。  実は数年前から、わずか二十キロそこそこの長野市へ通うのに、八時半の出勤時間に間に合うためには遅くとも六時半に出なければ間に合わない。したがって帰りも非常に遅くなる。これではどうやってみても、ふるさとを離れて、結局、申し上げたような、他へ転出をせざるを得ない。そこから果てしない過疎化が進む。最近、中条村などでは、村が青年たちの世論調査をいたしました。しかし、八五%以上の若者たちが、よそへ出たいということを実は言っている。これは忍びない気持ちでそういうふうに答えていると思うのです。  そこで、いま大臣からお話もありましたが、とりわけ定住圏構想などを提起されている国土庁がどういうお考えをもって臨まんとされておるのか、少しお聞かせを願いたいと思います。
  293. 亀田博

    ○亀田説明員 お答え申し上げます。  過疎地域の振興といいますか、人口の地方定住という問題は、先ほど先生からお話がございましたように、当該地域の特殊性に応じました振興というのは当然大事でございまして、これは生活環境なり生産環境なり総合的な居住環境の整備というのは当然であろうと存じますが、それと同時に、お話もございましたような就業就学の機会の確保あるいは都市的サービスの享受を可能にするというような観点から、地方都市、地方中核都市といいますか、地方中心都市といいますか、それらと周辺地域を一体として整備すること、これまた当然重要な点であろうと私どもは考えておるところでございまして、周辺地域と地方の中心都市を一体として整備するためには、それらを結びます、御指摘のような幹線道路を含みます道路交通網の整備ということは非常に重要な点であろうと私どもは基本的に考えておるところでございまして、これは実際の問題といたしましても、過疎地域振興計画というのを五年単位で、昭和四十五年から二回ほどつくったわけでございますが、その中でも、たとえば都道府県計画の中では六割近くが道路網の整備に投資をされている。四兆円近いという大きな金額でございますが、その大部分が道路に対する投資ということを見ても、私どもとしては、私どもの考え方が正しいといいますか、そうあるべきであろうというふうに考えておるところでございます。
  294. 清水勇

    清水分科員 さて、大臣も建設当局も、私がいま申し上げた西山地域、その辺の窮状のほどをある程度御理解をいただいたと思います。そこで、国道十九号線に触れて、あるいは長野大町線、これは主要地方道でありますが、等に触れて、建設当局としては具体的にネックといいましょうか、この隘路打開のためにこれまでどの程度の取り組みを進められてきているのか、最初に承りたいと思います。
  295. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  第八次道路整備五カ年計画におきましても、地域におきます生活基盤となる事業を実は幾つかの重点の一つに取り上げて、それで鋭意整備を進めておるということでございます。長野県西山四カ町村の過疎対策の御指摘があったわけでございます。これにつきまして、十九号について一体いままでどういう取り組み方をしてきたのか、こういう御質問でございました。  実は、この一般国道十九号のうち最もネックになっておりますのが、両郡橋から長野市街の間の五キロメートルの間でございます。これが道路幅員が約七メートル、歩道の設置が実は満足にできないといったような大変狭い区間が連なっておりまして、交通量も一日一万八千台、大変混雑を来しておりまして、通勤通学等の日常活動に大きな支障を来しているという点は十分承知をいたしております。こんな状況からこの混雑緩和を図るという観点から、昭和四十九年度から長野南バイパスの調査を進めてきたところでございますが、現在長野市周辺におきましては、直轄の道路事業として篠ノ井長野バイパス、上田バイパスといった整備を進めておるという状況でございまして、この長野南バイパスの事業化自身が実はなかなか困難な見通しでございまして、私ども、この緊急的な課題をどう解決すべきかということにつきましていろいろ検討を加えておるというのが実情でございます。
  296. 清水勇

    清水分科員 御苦労をいただいていることは私も承知をしているわけであります。  さてそこで、いまネックと言われた個所、やがて時間がかかっても何とかしなければならぬという個所でありますが、私はその前に、いずれにしても渋滞の緩和のために基本的にどう考えるかという第一点に、たとえば長野市街に入る必要のない車両というのがたくさんあるのですね。たとえば遠く関西方面、名古屋方面から来るトラックを中心とした車両、あるいは逆に富山、新潟県方面から通過をする車両。トラックを中心に、もう膨大な量なんです。これは長野市街に入る必要はちっともない。ところが、現実には、道路が一本しかないものですから結局入らざるを得ない。そこで、いま言われる長野南バイパスなんですが、これはある意味で必要不可欠なバイパスなのではないか、私はこう思います。だから建設省も四十九年度から調査に入っていると言うのだけれども、そこでどの程度の見通しが得られているのか、この点についてまずお聞かせをいただきたい。
  297. 山根孟

    ○山根政府委員 現在、長野南バイパスの一応の素案が、実は考え方としては出ております。ただ、現在のネックをそのまま解消できるか。広域的な観点としては確かに効果があるわけでありますが、交通の量から申し上げますと、長野市に直接目的地を持たない交通を処理するという観点からは、長野南バイパスというのはかなり効果があるわけでありますが、しかし、長野市に入ってまいります交通という点、これは長野市に全く用のない車に比べると圧倒的に多いわけであります。したがって、現在考え方として、長野南バイパスをたとえばいまの十八号の方に仮に緊急的に取りつけたといたしましても、これまた、実は丹波島橋の方でまいってしまう。篠ノ井長野バイパスまで接続をしてようやく効果を発揮できるといったような、かなり長期間をかけないと、どうも所期の目的を達することができない、こういうことがありますので、そこで、中でもいろいろ議論をしておりますが、もっと別な考えで長野の町に導入できる方法はないだろうか。広域的な交通はいずれにしても時間がかかる問題であるから、中央自動車道から分岐をする長野線の推進等によって広域的な交通は処理をしてというようなことも一方ではあるものでございますから、その辺のところをあんばいをしながらどう計画を進めていくべきかということの見直しを実はせねばいかぬ時期にあるなということを感じておりまして、今後真剣に検討してまいらなければならぬ、こう考えておるわけでございます。
  298. 清水勇

    清水分科員 いま言われるように、結局、長野南バイパスを考える場合には、十八号線を横断をして篠ノ井バイパスまでつなばなければ十分な効果を発揮できない、私もそう思います。これにはしかし、予算も相当かかりましょうし、用地の買収も安易ではない、こういうネックもありましょう。しかし、あっても、それはそれで、最終的には地域住民の合意を前提にして推進を図っていただかなければならぬ、こう思います。うなずいておられるからそれはそれでいいとして、そこで私は、一つ具体的な提案といいましょうか、考え方を参考までに申し上げたいと思うのですが、たとえば、いまも言われているように、両郡橋から旧十八号の接点、県庁通りといいましょうか、そこまでの間約五キロが大変交通の渋滞がひどい。これはまさにそのとおりなんですが、しかし、これも、拡幅改良するというようなことは容易じゃないんじゃないか。私は、一つは、直轄の立場から言えば四車線ぐらいをとった改良をということになりましょうけれども状況によっては三車線に拡幅をし、長野進入方向の車線について二車線をとる、こういう方法である程度渋滞の緩和を図る、こういうようなことについても一つは検討を進めてもらっていいんじゃないか。  それからいま一つは、それも用地の買収等でやはり時間をかけざるを得なくなるんじゃないか。そうだとすれば、他の暫定的といいましょうか便宜的な方法として、たとえば両郡橋から犀川の西側に、仄聞をするところによると護岸工事計画があるやに承知をしておりますけれども、もしそうだとすれば、堤防を少しかさ上げをして二車線ぐらいとれるような道路を新設をする、そして事実上このバイパス的な効果を機能としてそれに発揮をさしていく。できれば十八号の丹波島橋の北側の部分へこれを抜けさせて、そしていわゆる長野大橋の北側つまり十八号に結びつけるようなそういうやり方をすると、たとえば市街を通過する必要のない車両をそこへ通す、また市内に入る車もそれが利用できる、一石二鳥の効果を持っているんじゃないか、こういうふうな感じもするものですから、この辺について、あれもこれもむずかしいと言われるんじゃなくて、可能性のあるところから手をつけることができないのかどうか、こんなふうに思うのですが、いかがでしょう。
  299. 山根孟

    ○山根政府委員 確かに先生おっしゃることは、一つの考え方として十分検討してまいらねばいかぬ考え方だ、こういうぐあいに考えます。ただ、若干現地の状況について見ますと、まず三車線運用ということを前提にした現道拡幅ができないか、こういうことの御提案。実はあの区間は、幅員十六メートルで都市計画決定ががなされておるわけであります。ところが、人家連檐をして、私ども、バス停車帯を設置するとか交差点改良といったような緊急な措置ができるところについてはやってまいったわけでありますが、やはり全線を通じて三車線運用するようにやってまいるということは、かなり家屋移転その他にも時間がかかってしまうことにはならないだろうか、こういう懸念、心配を実はいたしております。  それから第二の、犀川左岸の築堤に合わせて二車線バイパスを建設する、こういう問題については、実は長野県の方が河川管理者計画調整中でございます。ただ一つの難点は——難点と申しますか、沿線に住宅団地がかなりあります。大規模な住宅団地があるといったこともございますので、そういったことが今後の解決すべき課題ではないか、こう考えておるわけでありますが、いずれにしましても、この両郡橋付近から長野市の市街地へ参りますいわば十九号沿いで、御指摘のような、長野市内に交通を誘導していく場合にどれが一番いい、実施可能な方策であるかということは、先生の二つの御提案も含めてこれから検討をしてまいりたい、かように考えております。
  300. 清水勇

    清水分科員 そこで重ねて、大臣にもこれは聞いていただかなければならぬわけなんでありますが、長野南バイパスも非常にむずかしい、現道の拡幅改良も容易ではない、だから少し時間がかかるけれどもがまんをしてもらうということでは、これはまさに政治は何の役割りも果たしていないと言わざるを得ない。私はそんな短絡的に言うつもりはありませんが……。  そこで、後段に申し上げた、現状をにらんで一番可能性の濃いというのはやはり犀川左岸の築堤との関係で、ときに何とかならないか。確かに犀北団地という一つの団地がございます。だがしかし、これもそのわきをかすめる程度でありまして、団地の中を通るなんというような筋合いの個所ではないのです。右側といいましょうか東側の方は、近年、地元長野市等が運動公園等にしているというようなことで、ある意味で言えば、条件的にも立地上のむずかしさというようなものは少ない。ですから私は、この辺のところを少し中心に——それは基本的には、さっき言われるような長野南バイパスなり現道の拡幅なりに手を進めていただかなければなりませんが、応急的な措置として、その辺のところを少し考えていただく。そして、仮に来年できなくても、近い将来それが実現を見るよということになれば、さっき申し上げた西山四カ町村の住民に対しても一定の希望を与えて、過疎化を食いとめるような転出の防止が可能になってくるのじゃないか。そういう意味で私は、特に政治的な立場で大臣から、どんな御所見を持っておられるのか、この点について承りたいと思います。
  301. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 具体的な問題でございますから、私も、ただいまの道路局長との質疑応答の間で承知したというふうな状態でございますが、いま言われましたように、これもこの困難がある、あれもこの困難がある、困難はわかっておりますけれども、前向きにいずれかに決定していく、まさにこれは政治の決断であろうと思いますので、地元地方公共団体ともよく協議をさせていただきまして、早急に実現可能な方法で前向きに検討させていただきたいと思います。
  302. 清水勇

    清水分科員 ちなみに申し上げておきますと、県の土木部長以下関係者も、また地元長野市や先ほど申し上げた四カ町村も、国の一定の方向が出れば全体としてそれを促進をしよう、こういう姿勢でありますから、ぜひひとつ促進方を、大臣はもとより、担当局長にも強く申し上げておきたいと思います。  それからあわせて、最近、十九号がときどき土砂崩れに遭ったり道路が決壊をする、そのたびに小川村、中条村等を経由する長野大町線というものが迂回路として使われる。ところがその整備が必ずしも十分でない、こういうことがございます。  それで、この長野大町線というのは、御存じのように遠くは茨城、群馬、埼玉を経由して長野に至り、さらにアルプスを越えて富山へ抜けるというような、最近では中部横断の観光道路的要素もあって、県外の車も多い。これはどんな状況になっているのか。仄聞はしておりますが、これまた整備の促進を推進していただきたい、こう思っておりますが、いかがでしょうか。
  303. 山根孟

    ○山根政府委員 御指摘のように、昨年は十九号の交通どめのために大変御迷惑をおかけしたような次第であります。この迂回路の一つとして主要地方道長野大町線が利用されたということであります。私ども、いわばより大きく、やや広げて考えますと、ちょうど長野市と大町市とを十九号を経由して最短距離で結ぶ路線である、したがいまして大変重要な路線であるというぐあいに考えております。  現在のところ、全線三十六キロメートルのうち二十六・五キロメートルが改良済みであります。なお相当の残事業が残されておるし、現在、改良率が七四%というところでございます。全線は舗装されておるわけでございますが、改良されていない区間につきましては、現在、小川村と美麻村の未改良区間において国庫補助事業によります改築を行っているところでございます。  なおかなり残事業がございますので、緊急に整備を要する個所につきましては局部改良もあわせて実施をいたしまして、交通安全の確保に対処をするというような考え方のもとで現在進めておるところでございまして、今後とも整備の推進につきましては積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
  304. 清水勇

    清水分科員 時間が参りますので最後に一言だけ。  これは大臣の所信も承りたいのですけれども国土庁の方へお尋ねをしたいと思います。  御案内のとおり過疎地域対策緊急措置法、来年度で失効ということになります。だがしかし、過疎を抱える関係市町村の立場から見れば、また国土庁から見ても、まだまだ大変な積み残し事業というものがございます。そこで、十年で失効をし、そのまま廃止をされるなんというようなことは、今日の状況が許さない。当然、むしろ内容を充実し強化をして存続させるべきものではないか、私はそんなふうに切実に感じているわけでありますが、どうぞひとつ内閣としても存続の方向で決断をしていただきたい、国土庁はとりわけそういう立場で推進をしてもらいたい、こういうふうに思うわけでありますが、最後にその所信を承って質問を終わりたいと思います。
  305. 亀田博

    ○亀田説明員 過疎地域対策緊急措置法の延長なり、あるいは内容の充実強化の問題の取り扱いでございますけれども、これは御承知のとおり昭和四十五年に、超党派によります議員立法で制定された経緯もございますので、私どもはそれらの点も踏まえまして、それから、いま御指摘ございました過疎地域の現況、いまだ過疎現象は依然として続いておりますし、過疎問題が完全に解消されたとは私ども考えておらないところでございまして、それらの点を総合的に踏まえまして、今後まだ若干の時間の余裕もございますので、関係各方面と御協議させていただきながら検討を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  306. 清水勇

    清水分科員 それでは終わります。ありがとうございました。
  307. 井上普方

    井上(普)主査代理 水田稔君。
  308. 水田稔

    水田分科員 本四連絡橋、鉄道で言いますと本四備讃線と言うのだそうですが、その道路部分と鉄道部分についての御質問をしたいと思うのです。  昭和四十八年着工予定が、いわゆるオイルショックによる総需要抑制でストップされまして五年たったわけです。昨年の十月十日に着工ということになったわけですが、いまだに岡山から木見というところまで、いわゆる俗に木見以北というのは、ルートが鉄道については決まっておらない、こういう問題があるわけです。当然着工までにはルートは、全部本州と四国を結ぶわけですから、途中だけやったところで使いものにならぬわけですから、当然決定されて着工されるべきだ、こうわれわれは思って、公環特の環境問題に絡めて御質問をしたわけですが、いわゆる地元の人間として理解できるような御答弁は全くいただけないわけです。  そこで、一体どのような検討がされて、いつごろまでには鉄道についてのルートの決定ができるのか、まずお伺いしたいと思います。
  309. 岩橋洋一

