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1979-04-26 第87回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年四月二十六日(木曜日)    午前十時三十分開議  出席委員    委員長 米田 東吾君    理事 天野 光晴君 理事 斉藤滋与史君    理事 高鳥  修君 理事 塚田  徹君    理事 池端 清一君 理事 湯山  勇君    理事 鈴切 康雄君 理事 神田  厚君       逢沢 英雄君    越智 伊平君       小島 静馬君    後藤田正晴君       谷川 寛三君    津島 雄二君       中島  衛君    原田昇左右君       三塚  博君    森   清君       伊賀 定盛君    新盛 辰雄君       竹内  猛君    松沢 俊昭君       渡辺 芳男君    武田 一夫君      平石磨作太郎君    古川 雅司君       薮仲 義彦君    玉置 一弥君       津川 武一君    永原  稔君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 中野 四郎君  出席政府委員         国土政務次官  保岡 興治君         国土庁長官官房         審議官     四柳  修君         国土庁地方振興         局長      佐藤 順一君         農林水産大臣官         房審議官    塚田  実君         気象庁長官   窪田 正八君  委員外出席者         警察庁刑事局捜         査第一課長   加藤  晶君         警察庁交通局高         速道路管理官  小林 憲司君         外務省欧亜局東         欧第二課長   宮本 信生君         農林水産省経済         局保険業務課長 大塚 米次君         農林水産省農蚕         園芸局畑作振興         課長      伊藤 律男君         農林水産省食品         流通局野菜振興         課長      五十嵐 暹君         林野庁指導部森         林保全課長   野村  靖君         通商産業省立地         公害局保安課長 水野  哲君         建設省河川局治         水課長     川本 正知君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     持田 三郎君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   藤田 雅弘君     ───────────── 委員の異動 三月十三日  辞任         補欠選任   中村  直君     羽田  孜君 四月二十五日  辞任         補欠選任   山本悌二郎君     玉置 一弥君     ───────────── 三月二十七日  有珠山噴火による泥流災害復旧対策等に関する  陳情書(第二一五号)  宮城県沖地震による被災商工業者救済に関する  陳情書  (第二一六号)  干ばつによる被害対策に関する陳情書  (第二一七号)     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  災害対策に関する件(特別豪雪地帯指定基準  の見直し及び追加指定について説明聴取)  災害対策に関する件      ────◇─────
  2. 米田東吾

    米田委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策に関する件について調査のため、本日、日本道路公団理事持田三郎君及び日本鉄道建設公団理事藤田雅弘君に参考人として御出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 米田東吾

    米田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
  4. 米田東吾

    米田委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、特別豪雪地帯指定基準見直し及び追加指定について政府から説明を聴取いたします。佐藤地方振興局長
  5. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 このたび、特別豪雪地帯指定基準見直しが行われ、新しい基準によりまして特別豪雪地帯追加指定が行われましたので、ここに御報告申し上げます。  豪雪地帯対策特別措置法第二条第二項に基づくところの特別豪雪地帯指定基準につきましては、昭和四十六年に決定され、四十八年に一部改正され、これによりまして五十一年までに三回にわたりまして合計二百七市町村特別豪雪地帯指定されておったわけでございますが、最近におきます降雪状況生活環境の変化などに照らしまして、これを見直す必要が生じてまいりまして、昭和五十二年五月十九日の本特別委員会におかれまして基準見直しを行うべき旨の御決議をいただいたところでございます。  特別豪雪地帯指定基準につきましては、法第二条第二項の規定によりまして、審議会の議決を経て内閣総理大臣が定めるということに相なっておるわけでございまして、五十二年六月八日に開催されました第二十五回豪雪地帯対策審議会におきまして、基準見直しについて小委員会を設けて検討することが決定されたのでございます。  小委員会におきましては、国会議員学識経験者審議会委員それぞれ四名ずつ、合計八名をもって構成されまして、昭和五十二年十月から本年二月にかけまして六回の会合が開催され、検討が進められてまいったわけでございますが、その検討結果といたしまして、去る三月十九日の第二十六回の審議会におきましてこれが報告されたわけでございます。審議会におきましては、小委員会報告に基づいて新しい基準が議決され、翌二十日、これが内閣総理大臣決定を見たところでございます。  新しい基準は、お手元配付資料のとおりであるわけでございますが、先ほど申し述べました本特別委員会決議の趣旨に沿いまして、次のような点が考慮されているわけでございます。  第一は、積雪の度の要件におきまして、その基礎となる累年平均積雪積算値につきまして、従来は昭和四十四年までの二十年間の積雪資料等が用いられておったわけでございますが、新しい基準におきましては、最近における積雪実態を反映すべく、昭和五十二年までの二十年間の資料が採用されることと相なったわけでございます。     〔委員長退席池端委員長代理着席〕  第二は、積雪による住民生活支障要件に関しまして、従来の基準におきましては、積雪による自動車交通途絶状況を重視する方式をとっておったわけでございますけれども、新しい基準におきましては、最近における道路除雪実態等に照らしまして、自動車交通途絶状況、医療、義務教育及び郵便物の集配の確保の困難性等生活支障関係する各種の要素を総合的に見て判断する方式とされたわけでございます。  なお、この生活支障の度を総合的に判断するに当たりましては、特別委員会でも指摘されましたとおり、積雪の度の特に高い市町村について特別の配慮をするとともに、新たに集落の分散度という要素を導入いたしまして、積雪除雪するための自助努力をしております市町村基準上不利益を受けることのないようにするなどの工夫がなされたところでございます。  この新基準に基づきまして、去る四月二日、七十二市町村特別豪雪地帯として追加指定されまして、お手元配付資料にありますとおり、翌三日、総理府告示第十四号として官報に公示され、その結果といたしまして、特別豪雪地帯は、すでに指定をされておりました二百七市町村と合わせまして、合計二百七十九市町村となったわけでございます。  以上でございます。
  6. 池端清一

    池端委員長代理 以上で説明は終わりました。
  7. 池端清一

    池端委員長代理 質疑申し出がありますので、これを許します。湯山勇君。
  8. 湯山勇

    湯山委員 ただいま局長の方から経過と結果の御説明をお聞きしましたが、私ども昭和五十二年の豪雪に当たりまして、衆参両院それぞれに分かれて実地調査をいたしまして、その結果、地域要望が非常に強いということから、特別豪雪地帯指定基準に関してその見直しを行うべきだという決議を当委員会において行ったわけでございました。その要点の一つは、最近年次までの積雪実態が当時の指定では十分に反映されていないという点でございましたし、第二点は、自動車等交通が非常に多くなったというような交通事情その他の点から、生活に対する支障度をもっとしんしゃくすべきではないかというようなことでございました。  自来、約二カ年ばかりの期間をかけていろいろ御検討いただいたその第一点である最近の降雪状況、これも十分にしんしゃくされておりますし、またいまの生活支障度というようなものも配慮されておりますし、そのほか、実際に市町村がみずからの力で除雪努力していることが十分見られなくて、努力しておるところが取り残されているのではないかというような不満等もございましたが、今回の指定においてそれらの点が十分配慮されていることにつきましては、当時委員長をしていた立場から、その御努力感謝を申し上げたいということをまず申し上げたいわけでございます。  つきましては、なおこれに関連して若干お尋ねいたしたい点は、本委員会決議が行われてから国土庁長官も、櫻内長官からいま中野長官とすでに三代目ですかになっておりますし、委員長もまた同様ですし、せっかくやっていただくのであれば、こういう問題をもう少しスピーディーに運ぶ方法はないのだろうか。ことに、公示されたのが四月三日というのも年度を越えておりまして、それぞれ自治体の計画なり、国の予算も四月一日からということになれば、もうちょっと早くか何かそういうことの配慮はなされる余地はなかったのだろうかという意見もございますので、その点について局長から御答弁をいただきたいと思います。
  9. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 お答え申し上げます。  指定基準見直し経緯等につきましては、先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、この間、私どもといたしましてはできる限り早い時期に指定がなされるよう鋭意努力をいたしたつもりではございます。しかし、御承知のとおり今回は積雪の度の要件基礎となりますところの積雪値とり方につきまして見方を更新いたしたわけでございますが、この場合、自治省におきます五十二年までのデータによって地方交付税積雪による級地区分見直しがなされたわけでございまして、この作業が本年二月に至りまして完了されたわけでございます。これを受けて今回の作業を終結に持っていったといういきさつがあるわけでございます。これが一つ。また、積雪によります住民生活支障要件につきましてもその見方方式を変更いたしまして、新たな要素を導入する等、指定基準の全面的な見直しを行ったものでございます。  こういったことを考え合わせますと、このたびの指定までの期間というものは必要最小限度やむを得なかったものではないかと考える次第でございます。  なお、最後に御意見ございました四月三日の官報告示でございますけれども、これは五十四年度から動き出す、こういうつもりで年度冒頭にという気持ちでございます。と同時に、この指定基準見直し審議会、さらには審議会の小委員会でもって審議されております過程におきましては、関係各省は幹事として御参加いただいておりましたので、五十三年度中におきましても、五十四年度からはこういった見直しが行われるのだという心積もりを持って予算編成に当たっていただいておった、こういうことでございますので、五十四年度予算の執行に当たりましては支障のないように進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  10. 湯山勇

    湯山委員 ただいま五十四年度からの実施に支障のないように配慮がなされておるということで私も安心いたしましたが、ひとつその点なお御留意願って支障のないようにお運びいただきたいと思います。  次に、第二点は、積雪値算定に当たって採用する観測点の問題でございます。これはこのことのためにというのではなくて、たとえば学校にあるものとか他の目的でつくっておったものを利用したというような点も多くて、必ずしもこれに適当なもの、場所に合ったということにはならない。そういう点に対してもいろいろ当時問題がございました。たとえば風通しのいいところだと積雪量が少ない、しかし、逆に吹きだまりに当たるところは非常に多くなって、同じ市町村内においてもその観測点位置によって非常に数値が違ってくるというようなことがございまして、それをいま直ちに是正するということも困難だということでございましたが、     〔池端委員長代理退席委員長着席〕 今回の指定に当たってはそれらについての是正ということも配慮されておるというようなことも承りましたけれども、しかし、やはりこれだけ大きい問題でございますから、それぞれ適切な地域に適切な観測点の配置をするというような配慮については今後検討余地があるのではないかと思いますが、その点はいかがなものでしょう。
  11. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 積雪値観測地点につきましては、豪雪地帯対策審議会委員会におきましても、積雪実態が一層正確に把握できますよう観測地点の数を増加させるなど適切な措置をする必要がある、こういう御指摘をいただいたところでございます。  そこで、このたびの自治省積雪値についての作業におきましてはこの点が十分考慮されまして、まず第一に、観測地点の数につきましてはこれまでの二千九地点から二千百六十三地点に増加されました。これとともに、第二といたしましては、観測地点位置につきましても専門機関の判断によりまして適切なものが採用されているものと見られます。  こうしたこともございまして、各市町村累年平均積雪積算値は従来以上にきめ細かく実情を反映したものとなっていると考えられるわけでございまして、審議会の小委員会におきましてもこの点につきましては一応の改善措置がなされたもの、こういう評価をいただいたところでございます。
  12. 湯山勇

    湯山委員 それからその次にお尋ねいたしたいのは、同じ豪雪とはいえ、雪の質が北陸東北北部北海道では大変違っている。非常に湿度の高い北陸の雪と、それから青森、北海道等の温度の低いといいますか、さらさらした雪とでは違うのではないかというようなことについての不満もございました。量だけでいくということにはならないというようなことから、その雪の質、当然これはいまの生活支障度というようなものに影響を持ってくると思います。そういう指摘がございましたが、それらの点についての配慮もなされたのかどうかという問題が一点。  特にその点で問題になりましたのは地吹雪の問題でございます。生活支障度から言えば、積雪量は少なくても、地吹雪交通に与える影響が非常に大きくて、私ども調査過程において何回か車をとめなければならないという事態がございました。この地吹雪というものは非常にむずかしい問題だと思いますけれども、これらについては何か配慮がなされたかどうか、今後どういうお考えなのか、その点を伺いたいと思います。
  13. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 雪の質の問題、それから地吹雪などの吹雪現象の問題についてお尋ねがあったわけでございます。さらに、お尋ねがございませんでしたけれども連続豪雪現象というようなものなどもあるわけでございます。  こういったようなものを生活支障度要件として考慮してはどうかという御意見がございました。審議会の小委員会におきましてもやはり提起されまして、専門的な見地から検討が行われたわけでございますけれども現状におきましては観測資料制約等からいたしましてそれは困難である、こういう結論に達した次第でございます。  そこで、お尋ねのございましたもののうち、たとえばということで、地吹雪の問題につきまして専門家であります気象庁の方で審議会に提出されました意見というものを御紹介してみますと、こういうことでございます。  「吹雪現象指標化について」という御意見でございますが、「吹雪現象を起す原因は、大陸で発生する大規模な寒気団の消長に伴うものであり、最近十年間の十二月から三月における吹雪現象生起の記録によれば、吹雪豪雪地帯の各地域でひろく発生している。」つまり特別豪雪地帯だけではなく、豪雪地帯の各地域で幅広く発生している。「また、吹雪観測は、限られた観測点において、目視による天気状態として記録されているのみであり、市町村単位吹雪現象指標化することは難かしい。」こういう見解が御披露されたような次第でございます。一例として御紹介申し上げておきます。
  14. 湯山勇

