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1979-04-25 第87回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年四月二十五日(水曜日)    午後一時三分開議  出席委員   委員長 有島 重武君    理事 左藤  恵君 理事 佐藤 守良君    理事 前田治一郎君 理事 太田 一夫君    理事 後藤  茂君 理事 青山  丘君       石川 要三君    石橋 一弥君       大野  明君    玉生 孝久君       野中 英二君    水平 豊彦君       沢田  広君    野坂 浩賢君       山本 政弘君    吉原 米治君       石田幸四郎君    伊藤 公介君  出席政府委員         内閣総理大臣官         房交通安全対策         室長      三島  孟君         警察庁交通局長 杉原  正君         運輸省自動車局         長       梶原  清君         運輸省自動車局         整備部長    小林 育夫君         建設省道路局長 山根  孟君         建設省住宅局長 救仁郷 斉君  委員外出席者         警察庁交通局交         通指導課長   矢部 昭治君         法務省刑事局総         務課長     佐藤 道夫君         大蔵省銀行局保         険部長     貝塚敬次郎君         農林水産省経済         局農業協同組合         課長      三井 嗣郎君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部財         政課長     丹羽  晟君         建設省都市局街         路課長     並木 昭夫君         建設省道路局道         路交通管理課長 浪岡 洋一君         建設省道路局国         道第一課長   多田 宏行君         建設省住宅局市         街地建築課長  片山 正夫君         自治省財政局財         政課長     矢野浩一郎君         日本国有鉄道職         員局労働課長  諸隈 嘉一君         日本国有鉄道建         設局停車場第二         課長      永尾 勝義君         特別委員会第一         調査室長    綿貫 敏行君     ───────────── 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ────◇─────
  2. 有島重武

    有島委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
  3. 石川要三

    石川委員 法務省の方まだ見えてませんか。——それでは、ちょっと順序を変えまして質問をさせていただきます。  いま国民皆免許といいますか、モータリゼーションの時代になっているわけでありますが、こういう時代の中で、交通行政あり方というのはやはりそれにふさわしい対応をしていかなければならない、こういうふうに思うわけでありますので、私いろいろと町を車でドライブしながら感じたことをちょっと先に質問をいたします。  よくスピード取り締まりをやっておりますが、木陰か何かに警官の方がちょっと身を隠しておりまして、車が通りますと、そこですぐスピードの出ている車はキャッチするわけです。俗にネズミ取りとかなんとかと言われているようですが、これがまことにうまいぐあいに警官が網を張っておりまして、何かあのやり方が非常に奇異を感じ、しかも国民全部がドライバーの今日、果たしてあのやり方がいいか悪いか非常に疑問を感ずるのですけれども、まずその点について、ひとつ交通局長見解をお尋ねしたいと思います。
  4. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  これだけの大量交通時代の中で交通取り締まりあり方やり方、これをどういうぐあいに持っていくのかということは、御指摘のとおり本当に私ども心を砕いておるところでございます。なかんずくこのスピードの、取り締まりでございますが、一つにはスピードを取り締まる理由というのは、事故を分析いたしますと、やはり一番多いのがスピード出し過ぎということになるものですから、どうしても第一線ではこのスピードに関心を持つ。やり方として、白バイで追尾をするというやり方とか、あるいは自動速度で読みましてそれでやる、それから一番多いのが例のレーダーによります定置式のものでございます。この一番最後のものがやはり俗にそういう先ほど御指摘のあるような形で、必ずしもドライバーの印象がよくないというふうなことでございます。  そこで、そういうスピード出し過ぎを防止するようなことを基本に据えながら、あくまでも事故防止のための取り締まりでなければなりませんので、スピードによって事故が多発する場所路線、時間帯というふうなものがいろいろと事故分析の結果から出てまいります。そこで、そういう場所について、あらかじめここはこういうことでスピードを控え目にしてほしいというふうなことの事前広報措置標識とかいろいろなものがありますけれども、そういう手だてを講じて、それでなおかつ、たとえばカーブなんかのときには典型でございますが、カーブがある、スピードを控え目にというふうな形でドライバーに訴えながら、しかも守ってもらわないと事故に結びつきますので、そういうふうな事前措置広報、そういうふうなものと並用しながらドライバー側から納得してもらえるようなやり方、これを基本に据えて対策を考えていきたい。これが私どもの当面の最大の課題であるというふうに考えております。
  5. 石川要三

    石川委員 基本的にはいまの説明で私もある程度了解いたしますが、どうも何か網を張って国民を監視して、それ悪いことをした、ばっとつかまえる、しかも唐突にどろぼうを追いかけるようなやり方自体には非常に首をかしげざるを得ない。そこで、そういった点は十分にひとつ御検討いただきたいと思うのです。  次に、これは日本人の悪い癖かもしれませんが、そういうふうに隠れていないと、すぐ連絡してスピードを落としてしまうということで効果がないものですから、そういうふうになるということになろうかと思います。それと同じような観点で、よく路地なんかに行きますと、恐らくパトカー廃車でしょう、廃車が置いてあって、はっと見ると警官がいるように思わせる。どきんとしますね、あれは。下手な運転者はあれを見てかえってどきどきするのじゃないかと思うのですが、なぜあんなところにああいうものを置くのか。ぼくはあの取り締まりというか行政指導やり方は、何かきわめて陰湿なような感じを与えるのですがね。それから、人間そっくりのような人形がありますね。きわめてうまくできている。あれも適当なところに立っている。私はあれを見るたびに非常に情けなく思うのは、西洋人は、悪いことをすると社会そのものが批判し、罰則をする。ですからやらなくなる。ところが日本人というのは、見ていなければいいのだ、こういう教育じゃないかと思うのです。私は、ああいうことを警察が直でやっているんじゃないと思うのですね。交通安全協会だろうと思うけれども、綿密な行政指導の上においては一体性があると思うのですね。だから、私はあれはどうかと思うのですが、その点についてどうですか。
  6. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  パトカー廃車したものを置いておいたり、それから警察官人形を立てたりというのが、もういま都市の真ん中では見られなくなりましたけれども、周辺に行ったり地方部に行きますと、若干残っているようなところがあります。これは過去の経緯から申しますと、警察官が足りない、安全施設が足りない、しかも事故は起こるということで、地域民間人たちが何とか事故を減らしたい、そういう願いからそういうことをやってきた過去の経緯がございます。それはある時期には一つ事故防止の役に立ったと思いますが、これからの近代的な車社会の中で交通管理を考えていくときにはもっと別なやり方を考えていくべきだということで、私ども、いろいろな全国会議とか指導をする機会にもこういうものは外してほしい、外すかわりにそこに安全施設を、ガードレールその他必要なものをきちっと整備をしていく、それと置きかえに従来のそういうものは外していってほしいというふうなことで指導しておりますし、さらにこれからもその点指導を徹底していきたいというふうに考えております。
  7. 石川要三

    石川委員 いまの局長見解で私も納得いたします。確かに最近はそういうことを指導してないし、過去の遺物のような感がいたしまして、見れば非常に薄汚い、廃車で町の景観も非常に損なうというようなことでございますので、できるならばああいうものは速やかに撤去すべきではないかというふうに思います。そして、むしろ見ていなくてもいても、公共秩序のためにも交通道徳というものを幼いときから学校で徹底的に教育をやっていくように御指導いただきたいと思うのです。  それから、これも交通安全協会民間団体で非常によく御協力をいただいて大きな社会的貢献をされていることは私は認めているわけでありますが、しかし最近、警察官と同じような服を着て交通安全の日なんかにやっておりますが、もしあれが悪用された場合にはちょっと危険じゃないかと私は思うのですが、その心配があるかないか、それについての局長見解
  8. 杉原正

    杉原政府委員 いまの民間のああいう方々というのは、本当にフロンティアといいますか、そういう奉仕の精神でやっていただいております。ただ、背広を着てやっている場合と、ちょっとユニホームらしいものを着て同じ手を挙げましても、守ってもらい方が非常に違うというふうな御意見もありましたりいたしまして、その点、誤解を生むことのないような指導に努めておりますが、いまのところ、制服を着ておられるので非常に弊害があるというふうなことは聞いておりませんけれども、そういうことがないように指導は徹底していかなければいかぬというふうに考えております。
  9. 石川要三

    石川委員 そういうふうに御指導いただければ、それで問題は解決して質問は終わるわけですが、ただ、いままで事故がなかったからいいけれども、三億円事件にしても、ああいう警官に対しては一応従うというのが国民の常識ですから、そういうこと。それから、これはいまのパトカー人形と同じように、ああいうものがなければ守らないというわれわれの悪い慣習、これがやはり関連があると思うのですね。ですからこそ、これは考えていかないと、事故が起こってからでは大変なことになります。言うならば、こういう制服をやっていただくのは一つ効果があっていいのでしょうけれども、やるにしても、もう少し形を変えた、もっとセンスのあるやり方が欲しいですね。そういった点では、当局の——たしか一番初めはあれは警察官の官服を払い下げたと思うのですよ。そもそも原因はおたくの方にあるのですから、そこらはひとつもっとセンスのあるやり方でやってもらいたい、こう要望いたします。  次に、標識です。確かに標識がなくちゃ困るのですが、これも私去年ちょうどヨーロッパの方に行きましたが、日本と比べてポスターが非常に多い。選挙でも始まれば大変なものでございますが、そういう意味でめちゃくちゃにポスターが多い。ポスターとか一般の広告の中にさらにまた標識がまじっている。その上にさらに、これも善意に基づくものでしょうけれども、汚い字で何だかわけのわからない俳句だか川柳だかみたいなものが書いてあるのがあります。あれは警察自体のキャッチフレーズというものがあると思うのですが、余り感心しない文章のものがあるので、あんなものを見ているとかえって事故を起こす。いっそのこと——私はあれはたくさんあっても余り効果がないんじゃないかと思うのですが、そういった点もひとつ御検討いただければ結構です。  次に、昭和五十四年度の交通安全対策交付金、要するに反則金ですか、これが前年に比べてかなり減額をされておりますが、本当ならゼロの社会が一番いいと思うのです。だけれども、これは罰金の方とどんなふうな関係になっておるのか、そこいらが一点……。それじゃ、これは後ほどにしておきます。  交付金算定方式というものを再検討する必要があるのではないか、私はこういうふうに思うのです。というのは、現在算定方式によって三十万に満たないときは交付しないということになっておりますが、五十万円前後の額しか交付されていない町村がかなりあると思うのです。どの程度の数になっているか、それを先にお伺いしたいと思います。
  10. 矢野浩一郎

    矢野説明員 御指摘のように、現在、交通安全対策特別交付金につきましては、三十万円に満たないものはきわめて少額になりますので交付しないということにいたしておるわけでございますが、現在、こういった三十万円未満団体を除きまして、三十万円以上で、しかも五十万円未満団体数が、昭和五十四年度におきましては三百四十四団体ということになっております。
  11. 石川要三

    石川委員 現在、そのように約三百五十ばかりの団体が三十万から五十万ぐらいの交付金をいただいておる。しかも、これは要するに使途がはっきり明示されている、いわゆるひもつきということになっておるわけですが、こういうお金は受けた自治体も困るのですよ。使い道にならぬというような額でありまして、本当にわずかのガードレール——カーブミラーなら何個ぐらいになるかわかりませんけれどもカーブミラーならまだ多少あればいいのですけれどもガードレールなんかもうちょっとやりたくても金がないというように、帯に短し、たすきに長しというような、しかも、会計監査等でもそういうような問題がいま非常に指摘されている。こういったような中で、今後交付算定については直す必要があるんじゃないかと思いますが、これについてはいかがですか。
  12. 矢野浩一郎

    矢野説明員 現在の三十万円未満という交付制限の基準は、昭和四十九年の改正によりまして、それまでは五万円というきわめて小さい額でございますが、御指摘のように、幾ら何でもこれでは受けた方の市町村といたしましても困るであろうということで三十万円といたしたわけでございますか、昭和四十九年当時から比較いたしますと、交付金の額は当時が約四百億くらいだったと思います。現在約七百億、六割、七割ぐらいの増加ということに相なっておりますが、三十万円でもなお現在の状況からすれば零細に過ぎるのではないか、こういう御指摘はごもっともかと思います。  対策交付金そのものは、通常の補助金と違いまして使途制限はございますけれども、かなり幅が広い。補助の申請その他の条件も特にございません。ただ政令上使途制限があるだけでございますので、そういう意味では一般財源にやや近いものとは思いますけれども、それにいたしましても余り零細な額ということになりますと問題もございますので、今後この金額につきましては検討をしてまいりたいというぐあいに考えております。
  13. 石川要三

    石川委員 四十九年の五万円から見れば六倍になったんですけれども、何といってもいまのような予算規模から言うと、こういう三十万円というのはまだまだ非常に使い方が、せっかくのお金使い方効果が出ないような、そういうことになるというふうに思うわけでございます。いっそのこと罰金も加えて交付することは、これは担当が違うんですか、それはできないのですか、法務省の方でなければ答えられないのかな。だめですか。ではそれは後で結構です。  それでは、こういう車社会、これは交通安全を確保するためには、一つには施設整備、もう一つには交通安全教育安全思想の普及、こういうことが両々相まって初めてこれが効果を発することは当然であります。したがって、いま現在は地域ぐるみだとかあるいは家族ぐるみ、こういった運動にまで展開しようとしているわけであります。今後この交付金がこのような運動を充実するための財源として使われることの方が私はいいんではないかと思うのですが、これからの安全基本計画の発足に向けていまから検討をすることが私は必要だと思いますが、それに対しての御見解を。
  14. 矢野浩一郎

    矢野説明員 現在、交付金使途につきましては、いわゆる地方団体で行います単独事業としての交通安全に関する施設設置に関する経費、いわば投資的な面、施設整備の早急な促進を図るという観点から充てられてまいったわけでございます。しかしながら先ほど先生御指摘のように、この交付金ができましてからすでに十年以上を経過しておりまして、その間地方団体もいろいろ努力して施設整備は進めてまいりました。当時とまたいろいろ交通安全対策というものの性格も少しずつ変わってきておるかと思います。御指摘のような使途にも充てるということになりますならば、やはり法律なり法律改正等も必要になるかと思いますが、現在の段階で地方団体におきましてはなお施設整備をもっと必要とするところもございますし、あるいはかなりそういったものがもう進んでしまったというところもございます。その辺の実態をよく私どもも調べてみまして、今後研究させていただきたいと考えております。
  15. 石川要三