    ○岩橋説明員 先生おっしゃいましたとおり、前にも御説明いたしましたが、この木見以北のルート、これにつきましては、基本計画という段階がまだ決まっておりません。基本計画を決めますのは運輸省でございます。ただし、この基本計画を決めますときには、運輸大臣から鉄道建設審議会に諮問をいたしまして、この御答申をいただいた上で運輸大臣が決める、こういう規定になっておりまして、現在、私どもはその基本計画の原案をいろいろと練っているところでございます。これは御承知のとおり将来国鉄が使うというかっこうになりますので、国鉄の意見というものも徴さなければならない、また、実際に工事をする本四公団の意見も徴さなければならないということで、現在、その両者といろいろ検討を加えているという段階でございます。
  310. 水田稔

    水田分科員 私はこの前お聞きして、どこが責任を持って一体そのルートを決めるのか全くわからなかったわけです。運輸省が鉄道審議会に諮る、こう言う。諮るのなら運輸省が決めなければならない。それはもちろん公団と協議をする、あるいは国鉄と協議をする、当然だと思うのです。着工して大体八年か九年には全部が完成する。その年数から考えてみれば、着工中止から今度の着工まで五年間という年数があった。そこでもなお決まらぬというのは、一体何があるのかわからぬわけです。たとえば、それはルートを決めるのに地形上の問題あるいは路盤の軟弱なところとか、そういうことでなかなか決めがたいということなのか。あるいは全体的な交通体系で岡山と四国あるいは山陽本線との関連という、そういういわゆる流れの問題としてどうやるかということが問題なのか。あるいは環境問題では、ここのところは環境影響評価は欠落しておるわけです。ルートがわからぬわけですからやりようがないわけです。欠落しておる。そういう点について、たとえば地元から、ここでなければならぬとか、あるいはここであっては困るとか、そういう話というのは裏ではあるのかもしれませんけれども、表には全く出てない。いわゆる純然たる技術的な交通体系の問題あるいは技術的な検討でできる問題、そういうものが、これまで御答弁に全くないわけですね。四十八年の着工中止から五十三年十月十日のゴーのサインが出るまでの期間というのは五年あるわけですね。その間全くそういうことができないようで、これから八年か九年ででき上がるわけですけれども、そこだけはいわゆる抜けたままで、自動車だけ走って鉄道は全く四国までは行かない、いままでの答弁から言えばこういうことになりかねぬと思うのです。一体、いま私が幾つか申し上げましたそういう問題でどこにネックがあるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
  311. 岩橋洋一

    ○岩橋説明員 いま御質問のございました中では二番目におっしゃいました、全体の輸送計画としてどうあったらいいかということを現在は考えているわけでございます。  本州四国連絡橋の場合に、橋梁部分は昨年着工いたしまして、大体六十二年度ぐらいまでかかるということで考えておりますので、まだ八、九年ございます。一方、陸上部はそれほど時間がかからないであろうという理解を持っております。したがいまして、本州と四国を結ぶ鉄道のたとえば輸送量であるとか、それも旅客、貨物の輸送量、そういうものが完成時にどのようになるか、それに対しては、単にルートだけでなくて、それに伴いますヤードであるとかその他の、いわゆる輸送設備と私ども呼んでおりますが、これはどういう形でやったら一番いいだろうかということは十分検討すべきものだと思いまして、まだ余裕があるという判断に立って現在勉強を続けている、こういうことでございます。
  312. 水田稔

    水田分科員 ごまかしもはなはだしいのです。交通量の推測なんというのは、これはもう計画を立てる段階で全部出ているわけですね。ただ、それは経済の状態が四十八年から大きく変わりましたから、そういう点のあれはあるとしても、五年間たっているわけですよ。不況の状態というのは五年続いているわけですね。ですから、経済の成長率の見直しなり物流の見直しというのは、五年間でできないようではできっこないのです。  私が一番けしからぬと思うのは、それは鉄道はそれだけでいいかもしれません。一番問題なのは、たとえば玉野という市があります。これはいま四国への玄関口になっておる。造船不況で大変なことになっている。そこへこの路線が、これは児島を通っていくわけですから、宇野線というのは全くローカル線の最たるものになる。その場合、個々の住民の生活あるいは計画というのは、一体振興計画というのはどうするかというのは、路線の決まりようも影響があるわけですよ。あるいは岡山の町でも、そのルートによってどう考えようかという問題があるわけですね。これは公団なりあるいは運輸省が都市計画までやってくれるんならいいですが、そんなことひとつもやってくれぬでしょう。そういう計画にのっとって、具体的に対応するものを県なり市が何をやるべきかということが大事なわけですね。そのためには、ルートなんというものは着工の段階で明らかになり、そして年数に合わせて県なり市町村のこれに対応する施策というものがちゃんとできなければ、そんなに国が予算くれるわけはないでしょう、道路の問題でも。だから、時間が間に合うなんというのは、これはこの通過地点というのは、一つはメリットも欲しいのですよ。同時にデメリットもあるわけですね、環境問題で。それをカバーしてメリットは一体何か、そういう形につくっていくのが、運輸省だけがやってくれるわけじゃ、公団が全部やってくれるわけじゃないわけですね。デメリットをどう減らすかということについては公団の責任でやってもらう場面はあるとしても、ほとんどが県なり市町村というところがそれに対応する対応策をやらなければならぬ。それは簡単にはできぬわけですよ。一つの道路でも、さっきの論議ではないですけれども、いろいろのネックがあって、本当にすぐ対応できるようないまの予算の組み方ではないわけでしょう。だから、一日も早くと言うのは、そういう計画を立てる上でも必要だから私は申し上げておるのです。  もう一つは、たとえばいま児島の信号所というのですね、これもこの前聞いたけれども、駅になるのかならぬのか、いまだにわからぬのです。どこが責任を持ってやってくれるのかわからぬ。公団に聞けば、駅になるでしょうと、でしょうなんですね。そんなことでは困ると思う。たとえばあの地域、駅ができるなら、それに対応する市街化というのはどういう形でやるかというのは、いまの段階から計画立てなければ、駅ができたときには道路だけで、何にもその周辺の整備はできてないという状態になるわけですね。一番被害を受ける通過地点である児島の住民というのは、駅というものを中心にこの町をどう再開発していくか、そういうメリットがあるから少々のデメリット、いわゆる環境問題でも、ここまでやってもらえばある程度しんぼうしようじゃないか、こういう論議で、協力しよう、こう言っておるわけですね。そのもとになるものは全く、明らかな理由は私はいまの説明ではわからぬですよ。たとえば期間が延びてもいいというのは、あの地域の住民に対するばかにした話ですよ。間に合わぬのですからね、対応する県なり市の対応策というのは。私はそう思うのです。ですから、十分間に合うというのは訂正してもらいたいと思うのです。  何が一体問題か。交通体系でもいまの体系というのは明らかにわかっておるし、もう決めるといったら、全部を決めるわけじゃないのです。木見というのは固定されているわけですよ。岡山から出る。とるのは宇野線から茶屋町を通って入ってくるのか、その場合には当然宇野線をどうするかという問題がありましょう。山陽線の、たとえば岡山西駅からその次の庭瀬の駅の中間から出るとすれば、そういういずれをとるかという限定された、入り口と出口とどちらもはっきりしておるわけですから、その間に突拍子もないところを回るということはあり得ぬわけですね。それで交通体系といいますか、物流の関係といいますか、量の問題については、それは明らかなわけですよ、それは推測が入りますから決定的なことは言えないにしても。そうすると、むしろそれに対応する町の形態の変化というのは、その路線が通って駅の場所が決まり、たとえば茶屋町がどうなるのか、あるいは宇野線を使わないとしたならば、その途中に児島までの間につくるのかつくらないのかというような問題は、その地域の県なり市が対応するのにきわめて多額な金と長期な期間を要するそういう計画を、むしろ自治体の側にかぶせることになる。  そういう点では、この国家的な大事業が地域の人たちから、やってもらってありがたかったということにするのであれば、一日も早くルートと、そしてもう一つは児島の信号所というのを駅にするのかしないのかということを具体的に協議をして、運輸省が鉄道審議会にかける、いつごろまでにかけるということを明らかにしない限り、人をばかにした勝手な工事だけ進めておる、こういうことで私は地元へ帰って、運輸省の考え方というのはまさに地域の関係住民をばかにしたやり方をしておる、こう声を大にして言わなければならぬと思うのです。だからもう一遍、なぜか、そしていつまでにやるのか。そんなものは八年も九年もあるというようなやり方は納得できませんから、もう一遍御答弁願いたいと思います。
  313. 岩橋洋一

    ○岩橋説明員 いま御質問ございましたいろいろなことを考えまして、確かに沿線の関係もあると思います。それらを考えましてなるべく早く計画は決めたいと考えております。現在のところ、国鉄あるいは公団の意見を聞いているというところでございますので、現段階で、いつまでにまとめるということをお答えするのは、まだちょっと無理でございますので、御勘弁いただきたいと思います。
  314. 水田稔

    水田分科員 全く納得できないわけです。このままでいけば、この五年間まさに何の検討をしておったかわからぬ、こういうことなんですね。この前も公環特で聞きましたら、公団もはっきり言わない。国鉄当局も、権限がない、こう言うのです。運輸省に聞けば、協議をする、こう言うのです。どこも何もやってない。具体的に何をやっておるのか。  それじゃ公団、おいでですから、具体的にこの路線についてはどういう検討をやって、どういう意見を運輸省に出しておるのか。きょうは国鉄は来ておりませんからやむを得ぬですけれども、公団だけは来ておられるのですから、言ってください。
  315. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 木見以北の鉄道のルートにつきましては、公団は過去数年にわたっていろいろなルートを調査してまいっております。そのおよその結果につきましては関係方面まで一応の御報告は申し上げておりますが、現在のところはそういう段階でございます。
  316. 水田稔

    水田分科員 関係方面ではなく、たとえば国鉄に対しては、運輸省に対しては、このルートならよろしい、こういうぐあいに上げておるのかどうか。
  317. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 このルートがいいというような決定的なものではございませんで、こういうルートを通った場合にはこういう問題がある、こういうルートの場合にはこうであるというような一つの比較の段階での素案といいますか、そういうものをお示ししてあるという段階でございます。
  318. 水田稔

    水田分科員 ということは、これでなければもう公団としては困るというあれはないわけですね。一つは建設省の方に、本四連絡橋公団というのは建設省所管監督されておるのですが、いま論議を聞いていただいたらおわかりのように、この大事業を進めるについては、一番基本になるところが欠けておる。私はそのことはけしからぬ、こう思うのですが、大臣監督する立場で——公団の方は自分の意見を上げておる。もう何年も前だろうと思うのですよ。そんなルートが、いま言ったように限られたところの起点ですから、これはこんなに回ることはないわけですから、これは動いてもわずかなところなんですが、それが今日まで決まらないということで、公団自身も仕事がやりにくいだろう。それから、この鉄道の走る場所によっては、環境問題については環境影響評価をやってないわけですからなお問題が起こるかもしれぬわけですから、監督する立場で、いまの私と運輸省との論議を聞いて、大臣の御見解を聞かしていただきたいと思うのです。
  319. 山根孟

    ○山根政府委員 実は道路という立場から申しますと、鉄道と道路の併用部分、それから陸上に上がりまして鉄道と道路がいわば重用する部分につきましては、私どもいろいろ、本州四国連絡橋公団はもとより、運輸省ともいろいろお打ち合わせをする立場にあるわけでございますが、ちょうどただいま御指摘の区間というのは、実は鉄道の単独の部分でございます。したがいまして、私どもの立場からは何とも申せないところでございます。
  320. 水田稔

    水田分科員 本四公団を監督する直接の主管官庁というのは建設省でしょう。
  321. 山根孟

    ○山根政府委員 建設、運輸両省でございます。
  322. 水田稔

    水田分科員 私の質問に対する答弁というのは、まさにあの周辺の住民なり、あるいは岡山県にしても倉敷市にしても、やりようが納得できないことなんです。時間の関係がありますから、あと道路部分をちょっと聞きたいと思いますのでやめますが、このようなことでこのルートの開設が、特に地方自治体が計画する地域の開発ということでは全くそういう配慮がされてない、けしからぬ話だ、こういうぐあいに言いっ放しにせざるを得ぬと思います。ただ要望としては、私が申し上げたような地元の事情というのは、これだけの事業ですから、喜んでもらえるということなら運輸省の方も当然——問題は公団には私はないと思うのです。国鉄も私はそれほどないと思うのです。だから運輸省に問題がある。そういう点で運輸省が一日も早くこのルートの決定、公表をすることを強く要望して、この点は終わりたいと思います。  それからもう一つ、道路の関係なんですが、道路も、実は稗田地区というのは、最終的には路線の決定は先に延ばされている。それから鷲羽山については、これは国立公園の特別指定地域でありますから、環境庁の評価の中にも、工法上可能な限りトンネルというようなことで出ておるわけですが、稗田の地域につきまして、これはトンネルにするのかオープンカットにするのか、いわゆる路線はどの位置にするのかということはいまだ未決定なんですが、これは環境問題だけではなくて、その地域に住む人は、決まりようによって大変生活に影響するわけで、一体どうなるのだろうかという心配をしておるわけですが、大体どの程度の時期にこのルートの検討が終わって公表ができるのか、まずお伺いしたいと思います。
  323. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 稗田地区のルートにつきましていろいろ問題があることは御指摘のとおりでございますが、まず環境問題から申し上げますと、局地的な気象を観測いたしませんと、将来自動車が通った場合の排気ガス等がどうなるかという評価ができません。それからまた当然のこととして、その地域の大気質が現在どういう状況にあるかということも十分調査しなければなりません。この二つの問題はいずれにしても通年、つまり一年間を通じて、あるいはそれ以上の観測結果をもとにしませんと正確な答えが出せないという性格のものでございまして、したがいまして、もうすでにこの二点につきましては調査を開始いたしておりますけれども、正確なデータをとるまでにはまだ一年やそこらはかかると思っております。なお解析にはその後かかるわけでございますから……
  324. 水田稔

    水田分科員 どのくらいかかりますか。
  325. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 これはまだ何とも申し上げかねますけれども、それプラス数カ月の日時を要するということになろうかと思います。  それから、ルートの問題でございます。これにつきましては地元からはトンネルの要望も非常に強うございますが、ああいう地域でございますから、ルートは何本でも引こうと思えば引けるわけでございまして、その優劣につきましては、一応土木工学上の答えは出せても、それと環境問題との結びつきということになりますと、先ほど申し上げましたような調査結果を踏まえての評価ということにつながっていくわけでございます。そういうことをいろいろ考えあわせますと、まだ正確には必ずこのころということは申し上げかねますけれども、およそ二年程度の日時は要するのではないかと予想いたしております。
  326. 水田稔

    水田分科員 時間がありませんから最後のところへ参ります。  この路線の決定について、昨年の十月四日に公団の蓑輪副総裁から、わが党の久保三郎本四架橋特別対策委員長あてに文書で回答がありました。これは、十分地元の要望案を稗田について聞くということであります。もう一つは、十月九日に蓑輪副総裁が岡山の二建で、この稗田地区の住民代表に対して文書で回答しております。「稗田地区の路線計画については、従来地元からトンネル化の要望のあるところで、現在自然条件環境条件等を調査し、地元要望案を含め検討を進めているところであります。調査にはなお相当の期間を要しますが、その過程において地元関係者とも十分話し合い、路線を決定する所存であります。」——御存じですか。
  327. 井上普方