    湯山委員 現状においてただいまのような状態であるということはやむを得ないという点もありますけれども、実際に生活支障度から言えば非常に大きいものがございますので、今後の検討をお願い申し上げたいと思います。  なお、こういう指定があれば当然その周辺地域、いろいろあそこがなるんだからうちもというような、そういうことが常に出てくるのが例でございます。今回は非常に慎重にやられておるのと、それからできるだけたくさんの資料を取り入れるという態度でなされたから余りそういう不満は現在のところ私どもの耳には入っていませんけれども、しかし、いまお話にありましたような連続豪雪の問題とかあるいは雪の質、地吹雪、そういう問題は今後取り上げなければならない問題だと思いますので、今後においてなお指定基準あるいは指定地域の新たな指定、それらについての検討はどのようになされるか、そういう点についてはどういうお考えを持っておられるか、最後にお聞きいたしたいと思います。
  15. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 ただいま御意見もございましたとおり、今回はいろいろな角度から適正な検討の上追加指定を行ったということでございまして、現在のところ近隣との関係で問題というようなことは耳にいたしておりません。     〔委員長退席池端委員長代理着席〕 それからまた数につきましても、先ほど申し上げましたとおり、従来の二百七市町村から今回七十二市町村、非常に大幅な追加指定もございまして、いわば画期的な見直し追加指定が行われた、こう考えております。したがいまして、私どもといたしましてはしばらくの間この種見直しをするというような必要というものは起こってこないのではないかというふうに考えております。  しかしながら、先ほどお話しのございました一定の事柄を指標化できないかということにつきましては、なお関係専門部署におきまして御検討を続けていただきたいと思う次第でございます。
  16. 湯山勇

    湯山委員 私の質問を終わりまして、あと天野委員から関連質問があるそうですが、当委員会決議に従って非常に熱心にしかも積極的に取り組んでいただいて今日の決定を見たことに対して、感謝の意を表して質問を終わることにいたします。
  17. 池端清一

  18. 天野光晴

    天野委員 湯山委員質問に関連して一つだけお伺いしておきます。  今度の追加指定は、ちょっと期待よりも多過ぎたんじゃないかという感じがするほど指定をされたように見受けられますが、私のいままで豪雪地帯を視察調査した結果から言うと、まだ肝心かなめのものが入っていないところが私の知っている範囲内でもいま二、三カ市町村はあるんじゃないかという感じがいたします。いま最後湯山委員から質問がございまして、これから当分これで行くことは当然でありますが、その客観的、主観的な条件に応じてはまた追加指定をやる意思があるかという質問がございましたが、まさか太平洋側に雪がどんどん降ってくるようなことはないと思いますが、いわゆる日本海沿岸におけるいままでの豪雪地帯関係では相当変動もあるし、より強い豪雪を見る場合もあり得ると思います。そういう点で積雪調査する個所をずいぶんふやしたような話でありますが、これまた完全にはいっていないと思います。そういう点で、気象庁の方に要するに積雪観測地点についてどうしてもいま少し考えてもらわなければいけない地点があるように思われますので、そういう点を含みながら、落ちこぼれについて——私ともの県なんというのはよけいなところまでやったのじゃないかというような感じがするのですが、肝心かなめのところが落ちているような感じがどうしても私はするのでありまして、その地域が黙っていれば文句ないのでありますが、恐らく黙っていないのじゃないかという気もいたします。そういう点で、ずいぶん大きく、余りこぼれるほど指定しましたから、これ以上またやりますという発言をしますとまた大変だと思いますので、その点は十二分にわれわれも承知いたしておりますから、そういう点、皆さん方の御指定になられた地域の他の地域についても今後も継続して調査をされて、そうして地域住民期待にこたえるようにしていただきたい。そうするためには、いま申し上げましたように、気象庁データが完全に出るように、積雪調査をする地域をもう少し拡大して、個所数をふやして、できることなら近所隣皆同じようなところはやっぱりめんどうを見てやるというところまで持っていくようにやってほしいと思います。  ここでいま追加して多くふやせと言っているのではなくて、いままでこれほど指定したのだから残りはないようなものであるが、そこでもう一回精査をされてその地域検討を加えてほしいという要望をいたしておきます。
  19. 佐藤順一

    佐藤(順)政府委員 ただいま御質問の中で非常に多くの市町村追加指定を受けたように思うという御感想があったわけでございますが、実は、先ほど冒頭説明申し上げましたとおり、積雪値の測定につきまして、従来は昭和四十四年までの二十年間のデータが使われておりましたところ、今回、最近の事情が反映されまして昭和五十二年までの二十年間のデータがとられました結果こういうことになりました。してみますと、いまから振り返りますと、やはり昭和四十四年から昭和五十二年までの間に相当それまでとは違った降雪状態があったのではないかということがいまから推しはかられるわけでございまして、それが反映されまして数多くの地域が該当することに相なった、こう考える次第でございます。  それから、そのように数多くの地域追加指定されたのでこの状態で当分いくのだろうけれども、なおいろいろなデータとり方については検討するようにという御意見でございましたが、先ほどお答えいたしましたものを含めまして、いろいろな数値指標化できるかどうかというようなことにつきましては、十分関係専門部署と御相談をして進めてまいりたいと考える次第でございます。      ────◇─────
  20. 池端清一

    池端委員長代理 災害対策に関する件について質疑を続けます。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。米田東吾君。
  21. 米田東吾

    米田委員 ことしは災害がございませんで非常に喜んでおりましたが、この間、春あらしの季節になりまして、すなわち三月三十一日を中心にいたしまして全国的に強風の被害があったようでございますし、とりわけ北陸東北等について相当な被害が出ているように聞いておりますが、被害状況について概況がわかっておりましたら説明をしていただきたい。
  22. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  三月の二十九日から三月三十一日にかけまして低気圧が日本海を通過した、それに伴いまして暴風雨が、いわゆる春あらしでございますが、発生いたしまして、九州から東北地方へかけて広い範囲ビニールハウス野菜等被害が発生しております。被害状況につきましては、農林水産省において鋭意調査中でございますけれども、都道府県からの報告によりますと、農林水産物関係としましては、野菜等の農作物が約八十二億円、立木等の林産物が約七億円、ワカメ等水産物が約八億円、計約九十七億円となっております。施設関係被害もございまして、これにつきましてはビニールハウス等農業関係施設が約九十一億円、養殖施設等漁業関係施設が約十四億円、その他土木施設が約二十二億円、計約百二十七億円ということになっております。両方合わせますと、総額で約二百二十四億円の被害が県から報告されております。県別で見まして被害の大きかった県は山形県の約三十五億円、次いで新潟県の約二十四億円というふうに相なっております。  以上でございます。
  23. 米田東吾

    米田委員 特に心配されますのは農業関係被害だと思うのでありますが、ビニールハウス被害がこれらの地域に相当大きいと聞いているわけでありますけれども、また復旧資材の確保並びに関係資材の便乗値上げ防止、こうしたような問題があろうかと思いますが、行政指導の面でどのような対応をなさったのかお聞かせをいただきたい。
  24. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  いま御指摘がございましたように、被害が発生しまして私どもまず初めに懸念を感じましたのは、ビニールハウスの復旧のための資材の値段が上がるのではないかあるいは不足するのではないかということでございました。そこでいろいろ調査しましたところ、農業用プラスチックフィルムにつきましては生産が十分に行われておりまして在庫量も調べた結果平年並みに推移しているということから、今回の被害に伴います需要に対しても十分対応できるというふうに私どもは見込んでおります。しかしながら、地域によっては入手がおくれたりあるいは価格が高騰するというようなこともあるのではないかと懸念しておりましたので、そこでこのような点につきましては、地方農政局に対しましてフィルムの需給動向、価格動向等を早急に把握するとともに、県等の関係機関に対しても必要な指導を行うよう指示してございます。それから、農業団体、特に全農に対しましては被害発生地域に速やかに必要量を供給するよう要請しました。さらにメーカーとの関係におきまして、通産省に対しましてもこのことについて協力方を要請しております。さらに地方農政局を通じましての被害地域のいろいろな調査によりますと、フィルムの必要量は確保されており、また被害に便乗した値上げは見当たらないということでございます。なお、フィルムの価格動向につきましては、毎月私ども調査を行ってその価格の動向を注意深く見守っております。その結果によりましても、現在のところでは便乗した値上げは見当たらないのではないか、このように考えております。
  25. 米田東吾

    米田委員 この際、国土庁長官に御見解を伺っておきたいと思うのでありますが、実は関係府県あるいは被害者の方ではこの被害状況にかんがみまして速やかに天災融資法等の発動によりまして早急な被害対策を進めていただきたい。特に農業関係ではいま春の育苗の季節あるいは春耕の季節を迎えておるわけでありまして、この復旧というものは相当急がれておるような状況でもございます。被害状況によりましても、先ほどの御報告では、全国的ではありますけれども、二百二十四億程度の被害状況にもあるようでございますし、天災融資法の発動という関係では恐らく御検討いただいていると思うのでありますけれども、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  26. 中野四郎

    中野国務大臣 今回の春あらし被害に対しましては、ただいませっかく詳細を調査中でありまするので、それを見きわめまして早急に措置いたしたいと考えております。
  27. 米田東吾

    米田委員 ぜひひとつお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、もう少し聞いておきたいのでありますが、自作農維持資金、これらについても災害枠の設定等の措置を講じ、資金需要に十分対応できるような配慮が必要かと思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。
  28. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  自作農維持資金につきましては、今回の災害によりまして必要とする資金につきまして私ども被害農家の資金需要に適切に対応しなければならないということでございますので、四月五日付で知事の認定目標額の一部をもうすでに配分したところでございます。具体的に申し上げますと、各農政局に対しまして合計三十二億円配分してございます。御案内のように、この自作農維持資金につきましては、利率は年四・六%、償還期限は二十年、うち据え置き三年というふうに相なっております。そこで、四月五日付でこのように配分してございますけれども、なお資金需要がさらに増大するということになりますれば、実態をよく調べまして適切に対応したい、追加配分も必要があればやっていきたい、このように考えております。
  29. 米田東吾

    米田委員 もう一つ。せっかくの貸し付けについての制度資金その他いろいろな措置がなされましても、被災農家の実情によりましては、すでに借り入れておる資金の関係で償還その他あるいは貸し付けそのものもなかなか受けられない、償還にも苦労するというような事情もあるわけでございますが、こういうものについての緩和措置というようなものはどのようになっておるでございましょう。
  30. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。まず災害により被害を受けた農家がすでに制度資金を借り入れておりまして、その償還が困難となるという場合もございます。このような場合に当たって、まず農林漁業金融公庫資金につきましては、被害者の実情や被害の程度に応じまして中間据え置きの設定、具体的に申しますと、たとえば償還期限十五年がございますと、そのうちの一年なり二年なり中間で据え置き期間を新たに設定をするということで貸付条件の変更を行うようなことにもなっておりますし、また農業近代化資金につきましては、法令の範囲内で償還期限及び据え置き期間の延長ができることになっております。したがいまして、被災農家の実情に即しまして私どもとしては弾力的に措置するように関係機関に指導しているところでございますけれども、いまお話しのように、今回の災害に対しましてもこのような適切な対応をするように去る四月三日に関係機関を指導したところでございます。  以上でございます。
  31. 米田東吾

    米田委員 最後に、これは農林水産省関係でお聞きすることになると思いますが、被害を受けた野菜の生産農家等に対してどのような営農指導等を行ってきているのか、またこれからの関係で何かお考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
  32. 塚田実

    塚田政府委員 まず一般的な形で私から御答弁させていただきまして、細部につきましては担当課長から答弁させます。  野菜及び関係施設にかなり被害があったわけでございますけれども、野菜生産農家に対しましては、各地域被害実態に応じまして、壊れた個所の補修なり、それから樹勢を回復させる角度から速効性肥料を施すなり、それからわきに出た枝、側枝と申しますが、発育を促すというようなこと、それから病虫害防除等の対策を講ずるように各地方農政局を通じて指導をしているところでございます。この詳細につきましては担当課長から答弁させます。
  33. 五十嵐暹

    ○五十嵐説明員 現在春あらし被害を受けました施設野菜は、主なものはキュウリ、トマト等の果菜類でございます。これに対しまして、直接の対策措置といたしましては樹体被害を回復するというような措置がございますので、下位の節がやられているわけでございますが、できるだけ側枝の発育を促しますとか、あるいは上位の節を確保するというような措置を指導してございます。それから施肥につきましては一般に速効性の窒素肥料等を葉面散布いたしまして、樹勢の回復を図るというような指導をしております。それから農薬につきましては、樹体に傷がつき、樹勢が弱まっているというような状態でございまして、特に灰色カビ病等の発生が危険視されておるわけでございますので、これに対しまして適応幅の広い、薬害の出にくいたとえばダコニールスルファ剤とかあるいはビスダイセンスルファ剤等を散布するような指導を行っているわけでございます。  それから、一般にトマト等につきましては、土寄せをやりまして節根の発育を促すというような技術対策を講じているわけでございます。さらに被害が激甚になりますと、後作指導で次の夏野菜に切りかえるということでそれの促成栽培と申しますか、前進出荷というような形で営農指導をしておるところでございます。  以上でございます。
  34. 池端清一

