○神谷
説明員 ただいま
先生の御
指摘のように、当初楽観説から悲観に、最近また少しふえたという情報を流しておるのはどういうことであるかというような点、
指摘を受けますケースがあるわけでございますが、実は私
ども、これは自分の言いわけになるかもしれませんが、一貫して申しておることは余り変わりないのでございますが、周囲の取り巻く環境がやはり微妙に変化しておりますので、同じことを言いましても、別にマスコミの方をどうこう申し上げるわけじゃないのですが、
報道のされ方が大分変わってしまいまして、翌日の新聞を見て、こういうトーンで書かれておるのかということで常々反省しておるわけでございます。当初楽観と申し上げますのは、当初は実は需要期でございまして、そのときにいたずらな不安はかき立てたくないという気持ちはございましたが、それよりも何よりも、現実にこの三月あるいは四月ごろまでの需要期は何とかこなし得る、四月から不需要期に入り、問題は次の需要期であるということを当時も言っておりまして、この需要期は大丈夫だ、次の需要期までいろいろ
努力もしなければいかぬし、
節約もしてもらっていかなければいかぬが、次の需要期は厳しいですよということは大分当時も申し上げておったのです。しかし、やはりこの需要期は何とかこなせるというところにトーンが置かれますので、やはりエネ庁は楽観である、こう言われておったわけですが、やはり次の需要期はわれわれ常に問題にしておりました。
それから、確かに五月ごろになりまして、
サミット直前と言われましたが、非常にトーンが厳しくなった。私
ども実はざっくばらんに白状いたしますと、内部では非常に頭を痛めながら真剣な議論はいたしましたが、対外的には発言は常に慎んでおったつもりでございます。しかし御
承知のように五月一日からスポットが急激に上がってまいりました。それからメジャーは次々と削減をしていく。これは正確な事実でございますので、私
どもも隠すこともございませんし、一般にも十分御
説明しており、外電等からも入ってまいります。そういたしますと、周囲の
状況が非常に厳しくなっておるという中で、一定の仮定で計算するとこういうことになるというようないろいろな勉強をしておるものが中間的に出てしまいますと、資工庁がこういうことをやっておる、こういう
見解であるというふうに
報道されます。しかし私
どもは最悪の事態というのは常に念頭に置いて議論をいたしておりますが、そのときだけの
状況ではなく、やはりその時点でもOPEC総会が終わり、かつ
サミットが終わった後の
世界の
原油需給状況をよく見てから
判断したいと思っておりました。
それから、もう
一つ需要面で申し上げますと、五月がべらぼうに伸びたことはもう御
承知のとおりでございます。需要が伸びました。このままでいったんではもうどうにもならぬ。本当に皆さん
節約してくださるのだろうかという気持ちがわれわれの方にもございましたが、これは六月に
石油税が上がったり軽油引取税が上がったり、値上げが控えておったりいろいろあるので、やはりやむを得ない動きであるかな、六月の
状況を見たい。六月になりましたら燃料油トータルで一・六%という非常に穏やかな伸びに、反動もございますが、なっております。
それからOPEC総会、
サミット後の
世界の
石油状況は、先ほど
長官が申し上げましたように、少なくとも傾向としてはやや悪い
方向には向かっていない兆しが見えておるので、現時点でそれをそのまま一般記者公表という形で
国民の皆様に申し上げておるわけでございます。ただ、ここで私は下期絶対大丈夫という保証をせいと言われましても、これは非常に厳しいのは、御
承知のように
サウジは
増産する。それからアブダビも来年は
増産してくれるだろうということをこの間の感触で得ました。ところが一部の国は来年は減産する、そういう国が三カ国ぐらい出ております。この辺、その国の
石油政策、タカ派、ハト派と俗な言葉で申し上げますが、そのあたりの動きが非常に複雑に絡みますので、現時点で
サウジがあれだけ大きく
増産しておりますのでややいい傾向にございますが、一概に楽観はできませんが、私
どもはそう悪くならないことを
期待しております。
それから、下期はどのぐらい取れるかということで、
長官は一億五千万キロリットル
努力する。そうしますと二億八千万になるわけですが、上期一億三千万で、あと二千万上積みしなければいかぬ。これは最大の
努力をしなければいかぬということでございまして、実は上期が去年より三%あるいは前の
数字でも二%強ふえておるということは事実でございますが、去年は上期、下期の差が大きゅうございまして、下期に相当入って上期が低かったわけでございます。したがって、五十二年、五十一
年度と比べますと、実はいまの入りぐあいというのはちょっとかったるいわけでございますので、去年のように下期にうんと取れるか取れないかというところにかかってくるわけですが、私
どもはむやみやたらに取りたいとは思いません。備蓄も弾力的に活用しながら合理的に、
世界の
原油マーケットに悪影響を与えないで何とか
需給が確保できるようなところまで
原油を確保いたしまして、
先生御
指摘のように乗り切りたいと思います。ただ、御
承知のように中東の政治情勢、社会情勢というのは一刻も予断を許しません。いつ何が起こるかわからぬという薄氷を踏んでおりますので、備蓄だけは十分やっておきたいという気持ちがございまして、全面的に安心はしないで、いかなる事態にも対処し得るような
体制を整えながら、いたずらな悲観に陥らないようにやっていきたいと思っております。