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1978-09-22 第85回国会 参議院 交通安全対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年九月二十二日(金曜日)    午前十時三十一分開会     —————————————   委員異動  九月二十一日     辞任        補欠選任      降矢 敬雄君     成相 善十君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小柳  勇君     理 事                 中村 太郎君                 宮田  輝君                 安恒 良一君                 阿部 憲一君                 田渕 哲也君     委 員                 高橋 圭三君                 野呂田芳成君                 二木 謙吾君                 成相 善十君                 小谷  守君                 上林繁次郎君                 山中 郁子君                 森田 重郎君     国務大臣        運 輸 大 臣  福永 健司君        建 設 大 臣  櫻内 義雄君        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    加藤 武徳君        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)      稻村左近四郎君    政府委員        内閣総理大臣官        房交通安全対策        室長       三島  孟君        警察庁交通局長  杉原  正君        沖繩開発庁総務        局長       亀谷 禮次君        沖繩開発庁振興        局長       美野輪俊三君        運輸省鉄道監督        局長       山上 孝史君        運輸省自動車局        長        梶原  清君        運輸省航空局長  松本  操君        建設省都市局長  小林 幸雄君        建設省道路局長  山根  孟君    事務局側        常任委員会専門        員        村上  登君    説明員        防衛施設庁施設        部連絡調整官   作原信一郎君        大蔵大臣官房審        議官       伊豫田敏雄君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  山地  進君        建設省都市局都        市再開発課長   小林  実君        建設省都市局街        路課長      並木 昭夫君        建設省都市局都        市交通調査室長  玉置  清君        建設省道路局企        画課長      渡辺 修自君        日本国有鉄道旅        客局長      畑  耕平君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○交通安全対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (沖繩県における交通方法変更に関する件)  (国鉄飯田線列車運行延長に関する件)  (沖繩県における交通方法変更に関する決議の  件)     —————————————
  2. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨二十一日、降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として成相善十君が選任されました。     —————————————
  3. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。安恒良一君。
  4. 安恒良一

    安恒良一君 派遣報告をいたします。  小柳委員長、それから田渕理事野呂田委員降矢委員勝又委員上林委員森田委員と私の八名は、去る八月七日から九日までの三日間にわたり、七月三十日から施行された沖繩県における交通方法実施状況及びこれに伴う諸問題の調査を行ってまいりました。  調査に際しましては、それぞれの機関から詳細な資料が提出されておりますので、以下各事項につき、簡単に御報告いたします。  まず、沖繩総合事務局における関係者説明について申し上げます。  事務局長より沖繩県勢概要について、また総理府交通安全対策室長より沖繩県における交通方法変更のこれまでの経緯及び沖繩県交通方法変更対策本部決定対策要項に基づく実施対策内容について説明がありました。続いて運輸部長より変更対策実施状況について説明がありました。それによりますと、まず前照灯対策としては、対象車両二十七万九千台のうち、これまでに九七・五%が実施済みであるとのことでした。ただ、未対策車両が六千二百台あることは、安全上問題があり、速やかに実施を完了すべきであります。  バス対策としては、営業用バス千二十二台は代替を完了し、八十八台の改造実施中とのことでした。  タクシー対策としては、四千四百六十八台のうち三千七百五十一台が代替済みで、一部改造実施中とのことでした。また、事業用自動車関係安全教育として運行管理者等特別講習を二千五百人に対し実施をした。  また、バス会社における社内教育としては、法令講習のほか予備訓練として七月上旬から一人当たり十分から十五分程度、実技訓練として七月中旬から下旬にかけて一人当たり十五分から六十分程度実施されているという説明がなされました。  続いて、開発部長より直轄国道管理区間内の交通方法変更に伴う道路整備状況についての説明がありました。交差点改良工事等変更以前に実施すべき工事はすべて完了したとのことでした。  続いて、県庁における関係者説明の主要な点について申し上げます。  県当局からは副知事、担当部長からそれぞれ変更実施状況及び今後の課題等について説明がありました。その要旨は、交通方法変更は七月三十日午前六時を期して予定どおり実施されたが、交通革命ともいうべき車の左側通行は、運転者のふなれ、悪天候も重なって、交通事故の多発を招来し、また都心部における交通渋滞は異常をきわめ、県民一般に不安、危惧を抱かせたが、実施後三日目から徐々に回復の兆しが見られたものの、依然として渋滞は続いている。なお、本県交通事情は、鉄道等大量輸送機関がなく、もっぱらバスタクシーに依存していることと、道路絶体量の不足及び整備のおくれによる渋滞が恒常化し、県民生活を初め産業活動都市機能に支障を来している現状であるとのことでした。  続いて、交通方法変更に伴う未解決事項等について述べられましたが、その一つ救済措置についてであります。  変更に伴う損失補償については、すでに県に十四件の補償問題が提起されており、さらに今後の増加が予測される状況であり、どのようにして損失補償を行うか等補償基準及び対応省庁を明確にし、対応策を早急に示してもらいたいとのことでした。  なお、変更に伴う事業転換等に対する特別融資制度が設けられているが、これまでに四件が申請されているとのことでした。  第二には、これまで要望していた特別事業の促進についてであります。特別事業としては、交通安全教育センター道路整備事業交通災害医療センター三つ事業でありますが、これまでに道路整備のうち市町村道に係る事業を除いてほぼ目途がついたことに敬意を表しております。市町村道整備については特別事業趣旨から全額国庫負担でお願いをしたい。  第三は、変更に伴う企画調整事務連絡費等補助制度になじまない経費については、これが県、市町村等負担にならないように配慮してほしい。  第四は、交通渋滞対策についてでありますが、異常な渋滞影響はさきに述べたとおりで、総合事務局、県、市、業界等で構成する対策連絡協議会を発足をさせ、緊急対策長期的抜本対策について協議を進めている。本県道路網整備及び交通体系整備等の問題が山積をしているので、これが解決のための協力をお願いしたいとのことでした。  次に、県、市町村管理変更に伴う道路施設整備状況について説明がありました。県管理分については工事が完了しているが、市町村道分については工事が残っている。七月二十八日現在で、那覇市においては、五十四ヵ所中三十二ヵ所が残っており、そのうち二十四ヵ所が工事中、八ヵ所が未着工となっている。浦添市においては十四ヵ所中四ヵ所が残っており、そのうち一ヵ所が工事中で、三ヵ所が未着工沖繩市においては、十ヵ所中一ヵ所が未着工として残っているとのことでした。  これらの残事業については、その早期完成を強く要請しておきたいと思います。  なお、県としては、七・三〇実施に向け、一般市民、及び児童、生徒、心身障害者等交通弱者に対し、安全広報活動を積極的に実施をしたとのことでした。  次に県警本部より七・三〇実施状況について説明がありました。警察としては、変更に必要な信号機道路標識道路標示等の切りかえ工事はすべて完了、七月二十九日午後十時から三十日の午前六時までを特別交通規制とし、三十日午前五時五十分には右側通行をしていた特車両を全面的に停止させ、警察官誘導により左側体制へ移行、午前六時特別交通規制を解除し、沖繩県の新しい交通方法は白バイ、パトカーの先導によりスムーズに出発したとのことでした。  警察としては事前の広報活動を徹底して行った。また、街頭指導に当たっては、運転者歩行者の犯す誤りは、長い間の慣習、ふなれ等であることから、違反を取り締まるということではなく、あくまでも親切丁寧な指導を行うことを基本方針とし、交差点七百七十二ヵ所に応援部隊二千五百三十二人、県警部隊千三百人を配置してこれに当たった。なお、民間指導員四千二百八十八人の協力を得たとのことでした。  変更後の状況ですが、七月三十日から八月六日までの事故発生状況を見てみますと、事故発生件数が四十一件、うち死亡ゼロ、重傷九人、軽傷三十九人となっております。これは前年同期と比較して、死亡マイナス一〇〇%、重傷マイナス四〇%、軽傷マイナス一八・八%となっております。物損事故は五百二十八件、うちバス関係百二十七件となっているとのことでした。  次に、那覇バスターミナル整備状況について申し上げます。  当ターミナルは、交通方法変更により、バス乗降口、バースののこぎり型から平行型への変更、それに伴うターミナルビル等施設新設撤去等工事が行われており、国庫補助金四億五千万円がついており、工事は来年の三月三十一日の完成予定しているとのことでした。  なお、交通方法変更に際しては、バス事業経営者としては事故防止対策に万全を尽くしたとのことでした。  また、ここで、私鉄沖繩県労組の代表から要望事項を聴取いたしましたので、その趣旨を申し上げます。  交通方法変更後の都心部における渋滞により、バス輸送運行率は五〇%から六〇%という事態で、莫大な営業的損失となっており、さらにパス労働者は肉体的、精神的疲労の限界を超える状態運転を強制されている実態である。特に当面の要望事項として次の四点が述べられました。  一つは、交通方法変更に起因する事故については、事故補償制度を制定し、被害者補償を行うこと。  二つは、バス路線交差点中心に五十八ヵ所の危険個所を指摘したが、予算措置は四ヵ所のみであり、未解決五十四ヵ所についても予算措置を講じ、早急に改良すること。  三つは、交通渋滞からくるパス運行率低下によって生ずる営業損失は、すべて国が補償すること。  四つは、特に混雑している道路については、朝、夕のバス専用レーン設置を、また既設バス専用レーンでは朝のみでなく、夕方のラッシュ帯においても実施すること。  以上の四点について要望がありました。  次に、交通事情視察について申し上げます。  まず、那覇市内を初め主要都心部における交通渋滞が異常な状態であることを痛感いたしました。本問題は早急に解決を図らなければならない重要な課題であります。  また、五十八号線の視察に際し、沿線の釣り具店ガソリンスタンドに立ち寄り、当事者から直接陳情を聴取いたしました。  右側営業している釣り具店店舗加盟損失補償協議会からは、今回の交通方法変更により営業上大きな損失を受けることになった、国の施策によってこうむる損失は国が補償すべきであるとし、右側より左側に対する移転補償営業損失補償等実現について強い要望がありました。その総額は九千四百四十九万円となっております。  また、ガソリンスタンドでは、交通方法変更に伴い電気、水道施設看板等の取りつけ変更を行った、営業上固定のお得意を失い、売り上げも落ちているとのことでした。  最後に、那覇自動車学校運転免許試験所視察いたしましたが、いずれも交通方法変更に伴う施設整備は順調に進み、新しい交通方法に従って業務を実施しているとのことでした。  以上で報告を終わりたいと思いますが、今回の調査についての私たちの所見は、帰京に際しましての記者会見での小柳委員長の発言に集約されておりますので、全文がお手元に配布してありますが、その要旨を申し上げます。  第一は、種々の問題を抱えつつも、官民各層協力により七・三〇の実施が一応成功したことに対し敬意と謝意を表するということであります。  第二は、那覇市を初めとする異常な渋滞が起こっており、これが県民生活経済活動に重大な影響を与えており、その早急な解決を図る必要があることを強調したことであります。  第三は、救済措置についてでありますが、有形無形損失補償との関連県当局から要望されていた特別事業については、その実現協力するが、県も県民一致協力のもとにその具体化を促進されたい。また、個々の損失補償問題については、県はさらに調査を進め、具体的処理方針を立ててもらいたい。  その他、残っておる事業早期達成等が主な内容となっております。  以上、御報告を申し上げます。
  5. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 以上で派遣委員報告は終わりました。     —————————————
  6. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次に、沖繩県における交通方法変更に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 安恒良一

    安恒良一君 ただいま私は現地における実態調査報告、それから記者会見状況等を申し上げました。そこで、七・三〇の交通方法変更が一応円滑に実施されたことは関係行政機関の努力と沖繩県民各層協力の成果であるというように私も思います。しかしながら、実施後の交通状況はなお大変厳しい条件のもとに私は置かれているというふうに思います。  特にいまの報告でも指摘をしましたように、那覇市を初めとする主要都市の異常とも言うべき交通渋滞県民生活及び経済活動に重大な影響を与えております。そして、その解決は早急に行う必要があるというふうに思います。また、特別事業実現、それから交通方法変更に伴う救済措置問題等多くの問題が残されているというふうに私も考えるわけであります。  そこで、政府は、私はまずこれらの問題の解決のために積極的に諸政策を推進をする必要があると考えます。以下各問題点について、特に交通渋滞解消についての政府具体策についてお伺いをしたいと思います。  まず、第一点といたしまして、沖繩県交通渋滞解消についての関係省庁対策についてお伺いします。  後から関係省庁は順次私が指名をしますからお答えを願いたいと思いますが、そのとき次のことを踏まえてお答えを願いたいと思います。恒久的な対策は別個に聞きますから、当面の対策についてまず聞きます。当面の対策の中ですでにとった対策、近日中に実施をする対策、それから検討中の対策に分けてひとつお答えを願いたいと思います。すでにわれわれが視察をして、今日までの間にこれとこれはやりました、これは近いうちにやりたいと思います、こういうこと。それからこれは近いうちにやるがやはり検討中でありますということ。それから、その場合に予算を伴うものについては、五十三年度予算実施できるものはもう予算に組んでおるということでわかります。それから、どうしても工事関係が五十三年から五十四年に及ぶ場合には五十四年度予算概算要求が各省から出ているはずでありますから、五十四年度の概算要求予算の考え方を示してもらいたいと思います。それから、バス協及び私鉄沖繩からの改善要請対策が出てますが、これは後で聞きますから、そのことについては後で結構です。まず、警察庁所管大臣もお見えになっておりますから、交通規制等を含めました、いま申し上げた当面の対策についてお考えをひとつお聞かせを願いたいと思います。
  8. 杉原正

    政府委員杉原正君) 交通渋滞の一応、現在での状況と今日までとりました対策、近くとろうと思っております対策につきまして御報告をいたします。  交通渋滞状況でございますが、先ほどお話がございましたように、切りかえ後かなりの混乱をいたしました。八月、九月、日を追うごとに少しずつ状況が逐次好転をしてきておりまして、場所によってはかなり——後ほど申し上げますけれども、総体的にはほぼ切りかえ前に等しい、同じような状況になりつつあるところでございます。特にいま、後ほどの対策との関連で若干申し上げたいと思いますが、現在やはり問題がありますのは、朝と夕方若干違いますけれども、朝につきましては、国道五十八号の泊高橋安謝橋交差点上り交通、それから国道三百三十号のいわゆるひめゆり通り安里方面から与儀方向に向かう上り交通、それから第三は、与那原方面から市の中心部に向かいます国道三百二十九号の国場交差点における上り交通、それから第四は、小禄方面から市の中心部への経路となります県道七号の山下交差点上り交通、これが朝の問題交差点道路でございます。  夕方につきましては、国道五十八号の安謝橋上下交通、それから第二は、国際通り、いわゆる県道三十九号の安里三差路に向かいます下り交通、第三は、国道三百二十九号の古波蔵国場交差点におきます与那原方面に向かう下り交通、それから第四は、安里十字路国道三百三十号上り交通、下り交通、これと交差します県道四十号の上り、下り交通、こういうところがいまなおかなり渋滞を見ているということでございます。  こういう状況でございますが、従来警察がとってまいりました対策につきまして概要を申し上げます。  まず、信号機の時間調整でございますが、かなり渋滞がございましたので、逐次信号機の現示調整をいたしまして、那覇市が中心でございますが、内外七十四交差点及び七系統の信号機につきまして時間調整実施をいたしました。  第二は、交差点誘導標示でございますが、八月中に主要交差点四十八ヵ所に右左折誘導標示設置をいたしました。  第三は、既設バス専用レーン。それから専用レーンでありますのと、片側車線道路につきまして専用レーンをやりますとこれは専用道路になるわけでございますが、これを確保する対策といたしまして、国道五十八号の先ほどの安謝橋交差点が込んでおると申しましたが、この国道五十八号のバス専用レーン一般車両流入を抑えるために、安謝橋交差点北方浦添勢理客宮良鉄工所横で同道路東側から取りつく従道路について、逆行の一方通交の署長規制実施をいたしました。かつ街頭指導をやるほか、各バスレーンにつきましてレーン通行する違反車両指導取り締まりをやっております。  それから第四は、交通情報提供でございます。  これは、交差点設置しました車両感知器等によりまして収集した交通情報をコンピューターで処理して流すわけでございますが、従来、渋滞標示板十一基、それからラジオ放送によってやっておりましたが、変更後はこれを回数をふやしてドライバーに交通情報を頻繁に提供する必要があるということで、変更警察官に二名を情報センターに増員をいたしまして提供体制を強化いたしますとともに、ラジオ放送局協力を得まして、交通情報放送回数を、切りかえ前七回でありましたものを二十五回に回数をふやして、的確、頻繁な交通情報提供に努めております。  それから次の点は、いわゆる連絡道路の一方通行規制でございますが、安謝新港から泊高橋交差点を結ぶための那覇市の曙町一丁目から同泊三丁目までの間に、幅員三メートル、延長にして約四百五十メートルの暫定道路完成をいたしましたので、その道路泊方向への一方通行といたしまして、安謝橋交差点渋滞解消を図りました。  これはすでにやりました対策でございますが、近く実施をいたす対策でございます。  これは、まず第一点は、国際通りの問題でございますが、夕方安里三差路方向へ向かいます下り交通渋滞が非常に激しゅうございます。そこで西側から——これは進行方向に沿って左になるわけでございますが、西側から同道路流入します従道路路線につきまして逆行の一方通行規制実施をし、流入車両を抑制いたしますとともに、ホテル・エメラルドというのがありますが、この前の交差点信号機新設をいたしたいと思っております。及び山城時計点前に押しボタン信号機がございますが、これを定周期信号機に改良いたしまして、逆の一方通行をかけたことによってどうしても出てこなければならないのは、この信号機のある交差点交通整序をやっていきたい。これは十月中に全部設置いたす予定でございます。  それから次は、国道五十八号の安謝橋交差点付近上り交通渋滞を緩和する対策といたしまして、安謝橋交差点北方の、先ほど申しました浦添勢理客安謝橋つり堀センター横で同道路東側から取りつく従道路五百五十メートル及び同交差点南方那覇市の安謝宮城商店横で同道路西側から取りつく従道路五十メートルについて、それぞれ逆行の一方通行規制をやりたいと思っています。  なお、先ほど申し述べました宮良鉄工所横道路署長規制については、公安委員会規制にいたしたいということで、これはもう公安委員会の決裁が済んでおりまして、九月中に実施をいたす予定でございます。これによってバスの円滑な運行かなり期待できると思います。  それから現在流入路といたします北税務署入り口交差点につきましては、信号機設置をいたしまして交通整序化を図りたいと思っております。これは九月中に実施をいたします。  それから従来問題になっておりました那覇港と国道五十八号を結ぶ、短い区間でございますが、国道三百九十号というのがございますが、これは港からのトラック輸送等も、あるいはバス運行等もございますので、これは現在片側車線をということになっておりますが、これを若干片側車線にゆとりがありますので、国道五十八号寄りの二百五十メートルの区間中央線を変移をいたしまして、東行きを二車線にし、右折レーンを確保して東行きの交通渋滞緩和を図る、これは今月中に実施をいたします。  それからなお、若干具体的な点でございますが、国道三百二十九号の古波蔵交差点におきます朝の上り交通渋滞緩和を図りますために、同交差点西側旭町東交差点信号機を設けまして右折交通を処理することになっております。これは発注済みになっております。  それから交差点におきます右左折進行誘導いたしますために、九月中に那覇市内外必要交差点四百四十八ヵ所に誘導標示を増設することにいたしております。九月二十日現在、すでにそのうちの百五十ヵ所が実施済みでございます。  なお、交通状況に応じまして、引き続き信号機の時間調整等をやってまいりたいというふうに思っております。  それから、なおこれは当面の——当面と言いますか若干期間はかかると思いますが、現在沖繩につきまして、三路線につきましては朝のバス専用レーンあるいは専用道路を約二時間の時間帯やっておりますが、これにつきましての夕方のバスバス対策をどうするかということでございますが、現在行われております朝のバス専用レーンあるいは専用の道路対策につきまして、基本的には私ども夕方についてもパス運行を確保するにはやはり朝と同じような対策を講じていく必要があるということを考えておりまして、現在このバス関係のものにつきましては約二千百万円程度のものが必要でございますが、これは今度の、今国会の国の補正予算におきましても、県警におきましても九月の県議会にこの問題を予算要求として提案をいたしておるわけでございます。ただ、これを実施をいたすということになりますと、朝以上に夕方の五時から七時の間は店も朝の時間帯ですと開いてないような店が夕方全部やっているというふうなことでございまして、かなりこの商業活動へ大きな影響をもたらすというふうな問題もございます。それから、特に那覇市の場合につきましては、国際通りバスが集中をしておるというふうなこともございまして、若干国道五十八号の方にかえてもらうことができないかというふうな、バス路線の見直し等のこのバス対策の問題がございます。  それから、通勤等についてのバスヘの転換、それから時差通勤の促進の問題、あるいは一般交通への影響対策、こういうふうなものについて具体的に県にございます交通渋滞緊急緩和対策連絡協議会に県警からぜひこういう点を進めてもらいたい。県警としては何とかそういう施策の推進を待ってバスレーンを夕方バス対策実施をしたい、こういうことでございまして、路線によって比較的やりやすい路線と非常にむずかしい路線がありますが、できるものから手をつけまして、できれば本年内の実施を目途に、現在関係機関に施策の促進法をお願いをしているところでございまして、その施策の実現を強く期待をしているという状況でございます。  以上です。
  9. 安恒良一