    石川委員 次に、信号機について若干お尋ねします。  信号機というのはなくてはならないものでございますし、これによって事故防止が非常にできるわけであります。これは素人考えですけれども、最近私は見まして、とにかく信号機がめちゃくちゃに多いような気がするんです。余り多いと、本来ならば事故防止のために役立つべきこういったようなものの施設が、この設置場所の問題とかあるいは機種の選択、運用方法等によってはかえって角をためて牛を殺すというようなことにも私はなりかねないような気がするんですが、まず非常に多過ぎるという感じがします。それについて、やはりこういうものは、いや、人命は地球よりも重いんだという哲学から発するとこれはなかなか否定できない要素がありますからむずかしいんでございますが、そんな感じがするんですが、そこらの認識についてちょっとお伺いしたい。過積み規制なんかのことで物価との関係も論じられておりますが、やはり余りこういうものが多いと渋滞を来すし、これがひいては物価に影響する、こういうことに関連があると思うのです。まずその数ですね。ひどいところになると五十メートルぐらいの間隔しかないところがある。これは大変渋滞を来しているんですが、これについてはどういうふうにお考えですか。
  16. 杉原正

    杉原政府委員 お答えいたします。  これだけの車がふえてまいりまして、これをどういうぐあいに制御をしていくのか、歩行者と車というものをどう調整していったらいいのかという非常に基本的にむずかしい問題がございます。道路歩行者の方から安全に渡りやすくしようとしますと、信号機がある程度ありませんと安全には渡れない、車から見ますと信号機が多いとじゃまになるということでございます。これは交通安全という観点からずっと信号機整備されまして、現在約八万七千交差点信号機全国設置をされておるのでございます。ただ、信号機が多ければ多いほどいいという単純なものではございませんで、御指摘のように信号機設置密度の高い路線地域におきましては、個々信号機単独で操作しておるような、こっちの現示はこれ、こっちはこうだというふうな形でやっておったのでは車の流れを大変に阻害することになるわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、現行の第二次交通安全施設等整備事業五カ年計画というのがございまして、ことしが四年目になるわけでございますが、これで全国の主要な都市交通管制センター設置いたしまして、信号機集中制御をやる、また都市間道路中心にいたしまして、信号機路線自動感応方式というものをとっていく、これは交通量に合わせて現示を変えていく、こういう機構でございますが、こういった形で信号機系統化をやっていくということで、いわゆる信号機高度化を現在推進しておるわけでございます。五十三年度末、本年の三月末までで交通管制センター全国で四十五都市設置されておりまして、高度化された、先ほど申しました系統化した自動感応信号機というものは全体の信号機の中の約四〇%の三万四千六百交差点、いわゆる信号機でございますが、それにつきましては現在高度化が行われておるわけですが、まだ六〇%のものはいわゆる定周期で個々運用されておるということでございまして、そこに大きな問題があるわけでございます。そこでこれからさらに交通の安全と円滑との調和を図るために、さらに交通管制センターを広げる、また地域をもっと拡大していくということと同時に、幹線道路中心にしまして信号機系統化を進めていきたいというふうに考えております。同時に、現在ある個々に作動している信号機につきましても三段ぐらいには多段式になっておりますから、それを向こうの信号機とこっちの信号機がいわゆる調整ができるような現示の仕方というものを工夫をしております。そういうことで、いろいろ車の円滑を阻害しないでしかも安全が確保できる、そういうやり方につきましては、この運用の改善について一段の工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
  17. 石川要三

    石川委員 東京都の人口はいま都心部ドーナツ現象で、その人口多摩地区へどんどん移住しているわけであります。私の調べたところによりますと、昭和二十年を起点とすると約四・五倍ぐらい多摩地区がふえております。したがって、多摩ニュータウン等もございまして交通渋滞が非常に激しいのですけれども、そういうところから見ても、いまの交通管制センター、これはやはり多摩地区にも必要ではないかと思います。これについてはぜひとも設置をすべきであると思いますが、この点についてどのように考えていらっしゃるかを、まず一点お伺いしたいと思います。
  18. 杉原正

    杉原政府委員 お答えいたします。  その前に現在の多摩地区信号制御の現状につきましてちょっと申し上げておきたいと思いますが、多摩地区主要幹線道路と、交通密集度の高い立川、八王子、調布、府中、この中心地域信号機——信号機というよりも、信号機の設けられている交差点というふうに御理解いただいた方がいいと思いますが、六百七基につきましてはもうすでにコンピューターによります信号制御を実施しております。また、この路線につきましては、交通渋帯情報等も霞ケ関にあります警視庁の交通管制センター地図盤等にもすでに自動表示ができるようになっておりまして、一応いまのところ二十三区と多摩地区の先ほど言いましたような地域につきましては交通管制業務を一元的に実施をいたしておるわけでございますし、今後におきましても多摩地区管制地域の拡大をもっと進めていくというふうに考えております。  ただ、多摩に二十三区の管制センターのほかにもう一つ管制センターを置くことがいいのか、あるいは東京都内を一元的にやっていった方がいいのかにつきまして、利害得失がいろいろ出てまいります。そこで、あるところとあるところはどうしても結んで物を考えないといかぬという問題が出てまいりますので、その辺はこれからさらに鋭意研究さしていただきたいというふうに思います。
  19. 石川要三

    石川委員 もう一点、これは交通問題と関連があるのですが、歩道橋がたくさんできましたけれども、余り利用されていないように見受けられますが、交通安全上からの歩道橋実態はどんなふうなんですか。
  20. 杉原正

    杉原政府委員 歩道橋につきましては、車の流れが非常に多くて、しかもそこを横断する歩行者も多いというふうなことで、どちらかといいますと、車を流し、しかも車との接触がないようにということで、道路管理者の方で大変に工夫をして進めていただいている面もあるわけでございますが、ただ、お年寄りとかあるいは買い物の車を持った御婦人とか自転車乗りとかいうふうなことになりますと、現実に歩道橋が通れないという実態があるわけでございます。そこで、歩道橋がありながらまた下に横断歩道を引くというようなことも現実にあるわけでございまして、この辺のところは非常に調整がむずかしいわけでございますが、個々場所につきまして道路管理者等と相談をしながら一番調和のとれたような形で推進をしているというのが実態でございます。
  21. 石川要三

    石川委員 法務省の方が見えたようですから、ちょっとお伺いしますが、罰金の総額はやはり反則金と同じように減っているのじゃないかと思うのですけれども、私が知りたいのは、交通関係のものは罰金総額がはっきり区別されていないように見受けられます。交通問題の一つのデータとしても交通関係のものはやはりそれなりに区分して、年々の増高傾向、動向といったようなものを的確に把握するためにも独立して数字は持つべきではないかと思いますが、そこらはどうなっているのか。  それからまた、反則金罰金を合わせて交通安全対策特別交付金として交付することができないかどうか、またできないとするならば、それはどういうふうな理由でできないのか、そこをひとつお伺いしたい。
  22. 佐藤道夫

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  まず検察庁の罰金の収納額でございますが、これにつきましては先生御指摘のとおり交通関係とその他の事件との振り分けはしておりません。一応総額を申し上げますと、五十一年度は約五百二十億、五十二年度が約五百六十億ということになっておりまして、これは交通関係一般刑法犯その他すべてを含んだ数字でございます。ただいま申し上げましたとおり区分けはしておりませんけれども、一応推測としてできますことは、検察庁が受理いたします事件のほぼ九〇%前後が交通関係でございます。したがいまして、やはりこの罰金収納額の九〇%ないしそれ以上が交通関係ではなかろうかというふうに思われます。  次に、第二点のお尋ねでございますけれども、御案内のとおり罰金と申しますのは刑罰の執行でございます。刑罰、すなわち本人に対する感銘力をいかにして発揮するかという角度で、たとえて申し上げますならば自由刑・懲役と同じような観点でわれわれは運用しておるわけでございまして、この罰金をストレートに交通安全のためにあるいは被害者のために還元するというふうな、これは一つの財政的な考え方でもあろうかと思いますけれども、刑罰の組織の上ではさような考えは持っておりませんので、財政当局が、入りました罰金をいかに振り分けて交通安全に回すかということはその角度でお考えいただける問題かとも思いますけれども法務省としてその問題を検討しておるということはございません。
  23. 石川要三

    石川委員 いま五十二年度が約五百六十億、これのうちの九〇%が交通関係、こういうふうに説明されましたけれども交通関係そんなにたくさんあるのなら、やはり反則金と同じようにそれを区分して——この資料は得られるものかどうか。それはそちらだけの計算でいま説明があったと思うのですけれども、ちょっと一われわれの中に資料がないのですが、そういうものはやはり区分して出せないのですか。
  24. 佐藤道夫

    佐藤説明員 お答え申し上げます。  正確な数字を出すとなりますと相当膨大なかつ長期間の作業が必要ではなかろうかと思いますが、一応の推計的なものは可能だと考えておりますので、できるだけ早い機会に、御要求があれば御要望に応じたいと考えます。
  25. 石川要三

    石川委員 次に、多摩地区の若干の問題について質問します。  大都市交通ネットワークというものは放射方向の道路に非常に過重な負担がかかっているわけであります。したがって今後やはり環状路線整備が非常に緊急に必要であろう、こういうふうに一般的に言われております。多摩地区におきましてもその状況は全く同様でありまして、人口の急増に伴って交通需要が著しく増加をしております。そこで放射方向の道路はやや整備されておりますけれども、特に南北に延びる道路、あるいはまた公共の大量輸送機関である軌道、こういったようなものが整備されていないわけであります。そのために非常に渋滞等を来している、これが現状の姿ではないかと思います。  そういう中において、まず第一点、現在国道十六号線の八王子バイパスの整備が取り上げられまして、特にこれがいままで非常に遅々として進まなかったのが、有料道路ということでそのある部分を早急に整備することになりました。非常に結構なんですが、これについて、いま現在非常におくれているのじゃないかと思いますが、どういうふうな状況になっているのか、その点、ちょっとお尋ねします。
  26. 多田宏行

    ○多田説明員 お答えいたします。  一般国道十六号八王子バイパスは全長十・五キロでございますが、そのうち町田市の相原から八王子市の打越までの四・五キロの区間につきまして、先生からただいまお話がありましたように、昭和五十三年度から日本道路公団の一般有料道路事業として事業に着手いたしました。現在、日本道路公団におきまして関係機関との調整を進めます一方、測量、設計等を実施中でございますが、これらの作業が完了し次第地元との設計協議に入ります。 (石川委員「おくれているのか、おくれてないのか」と呼ぶ)順調に進んでおります。それで、五十四年度は一部用地買収に着手することにしております。今後とも地元の関係者、それから関係機関の協力を得まして、およそ五十八年度完成を目途に鋭意事業を推進してまいりたいと考えております。
  27. 石川要三

    石川委員 わかりました。  次に、国道十六号線に沿って外側に外環状三号線の構想があるわけです。これは十五、六年前からそんな話を聞いているのですが、一度かなりそれが実現しそうな気配が見えて、沿線の各市町村も東京都へ呼ばれて何かいろいろと細かい煮詰めがあったようですが、その後ばたっとやんでしまった。これはどういうわけですか。
  28. 多田宏行

    ○多田説明員 お答えいたします。  お話がございました外環状三号線は、昭和五十一年……(石川委員「ばたんとやめてしまった理由です」と呼ぶ)それは、例の石油ショック以来道路投資の伸びががくっと下がってきたことと、もう一つは、御存じの国道十六号の整備に、東京都下分でもバイパスにおきまして二百億近い事業がございますので、そちらを最優先ということで考えて、現在は諸般の調査を進めております。それで、関係市町村とじっくりと計画を煮詰めてまいりたい、こういう段階にございます。
  29. 石川要三

    石川委員 おくれた理由は、まず一つにはオイルショック、もう一つは十六号そのものに金がかかったということだそうであります。いま、これからじっくりという言葉を使いましたが、じっくりとやられたのではこちらが困る。大体、現在の多摩地区を見れば、この道路が非常に必要なことはあなた自身がよく知っているわけですね。それをいまからまた調査してじっくりとなどと言ってやったのじゃ、いつのことだかわからない。私が耳にしてからすでに十何年もたっていますね。私はいまの理由だけではないような気がするのです。あれほど積極的に乗り出したものが、なぜ東京——東京都ですから建設省と関係ないと言えばそれまでかもしれませんが、たとえばある市においては、区画整理粟業とあわせて用地を取ろうなどというので、区画整理の中に取り入れた。それがすでにどうなったか知りませんけれども、区画整理進行上からも大変問題になっているのじゃないかと思うのですよ、そのままになっていることは。非常に迷惑されていると思うのです。それと同時に、何といっても横浜、相模原、こういった物を生産するところ、船が出るところ、さらにまた千葉とか、そういった環状的な面から見てこれは最優先すべき道路ではないかと私は思うのです。これからじっくりなどというのでは、私は非常に心もとない気がするのですが、もっと積極的な姿勢をここで示せないかどうか。
  30. 多田宏行

    ○多田説明員 じっくりとというのはぐずぐずという意味では決してございませんで、何せこれは延長におきまして二百数十キロでございましょうか、事業費は、まだマクロ的な調査段階でございますので明確なことは申し上げられませんが、一兆数千億という大プロジェクトでございますので、関係機関はもとより、地域住民の皆さん方のコンセンサスが得られるように十分な研究を進めてまいりたいということでございます。
  31. 石川要三

    石川委員 金も限界があるわけですから、その点はよくわかるのです。とにかく、これは原因者が国だけではないと言えばそうかもしれませんけれども、やはり国の一つの住宅政策であることは事実なのです。たとえば多摩ニュータウンは、現在一万三千世帯ぐらいをあそこに張りつけておりますが、でき上がると約十万世帯ですね。計画変更しても、つぼめてもそうですね。こういうものをつくって、しかもこういった道路をこのままでおくことは非常に整合性がないのじゃないか。やはり家をつくれば車が走る、道路が必要、こういうふうに連動的に発想して、そこに集中的に予算を配分しないでおくと、いま国道十六号線の八王子の周辺は大変な渋滞ですから、何か一朝有事の際は大変なことになると思うのです。都心と同じです。そういうようなことから見ても、どうもいまのお話では少しそこのテンポが合わぬと思うのです。これは答弁がなくて結構ですが、要望にかえます。  それから、三多摩地区にモノレール構想があるのですが、これは多摩関連構想の中に入っております。ことしようやく調査費がついたということですが、モノレールを立川からニュータウン、そして八王子へという計画があるようです。これは本当ならば、多摩地区交通渋帯を解決するためにも東京の二極都市というもの、ですから多摩地区多摩地区のところに職住接近の圏をつくるべきだと思うのです。そういう面から見ると、こんな途中で切れたようなモノレールではなくて、やはりぐるっと回すということが必要じゃないかと思うのですが、そういう計画をこれから考えるべきだ。特に町づくりと交通対策というものは関連を持たせないと、ただ整備すればいいや、標識を立てればいいやというようなものでは、幾らやったってこれはざるに水を入れるようなものだと思うのです。全体の人口の分布、その中の職住接近、こういう角度から町づくりをやっていかないと多摩地区の問題は解決しないと思うのです。したがって、こういう観点からモノレールを、現在ある八王子でストップのようなものを秋川、青梅、さらに立川へというふうに、やはり環状にやらなければどうしてもだめだと思うのですが、その点の見解を聞きたい。
  32. 並木昭夫