    井上(普)主査代理 答弁を簡単にお願いします。
  328. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 まず久保先生に対する副総裁からの文書、それからまた地域の方に対するメモ、これがあることは存知しております。
  329. 水田稔

    水田分科員 そうすると、先ほど、調査と解析そしてルートの決定で約二年くらいかかる。その中でこの地元住民との約束は確実に果たされますか。どういう形でやられますか。
  330. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 まず調査に入っておるわけでございますけれども、     〔井上(普)主査代理退席、主査着席〕 現在のところ、大体月に一回ないし二回はその地域の関係者の代表の方とは、公団の調査の現況だとかそういったことはお話し合いをいたしておりますし、また、調査自体に対する地元の方々の御協力も非常に好意ある態度で得られております。そういうことで、調査そのものは先ほど申しましたようなことで進められるという自信を持っておりますが、それから後、出てきました諸種の答えをどういう形で地域住民の方と御相談するか、これは当然その前に県あるいは市、そういう行政関係方面とも御協議しなければいかぬわけでございますが、その辺については今後いろいろと検討してまいりたいと思っております。
  331. 水田稔

    水田分科員 私申し上げたのは、別に県や市の問題——それは当然行政としてやるべきことなんで、それは県なり市ともいろいろな協定を結ばれておるわけです。私が申し上げたのは、代表権を持つ副総裁が「地元関係者とも十分話し合い」こう言っている。その具体的なやり方というのは、二年で最終的にルートを決める前にちゃんとやってもらわなければならぬということです。ですから、県や市と先にやって大体押さえ込んで、住民に大体こういうことで押さえるというようなことは、決してしてもらっては困ると私は思うのです。だから、こういう文書があるわけですから、この住民の意見を十分尊重してもらいたい。だから、そういうことでやりますということで答弁はいいと私は思うのですが、どうですか。
  332. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 道路をつくる場合には、最終的にはその地域の方々の御同意を得なければ用地も買えないわけでございますから、そういう線で公団としてはあらゆる努力は払っていくという考えでございます。
  333. 水田稔

    水田分科員 時間が参りましたが、関連して最後にもう一つだけ。  実はこの話というのは、十月四日に東京でやりまして、そして七日に現地でやれというのがとれませんで、九日に、着工の日が十日ですからその前の日に一カ所だけ稗田住民の代表とやったわけです。この稗田のルートの決まり方によっては、新児島団地それから菰池というところにも問題が出てまいります。その地域の住民も全く同じことを考えておる。これは児島の出張所へ行って着工の前日に話をしておるわけですが、蓑輪副総裁、時間の関係もありまして全部に会っていないわけで、私どももそういうあっせんが時間的にできなかったわけでありますが、当然この新児島団地、菰池という道路の沿線、いわゆるルート沿線の地域については同様のことがあればこの稗田と同一に扱う、こういうぐあいに理解してよろしいですか。
  334. 松崎彬磨

    ○松崎参考人 繰り返しになりますけれども、地域の関係住民の方の御同意なしには道路はできないわけでございますから、そういう意味では先生御指摘の他の二つの地域の方々とも十分話し合いをして事柄を進めていきたい、こう考えております。
  335. 水田稔

    水田分科員 終わります。
  336. 藤田義光

    藤田主査 以上で水田君の質疑は終了いたしました。  次に、草野威君。
  337. 草野威

    草野分科員 私は、第八次道路整備五カ年計画の中で首都道路公団の総事業費六千五百億円及びその他の道路の建設につきまして若干質問をいたします。  初めに大臣にお伺いしたいわけでございますが、新規路線としてこのたび着手することになりました神奈川県の横羽湾岸線、通称ベイブリッジでございますが、この問題について若干承りたいと思います。このベイブリッジは、十数年来幻のかけ橋、このようなことも言われてまいりました。このたびの事業着手ということで地元も、また関係者の人たちも非常に大きな期待を寄せているわけでございます。それで一日も早く完成をと、そういうように期待をしているわけでございます。  本日はまず大臣に、このベイブリッジの建設の概要、また見通し、こういう問題と、それからもう一つは、このベイブリッジの完成によりまして横浜市を中心とする地域社会に与える影響、こういうものをどのように御判断されておりますか、まずお伺いをしたいと思います。
  338. 山根孟

    ○山根政府委員 お答え申し上げます。  横浜ベイブリッジは、東京湾岸道路の一環といたしまして、先生御指摘のように横浜港ののど元の部分におきまして本牧埠頭と大黒埠頭とをつなぐものでございます。横浜中心部の交通混雑の緩和に大きく寄与するものでございます。また将来は、東京湾岸道路の一環といたしまして周辺諸都市の機能分散、流通の合理化等に寄与するものと考えておるわけでございます。  事業といたしましては、冒頭先生がおっしゃいましたように、首都高速道路として実施いたすことを予定いたしておりまして、このベイブリッジにつきましては大黒埠頭本牧埠頭間延長二・七キロメートル、斜張橋といたしまして橋長が八百六十メートル、中央の支間が四百六十メートル、工期といたしましては一応七年程度を予定いたしておる事業でございます。
  339. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 いわゆるベイブリッジでございますが、私も横浜に住んでおったこともございますので、横浜市の中心部がいかに交通渋滞であるかということは十分承知いたしております。これではせっかくの日本の代表港である港湾の機能を果たすことができないというので、いま申しましたように東京湾岸ルートの一環としてこのベイブリッジを取り上げたわけでございます。  いま工期の点につきましては、道路局長からも申しましたが、これは湾岸道路全部が通じまして、まあ全部が通じぬでもベイブリッジそのものが地域的にでも機能的に働いていくという姿に持っていかなければならないのでございますが、それらともあわせまして、工期その他は、いまの予定はそうでございますが、できるだけ繰り上げて実施できるように今後ともに検討してまいりたい、このように考えておるような次第でございます。
  340. 草野威

    草野分科員 あわせて大臣にお伺いするわけでございますが、いまのお話の中にもございましたように、昭和六十年度完成、大体こういうようなお話でございますけれども、このベイブリッジの完成によってやはりもう一つ必要になってくることは、湾岸道路の問題があろうかと思います。特に横浜市の大黒埠頭とそれから東京の大井埠頭、この間が未着工のようでございますけれども、この間のこれからの見通しをどのようにお立てになっておられるか、また、この間の建設に関しまして大きな支障等があるのかどうか、そういう点についてひとつ伺いたいと思います。ということは、やはりこの湾岸道路もあわせて完成することが非常に望ましい、ということは、現在の横羽線、これの相当な混雑というものも将来予想されますので、湾岸道路の建設が非常に重要になってくると思いますが、この建設の見通しにつきましてひとつ伺いたいと思います。
  341. 山根孟

    ○山根政府委員 大黒埠頭から東京港の大井埠頭問の湾岸線の建設見通しがどうであるか、こういう御質問だろうと思いますが、この間につきましては、現在鋭意調査を進めておる段階でございます。この区間のうち大井から羽田間につきましては、東京国際空港の羽田の沖合い展開計画とあわせまして整備を進めることといたしております。すでに現在滑走路として使われております下の部分、基礎の部分にはこういうような道路が通ずるような構造をとっているところでございますが、その他の区間につきましては、かなり大規模な、技術的にも困難な事業がございまして、多摩川の沈埋トンネル、川崎航路の沈埋トンネル、鶴見航路橋、こういった長大構造物が連続をするわけでございます。さらに浮島沖におきましては、東京湾横断道路が接続をする、こういった事情にございまして、調整を要する問題が大変多うございますので、慎重にこの検討を進めておるという状況にあるわけでございます。  なお、これらの大規模な構造物の中間にございます埋立地の分につきましては、一般道路として逐次整備を進めてまいりたいというような考え方をとっておるところでございます。
  342. 草野威

    草野分科員 大臣は何か御用があるそうでございますので、どうぞ……。  では、引き続いて質問をさせていただきます。  ベイブリッジの問題でございますけれども昭和六十年度完成といいますと、それまで、これから六、七年の間かなり市内の混雑というものが予想されるわけでございますけれども、こういう問題に対する対策をどのようにお立てになっておりますか、伺います。
  343. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ベイブリッジ完成までの間に、横浜市の中心部から本牧埠頭にかけまして、御指摘のように相当の混雑が予想されるわけでございますが、これの対策としましては、すでに一年前に開通しました首都高速道路の横浜公園までの区間に続きまして、現在山下橋までの工事を鋭意進めておるところでございますが、さらにこれに関連します本牧埠頭までの区間につきましては、関連街路の整備によりましてこれをつなげたい、いずれも今期の五カ年計画内で完成をできるように努力をしておるところでございまして、この一連の計画によりまして相当の効果が期待できるというふうに考えております。
  344. 草野威

    草野分科員 このベイブリッジの建設に当たりまして、湾内におきまして他の船舶の航行上につきまして問題があるのかどうかということと、それからもう一つ、工事中におきまして湾内に与える環境問題、こういうことも心配されるわけでございますが、こういう点についてはいかがでしょうか。
  345. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御指摘のような問題は十分予想されるわけでございまして、現在、海上保安庁それから運輸省の港湾局あるいは港湾局の出先等と十分に協議をしていきたいということで調査を進めておる段階でございます。
  346. 草野威

    草野分科員 これからの事業を進めるに当たりまして、建設費の財源の問題でございますけれども、もしおわかりになれば簡単にお答えいただきたいと思いますが、その財源の計画及び財源の方式、こういうものについてお伺いをしたいと思います。
  347. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 全体計画約千二百億でございますが、主といたしまして財投資金を活用しまして、あと通行料金によってこれを回収、償還していくというのが大部分の財源でございます。そのほかに、地元及び国から若干の出資金を出すわけでございます。
  348. 草野威

    草野分科員 この橋は上下二層の橋になるということでございます。上の方が首都高で下が一般国道、こういう形のようでございますけれども、そういたしますと、国道の建設費でございますけれども、その負担の割合とかそういうことはどのようになるわけでしょうか。
  349. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 国道と有料道路の、首都高速道路の負担割合につきましては、アロケーションを今後詰めてまいりたい、このように考えております。国道そのものの負担は、一般原則に従いまして、国道部分につきましては国が三分の二、県が三分の一でございます。
  350. 草野威

    草野分科員 私が伺っているのは、そういうことではなくて、この全体計画の中で、国道の負担はどのように考えるのかということでございます。
  351. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 いま申し上げましたように、首都高速と国道のアロケーションがまだ決まっておりませんので、いま詰めておるところでございますが、しばらくまだ時間がかかると思います。
  352. 草野威

    草野分科員 では、これからこのベイブリッジの工事の進捗に伴いまして、当然湾岸道路の建設も進むと思いますけれども、特に横浜市の市街地、住宅街、こういうところのいわゆる環境問題というものが今度また非常に大きな問題になってこようと思いますけれども、これらの対策についてどのようにお考えになっておりますか。
  353. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 道路建設に伴います沿道の環境対策につきましては、従来も構造的に防音壁をつくる、あるいは道路の側面にバッファーゾーンをつくる、あるいは特に指定した区間につきましては、バッファービルを建てる場合に、建てる人に対しまして特別の助成を行う等の対策を講じてきておるわけでございますが、この湾岸道路全般につきましても、このような従来の方針を十分に活用して公害防止に万全を期していきたいというふうに考えておるところでございます。
  354. 草野威

    草野分科員 ベイブリッジの完成によって交通の流れというものにいろいろ変化が出てくると思いますけれども、どのように予想されているかという点と、それから交通量がどのくらいの見通しになるか、この点について伺います。
  355. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 現在、東神奈川付近で昭和六十年時点で十一万台という予想交通量でございますが、これがベイブリッジの完成によりまして八万台程度に緩和されるというふうに考えております。
  356. 草野威

    草野分科員 このベイブリッジと非常に関係をしてくるわけでございますけれども、これの完成と同時に、たとえば横羽線の延伸工事、これもいろいろと地元では問題になっておりますけれども、これの完成の見通し、また、横浜高速二号線の進捗状況、さらに南横浜バイパス、これの見通しはどういうようになっておりますか。
  357. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 南横浜バイパスにつきましては、五十五年度に供用の見込みでございます。その他のいま御質問の路線につきましては、先ほどもお答え申し上げたとおりでございまして、首都高速道路の横浜公園までの区間に引き続く区間につきましては、首都高速道路としまして山下橋までを工事中でございますし、さらにこの先、本牧埠頭までは関連街路事業としてこれをつないでいこうということで鋭意工事を進めておるところでございます。
  358. 草野威

    草野分科員 ということは、横羽線の延伸工事、また横浜高速二号線、これの完成はベイブリッジの完成までに間に合う、こういうことですか。
  359. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 そのとおりでございまして、一部五十八年、それから残る区間も六十年までには供用開始ができる見込みでございます。
  360. 草野威

    草野分科員 次に、別な問題でございますけれども、第二横浜新道、かつて計画がございまして、この計画はいろいろと地元でも反対があったようでございますけれども、その後どうなっているのか、また他の路線というようなことも考えておられるのかどうか。
  361. 山根孟

    ○山根政府委員 第二横浜新道につきましては、先ほど先生御指摘のように種々の問題がありまして、なかなか計画を固める段階に至らないまま今日に来ているというのが実情でございます。  では、この地域の長期的な道路網をどう考えるか、こういう点につきましては、関東地方建設局が中心になりまして各地方公共団体といろいろ打ち合わせをしながら、どういう考え方をとるべきかということを現在いろいろ検討している段階でございます。
  362. 草野威

    草野分科員 もう一つ、道路の問題でございますけれども、現在横羽線が横浜駅から三ツ沢を通って第三京浜の方までつながったわけでございますけれども、この横羽線と横浜新道の直結ということ、これは地元でも当初から期待したわけでございますけれども、これが直結されていない、そういう問題がございます。これはどういう理由があって直結をされないのか、また今後、この問題について何か考えているところ、計画等がございましたら、ひとつお示しをいただきたいと思います。
  363. 山根孟

    ○山根政府委員 横浜高速一号線、つまり三ツ沢線と横浜新道の連絡の問題がございますが、現在、市道山下長津田線及び国道一号を経由して行われているところでございます。したがいまして、直結をされていないといった点から、横浜高速一号線の三ツ沢の出路付近、それから三ツ沢上町の交差点、横浜新道の保土ケ谷トンネル入口付近、大変交通混雑を生じているわけでございますが、この地域の交通混雑を緩和する一つのとりあえずの方策といたしまして、市道山下長津田線と国道一号の一体化事業を進めまして、昨年三月供用開始をしたところでございます。しかし、なお相当の交通混雑が生じておりますが、横浜新道においては現在の交通量がいわば交通容量の限界に達していることから、抜本的な対策としては、横浜市中心部と横浜市以西を結び、横浜新道とほぼ同一機能を有する横浜高速二号線、先ほどお話の出ておりました横浜高速二号線の早期完成しかないというぐあいに考えておるわけでございます。しかし、御指摘の横浜新道と横浜高速一号線との直結につきましては、すでにビルトアップしたエリアでございまして、この地域で大変大規模な工事を実施するということになるわけでございますので、いろいろな問題がございます。したがいまして、主として土地の提供をしていただく方々等が中心であるわけでありますが、現在私ども、横浜市、関係公団が協議をいたしまして、いろいろな対策を検討しておるところでございます。
  364. 草野威