    安恒良一君 そこで、さらに警察なり国家公安委員長に質問を進めるに当たって、いま問題になっておりますバスのことについてちょっとお聞きをしたいんですが、運輸大臣もあれでありますが、私たちが参りました当時のバス運行率は、きょうの報告書に書いておきましたような、非常に異常な状態でありまして、そこで運輸省にお聞きしたいんですが、七月末に切りかえてますから九月の統計は無理だと思いますが、七月三十一日から八月三十一日までの沖繩のバス各社のいわゆる一日平均で結構ですからバスのダイヤ数、それから実際に認可されているダイヤ、それから実際に走ったダイヤ数、そしてそれから出てくるところの欠行率ですね、もしくは運行率が出てくると思いますが、そのことについてひとつ、これは警察とこれから国家公安委員長と話を進める上に当たって必要ですから聞かしていただきたい。
  10. 福永健司

    ○国務大臣(福永健司君) ただいま安恒さん御質疑の点は、御指摘のように交通方法変更当時におきましては非常な渋滞を来しました。これに対して諸般の対策も講ぜられてきたわけでありますが、どうにか最近に至りまして変更前と大差ないところまではぼつぼつまいっておるということではございますが、まだしかし決して十分ではありません。それらのことにつきまして、やや詳細にわたりまして局長等から答弁させていただきます。
  11. 梶原清

    政府委員(梶原清君) お答えをいたします。  交通方法変更前の七月中の各社の欠行率でございますが、平均をいたしまして三%から五%。各社によりましては一、二%のところから六、七%でございまして、平均いたしますと先ほど申しましたように三%から五%程度、こういう状況でございます。  交通方法変更になりました七・三〇の時点におきましては、会社によりまして差異がございますが、欠行率の一番大きい会社で四〇%を超えるものがございましたが、平均をいたしまして三〇%程度でございます。先生御指摘のとおりの数字を用意いたしておりませんので、私どもとしまして、いま手元に週ごとに各社ごとの欠行率の推移を調べましたものを持っておりますので、これを読み上げさしていただきたいと思います。  七月三十日から八月五日までの一週間、琉球バスが二三・一%、那覇交通が二七・六%、沖繩バスが一〇・六%、東陽バスが一〇・八%、四社平均をいたしまして二一・七%。ごく最近の数字もございますが、御指摘の八月末ぐらいのところでとってみますと、八月二十日から八月二十六日までの一週間におきましての実績でございますが、琉球バスが一八・七、那覇交通が一一・七、沖繩バスが二・一、東陽バスが六・〇、四社平均の数字が一一・七、このように逐次欠行率が下がってきておるという実態にございます。
  12. 安恒良一

    安恒良一君 一ヵ月の御資料ないようですから私の方で言いますと、一ヵ月の平均を言いますと、私も漸次よくなっていると思いますけれども、沖繩バスが一ヵ月一日平均しますと欠行率が約六%ですね。それから那覇交通が欠行率が約一八%、琉球バスが約二一%ですね。これは一ヵ月間です。ですから結果的に言いますと、私はまだ、いまも局長言われたように、前は三ないし五%程度だったのが、欠行率が一七、八%今日あるということは、これは警察庁長官も運輸大臣も御認識だと思いますが、沖繩の交通機関というのはパス中心なんですね、鉄道がないわけですから。それが二割前後も欠行を依然として続けているというのは、私は……。そこで、これは国家公安委員長にお伺いしたいんですが、いま杉原局長から本年じゅうに、いわゆるバス専用レーンについて実施をしたいんだと、こういうことを言われたわけですが、私はこういうことは緊急を要すると思うんですね。というのは、全然新しいところにバス専用レーンを設定することは、なかなか——いま言われたようなことで地元の商店街との合意であるとか、それからほかのマイカーの問題であるとか、いろいろあると思いますが、すでに朝は実施をしている。とりあえずそこを夕方実施をしてくれ、そのことによってかなりパス運行がスムーズになるというときに、こういう緊急事態のときに、なるほどいま言われましたように、商活動の影響対策であるとか、バス路線の見直し対策であるとか、通勤車両のバスヘの転換対策であるとか、そういうことをある程度進めなければなかなかむずかしいという杉原局長の御意見がありましたけれども、率直なこと言って、なかなかこの国際通りなら国際通りに集中しているバスをそう簡単に会社が一方的に変えられないんです。これは乗るお客さんの問題がある。また、地元の商店街も変なところへおろされたらかなわぬということもあるわけなんですから、運輸大臣もおいでになりますが、簡単にすぐ変えるというわけにはなかなかいかない。しかし、依然としてこういう交通渋滞が、いわゆる二〇%近い欠行があるという現実のときにそんな悠長なことを言っておられなくて、これは委員長も帰るときの記者会見の中で、早急にひとつバス専用レーンの設定等を検討すべきじゃないかということを委員長談話でも出されていますが、これは何といっても私は大臣のひとつの御決意にかかわる問題だと思います。そういう意味で、新設もいろいろ要求は出ていますが、とりあえず、現在朝はバス専用レーンをやっている。そこを夕方二時間なら二時間やることによってこういうパス運行率を早く——私はやっぱりバスというのは県民に信頼されるためには欠行率が三、四%——これはいろんなことがありますから若干の欠行率がありますが、その程度に戻さなきゃいかぬと思うんですが、その点国家公安委員長どうでしょうか。
  13. 加藤武徳

    ○国務大臣(加藤武徳君) 御指摘もございましたし、また先ほど交通局長が答弁いたしましたように、朝のバス専用レーン国道五十八号線と県道四十五号線、そして国際通りは狭うございますので、レーンとは称さず、バス専用道路と、かように称していることは御承知のとおりでございます。  そこで、交通局長が答弁をいたしましたのは、できるだけ早く夕刻のバス専用レーンないし道路実施をいたしたい、かような表現をいたしまして、私は国道五十八号線と県道四十五号線はいま直ちにでも実施し得ると、かように判断をいたしますけれども、問題は国際通りでありまして、御承知の道路幅員が非常に狭いことと、そしてバス運行回数路線が集中しておる地域でございますことと、かつまた国際通りに沿いましては商業活動がきわめて活発でございますので、夕方五時から六時にかけてのバス専用道路実施いたしますことが著しく商活動に影響が生じますようなことでは、これはまた非常に批判の起きることも心配される、かような趣旨の答弁をしたしたと思うのでございまして、本年中に実施をいたしたいといいますのは、できるものから早期に着行して実施をいたしますけれども、やはり国際通りが最大の問題であろうから、これが対処をする処置といたしましては何がしかの前提条件を充足させ得ればその方がベターだと、かような考え方でございまして、ですからためらっておるわけではないのでありまして、できますことなら商活動への影響を最小限に食いとめ、かつまたバス路線の見直しは私もそう簡単ではないと思います。簡単ではないと思いますけれども、何がしかこのことに業界等協力関係者の努力がなされますならばトラブルが最小限に食いとめ得る、かような趣旨で申したのでありまして、可能なレーンから早急に着手いたしまして、少なくも国際通りを含めまして年内には完了いたしたい、かような趣旨でございますから御了承願いたいと、かように思います。
  14. 安恒良一

    安恒良一君 それでは国道五十八号、県道四十五号、これはいますぐでもできるということだそうですから、大臣、直ちにひとつ実施をしていただきたい。そして、残された国際通りの問題は、どんなに遅くとも年内ということですから、これもやはり早い方がいいにこしたことはないわけですから、ぜひ少しでもその実施の時期を早めるべく御努力をお願いをしたいと思います。  続いて、今度は建設省、沖繩開発庁ですね、この二つの関係について、いまさっき私が申し上げました当面の対策について、もう重複を避けますから、項目を挙げましたことについて、主として道の関係を初めとするものがあると思いますから、考え方をひとつ説明をしていただきたいと思います。
  15. 山根孟

    政府委員(山根孟君) 沖繩県交通渋滞解消のための応急対策でございますが、先ほど来いろいろ御指摘ありますように、那覇市を中心とした都市部での交通渋滞が問題になっておるわけでございますが、建設省といたしましては、道路交通の円滑化とあわせてその安全を図るために、以下申し上げますような応急対策実施してまいりたいということでございます。  その第一は、交通方法変更事業の促進でございます。  これにつきましては、この市町村に関連する事業が大変おくれておるわけでございまして、国道県道につきましては順調に事業実施いたしております。この市町村道事業につきましては、五十二年度分が七月三十日現在で発注率七二%、八月末七五%、若干は進捗しておりますが、今後とも早急に完成すべく関係の市を督促してまいりたい、かように考えております。また、もとの標識の撤去あるいは現在土のうで仮置きをしております右折車線等の恒久化の問題につきましては、早急に実施してまいりたいと考えております。ただ、現在土のうで仮置きしております仮の右折車線につきましては、やはり交通状況を見まして滞留延長がどういう状況で推移するか、こういったことも含めまして調査の上これを実施をしてまいりたい、こう考えておるわけであります。  第二は、パス路線に係る交差点等の改良の問題でございます。  先ほど来御指摘のように、市民の足でございますバスの安全かつ円滑な運行に資するために、バス路線に重点を置いて交差点改良、あるいは交通の障害となる電柱の移設等の事業交通安全事業等によりまして鋭意促進していく考えでございますが、私鉄沖繩等から指摘された個所、これにつきましてはまた後ほど御報告申し上げたいと思いますが、この一環といたしまして、現場の状況等検討の上整備を促進してまいりたいと考えております。  第三は、渋滞個所におきます道路整備の促進の問題でございます。  渋滞が問題となっている個所におきまして現在検討中の対策は次のとおりでございます。  まず、国道五十八号の安謝交差点でございます。これにつきましてはこの交差点の立体化を促進するということで対処してまいりたい。今年度調査を行いまして早急にこの計画を固めて実施をしてまいる、こういう段取りを考えておるわけでありますが、用地の取得につきましてかなり難航が予想されますので、御理解を得て計画の早期決定を図ってまいりたい、こういうことです。  なお、この安謝交差点渋滞解消のために、臨海部への迂回路の整備の一環といたしまして、てだこ橋の架橋が一つの方策として考えられます。てだこ橋は、ちょうど高潮堤防を越えて架橋をするといったようなことがございますので、技術的問題の現在検討をいたしておるところでございます。  次は、ひめゆり通りでございます。  三百三十号の二次改築事業といたしまして、昭和五十六年度を目標に整備を進めてまいる考えでございます。  次に、山下交差点でございます。  垣花山下交差点の立体化の促進でございますが、これにつきましては、本年度を初年度といたします第八次五ヵ年計画期間内にこれの完成を図ってまいりたいと思います。  次は、国道三百二十九号の古波蔵交差点でございます。  これを抜本的に改良するためには、やはり立体化が必要でございまして、本年度着工いたしております。明年度じゅうには、これを完成をいたしたいということで進めておるわけでございます。  それから県道三十九号、つまり国際通り問題でございますが、これは先ほども申し上げましたひめゆり通りを促進することによって対処してまいるという考え方でございます。  県道四十五号開南線でございますが、これは県道四十五号の街路事業の促進、市道開南線の街路事業の促進、これを図ることによって解決をしてまいりたいと思います。  次に、国道三百九十号の旭橋交差点でございます。  交通量が五十八号等の交差点において大変集中をいたしております。東側にございます旭橋、これを改築することによりまして、交差点の改良を図ってまいりたいという考え方で進めてまいる所存でございます。  以上でございます。
  16. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 道路面からの当面の渋滞対策につきましては、ただいま建設省の道路局長から答弁があったとおりでございます。  私どもといたしましては、実施官庁でございます建設省とも密接に連絡をとりながら、また警察庁等とも連絡をとりながら、できるだけこれらの個所につきましては、都市計画の決定とか、あるいは用地の問題とか、地元の協力が欠かせないものもございます。そういった地元の協力を得ながらできるだけ早期にその実現を図ってまいりたい、このように考えております。
  17. 安恒良一

    安恒良一君 時間がありませんから細かく一つ一つを詰めるあれはないんですが、それからいまちょっと建設大臣所用があって退席されておりますから、後から建設大臣がお見えになったとき再度申し上げます。  細かいいま説明いただいた計画書をいただきました。  そこで、私はまず一つは、やはり交通方法変更事業の残存工事の促進は、これは建設省、開発庁一致して、特に市町村関係がおくれています。そのことがやはり交通渋滞につながる。もちろん、中には土地の取得の問題などいろいろ若干むずかしい問題があることも中身についても詳細な資料をいただいていますからわかっていますが、ひとつやっていただきたいということと、それからいま一つ、いま言われましたのに、もちろんこういう橋梁とか道を直すのがそう簡単でないことは私はよくわかりますが、できるだけ計画年度を繰り上げてひとつやってもらいたい。  たとえば国道三百三十号のひめゆり通りの、これは私たちも通ってみましたが、一つの大きなやっぱり交通渋滞のネックになっているわけですね。ところが、いま御説明を聞きますと、五十六年度完成目標だということでしょう。ことし五十三年なんですね。もちろん、これは一に用地買収にかかっているというふうに私も現地の状況を聞いています。しかし、そんな悠長なあと三年もひめゆり通りの拡張にかかったら私はたまらぬと思うんです、率直に言って。そういう意味で、後から大臣お見えになったときに大臣に直接私から申し上げますけれども、もう少し工事のテンポを、特に大きくネックになっているところなんか早めてもらいたい。これは五十六年というとあと三年ですからね。ですから、いま言われたように、たとえば県道七号の山下交差点は五十四年度完成とか、もしくは安謝橋交差点の立体化を、こういう問題についてもことし計画調査ということでしょう。これいつになるのかということもありますから、どうか少なくともやはり五十四年度ぐらいに大きくこれらの問題を繰り上げてやっていただかないと、私はなかなかこの交通渋滞問題は解決ができないと、こう思いますから、以上の点について改めて大臣が御出席のときにさらに——やはりこれは何といったって国務大臣としての責任問題でありますから、その点は申し上げるとして、一応いまのところはそれにしておきます。  続いて、当面の対策についての運輸省の考え方をひとつ聞かしていただきたいと思います。
  18. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 運輸省が従来対策を考えてまいっておりまして早急に実現さしたいと考えております応急対策が二点ございます。  第一点は、先ほど国家公安委員長、警察庁交通局長からの御答弁でお触れになりました国際通りの問題でございます。  御案内のとおり、国際通り交通量が非常に多くて渋滞が激しいわけでございますが、この路線を走っておりますバス路線をできるだけ利用者への影響が少ない範囲でほかの路線に切りかえられないかということを関係バス業者四社に鋭意検討するように指導してまいったわけでございます。現在、国際通りには市外線十六系統九百五・五便、市内線八系統五百四十五・五便、合計いたしまして二十四系統一千四百五十一便のバスが走っておるわけでございますが、このうちの市外線の約二割を国道五十八号線の方へ振りかえるということにつきまして、関係事業者間の協議が整いましたので、運行ダイヤの編成等のいま準備を進めておるところでございます。  第二点でございますが、お客さんがバスに乗降されますときに乗車券を一々買いますために運賃収受時間が長くかかりますので、これをできるだけ回数券の利用促進をしたいという考えのもとに、回数券の販売体制を強化をするということにつきまして関係バス業者を強力に行政指導しておるところでございます。これも早急に実現できるだろうと、かように考えておる次第でございます。  また、これらの措置と合わせまして、バス系統の調整、これは数社のバス路線が競合いたしておりますので運行系統の調整をする。それから停留所間の間隔の適正化ということも検討いたしております。一般的には三百メートルから四百メートルの間隔をおいて停留所がございますが、短いものになりますと百メートル前後で停留所がございますので、この停留所間隔の適正化につきましても早急に検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  なお、先ほど私が欠行率につきまして御答弁を申し上げました中で、もし数字が間違っておれば非常に恐縮でございますので、ちょっともう一度正確なところを申し上げておきたいと思います。  八月二十日から二十六日というのが四社平均で一一・七%でございます。なお、ごく最近の九月十日から九月十六日の四社平均の欠行率は六・四%に下がっております。各社ごとに申し上げますと、琉球バスが九・五%、那覇交通が七・九%、沖繩バスが一・六%、東陽バスが二・四%、この四社平均しまして、先ほど申しました六・四%になるわけでございます。八月二十日から二十六日、一七%と私が申し上げておれば間違いでございますので、おわびをして訂正させていただきたいと存じます。
  19. 安恒良一

    安恒良一君 いま国家公安委員長お聞きのとおり、国際通りにおけるバス乗り入れ運行調整について、運輸省側としてはかなりダイヤを減らすことになった。こういうことですから、杉原局長も聞かれたと思いますから、あなたたちが出した条件の一つ解決をしたんですから、国際通りバス専用レーンの問題も重ねてひとつ早急にやっていただきたに。これは運輸省側からいま初めて私も細かい報告を聞いたわけです。  そこで、次の問題に移りたいと思いますが、このバス運行をスムーズに行うために、沖繩県バス経営者協会及び私鉄沖繩から改善要求が出てます。これについて細かくやられると時間がなくなりますから、すでに実施済みは結構であります。すでに実施済みは知ってます。それから、近く実施予定の場合に、いわゆる予算措置等について、たとえば五十三年度に賄えるものは賄える、それから五十四年度に必要なものがあれば言っていただきたい。  特に私がお聞きしたいことは、これは警察庁と建設省、それから開発庁、運輸省、みんなに聞きたいんですが、この中で実施不可能なものがあると。例は、他に適当な場所がないからである。たとえば電柱を移動しろと言ってもなかなかそんなことはできないというような問題。もしくは現場の状況から実施する必要がない。協会から言ってきている、組合から言ってきているけど、実施する必要がないと、こう言ってきている。これが私の手元にありますから、これも件名読み上げていただく必要はありません。ただ、私これを読んだとき不思議でならない点があるから、これをちょっとお聞きしたいんですが、第一点は、以上の検証を行う場合に警察庁と建設省と沖繩開発庁、運輸省が合同で検討をして結論を出したことなのかどうか。合同ですね、これは関係がありますから。あなたたちは、たとえばこれは実施不可能であるとか、実施する必要がないというふうに合同でやられたのかどうか。これを一点聞かしてもらいたい。  それから、実施不可能や実施する必要がない個所については、バス協会及び私鉄沖繩にお話し合いをしたのかどうか、通告したのかどうか。この点だけに関して、個所はもう知っておりますから、第一点の質問は、合同で皆さんが結論を出したのかどうか。第二点の質問は、当時者にそのことを通告をしたのかどうか。この点についてひとつ聞かしていただきたい。
  20. 杉原正

    政府委員杉原正君) 実施の不可能なもの、あるいは現状のままで結構だというものを含めまして、県を通じて要望先の方に御連絡をいたしておりますし、これは那覇交通が担当の窓口になっておられるようでございまして、私どもの方は那覇交通の代表者の方を、これは昨日でございますが、呼んでお話をいたしました。個々具体的に説明をいたしましたら、それなら結構であるということであったようでございます。
  21. 小柳勇

