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国務大臣(
福田赳夫君) 私、もう去年の春から暮れにかけての問題でありますので定かにいま記憶しておりませんけれ
ども、重要な点だけは覚えておりますから、それを申し上げます。
第一、中央機構です。中央機構につきましては、これは最終決定はしなかったんですよ。しないが、
政府内部におきましては、国土庁と建設省を統合する、こういうこと。それから第二に、それで浮く大臣一人を海外経済担当
国務大臣にするということですね。それからもう一つ、エネルギー問題が非常に大事な段階になってきた。このエネルギー
関係の部局を、通産省にいま多いわけでありますが、それと切り離して、科学技術庁と統合いたしまして
資源エネルギー省とも言うべき部局を設置すると、こういうようなことが論議をされておったんです。論議をしてなかなかこれはむずかしい問題でありますのでまだ結論が出ないという間に新聞紙にそれが報道された。そうしますと、これは官庁間で非常に
議論が沸騰する。そして、見ておると、大事な不況対策、そういうようなものがたな上げされまして、まあサボタージュ状態と言うと過言かもしれませんけれ
ども、そんなような状態が出てくる。そういうようなことで、私大変心配いたしまして、先ほ
ども申し上げましたが、この中央省庁はちょっとこれは待った方がいいと。しかし、いずれこれはどういうふうにするか結論を出すにしましても、つなぎとして実行上ひとつ私の
考える筋を実現しようというので、その一部が先ほど申し上げたとおり実現をされたわけであります。
それから第二に論議されましたのは、これは中央省庁の中の部局を一体どういうふうにするかと、こういう問題であります。そういう中で、まあ局の整理というのはいま直ちにむずかしいのじゃないかというので、これを課の整理にとどめると、こういうので、五十何課かですかの整理を行うということにいたす。
それから今度は中央官庁の出先です。これは非常に重大な問題でありますが、これはさあ方針を打ち出すというそれだけでも相当の反響を巻き起こす問題であります。これは中央省庁と同じような性格を持った大きな問題でありますが、これを一体どうするかと。この点につきましては、現実性のあるものとすると林野庁とかそういう程度のことにとどまらざるを得ないような判断をいたしまして、特に営林局が北海道で多い、これをひとつやってみようと。
それからこれは中央省庁の方の問題でありますが、世論なんかでは、北海道開発庁、
沖繩開発庁、こういうものを整理すべしというような意見が相当強かったんです。しかし、これはいろいろ
考えてみまして、まだ時期尚早というか、この段階で取り上げることはまだ妥当でない、こういう結論にいたしたわけであります。しかしながら、地方の出先機関の根幹となる地方局ですね、これは林野庁以外には整理はしないが、しかし、支分部局につきましては、これは現実的な問題として整理を進めようというので、先ほ
ども申し上げたんですが、千ヵ所以上これを整理すると、こういう方針を決めたわけです。
それから今度公務員のあり方というような問題につきましていろいろ論議が行われました。そういう中で定年制の問題というのをこれはずいぶん論議をいたしたんです。結局、これは相当重要な問題であり、多年の論議の対象であった問題でありますが、この公務員の定年制を導入するという方針を決定し、これを二年以内に立法化するということとし、これは
政府が自分で手がけるというのは妥当な問題じゃないんです。これはやっぱり人事院に検討のお願いをするということが妥当であると、こういうふうに
考えまして、その
基本的な
考え方を示しまして人事院にお願いをすると、こういうことにする。
それから定員の問題です。定員の問題につきましてもいろいろ
議論をいたしましたが、これは前から定員整理の計画があり、これを厳重に実行していくということが現実的であろうと、こういう結論に到達したわけであります。
それからさらに、
政府関係機関といいますか、特殊法人ですね、これはいろいろ問題があるわけであります。先ほ
どもその一端を申し上げましたが、その給与体系をどうするか、特にいま批判の多い退職金につきましてどうするとか、それから人事管理をどうするかとか、そういう問題につきまして検討いたし、それは現実的に実現可能であるというものにつきましてその方針を打ち出す。同時に、その整理統廃合、それはずいぶん
議論をいたしましたが、これは大きな成果は、成果というか前進はなかったわけでありまするけれ
ども、まああの際としてはできる限りのことをしたと、こういうふうに思っておりまするけれ
ども、整理統合の方向を打ち出すと、こういうようにしたわけです。
その間、いろいろ論議のありました特に大きな問題は、住宅公団と宅地開発公団との統合の問題とか、こういう問題が相当論議をされたということを申し添えておきます。
それから地方の自治団体、これは地方自治団体にお願いするほかないじゃないかと、こういうことで、それに関連して許認可事項の整理でありますとか、中央、地方の権限の分配問題ということを論議いたしましたが、結論はあの大綱に示されたところになっておる、こういうようなことで、論議された大体の問題点はそんなところかと、このように
考えております。