○大出
委員 別に取り上げてくれとかくれるなとか言っているのではないのでして、あなたがこの三十日に記者発表をなさいましたが、このときに、一言で言えば、そう書いてあるのだけれども、私は見たことも書いたこともないと言っているのですね。だから、私はそれを差し上げると、十年来
海部メモ海部メモと言われ続けてきたのですから、あなたは十年間見たことも書いたこともないのですから、初めて見たわけだから、もうちょっと初めて見たような顔をなさるかと思って差し上げたのですが、どうも余り初めて見たような顔をなさらないわけであります。これが
証人喚問の心証というものでございまして、どうも初めて見たとは思えないわけでございますから、ざっくばらんに申し上げたわけであります。
ところで、時間がありませんから手っ取り早くいきたいのですが、見ている
皆さんがおりますから、中身を読み上げずにいってしまいますと議事録に残りませんので、ちょっと読ませていただきます。
こちらに「OLYMPIC」と上に浮き字になっておりますが、これはシアトルのオリンピック・ホテルというホテルでございます。「
海部拝」と書いてあります。一九六五年七月二十四日、川崎重工の砂野
社長殿あてで、「拝啓 七月二十三日午前九時より岸前総理中村秘書、マクダネル・V・P・フォーサイス」これは
社長であります。「
海部、他に日商社員一名を交へて次期、戦斗機につき懇談し四機輸入する件につき話をし岸前総理より、必ず輸入する旨確認があり三次防として」三次防、御注目いただきたいのですが「三次防として最低一〇〇機三年間に二〇〇機」括弧して五〇、五〇と書いてあります。これは後でシェアを示すことになりますが、「する事にしようと確認ありました。同時にマクダネルより川重五〇%シェア(三菱五〇%)異存なき旨岸さんに回答致しました。」これは岸信介元総理であります。「日商よりは岸氏にイニシエーションフィーとして二万ドル支払ひました」イニシエーションフィー、つまり着手金ということになりますね。シアトルのこのホテルには、
海部さんちょいちょいおいでになったようであります。
もう一つ、これは日商の用紙でありますが、「四十一年三月十八日 経理部長殿」というので「
海部八郎」ここに印が押してあります、判こが押してあります。前を消してありますが、事と次第によっては現物の写しを後から差し上げます。
どなた、どなたと二人名前が書いてあるわけでありますが、消してある「両氏に対する支払ひ岸氏より下記に支払ひ方連絡ありましたので御手配方願ひます。ドル払ひで願ひます。」①ここにコード番号、つまり口座番号が書いてありますが、ドレスナー・バンクというのが本当のようでありますけれども、ドイツの銀行であります。こっちが一千万円、②の方がユニオン・バンク、これはスイスでありますが、二百万円、こういうふうになっている二枚であります。通称
海部メモと言われております。
この
海部さんの――実は手筆について、私はきょうこの席で、これがあなたの書いたものであるかないか決着をつけたいと思っておるわけであります。
そこで、
委員長にいま
許可をいただきましたから、もう一枚ごらんになっていただきたいのです。
そこで承りたいのですが、この
メモは
海部良子さん、
海部武志さん、
海部圭史さん、かなが振ってあります。お名前の読みでございますから、よく御存じの方でなければこういうかなは振れません。原典を申し上げておきますと、ある人がある人の目の前で
海部さんにお書きいただいた、あなたにお書きいただいたものでありまして、実はその御本人が、今日ただいまの段階では名前を明らかにしてほしくないということのようでございますから、きょうのところはお名前を申し上げません。ただし、その方は、はっきりあなたが私の目の前で書いた、
海部さんが書いた、こういうわけであります。
これはある限りお配りをいただきたいのですが、
委員部の方にひとつお願いしますが、
委員長、よろしゅうございますね。