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柴田(健)
委員 渡辺
大臣の御意見を聞いておると、ますますわからないようになってくるのです。先ほど食管制度を統制
経済だなんというとらえ方をしておるというのは、およそ
時代おくれ。われわれはいまの食管法というものは社会保障という
立場でとらえて取り組んでおるわけで、あなたの
言葉を聞くと、統制
経済なんて戦争中の
言葉なんで、官僚統制、そういうとらえ方で食管会計を見ておるとするならば、これはもうわれわれとかみ合わないのでありまして、これはもう、
青嵐会農政というものは仕方がないなとあきらめざるを得ない。私は
日本の
農業というもの──近ごろ国際分業論という
言葉がなくなった。これは意図的か意識的かわかりませんが、国際分業論という
言葉はあらゆるところで消えました。しかし
実態はそうじゃない。
実態は依然として国際分業論の
方向で歩んでおる。それから、いまの
日本の
農政の姿は、果物をつくっても何をつくっても、りっぱな品物のいいのをつくりなさい、これがもう前段に出てくる。品物のいいのをつくるということはコストが高くなるということだ。コストが高くなるということは
消費者にとってはありがたいことではない。これはもう、
所得の高い者はぜいたくで何でも高くても買うて食うかしれないが、
所得の低い層にはもはや
日本人がつくる農作物は食えないという事態をつくり出していくようなものです。貧乏人の方、
所得の低い者は外国の安いものを買うて食いなさい、金のある者は
日本人がつくるコストの高いいい品物を買うて食いなさい、そういう
現象をみずからつくり出していくような
農政は、これは厳に慎んでもらいたい、こう思うのです。そういうコストが高くなるような
方向で品質の高いものをつくらす、そういうやり方は考えてもらわなければ困る、こう私は思っておるわけです。
私は、米の過剰問題でちょっと言いますが、この過剰対策で
大臣はいろいろと
所信を述べられた。ところが、
生産調整が一番の過剰対策の
基本になって、その次は古々米の処理をやる、今年度もそういうことで、三カ年、百七十万トンの
生産調整の数量、
面積は依然として同じであっても、今度は自主的に一〇%お願いをするという姿勢の予算のようであります。そこで、自主的にお願いをすると言うが、結果的には割り当て方式なり押しつけということになるのではなかろうかという
一つの心配がある。これが第一点。
それからもう
一つは、
生産調整であるとか古々米の処理、それもわかります。わかりますが、もっと消費
拡大に力を入れるということ。そのためには、学校給食その他も多少前進を見ておりますが、もっと国民に米を食うてもらう運動をやって、そこは
民族意識があるかないかの問題になってくると思うのですが、
日本人なら米を食おうではないか、
大臣みずからそういう心構えを基調として推進しないと、いまあなたの論を聞いておるとお好みに合わせていくと言う、そんなことでこの米の消費
拡大はできない。お好みに合わせていくのなら
大臣も何も要らない。それではだれがやってもいいんだ。それで、私、新しい提案として申し上げるが、都道府県に、これだけは
人口があるのだからこれだけは米を食いなさい──それは
生産県と消費県とは違いましょう。それはバランスを考えて、これ以上一万トン、二万トン、オーバーして食うた分については、消費
拡大に協力した県にはその一万トンに対して一割の、値引きということにはいかないけれども奨励金を出しましょう、それで各都道府県のあらゆる知恵を使って米の消費
拡大をやりなさい、こういうぐあいに考えたら、
一つの方法としてある程度の消費
拡大に役立つのではなかろうかという、これは私の発想であります。
そういうことで、この
生産調整、古々米の処理ということも当面は考えられますけれども、何としても消費
拡大をしないとこれは困る、これに力点を置くべきではないか。こういう点で
大臣の
所信を聞いておきたい。