    ○並木説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘がありましたように、多摩地区では、多摩ニュータウンとか立川の基地跡地の利用とか、いろいろな大規模な開発が予定されておりまして、交通需要のパターンも従前に比べて大幅に変わってくるということが予想されております。そういう見地から建設省といたしましても、五十二、五十三年度におきまして国土庁と共同して多摩地域の広域交通体系調査というのを進めてまいっております。多摩ニュータウン、立川……(石川委員「ちょっと待ってください。時間がもったいないから、私の言っている最後のところだけ答えてください。やる気があるのかないのかということです」と呼ぶ)はい。ただいま行っております調査の中で全体の広域交通体系の調査を実施しておりますので、その調査を踏まえつつ、さらに人の動きの調査、パーソントリップ調査と言っておりますが、これも五十三年度に実施いたしましたので、その実態の解析結果を見まして検討していきたいというふうに考えております。
  33. 石川要三

    石川委員 その検討の中で十分にやってもらいたいのですが、私が言わんとするところをもう一度言います。三多摩の中で職住接近という面で見ますと、やはり放射線の道路だけではだめだということから見て、私はおのずから答えが出ると思います、が、そういう必要性を強調するわけであります。  最後に、立川−三鷹間の立体交差事業、これはおかげさまでかなりスムーズにいっているようですが、私が心配することは、せっかくつくっても各駅停車では何にもならぬ、こういうふうに思うのでございます。それについて、各駅停車ではなくて、本当に複々線の、交通効果の上がるような、ノンストップの電車が走れるようなものになるのかならないのか。私は各ステーションにとまってしまうような心配が若干ありますので、そこらはどうなるのか。その点、国鉄の関係者からお答えをいただきたい。
  34. 永尾勝義

    ○永尾説明員 お答えします。  三鷹−立川間の複々線化工事につきましては……(石川委員「大丈夫か大丈夫でないか、そこだけでいいです」と呼ぶ)私どもとしましては、輸送をいたす場合、快速と緩行の両線の均衡とれた活用が図れるように考えることが最も効率がいいと考えております。したがって、その緩行と快速のバランスがとれるような快速停車駅を選定しまして、それで地元の皆さんに有効活用がしていただけるように検討を進めてまいりたい、さように思います。
  35. 石川要三

    石川委員 それは、私は、いま三鷹までしかできておりませんで、これから立川まで延びるのですが、三鷹までのができたときに新しいダイヤルを編成するときにも一応このことを訴えたわけですが、ついに各駅停車になってしまった。これはやはり最近のはやりの自分の御都合主義の陳情でこうなったと聞いておりますが、こういう一つのことさえ取ってみてもおわかりのように、なかなかこれはよほどの勇断をもってしないとできないと思うのですよ。残念だと思うのです、あのとき。もうすでに三鷹までのがああなっちゃったのですから、必ずこれがこの延長になる可能性が私はまことに多いのじゃないかと思うのです。そこを、せっかく巨費を投じて長時間かかって複々線ができた限りは、いま言ったようにその幹線とそうでない線路の使い分けを十分に効果が上がるような、そういうひとつダイヤル編成にぜひ勇断をもって取り組み、またそのためにこの事業をそれの計画の上に乗せて、ひとつできるだけのスピードをもって取り組んでいただきたい、かように思います。  もう時間がないと思いますので答弁は結構でございますが、要望だけを申し上げまして質問を終わります。
  36. 有島重武

    有島委員長 次に、沢田広君。
  37. 沢田広

    ○沢田委員 交通対策特別委員会では初めてということでありますから、先輩諸氏の御指導をいただきながら、また重複する点はお許しをいただきたいと思っております。  最初に、免許証というものの本来的な価値といいますか位置づけというものは何であろうか。時間の関係もありますから簡単に言いますと、免許証というものはその人に与えられた技能と、それから交通に対する能力を持っているのであるから、当然本来ならば、特に身体の不自由な事態が生じるとか障害者になるとかそういう以外については一生本人に与えられるものではないのか。それを期限を切って与えるということは、あなた方も上級試験を受けて入って三年目ごとに上級試験を受け直して、それで振り落とされるということがあっていいというふうには思っていないだろうと思う。あるいは調理師にしてもそのほかの免許にいたしましても、それは本来その個人に固有についた権利である。それを三年ごとに更新をさせなければならないということは、金かせぎであるのかどうかわからぬけれども、どういう意図に基づいてこれを更新をさせるのか、その辺の免許証としての法的な価値観、このものを明確にしていただきたいと思うのです。
  38. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  現在の三年ごとの免許証の更新、これは自動車の安全な運転に必要な一定の水準の運転能力、視力、聴力、こういうものの運転の適性に変化がないかどうかをチェックすると同時に、交通事情の変化等に応じて法令改正などが行われますが、この運転の知識等についての講習を行って、運転者の安全意識を高めるために行っているのが現状のいわゆる内容と趣旨でございます。  ただ問題は、このような更新制度がありますために、うっかりいたしまして三年を経過した者につきましては、いわゆる免許がもう一遍振り出しに戻ってしまうということになるわけでございまして、こういう人につきましては、従来から失効後一定の期間内は免許取得の際の試験を一部といいますか大半を免除をするというぐあいにされておりまして、これが昨年の道交法の改正であれになったわけでございます。  ただ、先ほどおっしゃいましたように、本質として一体免許というのはどういうことだということにつきまして、現在は少なくともそういうことになっておるわけでございますが、これを今後どうするかという問題は御指摘のように私は非常に大事な問題だと思います。それにつきましては現在実は基本的にこの問題を検討しているという段階でございます。
  39. 沢田広

    ○沢田委員 万一道交法が変わったとか——これは同じことですね。調理師法においても、その他のあんまの免許、建築その他すべて同じですよ。ですからそのことをもってこの三年で切りかえるという論理にはならないだろうと思うのであります。ですから、本来これは個人に与えられた固有の権利であるとして認めて、必要に応じて講習を行うならば、講習に出ない場合はそれはいわゆる減点をするという方法によって、この書きかえを行わないで一生済ませる。こういう、せめて十年程度ぐらいの限度にするということの方向で、これは後の機会にお答えいただきますが、御検討をいただきたい。  それから、先ほど御質問がありました反則金でありますが、昭和四十三年から五十何年に至るまで大体四%ぐらいずつは反則金を納入していない人たちが現存しているわけであります。この人たち反則金を納めてないものについては具体的にどういう措置をとっているのか。逮捕しているとか何とか言いますけれども、これは告訴してちゃんと処分をとっているのか。延滞金はどうしているのか。あるいはその他の取り扱いを——経済的な問題としてだけの問題としてひとつ取り扱いを明示していただきたいし、この四%は不公正だと思う。このまま残されておったのでは、納めた者が正直者がばかを見たという結果になる。その点を明らかにしてください。
  40. 杉原正

    杉原政府委員 反則金の納入率といいますのは九五%から九六%でございます。残りはこれは道交法の規定によりました刑事手続になるわけでございます。反則金を納めませんと刑事手続に移りますので、四%ないし五%の大半は罰金として納められておるものでございます。
  41. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、この反則金の表の示し方としては罰金で一〇〇%納入したんだということの事実証明は可能なんでありますか。
  42. 杉原正

    杉原政府委員 細かいデータを持っておりませんが、大半は罰金で補完をされておるということでございます。
  43. 沢田広

    ○沢田委員 いや、私の言うのは、一人でも、一人でもと言うと極言になりますが、反則金がそのまま放置されているという例は絶対にあり得ないと言えるのかどうかということが一つなんです。  それから、反則金は行政処分として果たして法律上どういう根拠で——これは法律には決まっていることはわかりますが、法定のたてまえから言って、とが料以外に実務にかかった経費、たとえばそれに要した書類の費用であるとか、人件費であるとか、いわゆる手数料、そういうもの以外にこの行政処分費用としてほかに取っているものはありますか。建築基準法違反であっても、これは五万円納めればいいことでそれ以外にはないのでありまして、飲酒の場合でも勧めた側は、これは何ら反則金も取られていない。飲ました方は一切罪になっていないという現状ですね。そういう状況の中で果たしてこの法定的な立場において行政処分、行政上のそういうとが料といいますか、その規則違反の料金を取る、こういうことは可能だと思っておられますか。
  44. 杉原正

    杉原政府委員 先ほどの第一点の方でございますけれども、いわゆる反則金を納めないと、それは刑事手続になりまして、この刑事手続で進行中の者でたとえば所在不明であるとかいうものを別にいたしまして、催促しても納めないというふうな者がいままだ残って呼び出しをしているというものはございますけれども、それ以外のものはほとんど補完をされておるということでございます。  それから第二の反則金の性質でございますが、道路交通法上は全部罰金の体系になっているわけでございますが、これを納付金で納めた人は反則金でという反則金の制度というのは恐らく他に例のない、道交法という法律で創設をされた一つの制度であるというふうに理解をいたしております。
  45. 沢田広

    ○沢田委員 それに延滞金が取られない理由はどこにあるわけでありますか。その納入月日よりもおくれて罰金を取られるまでの間における滞納金、普通ならば、税金であれば日歩四銭、罰金にしてもその他においても日歩四銭、大体そういう例は決まっているわけでありますが、この間の延滞金が取られない理由はどこにあるわけでありますか。罰金だけの金額を納めればもって足りるということの論拠はどこにあるのかお尋ねをいたします。
  46. 矢部昭治

    ○矢部説明員 お答えいたします。  道路交通法によりまして、反則金につきましては現場の警察官が告知いたしまして一週間以内に納める、それで納めない者につきましてはさらに通告という制度がございまして、警察本部長が通告をいたしまして十日以内ということでございます。もしその期間内に納付されなければいまさっき申し上げました刑事手続に移行する、こういうことでございます。したがいまして、性質上延滞金になじまない性格のものでなかろうか、かように思います。
  47. 沢田広

    ○沢田委員 若干疑問があるようでありますが、これはまた後刻検討していただきながら私もまた詰めてまいりたいと思います。  次に長物車両の制限、これは道路構造令との関係もすべて関連をするのでありますが、いま二十メートルも超えている。これから省エネルギーになると恐らく三両編成ぐらいのバスなんというものもできてくるのではないかとも思いますし、あるいは相当な長物のトラックも当然考えられてくる。幅が制限されてきますからいやおうなしに長さにつながってくる。そして長い物が幅の狭い道路を通って曲がるときには一時間以上の渋滞を起こす。何回切りかえ切りかえ往復してもなかなか回転できない、こういうようなことであります。長物の車両の道路の指定は法律上可能なのですね。それから特定の車両については道路の位置も決めることが法律上可能なはずなのであります。ですから、そういう事態を起こすことはあり得ない条件に法はできているのにかかわらず、現状は必ずしもそういうものにはなっていない。どこに欠陥があるのかということになるわけでありますが、結論的に言うといわゆる時間帯、それから道路の通行、これをきちんと行っているのかどうか。われわれが現実にながめているところによりますと、若干放任の傾向にあると思うのでありますが、その点いかがでありますか、お聞きをいたしたいと思います。
  48. 浪岡洋一

    ○浪岡説明員 お答えいたします。  道路法に基づきます車両制限令では、長さ十二メートルを超える長い車両の通行につきましては、通行予定経路や車両の諸元を示して道路管理者に通行許可の申請をさせることにしております。これを受けまして道路管理者は当該道路においてその車両が交差点等を通行できるかどうかを確かめ、通行できる道路の指定また徐行する必要があるかどうか、誘導車を配置する必要があるかどうか及び夜間通行すべきかどうかというようなことを判断いたしまして、条件つきで通行の許可をすることとしております。  したがいまして、先生御指摘の長物直両につきましては、十三メートルを超えるような場合には本来的に道路法に基づいて許可を受けて通行するのがたてまえでございますが、中には夜間通行を義務づけされておるにもかかわらず昼間に通行してトラブルを起こす例もなきにしもの状態でございますので、私ども道路管理者といたしましては今後さようなことのないように車両制限令の遵守につきまして運輸業界等につきましての指導を徹底してまいりたい、かように考えているわけでございます。
  49. 沢田広

    ○沢田委員 次でありますが、四車線の場合に、横断歩道がある。横断しようとする場合にその前に停止をいたします。それが大型のトラックなどであった場合に、その中央線、中央寄りを走っている車両からはそこを横断しようとしている人あるいは車、乳母車あるいは自転車等は死角に入って見えないのであります。それでその車がなぜ横断歩道の前でとまったのか、人をおろすためなのか、あるいは用事があってとめたのか、その辺が後ろから中央線寄りを走っている車からは認識しがたいわけであります。そのために、横断歩道を走ってこないで歩いてくる分だったら大体一両くらい先に通り抜けてしまうだろうと思うのですが、そうでない限りにおいては、走ったり何かする場合は衝突という問題が起きてまいります。特に雨の降った日とかあるいは夜になりますと横断歩道そのものが不明確になる。そうして一方の在車線を走っている人はそこに人がいるから、横断歩道だからとまる。ところが中央線寄りを走っているものは、その人も確認できなければ横断歩道も十分認識できない。そういうことによって事故が発生する、またそのおそれも多い、こういうことでありますので、私の提案としては、停止標識というようなものを、盲動車につけると大規模になりますけれども、これは高速道路の中で停車している場合もそうでありますけれども、いわゆる左折信号を出しながらとまっている車もあります。しかし、それが果たして停止を意味しているものであるかどうかということは現認できないのであります。また、これは停止だということの証左にもならないのであります。左に曲がろうとしているのかもわからないのであります。でありますから、少なくとも右折、左折それから停止をする場合については、車間間隔をとれということになっておりますけれども、車間間隔をとるとらないにかかわらず無信号の横断歩道のところについては、歩道の標識も不明確になっていますが、少なくとも車に停止信号をつけるという方向がとられないかどうか。いま急にとは私は言いませんが、そういうことによって後車の追突を防ぐ。横断歩道そのものを変えればまた論理は別ですが、そうでない限りそういう必要性はあるのじゃなかろうか、こういうふうに思いますが、見解を承りたいと思います。
  50. 小林育夫

