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只松小委員 これは税法を根本から変えないと、いま発生主義ですからね、
所得が確定されなければ
課税できないですからね。そこで消費税、流通税というものを構想されてきたのですよ。だから、消費税はそういう角度から考えるなら別の意義がある、こう言っておるのです、消費税に反対ですけれ
どもね。
財政の穴埋めだからということで大蔵省は発想しておるから、その発想は貧困であるし誤っておる、こう言っておる。
たとえばさっきちょっと触れましたけれ
ども、いい材料ではないわけですが、暴力団だって
課税しておるといえば
課税しておる。しかし実際してない。麻薬が一兆円ぐらい流通しておると言っておるけれ
ども、それの中で
課税されておるのはごく微々たるものです。警察が
事件を摘発して構成した場合にのみ
課税されておる。トルコぶろだって同じ、売春が
事件として確定し構成された場合には
課税できる。たまたま今月の初め関東甲信越の税理士会があった。その大会にあいさつに行きました。こちらは百人そこそこの小ホール。向かいの大ホールには若い美女の大群です。何かと思ったら、埼玉県特殊浴場組合の決起大会、いわゆるトルコぶろの御婦人連中が集まっている。それは大宮市民ホールを埋め尽くしておる。そういう人
たちが
課税されておるかといえば、自主的に御申告をされるということ以外に
課税はできない。できるならできると言ってください、あるいはしたという実証を示してください。
繰り返しますように、野党だから必ずしも取れと言う必要はないけれ
ども、逆に家庭の主婦あるいは内職、パートタイマーも、七十万を超えれば
課税されるだけじゃなくて、今度八十万を超すと妻の控除がなくなってくる、こういう厳しい取り立てで、いわゆる第二次産業の製造業に従事しておる関係者はびしびし取られる。それは何かといえば、工場を持ち、生産の現場を持っているものは
収入が確定をいたしておりますから、また課さなければならないから、そこに出てくる家庭の主婦やパートタイマーはびしびし取られる。そうでない、預貯金からおろしたり給料から使ったり、そういう形で
収入源が明らかでないそういうものはほとんど捕捉されておらない。これが何兆円、何十兆円だと思うのです。
そういうふうに産業構造が抗産業、あるいは非産業、もっとずばり言えば非生産的なもの、そういうものの分野が非常に多くなっていくわけですから、きょうのあれを見ても週休二日、単に遊ぶということじゃなくて、いかにレジャーなり余暇を有意義に生かしていくかということが、これは単にトルコぶろとかピンクサロンとかそういう形ではなくて、いまからの政治のあり方、
日本の社会のあり方、世界の人類のあり方として、こういういわゆる生産に従事しない間を——若いときは、十八歳未満の高等学校あるいは二十二、三歳まで大学、これも非生産ですね。非生産のところには国や県や市町村、公共団体がいろいろな形で教育機関なんかにでも投資をしなければいかぬ。あるいは世界一若い定年制、五十五歳ですが、長くても六十歳。世界では若くて六十歳が定年で、長ければアメリカは七十五歳というようなものがある。したがってその後は社会保障制度の費用も少なくて済むのですが、
日本の場合は放置されているし、また社会保障制度がだんだん多くなっておる。だから共済組合というのは、いまほとんど破産をしかけているのですね。
日本国家の
財政の破産も、その理由とほとんど変わらないのですよ。取るべき税金が取られておらない。それは税法の誤りにあるし、主税局や何かの怠慢にある、
政府・
与党の
税制の無能さにある、こう私は思うのです。
そう言っちゃなんですが、マルクスが資本論を書いたときに、第三次産業というようなものがこれだけふえるとは恐らく夢にも思わなかっただろう、こういうふうに産業構造というものが根本から変わってきつつある。生産の場だけ
課税がされておる。ところが生産でないものには
課税がいま閉ざされている。そういうものはむしろ汚らわしいものだ、あるいは
国税庁や大蔵省は、えらいとかさわるべきものではない、忌みきらうという形において、そういうところで
課税を避けていっている。ところが、ますますそういうものが多くなってくる、そういうところにしか職というものがない、こういうふうになってきたときに、そこに
課税しなければ、国家
財政が赤字になって破産するのはあたりまえのことじゃないですか。国鉄が自動車や飛行機にとってかわられるのは、交通の構造の変化が起こればあたりまえのことですね。そうすると私が言うように、税法の第一次、第二次、第一次はほとんど取っていないが、第二次中心のいまの税法というものは再検討の時期に来ているというのはあたりまえだ。
だから、きょうこれ以上は余り申しませんが、税調会長、ぜひ抜本的にそういうもののお考えを提示して考えていただきたい。そうするならば当然に主税局としても、経済企画庁やあるいは通産省やそういうところと現在の産業の実態というものを
調べて対応していく、こういうことも必要かと思います。それぞれにひとつ御所見を承りたいと思います。