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救仁郷政府委員 お手元にお配りしてございます
資料につきまして、御
説明申し上げたいと思います。
四つ資料がございます。まず第一が
横長の「
昭和53年
住宅統計調査の
概数集計結果の
要約」という二枚のものと、それから「
昭和53年
住宅統計調査概数集計結果の
概要」という少し厚いのがございます。これが
住宅統計調査の
資料でございます。それから同じ
横長の二枚でございますが「
昭和53年
住宅需要実態調査の結果について」というものと、それから製本いたしました「
昭和53年
住宅需要実態調査結果の
概要」というものとございます。
まず最初に
住宅統計調査の方から御
報告申し上げたいと思います。
住宅統計調査は御承知のとおり毎五年
ごとに
総理府で
指定統計として
調査を行います。
全国の
国勢調査区を七分の一の
抽出で
抽出いたしまして、そこの中の
住宅数、
世帯数あるいは
住宅の構造、
面積等を調べるわけでございます。今回、昨年の十月一日現在で
全国的に
調査を行いまして、その
概数集計を速報といたしまして、
全国、
都道府県、
都市圏、人口五万以上の市及び十
大都市の区別の
住宅数と
世帯数だけを
集計した結果が出されております。したがいまして、一戸
当たりの規模とか、いろいろな
調査をしておりますが、そういったものはまだ
集計ができておりません。今後、
総理府におきまして
集計いたしまして、各
県別に
集計が逐次出てまいりまして、
全国の
集計がまとまりますのは大体ことしいっぱい、かかるのではないかというように考えております。
その
内容につきまして、薄い方の「53年
住宅統計調査の
概数集計結果の
要約」というものに従いまして
概要を御
説明申し上げたいと思います。
まず、
全国の
住宅数でございますが、これが三千五百七十一万戸でございまして、
前回が三千百六万戸でございましたので、ちょうど五年間で四百六十五万戸ふえております。ただ、
伸び率といたしますと、前の四十三年から四十八年までの
伸び率が二〇・四%でございましたが、これが
増加率が一五%というように落ちております。
それから
世帯数でございますが、三千三百九万
世帯でございまして、
住宅数は
世帯数を二百六十一万戸上回っております。一
世帯当たりの
住宅数は一・〇八戸ということになっております。
前回は
世帯数が二千九百六十五万
世帯でございまして、
住宅数が
世帯数を百四十一万戸上回っておりました。これに比べますと、数の上で
相当改善が行われたということになっております。先ほど
住宅数の
伸び率が鈍化したということでございましたが、
世帯の方の
伸び率も鈍化しておりまして、
前回の四十三年から四十八年までの
伸び率は一六・二%でございましたが、今回は
世帯数の五年間の
伸び率が一一・六%というようになっております。
それから(3)でございますが、
住宅に同居している
普通世帯は六万
世帯減少いたしまして十三万
世帯となっております。
同居率も〇・四%というように非常に減っております。
(4)は
空き家の数でございます。これは今回二百七十万戸となっております。
前回、四十八年が百七十二万戸でございますので、
空き家の数が九十八万戸ふえております。
空き家率ということで見ますと七・六%ということになっております。ただ、この
空き家の中でもいろいろなものがございまして、今回、特に
別荘等のいわゆる二次的な
住宅、これも
空き家でございますので、それがどれくらいあるかというような
調査もいたしておりますが、ちょうど、そういった
別荘などの二次
的住宅が十四万戸になっております。したがいまして、それを除きますと
空き家率は七・二%というような勘定になるわけでございます。もっとも、この
空き家の中には、そういう
別荘などのほかに、
建築中の建物で、ある程度屋根がふかれて、かぎがかけられるような状態になっていて、まだ中の
工事を若干しているというようなものも
空き家の方にカウントしてございます。それ以外の
工事中のものにつきましては
建築中という形で
調査をいたしましたので、二百七十万戸の
空き家というのは、必ずしも全部が完成して
空き家になっているというものだけでなくて、一部そういった
工事中のものも含まれているということでございます。
それから
都道府県別でございますが、これは
昭和四十八年、初めて全
都道府県で
住宅数が
世帯数を上回ったわけでございますが、今回も当然のことながら、さらに上回ったということになっております。
住宅数の
増加率でございますが、これは千葉県の二四・六%、埼玉県の二四・一%というように
首都圏周辺が高うございまして、それから
近畿圏周辺の奈良、京都と続いております。こういうふうに、まだ大
都市圏周辺の