    委員長小柳勇君) その四社の協議はどうなっているんですか。
  22. 杉原正

    政府委員杉原正君) これは実査等は一緒にいたしたようでございますが、結論を出すのについて合同で協議をしたというふうには聞いておりません。
  23. 安恒良一

    安恒良一君 大変あれですね。まず、バス協会からと沖繩県私鉄から問題が提起されている。私はけさ電話を入れました。通告は行っておりません。けさ私は現地に電話を入れて、恐らくあなたたちの答弁が正確でなかったらいかぬと思いますから、この委員会に入る前にしたら、実施不可能なところ、もしくは実施する必要がないというところについて、問題を提起した当事者に対してまだ報告は行っておりません。私はそういうことではいけないと思うんですね。いわゆる改善要求を出したのはバス協会と沖繩県私鉄両方から出しているわけですから、私はその当事者に対してあなたたちが、ここは少し無理がある、もしくはここは実施する必要がないと。というのは、一方はやはりそれを専門的に運転をしている中からこうしてもらいたい、ああしてもらいたいと、乗客の安全輸送、それから交通渋滞の緩和とこういう二つから出ていますから、当然私はやってもらいたい。  それから第二番目について、第二問も、警察がこれうそを言ったらいかぬと思うけれども、私はここに実施不可能な理由についてもらっています。あなたたちが合同で結論を出されているなら食い違いはないはずだ。これを見ると、ここのところに開発庁、建設省からもらったいわゆる実施不可能な個所、それからこれは警察からもらった実施不可能なり、それから現状では支障がないということについて、合同でもしもやっておられるならば、もう少し親切な結論が私は出ると思います。時間がありませんから、たとえば一つの例を言うと、調査個所第十二という意味で、その中に「電柱、標識等の撤去、移動及び徹底した駐車取締りが必要であります。」と、非常に駐車がある、そこでバス運行が非常にむずかしいというようなことが書いてあります。ところが、ここで合同でやられておるならば、それならば、いわゆる「一本は移設したが、他は電柱移転のスペースがないため不可能。」と、これだけの回答になっているわけですね。しかし、いわゆるこういうところに駐車がたくさん常時あることは困るわけですから、そういうことはやはり駐車違反は取り締まってバス運行をスムーズにやると、こういうお答えになるべきだと思うんです。それからまた一つの個所を言いますと、いわゆるみぞのふたをしてもらいたい、これは歩行者の安全と車の両方から考えて。で、そのときに電柱はできないけれども、みぞのふたはできると思います。これは何ヵ所かそういうのもあります。  私はこれを全部突き合わせてきのうの夜読んだ。そしたら杉原さん、あなたが言ったように、本当に警察と運輸省と開発庁と建設省で合同検証して、合同の結論を出したことになっていますか。時間がありませんから、これ一つ一つやりとりをしとったら、これだけで時間がたちますから、あなたはいまいわゆる合同でやっていると言われていますけれども、私は残念ながらこれを見る限りにおいて、そういう何ヵ所も指摘できます。全部検討しました。二つの点についてどうですか。いま言ったように、一つは、あなたは通告したと言うけど、当事者は、けさ電話で聞いたけど聞いておりませんと、まだその後何にも回答は私たちはいただいておりませんと、こう言っておる。その二つについて。
  24. 杉原正

    政府委員杉原正君) 第一点は、私は担当者に直接ということでなくて、従来のあれが那覇交通バスがこれの一応窓口ということになっておりますので、きのう委員長にお話をいたしまして、お話しした相手方もわかっておるわけでございますけれども、このバス協私鉄沖繩の代表者たまたま連絡しましたらおいでになりませんで、とりあえずこの那覇交通バスの方にお話をしたというぐあいに先ほど申し上げたわけであります。  それから合同実査、それから結論を出すときにどういうことをやっておったかというのはちょっと私そこまで確かめておりません。恐縮でございますが、答弁できません。
  25. 安恒良一

    安恒良一君 きのうというあれですけれども、まあ恐らくぼくがきょう質問するからあわててやったのかどうか知りませんけれども、私は少なくとも九月の二日と九月の十九日にあなたたち関係官庁に集まっていただいてこの中身の話を詰めてあるわけですよね、これは。きょうできるだけきちっとした前進方向に行くし、特に大臣にお願いしなきゃならぬ問題が何点か浮かび上がるために事前に関係官庁の皆さんとは詳細に詰めてあるわけですからね。ですから、そういう意味から言いますと、少なくともこういうことについては私はやっぱりバス経営者協会とそれからバスの労働組合と二つにきちっとしたことを話をしていただかなきゃいかぬと思う。那覇パスが窓口だからということで那覇バスだけに——というのは持ち込みは両方から持ち込みになっているでしょう。バス経営者協会それから沖繩県私鉄からの持ち込みがあって、そしてこの作業が始まっているわけですから。これは何も警察だけ責めているわけじゃないですよ、ほかの省、いま警察が怒られているからいいような顔しておったらだめなんで、いわゆる運輸省、建設省、沖繩開発庁、警察、全体の責任ですよ、こういう問題は。ですから、ここに関係大臣おいでですが、少なくともこういう問題が持ち込まれたときに、これはすでに実施しましたと、それからこれは近日中実施します、あなたたちがお持ち込みになっていることについてはこうこうこういう理由で実際工事が不可能ですとか、これは率直に言ってやる必要がないと思いますとかね、というのを回答する。  それから、一番私が遺憾に思っているのは四つが協議をして結論を出されてない。少なくとも私は関係四省が協議をして——それはなぜかというと、これとこれを全部突き合わせて全部読まなきゃ——私のところへ来たときは警察警察だけで縦割りで書いてくるわけですね。建設省は建設省だけ、開発庁も縦割りで、自分のところでやったことだけちょこっと書いてこれ持ってくるわけです。もうこれ一つ見ても縦割り行政のいわゆる欠陥というのがある。しかし、交通安全とか交通渋滞の解消というのはそれではだめなんですよ。関係省が一致して私は話し合いをして渋滞解消なり問題提起について答えていかなければいけないと思います。これはもう一致してないというのがいろいろ例がありますから、このことをさらに責めてもやむを得ませんので、幸い運輸大臣、建設大臣、国家公安委員長、それから総理府長官全部おいででございますので、どうか一遍これらの問題については、まあわが国の官庁が縦割り行政であるということは私はある程度知ってますが、こういう問題については、少なくともこれは総理府が中心になって、それがため交通特別対策室長まで置いてあるわけですから、中心になって私はやはり問題がバス経営者協会とバスの組合から提起されていることについては親切にやはり答えをしていくと、解決をしていくと、こういうことをぜひこれはお願いをしておきたいと思います。ひとつ長官。
  26. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 総務長官の見解を聞いておきましょう。  それでは、ちょっと待ってください。  この前沖繩に行きましても、県なりあるいは出先機関と完全に一致しているかどうかということは、私非常に問題にしています。いま聞きますとそういうことですからね。やっぱり問題は早急に解決しなきゃならぬので、四者なり五者がもっと、本当は沖繩の県も一緒になってやらなきゃどうにもならぬのです。長官の決意を聞いておきたいと思います。
  27. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 沖繩の七月三十日の交変は大変重要な問題でありました。しかしながら、おかげさまで県民各位の、またその他各種団体の協力で、まあまあ成功裏に終わったと、こういうふうに考えております。しかしながら、変更後のいろいろな諸問題が取り残されておるということをよく承知をいたしております。そういう意味から対策本部はそのまま残置をいたしております。また沖繩の交通対策の窓口も、むしろ強化をして残置をいたしております。そういう意味から、各省庁大変幅広くまたがっておりますので、各省庁の連絡を密にいたしまして、その解決のために全力を挙げておるわけであります。  いまこの点については解決がどうなっているか、この点についてはどうかという、こういう問題については、先ほど警察庁、運輸省、建設省、それから沖繩振興開発局長から細やかに報告があったわけでございますが、変更が終わったからということでそのままたれ流しのようにいつまでもいつまでも未解決のままに置くというわけには、これは県民感情からいきましても、この交変の重大性から考えましても、一日も早く解決をしなきゃならぬと、こういうふうに考えておりますので、御指摘の点につきましては各省庁より緊密な連携を取り合って早急に解決できるものから解決をいたしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  28. 安恒良一

    安恒良一君 こういう問題ですから、横に連携をとってぜひ早急にひとつやっていただきたいと思います。  それで、時間がなくなりますから、あと簡単にお答えを願いたいと思いますが、交通渋滞の緊急緩和対策連絡協議会というのが設けられています。その目的は知ってます。協議会の構成も知ってますが、そこでお聞きしたいことは、すでにその協議会で決定された事項は何と何か、緩和のために何と何が決定されたのか、そしてそれがどういうふうに実行されているのか。これにはいま申し上げた関係官庁それから県等々、関係者が皆入ってやっているようですが、いわゆるもう設けられて今日までかれこれ一ヵ月半ぐらいになってますが、そこでどういうことが決定されたのだろうか、またどんなことが実施されたのだろうか、これはまあ総理府の方から答えてもらいたいと思います。
  29. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 沖繩県の、ことに那覇市を中心とします交通渋滞の緩和対策は、交通方法変更を契機といたしましてさらにまたその緊急性がクローズアップされてきたと、こういうことで、沖繩県中心といたしまして県警察あるいは総合事務局那覇市、関係団体等が参加した副知事を会長といたします協議会が発足したわけでございます。  この協議会が発足しましたのは八月四日でございますが、八月四日の日に第一回の会合を早速開きまして、さらに八月の十七日の日には那覇市内の混雑個所の現地視察を行ったようでございます。さらに八月の二十八日に第二回の会合を開いていろいろな対策について協議を行ったということでございます。  この協議会で検討しております事項について申し上げますと、まず当面の対策といたしましては、その第一点としまして、道路の効率化、内容といたしましては、交差点における信号機の微調整、時差出勤の実施奨励、バス専用レーンの効果的運用、自家用通勤者のバス通勤への転換、バス運行時間の調整、定時性の確保等でございます。  二番目としましては違法駐車の取り締まり、三番目といたしましてはバス路線網の再編成等が当面の対策検討事項でございます。さらに、長期の対策といたしましては、道路網整備、駐車場の整備、新たな交通機関の導入等について検討を進めることにしているということでございます。この協議会でそれぞれ検討されまして結論を得られました事項につきましては、たとえば信号機調整問題等については早速実施に移しておるようでございますけれども、さらに引き続きいま検討を進めておるという段階のようでございます。  以上でございます。
  30. 安恒良一

    安恒良一君 中身はあれですから。——私は、もう率直に言って、どうも沖繩の皆さん方は、やや亜熱帯のせいか非常にやることがスローモーだと思うんですね。ですから、その意味で、これは早急に、せっかくこれだけのメンバーがおりますから中身をどんどん詰めてもらいたい、こういうことにしておきたいと思います。  次に、交通事故の発生状況は、最近の新しい資料を持っていますから結構です。  そこで、問題になりますのは、警察庁にお聞きしたいのですが、飲酒運転とか無免許とかスピード違反とかのいわゆる交通三悪は除きまして、通行区分変更後にいろんな事故がふなれのために起こっているわけであります。このことについて、変更前の当委員会で杉原局長並びに大臣と私がやりとりをいたしまして、その場合はできるだけ指導を重点にやる、直ちに違反取り締まり、罰則と、こういうことはやらない、こういうことでありました。そこで私はお聞きしたいのですが、現在も残念ながら事故が起こっています。そこで、どうも現場の処理として免責基準があいまいではないんだろうか。それから、免責の範囲がどこまでなのかという点ですね。  それからいま一つは、当時杉原局長は、できれば新学期までぐらいになれるようにしてもらいたいと言うし、私は、それではとても無理だよ、交通労働者としては無理だよ、少し長期に免責期間を持ってもらいたいというやりとりを議事録でしています。これどこでどうなったか知りませんが、どうも六ヵ月ぐらいは免責期間になるらしいということを現地側は言ってきているわけですが、実施された現実のなれの状況で免責期間をどの程度にお考えになっているのか。それから、いま一番必要なことは、免責基準、範囲ということが明確になっておらないと、属人的にやられたんではこんなものはたまったものじゃないわけですから、そこらの点についての考え方をひとつ聞かせていただきたいと思います。
  31. 杉原正

    政府委員杉原正君) 一般的に、現場の指導といたしまして、いわゆる交通違反の取り締まりの問題と、それから事故が発生をいたしましたときの責任の所在、あるいは責任の程度というものをどのように考えるかということを分けて考えなければいかぬと思います。  先般先生の方といろいろ御質疑があってお話をいたしました点は、交通方法変更後、何とか新学期が始まるまでの間にこの交通方法が定着するように努めたい。その間は街頭で、酔っぱらいとか暴走とか無免許とかいうふうなものは別として、とにかく違反の取り締まりというのが重点ではない。むしろ指導を重点にしてやっていこうということでございまして、交通方法変更後約九百件の取り締まりをいたしておりますが、その中で九二%というのが無免許と酒の関係でございます。他は数%、いわゆる三十キロ以上の暴走運転というのがありますが、そういうことで、他はほとんど指導ということでやってきておるわけでございます。これも、いつまでそういうかっこうにするのかということでございますが、やはりだんだん時期を追うに従って、沖繩県自身も、この交通方法変更、切りかえ後、新しい沖繩として日本一安全な沖繩県にしたいという願望を持っております。そういうことで、できるだけ早く定着をさせていくということでありますが、個々の違反を見まして、これはやっぱりふなれでうっかりしておったんだなあというケースもございますから、これは個々で判断をしていかなければなりませんし、これは従来の指導方針を当分はまだ続けていくつもりでございます。  それから、事故が起こったときの問題でございます。これが一番の大きな問題になると思いますけれども、やはりこういうものは一切この責任を追及するときに考えるという一般論を明示をするのは非常にむずかしいと思うのでございます。事故が起こったときに、当該その道路——これは安全施設整備状況等もありますけれども、センターラインが引いてある道路なのかそうでない道路なのか、それから前車がたくさん走っているかどうか、自分だけが右を走って他はみんな左を走っているというふうな状況があったのかそうでないのかというふうな問題もあります。あるいは、対向の車があったかどうかというふうな問題もございます。そういう個々のケースでもって判断をしなければいけませんので、現在までに約百七十数件の交通事故が人身についてございますけれども、このうちで、やはり交通のふなれによって生じたと思われるものがいま十数件あるわけでございます。で、当分の間は、沖繩におきましては、交通事故が発生をいたした場合の処理を全部本部長の指揮事件にいたしておりまして、現場で処理をしたものについて、これが交通方法変更に起因して非常に情状をくむべきものであるかどうかというのを本部に上げて全部検討しようということにいたしておりまして、交通事故の書式も、普通は簡易書式でやりますが基本書式にいたしまして、供述調書なども全部きちっとつけて、その上で本部で判断をした上で処理をするというふうなことをやっておりまして、通常、交通事故が起こりますと、御案内のように業務上過失致死傷ということの刑事事件になるわけでございますが、これにつきましては、送致をいたします段階で、これは明らかに交通変更に伴って起こったもので、この処置については十分に配慮をしてもらうべきものだというふうな意見をつけて送ると同時に、行政処分というものがあるわけでございますが、これは公安委員会の方で行われますので、私どもの系統の中で十分の処置をしていきたいということで、現在もそういう十数件のものについてはきちっとした本部で判断の上で処理をしていくということにいたしております。  これの期間でございますが、いつまでどうということを必ずしも言えないと思いますし、それから毎日運転をする人とたまたまそのときに運転をしておった人、それから道路状況、時間帯、いろいろこうありますが、おおむね切りかえ後半年ぐらいは、やはりそういうふうな考え方で処置をしていこうというふうに考えております。
  32. 安恒良一

    安恒良一君 ぜひ国家公安委員長にもお願いしておきたいのですが、交通三悪というのはこれはもうどうにもなりませんけれども、やはり事故発生状況を見ますと、たとえば物損事故なんというのは、去年統計がなかったんですが、ことしの統計からになっていますが、これは率直なことを言いますと、かなりなれないため起こっている物損事故なんかたくさんあるわけです。ですから、そういうもの等をいろいろやられる場合に、いま半年ぐらい、こういうことですし、片っ方の方は当分ということですが、私はなかなかなれるまでに時間がかかっていると思いますから、どうか、そういう場合の取り締まりについては、やはり指導中心にやる。それから、もう従来に復すというなら、それはそれなりで事前に周知徹底をさしてやってもらわぬと、当分の間と言っておって、いつの間にか、またきょうからだと言われたんじゃこれはとってもたまったもんじゃありませんから、そのことをお願いをしておきたいと思います。  それから、建設大臣、ちょうど大臣が退席をされておりましたときにお願いしておきましたことは、細かく渋滞個所における道路整備について私は聞きました。ところが、中には、五十六年目標に完成するとか、これから調査、計画するとかいういろいろな個所がございました。しかし、土地の買収なりいろんなむずかしいことはよくわかりますが、大臣、後からひとつ議事録等もしくは御報告を聞いていただきまして、ぜひやはり特段と工事の促進をしていただきたい。特に沖繩の場合に、交通渋滞解消のために少し計画年次等を繰り上げていただきたい。こういうことを大臣にぜひお願いをしておきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。  そこで次のことへいきます。本土と沖繩の交通は主として航空機になっているわけです、まあ船もありますが。ところが、沖繩県民からはこの航空運賃がどうも高過ぎると、これは委員長にも強い要望がありまして、何とか値下げできないのかと、こういうことがございまして、そこで私は運輸省航空局との間でこの点についていろいろお聞きをしましたところ、かなり運輸省としてはほかの運賃値上げ率に比べるとやはり沖繩のそういう事情を考えて抑えてきていると、もしくは包括旅行割引運賃制度、二十五名以上の二割五分引きとか、往復割引制度、本土でありますと一般は五日間でありますが、これを有効期間を七日間にして個人の短期旅行の場合の飛行機の割引率を高めていると、こういう御努力をされていることはもう知っていますから、これは答弁は結構です。  そこで、何かいい方法はないんだろうかということでいろいろ検討してみました。きょうは大蔵省も来ていただいているんですが、まず運輸大臣にお聞きをし、それから大蔵省にお聞きしたいんですが、いわゆる飛行機には通行税というのが一〇%かかっています。いま通行税がかかっているのは、列車で言いますとグリーン車、寝台等ですね、こういうもの等に主としてかかっています。この通行税の性格は、やや奢侈税、いわゆるぜいたく税、わかりやすく言うとそういうことを兼ねていると思います。そこで、通行税全体をすぐなくすということは無理だと思いますが、たとえば離島分——沖繩から本土に来るとか、いわゆる八丈島から来るとか、これはもう離島の場合は、船で来ればいいといってもものすごい時間がかかるわけですから、そういうものの通行税というものは、私は奢侈税に該当しないんじゃないだろうか、ぜいたくじゃないんじゃないだろうかと、こういうふうに思いますが、沖繩からの非常な要望が出ている。私は、たとえばこれが実現をすると、現行運賃が三万円でありますが、約二千九百円ぐらいの通行税がかかっておりますから、それだけでも県民の要望にこたえることになると思いますが、まずこのことについての運輸大臣のお考えを聞かしていただき、それから後から今度はいわゆる大蔵省にいろいろ数字等を含めて聞きたいと思いますから、運輸大臣のお考えを聞かしていただきたい。
  33. 福永健司

    ○国務大臣(福永健司君) 通行税につきましては、いま御指摘のようなぐあいに私もある程度理解をいたしております。そこで、沖繩の民生安定の上から言っても、産業振興等の見地からしても、私は何とかこの通行税を廃止する方向へというように望んでおります。大蔵省は後刻答弁があろうと思いますが、大蔵省は大蔵省なりに、なかなか財布を握っているものはその立場があるとは思います。思いますが、できるだけそういう方向へということで、ただいま私どもも大蔵省とも折衝中であります。したがって、余り明確にこうするとか、すべきであるとか言うこともいかがかとも思いますが、率直に申しまして私は何とかしたい、こういう態度で臨んでおる次第でございます。
  34. 安恒良一

    安恒良一君 わかりました。今度は大蔵省に聞きます。  それでは運輸大臣としては、この離島分についての通行税はいま言ったような理由で実現をしたいということでいま鋭意御努力中だ、本年度もすでに大蔵省にそういう運輸省としてのお考えが提示されている、こういうふうに承っておきました。  そこで大蔵省にお聞きしたいんですが、いわゆる通行税として総額どのくらいあるのかということと、それからその中で離島分ですね、離島分をやめればどのくらい財政に影響するんだろうか、その数字。  それから数字を述べられた後、いま運輸大臣からはいろんなことを言われましたが、私も運輸大臣の考え方に全く賛成でありまして、そういうことについてどういう方針を持って臨もうとされているのか、その点をひとつ大蔵省の方から聞かしてください。
  35. 伊豫田敏雄

    説明員伊豫田敏雄君) お答えいたします。  昭和五十二年度におきまして通行税の課税額は四百二十二億円となっております。  それからその内訳でございますが、航空機分は三百七十八億円、さらにその内訳につきましては確定的な統計はございません。以下は推定になりますので、そのように御了承願いたいと思いますが、沖繩——本土航空路線分につきましては、約四十七億円でございます。なお、そのほか離島航空路と通常言われております小さな島と沖繩あるいは小さな島と本土、こういうふうなものがほかに十二億円ございます。計数につきましては、以上でございます。  それから通行税を沖繩——本土間について廃止することについての要望についてどのように考えるかというお話でございますが、まだ来年度の改正の分についての正式の御要望は伺っておりませんけれども、昭和五十三年度までの改正のたびにそのような御要望を各省からも伺っておりますことはそのとおりでございまして、また、ただいまの運輸大臣の御答弁につきましても、その趣旨はわれわれとしてもよくわかるところでございますけれども、大蔵省の立場といたしましては、やはり通行税と申しますものの性格が奢侈という考え方も、見方もそれはできるかもしれませんけれども、やはり通常より高い水準の輸送手段に対してそこに一つの担税力を見出していくという立場をとっております。したがいまして、奢侈という見地からではちょっとこれをその部分に限って廃止するというふうな考え方は、あるいはそういう立場は、ただいまのところわれわれとしてはとるわけにはまいらない、このように考えております。
  36. 安恒良一

