○
安井委員 お二人の
大臣からの
お話がございましたけれ
ども、こちらの方はそういうつもりでも、
向こうはどうとるかわからないわけですよ。先ほ
どもいろいろ御質問がありましたけれ
ども、
北海道にいる
自衛隊の勢力と
向こうと比べたら、ほんの距離がわずかしかないわけですから、ひょっとしたら
北海道の
自衛隊が
国後へ攻めてくるかもしれない、だから
防衛するんだと
向こうの方はあるいはそういう
説明を自分の方にしているのかもしれない、私はそんなようなものではないかと思いますね。だって
北海道の方がずっと強いわけですから。だから私はいまのようなこういう
事態で
防衛計画を再検討して、それじゃ
北海道をもっとふやせ、そういうような
動きをすることが困るわけなんで、やはり
日本は平和憲法のもとに平和を追求する国だ、そういう
実態を明らかにするということ、これが非常に大切だということをいま
主張し、御答弁をいただいたわけです。御答弁は十分だとは思いませんけれ
ども、私の
主張であります。
それから第二は、やはり私
どもは
領土を返してもらわなければいけないわけです。ただ、島よ返れとスローガンを掲げても、あるいはまた
日本の
北海道における
兵力をどんどん増しても、それによって返ってくるという筋のものではないと私は思います。やはり
ソ連がいま土俵にも上がってくれないわけですから、何とかして土俵に上がるような雰囲気をつくりながら、そしてがっちり腰を据えて両方の
外務大臣同士で話し合ってもらう、そういう舞台づくりをしていくのがいまの
段階で、出てこいと言ったってなかなかそうすぐには――去年も一年間
交渉がなかったわけですから、国連でいろいろ
外務大臣も
お話をされたわけですけれ
ども。
ですから、そういう
意味合いにおいて、たとえば長期経済協力協定の問題も
向こうも希望しているようだし、そのほか
両国の共同のプロジェクトも、サハリンの石油だとかシベリアの開発だとか、いろいろな問題が出てきているわけであります。そういうようなものを
一つ一つ話し合いをし、それを
一つの手がかりにしていく。善隣
友好条約にしても、
領土たな上げの善隣
友好条約などというのは私
どもはあり得ないと思います。しかしながら、何か話し合いの余地はないのかとか、きわめてむずかしい状態にあることはわかりますけれ
ども、それを
一つずつ手繰っていって、そういう
努力をしていただきたいと思うわけです。事実、政党レベルでは、野党が行ってもそうしっかりした
お話が
政府間のようなふうにはいかないかもしれないが、しかし、みんな
努力していますよ。社会党も行ったし、それから公明党も新自由クラブも行きました。そういうふうないろいろな交流や
努力が続いているが、肝心の
政府は去年一年、ことしにかけてほとんど
動きがないじゃないかということを私は
指摘しておきたいわけであります。やはりもう少し
友好親善を深めていくといいますか、そういうことを下敷きにして
領土問題に話を次第に延ばしていくという
努力を
外務大臣にお願いをしたいわけですが、どうですか。