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1979-08-09 第87回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年八月九日(木曜日)     午後一時三十二分開議  出席委員    委員長 有島 重武君    理事 左藤  恵君 理事 佐藤 守良君    理事 前田治一郎君 理事 太田 一夫君    理事 広沢 直樹君       井上  裕君    石川 要三君       北川 石松君    野中 英二君       原田昇左右君    沢田  広君       山本 政弘君    薮仲 義彦君       渡辺  朗君    寺前  巖君       伊藤 公介君  出席国務大臣         建 設 大 臣 渡海元三郎君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      三島  孟君         警察庁交通局長 杉原  正君         大蔵省銀行局保         険部長     松尾 直良君         資源エネルギー         庁石油部流通課         長       竹内 征司君         運輸省自動車局         長       飯島  篤君         運輸省自動車局         整備部長    小林 育夫君         建設省道路局長 山根  孟君         消防庁予防救急         課長      中島 忠能君         日本国有鉄道運         転局保安課長 山之内秀一郎君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     高橋国一郎君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     森田 松仁君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     持田 三郎君         特別委員会第一         調査室長    綿貫 敏行君     ————————————— 委員の異動 六月二十五日  辞任         補欠選任   山本 政弘君     井上  泉君   石田幸四郎君     草野  威君 七月十六日  辞任         補欠選任   井上  裕君     原田昇左右君   井上  泉君     山本 政弘君   草野  威君     石田幸四郎君   青山  丘君     渡辺  朗君 同月二十日  辞任         補欠選任   原田昇左右君     井上  裕君   渡辺  朗君     青山  丘君 八月九日  辞任         補欠選任   玉生 孝久君     原田昇左右君   石田幸四郎君     薮仲 義彦君   青山  丘君     渡辺  朗君 同日  辞任         補欠選任   原田昇左右君     玉生 孝久君   薮仲 義彦君     石田幸四郎君   渡辺  朗君     青山  丘君 同日  理事青山丘君七月十六日委員辞任につき、その  補欠として青山丘君が理事に当選した。     ————————————— 六月十四日  一、交通安全対策に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  参考人出頭要求に関する件  交通安全対策に関する件(東名高速道路日本坂  トンネル内における交通事故等に関する問題)  派遣委員からの報告聴取      ————◇—————
  2. 有島重武

    有島委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁高橋国一郎君、理事森田松仁君及び理事持田三郎君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 有島重武

    有島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人からの意見聴取は、委員質疑により行います。
  4. 有島重武

    有島委員長 次に、東名高速道路日本坂トンネル内における交通事故等実情調査のため、去る七月十七日に、現地委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。前田治一郎君。
  5. 前田治一郎

    前田委員 私は、去る七月十一日発生いたしました東名高速道路日本坂トンネル内における交通事故等実情調査のため、議長の承認を得て同月十七日静岡県に派遣されました派遣委員を代表し、その調査結果を御報告申し上げます。  派遣委員は、委員長有島重武君、太田一夫君、後藤茂君、水平豊彦君、石田幸四郎君、寺前巖君と私前田治一郎でありますが、原田昇左右君と渡辺朗君が現地参加いたしました。  まず、現場視察に先立ち、日本道路公団東京第一管理局静岡管理事務所において、関係機関から事故概要説明を聴取いたしました。  最初に、静岡県警本部から事故概要警察のとった措置について説明があり、また、今後の対策として事故原因早期究明トンネル内の交通事故防止のための交通ルール遵守指導取り締まり交通規制区間早期解除等を行う旨の説明がありました。  次に、消防庁から火災発生当時の消防隊出動状況日本坂トンネル内の消防施設等について説明がありました。  次いで、建設省から事故発生後の措置交通規制及び復旧作業状況事故に伴う関連道路交通量、国道一号の渋滞状況等について説明を聴取いたしました。  また、日本道路公団からは事故発生後の作業状況日本坂トンネル内の防災施設等について説明がありました。  この後、日本坂トンネル内に入り、事故現場視察いたしました。トンネルの外には、搬出されたばかりの真っ黒に焼け、スクラップ化した車の残骸が並べられ、当時の火災の激しさを物語っておりました。上り線トンネル東坑口から入ると、下り線との連絡路を通して煙が立ち込め、ガソリンやタイヤの焼けたあとの異臭が漂っておりました。下り線トンネル内部は、火災はおさまっていたとはいえ、温度は四十度を超え、コンブレッサー等を持ち込み、圧縮空気を送りながらの復旧作業も、難航のように思われました。トンネル内部はすっかり焼けただれ、天井コンクリート板、両側の内壁ははがれて崩れ落ち、また、無数の鉄骨が天井、側壁からたれ下がりあるいは折れ曲がり、内部の損傷は予想以上に甚大でありました。その上、まだ作業の進んでいないトンネル内には、瓦れきの中に多数の車が埋まって見えました。  この後、静岡管理事務所において関係者に対し質疑を行いました。その中で、派遣委員から完備した防災施設を有しながら大事故に至った原因事故発生に伴う情報の提供及び進入禁止措置適切性、第二事故及び第三事故を防止できなかった理由、渋滞解消のための交通規制緩和措置、破損したトンネル復旧方法排煙によるミカンの被害対策等問題点指摘されました。  この後、記者会見があり、視察の全日程を終了いたしました。  最後に、今回の調査当たり関係者から御協力をいただきましたことを心から感謝申し上げ、御報告を終わります。  なお、八月九日現在、トンネル内にありました被災全車両百八十九台の搬出は終了し、また、上り線において対面交通等による交通開放が実施されており、下り線については、トンネル本体工事を終了、防災施設等施設関係工事に入った段階であり、開通は九月上旬になる予定であるとのことであることを申し添えます。  以上でありますが、詳細についての御報告報告書委員長のお手元に提出してありますので、本日の会議録に参照掲載されることをお願いいたします。  これをもって視察報告を終わります。(拍手)
  6. 有島重武

    有島委員長 これにて、派遣委員からの報告は終わりました。  なお、ただいま派遣委員より申し出がありましたように、詳細なる報告書を参照として本日の会議録掲載することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 有島重武

    有島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————
  8. 有島重武

    有島委員長 引き続きお諮りいたします。  先般、地方における交通事情及び交通安全施設整備状況海上交通安全対策並びに航空交通安全施設整備状況等調査のため、青森県及び北海道、並びに徳島県及び滋賀県に、委員を派遣いたしましたが、派遣委員から、それぞれ報告書委員長手元に提出されておりますので、これを本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 有島重武

    有島委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書本号末尾掲載〕     —————————————
  10. 有島重武

    有島委員長 交通安全対策に関する件について質疑申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。
  11. 原田昇左右

    原田(昇)委員 去る七月十一日、東名高速道路日本坂トンネル内の下り線で悲惨なトンネル内交通事故による大規模な車両火災発生いたしたわけでございますが、私どもも先般委員会視察の一員といたしまして中を拝見いたしました。大変悲惨な事故で、心を痛めたわけでございますが、その後原因究明について警察庁並びに県警の方で調査が行われておると聞いております。新聞報道によりまして、衝突六台の過失と競合、公団安全管理面での過失があったとの見方が有力になってきておるということが報道に出ておりますけれども、その事実関係についてどういうようになっておるか、警察庁から伺いたいと思います。
  12. 杉原正

    杉原説明員 お答えをいたします。  日本坂トンネル原因究明につきましては、ただいま静岡県警におきまして交通と刑事両部門合同本部を設置いたしましていまいろいろな角度からの検討を進めておりますが、過失がどこにどの程度あったかということをいまの段階で言えるはずもありませんし、まだ言える状況になっておりません。
  13. 原田昇左右

    原田(昇)委員 言えるはずはないというのは当然なんですが、どういうところに問題があるのかという点について知り得る範囲で若干御指摘をいただきたい。
  14. 杉原正

    杉原説明員 一つには今度の火災事故発生をいたしました六台のいわゆる多重事故というのがあるわけでございますが、これの原因がどのようにして発生したかというのが一つでございます。それから、さらにそれが原因になりましてあれだけ大きな車がたくさん延焼いたしましたけれども、これの原因がどういうふうな形で発生をしているのか。大きく言いますとこの二点になるのではなかろうかというふうに考えます。
  15. 原田昇左右

    原田(昇)委員 今回の車両火災事故原因がいろいろ取りざたされておりますが、いままでの実績を見ますと、五十三年の高速道路事故事故件数が一万二千七百九十一件、死者が百五十五人、重軽傷が四千六百三十九人、これは新聞報道でございますが、そう承っております。その三分の一が追突事故によるものだということであり、その主要な原因車間距離が適正に保たれておらないということによるものであるということでございます。大変なことだと思うのですが、今度の場合も車間距離が適正に保たれておらなかったということは明らかだと思うのです。そこで車間距離取り締まりについてどういうようにお考えになっていますか。
  16. 杉原正

    杉原説明員 御指摘のとおりでございまして、特に高速道路走行時にはスピードが出ておりますために車間距離をかなり保持しなければならない。これがやはり重大事故に非常に結びつきますので、高速道路取り締まり件数の約四〇%はスピード関係取り締まりになるわけでございます。問題はスピードを出した場合の車間距離でございますが、通常の形ではパトカーが車間距離をうんと詰めてある場合にはもっと開きなさいということを指導警告をするということでございます。  なお、一般的には道路管理者等とも協力いたしまして、スピードが百のときには百メートル離しなさい、八十キロのときには八十だということの標示をいたしましたりあるいはドライバー等に更新時あるいは試験のとき等にスピードに応じて車間距離は幾らあけるべきものだということを具体的に周知させるということに努力をいたしておりますが、そういう現場的な措置あるいはドライバーに対する措置ということでやってきておりますが、さらにこれを推進しなければならないというふうに考えております。
  17. 原田昇左右

    原田(昇)委員 トンネル内の追い越し禁止とか車線変更禁止というものはどういうようになっておりますか。
  18. 杉原正

    杉原説明員 道路交通法上はトンネルの中では原則的に追い越し禁止でございます。ただ、法律上、車両通行帯が設けられている道路についてはこの限りでないという措置になっております。したがいまして、対面交通をするような道路につきましては追い越し禁止法律上かかっておるということでございます。  今度の日本坂トンネルにつきましてはその車両通行帯が設けられている道路でありますがゆえに追い越し禁止はかかっていないわけでございます。  ただ、ついでに追い越し関連をして申し上げますと、交通量の多いトンネルにつきましては、車両通行帯が設けられておるトンネルでありましても車線変更禁止という措置トンネルによっては設けておるわけでございます。そういう追い越し禁止あるいは車両車線変更禁止措置というふうなものも今後積極的に検討していかなければならないというふうに考えております。
  19. 原田昇左右

    原田(昇)委員 今度の事故にかんがみましてこの種のトンネルについてどういうようにお考えですか。
  20. 杉原正

    杉原説明員 今回の日本坂トンネル事故に関します限り追い越しとか車線を変更したことによって発生している事故とは考えておりません。いずれも追い越し車線でそのまま走行している状態の中で発生しておるものでございまして、これが変わったことによって事故が起こっておるということではないのでございますが、その面も含めましていま原因検討しておりますので、それとあわせてこういう日本坂トンネルのようなトンネル内での走行方法がいまのままでいいかどうかということについては十分検討しなければならないというふうに考えております。
  21. 原田昇左右

    原田(昇)委員 次に、いまの問題に関連しまして、仮に車間距離を十分にとるということになりますと、この付近は、たとえば一日交通量上下線で五万五千台というように承っております。もっと交通量の多い場所もあると思いますが、仮に百メートルの車間距離をとった場合に交通渋滞を来すとか道路容量からはみ出してしまうというようなことはないのでしょうか、これは道路容量との関係ですからむしろ建設省の方にお伺いした方がいいんじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
  22. 山根孟

    山根説明員 お答え申し上げます。  車間距離スピードとの関連につきましては、スピードに応じた適切な車間距離というものがあるわけでございます。したがいまして、ある一定の区間を一体何台の車を通し得るかということになりますと、スピードに応じまして何台通し得るかといういわば容量が定まってまいる、こういうことになろうかと思います。交通現象の面から申しますと、自由に走行しているかなりスピードの高い交通の流れの状態、これは交通量としては比較的少ない状態でありまして、それが次第に交通量がふえてまいりますとスピードを落とし、車間距離が詰まってくる、そしてある限界値に達する、こういう状況になるわけであります。  それと、もう一つはまた別の観点でありますが、車がとまっておるという状態から逐次動き出していく、こういういわば大変拘束された状態交通現象も一方ではあるというようなことから、その両者からキャパシティーが決まるというぐあいに考えております。
  23. 原田昇左右

    原田(昇)委員 いや、そこで私の聞いておるのは一般論ではなくて、この場合に、いま現実に五万五千両が走っておる、それに適正な車間距離を必ずとれと言った場合に果たして東名高速道路車両をさばけるのか、こういうことなんです。
  24. 山根孟

    山根説明員 お答え申し上げます。  先生指摘の一日当たり何台ということは一体ピーク時にどの程度の交通需要があるかということとの関連がございます。一時間当たり何台ということが、いわばその時間、時間と申しますか、瞬間、瞬間における交通容量ということになろうかと思います。そういった観点から考えてみますとキャパシティーいっぱい、いっぱいまでには至っておらない状態でございまして、ごく限られた時間あるいは限られたところではキャパシティーに近くなっているという状態がございますが、一般的にはまだ若干の容量はある。ただし、そういう限界的な容量に近い状態でありますから、かなりスピードは低下をする状態で運用しているというぐあいに考えております。
  25. 原田昇左右

    原田(昇)委員 そうすると、法定車間距離をとって走行しても交通渋滞を引き起こしたり、麻痺することはないのだ、こういうように了解してよろしいですな。
  26. 山根孟

    山根説明員 ちょっと説明が足らなかったと思いますが、いま申し上げましたように、キャパシティーに大変近い状態でありますと、車のドライバーの方の運転のちょっとした加速あるいは減速ということが実は後続車に大変な影響を及ぼしまして、そのために相当の渋滞が大変起こりやすい状態になる、これは間々東名高速である現象であるというぐあいに考えております。
  27. 原田昇左右

    原田(昇)委員 道路局長現場に当たってはなかなかむずかしい問題があるということでございますけれども、警察庁の方、どうですか。いまのお話で、大体法定車間距離を守らせるということで大まかに言って大丈夫だということでもあるので、これはびしびしやってもらいたいのですけれども、どうしたらいいのですかね。
  28. 杉原正

    杉原説明員 やはり車間距離の問題というのは、最初も御指摘ございましたように、これを守りませんと重大事故に直接結びつきますので、この点はやはり指導取り締まりの面でも徹底をしていかなければいかぬというふうに考えております。
  29. 原田昇左右

    原田(昇)委員 この点は、取り締まりももちろん大事でございますけれども、よほどドライバーのマナーについて徹底的にPRし、教育する、またライセンス発給の際、繰り返し繰り返しこの点について守らせるようないろいろな配慮をしていただきたいと思います。これがやはり高速道路における事故の一番原因になるのではないかと思っておりますので、ぜひともこれについてPRないし指導を徹底していただくように要望しておきます。  次に、警告灯下り線についてございました。確かにこれは赤ランプが周りにあって、そして「トンネル火災 進入禁止」という文字が入り口に出ておるわけです。この電光標示がなされたにもかかわらず、トンネル内に車が入ったということになっております。もっともその電光標示をするタイムラグ、時間的に若干おくれたというところも問題はありますけれども、それは別として、この電光標示板は、どうも私が見まして、右側に、追い越し車線大型トラックがあると、左側普通車線におる乗用車からは見えないという性格のものであります。これではちょっと頼りないのではないかと思いますし、もう一つ特に問題なのは、この警告灯道路情報管理施設ではあるわけですが、道交法上の処分対象になる法的効力があるのかないのか、その点が性格的にきわめて疑問ではないかと思っておりますが、これについてどうですか。
  30. 杉原正

    杉原説明員 お答えをいたします。  日本坂トンネルの前に設けられておりましたあの情報板に限定して申し上げますと、道路管理者側で設置をされておるものでございますので、これの位置その他の問題につきましては、後ほどお話があると思います。  ただ、これにつきましては、情報板でございますので、道路交通法上のいわゆる規制に相当するものではございませんので、道路交通法上のこれに違反しますというか、これの情報に反して進入いたしましても、道路交通法上の違反として問擬ができるというものではないわけでございます。
  31. 持田三郎