    安恒良一君 これも時間がありませんから、論争するつもりはないんですが、通常より高い輸送手段というと、たとえばそれじゃグリーン車の場合ですね、高い輸送手段かというと、高いんじゃないんですね。東京から大阪まで普通車で行ったってグリーン車で行ったって同じなんですよ。それから寝台の場合、寝台で寝る場合と寝ない場合でも運賃は同じなんですよ。ですから、しかしなぜそれにかかっているのかというのは、やや奢侈というところに通行税の重要な一つの要素があるわけですからね。だから、あなたが言ったようないわゆる普通の輸送手段よりも高いというその高いという意味がどういう意味かわかりません。交通輸送手段というのは、やはり高いというのは、安全で、しかも時間が短く行けるということを高いと言うのですよ、私は交通屋ですから。その意味からいくとどうもわかりません。  そこで、これは伊豫田さんに、大臣でもないんだから、幾ら言ったってしようがないんだから、これはひとつ大臣によく言っとってください。  それと同時に、運輸大臣、それから総理府長官ぜひひとつ力を合わせて、せめて沖繩のように飛行機しかほとんど通行手段がない、そういう場合に通行税をとるなどということでは、幾ら口で沖繩振興とかいろんなことを言われたって、そういうことにならぬと思いますから、ぜひ来年度実現するように——私はどうも来年度も要求出しておると聞いておったんですが、大蔵省から聞くと出ていないと言うから、私はだまされたような気がしますけれども、ぜひ五十四年度、いまこれから税制のあり方も議論するときにきていますから、ぜひともこれが実現に両大臣は全力を挙げて努力していただきたい、そして少しでも県民の要望にこの点はこたえていただきたい、こういうふうに思います。これはお願いでございます。  そこで、最後になりますが、いわゆる以上のような当面の対策については聞いてまいりました。しかし、当面の対策だけでは沖繩の交通渋滞状況解決できませんので、やはり恒久的な対策を立てる必要があると思う。  そこで、恒久的な対策というのは何かというと、私は総合交通体系の確立ということが必要だろうと思います。その場合、二つの点についてちょっとお聞きしておきたいんでありますが、一つは、モノレールの建設という問題が関係各省でかなり議論をされていると聞いてますが、こういう点についてどういうお考えをお持ちなのか。それから一方、沖繩に鉄道をつくってほしい、こういう要望が県議会等でも出されていると聞きますが、そういう場合の鉄道建設問題についてどんなお考えをお持ちなのか。それから、そういうものをつくった場合の既設交通機関との調整ですね、たとえば沖繩はバスがほとんど県民の足になっている。タクシーもなっている。そういうものができることによって既設交通機関にどういう影響を与えるか。これは労働者の雇用問題も含めてひとつお考えを関係官庁からお聞かせを願いたい。  それからいま一つは、私どもの調査のときに、交通渋滞問題について、県警の中野交通部長は、国道五十八号、三百三十号、三百二十九号など道路の形態に問題がある、道路の用途を明確にし、抜本的な対策をしない限り解決ができないということを、当時私どもの調査にいわゆる見解を述べておりますが、こういうような点について、いわゆるどうお考えなのか、どうされようとしておるのか。  それから、あと交通管理センターですね、人員を増員され、五十数回の放送をされているようでありますが、それだけでは私はやっぱり十分でないと思います。やはり本土のような、大都市におけるような交通管制センターというものをつくらなきゃならぬと思いますが、そういうものについてはいつでき上がるのか。  以上のような点について、私の時間は二十分までということになってますから、恒久対策についてそれぞれ関係各省からの考え方を簡潔に述べていただきたいと思います。
  37. 小林幸雄

    政府委員小林幸雄君) モノレールにつきましてお答え申し上げます。  モノレールにつきましては、昭和四十八年以来、沖繩開発庁、県、市と協力を得まして調査をしてまいっております。御承知のように、モノレールは都市におきます中量の輸送機関としての特色を持つものでございますので、御質問の鉄道あるいは高速道路あるいはバスタクシー等との関連につきましては、昨年度パーソントリップ調査実施いたしました。現在その結果について解析中でございますが、このような点も踏まえまして、関係方面と十分協議をしながら計画の検討を進めていきたいというふうに考えております。
  38. 福永健司

    ○国務大臣(福永健司君) いま建設省その他の立場としての御見解の表明がございましたが、運輸省といたしますと、そうした沖繩開発庁とか、あるいは建設省、さらには関係の県、市、町等とのそれぞれの立場がございますので、ただいま研究中と伺っておりますが、正式にまだ私どもの方へそういうことにしたいからというようなことでの免許申請等はもちろん来ておるわけではございませんが、大体のそういうような成り行きの一部につきましては伺っておるわけでございますが、そうした関係の皆さんの御検討の結果、われわれの方へお話がございまする段階においては、まだわかりませんけれども、いろいろな事情を勘案いたしましてこれに対処していかなければならぬと思います。もとより便利にするという意味において促進もしなければならぬが、同時に、安恒さんもお触れになりましたように、既存の交通機関関係者等にも、やみくもにそれだからというので新しいのを、十分の用意なくしてこれを突然進めるようなことにするというようなことになりますと、またこれはこれで問題がある。そこいらをよく考えまして、関係者いずれもがまあまあだと思えるようなことになるように対処してまいりたい、そういうように考えております。
  39. 安恒良一

    安恒良一君 鉄道はどうですか、鉄道建設について。
  40. 福永健司

    ○国務大臣(福永健司君) 鉄道の方も、これなかなかむずかしいししますが、沖繩の実情に即したようなことが可能な考え方が出てまいりますならば、これは私も考えたいと思いますが、いかんせん、どうも鉄道は敷けば敷くほど赤字がふえるというようなことでぼろくそに言われるし、しかし鉄道の連中も皆一生懸命やっておるのでございますから、私は私なりにかばっていきたいと、こう思っております。そういうような事情等もこれあり、なかなかめんどうなこともございましょうが、よく検討してまいりたいと存じます。
  41. 安恒良一

    安恒良一君 道路整備の問題。
  42. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) まずただいまのモノレールの件につきましては、建設省の方からも御報告ございましたが、私どもといたしましても五十年から推進調査費を入れまして、県及び那覇市とも共同してその調査を行っておるわけでございますが、現在のところ、モノレール導入につきまして地元の賛否が必ずしもはっきりしない、まちまちである。沖繩の陸上の足を担っておりますバス業界あるいはタクシー業界等がこれに対して反対を表明しておるというような状況にございまして、まず地元のコンセンサスというのが大変重要なことではないか、まず前提にそれを置かなければいかぬのじゃないかと思います。  さらに調査の方でございますが、これに加えまして現在のところまだ経営主体、それから先生御指摘の既存の交通機関とのすり合わせ、これは当然道路網、街路計画等とのすり合わせというような形になってくるかと思うのでございますが、その辺の諸問題についてもなお十分な検討がなされていないというのが現在の状況でございます。さらにまた経営採算等の問題もございます。それで、昨年十月にパーソントリップの実査を行いまして、現在その解析を急いでおるところでございますが、私どもといたしましては、それらの調査検討を鋭意今後とも進めていきたい、このように考えておるところでございます。  それから、この総合交通体系関連しますと、このほかに基幹的な交通機関整備として、沖繩自動車道の南部延伸あるいは鉄軌道の導入の問題などがあろうかと思いますが、私どもといたしましては、当面この沖繩自動車道の南部延伸をまず重点に置いてその実現を図りたい、このように考えておるところでございます。  それから、お尋ねのもう一点、道路に関する恒久対策でございますけれども、特に中南部のいわゆる人口集中地帯の道路につきましては、これは本土の大都市等に比べましてやはり道路整備の水準が低い、これがやはり渋滞の根本的な原因になっているというふうに私ども考えております。やはり恒久対策としては、全体的に道路整備のレベルアップを図っていかなければならぬ、このように考えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたパーソントリップ調査、この結果を現在解析中でございますが、この結果に基づきまして、国道県道、市道を一貫しました道路網体系の見直しを行いまして、これらと交通機関その他の物流の関係あるいは整備効果、そういったものを考慮いたしまして重点的に整備を推し進めていきたいと、このように考えておるところでございます。
  43. 杉原正

    政府委員杉原正君) 管制センターにつきましてでございますが、沖繩については那覇中心にこの管制センターを早急につくるべきであるというふうに考えておりまして、例の特別事業の一環といたしまして、五十四年、五十五年の二ヵ年で実現をしていただくように要望中のものでございます。
  44. 安恒良一

    安恒良一君 それでは、私も時間が参りましたから、これも国家公安委員長、交通管制センターですね、まあ特別事業ということで、いま局長が五十四年、五十五年、二ヵ年と、こう言われてるんですが、私はやはり沖繩の交通渋滞を解消するためには一つの方法として交通管制センターというのは非常に実効が上がると思います。そういう意味から見て、これも少し、まあ二年などと悠長なことを言っておられなくて、まあ幸いまだ来年度予算編成期でもありますから、五十四年なら五十四年にはぜひ交通管制センターをつくると。そしてまあ沖繩、那覇市を初め主要都市交通渋滞の緩和に少しでも役立つ——もちろん、まあいろいろ技術的な問題もあると思います。あると思いますが、私はやっぱりそういう意気込みで、ひとつぜひこれは取り組んでいただきたいと思います。  最後になりますが、私は総体的にまだまだ今日の交通渋滞状況というのは非常に重要な問題がありますから、きょう時間が足らなくて細かいところまで詰めることができませんでしたが、ひとつ総理府を頂点にしまして、やはりもう大事業が成功したことは事実なんです。そのことはうれしいんです。しかし、大事業の後遺症がうんと残っているというときには、気持ちを新たにして、気持ちを新たにして新しい角度から物を見詰めて、そして早急にやはり工事をやると、こういうことについて、総理府長官、建設大臣、運輸大臣、国家公安委員長、四大臣御出席でございますので、ぜひお力を合わせて早急に事態の解決のために御努力をお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  45. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二十二分休憩      —————・—————    午後一時六分開会
  46. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまから交通安全対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、沖繩県における交通方法変更に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  47. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 先ほども同僚の安恒委員からお話が出ましたが、このたび関係各省、あるいは県市が非常に一体となってこの交通方法変更という大きな事業を消化された。これは大変に偉業でありまして、感謝にたえない次第でありますけれども、私はここでまず冒頭にひとつ総務長官にお伺いしたいんでありますけれども、先ほど来関係大臣のお話を聞いておっても、たとえばモノレールの問題一つとってみましても、どうもモノレール、鉄道、それぞれの立場からしか物をおっしゃらない。地元へ行っても、市はモノレール、県は鉄道、あるいは国労なんかは鉄道というような構想で、一体沖繩の交通の恒久対策としてどっちがいいのかというような判定をだれがしているのか。そういう沖繩の交通問題、この交通方法変更あるなしにかかわらず、私はこれ非常に渋滞もあったし、重大な問題だったと思うのでありますけれども、そういう沖繩の交通に関するコントロールタワーというのはどの省が一体果たしているのか。内地ならば、かなりそのあたりがしっかりした体系で総合交通体系調査をやっておりますし、連絡が行き届いておるように思います。先ほど安恒委員のお話では、総理府が中心になってというような締めくくりのあいさつがありましたけれども、本当に沖繩の交通問題について総理府が万般の問題についてコントロールタワーとして統括をしておられるのかどうか、そのあたりの問題からまずお伺いいたしたいと思います。
  48. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) モノレールの問題でありますが、これは私の考え方でありますが、交通変更に伴う記念事業として一番目に映るものではないか、目に映るというだけでなく、この交通渋滞緩和のために大きな影響があるのではないか、こういうふうに私は率直に申し上げますと、受けとめておるわけであります。  先ほど来もお話をいたしましたように、二ヵ年間にわたって各界全般にわたってのいろいろな角度から調査を継続をしておるわけであります。しかしながら、これには県市その他あらゆる関係の御協力をちょうだいをしなければならぬ。しかしながら各業界においても、あるいは県市においても必ず一致した意見が出ていない。そういう意味から、これを進めようとするときには、やはりどうしても県市並びに各団体その他地元との協力が大変必要でないかと、私はこういうふうに考えております。しかしながら、その後の経営主体とか、あるいは経営内容とかということになりますと、どこに経営主体を持っていくかということで大変やはり問題点が多いわけでありますが、そこでそういった関係各省にまたがることであるから、どこが中心になってこれをやっていくのかということでございますが、現時点においては、やはり沖繩開発庁がそのまとめ役と申しますか、調整役としていろいろきょうまで努力をしてまいっておるわけであります。そういう意味から、今後も沖繩開発庁が中心となって、もちろんモノレールばかりでなく、その他全般のことではございますが、特に御指摘のモノレールについては私の方は積極的な構えでおりますが、いま申し上げたところの点が多々ございまして、今後も鋭意各省庁並びに県市、並びに各関係団体と精力的に詰めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  49. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 ぜひ大臣のおっしゃるとおりに、ひとつ開発庁がやはり中心になって各省間にまたがる沖繩の交通問題の打開のために私はがんばっていただきたいと思うのであります。  個々の施設については非常に努力の結果があらわれているわけですが、当面する沖繩の交通問題というのは、やはりそういう個々の施設を片々とやっておっても私は片づかないんじゃないかというふうに思うものですから、いままず冒頭において確認さしていただいたわけなんです。  そこで、モノレールの問題から少し入ってみたいと思うのでありますが、私は結論から申し上げまして、いま鉄道とモノレールがいかにも対立理念としてとらえられている。市は何かモノレールの問題を主張し、県は何か鉄道の問題に固執しているような風情があります。しかし、この沖繩開発庁が中心として、沖繩にとって本当に最終的な大問題であるこの問題について検討する場合に、参考までに少し私の所見を述べてみたいと思うのでありますが、私は名護から那覇まで鉄軌道を引っ張ってきて、そして那覇の市街を一周させるという鉄道構想というものは、これはもう三千億以上の膨大な経費を必要とする。しかも、先ほど来ありますが、市町村事業が五十二年の事業がまだ七五%しか進んでいないという、ささやかにすみ切りをしたり電柱を移転をするような事業が用地問題で進まない、そういうときに膨大な鉄道を引っ張ってきて那覇の市街を一周させるというような案で本当に用地の買収の見込みがあるのかどうか。これは考え方としては考えられるのですけれども、そういうことはしょせん私は無理じゃないかという、用地がいかに困難かということを後からまた例で説明してまいりますけれども、それは非常に困難ではないか。と同時に、また、沖繩の人口の量からいきまして、本当にあそこに鉄道を引くということが鉄道の採算上も、あるいは利用の形態からいっても適当なのかどうか。このことは、単にいま長官がおっしゃるように県や地元の意見というよりは、やはり中央の官庁というものがもう少ししっかりした指導理念を持つべきじゃないか。そういうふうに考えられますが、その点についてはいかにお考えですか。これは局長さんで結構でございますから、お答えいただきたいと思います。
  50. 亀谷禮次

    政府委員(亀谷禮次君) 先ほど開発庁長官からも御答弁がございましたように、沖繩の振興開発計画が四十七年に沖繩が復帰しまして、すでに今年で六年目を経過しておるわけでございますが、この計画につきましては、御案内のように地元沖繩県の原案をもとに政府が四十七年に策定をしたものでございます。当然大臣の御答弁にございましたように、わが開発庁といたしましては、その中の重要部門を占めます沖繩を中心にした総合的な交通体系整備は当省庁の責任であることは申すまでもございません。そういったことで、御指摘にございましたように、ただ単に道路でございますとか、空港、港湾という個別のものに限定せず、総合的な観点から交通体系整備を図るということでこの計画も策定をされたわけでございます。  御指摘にございますように、地元におきましては沖繩本島を中心にした交通混雑の緩和のためにかねてから中南部を縦貫します国鉄といいますか、鉄軌道、それから高速道路、あるいはまた現在那覇市を中心に非常に強い御要請がございますモノレール等、各般のプロジェクトが提示されておるわけでございます。私どもといたしましては、この沖繩振興開発計画に基づく総合的な新しい交通体制と申しますか、システムを整備するという基本線にのっとりまして、午前中にも関係局長からも御答弁申し上げましたような、総合的ないわゆる交通の需要予測、あるいは推定、検討調査をしているわけでございますが、御指摘にありますように、県自体におきましては、現在なお、沖繩の中南部を縦貫する国鉄と申しますか、鉄軌道の導入に非常に強い熱意と言いますか、願望を持っておるようでございます。私どもは、午前中にも振興局長から御答弁いたしましたように、現在の那覇市を中心にした交通渋滞は、何といたしましても、那覇市に集まりますあの多量の車をやはり何らかの形で代替をしなければならぬわけでございます、あるいはまたこれの需要を何らかの形で吸収しなければならぬわけでございますので、総合的な交通体系の中の一環として、まず現在建設省等いろいろ御相談をした上で、いわゆる中南部から南下をいたします高速道路整備促進、こういうことを最重点に今後取り上げていくつもりでございますが、あわせまして、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたような、那覇市の渋滞の緩和としてのモノレール、あるいはいわゆる中南部を通ずる軌道等、率直に先生から御指摘ございましたように、あの沖繩の中にこれらの大きなプロジェクトを全部成立をするということはやはり私は相当問題があるだろう、こういうことも十分考えるところでございまして、これらのいろいろな関係団体、あるいは実情を十分総合調整をした上で、そういった総合体系の中で早急にその指針と言いますか、基本の方針を決めなければならないと、こういうことでせっかく現在関係省庁及び関係機関ともそれらの検討を急いでおるということでございます。
  51. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 いまお話ありましたが、高速道路整備して高速バスを通すと、ますます那覇が込むことは、これはもう周知の事実であります。ですから、高速バスを通して那覇交通問題が解決するとはだれも思ってないわけですね。  それから、答弁されたあなたも、この鉄道用地が買えるとは決して思ってないだろうし、また那覇の市街に鉄軌道を回すことは非常に入れ物としてでか過ぎるというような感じがしていると思うのですが、それはそれとしまして、私はやはりモノレールというものはもう少し真剣に取り組まなければいかぬのじゃないか。なぜモノレールがいいかというと、やはり日本全体の交通機関としても、世界全体の交通の傾向を見ましても、那覇程度の人口であれば、大量輸送機関じゃなしに中量の輸送機関で間に合うということはこれは明らかであります。しかも、モノレールというものは、これは新しく用地を必要としない。既存の道路の上に載っけてできるわけでありますからすぐできるわけです。しかも、国鉄が非常に大赤字であるところに三千億以上の鉄道を通すということは非常に困難である。しかし、モノレールならば道路事業費で、道路のインフラストラクチュアとしてつくる可能性があるわけです。そういう制度がもう確立されているわけです。それに一日七千ぐらいの人たちが乗れば、いま千葉とか筑波の学園都市とかでやろうとする一日乗降客とそんなに変わらない。採算上も非常に見込みがあるという結果が出ているわけです。ですから、私は、あなたがいま高速道路をやるとか、鉄道をやるとか、モノレールをやるとか、全部並べて、はなはだ確信の持てない、一体何が沖繩の交通解決のために重要かという整理されない議論のまま、地元の意向を聞くとか、各省と相談して決めていくとかというだけでは、この沖繩の交通問題というのは絶対に解決しない。やはりこういう問題を契機にしてひとつ政府関係各省に地元の意向もくみながら、やはり沖繩にとって何が一番大事かというプライオリティーをこの際はっきり確立することが沖繩の問題を解決してやる大きなかぎではないかと思うんで、それに対する考え方をもう一回聞いておきたいと思うんです。
  52. 亀谷禮次

