○佐野
政府委員 御指摘の点は、いずれも
大学が創設された後に
大学において検討、決定されるべき事柄ではございますけれども、現段階で、これまでの検討の経過等から考えられている方向について御
説明を申し上げます。
まず、学生の入学受け付けでございますけれども、これは原則的には
大学の本部で行うことが考えられるわけでございます。もちろん、郵送による受け付けのほかに、各都県におきます
学習センターでも受け付けができるような配慮が望ましいと考えております。
それから、二番目の住
所要件の問題でございますが、
放送大学の場合は、御案内のように
放送を通じて授業を実施するわけでございますから、通常の
大学の場合に学生が授業に出席する必要があると同じように、
放送大学の学生は
放送を視聴する必要があるわけでございます。したがって、
放送大学の受講登録の申請を受け付けるに当たっては、
学園の
放送を視聴することができるかどうかということを確認する必要があると考えられます。このことは、やはり第一義的には申請者の住所が
放送の対象地域内にあるかどうかによって判断されるということであろうと思います。
ただ、多少問題がありますのは、基本計画でも述べられておりますけれども、
放送が視聴できないところについてはビデオセンター等を設けて、そこでビデオテープなりオーディオテープによる視聴ということを考える構想がございます。そういったことからいたしましても、入学定員に余裕がある場合に、オーディオテープあるいはビデオテープによる
放送の継続的な視聴が可能であり、しかも
学習センターへの出席もまた可能であるという場合に、それを住所が対象地域内にないからといって一概に受理しないということは必ずしも適切でなかろう、
放送対象地域外の居住者の受講申請についても、それぞれの具体の
状況に応じて個別的に対応する弾力的な余地はやはり残しておく必要があるのではないかと考えておるわけでございます。
それから、先着順の問題でございますが、
放送大学の場合には御指摘のように学力試験によらないで受講生を登録するということにしておりますから、入学定員の範囲内で先着順なりあるいは抽せんなどの方法によって公正な受け付けをするということになるわけでございますが、画一的に先着順あるいは抽せんということで処理をすることについては必ずしも問題なしといたしません。たとえばイギリスのオープンユニバーシティーの場合には、入学の許可は原則として出願順でございますけれども、コース別の
定数であるとかあるいは各地域間のバランスであるとか職業別の割合等を調和するように考えて、やはり先着順の中で対応しているわけでございます。そういったことを考えて、今後
放送大学の関係者の間で検討の上、適切な選抜方法が採用されるようになることを期待いたしております。
それから、入学金、授業料でございますけれども、これらの水準については、
私立大学の通信
教育における授業料等とのバランスを考慮して適正なところに定めるということが考えられるということをかねて申し上げているわけでございます。
なお、ちなみに現在の私大通信
教育の授業料等の
状況でございますが、入学時の納付金、これは選考料であるとか登録料であるとかあるいは入学金等でございますが、これが平均いたしまして約一万七千円でございます。それから授業料、これは四年間で卒業するとした場合の各年度の授業料等の平均でございますが、これが約六万円。この程度のところを目安として決めていくということになろうかと思います。