    持田参考人 お答えいたします。  日本坂トンネル手前小坂トンネルがございまして、日本坂トンネル小坂トンネルの間が五十七メートル、小坂トンネルが約二百五十メートルございまして、その手前追い越し車線側二百十メートルに警報標示板がございます。本来ですとトンネル手前二百十メートルか二百二十メートル区間に設置するのが一番いいわけでございます。と申しますのは、やはりドライバー標識を確認する、それから作動して、トンネルの五十メートルぐらい手前で路面が普通の状態で停止するということで、二百十メートルがいいということで、たまたまあの場合いま申しましたように、トンネルが連続しておりましたので、小坂トンネル手前にセットしたというような状況でございます。
  32. 原田昇左右

    原田(昇)委員 いまの御説明は御説明としまして、私はこれはやはり大変大事なことだと思うのです。  そこで、まずドライバーにわかりやすいような警告を与えるように、たとえばアーケード方式にするとか、あるいは一つアーケードをしておいて、その二、三百メートルさらに手前に、二、三百メートル行ったらとまってくださいというような何か指示するとか、それから、ここからは入ってはいかぬというような指示をするというような、長大トンネルについてははっきりした警告灯を用意すべきではないかと思います。  それが一つと、もう一つは、これをやはり道交法上の規制対象にする標示板でなければいかぬ。単に道路管理施設だということの警告灯ではまずいのじゃないか。道交法処分対象になるような警告灯にしてほしい、標識にしてほしい、信号機にしてほしいと、二つを要望しておきますが、いかがですか。
  33. 持田三郎

    持田参考人 前段の部分でございますが、公団事故発生技術検討委員会というものを発足いたしまして、その委員会の中には学識経験者、いろいろの方がおります、そういう委員会現地も御視察いただきまして、あの地点におきます警報標示板につきましては、いま先生からお話がございましたように、現在ございます小坂トンネル手前の、二百十メートル手前にあります標識から七百メートル静岡側に、走向単線でございますが、静岡へ行きます左側でございますが、走向車線の方にF形標識、これは鉄柱で高くなりますが、このF形警報標示板を設ける予定でございます。  それから、日本坂トンネル小坂トンネルの間と予定しておりましたけれども、それよりもむしろ日本坂トンネルトンネル入り口部分の上にそういった警報標示板をやった方がいいのだろうということでその二カ所を現在検討してございます。  以上でございます。
  34. 杉原正

    杉原説明員 先ほどの先生の御指摘は本当に示唆に富む御指摘だと思います。やはり基本的には高速道路、特にトンネルのような危ないところを走行するときに、ドライバー当該情報に出てきた事柄の遵守が期待できる、そういうことを基本にやはり考えなければならないということであると思いますし、またいろいろな通常ドライバー教育の場でもその問題が常に議論できるようなものでなければならないと考えるわけでございます。そういう観点からドライバーに守らせる、守らなかった場合の措置の問題も含めてどういう施設でどういう法的な性格を与えるか、どういう施設、構造のものがいいかというふうなことについては十分道路管理者の方とも相談をして事後の対策考えていきたいというふうに思います。
  35. 原田昇左右

    原田(昇)委員 いまの御答弁ではちょっと私、気がかりなんですが、非常に前向きに御検討いただくようでございますが、警告灯あるいは信号について専門家の御意見をぜひひとつ徴していただいて、十分ドライバーが認識して、それから急停車でまた追突事故が起こったりしたら困りますから十分な時間の余裕を与えて、停止できるような措置をひとつぜひ講じていただきたい。しかもそれを遵守しない場合の法的な制裁ができるように、いまのような道路法による道路の付属物ということでなくて道交法にちゃんと準拠したもので標識を出してもらう、信号を出してもらう、これをぜひやっていただきたいと思いますので、要望しておきます。  それから、次に補償の問題についてお伺いしたいと思いますが、車両に対する保険金の支払いについてはどういうようにお考えになっていますか。大蔵省、保険部長来ていますか。
  36. 松尾直良

    ○松尾説明員 お答えいたします。  今回の被災車両の保険の関係でございますが、被災車両合計百八十九両でございますが、これの保険の関係、損害保険協会からの報告によりますと車両保険が付保されておりますものが五十三台、このほかに運送保険といたしまして三十二件、長期総合保険二件、動産総合保険三件、こういった付保状況でございます。  支払いにつきましては、車両保険につきましてはすでに支払いが開始されておりまして、昨日現在までに十一件、千二百五十一万円が支払われたと報告を受けております。  それから、その他の保険につきましても支払いに必要な準備が整い次第逐次支払いが行われるような体制がすでに整っておるというふうに業界の方から私ども報告を受けております。
  37. 原田昇左右

    原田(昇)委員 保険に入っていないのはどうなるのですか。
  38. 松尾直良

    ○松尾説明員 車両保険に入っていないものにつきまして、これは保険としては支払いのしようがない、こういうことであろうかと存じます。
  39. 原田昇左右

    原田(昇)委員 この保険に入ってない分については、まあ道路公団過失があるのかどうかという議論とも関連してくると思うのですが、どうも新聞報道なんか、七月二十七日の朝日新聞ですか、時間がないから細かいことはよしますけれども、「道路公団にも過失」とか通報がおくれたとか、消防が来るのに非常に手間取ったとかいろいろなことが書いてあるのですが、これについては当然損害賠償請求が出されるのではないかと思いますけれども、これについてどういうように道路公団側はお考えになっているか、お伺いしたい。
  40. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 御指摘のとおり、今度の事故につきましてはへその原因等につきまして警察御当局で現在調査中でございます。その調査の結果を待たないと私たちの方もお答えできにくいわけでございますが、わが道路公団といたしましては、今回の道路の設置、管理に関しまして過失がなかったというふうに考えておりますので、損害賠償をするつもりはございません。
  41. 原田昇左右

    原田(昇)委員 この点については御議論もあるわけでございますけれども、捜査当局がいま捜査中であり、いずれ法廷において明らかになることでございましょうから、ここではこれ以上介入することはやめておきます。その結果によってはしかるべき処置をぜひしていただきたいと存じます。  それから、焼失車両処分の問題について伺いますが、この焼失車両を運搬して、またそこへ私ども行ったときもかなり積み上げてありましたけれども、これを処分することについて処理費用を車両の所有者に負担させるとかいろいろお話があるようですが、これについてはどういうようにやっておられますか。つまり、道路公団が処理を一切代行して、ある程度道路公団処分してやる。もっとも所有者が、おれが引き取ると言うのならこれは別ですけれども、そうでないのはぜひ道路公団で一括処理してもらえないかということをトラック協会あたりが出してきているように伺っておりますが、いかがですか。
  42. 森田松仁

    森田参考人 焼失車両の点につきましては、私どもといたしましてはトンネルの中から一たん路肩その他に排除いたしまして、さらに現在は清水インターチェンジの広場に置いてございます。それで、トンネル内から清水インターまで持ってきました費用につきましては公団が負担することにいたしております。それから、その後の処分でございますが、これにつきましては、所有権を放棄されました方につきましては公団の方で一括処分をいたしております。現在、所有権を放棄されまして公団の方で処分することになっておりますのが六十八名の方でございます。
  43. 原田昇左右

    原田(昇)委員 わかりました。  私は地元に住んでおる者でございますけれども、復旧作業において、ガソリン、重、軽質油などを含んだ排水が河川を通じて流れ出しまして、あの付近の水田とか、さらに河川を通りまして海中に流出するという騒ぎがございました。水産動植物の生育するあの付近は非常にいい漁場になっておるのです。アワビとかサザエ等の重要な養殖場である大崩海岸というところがございますが、そこに相当大量の油が流出したという事故がございます。そこで、この二次災害に対して可能な限り防止しようというのでオイルフェンスをあれしたり、粉をまいたりして、油を除去するのに漁業組合がやりましたのですが、こういった費用あるいは被害の補償について公団側として十分な配慮をしておられるかどうか、またそれを補てんする用意があるかどうかについて伺いたい。同時に水田とかミカンにもかなりの被害が出たと聞いておりますが、これについて十分な補償をすべきだと思いますが、いかがですか。
  44. 森田松仁

    森田参考人 今回の事故に際しまして、消防活動等によりましてオイル等が流出いたしました。これにつきましては、付近の住民の方々を初め地元公共団体あるいは農林漁業の皆さん方の御協力によりまして流出を早く食いとめることができました。感謝いたしておるところでございます。ただいま先生から御指摘の二次災害防止のための費用でございますけれども、これにつきましては、焼津漁港の方からお話があっておると思いますが、そうした費用につきましてはその内容を十分に検討させていただきたい、かように考えております。  それから、先ほどお話しの水産動植物でございますか、これにつきましては直接的な被害というものはなかったと聞いておりますけれども、今後の問題につきましては具体化した段階考えてまいりたい。それからさらに水田あるいは排煙によるミカンの汚染でございますけれども、これにつきましてはそれぞれ実態を調査いたしましてその結果を待って対応していきたい、かように考えております。
  45. 原田昇左右

    原田(昇)委員 この際、特にいまの御答弁のようにひとつ誠意ある補償措置を講じていただきたいと思います。  そこで、この消火作業について地元の消防団が非常に活躍したわけでございますけれども、ああいう長大トンネルにこういう事故が起こるということになると、道路公団がみずから消防をお持ちになるのか、地元の消防にあらかじめ委託されるのかというようなことになろうかと思いますが、恐らく後者の方をとって地元に協力してもらう以外にないのじゃないかと思うのです。  そういう場合、地元の消防団にいろいろやってもらうんですから、施設とか何かについて道路公団があらかじめ買って貸与するとかあるいはお願いしておくとかいうことも必要だと思うのです。地元の消防団の要望も十分聞いていただいて、ぜひそれに必要な措置をおとりいただきたいとお願いするわけですが、その点はどうですか。
  46. 森田松仁

    森田参考人 現在公団におきましては、救急活動につきましては費用の一部を負担する制度が認められております。ただ、消防活動につきましては、現在そういった制度がございませんのでそういった負担はできないことになっておるわけでございます。
  47. 原田昇左右

    原田(昇)委員 いまできないとおっしゃいますが、迷惑がかかるのは地元の消防団なんですから、不眠不休で消火作業に当たっておるわけです。それについての措置を何か考えていただかなければいかぬと思いますが、ぜひ御検討を願いたいと思います。大臣いかがですか。
  48. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 実は私、下り線が全部再開します前に、三十日を予定いたしておりますが現地へ参りまして、そのときに現地の消防団に対しましてお礼を申し述べに参りたい、このように考えております。たまたま機会がございまして、静岡の消防協会の会長をやっておられます松永さんにお会いいたしまして、こういうことをしたい、ついてはただ単に感謝状だけではいかぬ、何かと言うて個人的にお聞きもいたしたのでございますが、消防団というものは精神の問題である、そういった気遣いはかえって困る、一切考えていただく必要はないというふうなお話でございました。ただ、いまお話しになりました消防施設の問題につきましては、御承知のとおり、いま道路の固定資産税に相当する納付金を出すという問題で自治省との間で長い間話し合いをしてきたのでございますが、大体解決ができておりまして、総括いたしまして全国の各関係自治体に対して配分するというような枠も決まっております。そういった面でぜひとも御配慮賜りたい。また、そのときに焼津と静岡の両消防団で、特に自治省の消防に対しまして施設のお願いをしたいというふうな分がございましたなれば、私は担当者でございませんが、同じ政府部内において協力させていただきたいという気持ちでお話し合いをさせていただいた次第でございますので、十分その点で御配慮させていただきたいと思います。
  49. 原田昇左右

    原田(昇)委員 そこで、復旧作業の見通しですが、これはいま鋭意御努力いただいておりますが、大体どういうことになりますか。いつごろ開通できるようになりますか。
  50. 持田三郎

    持田参考人 お答えいたします。  七月二十一日にトンネル内の車あるいは残滓全部を排除いたしまして、二十三日に本体工事の契約を進めまして二十四日から作業に取りかかっております。それで、本体工事と申しましてコンクリートの巻き立ての部分が大分損傷されておりますので、それを早く完成するというような適正な工法をとりまして仕事をやっておるわけでございますが、一応六日にその本体工事は終わっております。それから舗装も大分破損しておりますので、この舗装も七日の朝十時に終わっております。  次に、内部防災施設と申しますか、照明施設とかあるいは消火施設、こういったたくさんの施設がございます。こういったものが八月八日から始まっておりまして、現在実施しておりますが、いろいろ込み入った仕事でございますので、しかもトンネル内という閉ざされた空間でございまして、鋭意突貫工事でやっておりますが、大体九月の初旬ごろまでには完成するのではないかと思います。  以上でございます。
  51. 原田昇左右

    原田(昇)委員 大変御苦労さまでございますが、ぜひ突貫工事で九月初旬と言わずできるだけ早くひとつ開通することを渇望しておりますので、よろしくお願いいたします。  そこで、最後に大臣にお伺いしたいんですが、あの付近は東西交通の要衝でございまして、御承知のように東名高速道が上下線で五万五千両ございます。さらに国道一号線、それから百五十号線というのが通っておるわけです。さらに鉄道はあそこに新幹線と東海道とございます。そこで、道路の方だけでも全体を合わせまして十一万五千台の上下車両があそこを通るということになりまして、この間の五万五千両が東名から外へほうり出されまして大変迷惑したわけでございます。私のうちもあの近くにありますが、夜は眠れないというくらい車両のごうごうたる騒音でへこたれておるわけでございます。  ところで、こういう重要な要衝であるわけですが、たまたま百五十号線のバイパスというものがつい去年開通いたしまして、これも二つトンネルを掘らなければいけなかったのですが、とりあえず一つだけ掘ってあった。これによって救われたと思うのですね。この交通がこれにある程度転換できたということでございます。しかし、国道一号については、バイパスが計画されておるにもかかわらずいまだに着手されていないということでございます。国道一号のバイパスのトンネルができておればもっともっと楽に交通が転換できたと思うのです。  そこで、こういう要衝であり、しかも地震対策特別措置法でも防災強化地域でもございます。いつ何どきどういうことになるとも限りませんので、できるだけ早く国道一号のバイパスのトンネルを——もう計画ができておって、一部別のところは着工しておるのですから、早くトンネルを掘っていただくということがぜひ必要であると思いますし、それからまた百五十号の方も一つしかトンネルができておりませんが、これももう一つできるだけ早く掘っていただくということがこれからの対策上大変大事なことではないかと思うのですが、大臣の御見解を承りたいと思います。
  52. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 実は、私先月十七日東名高速のあの日本坂へ参りまして、帰りに沼津まで国道一号線を走りまして、いかにあの当時の渋滞であるかということを身をもって体験した者でございます。  一号線は現在静清バイパス、宇津ノ谷の拡幅、また岡部バイパス、藤枝バイパスの四地区に分けまして工事を進めておりますが、今回の事故に関しましても、一日も早く全部が完成しますように努力さしていただかなければならないと思います。  また、国道百五十号のバイパスにつきましては、いま御指摘のように、四車線にならずに、さしあたり二車線の供用ということで暫定的に供用をいたしておりますが、この方も計画どおり一日も早く、努力さしていただきたいと思っております。  なお、詳細なことは当局から……。
  53. 山根孟

    山根説明員 お答え申し上げます。  先生指摘のように東名を通る交通で、事故のためにその六五%が実は迂回をしておるわけでございまして、この迂回交通の五〇%が実は百五十号バイパスを利用したということで、そういう意味で大変道路網としての、全体として非常時に役立つということについて実は、代替路と申しますか、そういった場合の機能発揮に大変大きな役割りを果たすということが私どもわかったわけであります。  私ども、より大きくは中央道を、現在日本道路公団がやっておりますが、これは五十六年度までに大体全通をいたします。この中央道の方にかなり長距離のトリップは回ったようでございますので、この点は急いでまいりたい。  それから、ただいま御指摘のありました国道一号につきまして、現在静清バイパス、宇津ノ谷拡幅、岡部バイパス、藤枝バイパス、四カ所の事業を実施中でございまして、静清バイパスにつきましては清水市内六・五キロメートルが供用しております。本年度中には、静岡市内で新安倍川橋を含みます一・四キロの区間は暫定二車線で供用する運びにいたしております。  藤枝バイパスの方は、五十五年度末にこれも暫定二車線で供用を図ってまいろうという見通しになっております。  岡部バイパスにつきましては、すでにバイパス部三キロメートルを二車線で供用済みであり、残りの現道拡幅部は宇津ノ谷拡幅とあわせまして、今後静清バイパスの事業の進捗に合わせまして事業を進めることといたしております。  百五十号につきましては、いま御指摘のありました新日本坂トンネル区間を含めました八・四キロメートルが供用しておりますが、さらに焼津の方が六・二キロばかり残っております。こういった事業。さらに現在暫定二車線で供用いたしております百五十号バイパスの四車線化、こういった点は今後十分調整をとりながら進めてまいりたい、かように存じておるところでございます。
  54. 原田昇左右