    政府委員(亀谷禮次君) 先生のおっしゃる点の御趣旨はごもっともだと私も思っております。大臣からも御答弁いたしましたように、総合的にこれらの政策のプライオリティーなり調整は開発庁において取りまとめをいたさなければならないと思っております。ただ、先ほども御答弁いたしましたように、沖繩県におきましては依然として中南部を通じます高速の鉄軌道ということに強い固執を持っておられる。なお、那覇市におきましては、いまも先生御指摘のように中量輸送機関としてのモノレールというお考えもあるわけでございます。私どもはやはり那覇市三十万の人口ではございませんで、中南部を通じます約八十万の人口の那覇への集中という現象を考えますと、やはり中部、北部からの車が沖繩市内、那覇市内に乗り入れるものが代替としてどういうふうに処理されるかという問題が最大の問題であろうと思っておりますので、ただ那覇市の中にモノレールを敷くことによってこれらの問題が一挙に解決するとも必ずしも考えられません。そういったことから、これは繰り返しの答弁になりますけれども、中南部を通ずるそういった輸送の総合的な機関調整について、なお現地から出ておりますモノレールも含めて、早急にそういったものに対する詰めをいたしたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
  53. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 もちろん私はモノレールで解決するとは言ってないので、交通体系というのは全体の政策が総合的にうまくかみ合って解決される問題で、モノレールがうまくいくとは言ってないわけですから、その点は誤解のないようにひとつお願いしたいと思うんです。  しかも、皆さんの話を聞いていると、いかにも鉄道とモノレールは対立理念のようにとらえられるけれども、それは私は非常に間違いだと思うんです。那覇市の問題を、用地問題を余りぎくしゃくさせないでやるには道路の上を使う方がいい。あるいは限られた財源の中でどの財源が一番調達できるかというと道路財源を使う万がいい。しかも、鉄軌道としては中量輸送機関で、大体三十万程度の都市なら必要かつ十分にさばける。これはもう非常に世界の交通がそれを明示しているわけですから、その点においては私は、やはり那覇市についてはモノレールをやるというぐらいの政府が見識なり方針を示すべきじゃないか。それから先の那覇と他都市間を結ぶ交通手段というのはいろいろあると思うんです。これは、いまおっしゃったように、高速道路をつくって高速バスを通すとか、あるいは新しい交通システムで市部輸送を通すとか、あるいはモノレールを延伸するとか、鉄軌道を通すとかいろいろあると思うんです。しかし、これと那覇のこのモノレールの問題と一体でなければ解決しないという考え方が私はまずおかしい。その点を改める必要がある。  一番問題なのは何といっても那覇の現状の問題です。  先ほどから出ておるように、那覇交通体系というのは車だけに依存するからこういう問題が起こってくるわけですから、車依存から何とか脱却しないとこの解決はないということなんです。ですから那覇の問題と、那覇と他都市間を結ぶ交通手段の問題というのは、いま言ったように多様多種の問題があって、これは比較検討する必要がある。  そこで、あなたはそうおっしゃいましたけれども、県の総合交通体系整備委員会、これは知事の最高の諮問機関であるはずですが、ここではこういう意思統一を行っております。  モノレール計画は那覇空港から西原村入り口までの間の那覇の都市内交通問題の対策として位置づける。モノレールはあくまでも那覇市内対策として位置づける。それから都市間交通那覇と他都市を結ぶ、名護の方と結ぶ交通システムについては、いま言ったように鉄軌道とか道路とかモノレールを延ばすとか、あるいはその他の新交通システムの関係もあるから今後の課題として検討していきたい。知事の最高の諮問機関である交通委員会でこういう結論が統一されているわけです。  これを受けとめて、政府の方では一体モノレールや他都市間を結ぶ交通手段の問題について、ただ検討しているだけでは私はこれは余りにもルーズ過ぎる。モノレールの調査一つとってみてもこれ何年かかったというふうにあなたは理解しておりますか。
  54. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) モノレールの検討につきましては、よく先生御承知のとおり、四十八年から建設省において調査をするようになりまして、五十年度からは、私どもの推進調査費を用いまして、そのルートその他についての調査を行っておるところでございます。もちろん、調査費を入れているわけでございますから、できるだけこれを推進したいという立場で検討を行っておるわけでございますけれども、現在の状況で申し上げますと、先ほど大臣からも答弁がございましたように、地元の賛否がまちまちの状況になっております。それから、それに加えまして、経営主体その他の諸問題につきまして必ずしも地元のコンセンサスが得られておらない、こういう状況にございます。それから、これは四十八年のごく簡単な調査によりまして経営採算等を計算したことがございますのですけれども、非常に簡単な推計というような、若干粗い推計ということでございまして、今後の問題といたしましては、この経営採算等の問題についてもかなりの詰めを行っていかなければならない、このように私ども考えておるわけでございます。幸い昨年の十月に、四十八年の調査に比べまして詳細な形でパーソントリップ調査をやってございます。これらをもとにいたしまして現在その解析を急いでおるところでございますけれども、今後モノレールの経営採算性につきましても検討を進めていきたい、このように考えておる段階でございます。
  55. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 四十八年とおっしゃったけれども、実際那覇市は四十五年から延々とこの調査をやっておるわけですね。すでに一億三千百万円も予算を使ってまだ結論が出ないということ自体がルーズじゃないですか。私は、四十五年からモノレールを一本通すか通さないかわからないと。千葉でも、神戸でも三年で着工しているわけですよ。沖繩だけが四十五年からやって何も結論が出ないというのはおかしいじゃないですか。しかも、いまの御答弁のように、採算と経営主体の問題に突っ込んで細かい調査をやっているから結論が出ない、そういうのじゃなくて、市内はモノレールがいいか鉄軌道がいいか、あるいは道路だけでいくのか、那覇と他都市間は鉄道がいいかモノレールがいいか、あるいは高速道路がいいかその他の新交通システムがいいかどうかという戦略論を、先ほど長官がおっしゃったように開発庁が総合交通体系を担当しているとすれば、そういう戦略論をまず整理することが私は政府の責任じゃないか。これは、単に、地元が反対しているから賛成しているからということじゃなくして、政府指導方針なり理念がまずなければいかぬのであって、そういう戦略的な理念をやめてしまってモノレールに余りにも深く突っ込み過ぎてしまって、経営主体とか採算計算とか、もっともっとやらなければだめだという答弁だけでは、私はやっぱり沖繩の問題はなかなか解決しない。  いま申し上げたように、知事の諮問機関である交通委員会でも、モノレールは市内の問題として対処したいし、那覇と他都市を結ぶ交通というものについては、多様なものが考えられるから、それを今後の問題、課題として真剣に検討していこうということを決めているわけですから、県と市との間に私は意思のそごがないと思うんですよ。ですから、これを引きとめて、政府としては、一体、那覇という立地条件、沖繩という立地条件、これは土地が買えないということもあるし、人数の量というものもあるし、県民の量というものもあるし、採算性というものも考えて、政府としてどういう交通手段をとる方がいいかという戦略論を早く決めるべきだ、それが今日持ち合わせていないところに私は沖繩の交通問題が永遠に解決しない一つの危険性を持っていると思うんです。これは、そればっかりやっていてもあれですから、ぜひひとつ長官にそれを早く確立していただきたいということを要望しておきたいと思うんです。  私は、したがってそれから先のことを進めていきたいと思いますけれども、先ほど言ったように、沖繩は交通方法変更したから、しないからということにかかわらず、変更前だって那覇交通問題というのは大変だった。やはりこれは何といっても、先ほどから言うように、自動車一辺倒であるということと、その自動車を受け入れる道路の容量が少ないということが大きな理由なんです。われわれも調査に行きましたけれども、非常に目につくことは、その狭い道路の上にあれだけ、四千人近い警官が動員されて、交通方法変更をやっていながら、不法駐車というものが物すごくおびただしく見えるわけですね。コザの市役所の周りで何十分も停滞したけれども、その路上に車がいっぱい捨てられている。これはひとつ交通局長さんに伺いたいんですが、一体、容量が狭くて困っている道路の上で、違法駐車があれだけおびただしいということは、他県ではない現象だろうと思うんですね。その点について本当に駐車規制をやったのかどうか、ひとつ教えていただきたいと思うんです。
  56. 杉原正

    政府委員杉原正君) 数字で申し上げたいと思いますが、現在、これは那覇市を中心にいたしまして、総延長三百十二キロのうちで百五十キロ、四八・三%ということでやっておりまして、これはまた年末までにさらに四十二キロふやそうと、こういうことでございますが、ただ御案内のように、沖繩の場合に、これはまあ駐車場の関係一つ基本的な問題がございまして、車を使う以上はやっぱりどこかにとめないと、これはまた車の価値というものもなくなってしまうということでございます。ただ、昨年の例で申し上げますと、沖繩県下四万二千百二十三件という駐車違反の取り締まりをやっております。これは全体の取り締まりの三六・九%、約三七%になるわけです。全国の一体駐車違反の取り締まりの構成比はどうかといいますと、全国平均が一四・六%の駐車違反の取り締まりでございますが、沖繩にとってはもう最大限この駐車の取り締まりをやっているわけでございますが、基本がちょっと、駐車場問題がもうちょっと前に進まないという問題があることを御了解いただきたいと思います。
  57. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 いまの交通局長の御答弁のとおり、他県の倍以上厳しくやりながら、われわれが視察に行っても市役所の周りでなおあれだけ込んでいるということになれば、これは駐車場がおっしゃるとおり絶対量が少ないからだと思うんですね。  したがって、建設省にお伺いしますが、沖繩の駐車場の現況と、これからこういう問題を控えていながらどういう見通しで駐車場を進めていくつもりか、その点についてお伺いしたいと思います。
  58. 小林実

    説明員小林実君) 沖繩県下における駐車場の状況でございますが、私どもにわかっておりますのは、現在の駐車場法によりまして、五百平米以上の駐車場——私どもは届け出駐車場と言っておりますが、これの設置状況でございます。五十二年度末では四千三百六十台分でございます。  一方、全国との比較でございますが、まあ全国平均いたしますと、自動車保有台数一万台につきまして駐車場の整備状況が二百三十二台分でございますが、沖繩の場合は一万台当たり百五十一ということでございまして、三分の二ぐらいの状況でございます。五十一年度末に比較いたしましても百四十台分が増加しておるというような状況でございます。まあ一番問題と思っておりますのは、建築物の新増設に伴う駐車施設の付置義務の条例も制定されておりませんし、地方公共団体によります駐車場、まあ都市計画駐車場もないというような状況でございます。県あるいは関係団体の方とも連絡をとりながら付置義務条例の制定とか、あるいは私どもが用意しておりますのは、道路特会からの無利子貸し付けの制度もございますので、それの活用を図って都市計画駐車場を整備していただくとか、そういう方向を進めてまいりたいというふうに考えております。
  59. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 お話を聞いていれば、全国に比べて駐車場も少ない、しかもその肝心の付置義務、駐車の義務を課してない。これは、私は東京や大阪のような人口密度基準で沖繩、那覇を考えちゃやっぱりだめだと思うんですね。全国でも異例に道路キャパシティーが少ないわけだし、そして車がここに駐車することによって非常に交通を阻害しているということは事実ですから、東京や大阪の大都市のような密度基準で付置義務駐車を考えていくということでは、これ後手である。ですから、ぜひひとつ那覇について、大きなビルをつくれば付置義務を課していくというようなことを真剣に取り組んでいただきたいし、しかも那覇は世界の例でいけば、日本で言えば香川県と同等以上に密度が高いと思うんですけれども、そういうところで、用地のないところで駐車場をつくっていくときに、やはり立体駐車場というもの、そしてそれに対する融資制度、助成制度というものがすでにあるわけですから、それをもう少し理解さして、立体式駐車場をもっとふやしていくようなことを真剣に考えていただきたい。時間がありませんから、これを要望しておきます。しばらくたったら再度報告を求めますから、ぜひひとつお願いしたいと思います。  それから、私は先ほど来、関係各省の答弁を聞いておって、それから出てくる問題について私なりのひとつ考え方を申し上げて所見を伺いたいと思うんであります。  何といっても緊急対策として必要なものは、国道安謝交差点、それから県道七号の垣花、山下のあたり、それから国道三百二十九号の古波蔵の立体交差の問題、そういうことがやはり大事だと思います。大事だと思いますけれども、これを緊急にやりますというだけでは私は解決しない。  たとえば一番込んでいる安謝の問題でありますけれども、安謝の問題については非常にこれは難航している。用地問題が難航して、関係省や地元がやるという意欲のとおりにはなかなか進まないということも事実のようであります。  きょう、ここに九月二十二日の琉球新報が届いておりますが、この新聞によりますと、那覇市の渋滞は七月三十日以前の状態に戻ったと書いてあります。なぜ戻ったかという理由に、マイカー規制をやったと。マイカー規制をやってパスに乗りかえを奨励しているということが一つ。この点については後ほど御質問します。  もう一つは、安謝につながる問題。泊港に抜ける仮設道路安謝でつくった、これで解決したというふうに新聞は書いてあります。  これで見られるとおり、私は、安謝というものは大切だけれども、安謝の本体工事というのは用地でなかなかできないとすれば、早くできて安謝の問題を解決する手法を考えなければいかぬのじゃないか。  そういう意味で、この泊港の周辺の臨港道路とか、てだこ橋の架橋の整備を急ぐ方が、できない安謝に力を入れているよりはもっと効率が出るのじゃないかと思いますが、その点についての建設省の所見を伺いたいと思います。
  60. 渡辺修自

    説明員(渡辺修自君) ただいま御指摘がありましたように、安謝につきましては調査を五十三年度やっておるわけでございまして、やはりこれは、あれだけ稠密なところでございますから、都市計画の決定等の手続を済ました上で進めませんと、なかなかうまくいかないんではないかということを憂慮しておるわけでございます。  したがいまして、ただいま後段で御指摘がございましたように、いわゆる臨港道路、それから安謝の川下にでございますか、橋をかけて、バイパス的に使ったらという御指摘でございますが、技術的には高潮防止の堤防の上を橋をかけなければいかぬというようなこともございまして、その取りつけの問題等がございますこと、また周辺の道路網の利用の仕方等いろいろ問題がございますので、その辺を特に総合事務局にお願いをいたしまして詰めていただきその上で推進をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  61. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 私は開発庁の方にお願いしたいんですが、いま建設省からそういう要請がありました。安謝の問題が意図したとおり緊急に解決できれば、これが一番それにこしたことはないと思うんです。しかし、その見通しがかなり困難であるとすれば、いま私が申し上げたようなことを早くやることが安謝渋滞をまた解消することに寄与するわけですから、ひとつこれは事業主体がどこだからということではなしに、やはり総合的な問題として関係省が一体となってこういう補完的な道路整備に力を入れていただきたいと思うんです。  同様に、やはり私どもが回って目立ったところは、安謝のほかには国際通りでした。県道三十九号の国際通り渋滞というものが非常に厳しかったと思うんです。これにはやはり国道三百三十号のひめゆり通りを緊急に整備するということも大事でありますけれども、私が不思議に思いましたことは、その渋滞する国際通りバスを一生懸命連ねて走らせている。これはやはり非常に問題じゃないか。図面でこう見ますと、たとえばもう一つ西側寄りのところに久茂地通りがあったりしまして、久茂地通りのあたりはそれほど国際通りのように激しくは込んでない。このバス路線国際通りから久茂地の方に一つ寄せるだけで私はかなり国際通り交通緩和の解消に役立つと思うのでありますが、一回据えつけた大砲はなかなか動かせないということで旅順はなかなか落ちなかったという話がありますけれども、一回据えつけたバス路線はなかなか変えられないということではなしに、やはり国際通りの未曾有の混乱を回避する意味で、ほんのわずか離れた西側の久茂地通りにバス路線変更するつもりはないのかどうか、その問題についてお伺いしたいと思います。
  62. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 国際通りにはたくさんのバスが走っておることは御案内のとおりでございまして、それには市外線十六系統、市内線八系統合計二十四系統のバスが一日一千四百五十一便も走っておるわけでございます。国際通りが非常に混雑をいたしておりますので、この交通渋滞の緩和とバス運行効率を改善をする必要がございますので、運輸省におきまして関係バス業界を強力に指導をいたしまして、現在走っております市外線の約二割を国道五十八号線の方へ移すという見通しがついてまいりまして、近くそれを実施をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  63. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 構想ではなしに、それを実現することによって国際通りの混雑が二割カットできるということになるかもしらぬわけですから、ぜひひとつ早急にこの総合交通対策の一環に入れていただきたいと思うんです。  それから私どもが回りまして、道路の絶対量が足りないことは足りないわけですけれども、それていることだろうと思うんですね。街路事業がクモの巣のようになっていて、しかも余り脈絡がないというような感じがいたします。そこで、一々挙げると時間がありませんから、東西の路線強化という問題と街路事業のこれからの整備方針についてお伺いしたいと思います。
  64. 並木昭夫

    説明員(並木昭夫君) ただいま先生御指摘のとおり、南北通りはまだしも、東西方向が非常に悪いというのは御指摘のとおりでございます。中でも問題になっております県道四十五号線あるいは市道開南線につきましては、ただいま鋭意事業を進めているところでございまして、見通しといたしましては、県道四十五号線につきましては約二年ということで完了を見込んでおります。また市道開南線につきましても今後さらに事業の促進を図ってまいりたい、こういうふうに思っております。
  65. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 振興課長何か答弁ありますか。いいですか。野呂田君いいですか。
  66. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 いま委員長に特にこれお願いでありますが、沖繩については特に街路が細街路であって非常に脈絡がなく延びていて、これが先ほど来安恒委員の御質問にもありましたが、なかなか進まない、すみ切りとかなんか進まないというのは、電柱を移そうと思っても移す場所がないから進まないわけですね。あるいは電柱を取ると通行人が電柱で保護されていたのが危なくて歩けないというような状態になるからだめだということになるわけで、これはすべて街路が非常に弱いという那覇道路構造に由来するものだと思うんです。そこで、沖繩にこれから予算を持っていくとすれば、街路事業に特に力を入れていただくというようなことをこの委員会でも少し肩入れをしていただきたいということを、ぜひひとつお願いしたいと思うんです。  それから、これは開発庁が総合交通体系をやるという観点から特に要請をしておきたいと思うんです。  それは沖繩全体が道路利用容量が非常に小さい。そこで先ほども言いましたが、臨港道路からてだこ橋を通って、そして浦添の軍用地の道路がありますが、この浦添の軍用道路というものを開放されますと、臨港道路から貫いて非常に大きな動脈ができるわけで、御案内のとおり浦添もコザも全部那覇につながってしまってもう一つの都市であります。この混雑を解消していくためには、やはり浦添の軍用道路の開放ということが非常に大事だというふうに思うんですが、その問題について少し真剣に取り組んでいただくということと、もう一つは、東西の道路の体系を整備する上で非常に大事なものは、内環状の東西につながる高規格の道路がない。図面の上で見ますと、ちょうど基地のハウジングエリアという部分がありますが、あのあたりが用地としては見込みがつきそうである。あそこにかなり高規格の東西の道路ができれば那覇交通問題というのは相当程度解決できそうだ。聞くところによりますと、住んでいる人たちがハウジングエリアから普天間の方に大分移りつつあるということですから、これは返還の可能性がかなり高いと見ていいんじゃないかというふうに思いますが、この問題、きょう防衛庁の方は来ておりませんけれども、浦添の軍用道政の開放の問題と、それからハウジングエリアに内環状道路をつくるという意味での開放の問題、返還の問題、この問題についてひとつこれは大臣から御所見を伺いたいと思います。
  67. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 先生お尋ねの二点、一点はてだこ橋に連なります基地内の道路の返還、これを沖繩開発庁でどう考えるかということでございますが、このてだこ橋の架橋に加えましてこれに連なる牧港の補給基地内でございますが、この道路を一般交通の用に供するということは、先生御承知のように、安謝の非常な渋滞、これを緩和させるのに大変役立つのではないかということは、私どももそのように考えておるわけでございます。ただ、これを返還させるかどうかという、あるいは返還によってこれを一般の交通の用に供させるかどうかということは、先生も御指摘のように防衛施設庁の問題でございまして、私どもとしては直接の答弁は差し控えたいと考えておりますが、ただ、いずれにしましても、この牧港の補給基地の道路部分でございますが、この返還による利用とするか、あるいは暫定的な使用というような形にするかというようなことでは、現在地元の利害関係者の間にいろいろ考え、動きがあるようでございます。この辺の問題につきましては、私ども、地元との対応をできるだけ注意深く見守っていきたいと、このように考えております。  それから、那覇市内の東西のつなぎに何か大きいものがほしいのではないかという先生の御意見でございます。私どもとしても、三二九等につきましては、これをノーレフトターン、ノーレフト回りの立体交差を図るというふうなことによって少しでも流れをよくしようというように考えて取り組んでおるところでございます。さらに先生御指摘の、市内の北の部分に東西の道路をつくるかどうかというような問題、これは基本的には先ほどちょっとお話しました総合交通体系調査、パーソントリップ調査実施して、その解析を急いでおるところでございます。それによる見直しもしていく必要があるんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。さらに牧港のハウジングエリアにつきましては、現在、国及び那覇市において、返還後の土地利用についてのマスタープランを検討中でございまして、これとも整合させる必要があるというふうに私ども考えております。  以上の諸点が明らかになった時点におきまして、市内の道路網整備の緊急度に従いましてこの推進を検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。
  68. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 浦添の軍用道路の問題につきましては、それは相手もあることでしょうから、急に返還しろと言ってもできない事情もわかりますが、ひとつその問題については、交通体系の中に入れて、構想としててでもこれは考えていく必要があるんではないか。返還がだめならば暫定利用という話もありましたが、それでも結構です。ひとつぜひそういう線で、これは防衛庁と真剣に、あるいは米軍と真剣に折衝していただきたいということを特に要請しておきます。  それからハウジングエリアの問題につきましては、幸いに那覇も返還を求めて、あの跡地の利用について考えているとすれば、那覇もあそこに道路をつくるということには異存はないはずでありますから、ぜひひとつそういうものを支援して、このハウジングエリアについて、開放でも結構ですし、暫定利用でも結構ですから、あそこに内環状を一本据えつけるということをぜひひとつ総合交通体系の中で考えていただきたい。そういう構想が、パーソントリップができなければすべて出てこないという発想は、私は余りにも貧困だと思うのですね。パーソントリップを見なければ道路が必要であるかないかという発想が出ないということはおかしい。もう那覇は本当にパンクしているわけですから、そういう調査を待たないでも、そういう構想はつくったって決してこれはリスクはないと思うのであって、そういう前提のもとで、ひとつ暫定利用についても、返還についても真剣に取り組んでいただきたいということを要請しておきたいと思うんです。  それから、時間がありませんから、最後にお尋ねしておきたいと思いますのは、私はいま述べたようなことは、やはりどうしても交通からいけば、これは施設そのものの整備を並べました。しかし、交通というものはそれだけではどうしてもだめである。交通問題を解決していくためには、もっと大事なことがあるんじゃないかと思うんです。  そこで、そういう観点からお尋ねしていきたいと思うのでありますが、先ほど開発庁の御答弁にもありましたが、高速道路をつくって高速バスを入れてくるというようなことになれば、これまた那覇交通量というのが、いまよりももっと激化するかもしれない。そういうことではやはりだめでありますから、諸外国でやっておりますように、たとえばドイツとか、シンガポールとか、いろいろやっておりますが、パーク・アンド・ライド方式というものが当然やはり私は沖繩のような立地条件のところでは考えなければいけない。つまり住宅地から市街地へ入ってくる場合に、のど首に駐車場を整備しまして、そこにマイカーを乗り捨てさせて、それからは公共用交通手段に乗ってくる。たとえばパスに乗るとか、あるいはモノレールに乗るとか、そういうことを加味しないと、これは永久に解決しない。で、そういうことについて総理府がいろいろ研究してきたと思うのでありますが、ひとつ御見解を聞いておきたいと思います。
  69. 三島孟