    ○小林(育)政府委員 お答えいたします。  ただいまの先生の御質問に限らず自動車の安全な運行を確保するためには自動車の構造、装置の安全の規制のみならず道路交通法に定められました通行方法の遵守あるいは交通安全施設整備等各般の施策が必要なわけでございます。  ただいまの先生の御指摘は、車線が複数の道路において横断歩道で停止している車が何のためにとまっているかがわかるような標識を車につけたらどうだということでございます。  先生の御指摘、非常にごもっともでございます。現在、道路運送車両の保安基準によりまして一応ブレーキをかけている旨はブレーキのランプがつきますのでわかるわけでございますけれども、これがどういう理由でブレーキをかけているかということは実はわからないわけで、そこでどういうことでとまっているのかということを明示しろ、こういう御指摘だと思います。ただ、その際にいろいろ問題になる点がございます。  それを二、三申し上げてみますと、一つの問題といたしましては、ブレーキの場合でございますと、ブレーキを踏めば自動的にかかるということでございますけれども、何か新しい装置をつけますと、人が人為的に操作をしなければならないということが一つでございます。横断歩道のところでとまると人が人為的に操作をする、そうしますと、操作のし忘れということがございます。そういう操作のし忘れによってもし内側の車線の人が事故を起こした場合に、一体それはだれの責任になるのかというような問題が当然起こってくると思います。といいますと、それは道路交通法なり何なりでその辺をはっきりと規定しておかないと、後でいろいろ混乱の起きるもとになるのではないか、そういう感じがいたすことが一つでござます。  それからもう一つの問題は、自動車といいますのは非常に国際的な商品でございまして、その基準とか規格とかというものがいろいろな国際的な基準で決まっております。そうして、もちろんその国特有の基準なり規制なりというものが、独自の規制というものが不可能ではございませんけれども、そういうことをする場合には、それなりの合理的なと申しますか、その国特有の理由というものがはっきりしておらなければならないわけでございます。ただいま日米間で貿易の問題というものが非常に問題になっておりますけれども、これでも私ども余り大きな問題じゃないと思っているようなことが非常に問題になっております。そういうことも考えまして今後慎重に対処していかなければならない、そのように考えておる次第でございます。
  51. 沢田広

    ○沢田委員 むずかしいということはわかりますが、そういう言いわけを聞くのじゃなくて、いまでも、きょうでも事故が起きる可能性はあるわけですから。大体四車線の場合には中央帯というものができているわけですね。中央帯の中に標識を示すという方法もあると思うのです。何も車に標識をしなくてもいいのですよ。中央帯に横断歩道があるという標識を提示するということだって不可能ではないのです。これならばそんなに金もかからないし不可能でもないのですから、何も車両だけの問題ではなくて、横断歩道で、そこにとまれば自動的に点滅するようなものが中央帯につくられれば当然後のそういう事故は起きないわけですから、それらを含めてひとつ知恵を働かしてください、プロなんだから。われわれと違うのですから。ただ、そういうことの防止にそういう方式もあるんだということを申し上げて、これはまたあとの答弁と、お願いいたしたいと思うのです。  それから次に、建設省も呼んでおりますが、道路構造令、これは重い車の制限の徹底であります。この道路構造令には一種・二種、一級・二級、それぞれ決まっているわけです。舗装度も違う、厚さも違うのであります。ところが、現在の車両の通行状況というものは、私道でありましても市町村道でありましても、広ければ何でも道路標識を明示してもらいたい、もっと極端に言えば。これは一級の第何種です、そして、その第何種以下の車でなければ通れません。この徹底は何ら行われていない。だから、重量トラック、過積みの問題もいろいろ議論になりましたけれども、いずれにしても重量トラックが市町村道へ入ってくる。そして振動も起こすし騒音も起こす、こういう結果を招くし、基盤がそれぞれ、構造が悪いんですから当然振動が起きてくる、こういうことになるわけでありまして、要するに道路構造令に合った車両の通行区分というものを明確にするという必要性があるんじゃないか。それはどこでだれがやっているのか、その点明らかにしてほしいと思うのであります。
  52. 浪岡洋一

    ○浪岡説明員 お答え申し上げます。  確かに、先生御指摘のように市町村道等につきまして重量車両がかなり入ってくるという例があるわけであります。私ども道路管理者といたしましては、道路の構造の保全のために、舗装が不完全な都道府県道あるいは市町村道等につきましては、道路標識によって通行する車両の総重量を制限するという制度があるわけでございます。また、このほかに、道路交通法、警察庁の関係でございますが、騒音、振動その他交通公害等の防止を図るために公安委員会が大型車両進入禁止等の制限をすることができることになっておりますので、私どもといたしましては、当該道路に電車両の入ってこないように道路管理者みずから標識その他で明示するとともに、これは警察庁、公安委員会とも連絡をとりながら、道路の機能に応じて車が通れるというような制度にしていきたい、かように考えているわけでございます。
  53. 沢田広

    ○沢田委員 していきたいじゃなくて、道路構造令と重量制限の、一つの基準が決まっているわけですね、それを守ってもらいたいということを私は言っているのであります。さっきも話が出たけれどもスピード違反を取り締まるだけがすべてではないので、通ってはならないところを通っている車両をつかまえている例はあるのですか、過積み制限とかその他はあるでしょうけれども。構造令と重量とが完全に一致していな丈とも市町村道を通している現状でしょう。構造令の基準以上を超えて車を通しているのが現状でしょう。だから、いま公安委員会だの何かができると……。私はここでいま言いたいのは、道路の構造以上を超えた車両は通させない、これを明確にきちんと通達なり、処理をしてほしい、こういうことなんです。それはできるとかできないとかじゃなくて、そういうものは通させないという原則をきちんと決めてもらいたい。さもなかったら舗装をやり直してもらわなければ付近の住民は迷惑だということになるわけですね。ですから、構造令に合った基準以下の車両以外は通させないという原則を確立してほしい。それでイエスかノーかで答えてください。
  54. 浪岡洋一

    ○浪岡説明員 ごもっともな御指摘でございますので、さように措置したいと考えております。
  55. 沢田広

    ○沢田委員 建設省おいでいただいておりますから、次に、若干安全の関係と離れる面もあるかと思いますが、お許しをいただいて、この前も私は建設委員会で建築基準法上の四メートル道路というものが車両通行というものと合うのかどうかということで質問をいたしました。この四メートル道路を車両通行道路として考えられるのかどうか。当時住宅局長は、その間のいきさつは抜きにいたしますか、結論は、四メートルの道路は一方通行にしますと、こういうことを言われておりました。果たして四メートルで、現在の車幅で消防車が入れればというのは、消防車は二・五メートルですね、ならば、一方通行ならば三メートルでも可能なのであります。特定行政庁が認めた場合については、四メートルでなくても道路とみなすことになっているわけでありますから、個人の所有地、いま坪十五万あるいは三十万、そういう地価の土地を買ってささやかな家を建築をする、そういうときに、なぜわざわざ中心から二メートルのものを、国であるかどうかは別問題として、提供しなければならない。土地の価値が違ってきているのです。そういうときになおかつこれを無償で提供させる、そして不特定多数の道路として利用する。一方では消防ができないということで、昔は確かにホースは二十メートルでしたが、いまはもう五十メートルのホースで、連結すれば百メートルになるわけですから、消防法上から見れ、ばそういう論拠はもうなくなってきていると思うのであります。ですから、果たして建築基準法の四メートルというのは、都市計画線として設定するなら私も否定しません。それを念書を出して木造で改築する場合に今度は下がります。しかもこれは道路とみなすとなっている。所有権は移転しない。だから、これはあえて申し上げると三つになりますけれども、建築基準法の四メートルというものはもう実存価値がない。あえて言うなら私は改めて検討すべきである。しかもこれでまだいろいろ問題があるのは、あなた方の仲間でもそうだが、私たちのところは三軒ぐらい先の奥へ入ったところに建ててあると、入り口の判こをもらってきなさい。入り口の判こをもらうのには幾ら取られるかというと、七十万よこせと言われる。ところがあなた方の仲間にいるのですよ、そういうのが。せっかく再改築しようと思ったら四メートルの道路でないからだめだ。建築許可がおりない。おりないために入り口の判こをもらうといったら、七十万円の権利金を四メートルの図面を書くために出さなければだめだ、こういうふうに言われている例もあるのですね。そういう国民の間に不信感を生ずるような行政はこれはやめたらどうだということで、ぜひこの四メートル道路について見直しをしてもらいたいと思うのでありますが、あるいは四メートルはそのまま置くにしても、扱いについて見直しをしてもらいたいと思うのですが、その点いかがか、関係してお伺いしたいと思うのです。  それから、一方通行の回答についてはその後どういうふうになったのか。  あえてもう一つ申し上げれば、電柱を立てるときには所有者の許可を得ないで立てていますよね。しかもこれには電柱なんかを立てる場合には、その他の地域に、民地に交渉して不可能である場合については立てることができるとなって法律が決めてあるしかも提供した二メートルのその中に所有者には無断で電柱を立てさせている、これも所有権の侵害だと私は思う。みなすという法律で所有権まで奪うことはできないはずだと私は考えます。そういう意味においての扱いはきわめて不整備であるというふうに思いますので、これは短く、これから検討して直してもらえるのかどうか、そういう形でひとつお答えをいただきたいと思います。
  56. 片山正夫

    ○片山説明員 お答えいたします。  最初の御指摘でございます基準法の道路位置指定の四メートルの基準の問題でございますが、建築基準法におきましては、建築物の利用の観点それから居住者の交通の利便の観点等から道路に関する規定を設けておりまして、住宅地におきます通常の乗用車のすれ違いのために必要な幅員であります四メートルを最小限の道路幅員として規定しているものでありまして、したがいまして、道路指定の基準自体の改正等は考えておりません。  それから、中心線からの二メートル後退の問題でございますが、まず前提条件としては、建築基準法におきまして建築物の敷地というものは道路の幅員が最低四メートルのものに接する必要があるというふうにまず規定されております。そうしまして、しかしながら戦前からの旧市街地のように道路が未整備のまま形成されまして、四メートル未満道路が相当量占めている市街地がかなりございます。そういうところにおきまして建築行為を一切禁止するということは大変問題かありますので、これらの既存の幅員四メートル未満の細街路につきましても建築基準法上通路と認める救済措置を講じまして、その見返りといたしまして道路中心線から建築物の二メートル後退を義務づけまして、将来にわたって幅員四メートルを確保できるように制度的に措置しているわけでございます。
  57. 沢田広

    ○沢田委員 時間が大分迫ってまいりましたので、簡単にお答えいただきたいのですが、一・八メートルの自動車がU字溝を含めて、電柱を含めて交換できるとあなたは思いますか。四メートルの中に一・八メートルの自動車が両方通って、U字溝を入れて、電柱を入れて、通れると思いますか。
  58. 片山正夫

    ○片山説明員 基準法上の四メートルという規定と申しますのは、住宅地におきます必要最小限の幅員というのを最低限基準にしているわけでございまして……(沢田委員「いや、通れるか通れないか聞いているのだよ」と呼ぶ)そういう観点から、通常の乗用車のすれ違いでありますならば可能であると考えております。
  59. 沢田広

    ○沢田委員 もう一回言うが、一・八メートルの車が二台、それに三十センチのU字溝があって、しかもそこに電柱が立てられて、そこで人間が通れますか。どういう計算で通れるという論拠があるのですか。
  60. 片山正夫

    ○片山説明員 あくまでも住宅地におきます道路使い方の問題でございますので、通常の幹線道路のようには当然交通することは至難でございますけれども日本の市街地の現状から申し上げまして、細街路等が市街地に非常に多い実態であります。そういう点から、そういう小さい道路に沿うものは建築禁止というふうになりますと、土地利用の観点から非常に問題が多くなりますので、できるだけそういうことを救済する意味におきまして、最低限四メートルということを規定に設けているわけであります。これはあくまでも最低限の話でございます。
  61. 沢田広

    ○沢田委員 最低限じゃないのでね。全然違っているのだ。通れるか通れないか聞いている。通れないのだ、これは。それは待避線の法律は決まっていますよ。三百メートルを超えたら待避線をつくらなければならぬということは決まっていますが、それ以外はその場合は通れない。現在は電柱をいま言ったように立てているのだ。あなたは最低四メートル必要だというが、これは無償で提供させているのだ。これは再検討してほしいと思うということを述べて次の問題に入ります。住宅局長の答弁よりまだ後退しているよ。  それから、道路位置指定というものがいま現存しております。この道路位置指定というのは期限がない。道路位置指定については期限が定まってない。そしてそこの利用する人が、公共事業であろうと、都市計画であろうと、道路位置指定してある道路について拡張をする場合については、その同意を必要とする、こういうことになっておりませんか。道路位置指定はそれじゃどういうふうにあなたの方では解釈しておりますか。
  62. 片山正夫

    ○片山説明員 道路位置指定がまずしてございまして、その次にそれをまた改変する場合が生じました場合は、当然新規の道路位置指定するときと同じように、同意の手続が必要でございます。
  63. 沢田広