    原田(昇)委員 いまの建設大臣の御答弁並びに道路局長の御答弁を多といたします。  とにかく、こういう事故というものは幹線動脈で起こりますと、日本経済の大変な麻痺につながってまいりますので、ぜひとも国道一号バイパス、百五十号バイパスの早期完成を図っていただくように要望しておきます。  では、私の質問をこれをもって終わります。
  55. 有島重武

    有島委員長 次に、太田一夫君。
  56. 太田一夫

    太田委員 では、私から最初公団と公安委員長消防庁、この三者にお尋ねいたしますが、なぜこのような史上空前と言われるような大事故が起きたのか、また大事故になったのか。予想されたことでもあると思いますが、予想されないことであったかもしれない。これについてこの三者は、それぞれ過去を振り返ってみてどのような見解を持っていらっしゃいますか、これをひとつ承りたいと思います。
  57. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 今回の事故原因等につきましては、現在関係各機関におきまして調査中でありますが、事故の結果、国民の皆様方に大変御迷惑をおかけしましたし、また経済的にも少なからぬ打撃を与えましたことに対しまして、まことに残念に思っておる次第でございます。  公団といたしましては、今回の事故を教訓といたしまして火災事故の再発を防止し、その被害を食いとめるため関係各位、関係機関の御協力をいただき、改善すべきところは改善してまいりたいというふうに考えております。
  58. 杉原正

    杉原説明員 お答えをいたします。  今度のこういう大きな事故原因につきましては、現在静岡県警におきまして多角的に原因究明をいたしておるわけでございますが、いずれにいたしましてもこの一番最初事故というのはいわゆる追突によります多重事故でございます。これはスピード等がどの程度のものであったかというようなことも含めて現在究明中でございますが、直接的に考えられますのはやはり車間距離が守られてないということであろうと思います。     〔委員長退席、前田委員長代理着席〕  なお、火災があれだけ大きなものになった事柄の原因につきましては、さらに現在究明中であるということでございます。
  59. 中島忠能

    ○中島説明員 いま警察からお話がございましたように、やはり基本的には車間距離が十分保たれていなかったこと、また「進入禁止 火災」という標示が出ていたにもかかわらず多数の車がそれを無視してトンネル内に進入したことが考えられますが、それ以外にも最近の高速道路上における車両の大型化、その中には可燃物とか危険物が多量に含まれておりますけれども、そういうような車両が最近非常にふえておることとか、あるいはまたトンネル内に設置してあります消防設備というのが有効に機能を発揮し得なかったこと等が考えられます。
  60. 太田一夫

    太田委員 公団総裁、あなた一番責任者だから慎重におっしゃるのはいいが、もうじき一月たつでしょう。まだ原因究明というのはどういうわけですか。
  61. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 原因究明警察の方で行っておりますので、私たちその結果をまだ聞いておりません。
  62. 太田一夫

    太田委員 では公団総裁、伺いますが、警察の見解が明らかにならぬ限りはあなたの方は対策も立てられないということになりますね。
  63. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 日本坂トンネル事故の後、私の方は直ちに日本坂トンネル技術対策検討委員会というものを設置いたしまして、これは学識経験者から成るものでございますが、その方々の御意見をいただきまして、現在、一日も早く復旧をするように急ぐとともに、いろいろな改善の計画を行っております。
  64. 太田一夫

    太田委員 あなたはその原因究明を待って再発防止のために改善すべきものは改善するとおっしゃったでしょう。原因究明というのがどこまでかかるか知りませんが、あなたはいつごろわかると思っていらっしゃるのか。それがわからなければ今度改善対策も手につかぬわけですね。いつまた同じような事故が起きるかわからぬじゃないですか。私は、この事故が単なる偶発的な小さな事件であったというならそれでいいと思うのですね。これだけの大きな事故が起きて、公団としては、まあとりあえずはこういうところに原因があったと思う、だからその点を改める対策としてはかくかくしかじかのものを速やかにやる、そこに出てこなければ後のこれから先の交通というのは非常に危ないということになりますね。安全対策警察庁に任せっきりですか。建設大臣でも結構です。
  65. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 この問題、責任の所在についての検討は現在警察庁並びに消防の方でやっていただいておりますので、この点につきましては、いま公団の方から総裁が申し述べましたようにその結果を待ってということでございましたが、そうでなく、今回の起きた事件をながめまして今後の対策としてどうあるべきかという問題につきましては、いまちょっと答えさせていただいたように、道路公団の方で学術専門家先生方の委員会をつくりまして、現地も見ていただき、復旧作業に対する分はいかにあるべきかということを各点に分けて詳細にやっていただいておる、その報告も私、総裁自身から聞かしていただき、そんな関係で、最初中ごろに再開できるだろうと思っておりましたのが、そういった委員先生方の御意見もございまして、安全だけは十分やらなければいけない、早く開通せねばいけないが安全は十分にやっておかなくてはいけないということで、現在、九月初旬ごろまで再開はかかるであろうというふうなお答えもさしていただいたような次第でございまして、その中には、現在あそこに非常の際における安全施設がありますが、果たしてこれだけで有効であったかどうかという検討もございましょう。また、今回の事故にかんがみましてそういった防災施設以外にも、通行規制の問題とか道路利用者への伝達の問題等も含めまして検討をさしていただき、復旧の工事、そのことを入れまして復旧に急がしていただいておるという状態でございます。
  66. 太田一夫

    太田委員 渡海さんが大臣としていまおっしゃったことはそれなりにわかる。あなたは当該行政官庁の最高の責任者としてそういうことをお考えになっていらっしゃるのはわかるが、公団というのは当面の責任者ですね。その公団総裁、あなたが何ですか、そんな簡単な祝詞じゃ神さまだって聞かれませんよ。いま毎日毎日そこにたくさんの自動車が走っているわけなんで、機能を発揮している道路、それはそのまま生きておるでしょう。殺しておるわけじゃないんだから、再発しないためにはどうするんだということについて、あなた、反省的な何かがなければならぬが、何も反省がないじゃないですか。  一つ聞きますと、これはテレビの報道でありますが、静岡県側の議会の議員か何か現地調査に行きましたつい最近、公団当局は改善策を明らかにされた、こういうことが報ぜられておりますが、何かあなたの方でもう協議されたものがあるのでしょう、この点は悪かったな、あの点は悪かったな、これを直そう。その悪かったなを言うとすぐに自分の方が責任をかぶるかもしれないと思って、いまはそれは原因究明を待って、原因究明を待って。それでは警察庁はたまりませんよね。私は公安委員長にちょっと聞きたかったのだが、きょうはいらっしゃらないから警察庁交通局長でよろしいけれども、あなたは責任を逃れるようなことばかり言っておってはいかぬじゃないですか。もう少し反省的な見解が出てこなければならぬと思いますが、いかがですか。
  67. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 ただいま建設大臣が御答弁されましたように、補償問題等につきましての責任の所在等もございますので原因究明等は警察にお願いしております、こう申し上げましたが、私たち道路公団といたしましても、今回の大事故にかんがみまして、二度とこういうふうな大災害にならないような検討を事件直後から加えております。その結果、先ほど申しました技術対策検討委員会というのを設けまして、広い各層の方から御意見を承っておるわけでございます。その結果、現在の設備でもさらに改善すべきじゃないかという意見が出ております。私が説明するまでもなく、現在の設備と申しますのは国で定められました基準を上回っている設備だと思っております。それをさらにそれ以上のものを、今回は二度とこういう大事故が起こらないようにするために設備を改良するということにしております。  それを申し上げますというと、今回の事故で照明がある時点で全部消えております。それから避難誘導のための誘導灯でございますが、これも消えております。これは電線の回路が焼け落ちたんだろうというふうに想定されますので、これについては焼け落ちないような耐火性の回路を使うようにするということになっておりますし、また回路が一カ所焼けますと全部消えることのないように、八等分と申しますか八つの回路に切りかえるような方策をとったりいたしまして、一斉に全部消えるということのないような方策をとろうということにいま検討しております。  それから、これも事件直後に報道されておりましたが、消防がトンネルの中で消火栓を取りつけようとしたら取りつかなかったという非難を受けております。これは弁解するわけではございませんが、初期のものは、トンネルの中にございます消火栓とかそれから消火器が置いてございます。それでもってドライバーの方が消すようなつもりで計画されております。これは国の基準は全部そうなっております。でございますので、消防のホースそのものが素人でも使えるような細い物でございます。つまり口径が四十ミリでございます。消防隊のお使いになるのは六十五ミリでございまして、これの六十五ミリが取りつけられるのはトンネルの両サイドしかございませんで、中には素人の方ができるようにしかなってなかったのが今回の指摘の問題でございますので、今後は二百メートル間隔に取りつけられるように準備をしております。  それから、避難誘導の標識、これも火災のある段階でもって消えてしまいましたので、これが消えないように、これは自動的に回路が切れても乾電池と申しますか、自動的に点滅するように内部照明の方式をとるように変更しております。  それから、先ほどのときにも議論ございましたように、警報表示板でございますか、「進入禁止火災」という表示板、先ほど御説明ございましたように、現在ある小坂トンネルの二百十メートル手前からさらに静岡寄りの方に、トンネルから七百メートル手前でございますが、それに一カ所とそれから日本坂トンネルに入るところに一カ所、二カ所増設することにいたしております。  それからもう一つは、トンネル内の再放送設備でございます。これは実は今年度取りつける予定でございましたが、不幸にして取りつけが完了しないうちに今回の災害になったわけでございます。これも早速取りつけをやることにいたしております。これは御承知のように、ラジオにこちらからの警報等を差し込むことができるような方法でございます。  以上のような五つの点につきまして、大きなものはこの五つでございますが、これについて改善を行うことにしております。
  68. 太田一夫

    太田委員 それは、よく考えてみるとあなたの御説明公団過失論ですね。国の基準を上回るようなものをつくっていたんだ、しかしこういうことになったんだからこれからさらに改善をするよと、こう言って二、三の点を明らかにされた。だが消防庁の方は、あなたのつくった消防機能というのは有効にその機能を発揮することはできなかったとおっしゃっているじゃありませんか。有効に機能を発揮することができなかったようなものをつくって、なぜ国の基準を上回るようなものがあったと断言できますか。この点はどうですか。
  69. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 国の基準と申しますのは、昭和四十二年の鈴鹿トンネルにおきます火災事故を契機にしましてつくられたものでございまして、道路公団もそれをもとにしましてつくられておるわけでございますが、先ほど申しましたように日本坂トンネルにつきましては国の基準を上回った設備をしておることは事実でございます。  申し上げますと、一つはただいま問題になっております水噴霧器、これは望ましいというふうにたしか表現してあると思いますが、これを設置してございます。それからテレビカメラ、これは決めてはございませんのに設置しているわけでございます。消火の国の基準そのものを申しますと、スプリンクラーというものを設置する義務を置いておりませんで、初期消防は本質的に消火栓と消火器でやるというのを原則にしているのではないかと存じます。私どものスプリンクラーそのものは火を完全にとめるという機能があるかどうかは非常に疑問でございまして、小さな火についてはとめることができるかと思いますが、火勢を大きくしないことと類焼を防ぐのが主たる目的のようでございまして、初期において消防隊が到着するのは恐らく二、三十分はかかるかと思います。今回はもっとかかったようでございますが、それ以前にドライバーの方が消火器と消火栓を使って消すというのがどうも原則になっているのじゃないかと存じます。と申しますのは、日本道路公団は過去におきまして二十のトンネル内の火災を経験しております。そのうちスプリンクラーが始動して消えたというのは一カ所でございまして、あとは全部ドライバーの方が、火災のすぐ直後だろうと存じますが消火栓なり消火器を用いまして消しているというのが事例でございます。今回のようなまことに不測の大災害になりましたことは、予想を超えた大きな火災が同時に——同時というのは大変語弊があるかもしれませんが起きまして、スプリンクラーで火勢をとめることも静めることもできないうちに何らかの大きな火災に発展したのではないかというふうに私は推測しております。
  70. 太田一夫

    太田委員 それはスプリンクラーは、けさのNHKのテレビの放送によれば、途中で放水を中止をしたかないしは故障で中止になったか、スプリンクラーの放水は中断しておるそうですね。そんなことがあったとけさのニュースでは報じておりましたよ。あなたの方は基準を超えておる、基準を超えておるとおっしゃるが、消防庁の方ではその機能が発揮できなかったんだというならば、形だけのものじゃありませんか。基準というのはあくまでも最高じゃないでしょう。最低でしょう。上回っておるということは、あなた何ら自慢になりませんよ。しかも機能を発揮できないような設備で何が上回っておるのですか。公団に大きな責任があることは明らかじゃありませんか。大臣どうですか、公団に責任が相当あると私は思う。消防庁でさえも、消防機能を完全に発揮できるものではなかったということをいま証言なさったじゃありませんか。国の基準を上回っておる、上回っておると言うが、国の基準なんて最低のものです。大臣どうですか。
  71. 中島忠能

    ○中島説明員 総括的な御説明で十分意を尽くさなかった点がございますのでもう一度この際詳しく申し上げておきますが、初期の段階で消防設備が十分機能を発揮し得なかったというふうに申し上げましたことにはいろいろな意味がございます。一つは、やはり何といいましても当初予定されておりましたような事故の規模に比べましてはるかに大きな事故の規模であったということがございます。第二番目に、焼津消防署への連絡がやはりおくれたということもございます。その焼津消防署に連絡がございましてから焼津消防署が駆けつけるまでに、高速道路が非常に混雑しておったということもございます。また、消火器とか消火栓というのは運転者に使っていただくように設置してあるわけでございますけれども、運転者がそれを十分に、特に消火器についてはお使いになった形跡がないというようなこともございまして、私が申し上げましたように初期の段階において消火活動が十分行われていないということでございます。
  72. 太田一夫

    太田委員 それはそれでいい。  公団側はどうですか。一応だれかもう一遍返事を……。
  73. 持田三郎

    持田参考人 先ほど総裁からお話がございましたように、公団としましては国の基準を上回る施設を設置したわけでございます。なお、先ほど総裁からの説明ではちょっと落としてございましたが、避難誘導坑というのも日本坂トンネルには三カ所つくってございます。これは鈴鹿トンネルの後の基準にはございませんでしたが、公団ではそういった三カ所の誘導施設をつくってございます。  なお、初期消火につきましても先ほど消防庁の方からいろいろお話がございましたが、私どもの方では、コントロール室で作動する一つの方法と申しますか、これについては一応マニュアルにのっとってやったわけでございまして、しかし大事故でそういった施設が壊れたということにつきましては現在検討委員会でいろいろ検討されておりますが、そういったものを反映させていきたいと考えております。
  74. 太田一夫

    太田委員 じゃ総裁、なぜ焼津消防署の方への連絡がおくれるような中の取り扱いになっておるのですか。そこにおいて、火災が起きたときにはどこへ連絡するということがわかっておるならば、何で静岡の方にいって、目の前の焼津の方にいかなかったか。それが救出や後の対策をおくらせた最大の原因一つですね。何がある、これがあると言っても、設備が何の役にも立っていないでしょう。第一、訓練ができておらぬでしょう、公団に。
  75. 森田松仁

    森田参考人 今回の事故発生に際しましての消防関係機関との連絡についてでございますが、私ども、今回事故発生後、静岡消防署に対しまして十八時四十分に出動要請をいたしております。これは静岡、焼津両消防署におきまして、下り線静岡消防署、上り線は焼津消防署ということで担当区域の協定がなされております。したがいまして、それに基づきまして、公団静岡消防署に対しまして出動要請をいたしております。その後、火災状況を踏まえまして焼津消防署にも出動要請をいたしました。そういうことでございます。
  76. 太田一夫

    太田委員 下り線静岡側にあるのが本当であって、そういう協定だ、だから焼津消防署への連絡がおくれたのじゃなくて、焼津消防署へも後から連絡をしたということですか、その協定を破って、あなたの方の判断で。
  77. 森田松仁