    池端委員長代理 薮仲義彦君。
  35. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は最初に、災害防止対策を早急に実施するという意味合いにおいて、過日の上越新幹線トンネル事故の問題でお伺いいたします。  この上越新幹線の事故につきましては、先般運輸委員会においても審議されました。その際、大臣からトンネル工事の安全性について総点検の指示もございましたし、現段階ではその調査ももう終わっている段階でございます。このことを踏まえて当局の担当者に確認をいたしたのでございますが、非常に明確さを欠いている面がございますので、きょうはその点を確認の意味を含めてお伺いしたいと思います。  それは、まずあの事故によって十六名のとうとい人命を失ったという冷厳な事実に対してどういう受けとめ方をしているのかということに端を発すると思うのでございますが、さきの委員会でも、あの原因はガスの溶断機を使用する場所においておがくずがあった、また、当初は消せるのではないかという通報がありながら消火器が作動しなかった、こういう点が大きな原因として指摘をされたわけでございます。  そこでお伺いしたいのは、あそこでは警察によって、発火現場の消火器四本は押収されないけれども、その他にあった二十本は押収されているはずであります。問題は、実地検証が終わらなければ何もできないというような答弁が返っておるわけでございます。しかし実地検証は、これは鉄建公団も御存じのように、あの現地は非常に落石の危険があってまだまだ現場の三百メートル区域内に入れない、今後さらに数カ月は調査にかかるのではないか、ということは警察の調査が終わるまで何もしないのか、こういうことになってしまうと思います。警察の現場検証は現場検証として進められるかもしれませんけれども、公団として当然やるべきことがあるんじゃないか。というのは、あの席上労働省からも指摘されたとおり、あの消火器は粉末消火器だった。あのような湿気の多いところでやると中の粉末が固形化する可能性が考えられる、こういう点も指摘されているわけでございます。ならば公団として、現在すでに五百メートル以上の大トンネルが二十六カ所工事中なんですから、警察の検証が終わらなくても、やるべきこととして、あのような湿気の多いところで粉末消火器を使うことが適切だったのかどうか、これは当然専門家意見も聞きあるいは消防庁の意見も聞きながら、現在配置されているものについてどうすべきかというぐらいはやってしかるべきだと私は思う。しかし、その点を確認しても、消火器についてはまだ結論が出ませんというような答えが返ってくる。これでは私は非常に遺憾だと思うのです。     〔池端委員長代理退席委員長着席〕 あのような大量の水が出るようなトンネル工事に粉末消火器を置いたこと自体がよかったのか悪かったのか、これは検証が終わらなくてもいろいろな形で検討はできるはずだと思うのです。さらにまた作業員に対する訓練、消火器の取り扱い云々ということも、これはまだわかりませんが、いろいろ論議されております。トンネル内において消火器の型式あるいは使用方法のいろいろな形のものを置いてあるということは当然まずい。ですから消火器については統一し、さらに使用方法については作業員に対し周知徹底する、こういうことは警察の結論が出なくてもいますぐにでもやらなければならないと思うのです。また同時に、すでに現場の近くから押収された二十本については警察当局の手にあるわけですから、果たしてそれはどうであったのか、その辺は公団としても警察に問い合わせをしてしかるべき対応をしてもいいと思うのでございますが、その辺どうなっているか、まずお伺いしたいのでございます。——それでは、しようがないからいまの問題は後回しにしてやり直します。  それでは地震の問題に行きます。今度は道路公団、来ていますか。確認してからやります。道路公団と警察庁、来ていますか。来ていないと、またやり直すのは大変ですからね。今度は大丈夫ですね。  それでは地震について。地震対策というのは国民にとって重大関心事であることは論をまたないのでございますけれども、特に地震発生による被害というのは非常に大きなものがございます。最近の伊豆大島近海地震あるいは宮城沖地震にも見られますように、一たん発生いたしますと非常に大きな被害がそこに発生するわけでございます。まして近年叫ばれております東海沖地震等を想像いたしますと、これは相当な被害が発生する可能性がある。生命、財産の確保のためには地震対策というのは十分過ぎるほどやっておいても間違いがないのじゃないか。そのような意味合いからこの地震について何点かお伺いしたいのでございます。  最初に道路公団に伺っておきたいのは、高速道路上において地震が発生した場合の対策について伺いたいのですが、ドライバーが高速道路上で走行中に地震が発生した、このドライバーに対して地震が発生したことをどのように周知徹底させるようになっているのか、その点をお伺いしたいのです。
  36. 持田三郎

    持田参考人 ただいまの御質問でございますが、地震が発生いたしますと道路公団といたしましては、各管理事務所あるいは局に簡易の地震計がございます。そういった地震計で交通どめ、あるいは交通規制というようなことをいたしておりますが、まず第一段階といたしましては、地震計に表示されます五十ガル、いわゆる震度三と申しますが、その時点になりますと一応交通規制いたします。次に八十ガル以上、これは震度五といいますが、そういう機械による指示がございますと、この際は交通どめをする、しかも交通どめをしまして至急に車による点検あるいは歩行による点検、こういったものを実施いたします。その間、ドライバーに対する情報でございますが、現在、各インターの出口五百メートル地点に可変標示板と申しまして、電光による標示板がございますが、その電光標示板によってただいま申しました交通規制、いわゆる速度規制あるいは交通どめ、場合によってはこのインターから出ろというような指示をいたします。  特に昨年から、東名のいわゆる東海沖地震というものが非常に大きくクローズアップをされまして、当公団といたしましても、それに対応するようにいろいろ検討しておりますが、静岡県内につきましては、特にその情報板の中に地震発生という標示をいたしまして、各ドライバーに周知徹底いたしたいというふうに思っています。  それからまた、各インターの出口五百メートルと申しますと、インター間の距離が大分ございますので、そういった点と、それからまたパーキングエリア、サービスエリアに車がとまっておりますので、そういうドライバーに対しましては、公団の各事務所に管理巡回車約七台あるいは維持作業車が七台、それからそのほか拡声器を持っている車が七台ございまして、そういった車をフルに動員いたしまして、スピーカーによって各ドライバーに状況を指示するというふうに考えております。  また一方、道路交通情報センターの方にお願いいたしまして、カーラジオで各ドライバーに周知徹底されるように、ラジオ放送によってそういった情報を提供するというようなことで現在検討しておりますし、そういったことにつきまして昨年の九月二十九日に東京第一管理局のいわゆる東海沖地震を想定した情報連絡、あるいはもろもろの件について訓練をいたしておりますが、今後ともそういった訓練に支障のないように努力していきたい、かように考えております。
  37. 薮仲義彦

    薮仲委員 いまの答弁の中で何点か疑問点がありますから明確にすぱっと答えてください、きょうは余り時間がありませんから。  まず第一点は、いまの御答弁の中で必ずしも正確でない発言があるのです。いまの答弁の中で地震計を置いてあるということで八十ガル、震度五と申されましたけれども、これはイコールしません。震度というのは人体に感ずる有感震度ですから、ガルが八十だからといって震度五というのは必ずしもイコールじゃございません。あとで会議録を読んでください。これは正確じゃございません。気象庁もいまはこれは採用していないはずです。八十ガルから二百五十ガルが震度五の階級ですけれども、非常に幅が広いのです。これは震源地からの距離によって、近ければガルは少なくとも震度は多くなりますし、地盤が軟弱だったら震度が多くなるのです。そういうようなことでは、もっと基礎的な問題からはっきりしていただかないと、たとえば管理事務所の地震計が八十ガルだったからといってそれが必ずしも震度五ということではありませんから、その点はもう少し真剣にどう対応なさるか、これは研究なさったらよろしいかと思うのです。それから標示板とおっしゃったが、たとえば静岡から清水のインターまでの間に標示板は上り線、下り線に何個あるのですか。簡単に何枚と言ってください。
  38. 持田三郎

    持田参考人 第一点の震度計でございますが、現在公団で使っておりますのはADA2型という簡易震度計でございまして、気象庁でいろいろ御研究になっておるSMACというような高度な地震計ではございません。それでADA2型と申しますのは、水平振動だけを記録するわけでございまして、垂直振動を記録いたしませんので、気象庁で発表される震度よりも少し多目に出るかと思いますが、宮城沖地震でも震度ということで……(薮仲委員「標示板だけ言ってください」と呼ぶ)標示板はいまインターが六カ所ございますので、上り下りで約十二カ所というふうになっております。
  39. 薮仲義彦

    薮仲委員 静岡−清水で標示板十二カ所ございますか。本当ですか。
  40. 持田三郎

    持田参考人 失礼いたしました。インターチェンジが三カ所ございますので、六基でございます。
  41. 薮仲義彦

    薮仲委員 静岡−清水で六カ所というのはどういうことですか、一区間ですよ。
  42. 持田三郎

    持田参考人 静岡−清水でございますと、二カ所でございますので二カ所でございます。
  43. 薮仲義彦

    薮仲委員 ということは、インターの手前五百メートル、インターとの間に一枚あるということですよ。その間は何もないということなんです。もう少し明確に御答弁いただきたいのです。  そうしますと、高速道路の中は標示板のあるところを見られる人、見られない人——たった一枚しか高速道路上にないのです。それで安全走行をドライバーに本当に周知徹底させることができるかどうか。この点は非常に疑問だと思うのです。  さらに、ラジオとおっしゃいましたけれども、ラジオというのは走行中に入れる人もあれば入れない人もあるのです。ましてトンネルの中ですと、たとえば私は静岡ですが、静岡−東京間ではトンネルの中で聞こえるのは都夫良野トンネルだけですよ。あとのトンネルは何も聞こえませんよ。そんなあいまいな認識でおられたのでは非常に困るわけです。その点どうですか。それでも周知徹底できるというのですか。
  44. 持田三郎

    持田参考人 ただいまの御質問そのとおりでございまして、先ほど申しましたように、なるべく現段階ではわが方の車によって周知徹底させたいというふうに思っております。各インター間が距離がございますので、その中間にあるいは情報板を設置して周知徹底させるということも現在考えております。  それからトンネルの中でございますが、いまお話のように現在日本坂トンネルにまだ再放送施設がございませんので、これも至急検討いたしたいと思っております。  以上でございます。
  45. 薮仲義彦

    薮仲委員 率直に一言で言えば、走行中のドライバーに対して地震の起きたことを周知徹底させる方法はいまのところ標示板だけ。しかもインター間に一枚しかない。これでは徹底させることにはならないわけです。こういう点は、まず真剣にどうすればいいかをお考えになっていただきたいと私は思うんですね。  それから、さっきパトロールによって広報するなんとおっしゃいました。いま東名で玉突き事故を起こしてごらんなさい。パトロールカーですら思うように走れないんですよ。ましていわんや、通常の地震あるいは東海沖地震のような大型の地震が来たときに、東名高速道路上が走れるかどうか。それすら未確認ですよ。それなのに、公団にいる車両か走っていきます——では、公団に何人の職員がいて、地震が発生したとき、どこへ行くか。走れっこないじゃないですか。あるいは所轄の警察にというようなことを私のところへお答えになったような人もありましたけれども、所轄の警察は、地元だって大変なんです。地震というのは東名高速道路上だけじゃないのです。数県にまたがって起きているのです。警察力でやるなんという通常の状態考えることは間違いなんです。だったらば、この事故に対してどうしたらいいのか。公団だけでできるのか、できないのか。まずそこからお考えになって、しからば公団ではできない、あるいは警察力にどのように応援していただくか、あるいは警察力では間に合わない、ならば他にどうやって、どういう対応をとるか、もっと真剣に対応しなければいかぬと思うんですよ。きょうはそのぐらいにしておきますけれども、今度はもっと具体的に聞いてまいりますから……。  これは、公団がお出しになった「日本道路公団だより」というパンフレットですね。ここにあることについてちょっとお伺いします。  読み上げます。「大地震が発生した場合、最も恐れられるのはパニック状態による混乱であり、これを未然に防ぐため、利用者に対しては平素から、いろいろな資料・パンフレット等により、道路の耐震性のほか、」云々、こう書いてあるのです。  それではお伺いしたいのですが、東名高速道路において、いつ幾日ドライバーに対してこういうことを周知徹底したのか。あるいは、東京の首都高速において、いつ幾日こういうパンフレットを配布したのか、ちょっと具体的に御答弁願います。
  46. 持田三郎

    持田参考人 ただいま御指摘のパンフレットでございますが、それは五十二年の四月に出して一般に周知されたと思っております。それから、各サービスエリアあるいはパーキングエリアで道路公団でこういったようなパンフレットをお渡ししておりますが、この中にも「高速道路の正しい走り方」というような項目で、大地震が起きたときには、急ブレーキを避ける、それから他の車に注意してゆっくり左側に寄せて停車してもらいたい、あるいは車を離れるときはキーはそのままにしていただきたいというようなことをうたってございますが、ただ、これもまだ周知徹底しておりませんので、早急に、早くこういったものを周知徹底させるように現在検討中でございます。
  47. 薮仲義彦

    薮仲委員 私が申し上げたのは、このパンフレットについて言ったのではないんですよ。ドライバーに周知徹底させるためにパンフレットを配っておりますと、こう書いてあるから、私は地元ですから、東名高速にしょっちゅう乗っているのです。ほとんどインターでもらったことはないですよ。インターでも、サービスエリアでも、いまだかつてパンフレットにお目にかかったことはございません。あるいは首都高速でももらったことはございません。ですから、一番最近の時点で、たとえば静岡−東京間で、インターで何回パンフレットをドライバーに配ったのか。地震に対してこういうことだというのを、一番最近の時点で、いつインターでこういうことを利用者に周知徹底なさったのかお伺いしたいという質問なんですが、いかがですか。
  48. 持田三郎