    ○沢田委員 きわめてこのことによって公共事業その他の進捗を妨げる理由にもなっている。道路位置指定というのが法律上の完全なものであれば別でありますが、これは私有地がほとんどであります。それを道路位置指定をして、三軒なら三軒で道路位置指定を利用している。それがたとえば他の公共事業によって広がる場合について、その三人が応じなければ無期限にこれが不可能になっている。少なくとも道路位置指定の法律上の地位を明らかにする必要があるという段階にきていると思います。今後ひとつ道路位置指定というものについての法律上の権利義務、それから今後のあり方、公共優先という原則を確立する必要性が、法を整備する必要がある、こういうふうに思います。これはわれわれがいろいろ経験してきた実績に基づいて言っているわけでありますから、どうか御検討を願うように願いたいし、あなた方は余りよく知らない、こういう現状だと私は思います。だから、これはひとつ御検討をいただくかどうか、御回答いただきたいと思います。  続いて自転車置き場の問題は、駅前の置き場として実施をしていただいている進捗度合いについては敬意を表するのでありますが、現在の実施地区とその基準、これも結論から申し上げますと五十万都市であるとかあるいはその他の——五十万都市だからといって必ずしも乗客が自転車通勤をしなければならない都市とは限らないのであります。言うならばドーナツ現象を起こしている郊外にその問題はより大きく起きているわけであります。ですから、現象のとらえ方として市街地だけの問題ではなくて、東京を例にとれば、五十キロ、六十キロ、三十キロ、そういう圏内における小駅、そういうところの駅前の自転車、そういうようなものの置き場というものがいま求められている実情にあると思うのです。ですから、結論的には現在の予算の配分についてはそういう現象も、あるいはそういう見地も含めて改めてもらえるかどうか、あるいは追加をしてそういう方向を考えてもらえるのかどうか、その辺もあわせてお答えをいただきたい。  それからもう一つ、これは警察の方でありますが、車庫をもう一回全部再点検したらどうだということであります。車庫証明を出すときには、車を売りたい一心でありますから、一つの会社で何百台もの車庫証明が出ているというふうにも聞いております。そういうような状況の中で車庫については再度点検をして、きちんとそれぞれの区分に応じてそれぞれの位置づけをさせる、いわゆるやみくもにその処理をするという形ではないようにするべきではないか、こういうふうに思いますので、この点あわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
  64. 並木昭夫

    ○並木説明員 お答えいたします。  自転車の駐軍問題につきましては非常に社会問題化しているというようなこともございまして、昭和五十三年度から駐車場整備に対しまして道路整備事業の一環といたしまして国庫補助の制度が創設されまして、現在その推進を図っているところでございます。五十三年度におきましては事業費約十億をもちまして二十九カ所の整備を実施いたしました。また五十四年度におきましては事業費二十二億円をもちまして四十七カ所の整備を図ることといたしております。  御指摘のこの対象地域でございますが、現在のところ三大都市圏の通勤圏あるいは人口四十五万以上の都市圏に存在する鉄道駅等の周辺における通勤通学の目的に利用される自転車駐車場であること、それからその自転車が五百台以上放置されているかあるいは放置されていることが見込まれるものといったような制限がございますが、御指摘のように通勤圏ということでかなり広くはとってございますが、まだできまして二年目の制度でございますので、現実に非常に困っている地域をまず優先させて整備を図っていきたいというふうに考えております。
  65. 沢田広

    ○沢田委員 簡単に聞きますが、四十五万と限定しないで、実際に困っているところからその通勤圏という現状の事実に照らして対応する、四十五万にこだわらずにそういう形で処理をしていってもらいたい、こういうふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
  66. 並木昭夫

    ○並木説明員 先ほども申し上げましたように二年目の制度でございますので、長期的にはおっしゃるとおりに対応を検討していきたいと思いますが、まだ二年目でございますので、当分といいますかここ一両年はこういう運用を図っていかざるを得ないと考えております。
  67. 沢田広

    ○沢田委員 いまからそういう状況をやっていかなければ手おくれになってしまうのですよ。それはやはりどんどんドーナツ現象がふえるから、いまつけるなら先にそこをつけて、四十五万は後でつけろとは私は言いませんけれども、その四十五万は後でもいいんだ。これは土地の値段も違うし、それから地価の状況も社会環境も変わってしまう。だからいまからやるならば四十五万にこだわらず、それは一番困っているところから手をつけていかなければ、それは実態に即応しませんぞ、余り四十五万にこだわり過ぎるとそれはかえって角をためて牛を殺すことになって、今度どうにもこうにも手がつかなくなってしまうおそれがありますよ、そういう立場から私はあえて四十五万にこだわらずに、全国的な自転車の置き場状況を把握しながらそれぞれの都道府県の申請に基づいて順次やっていくというくらいな配慮が必要じゃないか。もう少し展望を持ちなさいよ。これはどうですか。
  68. 並木昭夫

    ○並木説明員 現在全国の放置自転車台数は約六十万台余に上っておりまして、そのうち一カ所五百台以上大量に放置されているものが約三十万台に達しております。こういったような観点から、しかもこれは定量的な数字を、ただいま私資料がないのでありますが、先ほど申し上げました三大都市圏もしくは人口四十五万以上の都市というところに大半が集中しているというような実情もございますので、長期的にはこの四十五万にこだわらずに検討を進めるべきというふうに考えておりますが、二年目でございますので、当面この集中しているところをやっていきたいというふうに考えております。
  69. 沢田広

    ○沢田委員 時間がないので、次に騒音の問題と日影の問題について、交通との関係を含めてお聞きをしたいのであります。  私も先般和光という高島平から練馬の方へ行く道路のところを通りまして、これは地方選挙ですからそこで応援演説をいたしましたところがあの道路のすぐわきにマンションがつくってあるわけであります。とてもではないけれども、これは大宮−栗橋県道のあります原市団地も同じでありますが、とにかく物すごい自動車の騒音で、演説している声も聞こえない、入っている人も物すごい不満があるということの状況で、こういう騒音に対して速やかな対策がとれないものだろうか、こういう疑問を持ちました。そういう意味も含めて車両の騒音対策については現在どういう状況になって、これからどういう方向をたどろうとしているのか、その辺のことも実はお聞きをしたかったのでありますが、時間の関係がありますので、これは後刻もし何でしたら書類等でお答えをいただきたいと思うのです。これは委員長、ひとつできたらお願いをいたします。  次に日影の問題ですが、これは私の地元でもございません。ただ、建築基準法で決めているこの日影の基準というものが、現在の都市計画法上では住宅区域あるいは商業地域あるいはそれぞれ専用地域を決定いたしておりますが、これは百年計画であって、その都市計画そのものが現状に合った計画とは必ずしも言いがたい、将来に対してそういう展望を持っておる。ところが、そこにこのごろは非常な高層なマンションがどんどんできてくる、そのために日影というものが当時——これは東京都の条例が仮処分で敗訴したことの判例から持ち出したわけであります。天空率あるいは仰角ということなど掲げてとうとう建築許可をもらった建築主がいわゆる仮処分で敗訴をした。これは本訴にならなければ、最後にならなければわからないけれど、最低午前八時から十時ごろまでは日照は確保されなければならぬだろう、こういうような、これも私は生命安全の立場に類するというふうに思いますから。そしてこの日照基準の規制が負けたということは、やはり今日の都市計画の中での建築許可基準というものが若干付近住民に迷惑がかかるというそういう基点に立っている。言うなれば高層マンション側に政府が味方をするような形でこういうものが行われているということを示しているものだと思うのでありまして、もう時間がなくなりましたが、ぜひひとつその付近の状態に応じて、付近がずっと一般の二階家だとか平家であるという状況の中に十階とか十一階の高層マンションができる、それで日影は法律上は、二階については四メートルを境にする、そういう建築指導そのものを改めていただかないと、これは人間の生命——あなた方も承知しているでしょうけれども、国会議員の部屋でも、植物などは北側の日陰の部屋と南側の部屋では同じものでも育ちが違うのですよ。そういう影響を受けている状況を考えて、建築基準法の日影についてはさらに検討を加えていただく、産業優先という立場でなくて住民尊重の立場から改めていただくような方向で御検討を願いたいと思うのでありますが、いかがでありますか。お答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  70. 片山正夫

    ○片山説明員 お答えいたします。  先生御指摘東京都の案件は、詳しいことは調べてみませんとわかりませんが、多分日影の規制が基準法上に盛られる前の事態ではないかと思います。建築基準法に盛り込みました日影規制の内容は、いま先生から御指摘いただきましたように地域の土地利用の状況、たとえば低層住宅地には低層住宅地にふさわしい規制、高度利用する状況の市街地につきましては高度利用するにふさわしい規制にそれぞれ相なっておりまして、先生の御指摘の趣旨が十分生かされているものと考えておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
  71. 沢田広

    ○沢田委員 終わったからもう後言うのはいやですが、そういう回答ではきわめて不満足であるということを述べておきます。念のために申し上げておきますが、仮処分の判決が下ったのは昭和五十四年の三月三十日ですよ。東京地方裁判所民事第九部で仮処分の決定がされているのであって、何も前のことじゃない。しかもこれは渋谷区で起きた仮処分の決定なんです。だから、そのことによって改めていく方向が——これは一つの判例なんだから、それによって修正をしていくくらいの努力をやらないなんてけしからぬ答弁では話にならぬと思う。やはり判例は判例なんです。それに対応するような方向で検討してもらうということが当然の答えじゃないですか。  もう時間がないからこれで終わりますけれども、きわめて遺憾であるということを述べて終わりたいと思います。
  72. 有島重武

    有島委員長 次に、石田幸四郎君。
  73. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 私は公営住宅の駐車場の問題についてこれから若干質疑をいたしたいと思います。  最近のモータリゼーションの発展から見まして、特に公営往宅に住んでいる人たち車社会の波に洗われて当然車を持っている、そういう状況が顕著であると思うのです。まず警察庁にお伺いをするわけですが、こういった団地内の駐車状況、駐車場が足らないという状況で路上駐車等が見受けられるわけですね。そうすると、たとえば火災が起こったときに消防自動車が十分に中まで入れない、進入することができない、そういう状況等も考えられるわけですから、そういった点からも規制の強化をしてきたところと思います。これからもそういう公営住宅の駐車問題については規制を強化していかれるおつもりなのかどうか、そこら辺からまず伺いましょう。
  74. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 お答えいたします。  公営往宅につきましては現在駐車場について建設基準の規定を持っておりません。と申しますのは、大都市の既成市街地の中の公営住宅団地と郊外の公営住宅団地とは一律に律し切れない問題があるということでございます。私どもモータリゼーションの普及ということでその地域の自動車の普及率等を勘案して必要な限度において駐車場を設置するように指導しているところではございますが、先生御指摘のようにやはり足らないということで路上駐車等があることも事実でございます。これは私ども公営住宅を管理する立場といたしましてもそういった路上駐車等があって消防自動車等が通れなくならないように十分配慮、指導してまいりたいと考えております。
  75. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 交通局長さんからの御答弁もちょうだいしたい。
  76. 杉原正

