○山本(悌)委員 今度の
上越新幹線の大
清水トンネルの
事故というのは、私は人災そのものだと思うのです。
そこで、過去の
上越新幹線の
事故を見ますと、もうすでに五十人死んでおるわけです。そのうちの四十人が
トンネル事故だということであります。また重軽傷も二百六十二人に達しておる。そんなことを
考えあわせてみると、
トンネルというのはいかに大変であるかということもわかりますし、また日本の
トンネル技術が世界に誇るほどりっぱであるということもわかります。だからと言って、すべて業者に任せっきりであっていいのかどうかというところにも大きな問題が残されておるのではないか。私は、大
清水トンネルの今度の
事故をいろいろ調べてみている中で七つの疑問点を発見いたしております。七不思議というのであります。
大臣、ひとつお耳によく入れておいていただきたい。
第一は、この
トンネル工事の基礎
作業というものがやはり大きな問題点になっているのではないか。なぜかと申しますと、進むにも撤退するにもいずれにいたしましても、高い山の、いわゆる三国山脈の下を掘っているわけでありますけれども、立て坑の数が少ないのじゃないか、これが大きな問題になるのではないかと私は思います。
第二番目は、いまも申し上げましたけれども、
運輸省は
公団に、
公団は業者に、業者はそのまた元請、下請、孫請というようなランクに、それぞれ指令だけをしておって、
責任の明確なところがないのではないかと思います。
第三番目は、
解体作業の手段と方法に矛盾があった。いままですでに指摘をされておるように、溶接
作業をしているそばにおがくずがあった、油があったなどというそんなばかげたことが許されるべきではない。それは末端の
作業をしておる者にまで目が届いていないのではないか。
第四番目、いまも御指摘がありましたけれども、消火
対策、
消火器も含めてでありますけれども、
避難訓練、消火
対策に対して適切なる
措置がとられていなかった。これはどんなに
捜査をこれからするのしないのと言ったって、はっきりしていることであります。
第五番目は、労働基準法の違反をかなり多くしておる。これは特に孫請に至りますと趣旨が徹底していないのではございませんか。ここの点は後ほど改めて
お尋ねを申し上げたいと思います。
第六番目は、救出
作業に多くの不審が残されております。安全、安全と言いますけれども、あの時点で何とか方法はなかったのか。水の中にでも行けといういわゆる遺族や家族の声を無視して安全を大事にしたことも、一つの道ではあったかもしれないけれども、不審が残るわけであります。
第七番目は、安全
対策の徹底。これはもう先ほどから皆さん方すでに指摘をされておりますけれども、どの
工事をするにいたしましても、総括してこの点はやはりもう一遍見直されなければならないのではないか。しかも五十二年の湯沢の
トンネルのときに、薄氷を踏む思いでやっと救出をしたという
事故があったわけであります。まだ一年そこそこしかたっていないのに、そういう安全の問題が一つも
改善をされていなかった。
こういう点について、私は、七つの疑問、七不思議と言っておるのであります。恐らく
関係庁あるいは
公団もその点は十分指摘をされておると思いますし、同時に、
警察庁あるいは地元の
警察、それから労働基準監督署、労働省もこれは十分指摘をされておると思いますが、まず
大臣の御意向、お
考え、私の指摘した点にどう対処されるか、お伺いを申し上げたいと思います。