    草野分科員 この三ツ沢線の問題なんですけれども、当初の自動車の通行量、これは大体どのくらいに予測をされていたのでしょうか。
  365. 山根孟

    ○山根政府委員 手元に将来予測を持っておりませんが、現在、最近本年の一月十八日にいろんな交通流を解析して、ただいまの直結をどう考えるかという検討の一環として調査いたしましたところによりますと、首都高速三ツ沢線からの出入り交通が十二時間で一万五千八百台という数字でございます。
  366. 草野威

    草野分科員 当初の予測とそれから現在の通行量の間に相当大きなギャップがあったのではないか、こういうようなことも言われているわけですが、そういうことはございませんか。
  367. 山根孟

    ○山根政府委員 当初の想定とそれほど大きな違いはないというぐあいに承知をいたしております。
  368. 草野威

    草野分科員 では次に、下水道の問題について簡単に伺いたいと思います。  これはどこの都市でもそうでございますけれども、下水道の整備は最大の事業になっているわけでございます。しかし、その財政負担に大変苦しんでいるのが現状でございますが、これが解決のためにはどうしても補助率だとか補助対象、また起債の条件、こういう問題が非常に急務になっているわけでございます。  初めに伺いたいことは、十大都市の五十三年度における普及率、これがどのようになっているかをまず伺いたいということが一つ、もう一点は、この下水道の第四次計画、この目標は達成できるかどうか、この見通しについて伺いたいと思います。
  369. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 十大都市の五十二年度末におきます普及率は平均六六%でございます。それから今次五カ年計画の達成見込みでございますが、事業費といたしましては、これは十分に達成できる状況にあるというふうに考えておりますが、普及率につきましては、当初目標の四〇%は諸般の事情によりましてなかなか困難な状況になってきているというふうに考えられます。
  370. 草野威

    草野分科員 そこで、やはり問題は、先ほど申し上げました補助率、補助対象、こういうことが非常に問題になってくるわけでございますけれども、指定都市と一般都市の補助率の格差、これを早急に是正してもらいたい。各大都市からの強い要望でございますけれども、この指定都市に対する補助率の引き上げとそれから補助対象範囲の拡大、これをぜひともすべきである、このように考えるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
  371. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 指定都市の補助対象率をもっと拡大すべきであるという御要望はかねてから承っておるところでございますが、現在五カ年計画の進行中でございますので、今後五カ年計画改定の際に、目下都市センターにおきまして進行中であります第四次下水道財政研究会等の審議検討の結果等も踏まえながら検討をさせていただきたい、基本的には、日本全体の下水道の普及率は著しく低いわけでございますので、まず目下のところは、補助対象率もしくは補助率のアップよりは事業量の拡大が急務ではないかということを考えておるわけでございます。
  372. 草野威

    草野分科員 この下水道の問題につきましては、各都市とも非常に頭を悩ましている問題でございますので、ぜひとも各都市から出ている要望の実現に御努力をいただきたい、このように要望いたしまして、質問を終わります。
  373. 藤田義光

    藤田主査 以上をもちまして、草野威君の質疑は終了いたしました。  田中昭二君。
  374. 田中昭二

    田中(昭)分科員 私は、きょうは、福岡県庁舎の移転の問題と、それから水の問題、二つをお尋ねしたいと思います。  まず最初に、県庁移転の問題でございますが、現在、地方の時代と言われます中で、地方都市の発展ということも大変重要なことだろうと思っておりますが、現在までは福岡市の中心にありました福岡県の県庁舎が、市内随一の公園と言われます東公園の中に移転するために、事実上は、この由緒ある、市民のためにもレクリエーションの上にも大変親しまれておりました公園が、つぶれることになってしまいました。その後の対応について、建設省としてもどういうお考えをお持ちになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  375. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 本来、大都市におきますゆとりを減らすことは、都市計画上本意ではないわけでございますけれども、諸般の事情によりまして、福岡県庁が東公園にどうしても移転せざるを得ないということについては、まことにやむを得ない。そこで、東公園が現在二十一・二ヘクタールありますものが、この結果七ヘクタールに縮まるわけでございます。これに対しまして、建設省としましては、地元福岡県、福岡市と協議の結果、天神公園、名島公園、花畑園芸公園、春日公園の四公園で、公園の面積をふやすということをいたしまして、差し引き福岡市全体としましては、増減の結果、三十五・九ヘクタールふえるというふうな措置をとることとしたような次第でございます。
  376. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そこで、この県庁ができますと、周辺の整備ということが大事になってくるわけですが、まずその問題で、現在もう着工にかかっておりますが、早速交通の渋滞とかいうような問題が出てきております。  そこでここに、昨年十二月でございましたが、福岡県の交通対策協議会というのがこの状況をまとめたものがございます。それにのっとってお尋ねしていきますが、まず、「現在の都市交通問題の大きな課題である、「居住地域と都心間交通の利便性の確保」について調査審議を行ってきたが、特に、流入交通量の著しい福岡市」における「対応策と県庁が移転することに伴う交通網の整備について」提言をしております。特に、その「実施主体が国又は関係地方公共団体、あるいは日本国有鉄道その他の民間企業にまでおよび、かつそれらが相互に深いかかわりをもつ」ので、実施に当たっては相互協力が必要である。このように述べております。  そこで、交通機関はもちろんでございますが、その前提に、やはり周辺の道路を整備すべきであろう、私はこのように思います。そこで、その積極的対応に建設省は当然当たるべきである、このように思いますが、いかがでございましょうか。
  377. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御指摘のとおりでございまして、県庁移転に伴います交通量の増大に対しまして、ただいま県知事とあるいは地建等と協議しまして、対応策を考えておるところでございます。  そこで、まず、新しい県庁周辺の街路でございますけれども、第一に、現在の三号線から県庁に至るものとしまして、堅粕箱崎線、(田中(昭)分科員「簡単でいいです、後でまた聞きます。」と呼ぶ)それから東公園線、吉塚駅前線、それから福岡直方線、この四路線につきまして、それぞれ単独事業もしくは国庫補助事業としまして、増大する交通量に対処するように措置できたというふうに考えております。
  378. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そこで、大臣、ここの提言にもありますように、問題は公園をつぶして、こういう由緒ある公園、東公園といいますと、いままでテニスコートもありましたし、武道館もありまして、福岡県は武道のあれでございますが、それからメーデーなんかでみんな集まります。そういうところでございますから、私は、提言が言っておりますように、実施主体は、国が積極的にやってくれなければ困る。積極的にやっていただくという考え方が建設省になければ困るわけでございますから、この点大臣に積極的な考えがあるかどうかだけ、お答えいただきたいと思います。
  379. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 県庁移転に伴いまして、恐らく県庁でございますから、ここに持っていきましても、面積の面でいま局長が答えたとおりでございますが、それだけでなくして、これはわれわれでも知っておるような有名な公園ですから、県庁そのものが、東公園をできるだけ利用した姿で、移転するような計画を立てていただきたいと思います。  もう一つは、これに伴う交通網、道路網の策定を、福岡市が事業主体でございますから、福岡市に国からの調査費も出て、調査していただいておるという状態でございます。都市計画が決定されましたら、いま御指摘のありましたとおり、国といたしましても極力その推進に役立っていきたい、そのように考えております。
  380. 田中昭二

    田中(昭)分科員 具体的に少しお尋ねしますが、提言にまたあります。読んでみますが、「県庁舎の移転は、昭和五十二年六月県議会において東公園に移転することが決定し、五十六年秋完成を目途に建設が進められているが、新庁舎建設予定地周辺地域は、」ここが大事ですが、「周辺地域は、街路その他の交通空間も狭隘で、かつ不十分である。」こういうふうに指摘しております。さらにまた、新県庁舎ですが、「県庁への連絡道路の不備は、直ちに多くの県民に不便をあたえ、また、県庁の機能阻害の要因にもなりかねないので、この際、」「早急に取組む必要がある。」こういうふうに言っておりますが、これはどういうふうな認識をお持ちでしょうか。
  381. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 この提言と全く同じような認識を私ども持っておりまして、大臣お答え申し上げましたように、都市計画が必要なものにつきましては、決定があり次第、国としましても必要なものにつきましては、十分助成を図ってまいりたいというように考えております。
  382. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そこで、結論的なことをまたここに言っておりますが、「東公園周辺の道路現況と既存計画をみた場合、さきに決定をみている東公園線、吉塚駅前線、県道福岡直方線などの県庁外周道路はもちろん、」大臣、そこに赤を引っ張っております。それがいま申し上げた線でございます。その真ん中に県庁ができるわけですから、いわゆる県庁の周りだけを——それがいまの県庁外周道路、こうなっております。それがちゃんと計画ができまして、五十六年までにできるようになっているのです。それは問題ないと思います。問題はその黄色い線でございますが、それで、「それとともに香椎方面からの国道三号」、これは九州の縦貫道路でございますが、その三号線と県庁舎を短絡する都市計画道路の馬出東浜線というのがあります。二番目の地図にございます。一番右の方でございます。わかるでしょう。その三号線と、「馬出東浜線等の整備が必要と思われる。」これが結論でございます。それはどうでございましょうか。
  383. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 来年度の予算に関連しましては、地元からまだ要望は聞いておりませんけれども、ただいまの御趣旨、十分に地元とも相談しまして、整備が促進されるように努力してまいりたいと思います。
  384. 田中昭二

    田中(昭)分科員 そこでもう少し。  「現在県庁移転予定地に近接する国道は、九州縦貫自動車道をはじめ、国道三号、二〇一号、二 ○二号があり、それらはいずれも千代町附近、」千代町というのはそこの入り口でございますが、「千代町附近を通過し、あるいは、起終点としており、大局的には外域との交通は極めて便利な位置」を占めておる。しかし、「新庁舎への自動車交通をスムーズに受入れ得るような周辺道路の整備が不十分であり、その面からの対策が、先ず考えられなければならない。」こういうふうに言っているのですから、やはりもう少し進んだ答弁をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  385. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御指摘のとおりと思いますので、直轄のバイパス等含めまして、市の事業、県の事業等々、これは県庁が店開きをするまでに、できるだけ完成を図るように、関連道路の道路及び街路の整備促進を図ってまいりたいと思います。
  386. 田中昭二

    田中(昭)分科員 もう一つあります。  「南部方面からの連絡をよくするための堅粕箱崎線」、これは黄色い線でございますが、その整備。それから、「東部方面からの連絡を容易にするための千代粕屋線の整備と、博多箱崎線の整備等が必要である。」三つありましたが、「ことに千代粕屋線については、」二百一号線ですが、「二股瀬交差点附近の混雑がはげしいが、今後、県庁移転とも関連して、自動車交通はますます増加することが予想されるので、この地点での博多バイパスとの立体交差化によって、混雑防止の抜本策を講ずることが必要である。」とあります。これはぜひ必要でございますが、この辺の考えはいかがでございましょうか。
  387. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 ただいまの二百一号関連の部分につきまして、確かに御指摘のような問題があるわけでございまして、目下計画を策定する方針で、検討が進められております。成案を得次第、都市計画決定を待ちまして、積極的に助成を進めていきたいと思います。  それから、なお堅粕箱崎線につきましては、五十四年の五月、ちょうどことしの五月に供用開始予定でございます。
  388. 田中昭二

    田中(昭)分科員 それで、このことで、これも簡単にここにこういうふうに提言しているのですね。「これらの道路がすべて整備されれば、これと県庁舎を結ぶ極く短かな連絡道路を整備するだけで、外域との自動車交通問題の大部分は解消できるのではないかと思われる。」こういうふうに言っておりますから、これは当然必要になってくるわけですね。  そこで、この認識はお待ちいただいておるとしまして、こういう都市計画道路、先ほど馬出東浜線を初め、三つ申し上げましたが、この提言では「都市計画道路は、民家が密集しており、実際の施工は、はなはだ困難で具体的な見通しも得られていないものもあり、県庁舎建設時点での交通問題解決には到底なり得ないであろう。」ということも言っております。ですから、私は、都市計画道路と県庁の中間を結ぶ連絡道路、これについては、やはりもう一歩進めなければならないのじゃないだろうか、こういうふうに思います。その連絡道路につきましても、ここで指摘しておりますのは、「現時点ですでに混雑を極めており、」この庁舎予定地、あそこを現在私たちが通ってみますと、ダンプカーが何十台と並んで、普通の車は通れないような状態ですよ。そういうことも含めて、これは言っていると思いますが、「現時点ですでに混雑を極めており、これが県庁舎の移転によって一層の拍車をかけるであろうと予想される地点、あるいは前述のような周辺道路の総合的な計画の中に当然組込まれるべき路線で、早急に何等かの改善策なり対応策を検討すべき事柄については、できるだけ県庁の完成までに整備すべきである。」先ほどごらんになりましたね。そういう点を考えますと、大臣、このことは、県庁舎が来まして、その辺を東部地域といいますが、発展のために大変期待もしておるわけです。ところが道路の整備が悪いとか、いまの、そういう交通が激しくなるということによって、その周辺の地域の住民がその犠牲になってはならない、こういう精神が私にあるわけです。ですから、そういう点で、この提言も指摘しておりますように、県庁舎の建設時点では、この問題も踏まえて、早急に何らかの改善策で対応すべきであるということでありますが、もう一点この点について御答弁いただきたいのです。
  389. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 御指摘の点はまことにごもっともだと思います。何と申しましてもこの都市計画事業、なかんずく街路事業のごときものは、関係地域の市民の理解と協力が何よりも必要であるわけでございまして、県、市におきましても、そういうことで、都市計画決定に当たりましては、いろいろ十分に配慮をして進めるものと考えておりますし、私どももそのように指導していきたいと思います。  また、先ほど来申し上げておりますように、都市計画が決定されましたならば、国として助成すべきものにつきましては、十分タイムリーに、間に合うように、積極的な助成を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  390. 田中昭二

    田中(昭)分科員 時間がございませんから次に移りますが、吉塚駅というのがすぐそこにございまして、「吉塚駅の改築と箱崎地区の鉄道の高架化」という問題を指摘しております。現在この駅は、一日大体九千人くらいが利用しておるようでございますが、今後県庁舎を東公園に立地することによって、「同駅の乗降客は、急激な増加をみることは明らかであり、この際に同駅を改築し、県庁の玄関駅にふさわしい駅舎の建設と駅前広場等を整備すべきである。」続けて言います。「駅前周辺の整備に当っては、駅東側への通路の設置、バスターミナルの設置等も考慮し、乗降客のみならず周辺住民の利便を図ることに配慮する必要がある。」こういうふうに言っておりますが、この点はどうでしょうか。
  391. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 駅舎の問題は、国鉄の問題でございますので、ちょっと別といたしまして、その他の駅前広場あるいは取りつけ道路等の問題につきましては、私どもも全く同様の事情を県、市からも聞いておりまして、都市計画の決定を、県、市側でも急いでおるわけであります。これも計画決定を待ちまして、助成すべきものにつきましては、積極的にこれを進めてまいりたいというふうに思います。
  392. 田中昭二