    持田参考人 各休憩施設に一応置いてございます。インターではなくて、パーキングあるいはサービスエリアに一応置いてございます。
  49. 薮仲義彦

    薮仲委員 あなたは、パーキングエリアとかサービスエリアに置いておけば周知徹底したことになると思っているのですか。
  50. 持田三郎

    持田参考人 周知徹底ということに対しては、あるいは手薄かと思いますので、今後そういったものに努力していきたいと考えております。
  51. 薮仲義彦

    薮仲委員 これは認識が非常にあいまいだと思うんですよ。周知徹底というのは、少なくとも料金所で料金を受け取るとき、そのとき手渡してこそ初めてドライバーは見るんですよ。サービスエリアあるいはパーキングエリアに寄らないで真っすぐ走る人もたくさんいるのですから、そういう点で周知徹底と言うならば、早急にこのパンフレットを渡して、ドライバーに対して、高速道路上はどうすべきか、きちんと周知徹底させる必要があると私は思うのです。その点、きちんとおやりになりますね。
  52. 持田三郎

    持田参考人 そういうふうにいたしたいと考えております。
  53. 薮仲義彦

    薮仲委員 もう一つ。この中にあるわけですが、いまお読みになったのは、いわゆるドライバーに対するマニュアルだと思うのです。地震が起きたらどうするか、こういうことだと思うんですね。ただ、ここで一番問題は、たとえばこの中に指摘されておりますように、東名高速道路上に、左車線に寄りなさい——最初に指摘したように、いま地震が発生しているのかどうかわからぬわけですから、まずその発生をどうやって周知徹底させるか、このことについて検討し、マニュアルを徹底したとしまして、ただ、私がここでさらに確認しておきたいのは、そこで、たとえば車からおりました、危険を感じてどっちかへ避難しょう、安全な場合はいいですが、危険だと感じたときに、的確な情報をどうやってつかむか。そこに走行しておってラジオを入れました、でもあの膨大な、たとえば東名高速の長い距離の中で、各区間区間の、あなたはどっちへ逃げたらいいか、どこへ避難しなさいというような、これには情報をつかみなさいと書いてあるけれども、ただラジオを入れただけで東名高速道路の車両はこうしなさいという指示が適確にあの混乱の中でなされるかどうか。  たとえば車からおりたときに、ここから右側に行けば何百メートルにパーキングエリアがあります、あるいは左側に何千メートル行けばインターがありますという標示一つすらいまないんですよ。この間の上越新幹線で風上に逃げないで風下に逃げたために、かえって被害に遭った方もいらっしゃるのです。もしもサービスエリアあるいはインターから近距離の場合は、そのような標示板をつけておいただけでも、あるいは助かる人も出てくるかもしれないし、あるいは安全な場所であればどうしたらいいのか、もっと適確なマニュアルをつくらなければ、これでは不親切ですよ。ここにこう書いてあるんですよ。「公共機関の情報によって行動すること。」公共機関の情報がそれほど東名高速道路上の車両に対して、あるいはここの地点にとまっている人に対して適確な指示ができるかどうか。こういうあいまいな指示の仕方では、かえって混乱を招いて、こんなことでは、冒頭にあなたが指摘しているパニックが起きます。たとえば、あの酒匂川のあの高い橋台の上にとまっちゃった、どっちへ逃げたらいいのか、あるいは下へおりたらいいのか、大変な問題ですよ。あるいは、いま防音壁が何キロと張ってあるのです。地震の際に、たとえば出口があるところがどこなのか、ドライバーに周知徹底しでおりませんよ。われわれはしょっちゅうその点に注意しているから、ああここに出口があるなあとわかっている。でも、初めてぽんとおりた人には、あの防音壁のどこに出口があるのかわからない。ましてそれがゆがんでドアがあかなかったら全然逃げ場所がなくなっちゃう。また、この中には「消火器」云々と書いてあるのです。現行法では、一般乗用車は消火器を携行することになっていないんですよ。特別な車両は持っているのです。これには「消火器」云々と言うけれども、恐らく通常のドライバーの方で自分の車のトランクの中に消火器を入れている方は非常に少ないですよ。これは非常に不親切きわまりない。だからもっと本腰を入れて、高速道路上の火災が起きたらどうする、あるいは情報はどうやって提供する、どっちへ避難する、この点はもっと真剣に取り組まなければならないと思うのですが、その辺はどうなんですか。
  54. 持田三郎

    持田参考人 先生の御説のとおりでございまして、現在静岡県の地震対策協議会ですか、あるいは静岡県警あるいは建設省、国土庁といろいろ協議いたしまして、なお一層きめの細かい対策をやるように努力していきたいと思います。
  55. 薮仲義彦

    薮仲委員 もっといろいろあるのですけれども、これは幾らやっても全然対応がないようでございますので、きょうはやめておきますけれども、これは一つの警鐘乱打として、地震についての対策はもっと真剣にやっていただかないと、この東名高速はいまでも走っているのです。地震というのはあした来ないとも限らないのですし、特に静岡県は地震被害県です。三百四十万県民はこの地震対策に非常に真剣です。町の発明家の中でも、たとえば道路走行中、信号機は一体どうなるのだ、あるいは高速道路上でこういうものがあったらいいのじゃないかとか、いろいろ庶民の声といいますか、生活の知恵というのはどんどん出ているのです。そういうものにもっと耳を傾けて、どうしたら万全な高速道路上における地震対策ができるか真剣であっていただきたい。特に避難場所については、パーキングエリア、サービスエリアとはおっしゃるけれども、地盤がどうなのか、周辺のがけは崩れないのか、そういう点もよく注意して、避難その他のことについて適切な対策を、もう地震が叫ばれて相当の時間がたっておるわけですから、公団側として真剣であっていただきたいと私は思うのです。この点は強く要請しておきます。  それに関連して警察に伺いたいのですが、いまの問題をお聞きになって警察当局としてどうお考えになるか。特に私は、情報伝達等については、ヘリコプター等によって的確な連係プレーをやらないと高速道路上の整理は困難じゃなかろうかということも考えられますが、警察当局のお考えをここで伺っておきたいのです。
  56. 小林憲司

    ○小林説明員 お答え申し上げます。  私ども警察といたしましては、国民の生命、身体及び財産の保護というのが最も重要な責務でございます。ただいま今日の国民の重大関心事として、地震問題がございます。私ども警察といたしましても、目下いろいろと交通問題を初めとしまして鋭意検討いたさせていただいているところでございますが、特にただいま先生から、高速道路におきますところの地震問題について大変貴重な御意見、御示唆を賜ったわけでございます。  私ども警察におきましても、全国の高速道路に高速道路警察隊、あるいは管区といたしましては高速道路管理室等を配置しておりまして、交通の危険防止あるいは安全の確保、交通規制等々の任に当たっているわけでございますが、ただいま特に先生から、地震の際におきますドライバーへの情報の的確な伝達の問題あるいは安全な避難等の問題、いろいろと御指摘を賜ったわけでございます。私どもとしても、まだまだ今後これらの問題について、いろいろな点におきまして十分検討いたさせていただきたい、かように存じている次第であります。  また、これらの高速道路上の問題につきましては、道路管理者であります日本道路公団とも十分緊密な連携のもとに、高速道路上のこういった問題への適確な対処についてさらに一層検討して努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  57. 薮仲義彦

    薮仲委員 ではいまの問題の締めくくりに、大臣がおりませんから政務次官の御意見と、それから、公団側にもう一度最後に確認しておきますけれども、以上指摘したように、地震の際、もちろんここでおっしゃる通常の震度五程度の地震から次の東海大地震まで含めまして、地震に対してのいわゆるマニュアル、公団側としてどういう対応をするかという、地震のときにはこうこうかくかくしかじかというマニュアルを早急につくる必要があると思いますし、特に今度は、走行中のドライバーに対してのマニュアルはどうするか、この二つを早急に検討すべきだと私は思うのですが、その点の御決意を政務次官と公団側からお伺いして、この問題を終わりたいと思うのです。
  58. 保岡興治

    ○保岡政府委員 薮仲先生の先ほど来の貴重な御意見、私も非常に貴重な御意見と承りました。関係各省よく連絡をとり合いまして、地震対応策については十分きめ細かく今後対処していくようにいたしたいと思います。  なお、予知体制についても、どうしたらいいか、いま十分詰めをやっておりまして、報道関係等とも十分打ち合わせをいたしまして、できるだけパニック等起こらないようにきめ細かい具体的な対応策を今後政府としても鋭意検討してまいりたい、このように思っております。
  59. 持田三郎

    持田参考人 地震が発生いたしましてからの公団の対応のマニュアル、こういったものは現在検討中でございますし、また一般ドライバーに対する周知徹底につきましては、先ほど来先生の御指摘のとおり、早急に各関係機関と協議いたしましてつくりまして周知徹底していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  60. 薮仲義彦

    薮仲委員 そのようなことを早急に結論を出していただくようにお願いしておきます。  次の問題に移りたいと思うのですが、地震で始まっていますので、続いて地震のことについてちょっとお伺いします。通産省、来ていますか。  いわゆるプロパンガス、この液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行令の一部を改正する政令がことしの三月二十七日に公布されたわけです。その中で、液化石油ガス用対震自動ガス遮断器についての規制が設けられているわけでございます。地震のときに一番問題になるのは、プロパンガスの対策をどうするか。これは伊豆大島もそうですが、宮城沖でもそうです。もしもこのプロパンガスのボンベが倒れてそのまま噴出したときに、プロパンガスが地をはっていって大爆発が発生したらどうなるか、そういう危険性は当然考えられます。しかも、プロパンの場合は地震だけではなくて、水によってもボンベが浮き上がるわけです。そうすると、ゴムないしは接合部分が切断されてボンベが洪水の中を高圧ガスを噴出しながらどんどん流れていく。一たん火がついたら大変なことになるわけです。  ここに資料がございますが、きょうは時間がございませんから申し上げませんけれども、家屋の倒壊とともにボンベも倒れてしまう。このプロパンガスについての安全という問題は、地震のみならず、災害のときにはっとに重要な問題として指摘されるわけでございますが、この規制の中で、私は非常に疑問に思うといいますか、正確な理解を求める意味でちょっと御質問したいのですが、今度のプロパンガスの安全性向上については、対震の感震自動遮断器の設置の問題等が取り上げられております。  そこで、私がここでお伺いしておきたいのは、いわゆる今度の政令の中で設置の部分について出ておりますのは、第三条関係でございますが、液化石油ガス用対震自動ガス遮断器について、低圧部分に設置するようなことが政令で示されておるわけです。しかし、われわれは、たとえばこの問題については非常に真剣なんです。静岡県なんかは特にそうですが、プロパンガスを使用しているところはたくさんあるわけです。どうすべきかということはいろいろな意味で研究されています。もちろんこういう低圧部分における遮断装置もさることながら、これはある意味では非常に危険も伴うということが言われるのです。あのしんちゅうのパイプですら地震のときには飛んでいってしまうのです。あの低圧部分で遮断するということについてはまだまだわれわれは完全に安心感を持っていない。むしろ高圧部分において遮断した方がいいんじゃないか、こういう考えすら多少あるわけです。こういうふうに低圧部分において遮断するというような政令が出ておりますと、私は、高圧部分は一体どう考えていらっしゃるのかなという疑問が残るのです。ということは、現在高圧部分についても非常にすぐれた性能を有する遮断装置というのがあるわけです。これでいきますと、一部誤解されますと、高圧部分の遮断はだめなんだよと、こう解釈されますと、われわれのように長い間地震に対する対策に取り組んできた県民にとっては非常な誤解を生みますので、この際、通産省の正式な見解、高圧部分における遮断装置についてはどう考えていらっしゃるのか、正確にちょっと御答弁をいただきたい。
  61. 水野哲

    ○水野説明員 御説明申し上げます。  いま先生がおっしゃられました政令でございますか、私ともこの四月から——実は、昨年LPガスの法律改正を行いまして、これは昭和五十二年に、高圧ガス保安審議会というのがございまして、そこで、先生御指摘のように、LPガス、全国で二千万世帯ほどございますので、これの地震対策が非常に重要である、こういうことで、私ども審議会の答申を得まして、昨年の七月からLPガスの保安確保の法律の一部改正を実施いたしております。そうして、昨年七月に公布いたしまして、この四月に実施に移ったわけでございますが、その中で、いまおっしゃられました液化石油ガス用対震自動ガス遮断器というものを指定いたしております。これは今度の法律改正で、やはりこういった器具関係が今後非常に重要になろうということで、従来の液化石油ガス器具という概念を少し改めまして、第一種液化石油ガス器具と第二種液化石油ガス器具と、こういう二つの制度に分けたわけでございます。いま先生御指摘の点はこの第二種液化石油ガス器具に関する政令指定でございまして、先生御指摘のように現在の政令は、ちょっと技術的になりますけれども、水柱三百五十ミリメートル以下のゲージ圧力のガスを遮断するという仕組みになっておりまして、おっしゃられましたように低圧部で作動する、こういう仕組みの遮断装置でございます。  今回こういった遮断装置を低圧部につきまして指定いたしました理由でございますが、現在すでに低圧部につきましては数十社の試作品がございまして、非常に多種多様でございまして、中には保安上若干問題なしとしないものもございます。そういう意味で、この際この新しい二種制度に指定いたしまして、この保安上好ましくない製品を排除したい、こういうふうに考えたわけでございます。  御指摘の高圧部のものでございますが、御指摘のものもございましたけれども、全般的に申し上げますと、開発品種が若干少なくございまして、現在のところ事故とかあるいは苦情とか、そういったことを聞いておりません。そういう意味で私どもまず、現在開発され、若干保安上問題のある低圧部について指定をいたしましたが、高圧部のものにつきましても今後の製品の開発状況を見まして、事故とかあるいは苦情とか、そういったことの情勢も見ながら今後とも政令指定検討してまいりたい。  ただ、先生御指摘のように、私ども今度政令指定いたしましたのは低圧部でございますので、その部分については基準の維持義務がかかりますが、高圧部のものにつきましては基準の維持義務がございません。しかしながら、高圧部のものについてその使用を禁止するとか、そういうことでは全くございません。低圧部を指定いたしました趣旨はそういうことでございます。  以上、御説明申し上げました。
  62. 薮仲義彦