    政府委員(三島孟君) ただいま先生の御指摘になられましたパーク・アンド・ライド方式でございますけれども、確かに今後の沖繩の交通渋滞対策を進めていく上で一つの有力な検討課題だろうと思います。沖繩の現地に、先ほどちょっと申し上げましたとおり、渋滞対策のための連絡協議会が設けられておりますけれども、この協議会でも一つ検討課題ということにしておるようでございます。  ただ、確かにこの問題は、諸外国の例に徴しましても、地域住民の協力とか、駐車場の建設等、いろいろむずかしい問題があるようでございますので、総理府といたしましては、沖繩県の方でこのような方向について、ひとつ具体的に検討してみたいということになりますれば、関係省庁とも十分連絡をとりながら御相談に乗ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  70. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 私は総合交通体系として、関係各省が集まって相談する本当の価値のあるものはこれだ。たとえば、いい例がシンガポールの場合でありますが、シンガポールは、あれは世銀が膨大な金を出して、シンガポールが大変——これはアジアでは日本の次に自動車密度の大きな国である。そうしてまた、アジアでは最も香港に次いで過密な市街地であります。ですから、ここの交通問題をどういうふうに解消するかということで、世銀そのものが、これはシンガポールに膨大な調査費を出して実施した。で、まず一番先にやったことは、シンガポールの場合は、カープーリングと言って、乗用車を相乗りさせる方式なんですね。これは日本でもいまやろうとして、八人乗りのタクシーができるとかいう話も聞きますが、そういう問題を一つやっている。これはシンガポールでもやりましたけれども、それほど顕著な効果がなかった。その次に自家用車の道路税の引き上げをやってみたけれども、これも大した効果が出ない。最後に都心乗り入れの賦課金制度をやったわけですが、これは、個人については月八千円、法人については一万六千円ぐらいこの賦課金を取っている。もちろんこれは公共用自動車とか、緊急車両、消防車や緊急用車や警察や一般消費価格につながる貨物自動車はもちろん賦課金はかけない。あるいはスクールバスとかバスとか、そういうものにもかけないということでありますけれども、それ以外のものには、どうしても入りたければ罰金をかけるということで、取っている。これで最近の調査で、この間もここの交通担当の大臣が東京へ出てきて講演会がありまして、私も聞きましたけれども、シンガポールの都心は七割交通量が減ったという結果になっております。それから罰金を取られても入りたいという人からは罰金を取って、一万五千台の収容の駐車場を要所要所に十五ヵ所つくったということになっております。もちろん通勤や通学する人は困りますから、のど首からは無料金で、冷暖房つきのバスに乗せる。したがって交通手段は、マイカーをおりてからは一切ただ、しかも冷暖房つきで必ず座れるということになっているわけですね。こういうことが、沖繩も、ちょうどシンガポールに比べて、中心業務地というのは倍ぐらいしかない場所であります。しかも、いまのように内環状道路とか、あるいは軍用道路の解放なんかがありますれば、そういうのど首に駐車場がきれいに整備される条件を持っております。ですからぜひひとつせっかく総理府でもそういう調査を進めてきたとすれば、こういうシンガポール方式について、沖繩のような規模だからこそやりやすい条件を持っているわけですから、ひとつ総合交通体系の一環として真剣に取り組んでいただきたいということを要請したいと思いますが、その点についていかがでしょうか。
  71. 三島孟

    政府委員(三島孟君) ただいまお話しのございました特別賦課金の制度でございますけれども、シンガポールにおいては非常に成功したというふうに聞いております。確かに交通量抑制の一つの有力な手法であるというふうに考えられるわけでございますけれども、やはりこの問題は都市におきます居住活動なり業務活動等の都市活動に与える影響は非常に大きいものがあるわけでございますし、交通規制とあわせまして都市行政等を含めた対策を総合的に行うことが必要だと考えられます。  また、地域住民等の全面的な協力も必要でございますので、これらの施策を具体的にはどういうようなやり方でやっていくかにつきまして、総理府を初め関係省庁において、実はいま都市交通量の抑制の総合調査をやっておりますが、その一環といたしましてこの問題も現在検討してまいっておるところでございますので、その検討結果を待ちまして、果たしてこれが沖繩の場合に導入できるものかどうか検討してまいりたいというふうに考えております。
  72. 野呂田芳成

    野呂田芳成君 最後に大臣にひとつ決意のほどをお伺いしたいと思うのでありますが、先ほど来私はいろいろなことを申し上げました。  まず、開発庁がやはり沖繩の交通全対の問題のコントロールタワーになって、視野の広い交通対策を立てていただきたい。そのために沖繩市内を車依存からもう少しモノレールのようなものを考えるべきではないかということと、それから那覇と他都市間の交通手段として何を考えるか、プライオリティーをつけていただきたいということと、それから、駐車場がないことが、これが非常に沖繩の狭い道路キャパシティーをさらに狭くしているわけですから駐車場を計画的につくってもらいたいということと、その手法について議論してみました。  それから、いまの構想に入ってない内環状と浦添の軍用道路の暫定使用でも返還でも結構でありますから、そういうものをやることが沖繩の抜本的な交通体系整備になるわけでありますから、そういう問題についても御要請をいたしました。  それから、シンガポール方式のようなもの、一定の場所までマイカーで来たら、それから先はモノレールに乗せるとか、公共サービスのパスに乗せるとか、これはバス会社バスでも結構でありますから、そういうことについて総合的な対策を立てていただきたいということを申し上げました。  実は、こういう問題は各省が縦割りでやっても一切解決しない私は問題じゃないか。そこで、ぜひ冒頭に申し上げましたように開発庁がコントロールタワーになっていただいて、いま申し上げたようなことについて、ひとつ沖繩の応急、恒久対策についてどういう青写真で臨むかということを、前の総合対策もあるかもしれませんけれども、この段階でもう一回見直しをやっていただきたいということをひとつ御要請して終わりたいと思います。
  73. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 御指摘の点につきまして、これはいろいろむずかしい点がたくさん私はあると思います。より検討をいたしまして、できるだけ可能な部分から積極的に取り組んでまいりたい。  また、軍用道路の問題については、これは所管官庁もございますので、私の方から防衛庁長官にきょうの発言の内容を率直に申し上げておきたいと思います。
  74. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 稻村大臣、私からも重ねてお願いしておきます。  いま、野呂田委員はパンク状態だと言われた。私は、飛行場の記者会見で異常事態だと、この異常事態を解決するには緊急対策と恒久対策を至急に立てなきゃならぬと言って記者会見し、かつ現地の皆さんにお願いして帰りました。いま、野呂田さんのことも現地でみんなが話し合ったものを、総合的なものをいま質問しておられます。したがって、県がやればというお話もあったようでありますけれども、積極的に、これは国内における各都市の今後の一つのモデルとして沖繩を取り組んでいただきたいということを重ねて私からもお願いいたしておきます。
  75. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 七・三〇以降いろいろな問題が発生しているわけです。そういった具体的な問題について朝からいろいろと論議されてきたわけですが、問題は限られていますね。沖繩の中で交通渋滞であるとか、あるいはまた七・三〇以後、業者が交通方法変更によって商売が成り立たぬというので、それの補償問題だとか、すみ切りの問題だとか、いろいろあるわけです。それらがいろいろと取り上げられてきたわけなんですが、したがって、限られた問題だけに多少ダブるところがあるかもしれませんが、その点はひとつ御了承願いたいと思います。  最初にお尋ねしてみたいのは、やはり渋滞問題ですね。この渋滞問題はいろいろ警察の方からも話ありましたが、これが少なくとも多少なりとも緩和されてこなければならぬ。ですから、その状況ですね、七・三〇以降今日までの状況、それはどういうふうになっているのか。また、警察としては、もともと渋滞の激しいところだということ、そういうものを踏まえて、その交通方法変更を期して、まずどの程度までその渋滞を緩和するかということですね、その目標、そういった点、ひとつ聞かしてもらいたい。
  76. 杉原正

    政府委員杉原正君) 交通渋滞関連をいたしまして、七・三〇以降の状況を、たまたま私ども車両の感知器を設けておりまして、これは大体主要な交差点でございますが、五交差点について十方向のものを測っております。実施前七月の上旬、それから八月の中旬、それから九月の上旬、こういう三回に分けて調査をいたしました。そのこれを一週間、一日の平均でとったわけでございます。これで見ていきますと、確かに変更前に比べまして、八月の中旬におきましては渋滞が場所によっていろいろ違いますけれども、約倍近く五百メートル以上の渋滞長がつながっておったわけでございます。それが九月の上旬になりますと、交差点によっても違いますけれども、大体実施前の状態に返ってきておる。これは実施の前の状態はいいんじゃなくて、実施前も非常に込んでおりましたから、込んではおりますけれども、従来の実施前に大体復しつつある。で、七・三〇そのものは交通方法変更信号機その他いろいろ新しくはいたしましたけれども、交通容量が同じでございまして、そこに同じ量の交通が流れるわけでございますから、一応私ども、これからいろんな道路の改築その他が行われますけれども、一応いまのところ渋滞の以前のところまで何とか早く持っていきたいということを当初の目標にしてやってきておりますが、それはだんだんにその方向に来ておるというふうに考えております。
  77. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 警察の方の資料ですね、これいただいているんですが、これによりますと非常に好転しているという感じがするわけですね。ですから、この資料によりますと、首里−安里、この上り線、まだ大分渋滞がひどいということです。それからその下にあります国道四十号下り線、泊高橋それから安里、この間があるでしょう。下りが、これもまた渋滞が前よりもひどいです。それから古波蔵国場この下り線がやっぱり大分ひどい。この資料によると、三ヵ所非常にひどい。かえってひどくなっておる。こういうことなんだけれども、この原因についてはいろいろとあると思いますが、ほかのところはこの資料によると非常に緩和されている。かえって以前よりもよくなっている、こういう感じ——感じというよりも、事実この資料によりますとそうなっている。ですから、この渋滞が逆にひどくなっているその最大の原因は何だろう。また、その最大の原因を取り除かなければよくならぬわけですから、今後それはどういうふうになっていくのか、その点ひとつ。
  78. 杉原正

    政府委員杉原正君) これは、従来変更前に比較的すいておったのに変更後込んでくる、これは方向によっていろいろございますけれども、これが一番の問題というのは、従来は左折が非常にむずかしくて、右折が小回りでございましたから右折が非常に容易である。それが逆になりますので、この走る方向によりまして大変な差が出てくるということと、それからもう一つ出てきますのは、これは一番典型的にあらわれているのは安謝のところだと思いますけれども、従来右側交通でございました。そうしますと、安謝のところで都心の方にたとえばこう入っていく車については、左から五十八号に出てくる交通量というのは、左側は皆海岸でございまして、ほとんどその交通の発生源がない地帯でございます。ですから左はほとんど出ません。今度は道路の右のサイドの方から——これはたくさん住宅街がございます——車が出てきますが、これは右側に入らないといけませんから、普通の小さな路地から出てきても、分離帯がありましたり、向こうまで行かなきゃいけませんから入れない。だから、交差点のあるところだけでこう右に入る。それが今度は逆になりまして、左側を通るものですから、左側にたくさん交通のあるものが細街路から全部こう大通りへ出てくるというふうなことで、右を左に変えたことによって交通量、交通の流れに非常に影響をもたらしてきているというふうな点が地域ごとに非常にアンバランスに、込んでいるところがすいてきたり、すいたところが込んできたりというふうな状況が部分的に出ておるということであろうと思います。
  79. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それで、それどうするの。
  80. 杉原正

    政府委員杉原正君) それで、これらにつきましては先ほど申し上げましたように、そういう大通りについて細街路からどんどんどんどん左折で出てくるような車については逆の一方通行にして大きな道路に出して、大きな道路で左折をしてもらうについて、そこには信号機をつけるというふうな形で交通量を整然化さすというふうなことをまず主対的にやっていこう。それから、交通量が変動がありまして、従来の信号調整で必ずしも合理的でないところについては信号長を変えていくというふうな問題をあわして講じていくということを今日までの対策としてやってきておるということでございます。
  81. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 対策はわかる。対策はわかるけれども、いまあなたが言ったように、やはり変更前の状態に一日も早く持っていきたいのだ、こういうわけ。それで、この資料によれば、かえってすいてきているところが相当あるわけだ。いま申し上げたところが非常に込んでおる。それで、それについてはこうこうだという説明があった。ですから、いわゆる変更以前の状態に、このいま込んでいるところを持ってくるためには、いま言ったような方法をとる以外にない。それが、そういうふうにいけば結構だけれども、そこへ到達するまでどのくらいかかるのですか。  いわゆるいままで質問した渋滞問題については、緊急対策といわゆる恒久的な対策というこの二つに分かれている。緊急対策として、やっぱり緊急ですから早く行わなければならないわけですよ。ですから、そのためにはどのくらいにめどを置いているのかという問題ね、そういったことをやっぱり現地の人たちは知りたいと思いますよ。
  82. 杉原正

    政府委員杉原正君) それ、ちょっとあれをいたしましたので説明を省略いたしまして恐縮でございましたが、大体いま私どもが緊急にやって、何とかその従来の線のところまで持っていきたいというのは、十月いっぱいかけて実施をいたしたいというふうに考えております。
  83. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 次に、いろいろと午前中から聞かれましたのですが、そのいわゆるやりとりの中でいろいろ私は私なりに感じているのですが、今後の沖繩におけるいわゆる総合交通体系、この問題ですが、いろんな論議があって、それで聞いていますと、やるのだかやらないのだかさっぱりわからないのですよ。どんな腹があるのか、運輸省も、それから沖繩開発庁も建設省も、それから総理府も、何だか雲をつかむようなことを言っていて、一つもその解決の方向なんというものが示されない。そういうことなんで、こっちから幾ら聞いてもまた同じことを繰り返す以外にないと思うわけです。だから、逆に運輸省は、国鉄の今後のいわゆる総合交通体系、これをどういうふうにしたら今後の沖繩の発展あるいは交通状況の好転化、そういったものを図っていけるのか、そういったいわゆる運輸省の基本的な考え方、建設省の基本的な考え方また総理府の基本的な考え方、それを逆に聞かしてもらいたい。幾らこっちで言ってみだって、もうたくさん言ったわけですから、それで私の感ずる点は、何を考えているのだろうなあというこれしかない。だから、そちらからこういうふうにしていきたいのだというものをひとつ示してください。まず、いま言ったように、じゃ運輸省から、その次は建設省でもいいし、総理府でもいいし。
  84. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 私、自動車局長の立場でお答えできる範囲が限定されるわけでございますが……
  85. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ちょっと委員長、ちょっと待ってください。  あのね、答えができる範囲でという言い方はおかしいんだよ。少なくともここへ来たんだから、やはりそのことについて責任を持ってこうなんだといったまとまった考え方を述べてくれなくちゃ役に立たぬよ。
  86. 梶原清

    政府委員(梶原清君) はい。まことに申しわけございませんが、私どもの守備範囲のバスにつきましては、安恒先生、野呂田先生の御質問に対しましてお答え申しましたように、当面の対策といたしまして渋滞緩和対策、こういうことを強力に推進をいたしたい。それに引き続きまして沖繩におけるバスのネットワークのあり方、それと関連のありますバスターミナル整備、引き続きまして、沖繩にはバス会社が四社ございますが、その四社がいま競合して走っております状態の企業のあり方、こういうものを私どもの立場としましては鋭意進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  モノレール等につきましては、沖繩開発庁等から当面お答えをいただきたい、かように考える次第でございます。
  87. 亀谷禮次