    森田参考人 先ほど申し上げましたように、その協定では下り線静岡消防署、上り線は焼津消防署、こういうことでございます。したがいまして、まず静岡消防署に出動要請をいたしております。
  78. 太田一夫

    太田委員 それじゃ、消防の方に聞きます。  あなたの方は、下り線静岡が担当し、上り線は焼津が担当することになっていたのだから、今度の場合、焼津側で火災発生しようと静岡の方が駆けつけるのが本来のたてまえ、約束である、そういう公団との約束はできておったのですか。
  79. 中島忠能

    ○中島説明員 静岡と焼津の両消防本部の間でそういう取り決めがあるのは事実でございます。私たちの方から申し上げますと、こういう大事故の場合には、そういう取り決めがありましても、できるだけ焼津消防本部の方にも御連絡いただければと考えております。
  80. 太田一夫

    太田委員 静岡と焼津との間にそういう協定があったとしても、公団として見れば、あなたの方は中の状態がわかるような装置を何か持っておったと先ほどおっしゃったのだから、焼津側の目の前であるものを静岡の方に連絡をして、そんな間の抜けた対策を講じておるなんということは、どう考えても管理者として善良な注意を払ったものとは言えぬじゃないですか。しかも、管理者は、その終わりごろになって送らぬでもいい風を焼津側から送ってとまっておった火事を再発させたり、やることなすこと、あなたの方は何か災害訓練のようなことをやっていたわけですね。犠牲者はたくさん出ましたよ。  こんなことばかりやっておると時間がなくなってしまう、ほかの問題もやらなければならぬが、大事な点ですから。警察の方の原因究明を待つといっても、警察だって断定できない。杉原さん、近いうちに原因を断定できますか。裁判か何かに持っていかなければならぬようなことが起こるのじゃないですか。
  81. 杉原正

    杉原説明員 断定ができるかどうかの問題も含めて、現在鋭意捜査中でございます。
  82. 太田一夫

    太田委員 頭のいい人にはかなわぬ。  もともと公団静岡県の警察との間には、地震対策等をめぐってともすれば出勤、災害対策等にすき間ができておったといううわさがありますね。これはうわさだが、そういうようなことも今度の場合に非常に影響しておるのじゃないか。大臣、答弁は要りませんけれども、そういう世間のうわさなのです。気をつけてくださいよ。  公団さんは何もかも逃げようとするけれども、大体この道路は、県道、国道ではないでしょう、公団道路でしょう。通行料を取って通らせていらっしゃるでしょう。もうちょっと通る人に対して責任を持ってもらわなければいかぬ。これは後で損害賠償のときに聞きますけれども、他人の、建設省道路局直轄の国道一号線で何かあったときのようなことをあなたの方が言っていらっしゃったのではまずい。あなたの方は自分の道に、約款に基づいて通行料を取ってそこの交通を認めていらっしゃるわけだ。「進入禁止」を破って入ったからけしからぬとか何だかんだ、あんなことは二次的、三次的な問題じゃありませんか。  時間がなくなってくるからいつまでもその問題にこだわっているわけにいきませんから、そこらは一応それだけにしておきます。  消防庁の予防課長さん、あなたにもう一度伺いたいことがありますが、あなたの方は、今後の安全対策としてどうすべきだとかいう意見がまとまっておりますか、まだ御検討中でございましょうか。まとまっておるなら、まとまったものを発表していただきたい。
  83. 中島忠能

    ○中島説明員 私たちの方では、両消防本部から話を聞くとともに、また現地視察いたしまして、その過程におきまして気がついたことといいますかこのようにされた方がよかろう、こういう不測の大規模な災害に対処できるのじゃないかということで、公団側あるいは建設省側に随時お話は申し上げております。  そのことを取りまとめてお話し申し上げますと、施設面につきましては、先ほどからいろいろ議論がございますように、「進入禁止 火災」という標示がございますが、それを増設、改善していただきたいということがございます。第二番目には、避難通路の話が出ておりましたけれども、煙の充満した中でも避難通路を避難者が十分識別できるような特別な装置をつけていただきたいということ。そしてまた、先ほど公団総裁からもお話がございましたけれども、耐火電線を用いてトンネル内の配線というものに熱に対応できるような能力を付与していただきたいということ、あるいはまた、今度の事故に関しましても、両消防本部で大変苦労したようでございますけれども、消防水利をいまよりも十分確保していただくようにお願いを申し上げております。  また、先ほど話が出ておりましたけれども、消防隊専用の放水口というのをトンネル内に少なくとも二百メートル間隔ぐらいに設けていただきたいとか、あるいはまた、今回の場合、焼津、静岡両消防本部の間でトンネルをはさみまして相互の連絡ができなかったようでございますから、トンネル内にそういう連絡のためのケーブルを設けていただきたいというようなお話を申しておりますが、それ以外にも先ほど申し上げましたように消防機関と十分連絡していただきまして、消防機関がいざという場合に活動できるようにふだんからの緊密な連絡というのをお願い申し上げております。
  84. 太田一夫

    太田委員 避難道路の問題はちょっと気になりますね。確かに三カ所か何かあるということはそのとおりでしょうけれども、長いですね。非常に長い距離でありますし、そこにいまの電気が消えてしまってわかるはずないから、一人の運転手はその避難道路入り口を通り越してなお東に進んで倒れて死んでおりましたね。それは電灯の線が耐火度が低かったとか、それが消えた後に避難道路入り口とかあるいは安全灯の点火ということがなかったことは残念ですけれども、公団総裁に私は言っておきますが、余り国の安全基準、国の安全基準なんて振り回さないでほしいと思う。これはまた後で別な角度からやることですが、あれで何も役に立たなかった。  そこで、警察に伺いますが、交通局長、先ほどの原因の中に、車間距離スピードとおっしゃったね。スピードの制限を守らせるためにはどのような手をいまとっていらっしゃるのですか。
  85. 杉原正

    杉原説明員 高速道路スピード遵守関係につきましては、高速隊によりますパトによります追尾、それからレーダースピードメーターというふうなものを使いましての取り締まりの問題があるわけでございます。それからさらにスピードにつきましては、特に高速道路での走行時のドライバーに対します一般的な注意の喚起あるいは更新時等にそういう事柄の周知徹底に努めるというふうなことがございます。高速道路で年間に十四万二千件程度のスピード取り締まりをやっておりますが、これが高速道路取り締まりの中の大体四二%を占めておるという状況でございます。
  86. 太田一夫

    太田委員 これは私が申し上げるまでもなくて、高速道路スピード制限というのは、最高スピードはトラック八十キロ、バス八十キロ、乗用車百キロでございますね。ところが現実を見てまいりますると、そんなもの、スピードを守っているものは微々たるもので、皆オーバーしておりますね。しかもそのオーバーの態様を見ますると、百キロのスピードで走る乗用車に八十キロのトラックが追尾、接近をする、非常に異常接近をしてニアミスするわけですね。それはハイヤーの運転手さんから見たらこわくてしようがないですね。百キロで走っておるところへ百二十キロぐらいで来てすぐそばまで近接される。こわい。逃げようとすれば百二十キロで追い越さなければいけない。こわい話でございますよね。それが見逃されて常態化しておる。今度の場合でもそうでしょう。もうそれは乗用車がもぐり込んで発火、爆発したのが火事の原因ですけれども、それは後ろからトラックはどんどん押してくるから乗用車というものは後ろを意識する。前より後ろを意識することが非常に多い。とにかくなぜ八十キロのトラックが百キロの乗用車を追い越すんですか。この態様を見逃していらっしゃったと同じ状態にしておかれたのは、交通局長いかなる理由ですか。
  87. 杉原正

    杉原説明員 お答えをいたします。  場所によって違いますけれども、車種で最高速度を変えていることはないと思います。ですから最高速度を百キロに抑えているところについてはすべて百キロ、八十のところでは八十ということで、車種間で最高速度を変えているというのは高速道路ではないと思います。  ただ、いま先生おっしゃいましたように、トラックと乗用車の問題、これはもう通常のあれでございますが、確かにトラックというのはあれだけの重量と大きさのものであれをいたしますので、これの違反行為というのは大変に大きな危険をもたらす。そこで私どもの先ほど申しました十四万件のスピードの違反の取り締まりというのは、そういうトラックによるものが非常に多いのでございますけれども、これをどうするかということにつきまして、車線が非常に多ければトラック専用の車線を設ける、したがって車線変更を禁止するというふうなこともできますけれども、二車線程度のものでありますと、これの分離というのが事実上非常にむずかしいということになるわけでございまして、そういう意味では特に高速での走行の厳守、車間距離、これはもうトラックの問題も含めまして、これの徹底について先ほどのような体制でやってはおりますが、さらにこれはいろいろなPRの問題も含め、あるいは現場のいろいろな警告板等の問題も含め、あるいは指導取り締まりの問題も含め、これからも集中して力を入れていかなければならぬというふうに考えております。
  88. 太田一夫

    太田委員 局長、あなたは先ほど変なことを言われたが、車種間でスピードの差をつけておることはないとおっしゃったけれども、施行令二十七条の二か何かにあるじゃないですか、これは。
  89. 杉原正

    杉原説明員 どうも失礼をいたしました。私申しましたのは、バスと乗用車、これが百で、トラックが八十、こういうことでございます。
  90. 太田一夫

    太田委員 そうでしょうね。それでいいです。だから八十キロのトラックが百キロの乗用車を追い越すなんということは高速道路であり得るはずがないということです。それを道路公団も別に規制はされない。警察もパトカーとかおっしゃるけれども、パトカーでそれを追い越してとめてどうするなんて危なくてできないでしょう。だからどうしてやるかという重大問題がこれから残りますよ。そのことを私は言っておる。したがって悪質トラック、ノルマトラックの百何十キロという猛烈スピードによる被害というのがあっちこっちに起きておることは事実だ。これは何とか取り締まってもらわなければ困ると同時に、今度の場合もそれが起きておる。  そこでついでに聞きますが、この間も大型トラック同士の追突がありましたが、火事になりませんでしたね。日本坂トンネルで火事になったのは、あの間にサンドイッチされた乗用車のガソリンに引火したんですね。ガソリンタンクが破れて、そしてガソリンが漏れて火花が移ってということでしょう。そうすると、とにかくガソリンを積んでおる乗用車にディーゼルの、軽油のトラックが追尾してこれをぶっつけたりなんかすることは実に危ないことですから、この取り締まりはとことんやってほしいと思う。あれがトラック同士だったら何も起きませんよ、あの出口のときに。トラック同士だったら、トラックが壊れるだけですよ。運転手さんが少々けがするくらいで何も大したこと起きませんよ。ガソリン積んだ乗用車があったからだ。スピード規制ということをこれから本当に考えてくださいね。  そこでもう一つお尋ねしたいことは、先ほど原田さんのお尋ねに対しておっしゃった「進入禁止」という標示板道路公団としてもそれはあくまでも告知板でありますから規制力がない、何とか規制力を持たしたいと思う、そういうふうに警察お答えになったように私も思いますが、いいことだと思うのです。場合によってはストップの交通信号そのものを高速道路に導入するということはお考えになっていらっしゃいませんか。
  91. 杉原正

    杉原説明員 ああいうケースにつきましてやはり信号、いわゆる道交法にいいます信号機の設置の問題も含めまして、要はやはりドライバーというものが一般的に当該情報というものを遵守をすることができる法的な性格も持つ施設でもあり機能でもありというものでなければならないだろう、そういう観点から私どもこの問題について積極的にこれから検討していきたいというふうに考えております。     〔前田委員長代理退席、委員長着席〕
  92. 太田一夫

    太田委員 積極的に考えていただくということはわかりますが、「進入禁示」の標示板が点灯いたしましたらば、いままで別に標示なかった信号灯が点灯して赤になるとか黄になるとか、これは追突防止の手続が必要ですから、措置が必要でございますから、それは配慮しながらやる必要があると思うね。連動装置が必要じゃないか。そういうことはこれからのことですが、ひとつ考えてほしいと思うな。警察庁が出ないとやれぬというのは残念なことだと思いますが、あなたの方の出番ですね、交通局長さん。本当ですよ。あなたの方の出番ですよ。しっかりやってください。  運輸省にお尋ねしますが、自賠保険はどのように適用されるということでしょうかね。先ほどからお聞きしますと、数字をちょっとおっしゃったようですが、どうなっていました。
  93. 飯島篤

    ○飯島説明員 本件事故につきましての民事責任の帰属につきましては、今後の詳細な調査結果を待って判断されることとなると考えられますが、現在までの情報等によりますと、死亡者を出しました衝突事故関係した六台の自動車につきましては、車間距離保持不十分等の過失がありまして自賠法三条ただし書きの免責事由の立証は困難であると推定されますので、自賠責保険の支払いにつきましては、これは六台の自動車相互間の共同不法行為が成立するものとして取り扱うこととなると考えております。  なお、関係の保険会社間におきましても同様の考えで自賠責保険の取り扱いをすることに合意がすでになされておりまして、事務処理を進める旨の連絡を受けております。なお、被害者から問い合わせがあった場合には保険会社ではその旨を教示いたしておる由であります。
  94. 太田一夫

    太田委員 死亡者に対しては、そういう自賠保険は共同不法行為の適用ということで解決すればそれでいいわけですね。それが常識でしょう。  焼失車で任意保険を掛けていない単がありますね。この車というものは先ほどからの話だと何ももらえないような話ですが、これは大蔵省、運輸省どちらがお答えいたしてもよろしいが、車体保険を掛けておりませんと何もなりませんか、今度焼失しても。
  95. 松尾直良

    ○松尾説明員 ただいまお尋ねの件で運輸省の方からお答えをいたしましたのがいわゆる第一現場と言われております六台の追突事故関連しました自賠責保険の関係についてでありますが、なお、それ以外の焼失車両についてのお尋ねかと存じますが、車両自体につきましては車両保険に付保されておるものについて車両保険の支払いがすでに開始されておるということは先ほど原田先生の御質問にお答えしたとおりでございます。車両保険自体につきましては付保されていないものについて車両保険が払われるということはあり得ない話でございますので、その意味で、これも原田先生に付保されていないものについて保険として支払われるということはありませんというふうにお答えいたしたわけでございます。
  96. 太田一夫

    太田委員 積み荷保険に入っているものはありましたか。
  97. 松尾直良

    ○松尾説明員 先ほど車両保険を中心にお話し申し上げましたが、そのときに運送保険三十二件というのを申し上げましたが、百八十九両のうち三十二件運送保険が付保されております。主な事故物件は、種々あるようでございますが、金属製品であるとか生鮮魚介類とか、荷物自体はいろいろあるようでございますが、三十二件運送保険には付保されておるというふうに聞いております。
  98. 太田一夫

    太田委員 そうすると、それ以外の単というのは荷物も車も何もかも焼かれ損ということにいまのところなりますね。そこで、公団の責任云々が出てきて民事上の損害賠償ということがこれからいよいよ本舞台になるという、これはおもしろいですね。公団さんはそこで真相に直面していかなければなりませんが、先ほど来の答弁じゃ私はちょっと通らないような気がするが、当委員会は裁判所じゃありませんから、私はそういうことには触れないでいきます。  これは運輸省にお尋ねしますが、そうすると、保険料、税金等、その車がなくなってしまうと、これから何年か保険を掛けていたわけで保険料を先払いしておりますから、そういうものは一応契約失効ということですか。日割り計算か何かで払い戻しするものはあるわけですね。何が払い戻しされますか。
  99. 飯島篤

    ○飯島説明員 今回の事故トンネル内で焼失いたしました被害車両につきましては当該保険契約自体が意味をなさなくなるということでございますので、保険契約は失効いたすことと相なります。この場合に契約者には自賠責保険約款の定めるところによりまして未経過の期間に対応する保険料を返還いたすことに相なります。
  100. 太田一夫

    太田委員 未経過保険料だけですか。税金は返りませんか。
  101. 飯島篤

    ○飯島説明員 税金は当方の方で承知いたしておりません。
  102. 太田一夫

    太田委員 要請しておりませんで済みませんでした。運輸省と大蔵省がいらっしゃれば、皆返事がしていただけると思っておりましたが、取る方は大蔵省がお取りになってもなかなか返す方のことじゃ担当でないとおっしゃる。それではそれはまたにしましょう。  最後の質問に入ります。  国鉄さんにちょっと。日本坂ではありませんが、丹那トンネルという八千メートルぐらいの長いトンネルが新旧ありますね、東海道線と新幹線。それから、下関−門司間における関門トンネル、海底トンネルも営業を行っておりますが、こういう交通量が多くして長いトンネルというのは、日本坂トンネルのような事故によく似たようなケースが起きる可能性もあるのではないか。たとえば車両火災等が起きたときに、乗客は逃げ惑うことになって、ガス窒息等で大量死亡することを予想せねばならぬのか、それともその場合には絶対にそのようなことをさせないような対策が講じられておるのか、この点についてお答えをいただきたい。
  103. 山之内秀一郎