伸びが高いわけでございますが、ただ、ここで若干
変化が起きておりますのは、先ほど
世帯数の
全国的な
伸び率が低下したというお話を申し上げましたが、特に
伸び率から見ますと、
大都市圏はまだ
全国平均より高うございますが、それでも非常に
伸びが鈍化しております。たとえば
大都市圏の中で
関東臨海、これは一都三県でございますが、
前回四十三年から四十八年までが二九・九%の
伸びをいたしておりました。これが今回四十八年から五十三年までは一七・五%というように急減しております。それから
近畿臨海、これは
大阪、兵庫、和歌山でございますが、
前回の二四%の
伸び率から一二・九%というように落ち込んでおります。ほかの地方は
伸び率は若干
減少ぎみではございますが、九州のように
前回の一二・六%から一四・六%というように
住宅数の
伸び率が増加したところがございます。
それから、ちょっと飛ばしまして3でございますが、
都市圏、
距離帯別の結果でございます。
これは札幌、京浜、中京、京阪神、北九州・福岡の五
大都市圏の
住宅数が千九百二十七万戸で
全国の五四%を占めているという結果でございます。
それから、
東京五十キロ圏、
大阪五十キロ圏及び
名古屋四十キロ圏内の
住宅数が千五百九十一万戸で
全国の四五%を占めているということになっております。
それから次の紙に移っていただきまして、
距離帯別の
住宅数の
増加率で見ますと、これは
ドーナツ現象が起こっておりますので、
東京五十キロ圏では三十から五十キロ帯、
大阪五十キロ圏では二十から三十、四十から五十といったところがふえております。
名古屋では十キロから三十キロ帯がふえている。これは
ドーナツ現象として当然のことでございます。
以上、簡単でございますが、
住宅統計調査につきましては御
報告を終わらせていただきます。
次に、
住宅需要実態調査の方につきまして御
説明申し上げたいと思います。
この
住宅需要実態調査は、先ほど御
説明いたしました
住宅統計調査が、
国勢調査と同じように非常に客観的に、
住宅が何戸ある、どれくらいの広さ、そこに何人、どういう家族が住んでおられるというような
調査をいたしますのに対しまして、国民が
住宅に対して、どういう気持ちを持たれるかというようなことを主観的に
調査いたしますために、これも、おおむね五年
ごとに
調査をいたしております。
住宅統計調査は昨年十月一日でございましたが、これは二カ月おくらせまして十二月一日に
調査を行っております。これは
全国で九万
世帯、
抽出率が三百五十分の一という
抽出で
調査をいたしております。これにつきましては一次
集計が大体終わりましたので御
報告申し上げるわけでございますが、まず二枚紙の方で簡単に御
説明申し上げたいと思います。
まず「現在の
住まいに対する
感じ方」で「満足している」「さしあたり困っていない」それから「困っている点がある」「何とかしなければならない程困っている」という
四つに区分いたしまして聞いたわけでございますが、その結果「困っている点がある」または「何とかしなければならない程困っている」と感じている
世帯の
合計が
全国で千二百五十六万
世帯、
世帯の
比率で三八・九%というようになっております。これは
前回調査の四十八年が三五・一%でございますから多少増加しているということになっております。
図−1をごらんいただきますと、その傾向が出ておりますが、四十四年では、下の点の打ってある欄と
斜線の引いてある欄、この
合計でございますが、これが三七%でございます。四十八年には、これが三五・一%というように若干減ってきておりましたが、これが五十三年では、また逆にふえまして三八・九%となったわけでございます。ただ「何とかしなければならない程困っている」という絶対的な
困窮感というものは、図−1にございますように四十四年の七・六%、四十八年の七・四%、それから今回の五・五%というように減ってきております。
そこで、そういった
住宅に困っておられる方に対しまして、いろいろな
理由をお聞きしているわけでございますが、その中で第一の
理由に挙げられたものだけを、まず分析してみますと「
住宅が狭い」というものが三五・三%というように一番多いわけでございますが、これは
前回の四九・六%から大幅に減少しております。これは、実態的に今度は
調査の方で見ますと、一戸
当たりの畳の数が四十八年の二十四・三畳から二十七・七畳へというように増加しております。それから一人
当たりの
畳数で見ますと、六・四畳から七・五畳へというように約二割弱増加しております。これがやはり
意識としても、とらえられているのではないかというように私ども判断しております。
それから次の図−2をごらんいただきますと、いま御
説明申し上げましたように
斜線が引いてございます「
住宅が狭い」というのが四九・六%から三五・三%に減っております。ただ、
前回と若干、