    杉原政府委員 公営住宅につきましての駐車問題は現場的にも非常に大きな問題になっておるわけでございます。無秩序な駐車ということになりますと消防その他の関係に非常に支障を来すということもございます。それから違法駐車は保管場所の問題が基本にあるものでございますから、法に違反いたしますと、単に従来の罰金ではなくていわゆる点数制度の対象になったということもありますので、管理者の方とも相談をし合いながらこれの適正化にこれからも努めていかなければならぬと思っております。
  77. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 住宅局長さん、実は、先般地方選挙が行われましたけれども、ある都市におきましてその公営住宅に住んでいる方々からいろいろ御注文があったわけです。  その御注文というのは、そこは平家建ての市営住宅でございますが、どうしても車がふえるので、一部、市のあっせんによって民間の土地を借りてそこへ駐車場をつくった。ところが全部収容し切れないものですから一部においては路上駐車がある。そこの自治会の会長さんがいろいろお骨折りしておるのでございますけれども、完全に不公平な状態。片や料金を払って駐車をさせておる、片一方は料金を出さぬで、自治会の統一のためにも団結のためにも非常に支障があるということで何とかならぬだろうか。  これは東京都あたりにも問い合わせをしてみたのでございますけれども、住宅の供給は、第一義には公営住宅だから対象が低所得者層になる、しかも住宅を提供することが主たる使命であるので駐車場は考慮の対象になっていない、こうおっしゃるわけですね。そこの市の状況も、市長さんの名前を出すのも差し支えると思いますから申し上げませんけれども、役所の方としては東京都と同じような考え方で、元来そういったところには駐車場は置かないのだというような発想で来ているわけですね。これが二十年前の話であればそうなんですけれども、そういう発想が依然として続いておるわけですね。ここら辺を何とか考えていかないといけないのじゃないか、こういうふうに思うのです。  ちなみに、御質問申し上げるまでもありませんから私の方で調査をいたした数字を申し上げますと、五十三年三月末で自家用の乗用車が約千九百七十万台あるわけですね。世帯数が約三千四百八十五万世帯ありますから、そうしますと、大体一・七か一・八世帯に一台の保有率ということになっておるわけですね。そうしてみますと、これはまだ全国平均ですから、大都市圏を抱える県ということになりますと、ほぼ一世帯に一台近い、そういう保有台数になっているわけですね。そうしますと、公営住宅でも、そこに百戸できれば百台の車があるというふうに見なければならない。特に東京のように、地下鉄が大変発達しておればいいんでございますけれども全国の大都市圏の中で地下鉄のあるのはそうないわけですね。そうしてみると、どうしても私鉄に頼らざるを得ない。国鉄だけではとても通勤し切れない。私鉄も一部を通っているという感じで、結局車社会になっていかざるを得ないわけですね。ですから、今日、こういういろいろな機械文明の発達した時代においては、当然人間として、小型であっても自動車というものは一家に一台ぐらいあるということ、それの是非はともかくとして、そういう認識の上に立って問題を考えていかなければならない、そういう状態じゃないかと思いますね。  したがって、やはり行政の住宅に対する基本的な考え方というものを改めていかなければならないと思うのですよ。既設のところは、確かに、その周辺に駐車場をつくろうと思っても実際に東京なんかは土地がありませんから、これは無理です。私もそこまで要求しているわけではありませんけれども、少なくとも地方の二十万都市、三十万都市ぐらいまではまだまだ余裕はあるんですね。借りようと思えば借りられるところもまだございます。そういうところなどは、やはり設置者にそういった駐車場の配慮もすべき義務とまではいかぬにしても、そういった指導を、それぞれの県あるいは市に対して、建設省としては住宅というものは基本的にそういうものを付設しなければならないんだという考え方に立つべきだというような指導をなさる必要がもうあるのではないか、こういうふうに思うのでございますけれども、この点に対するお考えはいかがでございましょうか。
  78. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 先生御指摘のように、昭和三十年代ぐらいまではまだ車の問題というのがそれほど深刻ではございませんでした。したがいまして、公営住宅等では駐車場等は設置しておりませんでした。しかし、最近になりまして、先生の御指摘のように、そういった駐車場の問題というのが公営住宅の団地でいま非常に大きな問題になっておりまして、現在、私どもは、そこの立地条件なり、あるいは地域の特性なり、あるいはそこに公共の輸送機関が入っているかどうかというようなことを勘案しながら、必要な駐車場をとるようにというような指導をいたしているところでございます。ただ、東京みたいな大都市におきましては、それは各戸に一台ずつ持ってそれでみんなが通勤するということは物理的に不可能でございますので、そういったところと、地方の二十万都市あるいは地方の町村、これはそれぞれ事情が違います。したがいまして、そういった事情に応じて、必要な限りそういった駐車場をとるように指導してまいりたいというように考えております。
  79. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 住宅局長さんに、くどいようでございますけれども、いままでの既成概念——実はさっきのあの都市の公営住宅に住む人たちの声を聞いて御要望をしたときに、住宅を供給するのが第一使命であるから、とてもそこまではめんどう見られません、こういう答弁が正直言ってどこでも返ってくるんですよ。いまの東京あたりを除いて各都市というのは、ほとんどそういう答弁が返ってくるのですね。私も何度かそういう場面にぶつかったわけです。そういったことで、前向きの姿勢でそういうものを解決していくんだという方向に改めて指導をされないといかぬのじゃないか。  私、市長さんに会って要望してみたのですが、市長さんもそれはいかぬ、どうも役所にいる人たちがいままでの慣例の上から四角四面に考えているのであって、何とか考えを変えさせなければいかぬ、こういうふうに言うておるわけですけれども、これは国の方針としてそういうような一つ指導方針は変わってきたんですよということを改めて通知をしないと、この観念が抜けないわけですよ。これは改めてほかの例でも御説明しますけれども、いかがでしょうか。
  80. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、昭和三十年代と最近になりましてからは若干指導方針が変わっております。したがいまして、地方の末端までそういった指導方針が完全に徹底しているかと申しますと、先生のおっしゃるような事実もあるいはあるかと思います。したがいまして、この点につきましては改めて指導を強化したいというように考えております。  それからもう一つ、私どもよく聞くわけでございますが、一番問題は、既設のそういった団地で駐車場をつくってくれという要望が多いわけでございます。これは、たとえば中高層の住宅団地でございますと棟と棟の間に相当空き地がございます。したがいまして、それを駐車場に一部転用したりしておりますが、これとても、そこに入っておられる方で車を持っておられる方と持っておられない方のコンセンサスがなかなか得られないという問題がございます。それからもう一つの問題は、先ほど先生御指摘になりました平家の団地につきましては、そういった空き地がございません。したがいまして、これは市民なりの税金でもってその人たちだけの駐車場をつくるというわけにはなかなかまいりません。したがいまして、各市でも、さっき先生御指摘になったような隣の民間の土地を借り上げるなり、あるいは民間の土地の人に駐車場を経営してもらうなり何なりという形でいろいろ苦労しておるようでございますから、そういった点もあわせて私ども指導をしてまいりたいというように考えております。
  81. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 交通安全対策室長にお伺いをするわけでございますけれども、そういうようなことで路上駐車があると、いろいろな意味交通安全対策上問題があるわけです。  一つ考えられることは、現在、自動車を使うことが果たして生活の上で本当の意味の便益を得ておるのかどうか、そういう問題の分析も必要じゃないかと私は思うのです。早い話が、二千ccあたりの車を走らせると仮定をいたしまして、それにガソリン代、あるいは車庫代、あるいはまたいろいろな税金等が加算されますね。そうすると、これは何年乗るかわからぬですけれども、意外にタクシーを使った方が実質的に安くつくんだというケースもかなりあるのですね。そういう意味でのいろいろなキャンペーンを張らないと、便利だからつい自家用車を持った方がいいというようなことで終わってしまうというようなこともあり得るんじゃないかと私は思っているのです、別にタクシーの肩を持つわけでもないですけれども。しかし、都会なんかにおいて、余り長距離を走らない、ただ軍を置いているだけで金がかかるということも、かえってそういった浪費につながるんじゃないか。あるいは省エネルギーという問題を考えてみても、これはいい面ももちろん強調しなければならぬかもしれないけれども、逆に経費の面ではこれだけかかるのですよ、できれば省エネルギーの立場からもこういう考え方に立つこともあり得るんじゃないかというような、いわゆるそういう議論の材料を提供するためのいろいろな統計なんかをアピールする必要もあるのじゃないかなという感じがしているのですが、この点のお考えはいかがでしょうか。
  82. 三島孟

    ○三島政府委員 確かに今日自動車がどんどんふえてまいりまして、自動車の免許保有者も恐らく四千万人近くなったと思いますし、車の台数も、原付等を入れますと四千五百万台くらいになっているようでございます。ただ、自動車がふえますと、確かに片方におきましては、国民経済生活上もあるいは国民の日常生活上も非常に利便をもたらす、プラスの面も多々あるわけでございますけれども、その反面、交通事故とかあるいは騒音の問題、その他いろいろな障害も生じてくるということも事実だろうと思うわけでございます。しかしながら、やはり今日の近代生活上の車というものはなくてはならない存在になっておりますので、車そのものを抑えつけるということはなかなかむずかしい問題があろうと思います。ただ、いろいろな現実上の障害が生じておるとすれば、場合によっては自動車の使用そのものをある程度抑制するということを検討すべきじゃないかということは昔から言われておるわけでございますし、それから、事実日本においてもこれまで駐車規制その他のいろいろな措置が講じられております。また、諸外国でも自動車の使用そのものを抑制する。ことに大都会においてそういう問題が非常に極端に出ておりますから、大都会における交通量の抑制という観点からのいろいろな措置検討されておるわけでございます。  そうした意味合いにおきまして、実は総理府でも、これまで五十一年から三年間にわたりまして、都市交通量の抑制に関する総合的な調査というものを実施してまいりまして、これも大体まとまりまして、恐らく間もなく報告書も提出されることになっております。私どもは、そういった調査研究の結果を参考としながらも、それを踏まえまして、今後のそうした都市交通量の抑制の問題等も検討していくべきではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
  83. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 住宅局長さんにもう一度お伺いをするわけですが、これは派生的な問題なのですけれども、いま平家住宅、市営住宅、県営住宅等に空き地のある場合は、六畳一間くらいのプレハブは増設してもよろしいですよというところが大分ふえてきたわけです。これは東京、大阪等が最初に手をかけて、次いで名古屋あたりも実施してもらえるようになった。だんだん各二十万都市、三十万都市にもそういう傾向が広がっておるのですね。ところが、一たん移転をするということになりますと、原状に復帰すべしというこれが要求として出てくるわけですね。そうすると、引っ越す人は原状復帰ですから、ぶっ壊してこれを片づけるために十万円か十五万円くらいの金がかかるわけですね。それで、今度そこへ引っ越してきた人、かまた新たに建てるわけです。また金がかかっておるわけですな。そういうものはもう少し弾力的に考えられるような御指示をなさるつもりはありませんか。というのは、これはむだですよ。一般の中央官庁の官舎なんかの話を聞いてみても、ふすまを取りかえる申請をすると、取りかえるのは結構だ、出ていくときには原状復帰をせいというわけでしょう。ですから、仮にふすまを取りかえて何年か経過して、その人が転勤で引っ越す場合、原状復帰だからというので何年も前に使ったふすまにさせているのですね。そういうしゃくし定規というのはやはり考え直さなければいかぬと思うのですよ。そういうことが残念ながら随所に見受けられるわけですね。これは一片の通達で解決する問題ではないと私は思うけれども、まさにこれは漫画的現象で、ナンセンスな話なのですね。そこのところは、行政を担当する人たちが間に入って両方がいいように相談ずくの上でやられて十分こなせる問題なんですね。それを一片の通達がそうなっておるからそうすべきだというふうなことで頑固にがんばるなんというのは、もう二十一世紀も近い時代に、それでは少し人間の頭がかた過ぎるのじゃないか、行政の頭がかた過ぎるのじゃないかと私は思うのですよ。これはちょくちょく苦情が出る問題でございますが、派生的な問題で恐縮でございますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
  84. 救仁郷斉

    ○救仁郷政府委員 役所流のしゃくし定規な考え方で申しますと、これは公物の管理という立場から、そういった付加をする不動産みたいなものを置く場合には、出ていかれるときに原状復帰という一応のお約束をするということは当然であろうと思います。  ただ、現実に先生の御指摘のようなことは私も経験しておりますし、現実に先生のおっしゃるような矛盾を感じております。したがいまして、これはいわゆる行政の運用の妙と申しますか、そういったものじゃないか。ですから、先生御指摘のように、たとえば前の方が二十万円で六畳一間をつくっておられた、そうした場合には、それを直ちに原状復帰させないで、後にまた抽せんで当たった方がもしこれをそのまま譲ってほしいという希望があったら、その前の方と御相談して、そうして話がまとまったら、またその新しく入られた方に原状復帰というような一応のあれをやってそのまま入っていただくというようなことは、これは行政の運用としてやってもいいのじゃないかというような感じを私は持っております。ただこれを表切ってそういうふうにしろという指導とかなんとかいうことではなくて、折に触れてそういった話はしてまいりたいというふうに考えております。
  85. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 大変前向きの答弁で結構でございますが、ぜひ機会がありましたらまた指導をしてもらいたい、こんなふうに思っております。公営住宅の駐車場問題はその程度にしてまいりたいと思います。  それから、高速道路等の停止表示板の問題がございますね。これは国家公安委員会の認定ということになりますので、警察庁ですか、これについてお伺いをするわけですが、道交法が改正になって、車が事故を起こした場合に二百メートル先にそういう表示をしなければならぬことになりましたね。それ自体は私はそう異論を唱えるわけではないのですけれども、これの許可問題というのは実はかなり問題だと私は思うのですよ。というのは、実際に安全器材等の型式認可制度というのは、財団法人の日本交通管理技術協会ですか、これが行っているわけでしょう。一体財団法人日本交通管理技術協会とは何ですか。と申しますのは、これは法律上は私法人なんですよ。ですから、たとえばそういうマークをつくった業者、これも私法人ですね。私法人が私法人に認可を求める、私法人が私法人に認可を与えるということは法律上おかしいのです。ナショナルが日立さんにお願いに行って、それで日立が許可を与えるのと何ら変わらない。財団法人というのは大臣の認可法人だからいいじゃないかというような議論は、これは私は前に法制局に確認したことがありますけれども、おかしいというのですね。ですから、小型船舶なんかの場合にはいわゆる第三セクターがつくられて、その第三セクターが法律によって認可法人として認められておるわけですよ。ここら辺の解釈はどういうふうにお考えになっておるのですか。
  86. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  今度のこの停止表示板の型式認定は、御案内のように国家公安委員会がやっておりまして、形式認定自身は法人でやっているものではございません。これは、構造その他につきましては、御承知のようにきちっと性能その他のものが定まっておりまして、この道路交通法の施行規則、総理府令でございますが、これによりまして、型式認定をやるに際しまして必要な、それに合っているかどうかということの試験をやらす機関といたしまして、国家公安委員会が「道路交通の管理に関する技術開発に寄与することを目的とする公益法人」、これに合致すると認められるものにつきまして、国家公安委員会がそういうものについてその試験をすることの法人として指定をする、これが総理府令のたてまえになっておるわけでございます。その指定に基づきまして警察庁所管の日本交通管理技術協会、財団法人でございますが、これが試験をやる。型式認定は、その試験の結果を見て国家公安委員会が認定する、そういう仕組みにいたしておるわけでございます。
  87. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 そこら辺の話は私も知っております。実際はそうなってないじゃないですか。たとえば通産省、私は燃焼器具の問題を取り上げてみたんですけれども、同じシステムですよ。結局業界の人たちはあそこの許可を受ければいいんだ、こうなっている。あるいは消防署の表示を見ても、通産省の認可による耐震性の装置をつけたものをつけなければなりませんよとはビラの中に書いてない。そこの財団法人の認可のシールが張ってあれば結構ですよ、そういうのを大々的に全国全部ポスターにして張ってあるわけだ。これと同じなんですよ、これは。だからやるならば、何も私はやってはいかぬと言うのじゃないけれども、やるならば法的根拠を与えたらどうか、こう言っておるのですよ。あなたはそういうふうにおっしゃるけれども、そこに検査をさして、その検査した結果を国家公安委員会が見ているのですと言うけれども、これは形式だけじゃないですか。何も審査したわけでも何でもない。こういう証明をやったから間違いないだろう、その数値を見てああそうですね、結構ですねというだけのことですよ。そうでしょう、実態は。そうすると、実態論ば、国家公安委員会がやっているんじゃなくて、こっちの協会がやっておるのですよ。これが実態論。形式論からいけばあなたの言うとおりだ。だけれども実態論は、そうなっているならば、やはり法律を一部改正して法的根拠を与えなさいと言うのです。それでなければ、さっき言ったようにナショナルが日立に申請をして日立がそれに認可を与えるというようなことと法律上は同じになってしまうのです。そういうことではいかぬ、こういうことを申し上げておるのです。
  88. 杉原正

    杉原政府委員 今度、道交法の改正で初めてああいう型式といいますかものの構造装置の面というものと取り組んだわけでございます。そこで、初めてのケースでございまして、これを国家公安委員会が型式認定したもの以外は使ってはいかぬというところまではなかなか踏み切れなかったいきさつがございまして、これがある程度制度化しまして、この国家公安委員会の型式認定というものがある程度普及いたしますと、先ほど先生の御指摘になったように、そういう型式認定を受けたもの以外は使えないというふうな形までやるとしますと、これは法律の問題というものが出てまいると思います。やはり方向としては、私どもも使う人のそういう性能の安全の確保ということから言いましたら、そこまでいくのが本当ではないかなという感じがいたすわけでございます。
  89. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 あなたのお気持ちはわかりますよ。だけれども、法的整備の方もひとつお忘れなくやらなければいけませんよ。それで、なぜこういうことを言うかといいますと、この表示板の場合、一部中小企業者の中には、大手メーカーだけがどうも認定されるというような不満をおっしゃる方もあるのですよ。そういうようなことが出てきてはいかぬから、やはり法的な整備をしてもらいたいということを要望しておるわけです。  それから、高速道路事故が起きた場合、運転者が表示板を持って二百メートル先に走るというのは、確かに根拠としてはわからぬことはないのだけれども、夜あたりだと危なくてしょうがない。そこら辺はよろしいですか。
  90. 杉原正