    ○山之内説明員 国鉄の火災対策についてお答えいたしたいと思います。  先生指摘ございましたとおり、私ども日本坂トンネルよりも長いトンネルを数多く持っておりますし、トンネルの中の火災事故という意味では、道路よりもむしろ私どもの方が、変な意味でございますが過去にいろんな経験がございまして、一番大きかったのは最近、四十七年の十一月六日だった思いますが、北陸トンネルで客車、列車が夜中に燃えまして、三十数名の方が亡くなられたという痛ましい事故がございました。その後、この種の事故を何とか防ぎたいということでありまして、いろんな専門委員会をつくりまして、設備の面、それからやはりああいうところにとまってしまうというのは非常に問題だということも含めまして、火災が起きた場合には列車は極力トンネルの外に出るということのような方針の変更等を含めまして諸般の対策を立てまして、ほぼ完了いたしましたし、全国的にも、先ほど先生から御指摘ございました丹那トンネルあるいは関門トンネル等を含めまして同じような基準で対策をとってまいっております。  今年になりましても、まだ工事中ではございますが、大清水トンネルで非常に大きな痛ましい事故が起きましたので、現在、そういった工事の途中でああいうことが起きないように、それからまた、大清水トンネル、数年後には開業いたすと思いますが、かつてない、また長いトンネルになります。その後には青函トンネルという非常に長いのが控えておりますので、最近の事故を含めて再度再検討を部内でいたしておりますし、また道路トンネルと鉄道トンネルとでは起きる事故の形態やら、その後の火災の様相もずいぶん違うと思いますけれども、今回の日本坂トンネル火災事故というのは、私ども同じ交通機関としては非常に関心のあるところでございまして、現在もいろいろな新聞記事等のニュースを集めながらいろいろと検討しておりますし、道路側その他の調査がわかり次第、またいろいろな対策を参考にさしていただきまして、鉄道トンネル火災にも万全を期しておる次第でございますので、よろしくお願いいたします。
  104. 太田一夫

    太田委員 国鉄さんについては、いま現在問題があるわけではありませんから、私はさらに細かい話は省略をいたしますが、あのトンネルには常に安全灯というものがあるかないか、暗いトンネルでもしものときを考えたときには、乗客は列車が通り抜ければいいが、とまった場合に避難はできがたいであろうと思いますと非常に心配があります。一つの例として、これもまたよき手本とされて、改善対策を急いでくださるよう望んでやみません。  終わります。ありがとうございました。
  105. 有島重武

    有島委員長 次に薮仲義彦君。
  106. 薮仲義彦

    薮仲委員 私も日本坂トンネル事故についてお伺いいたします。  私は、高速道路交通安全についてはきようで三回目なんです。前回の交通安全対策特別委員会並びに災害対策委員会で、高速道路上の安全走行、これについてはもっとしっかりやらないと大きな事故が起きますよと何回も指摘してきました。特にその中で、トンネル内における事故は危険ですと。今回その指摘したとおりの事態になりましたので、改めてきょうは一つ一つの事柄について確認いたしますから、時間が限られておりますので明確にお答えをいただきたい。特に私は地元の人間でございますから、細かいことを御説明いただかなくても、皆さん方よりも何回も見ておりますから、ある面では私の方が知っている部分がございますから、ポイントだけお答えいただければ結構でございます。  まず最初に伺っておきたいのは、高速道路上の交通規制並びに標識、これについては私は前回にも指摘しましたように、一般道路上における交通標識あるいは交通規制よりも非常に危険が伴うから高速走行上のドライバーに対して周知徹底の方法については慎重であり、かつ適切な方法を講じなさい、これまた再三再四申し上げました。現在の高速道路上の交通標識あるいは交通規制というものが高速走行中のドライバーに対して安全を保持できるように指示できておるかどうか、この辺からお伺いをしたいわけです。ドライバーに現在の標示の仕方で的確に、しかも十分安全を確保しながら危険を予知できるような交通標識あるいは交通規制の方法になっておるのかどうか、この点を警察庁公団にお考えをお伺いしたい。  それと同時に、その前にちょっとお伺いしたいのは、高速道路上のいわゆる標識あるいは規制のあり方について警察庁はいまのままでいいとお考えなのかどうか。と同時に、この責任は一体どちらがお持ちになるのか、標識のあり方は警察庁は責任がないのか、それとも公団側の一方的な責任なのか、双方の責任なのか、この点についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。
  107. 杉原正

    杉原説明員 高速道路での交通管理に関連をいたします各種のいわゆる標識の問題でありますが、狭義の意味の標識もありますし、広い意味でのいわゆる情報板的な標識もあるわけでございます。  現在のいわゆる高速道路の果たしております役割り、それから特にそれだけに交通安全問題というのは非常に重視をされなければなりません。そういう意味でいまの高速道路交通管理にふさわしい形に全部なっておるかどうか、あるいはトンネル走行方法等もそれに対応してふさわしい標識等の設備があるのかどうかということにつきましては、いまのもので決して十分であるとは考えておりません。個別的にいろいろ改善をしていかなければならない問題がかなりあるように考えております。
  108. 薮仲義彦

    薮仲委員 責任はどっちが持つのですか。
  109. 杉原正

    杉原説明員 責任の意味合いでございますが、標識についての責任、標識を立てているその問題についての責任ということでありますと、その標識の設置権がそれぞれ全部違うわけでございますので、それに対応して責任を持っていく、こういうことになるんじゃないだろうかと思います。
  110. 持田三郎

    持田参考人 お答えします。  公団としましては、交通情報板ということでドライバー情報を教えるというようなことでやっております。ただ、先ほど先生お話ございましたように、東名の中におきましては情報板がまだ少ないというようなことがございますので、こういったものも充実して、情報提供を密にしていきたいというふうに考えております。
  111. 薮仲義彦

    薮仲委員 公団さんも余り明確にお答えにならないのですが、この標識について道路管理者としてこれでいいと思っているか悪いと思っているか、大臣いかがでしょう。
  112. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 今回の事故が起きました後の技術検討をやっていただいております問題以外にも、政府内に、そういった問題を関係各省ともあわせ協議していただきますために、交通安全の分は総理府の方で音頭取りをしていただいておりますので、危険を防止するための交通規制とか、そういった分もあわせて検討していただくようにお願いをして事務的に連絡をさせていただいておりますが、いま警察とわが方と両方に御質問がございましたように、問題の一つとして挙げていきたい。私は、もっとたくさん、間違いなくドライバーの目に入るような姿に改善すべき点もある、そのように考えております。
  113. 薮仲義彦

    薮仲委員 では具体的にお伺いしましょう。  私は必ずしもドライバーに対して適正な標示にならない、こういう判断から申し上げますが、まず第一点、何回も言いますように標示板の数が少ない。総裁も今度ふやすとおっしゃるけれども、現在あるのは、総裁も御存じでしょうから確認のために言いますと、インターとインターの間に一カ所、インターの手前五百メーターに一カ所、トンネルの前に一カ所、大体こういうところです。  私は前から言っていますように、八十キロないし百キロで走っているドライバーが、一カ所の標示板で的確にそこに掲示されている内容を読み取れるかどうか、今度総裁は御自分で運転してやってごらんなさい。しかも、今度の日本坂トンネルの場合には、正式に申し上げますと「進入禁止」の標識はございません。御存じですね。ありますのはその一歩手前小坂トンネルですが、しかも走行中のいわゆる追い抜き車線側にあるのです。追い抜き車線を大型のトラックが走って、走行車線を普通乗用が並行して走った場合にはドライバーにはこの標識は見えないのです。これはドライバーの責任と言えるかどうか。私は、大臣、道路管理者として責任あると思うのです。左側にもありました、その標識を無視してお入りになったという御答弁が何回か出てきた。私は必ずしもそうではないと思う。標識も見えずに入った方もいらっしゃる。これはやはり管理者として反省しなければならない点。  しかも、正確に言えば、「トンネル火災 進入禁止」、この二行が出ておった小坂トンネルを通行してみたら、小坂トンネルの中は火事がなかった。日本坂トンネルには何にも標識もないから突っ込んでいってしまった、こういうドライバーの方はたくさんいらっしゃるはずです。この問題は警察庁検討なさるでしょうから細かく言いませんが、きょう私が指摘したいのは、さっき総裁日本坂トンネルにもつけますとおっしゃった、ただつけるではだめなんです。両側につけるとかあるいはもっと手前の方から危険を予告しなければだめなんです。そんな一カ所だけで、トンネルの前にあったことでドライバーに徹底しましたというのは余りにも無責任過ぎるのです。一キロあるいは二キロ前から、火災ですよ、入ってはいけませんということをドライバーに周知徹底させればあれほど突っ込んでいくことはなかった。この点は非常に大きな問題。  しかも、私は、標示の方法をいつも指摘しているとおり、ただあそこに文字だけで出ることはいけませんよ。しかも、地震のときには停電します。停電したら標示は——あそこのトンネルの前のものは大丈夫になっているそうですけれども、実際はトンネルの中の一切の避難路は消えてしまったということがいまも出てまいりました。  このように単なる標示だけではなくて、やはり危険に対しては、人間が反応するのは目で見る光です、あるいは耳で聞く音です。火災のときにはあの消防自動車の音というのは、われわれ非常に危険を感じます。あるいは目によって、赤が点滅するとか異常事態発生というような形になってくれば、ドライバーもああこれは危険だなと理解の仕方が違うと思うのです。そういう点から、私は今度の標示のあり方が必ずしも道路管理者として適切ではなかったと思うし、私が前から言うように、高速道路上のドライバーに安全を確保させるために交通規制上も必ずしも十分ではなかったと思うのです。この点の責任をいかがお考えか、総裁と局長と一言で結構です、時間がありませんから簡単にやってください。たくさん聞きたいことがあるのです。
  114. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 日本坂トンネル手前小坂トンネルのさらに二百十メートルのところに、先生指摘のように「進入禁止 火災」という非常に大きな標示が出ておりまして、それは赤ランプ二つと黄色ランプ一つが点滅するようなかっこうになっております。御指摘のように大型のトラックがおおむね並行してなかなか見にくいかと存じますが、そういうケースは今回あったかどうか私も存じませんが、従来それで十分ではないかというふうに判断してつくったわけでございますが、今回、事故の後、学識経験者の方からもかなりその点についての御指摘がございましたので、先ほど答弁させていただきましたように、さらにその手前静岡寄りの方に、五百メートル手前に、今度は左車線の方にオーバーハングするようなかっこうで一基と、それから日本坂トンネル入り口のところにやはりオーバーハング状に一基つけるということにしたわけでございます。
  115. 薮仲義彦

    薮仲委員 音はどうですか。
  116. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 やはり音についても、先生と同じように諸先生からも御指摘がございましたように、今回はサイレン等をつけまして高音を発するようにしたいというふうに考えております。
  117. 薮仲義彦

    薮仲委員 局長、いかがでしょう。
  118. 杉原正

    杉原説明員 いま公団の方で技術的にいろいろな検討を進めておられるその委員会の中に私どもの方も参画をさせていただいております。同じような交通安全というのを基本に据えてこの問題にわれわれも参加をさせていただいておるということでございます。
  119. 薮仲義彦

    薮仲委員 では次の問題。  トンネル内には避難路が三カ所あるのですが、総裁がいわゆる耐熱のケーブルをつくって火災によっても避難ができるようにいたしますとございました。これはそれだけでは不十分なんです。実際、煙に巻かれてごらんになればおわかりになると思うのです。  ただあの発光も、もっと避難していく人がわかるような閃光の、いわゆる黄色であるとか赤であるとかのフラッシュで、しかもこちらの方向ですということが正確にわかるように誘導の方法を、単なる耐熱性のケーブルではなくして発光あるいは音、アナウンス——中にはアナウンスが何もないのですから、テープレコーダーを回してこちらへいらっしゃいとか、そういうことはやろうと思えばできないことはないのですから、そういうことによって——しかも、無人地帯におけるドライバーを安全に誘導しなければならないということを前提にすれば、やはり声であるとかあるいは発光の物体を置くとか、適確に避難誘導路へ誘導できるようにすべきだと思うのです。ただ総裁の言うように、それを耐熱性のケーブルにして、火災の場合も消えませんなどというようなことだと、実際にあそこで火災に遭ったことを想定したときには全然事態が違うのですから、それに対する改善はどうなさいますか。
  120. 持田三郎

    持田参考人 お答えします。  ただいま先生がおっしゃるとおりに、避難坑の直近に避難路という大標識の照明板をつけまして、その上部に黄色のいわゆるフリッカーと申しますがあれをつけます。それから各区間、要するに三つ避難坑がございますので四ブロックになりますけれども、四ブロックの壁に内照式の、トンネルまで何メートル、それから矢印の方向、これを考えております。それからなお、避難坑は、下り線側につきましては追い越し車線上り線につきましても追い越し車線でございますが、その対面、要するに追い越し車線の方に大型トラックが入りますとなかなかわからないというようなことがございますので、対面の走行車線の方にも同じような内照式の照明設備をつくりまして、これはやはり上に黄色い照明をつくって、そして矢印でその前に避難坑があるというようなことを一応考えております。
  121. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は先ほど冒頭に申し上げましたように、これは三度目で、全然改善されていないので、きょう多少、これではよくないという感じを持っておりますので、何点か申し上げますから、対応については真剣にやっていただきたいのです。やはりわれわれはそこに住んでいる人間ですから、ここでの委員会のやりとりだけでなくて、具体的にきちっと計画を立てて、もうすぐ始めますという構えで、総裁、大臣にも、私は取り組んでいただきたいと思うのです。  その次に申し上げたいのは、先ほど来、公団の人はそう言わざるを得ないと思うのですが、いわゆる防災施設は十分であったという、このような御見解でございますが、これについても、では私が何点かお伺いいたします。  最初に川崎のセンターに通報があったいわゆる第一報ですね、火災発生トンネル事故発生について第一報は、静岡があるいは川崎が、どこが第一報を受けたのですか。一言で結構です。
  122. 森田松仁

    森田参考人 非常電話によります火災発生の第一報は川崎の交通管制室に入っております。
  123. 薮仲義彦

    薮仲委員 なぜ私がこれをお伺いしたいかといいますと、さっき公団施設の中で感知器があると総裁おっしゃいましたね。感知器はトンネルの中に四ブロックに分けてどこのブロックが火災になったかがわかるようになっていますね。御存じでしょう。そうすると、感知器でここのブロックが火災発生しました、それがどこに入るか、これはわかっていますね。どこですか、総裁
  124. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 どこと申しますのは静岡の管理事務所の中のコントロール室ということでよろしいわけですか。
  125. 薮仲義彦

    薮仲委員 結構です。  そうしますと、そのコントロールセンターに入りました標識の中には、少なくとも静岡側事故が起きたのか、焼津側の口で起きたのか、それはわかるはずですね、いかがですか。
  126. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 わかります。
  127. 薮仲義彦