    田中(昭)分科員 次に、私が先ほど言いましたように、県庁が来ることによって周辺の道路が込みます。そこを鹿児島本線が走っておりまして、踏切がたくさんございまして、踏切で事故が起こらなければいいがな、こういう気持ちもするわけですが、その踏切事故をなくするためには「次に、箱崎地区鹿児島本線踏切の立体交差化を図るため、少なくとも、吉塚・月見町区間程度の連続立体交差化が必要である。」これは、現在の線は、博多から吉塚駅まではすでに高架化されておりますけれども、隣の箱崎駅では平面でありまして、それからのわずか二キロ間に十二カ所の踏切があります。交通量も大変多いようでございますが、これに対する連続立体交差化についてのお考えはいかがでございましょうか。
  393. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 県庁予定地の周辺地域におきましては、全体の道路網の体系と、交通の処理をどうするかという調査がまず必要でございます。五十三年度におきまして補助を出しまして、この調査をいまやってもらっているわけでございます。この調査の成果を踏まえまして、全体的には、先ほど来申し上げておりますような問題も含めまして、鉄道の高架等につきましても、結果を踏まえて、検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  394. 田中昭二

    田中(昭)分科員 こういう、混雑が予想されて、いま何か別に調査を市の方にやらせている、こういうことの御答弁でございますが、調査をやっても、私は必要なものは必要だと思うのです。問題は、連続立体交差化にしましても、建設省の都市計画の決定を見ないと、県も市も実際はできないわけです。  それと、時間がございませんから申し上げますが、連続立体交差というのは、確かに踏切りがなくなりますから、その間の交通事故は完全になくなります。そういう意味で、連続立体交差については、国の補助も大変いただいておる、その連続立体交差化は、国の都市計画許可といいますか、決定といいますか、それがないとできないわけです。ですから、私は最初から、そういうものについては、やはり国が主導権を握ってやってもらいたいということを、一貫してお願いしてきたわけです。それで、聞きますと、連続立体交差を、一つの地域で何カ所もつくるわけにはいかないとか、こういうことをおっしゃいますけれども、それは法律のどこにも書いてないし、ただ、やはり優先順位でそういうことを言われるのだろうと思います。しかし、どんなに決めておりましても、すぐ必要になってくるもの、これは、ものすごく犠牲を見ながら、そういうものの決定がおくれるということについては、私たちは大変かわいそうではなかろうか、こういう気持ちもするわけです。  いまの御答弁がありましたことで、一応了解いたしますけれども、私のいまの趣旨を大臣よくくんでいただいて、大臣からまとめて一言、国が責任を持ってやるという意味での、前向きの御答弁をいただきたいと思います。
  395. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 そのために、いま局長が答えましたように、五十三年度で、国から補助を出しての調査という姿で、進めていただいております。都市計画が、恐らくその調査に基づいて、県庁移転に間に合うように出てくるのではないか、このように考えております。そのときには、いま申されました立体交差等も、計画の中に入れまして、出てくるのではないかと考えますが、都市計画決定が行われ、市並びに県から、かくある姿でやっていただきたいということがございましたら、積極的に、前向きに、国といたしましては善処していきたい、このように考えております。
  396. 田中昭二

    田中(昭)分科員 何遍も申し上げませんが、いまの御答弁だけでは、いままでの型どおりの、国の調査も五十三年にできますけれども、そのできたものは、いま申し上げたような提言以前のものだろうと思うのです。これは、去年の十二月でございますから、三月末に国が金を出して調査をされるものですから。その点は時間もありませんから、一応大臣にわかっていただきますればいいと思います。  次に、水の問題に移ってまいります。  ここにこういう社説が出ておりますが、まずそれを読ましていただきます。「水不足への対応は万全か」「昨年夏、西日本を襲った異常渇水は福岡市で一日五時間しか水が出ない非常事態を招き、」最近まで十二時間給水、半分ですが、いまでもまだ給水制限が続いております。「水不足はもはや年中行事となった感があるが、」「国と自治体は夏場の渇水対策に今から万全を期す必要がある。水不足に対しては、これといった決め手はないと言われる。たしかに給水事情は天候により左右されるところが大きい。しかし、行政として“雨頼み”に終始することは許されない。「水資源の確保」「水使用の節約」の二点から、水不足に対する具体的で有効な手だてを講ずべき」である。「この意味で、国の水資源対策にはきわめて疑問が多い。たとえば建設省は、これまでの多目的ダム主力を給水型ダムの建設に切り替え、昭和六十五年までに三百五十八か所にダムを新設する計画である。これは現在完成しているダムの二倍以上にあたる。だが、ダム建設に際しては地元の反対などで容易に進まないのが通例であり、はたして十六兆円の建設費を捻出できるかの問題とともに、きわめて実現性に乏しい計画といわざるを得ない。しかも、計画通りいっても首都圏、近畿圏、北九州でかなりの水不足が避けられないとあっては、あまりにもお粗末な計画といえよう。ダム建設に多くのネックがある以上、国はより広範な視野で水不足対策をさぐるべきである。」こういうふうに述べております。これに対する大臣のお考えを聞きたかったわけですが、時間もございませんから、具体的な問題に入っていきます。  私は福岡市でございまして、いま述べたように、去年は渇水で大変困りました。その対策の一環としまして、いろいろなことが言われておりますが、その中で一つ、地下の深い部分に地下水があるのを、開発を進めていってはどうか、そういう意見が出されまして、市もそれに取り組んでおるようでございます。こういう深層地下水について、開発を進めるということについての、建設省の意見はどのようなお考えでございましょう。
  397. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 福岡市におきましては、いま先生のおっしゃったように、昨年来の渇水対策の一つとしまして、地下水の開発ということで、本年度、百五十メートル前後の井戸を十五カ所掘った。それで、地下水の開発を進めているというふうに聞いておりますけれども、それによります揚水量は、現在私どもが聞いたところでは、一日約二千トン程度あるというふうに聞いております。これまでに、私ども、福岡地区で入手しました資料等から検討いたしますと、この地区での地質の状況だとかあるいは地下水の性状等から見まして、大量の地下水を開発できるという可能性は低いのじゃなかろうかというふうに、現在のところ考えております。しかし、河川水の開発とあわせまして、地下水の開発を進めることは重要でございます。建設省としましても、水資源開発の基本的な、先ほど先生おっしゃいましたダム計画的に開発するとともに、その他の諸施策を進めてまいっておるわけでございますけれども、地下水に関しましても、涵養技術だとか、いろいろな面にわたる研究をしているところでございますので、特にこの面からも、福岡の調査に対しても、必要であれば協力はできるのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  398. 田中昭二

    田中(昭)分科員 いまの地下水の関係で、ここに一つのレポートがございますから、きょうはこれを読むだけにさしてもらいまして、また後の機会に検討したいと思います。  「福岡市の水資源開発について」「深部地下水に着目すべし」「従来、欧米に比して降雨量多く、水に恵まれていた日本も、水を「湯水のように使う」時代は終った。激増する水の需要に応じて、水道設備等の供給を増して行けば、降雨、浸透地下水、表流水、蒸発等の一時の循環系は破壊され、重大なる破局がやって来る。水は有限である。この事は独り福岡市のみの問題ではない。消費文明が当面している日本のあらゆる都市、町村の問題である。そのためには、マル1残された水資源を積極的、合理的に開発すること。マル2上水道、中水道及び下水道とし尿処理用水と排水等を一元化した総合計画として練り直し水の有効利用を考えることである。」こういうふうに言っておりまして、次に具体的に「地球上にある淡水のうち、地下水は河川水に比べて比較にならないほど厖大であり、地下水の量は河川水の一万倍から十万倍以上であるといわれている。」「最近の調査と深部地下水の開発が行われるようになり、実際の地下水の賦存量は遙かにこれを上回るものであることが、次第に明らかとなってきた。」「福岡市の場合、総面積は三百三十五平方キロメートル、深さ五百メートルまで地下水包蔵量は、空隙率を二〇%として概算すると三千三百六十億トンである。地下水の補給量は福岡市の平均年間降雨量が約千七百ミリ、福岡市のみの面積が三百三十五平方キロメートル、地下水として浸透する量は約二〇%である」こういうふうに言っておりまして、年間の地下水補給量は福岡市で約一・三億トン、こういう調査が出ております。「以上のごとく、膨大な包蔵量をもち、多量の補給元をもつ「地下ダム」ともいうべき地下水に眼を向けるべきである。」この後、現在まで地下水がどういうふうに敬遠されておったかとか、地盤沈下が起こらないとか、福岡の場合はこうだというようなことが述べられておりますが、こういうレポートもございますから、ひとつ、いまの局長さんの御答弁より、もう少し真剣になって水問題に取り組んでもらいたいと思いますが、大臣いかがでございましょうか、お答えを願いたいと思います。
  399. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 地下水の問題につきまして、先ほど答弁しましたように私ども涵養技術等含めまして、いろいろ調査しておるわけでございますが、何分、地下水の包蔵量はあるといいましても、これをくみ上げますと、なかなか補給というものがむずかしい形にあるのが地下水でございます。それら等も含めまして、いま先生御指摘の福岡の問題等につきましても、できるだけ私どもの方で努力してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
  400. 藤田義光

    藤田主査 以上で田中君の質疑は終了いたしました。  次は、新村勝雄君でございますが、同君の質疑に際し、参考人として日本道路公団理事大島哲男君が御出席になっております。  なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。新村勝雄君。
  401. 新村勝雄

    新村分科員 私は、東京都からいわき市に通ずるいわゆる常磐高速自動車道路の建設についてお尋ねをいたしたいわけでございます。  そこで、まず最初に、これは道路公団の御当局にお伺いをするわけでありますけれども、この質問につきまして総裁みずからお出ましを願いたいというふうにお願いしたわけでありますけれども、総裁はおいでにならないわけでありますが、どういうわけですか。
  402. 大島哲男

    ○大島参考人 先生からお尋ねの件につきましては常磐道の流山地区、柏地区のことでございまして、その点につきましては総裁みずからよりも担当理事であります私から御説明した方が、具体的に中身も承知しておりますし、かえって、その方が御希望に沿うのではないかというふうに考えまして私が参った次第でございます。
  403. 新村勝雄

    新村分科員 大島理事さんは確かに担当理事ではございますけれども、公団の最高責任者ではないわけですね。私は公団の最高責任者である総裁並びに監督指導される大臣にお伺いしたい。大臣はいらっしゃいますので後でお伺いしますけれども、総裁に特にお伺いをしたい件がありますので、総裁というふうにお願いをしたわけですけれども、なぜ、おいでにならないのか、重ねてお伺いします。
  404. 大島哲男

    ○大島参考人 ただいまお答え申しましたように、総裁は個々の点につきましては非常に暗いと言ったら語弊がございますけれども、具体的な地名でありますとか字名でありますとか、あるいは地区状況というものにつきましては、私の方がよく存じておるということでございます。総裁も、かねがね国会の先生方の御意見をお伺いしまして、それを公団の運営のために反映させたいと願っておる次第でございますが、このたびのことにつきましては、私がかわって出てまいりました。
  405. 新村勝雄

    新村分科員 御承知のように、この問題はかなり時間を経過をいたしまして、地元住民と当局との間に、まだ意見の一致を見ていないわけであります。しかも、これは住民だけではなくて地元の流山市あるいは柏市の当局あるいは議会が、明らかに現在の公団の設計では困るということで議会の議決をし、あるいは執行部もその意思を表明をいたしておるわけであります。こういう重大な問題につきまして、特に現在、最後の段階になっておりますので、公共事業に対する、またこの事業に対する基本的な考え方について総裁にお伺いをしたい、こういうことで要請をしたわけでありますけれども、それをなぜ、あなたはこっちの希望を率直にお受けにならないのか、重ねてお伺いします。
  406. 大島哲男

    ○大島参考人 確かに総裁に対する出席の御要望、私どもお聞きいたしました。それに対しまして私の方からも、これこれのことでございますならば大島理事が出て説明いたしますということで御了解を得たものと思っておる次第でございます。
  407. 新村勝雄

    新村分科員 こういうことでは、やはり地元の納得を得ることはむずかしいんではないかと思います。というのは、公団御当局が虚心坦懐に地元とお話し合いになろうとしない、ここに実は問題の根源があるのではないかというふうに私は考えるわけであります。  公共事業というのは、もちろん国家的な見地から仕事をされるわけでありますけれども、同時に、地元の住民からも歓迎されるような形で進めなければならないわけであります。貴重な税金を使い、あるいは大きな犠牲を払ってつくるわけでありますから、国家的な見地から利益をもたらすと同時に、住民にも完全な納得を得た形で行わなければ、これは公共事業の意義が大半失われると思うわけであります。大平総理も先般、本会議において、これからは高度成長時代の発想を捨てる、そうして新しい文化の建設をするのだというふうにおっしゃっておるわけであります。したがいまして、公共事業に対する基本的な考え方も高度成長時代の発想ではもう通らない。新しい文化を建設するというような発想の転換をされなければいけないのではないかと思うわけでありますけれども、この点について、ひとつ大臣のお考えを伺いたいと思います。
  408. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 公共事業の実施に当たりまして新しい文化の建設、具体的に、その問題がどういうものを意味されるかということは、具体的な問題それぞれをとらまえて考えなければならぬと思いますが、われわれが大平総理の言われます文化的な考えを取り入れての国づくり、これの基盤をなす公共事業建設省の受け持つ分では、それに合いますように努めてまいりたい、このように考えております。
  409. 新村勝雄

    新村分科員 これはきわめてローカルな問題であると同時に、やはり公共事業の本質に触れる問題でありますので、大臣の御見解を伺ったわけでありますけれども、再び、もとに戻りますが、公団としては、これからも地元とお話し合いをなさる御用意がありますか。それとも、もう問答無用、切り捨てる、こういうお考えであるのか、お伺いします。
  410. 大島哲男

    ○大島参考人 大きな事業でございますので、これは地元の了解あるいは御納得がないと進められるものでありません。いままでも、できるだけ地元の方に、こちらからも出ていって説明させておる次第でございます。確かに現在のお示ししました構造については疑問もございますし、あるいは御不満もあることは存じております。それならばこそ私どもの考えておりますことを逐一、詳しく説明し了解を求めたいというふうに努力している最中でございます。
  411. 新村勝雄

    新村分科員 そうしますと、この工事については当面、五十四年でありますけれども、どういう予定で、どういう方法で、どのぐらいの規模の仕事をおやりになるのか、概略を御説明いただきたい。
  412. 大島哲男

    ○大島参考人 現在、流山市及び柏市の地区内におきましては、江戸川に近いところで高架橋の工事をやっております。それから柏の方におきましては利根川の橋、それから東京寄りの高架橋あるいは土工工事というものを発注しておりまして、橋につきましてはだんだんできてきております。  五十四年度は、かつて五十一年の十一月にお示ししました構造の了解を地元の方々に願いまして、その了解、納得が得られれば設計協議に入りたいと思っております。設計協議の中身が固まりまして、これでいけるということになれば工事の発注をしたいと思っております。
  413. 新村勝雄

    新村分科員 大島理事、簡単にお考えのようでありますけれども、現在の公団の設計では、とうてい納得できないと地元では言っておるわけです。地元というのは住民だけでございません。当局も議会もそう言っておるわけです。しかも御承知のように、ここは人口稠密の地帯でありまして、まさに首都圏の住宅地区のど真ん中を抜くわけであります。こういう特殊な工事でありますので当初から地元においては地下道方式を要請いたしておるわけであります。これに対して公団の御努力は認めますけれども、まだまだ地元住民とは大きな隔たりがあるわけでありますけれども、それらについて、どうお考えでございますか。
  414. 大島哲男

