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大成委員 私は、やはりこれから日本のアパレル
産業に、いわゆる国際的な視野において活力や将来性を見出していくということになりますと、この情報収集ということは非常に大事だし、すなわち人材の育成と同様非常に重要なことだと思うので、在外公館が他の情報については出先に目を持っているのと同じように、このことも非常に検討の余地のあることじゃないだろうか。これはぜひひとつ、民間の自主的なそういう情報の収集も大事ですが、
政府機関の出先にもそのくらいのものはやはり検討させるということが必要のような気がいたします。官僚ドブネズミ論というのがありますけれ
ども、外務
大臣なんかはベストドレッサーだなんということがよく言われますが、官僚そのものの、特に
通産省のお役人さんのファッション感覚というようなもの、こういったものもやはります真っ先に考えていかねばならぬのじゃないだろうか、そうでなければ、この生き馬の目を抜くような、そういう激しい競争をしておる民間のファッション業界、アパレル業界に対して、
指導するなんということはなかなかできないんじゃないかと思うのですが、ひとつ率先そのファッションの先端を行けとまでは言いませんけれ
ども、何たるかを理解をする、実践するといった役人の姿であってほしい。ドブネズミみたいなことだけでは、これはそういった
指導ができないような気がいたします。
さてそこで、この人材の育成の問題について承らしていただきたいと思うのですが、この間高島屋の女子社員が役員に登用されたという話が新聞に出ています。マタニティードレスの
開発を率先されたようでございますけれ
ども、ああいった
一つの人材というものが、非常に大事なような気がいたすわけであります。いわゆる官製において、人材を育成するということはなかなか容易ではないと思うのですが、そのすそ野の深く広い、そういった分野を創造していくことが大事だ。アメリカの、たとえばファッションアパレル関係からしますと、大学そのものがかなりそういった人材育成の素地に重きを置いておりますし、もちろん民間にも相当の力を置いておるわけでありますが、
わが国のそれを検討したときに、非常に弱いと思うのですね。一億五千万くらいの
政府資金を協会の方に出して、おまえたちも同額出せと言って、三億くらいのそういう金を出すことによって、人材が育成されるといったことではないと思うのですね。これはいまここで多くを論議できませんが、そういったことであるということだけは、申し上げさせていただきたいと思うのです。
それから、全国都道府県に、特に繊維関係地場
産業を持った県には、いわゆる繊維試験所みたいなものがありますよ。そういった繊維工業の試験所あたりでは、かなりユニークな研究
開発なんかも進め、またかなりの有為な人材もおるはずです。そういった人たちを発掘して、世に出していくということか非常に大事なことだと思うのですね。ここに言う、協会に対して一億五千万を
出資するというだけのことでなく、全国都道府県が、地場
産業に密着していま一生懸命取り組んでいる現場のそういう人たちを、どうしたら伸ばしてあげられるんだということもぜひ検討していただきたい、これが
一つ。
それからもう
一つは、販売士という
制度があるのは御存じだと思うのですが、流通の第一線の
一つの資格として、販売士というものがいま見直されているのですよね。一級から二級、三級とありますが、少なくも消費者ニーズを吸収するという点においては、販売士というものの資格
制度は非常に重要だと思うのです。先ほど申し上げた高島屋の女性社員の重役登用の問題も、いわゆる現場から消費者のニーズを吸収した結果、非常にユニークな提言がなされ、それが実現されたことによって、大いに企業に貢献したということだろうと思うのですよ。要するに人材育成という面で、ぜひこの販売士の
制度というものを、もう一回、この
法律のたてまえから見直していただきたい。簿記がどうだとか、あるいはいろんな経営理論がどうだとかということよりは、そういった目を持っていただくことが非常に大事だと思いますので、そんなことを御提言申し上げて、ちょうど時間が参りましたので、
質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。