    薮仲委員 では、なぜ私がいま確認したかといいますと、これは消防庁公団側からの通報についての正式などういう通報があったかは、静岡消防署、焼津消防署等含めてお話しいたしますと、最初にこの静岡消防本部に入りましたのは、東名下り線日本坂トンネル内で大型トラックと乗用車の衝突事故があり燃えている、けが人はわからない、こういう通報が第一報ですね。その次に、いわゆる先ほど来消防庁が言うように出火地点ということが消火のとき初期消火に一番大事なんです、こういう点が指摘されました。そこで、緊急に出動するのに時間がかかりました。いわゆるその理由の中に、インター閉鎖が遅いとは言わなかったけれども、われわれが感ずるところ、こういうときのインター閉鎖というものは非常に大事な点があろうかと思いますが、このことは今後研究なさるでしょうから私はきょうは指摘しませんが、ここで言いたいのは、その次に静岡消防本部が一体出火場所はどこですかと川崎の指令センターへ確認をしたところ、指令センターはこう言ったのです。日本坂トンネル静岡側に近い地点で現在スプリンクラーが作動している、テレビカメラでは火が立っていないと、こうある。これは私は非常に論理的におかしいと思うのですね。そうじゃないですか。テレビカメラに見えるということは、どこの部分に発火しているかわかると思うのです。そうですね。ということは静岡側ということじゃないと思うのです。これはだれが見ても、総裁おわかりのとおり、焼津に近い方なんですから。ここに大きな誤りがあるのです。出火場所の大きな誤り。ですから、さっき、下り線静岡消防署、上り線は焼津消防署、このことはわかっております。でも、もしも公団側が出火場所を正確に先ほどおっしゃった感知器でどこのブロックで発火しているかわかった。いわゆる国の基準より上回ってテレビカメラをつけているとおっしゃった。テレビカメラに映ったなら、どこのブロックが火災になっているかわかったはず。しかもスプリンクラーが作動したということは、的確にその燃えている場所のスプリンクラーを押さなければ——二ブロック出るのです、あのスプリンクラーは。そうでしょう。燃えてないところのスプリンクラーのスイッチを押すオペレーターはいないと思うのです。ということは、少なくともそこで情報交換に混乱があったのじゃないかと私は思うのです。いま申し上げたように、何点かおかしいでしょう。スプリンクラーを作動させるためには燃えているところへ作動させなければならない。ならば、静岡側ということにはならないはずです。  こういう点、まあいろいろ混乱もあったかと思うのですけれども、先ほど来訓練であるとか対応の仕方云々ということがございますが、私はこういう点も火災を初期消火の段階で被害を食いとめるためには非常に大事ですよという意味で申し上げますが、この辺何か見解がございますか。
  128. 森田松仁

    森田参考人 今回の事故発生後、川崎の交通管制室から静岡消防に出動要請をいたしております。その際に、事故発生の位置でございますけれども、管制室としましては、下り日本坂トンネル九番で事故発生ということで出動要請をいたしております。
  129. 薮仲義彦

    薮仲委員 それは後で消防庁と話し合ってください。私の持っている資料は、これは消防庁から得た資料でございますから。九番ということと、この消防隊が出動のときには、いま私が申し上げたのは、後で両庁でお話し合いになって、あんまりもめないで、今後どうしたら正確に情報伝達が伝わるか、おやりになることです。よろしいですか。そんな九番とかなんとか言っても、こっちは火事を消してもらいたいのです。お願いしますよ。きょうは、あんまりそういうことでやると時間がないから、やめておきますけれども、これからいろいろ出てくると思うのです。  それから、先ほども公団総裁、基準以上の水噴霧器——これは正確にはスプリンクラーとはちょっと水の粒が違います。そうですね。水噴霧器とスプリンクラーとは水滴の大きさが違います。  この水噴霧器についてちょっとお伺いしますけれども、建設省に私ちょっと伺ったところ、建設省は、道路管理者として、火は消えるという見解をお持ちのようでございました。これは大臣じゃないのですけれども、御担当の方がそうおっしゃったのですが、その見解いまでも変わりませんか。大臣でなくて結構です、建設省の方。
  130. 山根孟

    山根説明員 水噴霧器、水噴霧設備の消火能力の問題でございますが、私どもは、火災初期におきます消火機能とともに、トンネル内におきます火災現場周辺の温度を下げまして、同時に消火器、消火栓を利用する消火活動をより効果的にする、さらには避難救援活動をより容易にする環境をつくるということを期待して設置をしているというぐあいに考えております。
  131. 薮仲義彦

    薮仲委員 いまの答弁もう少し突っ込みたいのですが、時間がありませんから、消防庁にお伺いしますけれども、この水噴霧ヘッドですね、これは、私は、少なくとも私の認識では、いわゆる水の煙幕を張りまして、その地域の温度を下げるということが一つ、それから類焼、延焼を防ぐということが主たる目的でございますと、初期消火の段階で延焼、類焼を防いでおいて、そこに直ちに、さっき総裁もおっしゃいましたけれども、消火栓からの放水によって、大量といいますか、その放水によって火は消すのです。いわゆる水噴霧ヘッドそのものの機能というものは、気温を下げることと延焼防止の役割りしかございません、こういう認識でございますが、消防庁いかがですか。
  132. 中島忠能

    ○中島説明員 トンネル内で車両が燃えている場合にはいろいろなケースが考えられますが、通常、座席の中が燃えているとかあるいはまた大型車両の陰で小型の車両が燃えているとか、そういうようなことがよくございます。そういう場合には、いま先生お話しになりましたように、過熱を水噴霧消火設備でコントロールいたしまして、消火栓とか消火器によって消火するというのが通常の態様だというふうに思います。
  133. 薮仲義彦

    薮仲委員 ではもう少しお伺いしましょう。  総裁、スプリンクラー、水噴霧ヘッドでございますが、これに使える水はタンクに百七十トンしかないのですよ、そうですね。これは約四十分程度、あるいは水噴霧ヘッドの水の量によってはもっと延びるかもしれませんけれども、大体その程度です。さっき消火栓がございますとおっしゃった。その消火栓の水は、水噴霧ヘッドで水を全部使った後消すだけの量はあるのですか。
  134. 持田三郎

    持田参考人 お答えいたします。  水噴霧器と消火栓それから給水栓ですか、この三つが作動して四十分ということになっておりますが、今回の事故にかんがみまして、これをもう少し大きい受水槽にしようというような計画を持っております。
  135. 薮仲義彦

    薮仲委員 水噴霧ヘッドで使いますと、ドライバーがホースで消す水がないのですよ。それはたとえば放水する水をタンクに給水しようとしますと、タンクから放水される水の量と給水する水の量とはアンバランスなんですよ。全然足りないのです。あの長大トンネルの中で消火用に使えるのは百七十トンの水しかないのです。しかも、総裁は御答弁の中でお書きになったものをお読みになったから余りぴんとこないかもしれませんけれども、両入り口に給水栓があるだけなんです。消防隊が使えるのは一本ずつなんです。あと何千メートルという中は一本のホースを引っ張っていって水で消す。これであの大きな火災を消すということ自体無理なんですよ。きょうはそれだけ指摘しておきます。いまおっしゃっているように、百七十トンの水でたとえばスプリンクラーが六十分なら六十分あるいは七十分出てしまえば、あと消火栓に使う水は全然ございません。あとは、消防隊が消そうと思えばトンネル入り口にある給水栓からしかできないのです。だから、もしも本気になってこの問題を考えるなら、私が言いたいのは、早くトンネルを開通させるのも大事ですが、タンクの増設、もしくは消防隊のいわゆるじゃ口ががちゃっとつながって豊富な水量で消せるような給水栓をトンネルの中に設置しなければいけないのです。この点をおやりになるかどうか、これが一つ。時間がありませんからまとめて言っておきます。  それから、私が何回も申し上げましたようにトンネルの中に漏洩同軸ケーブルを入れなさい、それからラジオの再放送設備を入れなさいと、これは前にも指摘したでしょう。おやりにならない。都夫良野トンネルだけにしか入ってない。今度消防隊が一番困ったのは焼津側と静岡側で連絡がとれないのです。私が言ったように、あそこの中に漏洩同軸ケーブルが入っていればお互いにどこがどうなっているかわかった。あれは消防隊の方に二次災害が起きなかったからいいですが、でも、片一方の側で風を送り込んであわてて逃げ出したという事故もございます。きょうは指摘しません。もしもこういう漏洩同軸ケーブルとかラジオ再放送設備が長大トンネルにきちんと設置してあれば、こういう問題はないのです。これも私が指摘したとおり設置すべきだと思うのです。いまは仮開通して通っているわけですが、私は何回も通っているからわかるのですよ。今度は本格的に設置なさった方がよろしいと思うのです。  それからもう一つ消防隊が救急作業に入ろうとしたときに、料金所でストップしまして、カードを持っていってくれと言われたのですよ。第一線の消防隊の方は、早く行って消そうというときに料金所でとめられたことに対しては、少なくとも快い感情は持っておりません。一分でも一秒でも早く行こうというときにわざわざ料金所でとめる。消防自動車はだれが見ても消防自動車、三つの赤ちゃんだって消防自動車だとわかる。火事があるから行くのです。それをとめることはないと私は思うのですね。今後消防自動車はフリーパスでいっときも早く行って消火活動してくださいというのが公団側の姿勢であってしかるべきだと思うのですが、この点いかがでございましょう。これはもっと言いたいのですが、きょうは時間がないのですからこれだけにしておきます。これについてきちんとしていただきたい。  それからもう一つ。まとめて聞きます。車両の補償についてはきょうは問いません。ただし、農家の方がたんぼを油によって汚染されて、私は現地を見てまいりましたし写真も撮っておりますが、たんぼがだめになっています。稲が枯れています。あの方については責任を持って補償すべきだと思うのですね。通行中の車両公団側の問題とは別です。道路管理者として、付近の住民の方に与えた被害は早急に補償する。たんぼの中の土を入れかえなければならない方もいらっしゃいます。一回見ていらっしゃい。それで、そのことについてはきちんと補償なさるべきだと私は指摘をしておきます。これはお願いいたします。  それから、これは結論でございますが、大臣、高速道路上の地震対策を込めまして、安全対策火災対策は非常に不十分である。四十二年の鈴鹿トンネルを前提にしているのは間違いです。当時の車両の通行量、危険物の積載量と全然違うのです。それを前提にして基準をつくって、それよりクリアーしておりますという考えは、大臣、私はおやめになった方がいいと思うんです。もう一度、長大トンネルの中の安全走行はどうあるべきか、車線変更についても法律法律として、事故を未然に防ぐためにどうすべきかということを警察庁と御検討なさり、同時に、どうすることが最も——これはドライバーが悪いのですよとおっしゃることはわかる。でも、走っている以上、交通事故はあるのですから、トンネル内で火災発生した場合に、安全で、しかも消火は完全ですという体制をつくるべきだと思うのです。この意味で、結論を大臣にお伺いをいたしたいと思うのです。  きょうは、エネ庁さん来ておられると思うのですが、ちょっと時間がなくて申しわけありません。この次にします。  そのまとめたことを公団側に、最後に大臣に伺って終わりたいと思います。
  136. 持田三郎

    持田参考人 屋外給水栓並びに水噴霧、消火栓につきまして、御指摘の点に対しまして、私ども水容量をふやそうということで現在百七十トンでございますが、百トンの水槽を設置して屋内給水栓二カ所、水噴霧器二カ所、それから消防車が屋内給水栓に使えるようなキャパシティー考えて百トンの水槽をつくることを予定しております。  それから再放送設備でございますが、これも先ほど総裁から御説明ありましたように、今年度取りつける予定でございましたが、まだできないうちに事故が起きたということで、これはセットをいたします。  それから、漏洩同軸ケーブルでございますが、これにつきましても、現在検討をいたしてございます。  以上でございます。
  137. 森田松仁

    森田参考人 ただいまお話しの、消火活動によります結果の付近の住民の方々に御迷惑をかけましたことにつきまして、特に水田等につきましては、その被害の実態を調査いたしまして、その結果を踏まえまして対応してまいりたい、かように考えております。(薮仲委員「対応ということはちゃんと補償をするのですか」と呼ぶ)結果が出ますれば補償はいたします。
  138. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 基準の検討でございますが、四十二年の鈴鹿トンネルによって基準をつくられた、事実でございますが、その後も私は、四十九年ですか再検討をして、一部基準を引き上げておるということも聞いておりますが、今回の事故にかんがみまして、さらに御指摘のように万全を期すために検討をさせていただきたい、このように考えております。
  139. 薮仲義彦

    薮仲委員 終わります。
  140. 有島重武

    有島委員長 次に、渡辺朗君。
  141. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 ただいままでいろいろ御答弁を聞いておりましたが、いま公団では、急いで日本坂トンネルの改修を進めておられる。そして、一カ月ないしは二カ月後には開通というような形で準備を進めておられるようであります。  その中で、たとえばF字形の標識トンネル外の標識、そういうものも必要であるというお話がありましたが、たとえばそれは同時に日本坂トンネルのところへつけられるわけでございますか。それも含めた改修工事でございますか。
  142. 持田三郎

    持田参考人 お答えいたします。  F形情報板でございますが、それは現在の小坂トンネル手前七百メーターのところに、走行車線の方に新しくつくるわけでございます。
  143. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 それからまた、消火栓の問題で先ほどからお話が出ておりました。入り口にしか消火栓がない。それもどうも今回は使えなかった。六十ミリですか六十五ミリですか、そういう消火栓を今後は二百メーター間隔でつけられる、こういうふうに聞いておりますが、それは日本坂トンネルに今回つけられるわけでございますか。いかがでございます。
  144. 持田三郎

    持田参考人 そのとおりいたす予定でございます。
  145. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 それは日本坂だけにつけられるわけでございますか。高速道路上にある各トンネルに同じような装置をしていくということでございますか。
  146. 持田三郎

    持田参考人 今回は、やはり日本の最重要路線でございまして早く開通しなきゃいかぬということで、検討委員会で至急の結論を得てやったわけでございますが、今後高速道路についてそういったものをセットするかどうかということは、新しくまた国あるいは公団で基準というものが変わってくるかと思いますので、そういったものに対応してやっていきたいというふうに考えております。
  147. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 実はAクラスといわれた日本坂トンネル防災施設についてすらこの間のような惨事が生じたわけでございます。場当たり的に今回日本坂の問題についてだけはつくる、他のトンネルはこれからだ、検討対象ぐらいにしかなっておらぬということじゃ、これはちょっと不安感が残ってまいります。その点で、早急に各トンネルについても以上のような装置をつくるべきだと思いますけれども、いかがでございます。
  148. 持田三郎

    持田参考人 私の答弁があるいは誤解を招いたかと思いますけれども、そういったような考え方でおりますというふうに申し上げたいと思います。
  149. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 それから、いろいろ防災装置がついていた日本坂トンネルでございましたが、化学消火剤といいますか、そういうものが自動的に作動して使われるというような装置はございましたか。
  150. 持田三郎

    持田参考人 化学消防剤と申しますか、そういったものは考えておりませんし、ございませんでした。
  151. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 そこら辺はちょっと認識がずれているのではないかと私は思うのです。いま、軽油なりガソリンなり、さらにはもっと燃えやすいもの、そういうものを積載して走っている、それが現在の高速道路だと思います。東名道路だと思います。そういうところにスプリンクラー方式の散水くらいで火が消えるとお考えでございましたか。化学消火剤的なものを大量に投下しなければ実際にガソリンなんかが燃えておるというのは簡単に消えるとは思いませんけれども、その点はいかがでございましょう。
  152. 持田三郎

    持田参考人 御指摘のとおり、可燃物あるいは大量の油の消火についてはスプリンクラーその他ではなかなか消火ができないと思います。
  153. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 消防庁の方で消火に当たられた際には、どういうようなものを使って消火作業をされましたか。やはり水でございますか。
  154. 中島忠能