    政府委員(亀谷禮次君) 先ほど来、総合交通体系整備について御質問にお答えをしてきておるところでございますが、その際にもお答え申し上げましたように、沖繩が復帰いたしました四十七年に、政府としまして沖繩振興開発十ヵ年計画を策定をしておることは御案内のとおりでございます。この計画の中で沖繩本島を中心にしましたいわゆる総合交通体系についても基本的な方針は策定をされておるところでございまして、沖繩本島を中心にした主要幹線の陸上交通体系につきましても、この計画の中で道路網中心にいたしましては、今後経済の発展、県民生活の向上等により惹起されますところの人的、物的な輸送の拡大に対処するために基幹的なプロジェクトといたしまして、幹線の主要道路整備にあわせまして沖繩本島の中南部圏と名護市を結ぶ幹線の道路としての自動車高速専用道路新設をするということ。それにあわせまして、先ほど来しばしば御議論が出ております中南部都市圏の交通体系につきまして、都市化の進展に伴う旅客需要の増大に対処するためのいわゆる新交通システムの導入について検討をする、こういうことが銘記をされておるわけでございます。  先ほど来、私どももお答えをいたしております中で、基本的な方向及び具体的な採択の手段がはっきりしていないという御指摘、御質問をしばしば受けるわけでございますけれども、私どもはこれらの問題が短時日に一挙にすべて解決をするということにはなかなかいかない、これには相当の時間と調整を要することは先生も御案内のとおりであろうと思いますが、この中でやはり優先度に応じてすでに計画の策定段階に入っておるものもありますし、実施の段階に入りつつあるものもあるわけでございます。  ちなみに、先ほど来関係局長からも御答弁しておりますように、四十七年に策定された計画に基づくいわゆる中南部を縦貫する高速自動車専用道につきましては、近いうちに国においても正式に計画路線としてこれを決定をする方向でいま詰めておる最中でございますし、その他の幹線街路の整備も逐次進めておるわけでございます。  ただ、議論になりますいわゆる国鉄に準じました鉄軌道あるいは那覇市街のモノレールと、こういった問題につきまして、しばしばお答えしておりますように、なお検討すべき、あるいは調整すべき問題がございますので、これらの問題を総合的に現在詰めておるということでございまして、お言葉を返すようでございますけれも、開発庁としまして特にあらゆる問題についてすべて白紙で、現在ブラインドでやっておるというふうには考えておらないわけでございます。
  88. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 先ほど野呂田先生からも話があったけれども、私は何も一挙にやれとかやるなとか言ってそういう問題を提起しているんじゃないんですよ。そんなことはだれだってわかることです。揚げ足取りをやるわけじゃないけれども、一挙にやれと、そんなこと考えていませんよ。で、これからのいわゆる沖繩の総合交通体系というのはどうあるべきなんだということを、あなた方の確たるいわゆる信念に基づいたそういう体系、こういったあなた方の構想を聞かしてもらいたいというわけであって、一挙にやれとか、じゃこれをすぐやれとかいう話をいま一言も言ってないんですよ。そこのところがどうもはっきりしないから、だから各省庁、あるいは沖繩を含めてどういう考え方を持っているんですかということを聞いているわけで、それを間違わないでくださいよ。  今度は運輸省どうですか。
  89. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
  90. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 運輸省はさっき言ったの。——ああそうか。運輸省はそれじゃ自動車だけか。
  91. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 現在参っておりますのは自動車局長でございます。
  92. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それじゃ次だ。
  93. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 私どもの方で所管しておりますのは沖繩の公共施設関係でございます。この方から申し上げますと、まず道路整備でございますが、特に幹線道路について、これまでの整備状況と今後の考え方等を御説明申し上げたいと思います。  沖繩の幹線道路整備につきましては、沖繩特別措置法によりまして補助率等をかさ上げされておるわけでございます。これによりまして復帰以来鋭意その整備を推進してきておるわけでございますけれども、まず復帰記念の五島一周線につきましては、五十二年度までに宮古の一周線を完成させ、西表の北岸道路を貫通させております。また本年度には久米島の一周線の改良を完成させる予定にいたしています。また石垣線につきましては五十四年度に、それから本島の北部一周線、これにつきましては五十五年度にそれぞれ改良を完成させよう、こういうことで考えております。  それから、このほかの一般国道につきましては五十四年度には全区間の一次改築を終わりたい、このように考えております。また二次改築についてもすでに手がけておりますが、かなりの進捗を見せておるものというふうに考えております。  それから先ほど来、話に出てまいります沖繩自動車道につきましては、五十年に北部区間完成いたしまして現在供用いたしておりますが、南部区間、これを石川から那覇までの三十一キロメートルにつきまして敷設しようということで現在路線調査いたしております。これにつきましては、地元の協力を得まして高速自動車国道としてその整備を図りたいと、このように考えておるところでございます。  それから、特に問題になります那覇市内等の問題でございますが、これにつきましては幹線道路が少ないというようなことから生活用の非常に細かい道路にまで通過車両が入り込むというような現状があるわけでございまして、そういったことで、私どもとしては現在国道三百三十号線ひめゆり通り、あるいは環状二号線等の整備をこれまでも手がけてきておりますが、今後大いにこれを推進していきたいと、このように考えております。さらに那覇市内道路、街路網の見直し、これは端的に言いまして、見直しまして十分検討した計画に従って整備をしていかないと、いまの那覇市内どうしようもないのではなかろうかという感じがいたしております。そういったことで、パーソントリップ調査等もいま実施しております。それらの成果を踏まえて道路網の見直しを行い、計画的に整備を進めていきたい、このように考えておるところでございます。  それから、あといまの港湾、空港——やはり沖繩本島自体が離島でございます。四十余の有人島を抱えておるというようなことで、離島との交通、本土との交通、その辺も十分考えながら、港湾の整備、空港の整備等にもいろいろ力を用いておるところでございます。
  94. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 結論的に総務長官、ひとつどうするんだということを。幸いモノレールの問題も出ているし、国鉄の問題も出ているし、そういうものを含めてどうすべきであろうという長官の考え方、それをひとつ聞かしてください。
  95. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 交通変更に伴う渋滞の問題でございますから、これは総合的に交通体制というものを見直していかなきゃならぬと思います。しかしながら、これはやはり最も短期、中期、長期と、こういう見直しの立て方をしなければならぬと、こういうふうに私は考えております。  そこで、先ほど来から警察庁の話を聞いておりましたし、また建設省、運輸省等々の話を聞いておりまして、問題はやはり交通渋滞に伴う一つの問題といたしまして、まあ警察庁交通規制、その他乗り入れ規制と申しますか、そういったものが今年度に見通しがついておる。しかし、交通規制に伴う準備等々の問題が果たしてなされておるかどうか、道路問題が。まあこういうふうな形で、道路整備というものは、いま振興局長から話がありましたが、まあ整備は急いでおるようではありますが、やはり問題として一番重点地区は、やはり垣花、農連前、それから安謝という、こういうところが一番渋滞があるように伺っております。ここについては、すでに農連前は五十四年度に完成、垣花の長大立体橋については来年度から事業費でこれに着工していくと。それから安謝については、もうすでに調査中であり、地元の解決さえするならば来年度が予算の計上する段階である。特に安謝交通渋滞については、臨港道路と申しますか、その周辺の港からの問題で分散できるような体制を進めておると、こういろんなことを聞いておりまして、この重要な七・三〇が解決をさせていただきまして、それから起こる交通渋滞については、やはり政府が責任を持って対処していかなきゃならない。まあ交通渋滞でございますから、そう一遍になかなか解決をするものではないと思いますが、まあできるだけ可能な部分から積極的に取り組んで、やはりこの交通渋滞緩和のために全力を、各省庁と連絡を密にしながら積極的に取り組んで解決をすることがきわめて必要であると、こういうことで、具体的なこの問題はということになりますと大変お答えをできることができなくて大変不満かと思いますが、いま私が答えられる範囲内におきましては、可能な部分から積極的に解決をしていく、こういうことでひとつお許しをちょうだいをいたしたいと思います。
  96. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ごもっともな御意見でございましてね。そのまあ可能なところからやるというやつは、それはもう全くそのとおりだと思うんですね。そういったことは当然なことなんで、先ほどから話が出ているモノレールの導入だとか国鉄の導入という問題がいわゆる宙ぶらりんというか、一つも皆さんの確たる考え方がうかがえないわけですよ。だから、いわゆる総合交通体系といえば、そういうものを含めて考えなくちゃならない問題で、部分的な問題をこうするというのは全く緊急の問題であってね。いま大臣言われたように、短期、中期、長期、その言ってることは全くそのとおりだけれども、それじゃあどれだけのそういう計画ができてるんだというと、これまたちょっとその辺を突っ込むとおかしくなってくるんじゃないですか。  だから私、これ、らち明かないので直接お聞きしたいんだけれども、国鉄は、沖繩に国鉄を導入する考えを持ってるのかどうか、どうですか。——国鉄がいなけりゃ運輸省だよ。
  97. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  98. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 速記を起こして。
  99. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 沖繩に国鉄の導入の問題については、午前中、運輸大臣が所見を明らかにしておられました。  そこで、まあモノレールの問題でございますが、私が昨年十一月二十八日、開発庁長官を拝命いたしましてから、沖繩に三回参りました。その都度、むしろ私の方から積極的にモノレールを呼びかけてまいっております。まあ、これには現地のいろいろな状態があります。知事さんともお伺いをいたしました。また、那覇の市長さんともいろいろお伺いをいたしました。この問題はやはり、政府ということもきわめて大事なことではありますが、やはり何としても県市の協力というものが大変必要ではないかと思います。私は、県市等々が、あるいはまた関係団体等がこのモノレールに対して熱意という——熱意じゃなく、具体的に御要請があるとするならば積極的に取り組むという、この姿勢をお答えをしておきたい、こういうふうに思っております。
  100. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それじゃあ、いわゆる地元で積極的に導入しろと言うならば国鉄を……
  101. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 国鉄は違いますよ。
  102. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 いや、あれでしょう、国鉄を導入するかしないかです。
  103. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) それは私じゃ答えられません。
  104. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 だけど、あなた触れたでしょう、いま。積極的に考えるって言ったんでしょう。
  105. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) いや、モノレールのことです。
  106. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それじゃ、モノレールでいいや。後からモノレール話しよう。  国鉄の問題。どうしてあなただけが残ってる。当然こういう問題が出てくるのあたりまえでしょう。沖繩へ行って、沖繩の総合交通体系の問題が出てきたら、当然出てくるのに決まってるじゃないですか。だから、一部分だけ知ってればいいってもんじゃないですよ、そんなものは。だから、あなたに文句言ってもしょうがないかもしれないけどね。——委員部もしっかりしろよ。遊びにやってんじゃないんだからな。聞けやしないじゃないか、そんなじゃ。  それじゃまあ、モノレールへいきましょう。で、モノレールは四十八年からは建設省だ。で、四十五年からはどこでもって検討を始めたんですか。
  107. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) モノレールの導入の問題につきましては、四十八年から建設省の方で検討いたしております。五十年度から開発庁の推進調査費を入れまして、調査を引き継ぎ継続しておるということでございます。
  108. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 あのね、よく聞いてくださいよ。時間がないんだよ。四十五年から——ここに書いてあるじゃないか、建設省の資料に。「中量輸送機関の導入について、昭和四十五年度から那覇市を中心検討に着手した。」と書いてあるんだ。だから、四十五年からはどこが着手したんだと言うんだ、検討に。
  109. 玉置清

    説明員(玉置清君) 私どもの建設省の調査は昭和四十八年から着手しておりまして、四十五年に那覇市が単独でこの問題に関心を持って調査を始めた経過があるということでございます。
  110. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 では、その後それはどうなんですか、立ち消えたんですか。
  111. 玉置清

    説明員(玉置清君) 五十年以来現在まで、那覇市も調査の当事者といたしまして調査実施に参加をいたしております。
  112. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうすると、少なくとも地元では今後の沖繩の交通体系の一環としてモノレールというものは必要じゃないかという考え方に立っているということだけは間違いないね。だから、そうなると大臣は地元地元と言うけれども、地元はそういう積極的な姿勢を持っているということをどう評価しているんですか。
  113. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 先ほど申し上げたように、必ず起きるであろうという変更後の渋滞等々考え、変更に伴う記念の一つ事業としてやはり私はモノレールが一番いいんではないか、こういう踏まえ方から知事さんにも申し上げておる。それからまた、市長には、再三モノレール問題について何とかひとつまとめてもらいたいと。  そこで、誠意があるとかないとかという、こういう問題は、これはここで申し上げるわけにはまいりませんが、市長としてもいろいろな背景がありますから、私が要請をしたとしても、それでようございますと、それじゃあこういきましょうかと、これはいろんな背景がだれでもあるわけでございますから、私は、目下真剣に前向きで検討をされておられるんではないか、こういう踏まえ方をいたしております。
  114. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それじゃあ突っ込んで聞きますが、さっきからみんな地元のコンセンサス、コンセンサスと言うんですよ。で、いま大臣は、モノレールというのは一番いいんじゃないかと思っていると、こう言うわけです。だから、われわれもそういった着眼があるわけだ。だからこそ、さきほどからモノレールという問題が出てきている。当然進めるべきであると。  そこで、いわゆる何かというと、やはり地元のコンセンサス、いまの大臣のお話でも、いろいろな事情があるんだということなんだ。ですから、そのコンセンサスとか、いろんな事情というのはどういうことなんだと。いわゆる、それはモノレールを建設していく上において一つのネックということになるわけだ。だから、そのネックとは何なんだと、またコンセンサスとは何なんだと、それひとつはっきりしてくださいませんか。
  115. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 午前中の御質問でお答えいたしたわけでございますけれども、モノレールの導入につきまして地元のコンセンサスといいますか、必ずしも整っておらないとこう申し上げましたのは、たとえば現在沖繩における何といいますか、陸上交通を担っておりますたとえばバス協会とか、あるいはタクシー協会とか、こういったものがモノレールの導入に反対しておるという事実等がございます。  それから、那覇市が導入に賛成ではないかとこういうことでございますけれども、どういう経営主体でそのモノレールを運営していくのか。この主体がやはり固まりませんと、なかなかモノレールそのものに着工するというわけにいかない問題であろうかと思いますが、この経営主体をどうするかという問題につきまして、関係者間の意見が必ずしもまとまっていない。それから、経営採算、これまた経営主体にも微妙に絡む問題であろうかと思うのでございますけれども、四十八年に非常に粗い調査をやりまして、それによって一応の経営採算の推定はございますが、かなり抽出率も低く、まあ精度も余りよくないというふうに私ども見ております。  そういったこともございますので、私どもとしては昨年かなり精密なパーソントリップ調査をやりました。それをいま分析中でございます。これによりまして、もっと正確な経営採算の見通し等ができるものと、このように考えております。  そのほかいろいろまだ検討すべき問題が残されておるということでございまして、先ほど五十年度以降、私ども調査費を入れまして、県市とも一緒になってこの調査を進めておるわけでございますけれども、この調査を引き続きやっていきたい、このように考えているのが実際でございます。
  116. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 そうすると——あなたどこですって。
  117. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 私、沖繩開発庁の振興局長です。
  118. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それで、建設省の資料ね、これはある程度のまとめができているわけだ、ごらんになった。——ばらばらですね。さっきも指摘があったけれども、縦割り縦割りと言うけれども。建設省でやっぱりある程度のそういった資料つくっているんですよ。このことについて、この資料に基づいて、じゃ長官はどう感じていますか。これは、そういう重要なあれですから、モノレールについての。
  119. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) いまのモノレール、建設省からどういう資料が出ておるかはまだ見ておりませんが、問題は、現在は開発庁としてまとめ役をいたしておりまして、建設省のそういった計画もこれからの一つの大きな参考として取り入れていきたいと思います。  いま申し上げましたように、私はやはりモノレールは交通渋滞を避けるための一番適切なものであろうと。しかしながら、地元のコンセンサス、これはやはり大事だと思います。問題は先ほど質問がありましたが、国道の上にまずこれをつくり上げるとしても、美化の問題でやはり地域住民のコンセンサスを得なきやならぬ、これも一つの大きな問題です。  それからまた、美化ばかりでなく、先ほど来申し上げたように、やはり経営主体という問題も大事であります。特に現在、沖繩の交通問題について日夜努力をしておられるところの交通業界の方々らが挙げて反対である。こういろいろな問題を避けて、あなた方らは反対してもこれは大変いいんだからということでやっていくということは、とてもこういうむずかしい一つの仕事をなし遂げるのには、私は大変大きながんになってくると思います。  そういう意味で、むしろ着工前にいろいろな合意に達するならば、多少出発がおくれたとしても終着駅の方が私は早くなるだろう。ここで出発を急いで、終着駅がずっとおくれるということよりか、着工前にいろいろな問題を解決をしてからおくれたようであったとしても、終着駅の早い方がむしろ大きな効果がある。県民の各位にも御迷惑をかけず、あるいはまた県市の方々らにも御迷惑をかけず、また各省庁関係者にも御迷惑をかけず、やはりむしろ着工前にあらゆる問題点を論議をしながら、私は早く終着駅に着くことが一番好ましいと、こういうふうに考えております。
  120. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 全くそのとおり。そのとおりだけれども、建設省でも四十八年からやっているんでしょう。それを何年かけた……。   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕  それじゃ聞きますけれども、じっくりと構えてやろう、結構——結構ですよ。だからじっくり構えて、あとどのくらいたてば沖繩のそういう問題が解決できるのか。じゃ、そのめどはどの辺につけているんですか。
  121. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 調査ですから、案外むずかしいというものが——やっぱりどの問題にしても、調査の長くかかるものは大変むずかしいものが多いわけです。そういう意味で、私は、このモノレールというものは、いろいろな面においてむずかしい点があるんじゃないかと——あるんじゃないかでなく、あります。  そこで、いつの時期かというと、大変話題になりかかったのが、以前はモノレールという問題は多少の新聞でもすみの方に出されておったわけでありますが、あらゆる面において、やはり沖繩関係の報道関係というのは多少これを取り上げるようになってきた。こういうような関係から、やはり県民のムードづくりと申しますか、そういったことも前と違ってきておりますから、私は誠意をもって政府がこれに対処するならば、ここで年限はいつとは申し上げられませんが、過去のようなぬるぬるしたテンポではなく、きょうを契機として、私は速やかに結論が出るのではないかと、こういうふうにお答えをしておきたいと思います。
  122. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 もう幾ら話したってこれはらち明きませんので、もうそろそろやめますよ、これは。だけども、私が聞いているのは、たとえばいわゆる地元のコンセンサスという問題、それは合意ができてない。なぜできないのか。こうやっているんだけれども、この点にいわゆる問題点があって、なかなか進まないんだ、そういったところを私は聞かしてもらいたいんだ。それを聞くことによって判断の基準というものが生まれてくるわけですよ。それがわからないでもって、幾らこっちが聞いてみたって、そちらの方としても困るだろうし、そういう意味でどこにネックがあるんだということを聞いているわけです、具体性を持った。それを非常に抽象的な言い回しでもってやっているから、いつまでたったって進まないということなんです。考え方の基本というものがはっきりしていないと、何をやるんだって、それは進みやしないんですよ。そういう意味で私はいろいろと聞いてみたんだけれども、さっぱりらちが明かないので、それで、これからは、ひとつ冷静になって次の問題を聞いてみたい、こういうふうに思うのです。  今度、補償問題ですが、交通方法変更によって移転補償だとか、それから営業補償だとかあるいは融資の問題だとか、こういった問題が出てきているわけです。これについて、われわれが考えて、やっぱり国のいわゆる国策に基づいて行ったことなんだから、それに伴う損失については補償すべきであるという考え方を持っている。だけれども、現地に行ってみると、なかなかそうもいかないようなんで、たとえば移転費について、あるいは営業補償について、あるいは融資の問題、こういった問題についてどういうふうにこれから取り組んでいくつもりなのか、この点ひとつ聞かしてくれませんか。
  123. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 交通方法変更に伴う救済措置につきましては、この交通方法変更によりまして県民が物心両面の御負担をこうむるわけでございますから、これを極力軽減するという基本方針に基づきましてこれまで対処してまいっておるわけでございます。大臣も国会におきまして、そういう問題につきましては、ケース・バイ・ケースでその措置を検討するというふうに方針をお述べになっているわけでございます。そこで、これまで県を通じまして私どもの方に上がってくるものもございますし、あるいは直接私どもの方の沖繩の現地事務所の方においでいただく方もございます。全部で十数件の陳情なり御要請というものが出ておるわけでございます。それにつきまして私ども一つ一つ事情を詳しくお聞きいたしまして、また実情というものを調査いたしました上、そのケースケースに応じた対応策というものを御一緒になって検討しております。  これまで、実は私どもが講じてまいりました方法は、一つには特別融資制度というものを道を開きまして、これによって、たとえばいままで右側にあった店を左側の適当なところに移転したいとか、あるいはいままでの商品と違ったものをこれから仕入れて、若干商売の内容を変えたいと、こういう場合には、その融資制度を御活用いただくということでお勧めしておりますし、すでにこの特別融資制度の活用につきましては十数件のお申し出がありましたし、すでに融資決定がなされたものもございます。そのほか、たとえばお店の前に横断歩道をつけてほしいんだとか、あるいはバスの停留所の設置場所を考慮してもらいたいんだとか、いろいろな御要望、御要請等がございます。それらの一つ一つにつきまして十分事情をお聞きしまして、実は関係向きにそれぞれ御連絡申し上げて、しかるべき措置をお願いすると、こういったことでケース・バイ・ケースで私どもその対応策を講じてまいっておるということでございます。
  124. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 ケース・バイ・ケース、確かにそういうことでなければやれない面もあるとは思うけれども、やはり地元とすれば、やはり融資の問題にしても、どういうケースのものが対象になるのかという、そういったものを知りたいという。で、一々聞いてでなければできないんだということではなくて、そういうものを望んでいるようですね。それは十分検討してみてもらいたいと思いますね。  それから、これ時間がもうないんですよ。時間がないので簡単明瞭に答えてもらいたいんですが、融資の内容ですね、金利の問題だとか、あるいは期限の問題とか、この特別融資制度のいわゆる内容について簡単明瞭にひとつ答えてください。
  125. 三島孟