    杉原政府委員 御指摘でございますが、実はちょっと申し上げますと、二百メートルというのは二百メートル先から停止板が見えるということでございまして、置く場所は車のしかるべき後方、こういうことでございますので……。
  91. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 これは私の認識違いかもしれません。  それからもう一つ、先ほどの話に関連をするのですけれども、道交法の改正が行われてからこれをつけることになりましたでしょう。これは一千数百億産業と言われたものですね。そうすると、そういう能力を持つ私企業が一生懸命つくってもうけているというようなことは余り感心しない。むしろ利益というものは社会に還元されなければいかぬ。やはり法律改正するときはそこまで配慮してもらわなければいかぬという気がするのですよ。それから西ドイツあたりでは、乗用車ならばトラックのふたをあければ、そこに何か装置をつけているというような話も聞いていますし、いずれにしてもそういうような法律改正するときには、社会への派生の影響を十分考えてもらわなければいかぬ、こう思うのですよ。車社会という時代になって車が何台かあれば、必ずそこに事故の発生率というものが出てくる。故意であれあるいは過失であれ、自動車が走っておれば事故が起こるんだ、そういう認識の上に立った考え方に立たなければいかぬと思うのですね。  それから、特に法改正に当たっての御要望を申し上げるわけですが、重量規制が非常に厳しくなりましたね。それ自体は非常に結構なことなんですけれども、しかし、それによって最近物価に運賃がはね返ってくる、そういうようなことも盛んにいま言われていますね。こういう法改正については、そういった意味では慎重にやってもらいたい。派生の影響等も十分予測した上での措置を講じてもらいたい、そういうふうに思います。その点はそれだけ申し上げておきましょう。法的整備の問題は将来の問題としてできますか。
  92. 杉原正

    杉原政府委員 これはいまの停止板のお話だと思いますけれども、この整備の問題は、私どもは方向としてはやはりそういう方向に進むべきものだというふうに考えております。
  93. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 その問題はそれだけにしておきましょう。  それから道路標識の問題について、若干御注文を申し上げておきたいと思うのです。私の方で、これは公明党の党の機関紙なんですけれども、これは四月二十五日付ですからごく最近の新聞なんです。この写真を見ますと、路上駐車の問題の中に、目が見えない人たちのために点字ブロックを敷いてあるわけです。ところがここに駐車されておるわけですよ。これは点字を伝わっていくとどしんと自動車へぶつかっちゃうわけですね。そういうようなことで、こういうケースは非常に悪質ですね。そういう問題についてもう少し点検をしてもらいたいというふうに思います。  それから、たとえば遊園地あたりから出てくる——これは自動車が入れないように立ててあるのでしょうけれども、縦に入っているために子供が自転車や何かでここから飛び出してくる危険性があるわけです。  そのほかにもたくさんありますね。公園地帯から、住宅地域から出てくる。そこに横断歩道の白線が引かれているものですから、子供がこのままぴゅっと出てくるわけですね。これが若干でもずらされておれば、これはまた違ってくるのじゃないか、こういう問題がたくさんあるのです。こういうのはその前にガードレールがありますから、勢いほかへ行って横断歩道を渡らなければならない。これはいい例ですね。これは悪い例ですね。そういうようなものがかなりあるのです。これなんかは非常に経費も安いし、遊園地からいきなり車道へ出てこられないようにガードレールが簡単なものがつけられておるわけです。  それから身障者のための歩道と車道との問題、これも二様あるようでして、これはどちらがいいという結論は私自身もなかなか下しがたいのですけれども、これなんかはむしろ車道の方がそこで若干せり上がっておって、楽に歩道からおりていかれるというようなケースもありますし、逆に歩道の方を低くしておるケースもあるわけですよ。そうすると、これはまたこれでなかなか危険性がありまして、こういうふうに力がないと、車道の方へいきなり、足の方が前へ出てしまうというような危険性のある状況がございます。あるいは道路幅が狭いために非常に傾斜してつくってあるケース。これは水はけ等の問題も絡んでいるのですけれども、ひっくり返るような危険性がある傾斜があるというようなケースもあるわけです。あるいはこういうところの車道と歩道との境がかなり段がついておって、そこへ上がってくるのにかなりの力が要る。若い男ならばいいですけれども、子供とか御婦人はそういった意味で危険性を感じておる。  これは一長一害があって、現場を見ただけでいいとか悪いとかという判断はなかなかできないわけなんですよ。だけれども、少なくともこれを常に研究する、そういう機関が必要ではないのか。機関なりあるいはそういう時期を定めて研究する必要があるのではないか、こういうふうに思うわけです。  そのほか、道路標識なんかを見ても、非常にいいやっと悪いやつがあるわけですね。これなんかは案内図ですね。案内図が向こう側にある。手前の方に右折禁止とか左折だけとか、いろいろな表示があるのですけれども、やはり遠くから来る人は案内図を先に見るわけで、行ってみたらば、これを余り注意しないでこっちを見て行ったらぱっと交通違反だとやられてしまう、そういうケースもある。  中には非常にいいのもあるわけです。こういうのは実際問題としてここから三十メートル先ですか、左折ができますというのが案内図と同時に掲示してありますから、これなんかは非常にいい例なんですね。  これなんかは信号機の後ろにありますから見にくい。案内図が見にくいというケース。  私は一つ一つ指摘してみてもこんなのしょうがないのであって、やはり警察庁としても一年に一遍なりそういうものを研究し合って、そして改善を図っていく、あるいはまたそういうところに、トラック協会とか、ドライバーあるいはユーザーのいろいろな協会の人たちもおるわけですから、そういった人たちを呼んで意見を聴取するとか、いずれにしても年に一回か二回ぐらいはそういうような機関をつくって、安全のための審議をされるべきではないかというふうに考えておるわけでございますが、この点についていかがでしょうか。
  94. 杉原正

    杉原政府委員 お答えをいたします。  広い意味交通管理施設といいますか安全施設といいますか、この問題についてはもう先生の御指摘のとおりでございます。もうこれだけの車社会になって、たとえば信号機一つとりましても全国に八万七千交差点にある。それから道路標識がいま六百八十万本あるわけでございます。これの視認性とか位置とかそれから横断歩道あり方とか、いろいろな問題について、先ほど言いましたように本当に国民の皆さん方の支持と共感に支えられた管理をしていくということになりますと、この個別の一つ一つの持っている意味合いというものは大変に大きいわけでございまして、そういう意味でこれから、そういう業界も含め一般のモニターなどを大変に委嘱をしておりますが、そういう人たちの意見を本当に真摯に聞いて仕事をやっていこうじゃないかということで、去年の道路交通法の改正を機に私どもも中央から地方にそういう指示をいたしまして、意見を十分聴取し、改善すべきものを改善してやっていこうということにいたしております。  これは参考でございますが、こういう維持管理あるいはその保全費というふうなものが、国が全然めんどう見ないで、従来県単事業ということでやられております。この問題自身もありますが、これにいたしましても、従来五十三年までは標準県で地財で二千七百万であったものが、これが五十四年は一億四百万ということになっております。そういうふうなことも含めまして、これからこういう交通管理施設の維持管理、あり方というものについては徹底した検討を加えなければいかぬというふうに考えております。
  95. 山根孟

    ○山根政府委員 道路管理者としてなすべきこと等がかなり先生の御指摘の中にございましたので、お答えを申し上げたいと思います。  道路整備におきまして、まず身体障害者の通行の安全と利便を図るための、先生御案内のように、歩道の段差解消、車路つきの立体横断施設整備あるいは視覚障害者用の、先ほどの点字ブロック等の設置等、従来からいろいろやってまいっておるわけでありますが、先ほどいろいろな例について御指摘をいただきました。私ども一応の、歩道の段差切り下げの勾配の問題でございますとか、水平距離のとり方でありますとか、あるいは排水に対する配慮でございますとか、いろいろ基準を決めまして実施いたしておるわけでありますが、今後とも関係者の御意見を踏まえまして、できるだけ利用者が安全で円滑に利用できるような道路構造の質的改善を図ってまいりたい、かように考えております。  それから、次に道路標識の問題が提起をされたわけでございます。やはり道路標識は、特に案内標識の例等を提起いただいたわけでございますが、従来とも見直しつつ、道路交通の状況、沿道の状況に応じましてできるだけのことをいたそうということで、昭和五十年度から実は毎年標識週間というのを、これは内部でございますが、つくりまして、道路管理者が集まりまして、車に全部一緒に乗りまして、この標識はどうである、これはいいとか、そういう設置の妥当性あるいはその維持管理が適切であるかどうか、そういったことを点検、検討を行っておるところでございます。  また、道路を守る月間というのを毎年実施をいたしておりまして、警察庁、その他関係各省庁と御協力いただきまして、道路環境という観点から、標識その他についていろいろ検討を加え整備を進め、かつ一般の方にも御協力を得る、そういう試みをずっと続けてまいっておりますが、先生御指摘のようにどういうやり方が一番いいか、これは地域地域によって違いますし、交通情勢によっても違うところでございますので、今後ともなお警察庁の方ともよく連絡をとりながら対処してまいりたい、かように考えております。
  96. 石田幸四郎

    ○石田(幸)委員 まだ二分ばかりございますから、道路局長さんにお願をするわけですが、やはりこれは機関を設けて点検等が必要だと思うのですよ。それは、中央官庁ですべてをやるということは実際問題として不可能であることは私も知っています。しかし、サンプル調査並びにそのサンプルを検討した結果について、各都道府県にこういういい例がある、あるいはこういう悪い例があるというような、こういう意味のPR、そういうものは私は可能だと思うのです。そこら辺のところをしっかりやっていただくことによって、かなり安全というものは前進するのではないか、こういうふうに思います。私どももいろいろな地方議会等において提案したものは中央に吸い上げて、各県にもこういう提案をしたらどうだというようなことを、押しつけるわけではないけれども、こういう例があるぞというようなことはしばしばやっておるわけなのです。これは非常に効果がありますね。そういうような一つのシステム化と言いますか、そういう問題も十分に御検討いただければと思いますね。  時間が参りましたから、これで終わります。
  97. 有島重武

    有島委員長 次に、青山丘君。
  98. 青山丘

    ○青山委員 きょうは、国会へ来る途中大変交通渋帯をしましたが、きょうからまた交通ゼネスト、ちょっとニュースを聞きますと、午後には解決したところもあると聞いておりますが、相当な交通混雑から、交通安全の面で憂慮すべき事態が出ているのではないかと思います。  まず、その辺の御見解を伺いたいと思います。
  99. 杉原正

    杉原政府委員 こういう交通関係一般の、公営交通というものがとまりますと、どうしても道路交通ということになってまいります。平場におきましては、通常の二倍、三倍の交通量になるというふうなことで、各県これの円滑と安全対策というものに、けさ方来現場的には大変な努力をいたしております。込み合う中でもできるだけ障害が生じないように、万全の体制でいま措置をいたしているところでございます。
  100. 青山丘

    ○青山委員 つい先ほど聞きましたら、鎌倉から国会へ来るのに四時間かかったというのです。こういう交通混雑の状態から事故がどうしても起きるのではないか、交通安全の面で大変心配をしております。  加えて、国鉄総武線津田沼駅構内の電車区で、成田空港反対闘争の支援をめぐって動労の内ゲバが起こりました。この影響で総武線が一時ストップした。そのあおりで普通電車百本が運休、ダイヤの乱れは深夜まで続いた。そのために十三万人の乗客が迷惑を受けたというのです。しかし、いかなる内部の事情があるにせよ、鉄道で働く者は電車の運行には特に気を配って、乗客に対して安全を守ることが務めだと私は思います。それが、本来利用者とは全く関係のない組合内部の問題から暴力事件まで引き起こしたことは、私は許せないことだと思うのです。きょうは、いま申し上げましたように交通ゼネストに突入をしたわけですが、券闘のストを前にして、いつも通勤者は重苦しい気持ちで自衛策に思いをめぐらしてきたわけです。今春の国鉄ストは、動労の内紛という新たな台風の目が加わって、乗客の激しい反発に遭うのは必至の情勢であります。このようなことでは安全運行もおぼつかないのではないかと危惧をしている、そういう状況です。  そこで、監督官庁であります運輸省は、国鉄に対してどのように忠告をし、指導し、対策を立てておられるのか、まずお聞きをいたします。  加えて国鉄当局は、これら暴力行為を含めた事件に対しどのような措置をとられるのか。事実関係がはっきりしておりますから、速やかな処置をとられるべきだと思うが、いかがでしょうか。
  101. 丹羽晟

    ○丹羽説明員 お答え申し上げます。  今回の事件は、先生御指摘のとおり、国鉄の労働組合内部の問題でございますが、お話しのように暴力行為まで発生しております。そういうことで、通常の事態を超える状況であります上に、旅客輸送に大きな混乱をもたらしましたし、利用客に多大の迷惑を及ぼしている、そういうことでございますので、まことにきわめて遺憾な事態だと考えております。  運輸省といたしましては、国鉄当局におきましてもその職員に対して節度ある行動をとるということを徹底してもらうとともに、事業上の管理者といたしましてこのような事態にも臨機に対応して利用者に御迷惑をおかけしないよう措置をとる、このような事態の再発防止につきまして必要な措置を強力にとるよう指導しているところでございます。
  102. 諸隈嘉一

    ○諸隈説明員 お答えいたします。  ただいま運輸省から御指摘がありましたとおり、国鉄当局としましても従来から職場規律の厳正確保につきましてはいろいろ努力してきたところでありますが、まことに遺憾ながら、今回の組合員の組織争いということからこのような事件を引き起こし、多数の利用者の方々に御迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします。今後二度とこのような事件が発生することのないよう、職場規律の確立に努めるとともに、組合に対しては、暴力行為はふるわない、あるいは実力行使はしない、業務には支障を与えない、部外者を入れないといったようなことにつきまして厳重に申し入れをいたしまして、またさらには、職員に対しまして良識を持って行動するよう、強く指導いたしております。  またさらに当局としましては、電車区でありますとかあるいは乗務員の乗り継ぎ駅に公安職員や管理者を派遣する等の警戒態勢を強化して、再発の防止に努めております。  今回の事件につきましては、関係する千葉局と東京西局におきまして現在事実関係調査中でございますが、本件は津田沼電車区事務所の内外において同時多発的に小競り合いが起こった、あるいは暴力行為が行われたということで、事件の内容が把握が非常にむずかしい点もございます。早急に事実関係調査いたしまして、違法行為を行った者に対しては厳重に処分を行う考えであります。
  103. 青山丘