    ○中島説明員 消火に当たりましては、水が主でございますけれども、化学消防車も出動いたしまして、使用いたしております。
  155. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 いまお話がありましたように、化学消防車も出動された。私は、いまのそういう高速道路上の、しかも爆発物みたいなものがどんどん走っているところでの消火作業というものは、それが前提だと思うのですね。その点で、スプリンクラーみたいな形のもので消火が可能であると考えていたとすれば、これは公団側の大変な消火対策の初歩的ミス、こういうことも言えると思いますが、いかがでございましょう。
  156. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 先ほどもお答え申し上げましたが、水噴霧装置、この水によって完全に消火できるというふうには私は考えておりません。先ほども道路局長も答弁されましたように、水噴霧によって冷却し、類焼を防ぐというのが主体でございまして、それによって消火活動を容易にするとか、そういうふうなことでございますので、本当に消すのは消火栓と消火器であるというふうに考えております。先ほど先生が御指摘の化学薬品を使った噴霧をしたらどうかということでございますが、これは恐らく中に人がおった場合に非常に危険でございます。したがいまして、いつやるかということも非常にむずかしゅうございますし、それやこれやございまして、水噴霧のかわりに化学薬品を使うことはちょっと危険じゃないかと思いますので、これはむしろ、中に置いてございます、その消火器を使って火を消す方を強化した方がよろしいんじゃないかというふうに考えております。
  157. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 大臣ここにいらっしゃいますが、先ほどから、トンネル内の防災基準というものは昭和四十二年の基準がある、それを見直すんだとおっしゃいましたけれども、いま公団側の説明もありました。ガソリンであるとかあるいはまた危険な可燃物がいまどんどん走っている東名でございますけれども、そういうことについての対策でございますね、これはどういうふうな基準を新たにつくればいいとお考えでございましょう。
  158. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 これは通行制限ということになってくるんじゃないかと、こう思いますが、現在通産省の分野に属するもの、あるいは農林省の分野に属するもの、それから警察庁等を含めていただきまして、危険物を五千メートル以上の長大トンネルについてはそういったものを規制できるというふうになっております。また、三宅坂のあそこの首都高のように、水際を通っておりましてそれより低いところの分は危いということも考えまして通行を規制しておるというふうな姿になっておりますが、これらの分も合わせまして検討を加えていかなければならないということで、その音頭役を総理府の方でやっていただいて事務的にも進めさしていただいておるということをやっております。
  159. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 さらに、これは初期の消火というものが成功しなかったということから非常に悲惨な事故にまで拡大したと思います。その際に、私は、これは二度とあってはならぬことでございますので、そういう意味でいろいろお尋ねしたいと思うのでありますけれども、消防の方が駆けつける、駆けつけても、先ほどからのお話にもありますように、静岡口から入っていこうとする、もうそこはすでに大変渋滞している、むしろ焼津口から入っていって消火に当たったらあるいは人命も数名の方はよけいに救われるという事態もできたかもわからぬと思うのです。そういう点で、消防が駆けつけるという時間の点でも大変おくれをとった、こういうところにも大きな問題があろうと思いますが、そこで巻き込まれていた車というのは巻き込まれ損みたいな形で結局泣き寝入りをせざるを得ない、どうもそのような傾向が感じられますけれども、本当にドライバーたちはかなり巻き込まれてしまった。どんどん後ろの方からクラクションを鳴らされるから前に走らぬといかぬ。あるいは先ほどお話しのように、標識というものは右手にある。だから、大型トラックなんかと並行して走っていたら本当に見えなくなる。しかも、標識が出るまでどのぐらい時間があったのかどうも明確ではありませんが、そういうような公団側の早急を要する対策の中で、どうも手おくれがあったりミスがあったりする中から、犠牲者が多くなったり被害が拡大したというふうに思えてならぬのですけれども、そこら辺はどのように公団としてお考えでございましょう。
  160. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、火災原因等につきましては警察御当局が現在調査中でございます。先生の御指摘は、道路公団に管理上のミスがあったのじゃないか、つまり瑕疵があったのじゃないかというような御指摘のようでございますけれども、私どもはそういう瑕疵があったとは思っておりません。
  161. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 私は、いま調査中であるということでございますから、瑕疵があったというふうに断定はしておりませんが、しかしながら、先ほどからのお話を聞いておりますと、こうすればもっと効果的であった、こうした方がいい、だから消火栓も二百メーター置きにつくろうとしておられるし、あるいはF字形の標識もつくろうとしておられる。ということは、いままでの対策がまだまだ十分でなかったということをお認めになるのではないかと思いますが、その点はいかがでございましょう。
  162. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 予想を超えた非常な大火災になりましたために、通常火災に対しては消火可能であったと思われる現在の施設、設備が実は機能的に不足したということになろうかと思います。何度も申し上げておりますが、国で定めました基準に従って、それ以上のものをつけたつもりでございますし、恐らく国が想定しました火災というのも今回のような異常な火災ということではなかったと思います。爆発物等を含んだ異常な火災ということじゃないと思います。事実、過去二十数年の間にトンネルで二十件の火災事故がございますが、それらはすべて人身の事故も全くなく、全部消火しております。
  163. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 私は実はこの事故を知りましたときに大変心配になってまいりました。それは地震災害の防災対策強化地域にも指定されているあの東海道の一帯でございます。それだけに予想されないいろいろな事態が来るかもわからない。防災というものは無限の対策をしなければならぬと思いますけれども、いままでの基準以上のことをやっていたではちょっと済まないので、ここで私は補償責任を云々するために言っているのではなくして、今後起こらないようにどうしたらいいかということから、いろいろな基準をいままで決めてあるでしょうけれども、その基準ではもう間尺に合わなくなってきている、こういう問題を率直におっしゃっていただきたいし、当然やはり国を挙げてそういうものに対策を講じなければならぬと思います。そういう意味でお聞きしておることを再度申し上げておきたいと思います。  いま、トンネルで二十回ぐらい火災が起こったけれども人命に被害もなく終わったということを言っておられますが、ちょっとお聞きしますけれども、いまトラックや何かが十トン車ぐらいで走っておりますが、どのぐらいの軽油を一車当たり積んでおりますでしょうか。どなたかおわかりでございませんか。運輸省の方、おわかりでございませんか。——私、公団の方にもそれはぜひ調べておいていただきたいと思うのです。そうでなければ火災対策なんというのは講じられるわけはございません。十トン車あたりが大体どのぐらいかといったら、三百五十リットルぐらいですかな、もっと積んでおりますかな、大変な量を積んでいる、こういうことでございましょう。ある意味では、これは爆発物が路上を常に吹っ飛んで走っているということになるわけでございますから、したがってそういう調査も、一日どのぐらい、何トンぐらいのものが走り、それだったら積んでいるガソリンやら軽油というのはどのぐらいの量だ、こういうことの調査があって、その前提で火災防止対策なぞというものが講じられるのだと思うのですね。これはぜひ調査のほどをお願いしたいと思います。  さて、この問題だけを論じているわけにはまいりませんので、次に進ませてもらいます。  私はお聞きしたいと思うのですけれども、しょっちゅう事故や何かもありますし、いろんな渋滞が起こっております。過去一年間ぐらいで東名高速道路におきまして閉鎖された件数というのはどのくらいあったんでございましょう。おわかりでございませんか。公団としていかがでございましょう。
  164. 森田松仁

    森田参考人 ちょっと手元に資料を持ってございません。
  165. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 これはある新聞の記事でございましたけれども、昨年度一年間に事故などで高速道路が閉鎖された件数が三百九十八回という数字が挙がっておりました。これは真偽のほどはよくわかりません。それから、一回の平均が四時間二十六分であるというような数字も挙がっておりました。本当でございましょうか。実は産業上においても大変重大な影響を与える問題であろうと私は思います。いかがお考えでございましょう。その件数は別といたしまして、産業上に非常に大きな影響を与える。  と同時に、もう一つドライバーが大変いらいらしてしまう、こういうような心理的な影響も大きくもたらすのではないかと私は思いますが、その点いかがお考えでございましょう。
  166. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 御指摘のとおり、もしそのような回数だったといたしますと、これは産業、経済に大変大きな影響を及ぼすことになっていると存じます。まだよく数字を押さえておりませんのでよく検討してみたいと思いますが、いずれにしましても、交通事故というのはドライバーの速度ないしは車間距離のとり方が悪かったことが多いわけでございまして、あるいは居眠り運転とかでございましょうが、そういう方面の指導、これはむしろ警察庁の方かと存じますが、われわれも一緒になってそういうふうなマナーの指導を今後推進していく必要があろうかと思っています。
  167. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 確かにドライバーのマナーの問題も重要でございましょう。しかしながら、私は公団の責任者の方々はいわばそういうような常識的なあるいは基礎的な数字みたいなもの、そういったものは常に踏まえておいて発言をしていただきたいと思うのです。  実際問題として、私はよく走らせてもらっておりますが、乗っていて大変にいらいらいたします。こういういらいらというものは心理的に大変大きな事故を招く遠因になり近因になるのではあるまいかということをいつも懸念いたしております。しかもここで問題になってくるのは、公団では料金をお取りになっていらっしゃる。料金というものは一体どんな性格を持っているものだろうかというところで一つ私はお聞きしたいと思うのです。料金を取っているということは営業活動をやっていることだ、国民の中にはこういう意見がございます。公団の責任者の方がどこかで発表しておられましたけれども、いや、そうではない、これは税金の一種である、統一見解はどこかでちゃんと出しておかぬといけないことになると思いますが、その点これはどなたに聞きましょうか、公団からはそのような一方的意見が返ってくるでしょうから、大臣、いかがでございましょう。
  168. 山根孟

    山根説明員 わが国の有料道路制度の基本的な考え方になるわけでありますが、端的に申し上げまして、いままでの裁判の判決等によりますと、料金の性格としては税金類似の負担金であるという解釈であります。現実には高速自動車国道あるいは通常の有料道路につきましては、本来無料で建設をし維持管理をするという性格のものでありますが、それでは道路の整備が進まないということから、料金を徴収をいたしまして建設費及び維持管理費等を償還するという考え方のもとに料金を設定しているということでありまして、冒頭申し上げましたように、考え方といたしましては営業ということではございませんで、料金は税金類似の負担金であるという考え方をとっておるものでございます。
  169. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 営業行為のものではない、税金の一種である、そうするとタックスペイヤーといたしまして当然それを徴収しておられる方に対してはいろいろな義務づけを要求したりあるいは責任を要請するということは起こってくることでございます。ドライバーの安全の確保に対して全力を尽くすというのは当然起こってくるというふうに考えますけれども、どなたにお聞きしましょう、いまの局長さん、いかがお考えでございましょうか。道路公団が安全確保に全力を尽くすという義務は当然そこに生じてくるのではあるまいか、その点はいかがでございましょうか。
  170. 山根孟

    山根説明員 道路公団道路管理者でございます。したがいまして道路の構造を保全する、そのことによりまして円滑かつ安全な交通に寄与する、こういうことであります。もちろん自動車交通でございますので、道路施設面それから運転をする方、それから交通を運用する側、この三者が交通安全の問題に対してそれぞれ最善を尽くしてまいらなければならないわけでありまして、その限りにおきましては私どもとしては道路管理者としての万全を尽くす義務はあろうというぐあいに考えておるところでございます。
  171. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 大変上手に、またよくわからないようにお答えになりますものですから質問の続けようがございませんけれども、ともかく今度は、義務づけの問題は別といたしまして、今回もあそこで不通になった状態が生じた。そうすると迂回路を通っていく、そうすると途中下車をするということになりますね。ところが途中下車をしてこのトンネルの先の方からまた焼津の方に上っていった、下り線の場合。そうすると西宮まで東京から行くといたしますと、これは料金が七百円高くなるのですね。鉄道の場合だったら途中下車は許されると思うのですけれども、高速道路の上では途中下車したら料金が高くなる。しかもこれは先ほどもいろいろお話が出ているように、ああいう事故である。料金の問題に限定してお聞きしたいと思うのですけれども、もう少し公団側の方で合理的解決の方法はないものですか。途中下車を認める、こういうことにしなければ、年間三百九十何回もそういうふうな閉鎖されたり不通になったりするようなことが起こった場合、国民の負担なり産業界の負担、迷惑ということも大きいでしょうね。ここら辺についてのお考えはいかがでございましょう。
  172. 森田松仁

    森田参考人 ただいまのお話は遠距離逓減が適用されなくなるという結果の開きだと思いますけれども、公団では現在百キロを超える区間につきましては二五%の遠距離逓減の割引を行っております。しかしながら災害とか交通事故ということで通行が不能になりました場合には、まずは利用者の危険防止、それから走行の安全を確保するというたてまえから、直近の、一番近いインターチェンジに流出していただくという措置をとっております。そういたしますと、必然的に長距離逓減の適用がそこで断たれることになるわけでございます。今回のトンネル事故につきましてもそういった結果が出ておるものと思われますけれども、高速道路の料金が走行距離に対します対価として支払われるというたてまえになっておりますので、現行の料金制度上ではやむを得ないものと考えております。
  173. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 どうもこれは消費者に対する大変不親切な御答弁だと思いますが、私は時間がなくなりましたから要望だけしておきます。ここら辺の合理的な解決策も検討すべきだろうと思いますよ。総裁、ぜひ頼みますね。  それから、時間がなくなりましたのでいろいろお聞きしたいのをカットいたしますが、先ほどの問題にちょっと返ります。いまお隣にいらっしゃる前田先生の方から紙を差し入れていただきまして、それによるとタンクローリーは三千リッターないしは四千リッター、危険物積載の車は高速道路の通行を禁止しているのではないのか、こういうことをメモしていただきました。実際に高速道路の上でそのような大変な爆発物が走っているということでございますので、さらにトンネルを点検していただきたい。われわれ走っていてラジオなんかもぽつっぽつっと切れてしまいます。いろいろな情報が、走っている者にとってはラジオぐらいしかない。そうすると、あるトンネルにおいてはラジオも聞こえます、交通情報も聞くことができましょう、しかしながらあるトンネルではこれは切れてしまう、こういうようなことがございますと、ドライバーの方も大変に不安感を大きく覚えるのではあるまいかと思います。  特に最後に一つ、これは大臣にぜひぜひお尋ねしたいと思うのですけれども、全国で一キロ以上のトンネルだけでも百九もあると言われております。高速道路の上だけでも二十二あるというふうに聞いております。正確な数はよく存じません。そういった中において、先ほどのお話がありますように、日本坂トンネル事故が起こったからそれだけはやっておくのではこれは意味がないのであって、他のトンネルに対しても早急にこのような事故災害を防止する対策を講じていただきたい。これを大臣、どのようにお考えでございましょう。
  174. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 今回の日本坂の事故が起きましてから早速全国のトンネルの点検を行わせまして、その点検の結果直ちに処置せなければならないというものに対しましては、この処置に対してもやらせていただいております。  詳細なる数、その他が必要でございましたら事務当局からお答えさせます。
  175. 渡辺朗

    渡辺(朗)委員 それでは、時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
  176. 有島重武

    有島委員長 次に、寺前巖君。
  177. 寺前巖

    寺前委員 公団に対して皆さんからもういろいろお聞きになっていますから、余り繰り返しになるようなことは避けたいと思います。それじゃ、ちょっと角度を変えさせていただいて、私もきわめて単純な質問をしてみたいと思うのです。だったら、こういう火災事故が起こる、大変なことになると、消防の見解、一体どういうふうにいままで対応策をやっていたんだ、だれだって聞く話だと思います。ところが、これは多数の人が入ってくるというような劇場その他のところじゃないので消防法の適用の外にあるんだ、そういうふうにこの間も新聞を読んでおったら書かれておりました。消防法の十七条ですか、劇場、百貨店、地下街など不特定多数の人が出入りする建築物を防火対象物に指定して、消防、防火活動に必要な施設の設置、維持管理を義務づけている、こういうことでやるのだけれども、ここは行政指導として、省令を改めはしたが強制力は伴わないのだというようなことが新聞にも書いてありました。  そこでちょっと聞きたいのですが、今回の事故が起こって現実に消防が最初の活動についた、何を活動と言うかという問題がありますが、ともかく直接的に消火の活動についたというのにはかなり時間がたっていますね。一時間近くかかっていると思うのです。こういうことになるということは消防の方としてはおよそ見当もつかなかったことであったのでしょうか。さきの消防法上の問題じゃないけれども、自分の方に責任がなくて公団の方のあれだったから、施設がちゃんとあれになっているかどうか、見には来るけれども、直接ここで事故発生した場合にどういうように対応するか、そういうことをおよそ考えたこともなかったから、あんな想像もつかぬことが起こっておったんだということなのか、どうなのか。消防の側から、一時間も後でなかったら消火活動につけなかったというのは一体どういう問題があったのだろうか、その点、ちょっと聞かせてくれませんか。
  178. 中島忠能

    ○中島説明員 たびたび御答弁申し上げておりますように、今回の事故がきわめて異例な大規模な事故であったということは消防としても非常に意外に受けとめておりますけれども、規模が大規模でありあるいは不測の事故でありましても、消防は絶えず、いかなる事故に対しても即時に対応できる体制を二十四時間とっております。したがいまして、今回の場合におきましても、公団から連絡を受けましたのが四十二分でございますけれども、静岡市消防本部の方ではその六分後に現場に到着いたしております。そして、到着後直ちに火点の確認、人命検索あるいはまた避難車両の誘導、運転者、公団側からの情報の収集等に当たっておりますから、今回の事故に対しまして消防の対応がおくれたということはないというふうに私は考えております。
  179. 寺前巖