    薮仲委員 ちょっと重ねてお伺いします。  それでは高圧部分については今後やはり低圧の遮断器と同じように検討して、好ましい基準なりあるいは政令なりをやがては検討するということを含んでいらっしゃると思うのですが、現在高圧部について好ましい結果あるいは好ましい判断によって使用しているものについては何ら差し支えない、こういう判断に立っていらっしゃると認識していいのかどうか、これが一つ。  それからもう一つは、これは御答弁は要りませんけれども、東京消防庁の火災予防審議会の答申の中に出ていることは、必ずしもそれがすべてじゃありませんけれども、ここにこう書いてあるのですよ。「感震部としゃ断部が一体となった一体型にあっては、容器バルブ又は容器バルブ至近の高圧部に設置することが望ましい。」もちろん低圧部についてもオーケーですということが出ておりますが、むしろこの答申の方は高圧部において遮断することは好ましいことだ、こういう答申もあることでございますので、ただいま申し上げた高圧部について、現在好ましい結果を得られながら使用しているものについては何ら差し支えない、こういう理解でよろしいのですか。
  63. 水野哲

    ○水野説明員 御説明いたします。  若干繰り返しになりますけれども、高圧部につきましては開発品種も少なくて、事故い苦情等もいままでのところ見受けられない、こういう実態でございますので、特に指定していないものでございます。そういう意味で、指定していないものでございますので、これは全くフリーなマーケットの状況によって関係者が非常にすぐれたものであると認められるものについては、当然のことながら使用ができる、こういうことでございます。  それから最後に御指摘がありましたその高圧部の方が基本的には好ましいのではないかということは私ども考えております。ただ、一つだけ申し上げさせていただきたいのは、高圧部で遮断をするというのは非常に有効な措置でございますが、同時に、端的に言えば非常に急流を遮断するといったようなことになりますので、そこの遮断性能が非常によくないと、現実問題としては逆効果が生ずる、こういったおそれがございますので、念のためにつけ加えさせていただきたいと思います。
  64. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは、プロパンガスによる災害を防ぐために、いまおっしゃったような高圧、低圧を問わず遮断装置というのは今後一つの重要な課題だろうと思うのです。  そこで、一番問題になりますのは、この遮断装置をだれが負担するかという問題だろうと思うのです。特に消費者にとってはこれは非常に大きな負担になりますから、つけたくない。つける義務もいまのところ法制化されていないわけです。しかし、つけなければ危険は予測されるわけです。そうすると、できる限りつけた方が好ましいわけです。その場合に消費者が負担するのかあるいはプロパン業者が負担しなければならないのか、こういう点がそれを進めるのに非常に困難な問題です。これをつけやすくする何らかの方法を、やはり通産省としても地震対策の一環として検討をすべきではないかと思うのです。よりつけやすい状態をつくって消費者が全部つけて、プロパンにおいては安全ですと言えるような状態をつくるべきが通産行政のあり方だと私は思うのですが、その点はいかがでしょう。
  65. 水野哲

    ○水野説明員 御説明申し上げます。  LPガス、先ほど申し上げましたように二千万世帯ということで非常にたくさん使われております。その関係で、LPガスを取り巻くといいますか使用するための機器も非常にたくさん開発されております。そういうものを私ども保安上の観点から、あるものは助成し、あるものは規制し、いろいろな措置をやっておるわけでございますが、いま先生がおっしゃられましたように、その非常に多数の消費者が負担するということで、私どもが現在助成といいますか普及しやすくしているものの一つとして、ガス漏れ警報器というのがございます。これはガスが漏れたときに一定の量に基づきまして作動して鳴るわけでございますが、このガス漏れ警報器をやはり一般消費者に普及させるために、これは一つ四、五千円から七、八千円のものでございますが、なるべく普及しやすいようにということで、割賦とかあるいはリース制度とか、そういった形で助成を図っております。具体的には開銀融資等を利用いたしまして、これをリース会社に開銀融資をいたしまして、リース制度にして消費者は毎月二、三百円の非常に安い金額で利用できる、こういった措置をとっておるわけでございますが、そういったことが一つの手段でございます。  御指摘の遮断器につきましては、私どもガス漏れ警報器についてはいま恐らくいろいろな世論調査をいたしましても、一〇〇%つけるべきではなかろうかという声が非常に強いのですが、遮断器はまだ若干開発途上ということもございまして、いまそういった枠組みをすぐにとれるかどうかということについては、なお私どもとしては検討をしなきゃいかぬ点があるのではなかろうか。遮断器は金額的にも一万円とかあるいは二万円とか、そんなことでございまして、消費者の負担、まあ消費者のガスの使用状況から見ますと、大体LPの平均家庭で月約三千円ぐらいのガス負担でございますが、それに対して、リース制度にしましても数百円あるいは千円近いものが乗りますので、その辺の消費者問題ということもございますし、その辺を含めながら、いろいろな制度がございますので、私どもそういった消費者対策のいろいろな制度を参考にしながら、今後地方公共団体等で消費者とかあるいは販売店等々いろいろお知らせしていただいて、そこでぜひともこういうものを推進したいという答えが出、かつ、われわれとしても助成を国としてもする必要があるという答えが出ましたときには、いろいろな消費者対策の制度を利用しながら検討してまいりたい、こう思っております。
  66. 薮仲義彦

    薮仲委員 できる限りそれを前向きに、しかも積極的に取り組んでいただきたいことをお願いしておきます。  最後に、先ほどお見えにならなかった鉄建公団の方、お見えでございますか。よろしゅうございますか。——じゃ、これだけ最後質問させていただきます。  気象庁の方、申しわけないのですが、時間がないようですから次の機会に譲りますので、お許しください。  じゃ最後に、鉄建公団の方、先ほどいらっしゃらなかったので、お伺いさせていただきます。  上越新幹線の問題でございますが、この上越新幹線の問題は運輸委員会で審議されておりまして、その際運輸大臣からもトンネル工事の安全性について総点検しなさい、公団側はこういう指示も受けているわけでございますね。その総点検も終わった段階だと思うのですが、当局の担当者にその間の事情をいろいろ伺ったのですが、はなはだ明確を欠いている面がございますので、この際私は明確にさせておきたいと思いまして何点かお伺いいたします。  あの事故で本当にとうとい人命が十六名も失われてしまった。この冷厳な事実の前にわれわれはもっと真剣な対策を講じなければならない。あの委員会指摘されましたのは、あの原因は何かというと、要はガス溶断機を使うところにおがくずがあった。本当に基本的な問題。また、当初は作業員から消せると思うという通報がありながら、実際消火器が作動しなかったのではないか。これはまだ実地検証が終わっておりませんからどういう理由かわかりませんけれども、いずれにせよ消火器が適切に作動していればあの火災は未然に防げたのではないか。その他いろいろございましたが、一番本質の問題はこの二点に集約されて審議をされた経過がございます。  そこで、先般の御答弁の中で、公団側は警察の調査が終わるまでと繰り返されたわけでございます。総点検が終わった後も当局からそういう答弁が私に返ってきたものですから、私はこれでは非常に不満足である。当局もよく御存じのように、あの実地検証は率直に言えばまだ数カ月あるいは六カ月先じゃないかとも言われているのです。あの問題の三百メーターの個所には近寄れない。落盤、落石があってとても危なくて近寄れない。これから警察の実地検証が終わって四本の消火器が出てくるのはまだ数カ月先だ。そうすると、それまで調査が終わっておりませんあるいは実地検証が終わっておりませんということで過ぎてはいけないと私は思うのです。  私が指摘したいのは、まだ公団としていまの段階でもできることがある。あの委員会指摘されましたのは、労働省からはあの粉末消火器に多少問題があるのではないか、あのような湿気の多いところでは固形化して本来の性能が発揮されなかった可能性もあるのじゃなかろうかということが述べられております。そういう点で、警察の検証が終わろうと終わらなかろうと、現在使用している消火器が果たして一番適切なものであろうかどうかという論議は公団としても当然あってしかるべきだ。専門家意見を聞くなり消防庁の意見を聞くなりして適切な消火器を選定することがまず大事だと私は思う。  次には、置かれている消火器にはいろいろな型式があった。使用方法もばらばらだったということもあそこで指摘されておりました。一つのトンネルの中で使う消火器は最も適した消火器、しかも型式も使用方法も全部一定のもの、そういうものをきちんと置き、しかも置く場所の表示も明確にしておくことが必要である。真っ暗な中で消火器の置き場所がわからなかったというのが出ておりました。そうであってはならないと私は思うのです。  と同時に、一番大事なのは、まだこれは何とも申し上げられないのですが、操作ミスがあったのではないかということも一部ささやかれたことがありますけれども、そんなことは万が一もないと思います。現在の作業員に対して——いま公団かおやりになっているのには五百メーター以上の大トンネルはまだ二十六カ所くらいあるはずです。それを含めて私は言うわけですが、現在でもそのような工事をやっていらっしゃる公団としては、作業員の方に対して周知徹底し、あるいはその操作方法を訓練することはいまでもできるのではないか。警察の検証が終わるのを待っているとか待っていないという問題ではなくて、かくかくしかじかこのようにいたしますと言ってこそ十六名の御遺族に対しても本当に誠意あるおわびのしるしであるし、また当局として当然とるべき態度だと私は思うのですね。そういう点で私は、この際公団側はいま私が指摘したような点についてどう理解し、どうやったか御答弁いただきたい。
  67. 藤田雅弘

    藤田参考人 お答え申し上げます。  大清水であのような事故を起こしましてとうとい十六名の方を失いましたことはまことに申しわけないことでございまして、この席で謹しんでおわび申し上げます。  先生から御指摘ございました総点検につきましては、過日、二十日でございますが、私どもの総裁から運輸省の方に対しまして総点検の結果を報告してございます。二十六トンネル全体で四十工区を一応点検したわけでございますが、先ほど来先生のおっしゃいましたような点で、私どもといたしましても改善すべき事項がございましたので、これは運輸省に提出してございますのでこういう席で申し上げることがどうかとは思いますが、六項目ほど早急に改善をしなければいけないということですべて現地に指示いたしまして、できることをどんどんやっておるということでございます。  六項目をちょっと御紹介申し上げますと、お話ございましたように、何と申しましてもああいう溶断機を使って起こった事故でございますので、火気使用時における管理体制の徹底を図る。これは去る五十二年七月の上越新幹線の湯沢の事故の直後に労働省の労働基準局長から要請事項として出されました「坑内火災防止について」というのにもうたってありますが、それが徹底を欠いていた点が多少あったのではないか、そういう点につきましてより一層の徹底を図りたいということでございます。  それから二番目は、先ほど先生からも御指摘ございました消火器が必ずしも一つのトンネル、一つの坑内で同一の型式が使われていない、設置されていないという状況もございましたので、同一坑内におきましてはできる限り同じ型式のものを使用してまいりたい。  それと坑内電話機、消火器、避難用具等の配置個所が停電時でもわかるような表示をやっていきたい。  それから四番目には、坑内外の電話機による連絡のほかに、非常ベルであるとかサイレンそれから電灯の点滅等によりまして異常を視覚に訴えて何らかの措置をする連絡設備、そういうものを早急に整備していきたい。  五番目には、緊急時における早期避難の教育とその訓練の実施を徹底いたしたい。  六番目には、緊急時におきます関係各機関への早期連絡の徹底をいたしたい。  以上のような六項目につきましては十八日にすでに指示をしてございまして、この中で直ちに行えます訓練であるとか徹底につきましては四月初旬にすでに各現地でそれぞれ火災訓練であるとか避難訓練を実施しております。  それから消火器の件につきましては、今回の事故を教訓にいだしまして、現在消防庁を初め関係各機関の御指導を仰ぎながら本当に現場の状況にあった消火器とその設置について私どもとしても勉強し指導していきたいと思っておりまして、とりあえず同一坑内においてはできるだけ同一型式にしろということでやっておりまして、その種類等につきましても粉末型がいいのか、あわ型がいいのか液化型がいいのかとかいろいろございますので、これは関係各機関の御教示も得まして適切な配備に努力したい、さように考えております。
  68. 薮仲義彦

    薮仲委員 どうか二度とこういう事故のないように万全の対策を講ずるよう重ねて要望しておきます。  最後に、警察の方に、二十本押収なさったその消火器についていつごろまでに結論を出すおつもりなのか、それだけお伺いしたい。
  69. 加藤晶

    ○加藤説明員 今回の事件につきましてただいま先生が御指摘になられました現場を含む三百メートルの坑内を除きまして数回検証をやったわけでございます。そしてそこから合計二十本の消火器を発見して押収してございます。そのうち焼燬が非常に激しいもの一本を除きましていずれもこれが粉末消火器であるということがわかっておりますし、その効用等につきましては現在鋭意鑑定を進めておるところでございます。火勢によって焼燬されておりまして、なかなかその鑑定というふうなものも時間がかかるかと思いますけれども、できるだけ早くそれを終えるようにしたいと考えております。
  70. 薮仲義彦

    薮仲委員 終わります。
  71. 米田東吾

    米田委員長 午後一時三十分に委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十分休憩      ────◇─────     午後一時三十三分開議
  72. 米田東吾

