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小林(進)
委員 こういう三百代言と話をしたって話にならないが、事実
関係を後で述べるというのでありますからこれは留保いたします。
それでは改めてその担当者からそういう事実
関係を承ることにいたしまして、そういう客観的な事実が、
一体合法的に平穏無事に拉致されていったのか、不法に拉致されていったのか、その不法に拉致された行為は
日本語でこれを
人権侵害と呼ぶに値するのかどうか、そこまでの
質問は私は留保しておきます。不法な行為で持っていかれたことは事実だ。その不法行為を
日本語で
一体何と言うか。だれが言ったってこれは
人権の侵害だ。三つの子供だってそれを言いますよ。それを言いたくないということでそういうむだな議論をしながら三百代言的な主張をしているなんというのは
国会の尊厳に対する侮辱ですよ。そこで、もう時間が来ましたから私は言いますけれどの、カーター大統領が近く韓国へ行かれるそうであります。カーターさんは御承知のとおりいわゆる
人権外交のオーソリティーです。カーターさんの政治的特徴はと言うならば、あの平和外交もありましょうけれ
ども、カーターさん即
人権外交、ここにあの人の真価がある。だから去年でしたか、福田総理がカーター大統領との会談に行かれたときに、福田さんに特に予算
委員会で私は申し上げた。いわゆる韓国の金大中の
人権侵害の問題をカーターさんに訴えて、問題の処理を
日本人にも国際的にも了承を得るような解決をする、そういう話し合いをしてきていただきたいということを私は申し上げた。大変期待しておりましたけれ
ども、残念ながら福田総理はカーター大統領との話し合いの中ではむしろ朴大統領の
人権侵害の問題を余り大っぴらにおっしゃらないで、こういう話は世間に対する刺激も強いからまだ低目にこれを取り扱われるようにしてもらいたいというふうな朴大統領のベースに立った話し合いをされた。あのときは私を含めて
日本国民は非常に落胆をいたしました。第二番目には、南北朝鮮統一の問題についていま少しその話を進展してもらいたいと言ったのを、むしろ韓国からアメリカの軍隊を引き揚げること、それを余り急激にやらないように、北の侵害から南がむしろ危険に瀕するというふうなそういう話し合いに持っていかれた。これも私は、この福田
・カーター会談に非常に落胆をしたといういまでも生々しい覚えがあります。今度あなたは三十日から大平さんとともにいわゆるカーター大統領との会談に入られるのでありますから、そういう福田・カーター会談をもひとつ横目で見ながら、今度南北朝鮮問題とあわせて金大中の問題であります、
人権侵害の問題であります、これを真剣にひとつカーターさんに申し入れてきていただきたいというのが私の言わんとする結論なんでありまして、きっとあなたが言われなくたってカーター大統領は韓国へ行かれれば何らかの形で金大中事件は申し入れられると私は思う。公式か非公式かわかりません。わかりませんけれ
ども、カーター外交のあるいはカーター大統領の実績をながめてみるときに、必ず私は出ると思います。またアメリカのカーター大統領の周辺にいる
人たちの中でも、一方には軍事力あるいは強硬派の人々、ブラウン長官はどっちか知りませんけれ
ども、国務省における次官とか次官補等のタカ派に属する諸君にはなるべくさわらせないようにしていることも私はわかっておりますけれ
ども、一方には、この金大中事件の問題を中心にして朴大統領のタカ派的、
人権侵害的不法な行為に対してどうしても何らかの方法で進言をすべきであるという動きがあることも私は承知しております。これが出た場合には隣国
日本の恥さらしですから、私はカーターさんが口を切らない前に、少なくともアメリカにおいて大平・カーター会談の中でこの金大中氏の釈放問題を含めて
人権回復の問題の話し合いをひとつやってもらいたいと思います。これはいかがでございましょう。