    ○大島参考人 いま地元に提示しております構造は、中央から六メートルないし十メートル掘り下げまして道路の両側に壁を立てます。壁の上に車道の付近まで来るようなひさしをつけます。それから中央の分離帯にも壁をつけまして、その壁の上にも車道に覆いかぶさるようなひさしをつくっておるわけでございます。そして道路の側方には車道端からそれぞれ二十メートルの緑地帯、私ども環境施設帯と呼んでおりますけれども緑地帯をとりまして、その外側に五メートル五十ほどの側道をつくりたいと思っております。したがいまして全幅八十メートルに近いような幅になっております。この効果と申しますのは、ひさしの効果によりまして騒音の軽減を図っております。それから空に開きます空間面と申しますか、空間を狭めておりますことによって排ガスの拡散を図っておるわけでございます。なおかつ両側にございます樹木によりまして拡散の効果を一層発揮するようにする。こういうことによりまして騒音の環境基準内の数値を確保するようにしておる次第でございます。
  415. 新村勝雄

    新村分科員 そういう工夫をなさっていることはよくわかるのでありますけれども、それでは、とうてい環境基準も守れないし、その周辺の環境が相当に悪化をすることは目に見えておるわけであります。そこで地元では当初から地下道方式、少なくとも全面ふたかけ地下道方式を要請をいたしておるわけであります。なぜ地下道にできないのか、なぜ全面ふたかけができないのか、その点はいかがでしょうか。
  416. 大島哲男

    ○大島参考人 自動車交通の一番困る問題は排ガスと騒音でございます。排ガスがたまりますと非常に、その処置に困るわけでございますが、トンネル構造といたしますと、それが一カ所といいますか両端に集中いたしまして、その拡散が非常に妨げられてまいります。また騒音も、そういう出口の付近では相当倍加された音がするわけであります。  それではトンネルを長くすればいいじゃないかという意見がすぐ出てまいりますけれども、それには、それを浄化するための装置あるいは排気するための装置が必要になってまいります。これは私どもは山岳トンネルでは、あちこちで使っております。やむを得ず山にぶつかれば向こうに抜けるほかないということでトンネルをつくっておるわけでございます。そういうところにおきましては高い換気塔をつくり機械を設備しまして処置しているわけでございます。都会内では、先生も御存じのように東京湾岸の首都高速道路公団がやっております沈埋トンネルがございますが、約一キロほどのトンネルの両端に五十メートルくらいの高い排気塔をつくって処置をしておるわけでございます。そういう処置を、果たして、あそこの地点でやってもいいかどうかという問題が一つございますし、たとえ、それを現地に設置いたしましても、柏地区あるいは流山地区の排ガスの総量については変わらないわけでございます。むしろ、ああいう高い塔はかえって地元の環境になじまないのではないかと私どもは考えております。  それから、トンネルそのものは、通行する者にとりましては、すこぶる危機感を催す区間でございまして、明かりの区間からトンネルの圧迫された空間に入りますと、非常に事故をおびき寄せるというような危険度がございます。現にトンネルの中では追突とか、あるいは火災とか、いろいろな事故が起きておりまして、また、そういう事故の処置も、ああいう限られた空間では非常に困難を伴っておりまして、明かりの区間でありましたら、すぐさま救助できることも非常に制約を受けてまいります。あまつさえトンネルの中では非常な換気上の困難も伴います。それはいろいろ管理面の問題でございますけれども、総じて私ども、いろいろな検討をいたしました結果、この間お示ししました現在の半地下構造というものに立ち至ったわけでございます。
  417. 新村勝雄

    新村分科員 いま、お話がありましたけれども、地下道の入り口に公害が集中するということをおっしゃいましたけれども、これについては十分に予防ができる技術的なものがある、こう言われておるわけであります。また排ガスについても、これはもうすでに排ガス処理が実際に実施をされておるところがありますし、最近の技術をもってすれば、高い煙突をつくらなくとも十分処理ができるということも言われておるわけであります。  同時にまた建設の費用の問題でありますけれども、恐らく費用のこともお考えになっていると思いますけれけれども、この費用についても、完全ふたかけをしても現在の設計以上には費用は余りかからなくてできるという試算もされております。というのは、ふたかけについては、すでに東北道の清瀬ですか、あそこで実際に実験済みでありまして、これは三百メーターが約八億という程度でできておるわけでございます。しかも、これをやれば両側の緩衝地帯もなくて済む。また、その上を利用することができますので、これも経済効果があるということで、仮に全面ふたかけをしても経済的にはほとんどプラスマイナス程度でできるのではないかという試算もあるわけでございます。また維持費等の問題もありますけれども、これについては、ほんのわずか自動車に負担をしてもらえば、その問題は解決する、こういうような試算もなされておるわけでありまして、理事のおっしゃる技術的な問題あるいは費用の問題等については特に大きな困難はないと考えるわけでありますけれども、いかがでしょう。
  418. 大島哲男

    ○大島参考人 経済上の理由だけで、ああいう構造を決定したわけではございません。私どもも排ガスがだんだん少なくなることを期待しておるものでございますが、排ガスが少なくなればなるほど、むしろ現在お示しした構造の方がより広く薄く拡散されるものと信じております。
  419. 新村勝雄

    新村分科員 そういたしますと公団としては、もう一歩も譲らぬということですか。
  420. 大島哲男

    ○大島参考人 せんだって、お示ししました半地下構造のタイプ、これを基本型といたしております。これを基本型にいたしまして個々の立体交差の部分あるいは多少の延長の増減、それらを考えております。
  421. 新村勝雄

    新村分科員 こういう重大な地域に関する問題については、とにかく、もう少し公団としても虚心坦懐に地元と話し合うという姿勢が必要だと思います。そうでなければ、これは一歩も先へ出ないですよ。この仕事の過去の経過の中で、公団さんが測量のときにガードマンを雇って地元の住民と衝突をした、そういう大変残念な事態も過去においてあるわけです。こういうことは、やはりいまの理事さんのお話のように、全く公団が独善的に自分の考えを押しつけようというところからきている面が非常に多いわけですね。これをこの際ぜひひとつ反省をしていただいて、十分に地元と話し合いをするということを特にお願いしたいわけであります。  それからまた、いままでの経過の中で公団さんは大変利口ないろいろの策略を、謀略と言っては失礼かもしれませんけれども、なさっておるようでありまして、たとえばこういうことがありますね。公団と取引の多い会社に地元の人が勤めているわけです。そこで、その会社から手を回して、その住民に、反対をするな、おまえが反対をすると、うちの会社が困るんだというようなことで会社の方から圧力をかけた、こういうことが確認をされておりますけれども、公団さん、そういうことをなさっているのですか。
  422. 大島哲男

    ○大島参考人 そういうことはあり得ないと思います。私は聞いておりません。
  423. 新村勝雄

    新村分科員 いや、私ども関係者から確認をしているわけですよ。そういうことを公団さんはなさっているわけですね。これはきわめてひきょうなことですよ。一方、地元の住民が堂々と正面から面会を申し込むと会わない。私もこの間、総裁に会見を申し込んだが会わない。こういう非民主的な、しかも独善的な態度は許せないと思うのです。平穏に請願、陳情することは憲法に保障されている。それを最高責任者の総裁が会わない。私がすべてを委任されておると言いますけれども理事と総裁では権限も違いますし、理事さんが総裁のかわりができるのだったら総裁は要らないですね。こういうことで公団さんの態度はきわめて遺憾な点が多いわけです。  そこで、これから結果はとにかくとして、その過程の中で住民と話し合うということをひとつお約束をいただきたい。どうですか。
  424. 大島哲男

    ○大島参考人 地元の皆さんと十分話し合うということは私どもも心がけております。今後とも、そうしたいと思っております。
  425. 新村勝雄

    新村分科員 私は、この問題を取り上げてお願いしておるのは、これが初めてではないのです。一昨年も地方行政員会で当時の吉田理事さんにおいでを願って、この点についてお願いをしました。そのときも吉田理事さんは大多数の住民の意向に反して強行することはしません、こうおっしゃっているわけです。ところが、その後の公団さんの態度を拝見しておりますと、このお約束とはまるで違う、一方的に仕事をどんどん強行する。もっとも流山については、流山市当局あるいは議会が反対を表明しているために、まだ手がつかないわけでありますけれども、柏市も同じでありますけれども、とにかく現在の民主主義の世の中で話し合いをしないで一方的に強行するということは考えられないわけですね。この点について特にお願いをしたいわけであります。  それから大臣にお願いをいたしますが、これは公団の問題であると同時に大臣監督をなさっている仕事であります。そこで結果については、いろいろの場合がありましょうけれども、とにかく住民と十分話し合うという態度を、これからぜひ持っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  426. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 住民の皆様方の御納得が得られぬことには工事が実施できないのでございますから、私も新村先生からたびたび御要請を聞いておったのですが、御存じのような国会の状態であったものですから、道路局長をやりましてお話し合いをしておりますが、今後ともに地元の皆様方の御納得がいくよう住民の皆様方と十分話し合いを進めてまいりたいと考えております。
  427. 新村勝雄

    新村分科員 それでは最後に、これはお約束を願いたいのですが、今度は私どもが行ったら総裁自身会ってくださいよ。これは約束してください。  それから大臣も、実は私も秘書官を通じて、地元からお願いに参るから、ぜひ会っていただきたいとお願いしたのですよ。ところが大臣は会わないというお気持ちはなかったと思いますけれども、まだお会いしていただけないということであります。そこで総裁と大臣に、御都合のつく限り地元の代表と会っていただくということを、ここでひとつ、お約束をいただきたい。
  428. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 私、先生から御要望がありましたことを十分聞かされまして、ところが御承知のような状態でございましたので、道路局長をかわりにとりあえず参らせましてお話を承ったような次第でございます。今後とも住民の御納得が得られるように、私も御要望を聞いて話し合いを進めてまいりたい、このように考えております。
  429. 大島哲男

    ○大島参考人 ただいまの先生の御要望、総裁に必ず伝えます。
  430. 新村勝雄

    新村分科員 伝えるんじゃなくて、会ってくださいと言っているんですよ。会いますか。また門前払いかということですよ。
  431. 大島哲男

    ○大島参考人 先生の御意向よくわかりました。
  432. 新村勝雄

    新村分科員 そうしますと、会ってくれるというふうに了解します。ありがとうございました。
  433. 藤田義光

    藤田主査 以上で新村君の質疑は終了いたしました。  森井忠良君。
  434. 森井忠良

    森井分科員 救仁郷住宅局長は去年も住宅局長でしたね。去年もこの分科会であなたを初め河川局長さんなどに御質問をいたしました。しかし、残念ながら、これから私が質問しようとすることはどうも約束が守られていないし前に進んでいないということで、大臣申しわけないのでありますが、昨年とほぼ同じ趣旨の質問をこれからさせていただくわけでございます。中身は同和対策事業特別措置法に基づきます事業の執行に関するもろもろの問題であります。  建設省の事業を考えます場合に、地区数でありますとか実態調査、そういったものが当然問題になりますので、まず最初に総理府にお伺いしたいと思うわけでございます。  御承知のように、去年の臨時国会でこの法律は三年間延長されました。そして附帯決議に三項目がついております。その中に実態調査をやるという意味の項目も入っておるわけであります。臨時国会が終わりましてまだ日にちがそう多くたっているわけじゃありませんが、まず、いま申し上げました実態調査の計画などにつきまして、総理府からお伺いをしたいと思います。
  435. 黒川弘

    ○黒川政府委員 実態の把握の問題でございますが、同和対策事業を実施するに当たりまして、実態の把握はもとより必要なことでございます。ということで今後とも効率的な事業実施が図られるよう実態の把握に努力してまいる所存でございますが、実態把握のための方法といたしましては、担当官による現地調査あるいは事業所管省の事業執行に際しての府県からの事情聴取等いろいろな方法が考えられるわけでございます。今後、効率的な事業実施を図るためにこれらの方法を通じまして実態の把握に努めてまいる所存でございます。
  436. 森井忠良

    森井分科員 具体的に、いつからやるというふうなものはないのですか。
  437. 黒川弘

    ○黒川政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、一つの方法といたしましては事業所管省における府県からの事情聴取でございます。この方法につきましてはすでに一部の省におきましては着手しておりまして、さらに今後、五十四年度に入りましてこれらの方法によりまして実態の把握に努めてまいるということでございます。
  438. 森井忠良

    森井分科員 一部の省だけがどうのこうのというのじゃ問題は前へ進みませんよ。何のために同対室があるのですか。各省庁それぞれまとめて総合的に同和対策を進めるということであるのでしょう。一部の省じゃ困るわけでして、この機会にきちっとした計画を立てて——都道府県からの意見聴取といいましてもこれはいつ聞くのですか。具体的に、たとえば五十四年度におきましては都道府県からきちっと聞いて答えを出しますというシビアな計画というのはないのですか。
  439. 黒川弘

    ○黒川政府委員 一部の省と申しましたのは、同和対策関係の事務を所管しております省の中で特に実態の把握について大きな関係がございますのは、厚生省、農林省、建設省のいわゆる物的事業所管省でございますけれども、その他の省におきましてももちろん実態の把握は重要なことでございますが、先ほど府県からの事情聴取と申し上げましたのは、事業を進めるに当たりまして府県からいわゆるヒアリングということをいたすわけでございますが、来年度に向けてのヒアリングにおきましては、すでに五十三年度、この時期におきましてその調査に入っているわけでございます。さらに五十四年度に入りましては、もう一つの実態把握の方法として考えられますことは、担当官が現地に赴きまして行います現地調査でございます。この調査につきましては総理府が調整の立場に立ちまして、関係省の担当官が現地に出向き、実態を把握し、それを整理するということにつきまして連絡調整の役目を果たしてまいりたいというふうに考えております。
  440. 森井忠良

    森井分科員 あなた方の実態調査というのは勝手に解釈していますよ。少なくとも国会での附帯決議は、文字どおり実態把握なんですからね。単に現地へ行って視察するというだけでは、とてもじゃありませんけれども、それでは事足りませんよ。もうちょっと計画的に進めていく必要がある。たとえば地区数だって、黒川さん御存じのように、毎年指定地区数がずいぶん変わっているわけですね。これは私は問題だと思います。地区数についてはどうするのですか。たしか五十年の九月でしたか、もう締め切りがありましたけれども、その後も出てきたものは一応受けるという形にはなっていますね。しかし、まだずいぶん開きがあることは御承知のとおりで、とにかく昭和十年調査、これは五千三百ぐらいあったわけです。しかし、いよいよ法が施行になって、具体的にあなたの言われる都道府県を通じて上げてきたものを見ますと、がたっと減っておるわけでしょう。その間なぜそういうふうになったかということがない。少なくとも昭和十年調査のときには、上がってきた都道府県の名前が幾つかあった、それが消えているのですよ。そういったところは具体的に言って、あなたのところは昭和十年調査で、あったのに一体どうしてなくなったんだ、そういったことも含めて実態調査をする必要があるのじゃないでしょうか。
  441. 黒川弘

    ○黒川政府委員 地区数でございますが、先生すでに御承知のとおり、昭和五十年におきまして把握いたしました地区の数は四千三百七十四地区でございまして、その後、この調査の手法によりまして追加報告という形で上がってまいりました地区の数が現在百二十地区ございます。この分につきましては、いわゆる窓口をあけておくという措置をとっているわけでございますが、総理府から関係各省に連絡いたしまして、必要な事業についてはこれを当然考慮のうちに加えるという措置をとっております。  いま一点御指摘のように、過去何回かにわたって調査が行われているわけでございますが、その調査によってとらえられている地区の数は御指摘のとおりまちまちでございます。  私、考えますに、同和地区の数の面におきましても、その後の社会変動等の要因が働きましてこういった地区数の変化ということになってあらわれてまいっているのではないかというふうに思われますが、先ほど御説明いたしましたように、五十年調査の締め切り以後なお追加という形で地区の数がふえているという実態につきましては私ども十分念頭に置きまして、今後も対象となるべき地区でありまして対象にならない地区があるということでございますれば、的確な把握に努めてまいるという努力をいたしたい。
  442. 森井忠良