    米田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。玉置一弥君。
  73. 玉置一弥

    玉置委員 農産物災害対策についてということで、農林省の方にお伺いしたいのです。  先般、四月十八日前後でございますけれども、京都府下におきまして晩霜の被害ということでお茶について被害が出たわけでございます。そして、聞くところによりますと、静岡県でも同様の被害が出ているということでございますが、その状況について農林省でどのように把握しておられるかということをまずお聞きしたいと思います。
  74. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  いま御指摘の凍霜害でございますが、これは四月十七日から十八日の早朝にかけて東北地方から山陰地方までの一帯で強く冷え込んだため霜がおりまして、農作物にかなりの被害が出ております。被害状況につきましては現在農林水産省において鋭意調査中でございますけれども、都道府県からのとりあえずの報告によりますと、関東、東海を中心に茶、果樹等に約百三十億円の被害が出ております。県別に見ますと静岡県が茶を中心に約七十八億円、長野県が果樹を中心に約十七億円、山梨県が果樹等を中心に約十三億円というのが被害の大きな県ということになっております。
  75. 玉置一弥

    玉置委員 農産物の災害対策ということで、昭和四十七年だと思いますけれども、天災融資法あるいは自作農維持資金等で被災者に対して融資がなされたというお話を聞いておりますけれども、今回こういう被災に対して農林省としては融資枠を拡大する、あるいはいまの前例にあるように融資をなさる意思があるかどうかということをお聞きしたいと思います。
  76. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  まず第一の御質問の天災融資法の発動でございますけれども、これは四月十八日に被害が発生したばかりでございまして、まだ県の方でも調査が行き届いておりませんし、また私ども農林水産省の統計情報部の被害調査もいま進めておる最中でございます。そこで、こうした調査結果を見て、具体的には被害の規模なりそれから広がりなり深度なり、そういうものを見て総合的に判断してまいりたいというふうに考えております。  次に、自作農維持資金につきましては、実はこれより先、三月の末に春あらし、春の暴風がありまして、その際に私ども資金需要に応ずるために三十二億円の資金配分を全国の地方農政局にしてございます。そこで今回の凍霜害の被害につきましても資金需要もいろいろでございましょうが、この三十二億円で足りなければ追加してなお配分してまいりたい、このように考えております。
  77. 玉置一弥

    玉置委員 これは何か基準のようなものがあるわけですか、大体何%以上の被災とか。
  78. 塚田実

    塚田政府委員 自作農維持資金につきましては各県から、関係農家の要望を県がとりましてそれを国に申請してくるということでございます。特にこれについて被害がどのくらいでなければならないとかそういうような基準は特にございません。
  79. 玉置一弥

    玉置委員 いまの結論なんですけれども、規模によって判断したいということでございますが、通常のベースからいくと今回の場合は、お茶の場合には一番茶ということで、果樹の場合にはまだつぼみまでいっていない状態ですけれども、そういう意味では被害が非常に少なかったと思うのですが、今後の様子を見てということですか、今回だけで判断するということですか。
  80. 塚田実

    塚田政府委員 ただいまの私の答弁で実は基準が特にないと申しましたのは自作農維持資金でございまして、天災融資法の発動については基準がございます。  これにつきまして先ほど被害の規模なり広さなりということを申し上げましたけれども、まず被害の広さ、これは私ども基準では二県以上にまたがる被害ということでございますから、広がりについてはかなりあるというふうに考えております。被害の額はいま調査中でございますけれども、これは昭和五十年ごろは一応六十億程度の被害というようになっておりましたが、その後の経済情勢もございますから私ども六十億というふうには考えておりません、さればといって八十億とかというふうにも考えておりませんが、その辺を総合的に被害の深度なりそういうものを踏まえまして発動について検討していきたい、いまは何はともあれ調査を急いでまいりたい、このように考えております。
  81. 玉置一弥

    玉置委員 今回は融資枠という話ですけれども、現在実際に静岡県で七十八億あるいは山梨県で十何億という被災があるわけです。そういうところで、現在、営農基盤整備とかそういうので、予防のためにいろいろな施設を生産農家が設置しているわけですけれども、そういう融資資金というものの緩和措置といいますか、今回の被災に遭った地域に対して緩和措置というものは考えておられますか、どうですか。
  82. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  今回の被害を受けた農業者の中にも、かなりの方がすでに御指摘のように制度資金を借りている農家がございます。そうして、償還が困難となる場合も想定できます。  そこで、私どもといたしましては、農林漁業金融公庫の資金につきましては、被害者の実情や被害の程度に応じまして、中間据え置き、償還期限内である特定の一、二年なりを据え置くとか、そのような条件の変更ができるというようにしておりますし、それから農業近代化資金につきましても、法令の範囲内で償還期限及び据え置き期間の延長ができるというふうにしております。したがって、被災農家の実情に応じまして弾力的に措置するように従来から関係金融機関を指導してきておるわけでございますけれども、今回このような凍霜害が生じましたので、今回についても、四月二十三日でございますけれども、改めて関係機関にこの趣旨を徹底させたところでございます。
  83. 玉置一弥

    玉置委員 いまの緩和措置なんですけれども、それは借りている人が個々に金融機関に申し出ればいいわけですか、あるいはもう自動的にという意味ですか。
  84. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  個々の農家が金融機関に申し出るということでございます。
  85. 玉置一弥

    玉置委員 畑作物の共済ということで果樹なんかがいまやられていると思いますけれども、そのほかのもの、あるいはお茶を含めてどういうふうにいま検討されているか、それと実施状況というのはどうなっているか、それから共済の目的、その辺についてお伺いしたいと思います。
  86. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  まず、畑作物共済につきましては、私ども従来から試験実施をしておりましたけれども、昨年の国会で御審議いただきまして、その本格実施に必要な法案が通りましたものですから、この四月一日から本格実施に移すことになっております。  しかしながら、畑作物といってもいろいろございますけれども、まず、私どもは試験実施の過程調査が全部でき上がり、保険設計も終わりました六作目について実施するというふうにしております。その中に茶は現在入っておりません。茶につきましては、今回相当の被害を受けたわけでございますけれども、技術的な問題がかなりございまして、いま私どもの方で各種の調査をやっているところでございます。それから、果樹につきましては、昭和四十八年度から本格実施しておりまして、この共済に加入している農家については、今回の被害があれば共済金の支払いを受けることができるようになっております。  なお、いま御質問のその他の調査について、担当課長の方からやや詳しく御説明させたいと思います。
  87. 大塚米次

    ○大塚説明員 お答えいたします。  まずお茶について申し上げますと、お茶の共済制度を実施すべしという希望がございまして、実は四十五年度から五十年度まで共済需要調査被害程度の調査、これを実施いたしまして、その調査の結果に基づきまして、五十一年度からお茶の共済制度化のための基礎資料を得るという目的のもとに試験調査というのに入っております。現在調査が進行中でございまして、その調査結果のまとまりました段階で制度化の検討に入りたい、このように考えております。  ただ、現在までの調査の結果、何が問題になっているかというと、大体三点ほどあると私ども考えております。第一点は、基準収穫量の設定がかなりむずかしい。その次は、単位当たり共済金額の設定がかなりむずかしい。第三点は、地域によりましてお茶に対する保険の需要がまちまちである、比較的高い地域もあれば、ほとんど必要がない、需要が低いという地域もございます。また調査年次によりましてその需要の程度に増減変化がかなり著しいというふうに考えております。したがいまして、継続的な保険需要が本当にあるのかどうか、それから技術的な、基準収穫量でありますとか単位当たり共済金額の設定だとか、こういう技術的な問題をさらに詰めて制度化の検討を急ぎたい、このように考えております。  それから、先ほど果樹共済の問題が審議官から出ましたが、五十四年度におきまして果樹の政令の追加指定を行いました。これは梅、ビワ、桜桃、スモモ、それからパイナップル、これを指定いたしまして、本年度から引き受けが開始される、こういう段階になっております。
  88. 玉置一弥

    玉置委員 地元の話をするのはなんですけれども、特にお茶というと静岡、それから京都が地域の産業として非常に盛んなわけなんですけれども、全国的に見れば、全体からいけば規模というものはそう大したことはないと思いますけれども、やはり地域産業という面で見ていただければ、先ほどありました基準収穫量あるいは単位当たりの収穫量、そして需要の量というものを——全体の率で見ると非常に少ないわけですけれども、やはり府県単位あるいはその地域ということで見れば非常に比重の高いものだと思います。  そういう意味で、先ほど申し上げました共済制度の中にぜひ入れていただきたいと思いますけれども、そのための基準といいますか、そういうものを再検討願う余地があるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  89. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  ただいま担当課長が御説明申し上げましたように、茶の共済制度を実施するには技術的な点がかなり残されている、検討を要すべきものが残されているというふうに思いますが、私ども畑作共済を今度本格実施するという趣旨は、できるだけ多くの畑作物を共済の対象にしていきたいということでございますので、時期をいま申し上げるわけにはまいりませんけれども、できるだけ早期に結論を得たい、そのように努力していきたいと考えております。
  90. 玉置一弥

    玉置委員 その時期のおおよそのめどはありますか。
  91. 塚田実

    塚田政府委員 実は五十三年度から予算計上しまして鋭意調査中でございますけれども、技術的な難点が専門家の御意見も踏まえますとかなりありますので、いまこの時点でいつというふうに言える段階には残念ながら来ておりません。
  92. 玉置一弥

    玉置委員 それから、今回の冷害といいますか、それは時期的にある程度予想もできたと思うのですけれども、たとえば天気予報というか気象庁からの連絡、そういうものを現在農家の方、生産者側にどういうふうに流されているか、そのルート、指導体制、その辺をお聞きしたいと思うのです。
  93. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  御案内のように、本年は暖冬でございまして、その結果、作物は一般的に徒長して例年よりは伸び過ぎている。こういうような中で凍霜害が起こりますと作物の被害がよけいひどくなる、あるいはまたことしは水不足が予想される、そういうようなこともございまして、農林水産省としましては、ことしの三月に春夏作の技術指導についてということで、凍霜害を含めまして技術指導に当たったところでございます。具体的には、本省から通達を出しまして、各農政局、県を通じて地元におりる、こういう指導体制をとったわけでございます。しかし、残念ながら凍霜害が起きまして、現在鋭意その対策に腐心している、そういう状況でございます。
  94. 玉置一弥

    玉置委員 たとえば低温が予想された、気象庁か何かで低温の地域が広がってきたということをつかめば、そういう情報をいま適確に流されているかどうかということなんです。
  95. 伊藤律男

    ○伊藤説明員 お答え申し上げます。  私ども、技術指導につきましては、春に気象庁からのいろいろな情報をいただきまして、いまも審議官が申し上げましたように、本年は暖冬でございましたから、そういう点でお茶につきましては冬の間に生育が相当進むのではないかという予想もいたしました。また気象庁の方からも、いま申し上げましたようにいろいろな御指摘もございましたから、これを春夏作の技術指導として三月に流しておるわけでございます。実際には、農林水産省といたしましては、技術指導につきましては一月から通達を流しまして、いま申し上げましたような点について凍霜害が発生するおそれがあるということで、農家の方には伝達をしたわけでございます。さらに、三月にはお茶の主産県を呼びまして、凍霜害の防止について予報の徹底を図るなり、またそういうようなことが起きますような日の近くにおきましては、そのために凍霜害防止に対する手だてのできるだけのことをするようにということでいろいろ検討もいたしまして、県を通じて現地に指導の徹底を図らせたわけでございます。
  96. 玉置一弥

    玉置委員 共済については大体わかりましたので、次に移りたいと思います。  時間もございませんので、手短にやってまいりますからよろしくお願いします。  五十三年度以降マツクイムシの被害状況が非常にふえているというお話を聞いておりますけれども、この中で国営による防除と従来の防除と二とおりあるというお話を聞いております。そしてその中に農薬の空中散布、それから伐採、二とおりの方法でいま防除をやっているというお話を聞いておりますけれども、現在の被害状況と今後の見通し、その辺についてお伺いしたいのです。
  97. 野村靖

    ○野村説明員 いわゆるマツクイムシの被害と申しますのは、マツノマダラカミキリが伝播しますマツノザイセンチュウという線虫の一種が松の樹体内に侵入いたしましてこれを枯損させるという病気でございます。この被害状況でございますが、区域について申しますと南は沖繩県から北は宮城県まで全国三十六都府県に及んでおります。また被害量でございますが、四十八年度ごろから五十年度にかけまして急激に増加したわけでございますが、その後、五十一年度、五十二年度と減少傾向を示したわけでございます。しかしながら、五十三年度に至りまして再び被害量が非常に増大をした。これは昨年夏の時期でございますが、高温少雨といった非常に異常な気象が連続しまして、加害害虫にとりましてはその繁殖とか行動にとって非常によい条件が整ってきたということもございまして被害が増大したわけでございます。  数字で申し上げますと、五十三年度被害量でございますが、国有林、民有林合わせまして、民有林の場合は九月末現在、また国有林の場合は十月末現在の数字でございますが、約百三十八万立方に達しております。ちなみにその前の年、五十二年度に比べますと約一・七倍という数字になっております。  なお、年度を通じましての被害量につきましては、目下関係都府県で調査、整理をしておりますが、さらにこれを上回るものと見込んでおります。
  98. 玉置一弥

    玉置委員 先ほど申しましたように、防除の方法で空中散布そして伐採ですか、両方ありますけれども、空中散布の場合には松くい虫防除特別措置法という国の指定で何か一〇〇%の国の補助が出るというお話を聞いておりますけれども、伐採の場合にはそれが適用できない、国の補助が通常のベースだということでございます。  京都府の話ばかりで恐縮なんですけれども、京都府の条例で空中散布を禁止しているわけなんです。そういう関係で伐採に頼る以外にないということで、とてもいまの費用じゃ処理できない状態なんですけれども、その辺を空中散布と同様に見ていくような方法がないかということなんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
  99. 野村靖