    寺前委員 対応がおくれてないと言ったって、やはり対応はおくれておるわけでしょう。現実的には一時間かかっておるわけですし、しかも、現地に行ってみたら、いや、ホースの口径が違うとかあるいは水槽がどうやとか、事故発生してからそういうことが異常だということを気づく状態になっていくわけでしょう。だから、ああいう大きな事故が起こらぬ前提で、したがって、道路公団の方は初期消火の噴霧器とかああいうものがばっと出てきてあれで一応対応できるようになっているのだという前提に立っているから、そういうホースがつながらぬかて構わぬとかそういうことになっておったのか、一体そこはどうだったのですか、消防として本当に真剣に考えておったのだろうか、私はそこはどう考えても疑問に思うですよ。
  180. 中島忠能

    ○中島説明員 現場への到着が、私が申し上げましたように十八時四十八分でございます。火災発生が十八時四十分ごろと言われておりますから、静岡市の消防本部現場に到着いたしましたのはきわめて迅速な体制であったというふうに考えております。(寺前委員「そこまではね」と呼ぶ)  それからが先生がおっしゃいますように、消防隊現地で消火活動に当たります場合に、たとえて申し上げますと、先生が御指摘になりましたトンネル内の消火栓と消防車の口が合わなかったとか合ったとかという話が一時流れましたけれども、それは誤解に基づくものでございまして、消火栓の口と消防車の口が合わないというのはこれはもともと合わないようにできておりまして、そういうようなものではございません。したがいまして、消防隊があるいはまた両消防本部が、トンネル内の消防設備について公団側が当然責任を負うべきであってわれわれはその関心の外であるというふうには考えておりません。つい最近も公団とともに点検いたしておりますけれども、消防隊はこういうことにつきましても常に公団とできるだけ接触を保って事故の未然の防止とか、あるいは発生いたしましたときにできるだけ迅速に対応しようじゃないかという心構えは持っておるというふうに考えております。
  181. 寺前巖

    寺前委員 私が聞いておるのはそういうことじゃなくして、一生懸命現地でおやりになっているけれども、たとえば水槽だってあれは百七十トンですか、小さいものです、あるいは私、この間天王山のも見てきましたけれども、ここも小さいものです。それは一台とか二台とか火災がばっと発生したときにばっと瞬間的にシャワーを落として、瞬間的な対応策で一応やっていこうというだけのものであって、本格化した場合にはそれではもたぬことは初めからわかっておるのだ。それは初めからわかっておるということになったら、初めからわかっておるところのそういう対応した施設をちゃんとつくらせておかなかったら、消防隊の活動はできぬじゃないかという問題が当然出てきますね。第一線の人は必死になって行かれました。行ったけれどもそうなっていなかったというのが現実であったから、非常に対応がむずかしくなったということがいま反省として出ているわけでしょう。ということは、消防としてああいうものについて本来的に異常な事態が発生した場合の消防隊出動というものが大きな役割りになってきますから、だから、異常を前提にした対応策というものをこういうトンネルについてやはり検討しておくべきではなかったのか、そういうことを反省しておく必要はないのかということで私聞いているわけです。それで、消防法上も検討し直すべきではないのかという意見が新聞紙上などにも出ているから、この点について消防庁としてはどうお考えになりますかということを聞いておるわけです。
  182. 中島忠能

    ○中島説明員 質問の御趣旨がよくわかりました。  そういう御指摘のような趣旨で申し上げますと、やはり今回のような不測の大規模な事故が起こった場合にもやはり対応できるだけの消防設備というものを、私たちもまた道路公団と協議いたしながら整えておくべきだというふうに考えております。それは今回の事故に伴う一つの教訓だというふうに受けとめております。  なお、消防法上の対象にすべきかどうかということにつきましては、かつてこの問題につきましては建設省と私たちの方と協議をいたしまして、一応、消防法の対象外のものといたしましてそれぞれの道路管理者が責任を持っておやりになるのだという原則論というのは現在もございますので、一応われわれの技術的な知識というものを最大限に提供いたしながら対応していったらどうだろうというふうに考えております。
  183. 寺前巖

    寺前委員 それから、消防法上の問題についてはいま説明がありましたからあれですが、私は素人的に考えて、あそこの施設は日本一りっぱなものだ、そしてあそこで事故発生した、一両か二両か火事が発生した場合にはああいう形で対応することができるのだということでつくられたものだというふうに聞いています。一両や二両のところでとどまらなかった理由は一体何だったのか。従来だって、車が次々に入っていくという条件下にあることはもう想像にかたくなかったことだろう。それらの一両や二両でもってその火災は消すことができるという、できるものだったら、私は今度も解決しておっただろうと思うのです。できなかったものは一体何だったのだろうか。あの施設で誇っていられなかったものは何だったのだろうか。それは消防としてはどういうふうにお考えになりますか。
  184. 中島忠能

    ○中島説明員 なかなかむずかしい御質問だと思いますけれども、やはり現在の基準といいますか、現在の考え方というのは、適正な車間距離を保ってドライバーが走っておられるのだ、走行しておられるのだというような前提に立っておると思います。したがいまして、通常状態ならばああいう六重衝突、六台の車が衝突して炎上するということはないだろうというふうに考えておるということと、もう一つは、今回の六台の車両のうちに特殊可燃物とか、あるいはまた危険物というものが積んであった、そしてまた第一事故現場の後ろの方にも合成ゴムというものが積んであったというような状態が重なっての事故だというふうに解釈いたしております。
  185. 寺前巖

    寺前委員 私、この間天王山を見に行ってきたのですよ。あそこで追突事故が起こっている状況の一覧表を見せてくれと言ったら、あの名神の関係で言いますとやはり天王山のところが非常に多いですね。それから坂を下っていくトンネルがある、そこにおける追突事故というのが非常に多いのですね。私、こういうことを見てきた場合に、客観点にもトンネル内における事故という事実は現実にもうすでに発生しておった。だから、ドライバーが気をつけるということも大切な問題です。それはそれ自身注意していかなければいかぬけれども、交通のあり方の問題としても、ここで追突事故が非常に発生しているといったら、そうしたら危険度というものはここは非常に高いという前提に立たなければいかぬと思うのですが——警察はおらぬですね。そうすると私は、いまの内部消防のあり方についても異常な事態だということでは済ませない今日的、客観的な条件が来ている、そういうふうに見るのが妥当ではないだろうか。とするならば、先ほども話が出ていましたけれども、その四十二年なり四十九年なりにここにおけるところの基準というものを設けて防災基準をつくってきたけれども、防災基準というものについてもっと全面的に見直しをしなければならないときがもうすでに来ておったのじゃないだろうか。走らす車両の問題についてもそうだし、トンネル周辺におけるスピードの問題についてもそうだろうし、それから内部におけるところの防災施設の問題についてもそうだろうし、全面的にあり方について再検討すべきところに来ておったのにその時期を失してしまった、そして事が起こってしまったというふうに見るのが私はやはり客観的な事態じゃないだろうか。公団の方が私の方は別に悪いことをしていませんでした、それは基準があって、その比較で言えば何も悪いことをしていないかもしれない。あるいは迷惑をかけるようなことを私はやっておりません、基準がこうですからと。しかし私たちはそこに基準を求めるのではなくして、現実にドライバーの皆さんに道路として提供しているというその提供に対する客観的な責任という角度から言うならば、その基準そのものについて、それは防災上も、交通のあり方についても、全面的に見直す段階に来ておったんだと私は率直に認めるべきだと思うのですが、これは総裁になるのか大臣になるのか、私は率直にそこの意見を聞かしてほしいと思うのです。
  186. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 私は、その意味におきましては絶えず基準というものを——基準にとらわれることなく安全の点につきましては努力していかなければならない、このように考えております。四十九年に改定されましてからもうすでにやらなくちゃいけなかったんだ、こういうことでございますが、事故が起きたという点を考えましたらいま寺前さん御指摘のとおりかもわかりませんけれども、私は、この事故を教訓としてぜひともこの際この点は見直していただきたいということで、いま鋭意各省庁とともに検討さしていただいておるというところでございます。  なお、いま危険物の、消防の方から答えていただきましたように、運悪く六台の中に危険物、可燃物があった。私もあそこへ参りまして、その爆発した車両の起こした大きな傷跡というものを見せつけられまして、これらの点につきましては一応、建設省だけの問題でございませんから、関係各省とも連絡をとりまして、道路規制のあり方にまでこの際検討さしていただきたい、このように考えておる次第であります。
  187. 寺前巖

    寺前委員 消防にもう一つ、私、現地に行ったときにぱっと気づいた問題で気になって、一言だけ聞いておきたいのですが、現実的な事故発生した場合の消防の訓練と言うのですか、さっき一回やっただけだという話をしておったですね。噴霧器をばあっとやったり、作動するかどうかとか、そういうことについては公団と一緒になっておやりになっているようだけれども、現実的な消火訓練、そういうようなものはあれが開通して以来一回やっただけだということを言っておられるのですが、ここらあたりにも、さっきの消防法の問題を別にあえてそんなことに結びつける——消防法がどうあろうとあれだと思うのですが、どうも気になって仕方がないのですね。何か簡単に処理できるというような雰囲気が今日まであったんじゃないだろうか。そこらにも、異常にたくさん走ってきている今日の車の状況から、ああいう可燃物なんかを持っているような状況から見ていった場合に、ちょっと甘い感覚が、公団の方も消防の方も、しかるべき責任部署の分野において甘いというのか、責任の所在地の関係というのか、私はやはりそこが気になるのですよ。気になるような対応しか今日までなかった。だから、そこの——ぼくはそれは、むしろ消防が責任を取り得る体制であったら、消防法をなぶってちゃんときちっとした方がそういうことになるというのだったら、そうしてもらった方がいいし、何かちょっとやはりひっかかる問題であったということをこの際にあえて提起しておきたいのですが、そんなことはないとおっしゃるでしょうけれども、積極的に直接の道路の管理者である公団の方は、そういう全線にわたって本当に異常な事態が発生した場合の対応策の総点検と、その訓練を警察なりあるいは消防なり関係機関との間にきちっとやる、やってみる、そうしたら通報体制のあり方の矛盾の問題とかいろいろな問題についてもっと明確になるだろう。私はそういう意味で、今日までの処理は確かにちょっとあいまいな雰囲気を感じましたので、この際に改めて私は総裁にお願いしたいと思うのですよ。異常な事態発生の場合の訓練を直ちにやってみて、そこからの問題点を直ちに集約してもらう、いかがでしょう。
  188. 高橋国一郎

    ○高橋参考人 先生から御指摘のように、警察、消防を含めた合同防災訓練は昭和四十八年十月に実施しておりまして、その以後やっておりません。  ただ、毎年防災訓練を年に一回実施しておりまして、これは地元消防署の立ち会いをお願いしております。その内容は、静岡インターチェンジと焼津インターチェンジ間を閉鎖しまして、消防署員立ち会いのもとにトンネル内で模擬火災による防災設備の作動試験を行うとともに、交通管理隊、これは道路公団の職員ですが、交通管理隊を動員しまして消火訓練を実施するものであります。日本坂トンネルにおきます最近の消火訓練は、下り線につきましては昨年の十一月十日、上り線は昨年の十一月一日に実施しております。  ただいま先生おっしゃいましたように、今回のまさに予期せざるような大火災を契機にしまして、できれば警察、消防にもお願いいたしまして、そういう総合的な訓練を実施させてもらいたいというふうに思っております。
  189. 寺前巖

    寺前委員 もう繰り返しになるような話は避けたいと思いますので、これで終わりますが、私、この間現地を見に行ったときに改めて、障害者が車に乗っておられたらどういうことになっただろうかなということを実はぽっと感じたわけですよ。これはえらいことになるなと。障害者はあれを足にしていますから、足自身、足がなくなるという事態になるから。それだけに、よけい私は対応策についてもっとそのことも含めて検討してほしいなと。  ちょっとついでだから、さっきの料金の話がありましたけれども、料金所の。消防自動車の通過に対して一々チェックされる。消防に限らず、いろいろな任務についてやる場合でも、一々あそこは所管が別だということで——下請になっておるのですか、何か別になっておるから、仕事をして外に出ぬとまた回ってきたら何かややこしいことになったりするわけですね、あれは。ともかくそういう点で、片一方で消防に出動をお願いしておきながら、そこでチェックされてしまうというようなことは、これなんかは非常に矛盾したことが平気で今日まで行われているのだなということを一つは感じ取ったわけです。  話はちょっと変わるのですが、障害者に今度割引のチケットを渡すようになりましたね。これは非常に喜ばれておりますよ。ところが、乗ったわ、どこでトイレを使うかという問題に次に直面してきよるわけです。名神について言うと、一カ所だけですかね、あるのですけれども、現実的ではないわけですよ。ですから、せっかくああいう制度をつくったら、同時に、施設そのものについても全面的に障害者向きに対応策を組んでもらう必要がある。私は、障害者の異常な事態が発生したりした場合の処置がどうなるんだろうかということを一方で気になりながら、一方でトイレその他の問題についてもちょっと気になったものですから、そういう障害者用の問題についてはどういうことを今日処置してこられ、いま考えておられるのかを最後に承ったら幸いだと思います。
  190. 持田三郎

    持田参考人 お答えいたします。  いまの身障者の方々が実はああいった事故に対してどうだろうかということでございますが、これは先生のおっしゃるとおりでございまして、非常にむずかしい問題を含んでおりますが、いろいろ検討委員会でもそういったものを提案いたしまして御検討いただきたいと思っております。  それから、身障者用のトイレでございますけれども、トイレにつきましては二つの段階がございます。建設段階でサービスエリアにトイレをつくるということと、すでに供用開始しております路線のサービスエリアにトイレをつくる、こういった二つの予算的な分かれでやっておりますが、現在供用中の高速道路では、全国で十二のサービスエリアの中で、上下線合計二十カ所設置してございます。本来ならば、十二サービスエリアでございますので二十四カ所でございますけれども、上り下りで、下りの方で設置していないというのがございまして、現在二十カ所やってございます。  今後の計画の予定でございますが、先ほど申しましたように、建設段階では、サービスエリアには原則として身障者のトイレを設置する予定でございます。  また、供用中の高速道路サービスでございますが、いま先生お話のございました名神では、大津サービスエリアが上下、これはすでに終わっております。昨年、五十三年にたしか上り線ができたかと思います。それから、今年度でございますけれども、五十四年度におきましては、東北道の蓮田のサービスエリアあるいは関越道、中央道、この三カ所の約六つのトイレを計画してございますし、五十五年度においても同規模の個所を予定してございます。  なお、今後、こういった供用中で身障者用のトイレのないところにつきましても計画を立てて実施する計画でございます。  先ほど申しましたように、建設段階では、大体年間に百五十キロから二百キロぐらい供用開始してございますので、サービスエリアというのは大体一区間が五十キロぐらいでございますので、三カ所あるいは四カ所ぐらいの、建設段階ではそういったトイレの施設が設置される予定でございます。  以上でございます。
  191. 寺前巖

    寺前委員 いずれにしたって、道路を国民に提供している以上は、安心して走ることができるようにする責任というのは道路管理者には私はあると思うのですよ。そういう意味の責任から見て、いろんな事態が発生した場合でも対応する責任はかぶっているということはやっぱりお感じになって、被災者から補償の要求とかいろいろな形のものが出ていると思いますが、当然私は、率直にそういうものに対応するという姿勢が大切だと思う。ですから、先ほども申し上げましたように、異常な事態を前提にしてやっぱり対応策というのは常に考えなければいけないし、事故発生した場合には、管理者として、住民との、国民との関係で責任を見るようにしないと、何かあるときにつくった基準との関係だけで物を見ていくというのは正しい物の見方じゃなかろうというふうに思いますので、最後に、その点についての見解を大臣に聞いて終わりたいと思います。
  192. 渡海元三郎

    ○渡海国務大臣 道路管理者として責任を感じなければならないということは当然でございます。私たち、その点は十分被災者の方々の御意見等を率直に聞かしていただく、そのような心組みで取り組まなければならぬ。ただ問題は、賠償すべきであるかどうかという点につきましては、道路公団の金といえども国民の金でございますから、法的根拠がなければこれを一存で出すわけにはいかない。そのために、警察、消防等で現在事故究明をやっていただいておりますので、その点についての言明は差し控えさしていただきたい、これが私の率直なる気持ちでございまして、起きましたことに対する責任感といいますか、それは十分持って対処するという点につきましては、建設省といたしましても、また道路公団といたしましても、今後とも考えていくということでは、努力し、反省もしていくという点については、十分やらしていただく、このように考えております。
  193. 寺前巖

    寺前委員 終わります。      ————◇—————
  194. 有島重武

    有島委員長 この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行うのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  195. 有島重武

    有島委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事青山丘君を指名いたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時三分散会      ————◇—————