項目を変えておりまして、五十三年の丸の中の右上の「庭がない又は狭い」という
項目は、四十八年のときには、そういった
項目はございませんでした。そういった
項目の違いが若干ございますので直接比較はできませんが、こういった「庭がない又は狭い」ということを入れましても、狭いという
意識は非常に少なくなっているということが言えるのではないかというように考えております。それから二番目に多い「老朽」というのが三・四%から一二%に減っているということでございます。それに対しまして「設備不良」「
日照通風」が悪い、それから「
煤煙等公害」こういったものが軒並みにふえております、それから「家賃が高い」というものは四・一%から三・五%へ減っているということでございますが、設備が悪いとか
日照通風が悪い、
ばい煙等の
公害が多い、こういったものが困っているという
意識の中に非常に強く出てきておるということは、やはり、そういった
環境水準と申しますか、広さがある程度広くなってきて、そちらよりも、むしろそういった
環境水準への
意識の
変化というものが、ここに出てきておるのではないかというように私ども考えております。
それから過去五年間に、たとえば引っ越したとか、あるいは
増築したとか、あるいは
修理をした、そういった
住宅について何か
変化があった方を調べてみますと、全
世帯の中で千三百九十八万
世帯、四三・三%の方が
住宅に何らかの
変化を起こしているということでございます。
若年世帯では、その
割合が七〇%と非常に高くなっておりまして、その大半は
借家の
入居ということになっております。それから当然のことながら、
子供さんが生まれ、それから
子供さんがだんだん成長されるに従いまして
借家入居が減少しまして
持ち家取得の
割合が高くなり、そして、さらに高
年齢層になりますと、建てかえるとかあるいは
増築とか、そういった
変化が見られるところでございます。
それは次の紙をめくっていただきますと図−3がございます。ここでは
世帯の
類型別にいろいろなその
変化の
状況を分析してございます。四十歳
未満の
単身世帯、それから
夫婦のみの四十歳
未満の
世帯、それから親と子で、一番上の
子供さんが五歳以下、それから六歳から十一歳、それから十二歳から十七歳、十八歳以上というようになっております。それから四十歳以上の
単身の方、それから四十歳以上の
夫婦のみの方、それから三世代の
世帯、
複合世帯、その他・不明となっておりまして、それぞれ、その横に線が入っておりますが、この幅が一応それぞれの
世帯の
比率をあらわしているという表でございます。そして、その各欄のところに一〇〇として、その下に括弧で書いてございますが、これが、その実数でございます。たとえば四十歳
未満の
単身の方が百二十三万三千
世帯という見方をしていただくわけでございます。
そこで、
借家入居とか、あるいは
持ち家を取得したとか建てかえたとか
増築等をした、そういった
変化の
類型別に
比率がとってございます。それから一番右の
右下がりの
斜線のあるところ、これが
変化がないというところでございます。これは当然でございますが、若い
単身あるいは
夫婦のみの
世帯というのは、五年間で新しい
世帯が生まれ、あるいは五年間に新しい
社会人になる方々がおられますので、これがそういった
借家に
入居するというようなことで
居住状況の
変化をしている、これは当然でございます。
それからIIIに入りまして、「今後の
改善計画」でございます。
今後、
住宅について
改善の
計画はございますかという質問に対しまして、千二百三十三万
世帯、三八・二%の方が
改善計画を考えているということでございます。このうち、
持ち家世帯では三五・二%が
改善計画を考えておられまして、これは当然でございますが、
内容は、家の
修理とか建てかえというものが多くなっております。それから
借家世帯では四四・一%が
改善計画を考えておられますが、その大部分は
持ち家取得を希望しておられるということでございます。
持ち家世帯の中で
改善計画のない方は「現在の
住まいに満足している」というのが多うございますし、
永住の
意思についても「一生住み続けたい」という
割合が非常に高くなっております。一方、
借家世帯で
改善計画のない方につきましては、「資金がない」ためという方が
理由として一番多く、しかし、そういった
計画のない
世帯でも
永住の
意思を持っておられる
世帯の
割合は、
計画がないと言われる
世帯の九・九%というように非常に低くなっております。
それを図にいたしましたのが図−4でございまして、これも一応、
持ち家、
借家といったところの幅は一つの
比率の量をあらわしているというようにお考えいただければいいのじゃないかというように考えております。
以上、二つの
調査につきまして御
報告を終わらしていただきます。