    ○野村説明員 マツクイムシ被害の防除につきましては、ただいま先生お話しございましたように、まず第一に、この被害を事前に防止する予防措置ということで、空中散布あるいは地上散布といったような方法でマツノマダラカミキリを五月ごろから七月ごろにかけまして駆除するという措置をとっております。また、その被害が発生しました後には、これは秋の時期でございますが、立木を伐倒いたしまして、その中に生息しております幼虫を駆除する、こういうような方法をとっております。  そこで、この空中散布、特別防除と言っておりますが、これにつきましては松くい虫防除特別措置法に基づきまして農林水産大臣または都道府県知事が命令にかえてこれを直接行うというようなことでございまして、この中で農林水産大臣が行うものは特にその規模の大きいところ、こういったところについて実施しておるわけでございます。  それから、特に御質問のございました伐倒駆除につきましては、これは森林病害虫等防除法に基づいて農林水産大臣または都道府県知事が命令によってこれを行うということになっておりまして、この場合、国営で実施いたしますのは、特に被害が非常に蔓延しまして森林資源にも重大な損害を与えるというようなことで国家的見地から必要だというようなものにつきましては、これを農林大臣が命令をいたしまして、全額国の負担において実施しておるわけでございます。  そこで、特別防除にいたしましてもあるいは伐倒駆除にいたしましても、これを国営で行うかあるいは都道府県営で行うかというようなことにつきましては、ただいま申し上げましたように、それぞれの地域被害の実情に応じまして都道府県と国との間で密接に連携をとりまして、適切な判断の上に対処をするというようなことにいたしておりまして、今後ともその辺効果的な防除が図られるように努めてまいりたい、かように存じております。
  100. 玉置一弥

    玉置委員 伐採の場合でも、国営の場合は一〇〇%補助ということでよろしいですね。
  101. 野村靖

    ○野村説明員 伐倒駆除の場合でも、大臣が命令をいたします場合には国が全額負担をいたします。
  102. 玉置一弥

    玉置委員 時間もございませんので、最後に一言だけですけれども、現在の要するに被害に遭った木とまだ遭っていない木ということで、空中散布とそれから伐倒という二つの方法でやられておりますけれども、それは同時に実施されておるわけですね。
  103. 野村靖

    ○野村説明員 特別防除は、先ほども申し上げましたように予防措置でございますので夏の時期に実施をするわけでございますが、これはどういうところで行うかと申しますと、特に保安林等の公益性の高い森林について行う、あるいは、その被害が健全な松林に蔓延していくおそれがある、先端拡大部分と申しておりますが、こういうようなところで実施をいたしております。  立木の伐倒駆除、これは秋に被害の起きてからの事後措置でございますが、この特別防除につきましては、いろいろ自然環境あるいは生活環境、農業、漁業に対する被害の未然防止、こういったような観点からすべてについて特別防除を行うわけにはまいりませんので、そういうようなところにつきましては被害が起きた後の措置ではございますが、こういうところで伐倒駆除を実施するというようなことでございまして、予防措置と伐倒駆除措置、これらを有機的に組み合わせまして総合的な対策として実施をするというような考え方で防除に努めておるところでございます。
  104. 玉置一弥

    玉置委員 現在、京都府の場合には伐倒だけで防除し切れないという状態なんですけれども、これは一つ予算措置とそれから人的な問題だと思うのです。  時間もございませんのでお願いだけにとどめたいと思いますけれども、いまの五十三年度以降の発生状況を見て、そして現在の実施状況、それからいきますとまだ完全に防除体制ができたと言えない状態でございます。そういう意味で、伐倒に対する予算措置といいますか、そういうのをぜひ農林省の方で再考願いたいと思います。  本日は先ほどのお茶の共済の話と、それからいまの伐倒に対する補助の話、その二項目を特にお願いしてきょうの質問を終わります。  ありがとうございました。
  105. 米田東吾

    米田委員長 津川武一君。
  106. 津川武一

    ○津川委員 ユーゴスラビアの地震についてお尋ねしてみます。  四月十五日、ユーゴスラビアの南部に強い地震がありまして、死者が百余人で隣国のアルバニアも死者が出ていると言われております。古い石づくりの建物の倒壊で被害が大きくなっているなどと新聞にも報道されております。わが国の震災予防を進める上で、この大地震についてその発生の状況被害状況、救済の実情など調べてみることが、わが国にも大地震の心配が出ているときなのでかなり必要だと思います。これでどういう調査をなされているか、どういう教訓を引き出そうとしているのか、これをお伺いします。これは、一つユーゴだけでなく、地震国日本がいままでの外国、これからの外国の地震に対してとる態度、このこととも関連して、そこいらもひっくるめてお答え願いたい。これが一つ。  二つには、被害を受けたユーゴに対するいろいろな国際的な、人道的な、博愛的な同情、援助という問題であります。新聞報道でスイス、フランス、アメリカ、イタリアなどで医療や食料品その他の援助を決定したと伝えられております。私たち衆議院でも一人千五百円ずつ出し合ってお見舞い申し上げることを決めております。そこで、政府としても何らかの形で援助をするべきだと思いますが、この点はどうなのか。地震だけでなくこれから大きな洪水、異常な寒波などという場合、外国のそういう災害に対する日本の救済的な態度がどうか。  この二点を答えていただきます。第一点の調査については、先ほど米田委員長を中心に私たちこの委員会でも何か調査に出かけてみようじゃないかということを議運に申し入れておる、そういう状態でもありますので、この二点、お答え願います。
  107. 四柳修

    ○四柳政府委員 お尋ねのうち第一点の調査の点についてお答え申し上げます。  ただいまお尋ねがございましたユーゴの地震、御指摘のように現地時間の十五日にアドリア海南部で起きたわけでございますが、外務省に入りました公電ではマグニチュード六・五程度の中規模のもので、ただいま御指摘がございましたように、死者も百名前後、負傷者も十八日現在で七百人前後というような報道でございます。  お尋ね被害状況調査、あるいはそれに関連しまして結果的には調査団を派遣するかどうかというお話になろうかと思いますけれども、ただいまお話がございましたように、現在現地におきまして緊急の救助作業ですとか復旧作業が続けられている、そういう中で、もう一つ問題になります点は、現在なお相当規模の余震が続いておりますし、相手国の政府のそういった御要望なり御意向というものも明らかでございませんので、いまの段階では直ちにということはちょっと困難ではなかろうかと思います。  なお、御参考までに申し上げますけれども、一昨年のルーマニアの地震の場合には、ルーマニアの政府から技術的な援助の要請ということがございました。そこで国際協力事業団の方から地震関係専門家を中心としましたメンバーを派遣いたしまして、私どもの方も参加いたしておりますけれども、そういったお話がユーゴ政府の方からございますればそういった方向で検討すべきではないだろうかと考えます。  もう一つ御参考までに申し上げますと、その前のイタリアのフリウリの地震のときも、実はたしか五月と九月と三遍地震がございまして、最初は行けなくて九月以降というかっこうでやはり十一月に現地に行っているような状況でございますので、それらの点を考えまして御指摘の点も検討してまいりたいと思います。
  108. 宮本信生

    ○宮本説明員 先生から御下問のございました第二点、すなわち援助の件でございますが、これは先生おっしゃられたとおり四月十五日の日本時間で午後なんでございます。それでわれわれといたしましては直ちに被害状況等についての情報を集めまして、五日後の四月二十日の閣議におきまして災害関係援助費から八千万円を支出するということでユーゴ政府にその意向を東京及びベオグラードで通報いたしました。具体的な援助物資につきましては周辺諸国から種々のものがすでに相当程度行っておりますので、先方が何を現時点で一番欲しているかということを先方の回答待ちの状況にございます。  以上でございます。
  109. 津川武一

    ○津川委員 そこで、ユーゴスラビアの地震が何で起きたか、いろいろな教訓の問題ですが、できるならば、政府調査団を出していただいて調べるように、もしそれができなかったならば、国際地震学会、国際気象学会などがありますので、そこからは必ずいろいろな状況や原因や対策が手に入ると思いますので、時間がかかってもそういう現地の報告と教訓などというものをまとめてこの委員会報告していただければありがたいと思いますし、委員長にもその点の善処方をお願いしてみますが、ひとつ答弁いただきます。
  110. 四柳修

    ○四柳政府委員 御指摘の点、気象庁その他関係省庁もございますものですから、相寄りまして相談しまして、若干時間はかかるかもしれませんけれども資料を集めまして、まとめてまた御報告させていただきたいと思います。
  111. 津川武一

    ○津川委員 次に、いままで私たちは災害が起きたそのことばかりを論議してまいりましたけれども、今度は起きた後どうなっているのか、予防のためにどうすればいいかということを河川改修で少し問題にしてみたいと思います。  これは五十二年度の「国土建設の現況」、建設省のものでございますが、こう書いてあります。「大河川の洪水対策については、河川改修、ダム建設等に従来から多大の努力が重ねられてきた結果、四十七年の太田川、五十年の揖斐川の出水で計画高水流量にほぼ匹敵する洪水が安全に流下した例にもみられるとおり、」云々とあって、さらに「戦後最大規模の洪水の安全な流下を目標とした整備率は五十一年度末で五二%にとどまっている」、そこで、「四十七年以降に大きな災害の発生した江の川、石狩川、長良川等の二十五河川」、「利根川、淀川等の十大水系の都市区間に係る二十四河川、鶴見川、寝屋川等の大都市圏の都市区間に係る二十五河川の緊急に整備を必要とする区間に重点を置いて事業を促進し、五十六年度末における大河川の整備率を約六〇%に引上げる」という方針を出しております。五二%から六〇%という、これは実はもっと引き上げていくべきだと思いますが、こういう方針を決めてから、こういう大河川の改修がどうなっておるのか、五十一年度の五二%が五十三年度でどうなっているのか、答えていただければと思います。
  112. 川本正知

    ○川本説明員 お答えいたします。  第五次の治水事業の五カ年計画におきましては、先生ただいまおっしゃいましたように、昭和四十七年以来大きな災害が発生いたしました江の川、石狩川、長良川等を初めとします二十五の河川を、再度災害を防止するという観点から改修を促進していこう、それから利根川初め淀川等の大河川、それから都市河川、そういったものに重点を置いてやっていこうということで促進してまいってきておるわけでございますが、先生ただいまおっしゃいました五二%の整備率が現在でどのくらいかというところは、ちょっとまだ資料をまとめておりませんので、この場ではお答えできませんけれども、たとえて申し上げますと、四十七年以来災害が発生いたしました二十五の河川といったものにつきましては、昭和五十一年度から新設されましたいわゆる激特事業というのがございます。こういった制度も活用しながら、特に重点を置いて改修の促進を図っておりまして、これら河川の改修の五カ年の進捗率というものも五カ年計画の平均の進捗率に比べますと大きく上回っておりまして、さらにこういった河川の改修を促進していきたいと思っておる次第でございます。
  113. 津川武一

    ○津川委員 一層の改修の前進を要請して質問を続けていきますが、この中で四十七年度以降に大きな災害が発生した江の川だとか、石狩川などの二十五河川、この中に岩木川も入っておりますが、岩木川の改修については皆さんから絶大なる御配慮をいただいて、地域の人たちもどうやら改修してくれるんじゃないかということで愁眉を開いているという現状でございます。  そこで、五十二年度予算で岩木川改修がどのくらいあって、これを決めた五十三年度はどのくらいにふえて、五十四年度はどのくらいの予算をつけたか。一般の予算と激特の予算とあわせてお知らせ願いたいと思います。
  114. 川本正知

    ○川本説明員 お答えいたします。  いま先生おっしゃいましたように、この二十五の河川の中に岩木川も当然入っておりまして、特に岩木川は五十年、五十二年と二度災害を受けておりますので、私どもも重点的に改修を促進しておるところでございます。  いまお尋ねの事業費の件でございますが、五十二年度は改修費で岩木川は、当初予算でございますが七億九千万でございます。それから激特事業が四億五千万でございます。合計いたしますと十二億四千万でございます。これに五十二年度の場合は補正予算が入りましたので、最終的には補正込みの金額で申し上げますと、改修事業費が十三億三千三百万、激特の方が六億三千万、合計いたしまして十九億六千三百万でございます。  それから五十三年度でございますが、同じように当初と補正込みとを申し上げますと、当初予算の改修費が十五億一千万、激特が五億三千万、合計二十億四千万でございます。補正込みの数字で申し上げますと、五十三年度は直轄改修の方が十六億九千六百万、激特が五億八千万、合計いたしまして二十二億七千六百万でございます。  それから五十四年度は、直轄改修の方を大きく伸ばしておりまして、二十億円ということになっております。激特につきましては、今年度で完了いたしますので、残りの二億六千五百万ということになっております。  以上でございます。
  115. 津川武一

    ○津川委員 これでいくと大分進捗率が広がるようですが、見通しはできないでしょうけれども、完全改修するとあと何年ぐらいかかるのか、大体の見当があったらお知らせいただきたい。  これと関連して、この事業費の中で一番心配なのは、下流地域の下車力、下繁田などの堤防の改修です。これは早く完了していただかなければなりませんが、これの完了がいつの時期になるのか、それからあそこのところはだんだん上の方を改修してきているので、あそこの川の流れの停滞がかなり問題になってくると思うが、いままでどのくらいの量しゅんせつして、今後これからどのくらいやっていくのか、この二点をまずお知らせ願います。
  116. 川本正知