    ○青山委員 罪をつくるのは好ましいことではないかもしれませんが、法を犯した者に対しては厳正に対処する、これが同じ事件を繰り返させない大切な道だと私は思います。その点で、ぜひひとつ十分に対処していただきたいと要望しておきます。  きょうは、私の質問もできるだけ簡略にやろうと思います。そこで、答弁の方もできるだけ簡略に、的確にお答えくださるようにお願いをしておきます。交通事故にかかわる自動車保険金の不正請求の問題についてはすでにお尋ねをしてきておるところでありますが、きょう再度お尋ねをしたいと思います。  最近の新聞記事によりますと、他人に多額の保険を掛けた上で交通事故を装って被保険者を殺害しております。そして、保険会社から保険金をだまし取るというきわめて悪質な事件を初め、故意に自動車事故を起こして対人賠償保険金あるいは搭乗者傷害保険金、車両保険金等を詐取するという保険金詐欺事件が激増してきております。警察庁の発表によりますと、たとえば昭和五十三年千二百二件が摘発されまして、八百五十六人が逮捕されました。その被害金額は十億六千万円の多額に上っております。これは昭和五十二年の摘発四百六十九件、逮捕者数三百四十四人、被害金額五億五千万円に比べてまいりますと、いずれも約二倍になっております。また、昭和五十年の数字に比べてまいりますと、摘発件数及び逮捕者では七倍、被害金額では約五倍の多きに達していることになります。  このようにしてだまし取られた保険金は、多くのまじめな保険契約者が万一のときに備えて保険に加入した、その収入の一部を割いて保険会社に支払った保険料から支払われたものであって、本来、これは不慮の自動車事故に遭い、精神的にも経済的にも重大な打撃を受けて悲嘆に暮れている被害者及びその家族の方々に、せめて経済面なりとも償いをするための財源として使用されるべきものであります。しかるに、そのような大切な財源が詐欺事件によって食い荒らされるということはきわめて問題であると言わなければなりません。警察庁、運輸、大蔵、農林の各省、この実態をどのように踏まえて対処されるおつもりか、お尋ねをいたします。
  104. 杉原正

    杉原政府委員 私ども現場の事故処理の過程を通じまして、先ほど御指摘のような保険金詐欺事件というものを検挙してまいってきておるわけでございますが、こういうことになってまいりますと、保険制度そのものの根幹にも触れるようなことに相なるわけでございます。  そこで、交通事故関連しての保険金詐欺事件を見ますと、いずれも不自然に多額の契約あるいは何種類もの契約を行って、その直後に敢行されておるというふうなことが多いわけでございます。保険会社あるいは郵政省と、保険関係機関との連絡をさらに緊密にいたしまして、この種の不審な事故につきましては、迅速に通報いただく等、そういうふうな面からも私どもの捜査を推進していくというふうなことで対応してまいりたいというふうに思っております。
  105. 梶原清

    ○梶原政府委員 保険金詐欺事件は、まことに遺憾なことでございまして、運輸省といたしましては、関係省庁等と十分連絡をとりつつ、その実態の把握、解明に努めてまいるとともに、詐取されました保険金の回収に努力をいたしておりますし、今後とも努力を続けたい、かように考える次第でございます。不正請求が多発します事態は、自賠責制度の適正な運営にとりまして非常に大きな障害となるものと考えられますので、今後ともその防止に一層の努力をする覚悟でございます。
  106. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えいたします。  実際にこういう事件が起きました保険会社を監督している大蔵省といたしましては、責任を痛感しております。  具体的な措置でございますが、これは各社そのものと各社間にまたがるものと二つあると思います。各社個別にやるものは、たとえば損保でしたら約款で、必ず警察事故証明をもらえとか、それから金額を制限するとか、その他ができると思います。それから、各社にまたがる問題といたしましては、これは各地区でぼちぼち発足しておりますが、地区の連絡会とか環境整備委員会、そういうものをつくっておりまして、現に関西地区では一部発足しております。生命保険の方で、この前の委員会で保険審議会にかけるということを私お約束いたしましたが、生保の方は交通事故だけの特約がございませんで、災害全部の特約になっておりますので、交通事故だけ、たとえばいま損保でやっておりますようナ 給付制限をいたしますと、ちょっと善良な契約者を制約するようなことになりますので、そこへ行く前にまず情報交換でございますとか、それから契約者にほかの社に加入しているかどうかを求めるとか、そういうようなことで実現可能な方策を今後具体的に詰めたい、そう思っております。
  107. 三井嗣郎

    ○三井説明員 農協関係につきましては、組合員を対象とするという関係から、この種の事故の発生は比較的少ないわけでございますけれども、しかし若干の発生を見ているところでございます。今後この種のものにつきまして指導の強化の面といたしましては、いろいろ関係省庁とも十分連絡をとりながら努力してまいりたいと思います。  とりあえず、五十四年四月一日に傷害共済につきまして仕組みの改正を行いまして、同種保険との重複契約につきまして告知義務ないし通知義務を課するというようなことにいたしておりまして、これに反した場合は共済金支払いを免責にしたり契約解除をするということもいたしております。
  108. 青山丘

    ○青山委員 不正請求をして支払いをした保険会社、そういうところの監督官庁である大蔵、農林、運輸、不正請求による保険金が支払われたその実態を把握して求償請求が出されておると思いますが、それに応じてきた額はどのようになっておりますか。     〔委員長退席、太田委員長代理着席〕
  109. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えいたします。  五十三年中に自動車保険に係る保険金不正請求事件でございますが、犯人が起訴されたものだけにしぼって申し上げますと、横浜の協和リース事件とか大阪のタクシー事件といろいろございますが、合計いたしますと、関係の保険会社十六社でございまして、支払い額の総額は二億三千七百万円に上っております。犯行の手口は、先ほど御説明があったので略しますが、目下回収中でございますけれども、残念ながら、現在ではこのうち千六百三十万ぐらいしか回収しておりません。今後も訴えを起こしましたり、その他の方法で回収に努力させるよう指導するつもりでございます。
  110. 梶原清

    ○梶原政府委員 自賠責の案件について実績を申し上げますと、昭和五十年度から五十二年度までの三年間に発覚をいたしました事件についてでございますが、被害総額二億一千百万円に対しまして、約六割に当たります一億二千四百万円を回収をいたしております。
  111. 三井嗣郎

    ○三井説明員 農協共済につきまして、五十三年度において不正請求として処理済み、あるいは処理中のものは、件数で二十九件、これに関して不正請求した人数が二十一人、金額で千七百十六万円ほどでございますが、これら不正事案として判明したものにつきましては直ちに求償し、現在時点で三一%、五百三十七万四千円を回収いたしております。さらに月割りで回収中のものが一七%、二百九十八万三千円になっておりまして、合わせて四八%、八百三十五万七千円でございます。  なお、残りにつきましても返還請求中でございます。
  112. 青山丘

    ○青山委員 不正請求、求償請求がされてそれが戻ってくればいいというものではありませんが、それなりに努力をしていただかなければならぬと思います。  それからさきの委員会で、私が保険金詐欺事件の不正請求事件に対する防止対策と今後の対策についてお尋ねをいたしましたところ、運輸省は不正請求が多発する事態は自賠責制度の適正な運営にとっても大きな支障になるので、今後さらに不正防止のために万全の対策を進めたい、こう述べておられますが、どのような方法でやられるのか。また大蔵省はモラルリスク防止策をつくると言っておられますが、具体的にはどうされるのか、提示していただきたいと思います。
  113. 梶原清

    ○梶原政府委員 私どもの自賠責保険の場合は、御案内のとおり強制保険でございますのと、重複して加入いたしましても自賠責の保険金は重複して支払われないという性格のものでございまして、自賠責保険金詐欺を目的として保険契約が結ばれるということはきわめてまれでございますが、他の保険金を詐取するための手段といたしまして自動車事故を利用する不正事件があった場合に、その結果として自賠責保険に対しても不正請求が行えるということになるわけでございます。  しかしながら、最近のように保険金詐欺が多発します事態は、当然自賠責制度の適正な運営にとりましても大きな支障となることは先ほど御指摘されたとおりでございまして、運輸省におきましては、事故内容について特に慎重に審査するということが第一でございます。疑義が生じました事案については警察当局、治療機関等の関係先への照会調査を徹底することによりまして、不正請求の防止に努めるよう保険会社を十分指導してまいりたい、かように考える次第でございます。     〔太田委員長代理退席、委員長着席〕
  114. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えいたします。  先ほどのお答えと若干重複するかもしれませんが、要は情報交換というのが一番大事じゃないかとわれわれは考えております。先ほど大ざっぱに申し上げましたが、損害保険の方では地方委員会に地方情報センターを設けております。それから環境整備委員会というのを設けておりまして、その環境整備委員会の方が警察との連絡に当たるということになっております。今後も警察と緊密な連絡をとってやっていきたいと思います。  それから、生命保険の方もちょっと大ざっぱに申し上げましたけれども、たとえば契約をとりますときに五千円くらいのものを基準の金額といたしまして、金額がふえるたびごとにチェックシステムを打ってやる。たとえば機関長まで見なさいとか、支店長まで見なさいとか、そういうことをやるとか、それから職域別の販売につきましても、職域環境などをよく見て多額にならないようにチェックしようとか、そういう方法でやっていきたいと思います。  いずれにいたしましても、やはり情報交換というのがポイントになると思いますので、今後一定のある金額を設けまして、実行可能な方法を模索したい、こう思っております。
  115. 青山丘

    ○青山委員 事故内容を調査する、それから情報交換をする、やはりそういうことをしていかないと詐欺事件をつかむことはむずかしいだろうと思うのです。そこで、そういう仕組みができてないといけません。そういう仕組みをひとつ間違いのないようにつくっていっていただきたいと思す  それから次に、事故死を装った保険金詐欺事件のこととなると保険会社は一斉に黙ってしまう。口のかたいのが保険会社だ。それが取り柄だと言ってしまえばそれまでですが、殺人事件だからという特殊事情のためだけではなく、ルーズな契約ぶりが明るみに出るのを極端に恐れているのではないかと思うのです。殺人を誘発した保険のあり方、加入するあり方が改めて見直されるのではないかと考えております。しかし、多額の契約金を家族ではない、第三者でも受取人になることができるという保険の特殊性について、大蔵省は見直す必要があると考えますが、どのように指導しておられますか。
  116. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 御指摘のように契約がルーズということがもしあるとすれば、大変残念なことでございまして、われわれは常に量的な拡大よりも質的な競争をしなさいということを指導しております。現に数年前までは契約高を報告させておりましたが、大蔵省が余り報告をとりますと、契約高競争になりますので、なるべくそれを最小限度に抑えるようにしておりまして、良質な契約をとるように指導しておるわけでございます。  いま第三者の話が出ましたが、決してお言葉を返すわけではございませんが、自動車保険の方は大体法定相続人が受取人になっておりますので、御指摘の点は恐らく生保の問題ではないかと思います。  生命保険につきましては、最近問題になっておりますのは、社会的常識から判断してやや疑義があるのではないかという契約をとっておることが指摘されておりますが、実はこういうことが問題になりましたので、先般、生保の社長が集まる理事会というのがございますが、そこへ私出席いたしまして、こういう事件が多発するのは保険会社の信用上大変問題であるから、第三者を受取人とするような契約をとるときには、月収とか資産状況とか、それから契約者と受取人の続き柄、社会的地位であるとか、年齢であるとか、十分チェックするように、これがお題目に終わっては何にもなりませんので、各社に宿題を与えまして、何かいい案を出すように、もちろん大蔵省もやりますけれども、一応月収、資産状況を勘案するようなことは従来も指導してまいりましたが、改めて社長会で指導しておる段階でございまして、今後具体的な案が出ましたらこの委員会で報告をさせていただきます。
  117. 青山丘

    ○青山委員 次の質問できょうの最後の質問にさせていただこうと思っておりますので御了承いただきたいと思いますが、先ほどからも話が出ておりますが、警察庁にちょっとお尋ねします。  保険会社の体質に関する防止対策について、警察庁の方から近く申し入れをするということでありますが、どのような内容のものですか。  それからもう一つは、いまも答弁の中にありましたが、保険会社が支払いをするときに警察事故証明がなければいけない。事故証明が出されますと、保険金の支払い事務を進める、こういうことになってきます。警察の方で事故の内容を的確に調査するということはなかなか困難であろうとは思います。しかしその辺の事故証明の発行の仕方についても一工夫要るのではないかと考えます。その辺の御見解を伺っておきたいと思います。
  118. 杉原正

    杉原政府委員 最初の方の御質問でございますが、いま警察庁として何かのものを申し入れるということは私自身考えておりません。ただ、こういう事案がありますので、これからこれの防止策についていろいろ協力し合ってやっていきましょう、こういうことは当然のことでございますが、それ以外のことをいま申し入れるつもりはございません。  それから、第二点の事故証明でございますが、実は事故証明といいますのは、現場で現実に事故が皆あっているわけでございます。事故がありましたよということの事実の証明でございますものですから、それが非常にむずかしい、またそれを個々たくさんあります事故を全部個別に背後関係までずっといきまして、初めてそれが正式な事故であるということをやっていこうとしますと、善良な人には大変なまた迷惑をかけるということになるわけでございます。そこで、私ども現場的にいろいろな処理の仕方を見ておりますと、これは長野等でもございましたけれども事故が発生したけれどもどうもおかしいというふうな事柄については、まず事故に掲上しないで交通と捜査と一緒に一遍事案を進めてみようというふうなことで、長野の事案などは殺人未遂事件として処理をしたわけですが、やはりこれからの事故というのは、そういうものも中にはあるというふうなことを前提にしながらやっていけるような捜査体制の充実あるいは教養に努めていくというふうなことで、交通事故事件処理ということとして処理の徹底、適正化を図っていくというふうに考えておるわけでございます。
  119. 青山丘

    ○青山委員 最後は質問ではありません。こういう事故、不正請求の事件については、いろいろの対処の仕方がありますが、保険会社同士の情報交換あるいは各省庁間といいますか、警察と保険会社との的確な情報交換、そういう仕組みというものも基本的に考え直していかないと解決に結びつきませんので、一つ一つの事案が解決したということではなしに、基本的にこういう詐欺事件が起きにくい体質というものをつくり上げていただきたいと思います。  以上をもって質問を終わります。
  120. 有島重武

    有島委員長 次回は、明二十六日午前九時五十分理事会、十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二分散会