    森井分科員 もう十分たってしまいましたけれども、もう一度申し上げますが、五十年調査でそれぞれ名前の上がっている県、これは恐らく国が県などに委託をしてその上で上がった数であろうと思うのですが、そういうふうに県がわざわざ上げてきてくれたものがいま消えているのですよ。とにかくその当時五千二百、現在、いまあなたの御答弁で追加を入れても四千五百でしょう。一ころは千くらいの開きがあったのです。だからこれは消えているのですよ。具体的に御指摘を申し上げますけれども、石川、富山、それから地名総鑑でもやはり昭和十年調査くらいの数が出ているのですね。地名総鑑、非常に悪名高い差別文書ですけれども、それでも五千三百くらい出ている。本気で探される気持ちがあるのかどうなのか、それはきょうこれから御質問申し上げます建設省の事業量だって大きく違ってきますよ、あるのとないのとでは。黒川さん、五十年調査は一体完全なものだったのですか、どこか足りないところがあったのですか。これはその後附帯決議があったわけでありますからきわめて重要です。いかがですか。
  443. 黒川弘

    ○黒川政府委員 五十年調査におきましては、いわば総合的な見地から行った調査でございまして、方法といたしましては先生御理解のとおり国から府県、さらに府県から市町村に委託いたしまして実施したものでございます。その時点におきまして調査の目的に従った結果が得られたものと考えておりますが、なお先ほど来御指摘のように、その後の地区数の増あるいはさらにさかのぼった時点における調査におきましては、該当ありと報告のありました県が五十年調査においては頭を出していないという状況もございます。この点につきましては、いま御指摘のような県に対しては、私ども該当があれば追加という形でいいから出してくれるようにということを機会をとらえてお願いしておりますし、今後におきましても、先ほど申し上げましたような対象となるべき地区が漏れることがないような努力を鋭意続けてまいりたいと考えております。
  444. 森井忠良

    森井分科員 対象になる地域があれば出してくれというのは、これは実態把握になりましようか。ならないとは言いませんけれども、あなたの論法にかなり無理があると私は思うんだな。ですからこの機会に、もうこれ以上申し上げませんけれども地区数も含めて文字どおり五十年調査を補完するような積極的な調査を新年度で実施していただくように強く要求をしておきたいと思います。私は、この問題につきましてきわめて不満であることを明確に申し上げておきます。  そこで、建設省にお伺いをするわけでありますが、三年の延長になりました。これで一わたり予定の事業量は消化できるものでしょうか。いままでの執行状況とあわせて若干数字的に明らかにしていただきたいと思うのです。
  445. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 建設省の同和対策事業といたしましては、住宅対策、都市対策をやっております。昭和五十年調査によります建設省関係の残事業量は、事業費で約七千四百六十二億でございます。進捗見込みは、五十四年度、ただいま御審議いただいております予算まで含めまして事業費で六千四百二十億、進捗率八六%ということになっております。昭和五十四年度の予算規模は事業費で約一千九百億程度でございますので、延長されました三年のうちには十分達成できると考えております。
  446. 森井忠良

    森井分科員 去年も申し上げたのですが、では具体的にお伺いしますが、急傾斜地崩壊対策事業というのがありますね。昨年私が承った範囲で、該当地区の残事業量は全国で六万を超すと思いますが、そのうちで同和地区で残っているのがたしかまだ千三百地区くらいじゃなかったかと思うのですが、そのとおりなのかどうなのかということと、五十四年度で何カ所くらいをやるのですか。
  447. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 同和地区内において急傾斜地崩壊対策事業で対応する必要があると考えております個所は、五十二年度の調査結果では全国で千八十カ所ございます。そのうち五十四年三月末までには二百三十五カ所の工事が概成する予定となっております。整備率で二一・八%になります。  また、五十四年度につきましては、現在ヒアリングをしておる最中でございますけれども、同和地区内におきましては約二百カ所の工事を予定しておりますが、なおこれにつきましては県の要望を聞きながら対応してまいりたい、かように考えております。
  448. 森井忠良

    森井分科員 去年は二月二十八日にこの分科会で私は質問しているのですが、やはり五十二年調査ではないかと思うのでありますが、千三百カ所という答弁をあなたはなさっていらっしゃいます。いずれにいたしましてもことし二百三十五カ所ですか、そうすると三年間でできると先ほど建設省関係の事業については言われました。そうして、事実、進捗率は現在でも八六%ということなんですが、ちょっと話が合わないのじゃないでしょうかね。急傾斜地の崩壊対策事業はできるのですか。
  449. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 急傾斜地の崩壊対策事業につきましては、先生御存じのように国土保全的な要素が強うございますので、同和対策事業の対象事業とは現在なっておらないわけでございます。しかしながら同和地区の対策事業でございますので、特に在来から優先的に事業の促進を図ってまいったわけでございます。しかしながら、おっしゃいますように、先ほど住宅局長から答弁しました事業の外でございまして、この事業につきましては、現在まだ三年間で全部完成するめどは持っておりません。
  450. 森井忠良

    森井分科員 おかしいですね。私は同和地区内の急傾斜地崩壊対策の事業について具体的な質問をしたのです。総理府にお伺いしますが、急傾斜地の崩壊事業は特に地区内を優先して工事を進める、改修を進める、これは同和対策事業じゃないのでしょうか。
  451. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 いま総理府に対する御質問でございましたが、実は三年延長になりました前の方、これをやりましたとき、御承知のとおり私相当深く入らせていただいて、そのときに、同和対策事業の中でも同和対策事業として入れております分と、そうでなく一般の分として入れておるというものと、事業内容によりましてはいま御指摘になりました急傾斜地の崩壊対策事業、そういった意味で、いま局長が答弁しましたように国土保全で全国的なものでございまして、これは一般の事業としてやらしていただきたいというので特に同和事業の中から省かれた、というよりも省かしていただいたというものでございますが、いま局長から申しましたように、省かれたから一般と同じようにやったらいいんだというのじゃなくして、特に同和地区につきましては、限られた予算でございますけれども優先的に取り上げて進めておる、これが現状でないか、こう考えております。
  452. 森井忠良

    森井分科員 河川局長、そうしますと、地区内の急傾斜地崩壊対策については二通りに考えるわけですか、法の範囲のものと法の範囲の外のものと。大臣はいま非常に親切な答弁をしてくださって、先ほどの局長説明と少し違うのでありますが、中に入っておるものもずいぶんあるとおっしゃったわけですが、その点をちょっとはっきりさせてください。
  453. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 急傾斜地の分は外へ出ておる。住宅局長の答えました住宅ははっきりと入っておりますので、三年間で完成するように計画を立ててやっております。急傾斜地事業というものは、河川もそうでありますが、なかなかいろいろ自然的なわが国の国土の状態もございまして一挙にはまいらぬものでございますから、この同和事業に入れずに処置させていただいておる、こういう状態でございます。
  454. 森井忠良

    森井分科員 これはきわめて問題です。去年はそういう話は出ていないのですよ。結果としてあったのかもしれませんが、去年の答弁では、六万何千カ所かあって、そのうち地区内は千三百カ所ということでした。私の方から、それではもうこれは十年もその上もかかるではないか、きちっと計画を立ててやりなさい、こう指摘がしてあるわけですね。大臣、まさにそのとおりですね。法律の対象になるかならないかということよりも、具体的に被差別部落の実態がなくなればいいわけでしょう。そこが最大の目的だと私は思うのです。
  455. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 昨年、前の河川局長が千三百六十九カ所という御説明をしたかと思いますが、この個所と私がただいま申し上げました急傾斜地崩壊対策事業で対応を要する個所、千八十という数字を申し上げましたが、その差につきましては他事業で対応するもの、あるいは移転で対応するもの等がございまして、急傾斜地崩壊対策事業で対応するものは千八十カ所ございます。これに対しまして、先ほど申し上げましたように五十三年度末におきまして同和地区内では整備率が二一・八%になるわけであります。それから全国平均では、全体で急傾斜地崩壊対策事業で対応を要する個所が五万五百カ所ございまして、今年度末では六・七%という進捗率でございますけれども、特に同和地区につきましては三倍程度の促進を図っておるというのが現状でございます。
  456. 森井忠良

    森井分科員 もう時間がありませんから多く質問ができないのですが、計画的に進めるつもりはないのですか。
  457. 稲田裕

    稲田(裕)政府委員 この地区内の急傾斜地崩壊対策事業につきましては必要性を十分に認識しております。今後この地区内の事業につきましては十分計画的な事業の施行を図れるように、都道府県等を指導してまいりたいと思っております。
  458. 森井忠良

    森井分科員 先ほど八六%の進捗率だと言われましたからお聞きしましたらいまのようなことでございます。いずれにしましても、いま申し上げました事業だけでもまだ道遠しという感じがございますので、一層ひとつ進めていただくようにお願いしたいのです。  それから、いま住宅の話が出ましたからついでに住宅でありますが、時間の関係で私から数字を申し上げたいと思います。  いま地区内の不良住宅は総理府の白書によりますと十二万ですね。これはいろいろ計算の仕方があるのですが、私どもが見まして、昭和三十五年から昭和五十年まで追跡をしてみますと、七万戸ぐらいしか消化してないのですね。これは文字どおり住宅でありますが、この十二万は三カ年で消化できるのですか。
  459. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 昭和五十年調査によりますと、全住宅戸数が四十七万戸、そのうちの不良住宅戸数が先生御指摘の約十二万戸ということになっております。昭和五十年度以降五十四年度までにいろいろな手法でもって住宅対策を進めております。まず同和向け公営住宅及び改良住宅で約四万八千戸、それから新築資金貸し付け件数が約二万戸、改修資金貸し付け件数が六万一千戸ということになっております。したがいまして、先生御指摘のように私どもは相当進んでいるという認識を持っております。
  460. 森井忠良

    森井分科員 三年間で十二万戸の不良住宅がそれじゃなくなるのですね。
  461. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 十二万戸というのは、五十年調査の不良住宅数というように私どもは考えております。
  462. 森井忠良

    森井分科員 いずれにいたしましても、三年間でできるとおっしゃいますけれども、これはもう少し様子を見たいと思います。  そこで、もう最後になってしまいましたけれども、例の小集落地区改良事業です。これは十五戸以上となっておりましてきわめて問題がある。大臣、私の県は少数点在部落が非常に多いのです。大方半分は九戸未満なんです。どんなに事業を進められましても網にかからないで全部漏れてしまう。少数点在部落の問題は非常に大変な問題です。それから、不良住宅率の五〇%以上というのもひどいですね。これは切り離すことができないのか。それから、基準についても、いま申し上げましたように、もう県によっては本当に、搾取の形態によるのでしょうか、少数点在部落が非常に多いという私のような県があるわけですから、基準の緩和もぜひ求めたいと思うのです。先ほど申し上げましたが、去年あなたの答弁によりますと十分検討したいという答弁があるのですね。もうあえて議事録は読みませんけれども、弾力的な運用も含めてやりたいということでした。この点についてどのような進歩があったのか、とくとお答えをいただきたいと思うのです。
  463. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 もう先生に御説明するまでもなく、小集落は十五戸以上ということになっております。しかしながら、従来そういった十五戸未満の少数点在地区があることも私ども十分承知しておりまして、その住宅対策といたしまして同和向けの公営住宅の建設あるいは住宅新築資金等の活用ということで対策を行ってきたわけでございますが、昨年も私お答え申し上げましたように、何かやはりもう少し進められないかということで、五十四年度の予算案におきましては、そういった従来の住宅資金の貸し付けだけでなくて、何らかの形で補助制度も打ち立てたいということで、来年度から、老朽化の著しい住宅について除去されて新しく新築資金で家を建てられるという方に対しまして、公共団体がその除去費、これは通損も含みますが、その一部を補助金として出すという場合には、国が三分の二の補助を出すようにというようなことを現在予算案の中に織り込んでお願いしておるということでございます。
  464. 森井忠良

    森井分科員 もう時間が参りましたから質問はできなくなりますが、大臣お聞きのように、まだまだ建設省関係でも問題は山ほどございます。特に大臣の場合は、法の延長問題についてはいろいろ与党の中でお骨折りになったわけでありますけれども、具体的に建設省という重要官庁の大臣におなりになって、新たに一層の認識を深めていただきまして、この問題が前に進みますように特にお願いをしておきたいと思います。
  465. 藤田義光

    藤田主査 西中清君。
  466. 西中清

    西中分科員 私が最後だそうでございますが、御苦労さまでございます。  最初に私は、いわゆる京阪神の道路整備という問題について、お伺いとまた御相談をいたしたい、こう思っておる次第でございます。  第八次道路整備五カ年計画、これによりまして各種道路の整備についてはそれなりの御努力をいただいておるわけでございますけれども、何といってもやはり大都市圏における道路網の整備ということは非常に重要な問題であるし、いま各地で大渋滞を起こしておってなかなか道路建設が進まない、こういう実情でございます。だがしかし、やはり将来展望の上で、国民、住民のニーズにこたえていかなければならぬこともまた事実だろうと思うわけでございます。そういう点で、近畿圏とりわけ京阪神の大都市圏において、これからどういう道路整備をお考えになっておるのか。  私の質問の裏には、私は京都でございますけれども、京都の道路は日本一悪いのだというのが一般的に言われておる。どういう意味日本一悪いのか別問題として、少なくとも非常に交通渋滞が激しい、こういう状況でございますから、やはり大阪、神戸、そして京都、これはかつてのように点在するものではなくて、今日一つの居住圏として、文化的にも経済的にも面として一つのものとしての動きがいま始まっておるわけでございますから、そういう点を含んだ上でこれからどうしていかれるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
  467. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 京阪神地区の交通問題は、御指摘のとおりなかなか大変な状態になっております。そこで、建設省といたしましては、近畿地方建設局を中心といたしまして、関係の市、府、県、それから阪神高速道路公団、日本道路公団等をもちまして、近畿地区幹線道路協議会というものを地建の局長が主宰して、全般の状況につきまして常時協議を重ね、調査を進め、対策を検討を進めておるという状況でございます。
  468. 西中清

    西中分科員 そこで、一つの具体的な考え方、提案でございますけれども、これは政治的な意味も含んでおりますから大臣に御答弁をいただきたいと思いますが、京都の場合、名神高速道路を除いて、道路公団並びに阪神高速道路公団等々、いわゆるそういった高速の道路というものについては建設がゼロであると言ってもいい状態だと私は思います。そこで一方で大阪、神戸が高速道路をつくられる、そのほか高速道路以外の道路網を整備される。これは日本道路公団関係しておりますけれども、阪神高速道路公団がやはり軸になって進めておられるのではないかと思うのですね。ですから、勢いこういうところがどんどん開発され道路が整備される。京都ではそれがない。そうすると、そこからおりてきた車というものは全部京都では一般住民の生活道路にあふれるわけです。非常にこれは問題の多い形ではないかと私は思うのです。ですから、高速道路のいろいろな問題点はございますけれども、少なくともこの京阪神を面として見た場合には、京都を除いて大阪、兵庫だけでやれるということは非常に困るのです、大臣も兵庫ですけれども。  今日まで、たとえば阪神高速道路公団にはいかほど事業量があったのか、一遍お伺いしておきたいと思うのです。
  469. 小林幸雄