    ○川本説明員 岩木川の完全改修がいつかという御質問でございますが、これにつきましては、私どもはっきりとお答えできるようなところまでまだ改修は残念ながら進んでいないということでございまして、できるだけ整備が進むように今後とも努力してまいりたいと思っております。  それからもう一点の、下流のしゅんせつの方の話でございますが、確かにおっしゃいましたように、岩木川につきましては過去におきまして上流で被災個所が多かったわけでございますが、改修を進めてまいりますとどうしても下流の方に狭窄が残っておる、しゅんせつが必要であるという個所が残っておりまして、下流の改修の促進ということが一番重要である、緊急であるというふうに私ども考えております。  それで、この下流部のしゅんせつにつきましては、五十三年度は土量で申し上げますが、十二万四千立方メートルのしゅんせつをいたしました。五十四年度は約二十七万立方メートルのしゅんせつを予定しております。こういったことでさらにどんどんしゅんせつ工事を伸ばしていきたい、そういうように思っております。ただ、ここで問題になりましたのは、しゅんせついたしますときの土の捨て場があるかということが実はいままで問題があったわけでございますが、これも幸いにしてといいますか、地元の御協力を大変いただきまして今年度の捨て場も十分見通しがついております。こういったことで、今後ともさらに大量の土捨て場が必要でございますので、さらに一層地元の御協力を得ながら進めていきたいと思っておるわけでございます。
  117. 津川武一

    ○津川委員 岩木川でもう一つお尋ねします。  それは支流の浅瀬石川、平川、これは県で受け持っている部分ですが、かなり進みまして岩木川の上流も進んで岩木川と浅瀬石川、平川の合流地点に一気に来てしまいましてそこのところが一番今度はウイークポイントになっている。しかもそこのところは傾斜が非常に少ない。そこの改修が根本的に必要として叫ばれておりますが、この地点の改修計画を立てておられたらお知らせ願いたいと思います。
  118. 川本正知

    ○川本説明員 お答えいたします。  いま先生がおっしゃいました岩木川と平川の合流点という地区は、確かに現在もまだ堤防がございません地区でして、地元の皆さんからもぜひそういったところの改修を進めてくれという御要望も十分伺っております。現在その地区におきましては、築堤のための用地買収を一部実施はしておりますけれども、先ほど来申し上げましたように、下流部の改修というのが一番の重点で私ども早くやらなければいかぬというように考えております。今後とも上下流の改修のバランスを見きわめながら、いまの合流点の地区の改修につきましてもできるだけ早期に御要望に沿うようにがんばってまいりたい、そう思っております。
  119. 津川武一

    ○津川委員 県で受け持っている部分の改修がかなり進んで、国の部分の方が今度は目立ち始めまして国が少しのろいんじゃないか、何をやっているという声もありますので、その合流地点の改修を一層がんばってやっていただくように要請して、岩木川河川のはんらんについてはこれで終わらせていただきます。  次は、この間の春あらしの関連でございますが、三月三十日、三十一日の突風、何か春あらしという名前をつけているそうですが、春あらしによる被害状況はどうなっているか、ひとつお知らせ願いたいと思います。
  120. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  三月の二十九日から三十一日にかけまして、低気圧の通過に伴う暴風雨がありました。それで九州から東北地区にかけてビニールハウス野菜等被害が発生しております。被害状況でございますけれども、ただいま農林水産省において鋭意調査中でございますが、都道府県からの報告によりますと、農林水産関係としまして野菜等の農作物が約八十二億円、立木等の林産物が約七億円、ワカメ等水産物が約八億円、計九十七億円というふうになっております。それから施設関係被害もございまして、ビニールハウス等農業関係施設が約九十一億円、養殖施設等漁業関係施設が約十四億円、その他土木施設等が約二十二億円、計百二十七億円というふうになっております。両方合わせますと、総額で約二百二十四億円の被害報告されております。
  121. 津川武一

    ○津川委員 この中で作物で一番多いところはどこなのか、施設で一番多いのはどこか、その一、二の県と被害金額をお知らせ願います。
  122. 塚田実

    塚田政府委員 県別に見まして農作物で一番被害が大きい県は山形県の十七億円、次いで新潟県約十三億円となっております。施設関係でもこの両県の被害が他県に比べまして際立っております。
  123. 津川武一

    ○津川委員 そこで対策について若干お尋ねいたしますけれども被害の大きい県に特別な重点を置いて対策も必要かと思いますが、この中で被害農家救済のための天災融資法の発動条件があるのか。県からの報告だとありそうだ、統計情報部の調査が終わればなさそうだなどということなので、多少被害県でいら立っている、県が本気になって調査しておるのだから、できるだけその材料で救済措置を講ずべきだと思います。この見通しと、そういう点がどうか。  その次は、天災融資法を発動してもなかなか資金の活用の条件がめんどうで実際上は使われない場合が多くて、決定的に農民が使うのは自創資金。そこで自創資金の需要に対して十分対応できる条件をつくってあるのか、心配ないのか。この点、二点目にお願いいたします。天災融資法と自創資金と関連してみますと、天災融資法による救済は実際上は余り役立たないので、委員長にも小委員会なり適当なときに天災融資法の再検討をお願いできればと思うわけであります。  救済に対する三つ目の問題は、作物に対しては融資法と自創資金、施設に対しては農業近代化資金、農林公庫資金、こういうものがございますが、できるだけの資金をここに注いでいく必要があると思います。こういう点でどんな資金があるのかもここで明らかにしていただく。ところが、いままでに何回も被害を受けているところでは償還がなかなかめんどうなので、償還の条件緩和、こういうことも実際に必要になっていると思いますが、この三点、まず答えていただきたいと思います。
  124. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  まず天災融資法の発動についてでございますけれども、三月二十九日から三月三十一日にかけましての暴風雨による農作物等の被害については、先ほど申し上げましたとおり相当な被害になっております。そこで、現在、農林水産省としては、先ほど申し上げましたとおり被害調査を急いでやっておるわけでございますが、この被害が県によっても別ですけれども、一般的な言い方をいたしますと広く浅いということで、全国的な調査をある意味では細大漏らさずやらなければならないような状況でございまして、現時点で天災融資法の発動がどうかというようにお答えできないわけでございますが、何はともあれこの調査結果もあと一週間程度で終わりますので、それを踏まえて早急に検討してみたい、このように考えております。  それから自作農維持資金でございますけれども、私ども今回の災害で必要とする資金について被災農家の皆さん方の資金需要に適切に対応しなければならないということから、予算成立直後の四月五日に、自作農資金の五十四年度の私どもの貸付計画は二百三十一億円でございますけれども、そのうちの三十二億円を関係の局に配分をしたところでございます。  それで、その後凍霜害も生じておりますし、資金需要がさらにふえるということになれば、これを追加するなり所要の措置を講じてまいりたい、このように考えております。  それから第三点の施設関係被害でございますけれども、これに対する制度資金の対応でございますが、一般に災害復旧のための施設資金が必要となる場合には、農林漁業金融公庫資金の中で、主務大臣指定災害復旧施設資金というのがございます。これによりますと、ビニールハウスとかそれから豚舎等の農畜舎などが対応できるというふうになっております。それから、災害復旧施設資金ではございませんけれども、農業者が新たに農舎等の施設の改良なり造成なりあるいは取得を行うということについては、御案内のように農業近代化資金を活用するという道もございます。  以上でございます。
  125. 津川武一

    ○津川委員 次は、共済関係ですが、施設園芸の共済が実験的に始まってことしから本式になるわけです。今度、三月三十日、三十一日に被災者に会ってみたら、かなり共済に対する要求が出てきたんです。災害を転じて福にするというかっこうで、施設園芸の共済加入がこれでかなり前進すると私は思うのです。これを機会に十分共済を啓蒙して、本式にかなり大規模の加入を進めていく方針をとっていただきたい、こういうことが一つ。  それから、現地に入ってみると、どの程度のものが施設園芸の共済の対象になるか。いま委員長のお許しを得て配りますから、ビニールハウスに共済が適用になるのかどうか、共済の対象になるか、ここいらをひとつ答えていただきます。
  126. 塚田実

    塚田政府委員 まず園芸施設共済につきまして、いま御指摘のように、ことし四月から本格実施いたすことになっております。そこで、現在、春あらしの対象になっておりますのは、したがって試験実施の地域でございます。私ども今度の試験実施中のものでも被害を受けた方々には共済金を払えるわけでございまして、それもかなりの数の農家が入っておりますので、対応できるわけでございます。  御参考までに数字を申し上げますと、共済の対象になる被害棟数は六千百四十三棟になっております。しかしながら、園芸施設共済を健全に発展させるためには、御案内のように、加入者が十分多くなければそれなりの効果も発揮いたしませんので、農林水産省としては、本格実施が始まります園芸施設共済それから畑作共済について加入の促進を図ってまいりたい、こういうように考えております。  それから第二点の御指摘の、写真をすでに提示していただいておりますけれども、こういうものが共済の対象になり得るかどうかということでございます。ごく簡単なものは園芸施設共済の対象にならないわけでございますけれども、これはかなり具体的なものですから、ちょっと担当課長に答弁させます。
  127. 大塚米次

    ○大塚説明員 お答えいたします。  いわゆるビニールハウスには大きく分けますと、パイプハウスそれから木竹ハウス、鉄骨、これはいろいろ程度がございますが、その三つに分かれると思います。その施設の中で、通常の栽培管理の作業が行われ得るような施設はすべて共済の引き受け対象にしたいということでございます。  では、どういうものが除かれるかといいますと、非常に簡単な施設、収穫の時期を早めるためにいわゆるトンネル栽培というのがございますが、そういう簡易な施設でありますとか、それから育苗のフレーム、そういうものは引き受けない。金額的に一つ基準を示しておりますのは、アール当たりの再建築価格が三万以下という安い、移動して作業するようなもの、耐用年数も短い、また農家も保険需要がない、そういうものは除くということでございまして、写真を拝見いたしましたが、これはいわゆるパイプハウスのタイプでございまして、十分中で栽培管理作業が行われるということで、引き受け対象になるというふうに私ども考えております。
  128. 津川武一

    ○津川委員 時間がなくなりましたので、今度は凍霜害についてまとめて質問します。  凍霜害における被害状況はどうなっているのか、この点一般的なのと静岡県におけるお茶の被害に対して少し詳しく報告していただきたい。これが一点。  第二番目には、被害農家の救済のために天災融資法それから自創資金のこと、いままで借りておったお金の償還の条件の緩和、これは先ほどの春あらしと同じようにおやりになると思いますので、そこのところはそのとおりでよろしいかと思いますが、特に静岡県のお茶に対して激甚法の発動が可能だと私は思いますが、この激甚法の発動を中心に検討しているかどうか、これをいただきたいのであります。これが二つ目。  三つ目は、最近多少お茶離れが言われている向きもあるし、外国のお茶も入ってくる問題がある。今度被害を受けたのは一番いい一番茶。この点で消費者の価格が高騰していかないか、これを機会に外国のものが入ってこないか、そこいらあたり、日本のお茶を本当に守るとすれば、こういう点の対策がぜひ必要だと思うのですが、この三点、答えていただきたいと思います。
  129. 塚田実

    塚田政府委員 お答えいたします。  四月十七日から十八日の早期にかけまして、東北地方から山陰地方までの一帯で強く冷え込み、霜がおりておりまして、農作物に相当な被害が発生しております。  被害状況につきましては、ただいま農林水産省調査を始めておりますが、都道府県からのとりあえずの報告によりますと、関東、東海地方を中心として、茶、果樹等に約百三十億円の被害が出ております。県別に見ますと、静岡県が茶を中心に約七十八億円、長野県が果樹を中心に約十七億円、山梨県が果樹等を中心に約十三億円、こういうような県が被害が大きくなっております。特に静岡県の被害が目立っております。  それから、これらにつきまして天災融資法を先ほどの春あらしと同じように発動するかどうか、それから、いま御指摘の激甚をどうするかどうかという問題がございますけれども、まだ凍霜害が発生したばかりでございまして、各県からの報告がまだ出そろっていないという状況にございます。それから、私ども農林水産省調査もいま着手したばかりであるというようなことから、いまの段階で資金需要もまだわかっておりませんし、そういうようなことで、こういうような結果が出てから早急に検討を進めてまいりたい、このように考えております。  それから自作農維持資金につきまして先ほども御答弁申し上げましたけれども、この資金需要がまた出てまいりますから、先ほど申し上げた配分済みの金額三十二億円で足りなければこれに追加してまいりたいと考えております。  それから制度資金につきまして、すでに資金の償還期限等の緩和措置でございますけれども、これは春あらしと同じように償還の緩和措置をとってまいりたい、このように考えております。  それから次に、今回の被害が特に大きいのは茶でございます。その茶の被害につきましていま御質問がありました、こう被害を受けますと輸入の問題がどういうふうになってくるのか、最近は外国産の輸入は減る傾向にございますけれども、私どもとしましては、現在被害調査中でございますが、年間供給量のほぼ半分を占める一番茶が相当な被害を受けている。それで場合によっては需給上の問題となるということも予測されるわけです。そこで被害につきまして早期に樹体の回復を図り、二番茶以降の生産の把握に努力していきたい。そこで二番茶に間に合うように五月中にも茶の主産県の会議、それから日本茶業中央会による需給安定対策会議というものを催しまして、単年度の全体需給を再検討していきたい。このように考えております。そこで単年度の需給バランスを失して輸入茶が増大するというようなことのないように業界を指導していきたいというのが、私どもの現在の姿勢でございます。
  130. 津川武一

    ○津川委員 終わります。
  131. 米田東吾

    米田委員長 次回は、広報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十一分散会