    ○小林(幸)政府委員 阪神公団としましては七千五百億の計画のうち約五千億を従来投資をしております。
  470. 西中清

    西中分科員 五千億に上る事業がなされる、京都ではゼロである。こういうアンバランスが、先ほど言っているようにたとえば国道一号線を軸として大渋滞の大きな原因の一つにもなっておる、すべてとは言いませんけれども。問題は、皆さん方が計画されている中に、いろいろ出てくる言葉の中に——道路というものは一つのネットワークが必要なんだ、てんでんばらばら、行く方向が、先が行き詰まりであるという状態では非常に困る。こうした整合性のもとにプランが立てられて、そして実施されていく、こういうことだと思うのですが、大臣どうでしょう。阪神高速道路公団などというように京都を除いた形、これは過去の経緯はあります、ここではよろしいでしょう。しかし、私はそういう面で、この阪神高速道路公団にはやはり問題があるんじゃないか、少なくとも事業を進めていくということになれば、このバランスをとりながら考えていただきたい、こういう考えを持っておるのですが、どうお考えになるでしょうか。
  471. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 首都圏並びに阪神道路公団、これはその地区の大都市がやっております道路でございまして、あくまでもこれは地域的なものでございます。それが名古屋等では公社をもって進めておられる。その中で京阪神でなくして阪神であるということは御指摘のとおりでございます。実は先般、私、京都に参りまして知事と市長と寄っていただきまして、道路網の計画その他を十分聞かせていただいてまいりました。そのときにもこの問題が出ました。これは法改正をやらなければいかぬものですから、法改正ぐらいは直ちにできると思って言うたのでございますが、たとえ調査費でも予算がついておらぬと法改正はできないという姿、これはもう当然のことである、こちらの認識不足であった、こう思いまして、今度亀岡老坂線、あれは日本道路公団でやっていただいておりますが、それ以外に京都の方において道路公団が直接やるよりもやはり地域の道路として取り上げる道路が果たしてあるかどうか、その方が建設が早いかどうか、調査をいま阪神道路公団並びに県、市当局に考えていただきまして、この計画が立ちましたならば、ぜひ御要望のような線で解決していきたい、そのように考えております。
  472. 西中清

    西中分科員 私が言う前に、大臣から御丁寧なお答えをいただいたわけでございます。  ですから、京阪神高速道路公団とか近畿圏高速道路公団とかそういった形で、関西圏でもよろしいでしょう、いずれにしても整合性のある、バランスのある——いまお話しのように、一部の道路公団が一部の部分だけを高速にやられても、それにつながる道路が全く手がついておらないという、いろいろな計画があるわけですけれども、東の方へ行けば京滋バイパスは時間がかかっておる、南へ行けば京奈バイパスが停滞したままである、こういうふうに京都の場合はどっちを向いても道路が中途半端で終わっておるし、進まない。そこでやはり専門的にこれを改組していただいて、そして京阪神全体の交通網を整備していただく、これが一番いいと思いますし、大臣も前向きの姿勢を示していただきました。ぜひともそういうことで御検討をいただきたいし、御努力をいただきたい、このように思います。よろしくお願いします。  それから、近畿自動車道舞鶴線について若干お伺いをしておきたいのです。  これは昨年の十一月に国土開発幹線自動車道建設審議会において整備計画が策定されました。ところが、福知山市から舞鶴市の府道布敷公文線の連結部分まで、こういうように三十四キロの整備計画が決定されたわけであります。ここでお伺いをしておきたいのは、この工事の開始の見通しはどういうふうになるのか、それからその府道との連結線から西舞鶴へ出るのか、東舞鶴へ出るのか、それともそういう道路はもう考えないんだ、現在の国道を拡幅するんだ、こういう考え方もあると思うのですね。ですから、なるほど舞鶴までの整備計画は決定したけれども、そこから本当に、山中から市内へ入る道は一体どうなるんだというのが住民の疑問であり、はっきりしてほしいというところでございます。  もしもこれがたとえば東舞鶴へ出るとして決定されるについては、いまその部分は皆さん方からお出しいただく地図でも点々々と、これは基本計画の形になっておるわけですね。そういうように理解してよいのかどうなのか。それからもしもこれが工事をする場合には、現在決まっておるところから先、要するに舞鶴市内までの部分は改めて整備計画の決定をしなければならないのかどうなのか。もしもそうであるならば、今後どういう日程でどういう事業を進めて、いつごろをめどにこれの整備計画を決定されるのか、この辺のお話を伺いたいと思います。
  473. 山根孟

    ○山根政府委員 お答えを申し上げます。  舞鶴線の特に昨年整備計画の決定を見た福知山−舞鶴間に関連する御質問であろうと思います。  まずごく一般論といたしまして、日本道路公団に建設大臣から施行命令を出しましておおむね供用されるまでの日程は、平均的に大体十年でございます。この間に、まず実施計画の策定の段階におきまして、整備計画をさらに煮詰めた具体的な調査をいたしまして、固まった段階で路線を決定をする、地元協議を行う、具体的な個別の用地取得等々を経て事業を進める、こういう段階になるわけであります。  それで舞鶴市内へのアクセス道路をどういうぐあいに考えるか、これは大変重要な点でございまして、インターチェンジからどう舞鶴の町に接続をさせるか、その道路整備をどう進めていくか、これは当然全体として調整を図りつつ事業を進めていく、こういうことになろうかと思います。  それから、現在の整備計画からその次のステップはどうなのか。つまり東舞鶴に行くのかどうか、こういう点でございますが、私ども、基本計画では一応東舞鶴まで、この間約十一キロございます、この間を一つの今後整備計画を立てる区間というぐあいに考えておりまして、現在、鋭意調査をいたしておるという段階でございます。舞鶴を中心にしてどう交通処理が円滑にいくかという観点も含めまして、今後十分検討してまいりたい、かように考えております。
  474. 西中清

    西中分科員 いまの御答弁を聞いておりますと、やはり基本計画の段階で一応の予定線といいますか、東の方に引っ張っておる、こういうことでございますが、大体その方向でお考えだというように受け取っていいわけでしょうか。
  475. 山根孟

    ○山根政府委員 御指摘のとおりでございます。
  476. 西中清

    西中分科員 次に、百六十号線の笠置トンネル、どなたかお答えできますか。——これは今年初頭供用にするという予定でございましたが、非常におくれておるわけでございます。私もしょっちゅう行き来をするのですが、あそこは七分間信号と言って、渋滞しますと一時間ぐらいかけなければ通過できないという形になっておる。非常に地元の皆さん方も困っておるわけでございます。予定が一年延びた。何でもトンネルは崩落状態が起こったということでございますけれども、これからの作業について、そして完成のめど、こういう点について御説明をいただきたいと思います。
  477. 山根孟

    ○山根政府委員 ただいまの笠置トンネルでございますが、いまお話しのように大変御迷惑をおかけいたしたわけでございます。昨年の一月にトンネル坑口で実は地すべりの徴候が発生をいたしました。したがいまして、調査をいたしました結果、地すべり対策の工事が必要である、こういうことがわかりました。したがいまして、この対策工事を実施をいたすために必要な用地を新たに取得をいたしまして、そこでこの地すべり対策工事をやりましてトンネルの供用を図る、こういう段取りになるわけであります。この用地の追加の取得につきましては残された期間が短いわけでありますが、本年度、五十三年度末までには何とかして完成をさせ、来年度には地すべり対策工事を終えましてトンネルの供用を図ることに持ってまいりたい、こういう考え方で現在検討をしておるわけでございます。比較的初期の段階で地すべりが発見できましたのは、その意味では大変、一年供用が延びることにはなったわけでありますが、私どもとしては幸いだと思っておりますが、何とかして早く工事を終えたいというぐあいに考えておるところでございます。
  478. 西中清

    西中分科員 一年ずれるということは五十五年一月、二月くらいということでございますか、それとも五十四年の中に、後半ぐらいで供用できる、こういう意味ですか。
  479. 山根孟

    ○山根政府委員 まだ最終的な対策工事の工程等をなお今後煮詰める問題がありますのでいま確答はできませんが、私どもとしては五十四年度中には何とか、それでしかもできるだけ早く供用が図れるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
  480. 西中清

    西中分科員 次に、関西学術研究都市構想についてお伺いをいたしたいと思います。  この構想は、昭和五十一年下半期から関西の大学関係者の間で議論が持ち上がりまして、その後産業界、行政機関等と意見交換が続けられてまいりました。昨年十二月には、関西学術研究都市調査懇談会が第一次の提言を発表いたしました。それなりの熱意が盛り上がっておるわけでございます。御承知のとおりでございます。  この新研究機関は、第一次提言によりますと、現代的な人類社会の当面する諸問題を解決するために、科学技術の新領域の研究開発を促進する長期的展望に立っての事業である、こう言われておるわけでございます。私は、府民の生活を守りながら、そしてまた特異な研究をするということでなければ、非常に結構だろうと思っております。まだこれが構想という段階でございますから、私はいませっかちな御答弁をいただくつもりはございませんけれども、提言からいけば筑波学園とかそういったものと性質が大分違うのじゃないか、こう思っております。  それで京都府としても、府の総合開発審議会の南山城地区地域整備構想の一環としてこれを考えておる、そして京阪奈三県にわたっての丘陵地帯、ここに何とかしたいというふうに言っておるわけですね。  また国土庁としましても、五十三年十一月に「近畿圏基本整備計画」を発表したその中にも、場所は指定してございませんけれども、学術研究機能の充実をうたっておられます。そして一月二十九日には、関西学術研究都市問題調査検討委員会を発足させたと新聞報道になっておるわけでございます。それはそのとおりなのかどうなのか、まずこの一点を伺っておきたいと思いますが、いずれにしてもこれは一府県の手に負える問題ではなくて、国家的なプロジェクトとも言うべきものだと思います。また新聞報道では、もしもその構想が固まってくれば国土庁は立ち上がる態勢にある、こういうふうに伝えておるわけでございますが、この辺のところの実情はどうなのか、お伺いをいたしたいと思います。
  481. 平野侃三

    ○平野説明員 関西学術研究都市の構想につきましては、先生御指摘のとおり、京都府を初めといたしまして関西の学界及び財界におきまして熱心に検討が進められているところでございます。  しかしながら、この構想につきましては、その内容や立地条件あるいは地域に及ぼします影響等、検討すべき問題が数多くございますし、さらに広範な地域の合意を得る必要があると考えております。近畿圏の基本計画におきましても、近畿において高度な学術研究機能を集積した都市を整備することはきわめて重要な課題であるとしておるわけでございますが、国土庁といたしましても、地元におきますこれまでの検討経緯等も配慮しながら、今後関係省庁、関係地方公共団体とも密接な連絡をとりまして、必要な調査を進めてまいりたいと考えております。  なお、昭和五十四年度でございますが、調査費約一千六十一万円を計上いたしまして、近畿圏において整備すべき学術研究機能の内容とその立地の基本的要件等につきまして検討を行いたいと考えているところでございます。
  482. 西中清

    西中分科員 それは、いわゆる京阪奈丘陵を想定してのお話でございますか。それ以外の場所をお考えなのでしょうか。
  483. 平野侃三

    ○平野説明員 京阪奈地域につきましても、有力な候補地の一つとして検討の対象に入れてまいりたいと考えております。
  484. 西中清

    西中分科員 大臣所管が違うと言えば違うわけでございますが、同じ関西でございますからバックアップしていただきたい、こう思うのですが、どうでしょう。
  485. 渡海元三郎

    渡海国務大臣 いま筑波学園と構想が違うということでございましたが、専門的に聞いたわけでございませんが、私も京都に参りまして、いわゆる関西学術研究都市、これが考えておる構想、その他の概要については聞かされました。その意味におきまして、国土庁で調査がことしから進められるということについては、まことにありがたいと思っております。その調査結果を踏まえまして、建設省といたしましても前向きで検討をしてまいりたい、このように考えております。
  486. 西中清

    西中分科員 この議論はこれからも続けていかなければならぬと思っておりますが、一部ではいろいろと心配の向きもあることは事実でございます。きょうはもう時間があと四分しかありませんので、これ以上できませんけれども、ただ少なくともこれを進める上については、三県の合意もなければならぬだろうし、もちろん地元のいろいろな道路整備、鉄道交通網、それから環境、こういったものも含めて問題は大きいわけですから、私もすぐに結論を出せとは言いませんけれども、調査をしていつごろまでに結論を出そうとお考えなのか。  国土庁としては今年度千六十一万調査費を出されております。それから、もう時間がありませんから一緒に聞いてしまいますが、宅地開発公団と日本住宅公団とがすでに去年調査費をお出しになっているわけです。私は、調査費を出されるということは、非常に積極的な姿勢だというように評価をいたしております。先ほども協力のお話がありましたけれども、そういった点でぜひともこれを実りあるものにしていただきたい。  同時に、公団が早々と手を出されたということについては、ちょっと奇妙な感じがしないでもないのです。これはまた後日質疑をさせていただきたいと思いますけれども、少なくとも建設省関係がございます。科学技術庁もあるでしょう。文部省もあるかもしれません。各省にまたがるものですから、ちょっとやそっとではいきませんし、時間もかかると思います。きょうは国土庁長官がおいでになりませんので、お答えがもらえませんけれども、同じ国務大臣として何らかこれが進展するようなもの、これを政府の方でもおつくりいただけないものかどうか、その辺のところをお伺いしておきたいと思います。
  487. 平野侃三

    ○平野説明員 先ほど御説明申し上げましたように、来年度の調査そのものは非常に基本的な、どのような施設を関西におきまして導入すべきかというような問題を対象に調査をいたしたいと考えております。したがいまして、具体的に構想を固めていく過程でいろいろな問題が出てこようかと思いますが、三年ないし四年は少なくとも調査をしなければ、このような大きな問題は取り扱えないだろうというふうに考えております。
  488. 丸山良仁

    ○丸山政府委員 いま先生の御指摘のように、宅地開発公団及び住宅公団が今年度この地域の調査をしていることは事実でございますが、これは両公団につきまして、宅地開発公団については毎年大体二億四千万程度、それから住宅公団につきましては一億四千万程度の金がついておりまして、これは全国で数十カ所の地域について、それぞれの公団が行うためにどういう宅地適地があるかという調査をしているわけでございまして、この京阪奈地区につきましても、それと同じ考え方でやっているわけでございます。  ただし、この地域につきましては京都府からの要請もございまして、三者で共同でやっているわけでございますが、これはこの地域が決まったから調査をしているということではございませんで、この地域が宅地開発公団なり住宅公団の宅地開発用地に適するかどうか、あるいはいまお話しの関西地区学園都市ができた場合に、それに関連して一体宅地が必要であるかどうかというようなことを検討しているわけでございまして、決まったことをやっているわけではございませんで、これから決めるための基礎調査をしているわけでございます。
  489. 西中清

    西中分科員 そうおっしゃると、実は私、言い分がたくさんあるのですわ、はっきり言うと。大臣は少なくとも前向きで努力する、こうおっしゃっていただいたので私はこれ以上いたしませんけれども、調査を依頼したところは京阪奈丘陵の調査を依頼しているのですよ。そうでしょう。海のものとも山のものともわからぬようなところへ公団はぱっぱぱっぱ調査費を出すというようなやり方をしておるのですかということを言いたくなる。  時間が参りましたからやめます。後日また論議をいたしたいと思います。ありがとうございました。
  490. 藤田義光

    藤田主査 以上で西中君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十八日午前十時より開会し、運輸省及び建設省所管につき審査を進めます。  本日はこれにて散会いたします。     午後九時三十一分散会