    政府委員(三島孟君) この特別融資制度は沖繩振興開発金融公庫でお願いしておるわけでございますけれども、融資の対象者は交通方法変更に伴って事業の転換なり事業の移転なり設備の変更をする事業者ということになっております。  それから融資の対象資金は、事業の転換をする事業者に対しましては設備資金及び長期運転資金、それから事業の移転または設備の変更をする事業者に対しましては設備の資金と、これは当然用地取得費を含んでございます。  融資の条件は、融資金額の限度は中小資金につきましては二千万円、生業資金に対しましては五百万円、既往の、これまでの融資残高にかかわらず別枠扱いということにしております。貸付利率は五%でございます。それから償還期限は十年以内、長期運転資金は五年以内。それから据え置き期間は三年以内、これも長期運転資金は一年以内、こういうことでございます。
  126. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 あのね、もう本当に時間がないから端的に伺いますがね、大体期限は十年以内、それから金利は五%。そこで、これは特別融資制度だ。で、いままでにすでに農業関係にしても何にしても、金利が三・五%とか、あるいは返済期限が十五年だとか二十年とかいうのがあるわけです。この場合には、やはりその金利五%というのは相当なものですよ。ですから、三・五%なんというような制度があるわけだから、今度の交通方法変更というのが何によって行われたかということは、何も説明をしなくてもわかるわけだ。そういう趣旨、目的、そういうものから考えても、私はこの五%というのは高いと思う。すでに三・五%というような制度があるわけですよ。だから、それと同じような内容のものにして私はしかるべきだと思う。私はそう思うので、今後その点どう考えていくか。これは、いわゆるつけ焼き刃というか、あわててつくったようなもので、だからそんなふうにとどまっているんだろうと思う。だから、今後その辺をどう考えるのか。どうしていこう——やはりいままでの制度、三・五%なんていう制度があるんだから、やはりこの問題からすれば、それに匹敵する問題だ、あるいはそれ以上かもしれない、だから当然、金利についても、あるいは返済期限についても、相当、その業者が最も有利になるという考え方、こういう考え方を基本にすべきだろう。そういう考え方を基本にした場合に、これじゃ少し高いんじゃないか、もっともっと期限も延ばしてやってもいいんじゃないか、こんな感じがするわけですが、その点どうですか。
  127. 亀谷禮次

    政府委員(亀谷禮次君) 直接、交変にかかわる御質問の問題は窓口が交対室でございますけれども、私ども沖繩金融公庫を監督しておる役所といたしまして、大蔵を含めた関係省庁でこの方針を決定する経緯を踏まえましてお答えをいたしたいと思います。  なるほど、先生おっしゃいますように、国家的な事業による代替の融資でございますから、一%でも二%でも金利が、できるだけ地元の方の御希望に沿う線に低いということは、需要に応ずることは申すまでもございません。ただ、先生、先ほど申されました沖繩公庫の持っております一般的な金利体系の中で、中小企業あるいは生業資金の金利体系も、本土よりはかなり有利に、かつ安い金利になっておりますが、それらに比べましても、私どもが申し上げますと恐縮でございますが、かなり思い切って低い金利で融資をしたと思っておりますが、他のそういった問題との均衡もございまして、一応五%ということに決定した経緯がございます。
  128. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 あのね、あなた一沖繩というものを対象にして物を考えているからそういうことになるんで、私はもっと大きな立場から物を言っているわけです。沖繩ももう日本国ですよ。そこを忘れているんじゃないか。沖繩金融公庫ではこうだから、だから、そのいわゆる兼ね合いを見て五%にしたんだという言い方、考え方、それは、まだ復帰前の沖繩みたいなことを考えているんじゃないですか。沖繩はもう復帰した堂々たるいわゆる日本の一部なんです。だから、日本の、いわゆる融資制度の体系というかな、その中にはめ込まれていいはずです。日本全体から見れば三・五%なんていう安いものもあるわけだから、そういう立場から物を考えるべきだと、私はこう申し上げているわけです。いいですか。——返事しないから、余り気に入らないらしいな。  まあ、長官ね、そういったことですから、よく考えてください、そこのところ。何らかの結論を出してくださいよ、だてに聞いているんじゃないんですから。やっぱり、何のために地元に行ってきたかといえば、それは大きな意味があり、意義があるんですから、それを踏まえて言っているわけですから。あるいは、もっと全体のバランス——沖繩だけのバランスをいま言っているんですよね。私は日本国のバランスを言っているんだ。——だんだん総理に似てきちゃったね。本当よ。だから、十分考えて。——時間がないから。あと二分だ。  そこで今度は、バス会社が四社あるでしょう。一千三十台新車を入れましたようね。——入れたでしょう。そうすると、これの金利とそれから元金、これは三年据え置きで四年目から払う。そうすると、払うようになると、まず初年度幾ら払うようになりますか、元金とそれから金利とを含めて。
  129. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 御指摘のとおり、沖繩のバス対策といたしまして約九十億円の補助金をもちまして対策を講じてまいったわけでございます。  で、代替につきましては、私どもの出します補助金と車両購入費との差額に相当する部分につきまして、沖繩振興開発金融公庫からの借り入れをするということでまいっておるわけでございます。借入額が三十七億四百万円、借入条件は五・八%の特利、償還期限は八年のうち三年据え置き、こういうことで対処をしてまいったわけでございます。通常の金利は六・一%、償還期限は五年でございますのを、先ほど申し上げましたような有利な条件でこれに対応したい、こういうことで措置してまいったところでございます。   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
  130. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 時間がないのに——だから、もう時間がないからこれでやめなくちゃならないんだけれども、そんなことを聞いているんじゃないんですよ。千三十台買ったでしょう。その千三十台の金額というのは決まっているんですよ、こんなこと。返済のときに元利含めて幾ら初年度に払うようになるのだと、それを聞いているんです。
  131. 梶原清

    政府委員(梶原清君) どうも恐縮でございました。初年度は七億四千万円でございます。
  132. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 それね、本当は四社の経営状態もちょっと聞いてみたいんだけれども、余り詳しいこと言えないかもしれない。七億ですよ、それを四社に平均して分けてごらんなさいよ。本当にいまでも経営が非常にむずかしいと言っているんだ。そういう中で、それ本当に現実性がありますか。そういった点をどう踏まえているのかな。
  133. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 沖繩のバス事業の経営実態等につきましては、非常にむずかしい状況にあるということは十分に承知いたしております。しかしながら、今度の交通方法変更に伴います補助あるいはこの融資等につきましては、一定のルールに沿いまして最大限の措置をとってきたつもりでございます。また、この融資の条件につきましてでございますが、融資の条件を十分配慮をした上で経営上の負担がないように補助金でもちまして対応してきたつもりでございます。
  134. 上林繁次郎

    上林繁次郎君 委員長、最後です。  なぜこんなことを言うかというと、いま自体もう経営が非常に苦しいんだ。そこで、今度国策によってこうなったんでしょう。それで、あなたの立場から言えば最大限のことをしたんだと、それはわかる。だが、最大限のことをしたからそれでいいというものじゃなくて、いわゆる実態というものはじゃどうなのかと言えば、いま言ったように七億からの金を今度は返済しなければならないんだよ。それが本当に可能なのかどうかという問題、こういった問題もあるんだよ。そういった点をやっぱり十分に検討しなければいかぬだろうと思う。それがいわゆる運賃にまたはね返るという可能性は十分あるんですよ。だから、そういった点をもっともっといわゆる善処していかなければならないんじゃないか、もっともっと手厚く考えてあげなくちゃならないんじゃないか、というものを私は感じて帰ってきたから、だからいま言っているんです。長官もそうですよ、総務長官、全体の立場からね。あなた、全体の立場をおれは見ているのだから細かいこと知らぬみたいなことを言ったけれども。そういう問題があるのだから、実際現実性のある対策というものをやっぱり講じていかなければならない、こう私は思う。  そこで、最後に言っておきたいことは、沖繩が四十七年に復帰して、そのときは国民挙げて、ああ御苦労さんでしたとみんな迎えた。役所も音頭取って一生懸命でその宣伝をやった。そうして帰ってきた。交付税についても特例なんかを設けてどれだけかの待遇をした。それはもう切られた。そういったことで、それじゃいまはどうかというと、いわゆる沖繩という存在は、大変苦労して特別ないわゆる県であるというそういう意識、そういうものが復帰後六年たってだんだんだんだん私は薄れていると思う、皆さんの考えの中に。観念的にはあっても、いわゆる現実の問題で一つも手が打たれていかないということは、それはもう観念でしかない。だから、そういうことでは沖繩の今後の発展というものはあり得ないんですよ、おくれているんだから。だから、ここでいわゆる初心忘るべからずだ。その復帰したときの感慨、それはどうだったのか。何とか沖繩を復興させていかなければならない、県民にこたえてあげなくちゃならないというその真摯な心構え、そういうものを、いままたここで思い出すべきだ。そして、一地方の沖繩だということではなくて、日本の全体の中の一部であるということではなくて、特別な沖繩だという考え方をここで明らかにすべきだと私は最後に一言申し上げて——一言じゃないな。大分申し上げて終わりたいと思います。ありがとうございました。
  135. 山中郁子

    ○山中郁子君 沖繩の交通方法変更に伴う問題について数点政府の対応と改善のお約束をお願いしたいという立場で質問いたします。  第一点は、経済的損失補償の問題です。けさほど来からの質疑もありましたけれども、若干重複する点を含めてお尋ねをいたします。  この問題は実施以前にすでに多くの経済的損失が予想されておりました。具体的には実施以前に安里三差路のバス停、商店街の方々、あるいは漁網、漁具店の方々、保育所バスの問題など十四団体から損失補償の要請が出されています。交通変更後も、けさほど安恒理事から御報告がありました委員会の視察の結果の中でも指摘をされておりますけれども、こういう損失に対して、政府のいままでの答弁というのは、いま議論もありましたが、長期低利の融資で補償ということを言っておられますけれども、一つ問題なのは、この融資というのはあくまで融資であって、返さなきゃいけないわけですね。莫大な返済額が来るわけです、いずれにしても。私はこの点について、いままで総務長官も国会質疑の中でケース・バイ・ケースで救済措置をとっていくんだと繰り返しおっしゃっていますけれども、実際上起こっている経済的損失について、融資ではない補償、その点が本当に必要だということが切実な要求になっていると思います。こういうところに一歩踏み込んだ積極的な、そして住民の期待にこたえる、被害者の期待にこたえる助成、救済措置をとられる必要があると考えておりますけれども、基本的なお考えを伺います。
  136. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 右から左ということでありますから、商店、経営の営業上においてやはりこれは利害得失、また、人は右ということでございますから、流れが左で人は右ということでございますから、これから起き得る問題は私はあると思っております。そういう意味から具体的な一つの情勢を把握する、こういう意味から現地に担当官を駐在をさせて、積極的に懇切丁寧にこの衝に当たっておるわけであります。  私が現在承っておる範囲内では、十数件こういう営業上の救済措置というものがなされて、大変好感を持たれておると、こういうふうに承っておりますので、今後も補償という問題になりますと、なかなかいろいろな問題でむずかしい点が私はあり得ると思いますが、現在でき得るのはいま申し上げたところの救済処置でございまして、できるだけ親切丁寧に、しかも積極的に解決をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。
  137. 山中郁子

    ○山中郁子君 そうしますと、お伺いしたいのは——融資を求める方に融資の措置をとることは当然です。それはそれで結構なんです。融資だけでなくて、返さなくてもいい助成ですね、補助、そういうこともケース・バイ・ケースでやっているんだと、いままでもそういうことで解決をしたんだと、それで好感を得られているんだと、こういう御答弁ですか。
  138. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) そういう考え方はそれはいいことだと思いますが、現在の制度上から考えましても、現在のいろいろな情勢を踏まえても、補償というか、こういう問題は無理である、現在のできる、可能な状態というのは、いま申し上げたところのケース・バイ・ケースで救済処置をとると、ここが最大限の私は協力でなかろうかと思っております。
  139. 山中郁子

    ○山中郁子君 私は、この交通方法変更以前から、この委員会でも議論になりましたし、さまざまなところで論議をされていますが、政府が国策としてやるんだから、現地の住民には何ら責任がない問題で、しかも多大な被害をこうむると、そのことに対して誠意を持って地元の人たちに被害を与えないように救済措置をするということは、当然のことながら融資も含まるかもしれないけれども、実質的な補償でしょう。それはもうあたりまえの話ですね。それが制度上無理だとおっしゃっているんだったら、実際上いままで長官が何回も繰り返してこられた損失を受ける人たちの補償ということにはほど遠いものにならざるを得ないと思いますので、ぜひそこのところの壁を御自分でつくるのではなくて、あくまでも国の政策でやることについて国が全面的な責任を持ってやるんだということを、いままでおっしゃっていたことにのっとって、実質的な補償を求める方たちを含めて、ケース・バイ・ケースで積極的に、そして中身のある、本当の地元の好感を得られる処理をするよう、一歩踏み込んで検討もし、対策もしていただきたい、少なくとも研究をしていただきたい、このことのお約束をいただきたいわけですけれども、いかがでしょうか。
  140. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 今度の交通変更というのは、いま御指摘のとおり、国の政府で実行したわけでございますから、あらゆる問題においては国の責任においてやってまいったわけでございますが、営業上の問題については、これは先ほど来御指摘もありましたが、事業転換による融資制度というのは、これはやはり沖繩の今度の交通変更ということを頭の中に置きながら、やはり本土ではない制度をつくり上げておるということだけは申し上げることが私はできるんじゃないかと思います。  そこで、融資というのは、旧債というのはあくまでもこれは返済しなきゃならぬ。そこで、返済もしなく、金利も要らない制度を何か見つけろということでございますが、私の能力の範囲内ではなかなかそのようなものを見つけるのには困難であります。
  141. 山中郁子

    ○山中郁子君 それは、総理府総務長官の、この問題についての最高の責任を持つ方の答弁とも承れない御答弁だと思います。大変限られた時間でございますので、これだけに時間をとるわけにいかないので、この点については引き続き追及もし、善処方を要望もしていかなければならないと思っております。個人の責任ではないし、一概に言えないさまざまな経済損失が出てきているわけですから、その点についてむしろ積極的に政府調査をして、そしてこの方たちについてはこういう補償をすると、その基準もはっきりさせるというところに責任を持って踏み込んだ救済のための施策を出すべきだということを申し上げておきます。  この経済損失の具体的な問題として、以前から問題になりましたし、また陳情も出ている問題ですけれども、保育園や幼稚園の通園用のバス補償について解決がされていないということがあります。こうした問題はほかの点でもございますけれども、これが実際に陳情をされた方たちが一体その問題がどうなったのかということを御存じないままに施策らしきものが進められているという面もありますので、政府がもう少し責任を持って何らかの措置をとる気があるなら、とっているなら、それはちゃんと県を通じて陳情者にもお話をして——そうしなければ、知らないままに過ごしていたら、その施策についての権利を受けられない。で、それはそのままで過ごしてしまう。何か気がつかないで済んでしまえば出す分も少なくて済むみたいな、こういう横着な気分があるのではないかとさえ思われるようなルーズなやり方にいまなっていると、私は調べた限りでは思います。その辺はどうなっておりますか。どういう救済措置をとっていらっしゃるのか。
  142. 三島孟

    政府委員(三島孟君) ただいま御指摘のとおり、私立の幼稚園あるいは無認可の保育所につきましては、国の方針等もございまして、その代替措置については財政措置が講じられなかったわけでございます。この点については、沖繩県自体においてもなかなか議論が分かれたところのようでございます。しかしながら、交通安全上の見地から言って何らかの措置を講じてもらいたいという県としての強い御要望がございましたので、私どももいろいろ苦心いたしまして、実は大手の自動車会社に協力を求めまして、できるだけ有利な条件で買いかえ措置ができるように取り計らってもらうようお願いしたわけでございます。もうほとんど実は結論が出かかっておるわけでございますので、恐らく近日中にはそれぞれの関係向きのところに御連絡できるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  143. 山中郁子

    ○山中郁子君 私が調べた範囲では、三月に沖繩県知事から陳情者に対して、国からは補助はつかないが、政府の方は別の方法を考慮しているということで回答があって、そのままになっていると。一方、自動車のセールスマンの方は、三十万円ほど後でおりるからということで、事前にもうやむを得ず買いかえた方がいらっしゃるわけですね。とにかく子供の生命にかかわる問題ですから、非常口から乗りおりさせているというようなことがありまして、大変急いで解決をしなければならない問題、そういうことが言われています。しかし、その買った人はそういうふうに聞くけれども、実際上ほかにたくさんの該当者がいらっしゃるにもかかわらず、すべてにきちんと責任を持って周知されていない。これは私、大変ずさんなやり方だと思います。総務長官が誠意を持って積極的に救済措置をとるとおっしゃっていることに照らし合わせると、余りにも実態はそれが貫徹をされていないこれは一つのいい例だと思います。  それで、一体いま話が結まっているとおっしゃっているけれども、メーカー側のセールスマンが言っていらっしゃる、三十万円ほど後で補助金が出るという意味なのかどうなのかよくわかりませんけれども、そういうことはどういうふうに詰まっているんですか。
  144. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 実は、バスの種類もいろいろございますので、一つのメーカーだけの問題でございませんので、まだ全体の話がまとまりかけておる段階でございますので、その内容についてはまだきょう申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、それぞれかなり有利な条件で買いかえていただくという方向でいま話がまとまりかけておるということでございます。
  145. 山中郁子

    ○山中郁子君 私、直接トヨタに聞いてみたんですよね、営業所に。そうしましたら、総理府の方から名簿まで来ていると。三十一ヵ所の通園用バスを持っている保育所、幼稚園の名簿が来ていて、この人たちが買いかえるといった場合には三十万円とか三十五万円とか値引きして売るようにと、こういうものが来ているというんですね。それだったらいまの室長のお話と違うじゃないですか。もうすでにそういうことで、おたくの方も、対象者がだれでどういう名簿があってと、そして幾らそれを値引きするということをメーカーにもう指示していらっしゃるわけでしょう、私が聞いたところが本当だとすれば。だったら、そういうものをもっとちゃんとやらなくちゃいけないし、また国だって、ちゃんとどういう形で補償をするのか助成をするのかということ御答弁できるはずでしょう。県の方にだって、そういうことをはっきりお話なさらなきやおかしいでしょう。その点はどうですか。
  146. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 私どもの方としましては、それぞれの自動車会社からの正式のまだ御連絡がございませんので、その内容についてはお答えしかねるわけでございますけれども、それぞれの自動車会社につきましては、やはり下調べということで、いろいろな御調査なり何なり実態の把握には努めておられるだろうと思います。その間のいきさつについては私ども承知しておりません。いずれにしましても、まだ正式な御連絡はないわけでございます。
  147. 山中郁子

    ○山中郁子君 正式の御連絡がないんじゃなくて、総理府の方から本社を通じてこういう人たちが買いかえた場合にはこういうふうに売りなさいと指示が来ているというんですよ。だから、いまそれはあなた御存じないとおっしゃるから、そのことについては至急調べて報告をしてください。  それとあわせて、私は先ほども申し上げましたけれども、こういう実態を見ますと、どうもあわよくば気がつかないで済ませる方はどうぞ済ましてくださいという感じで、いかにも出し渋っている感じですね。第一、その減額というか、割り引きについても、どういう性格のもので、それはメーカーが割り引きをして持つのか、国が助成をするという対象に含めているのか、そういうような中身もはっきりしませんけれども、いずれにしても、そういう態度ではなくて、積極的に救済をするんだということをしっかり政府が立って、そしてむしろ経済損失者や団体に相談に乗るからどうぞ来てくださいということで新聞に広告を出すとか、政府もいろいろ広告を思い切ってお金使ってお出しになることがずいぶんありますけれども、こういうことこそ広告を出して、そしてああこういう対策をしてくれるのか、それでは相談に行こうということで、住民の注意も喚起するし、需要も促進するという立場に立つのが本当の私は救済だと思います。そういう点で、いま申し上げましたようなことも含めて住民に相談に乗るという積極的な広報を政府としてしていただきたいということで、そのためには先ほど総務長官は現地に駐在員も残してとおっしゃいましたけれども、お話を伺いますと、いま現在二名残っていらっしゃるようですけれども、これはもう少しやはり充実させて相談に乗る体制も強化するということが必要だと思います。それが二点目です。  それから、幼稚園と保育園の通園バスにつきましては、どういう対策をとられるのかということについては早急に御報告をいただくわけですけれども、それを来た方だけたまたま救済するというのではなくて、すでにもう事前に買いかえた方、あるいはおたくが周知したとメーカーの方では言っておりますけれども、名簿に載ってないところもたくさん該当があるわけですね。ですから、そういうことも改めて全面的に、完全に調べて措置をする、この点についてのお約束をいただきたいと思います。
  148. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 実は私どもの方としましても、この問題につきましては非常に苦心をしておるところでございまして、実は正式には国の財政措置ができていないわけでございますから、事実上の措置として各民間会社にお願いしておるわけでございます。先生、いろいろお話ございましたけれども、私どもの方としもできるだけのいま措置を講じてきておるわけでございますから、それがまとまり次第御報告申し上げたいと思います。
  149. 山中郁子

    ○山中郁子君 部分的にメーカーに協力させるということだけではない、全面的なやはり補償が必要だと私は思っております。そのことも申し上げておきますけれども、御報告いただくことはいいとして、いま申し上げました三点について積極的な広報、それから漏れる方がないようにということですね、それから駐在員の体制についても一層充実強化されたいということについては前進的に対処をしていただくということでよろしゅうございますか。長官からお約束をいただければ結構でございます。
  150. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) いまの駐在員の、担当官でありますか、二名、全く優秀な人が駐在をしておるのでございまして、それで足りないのか足りるのか、御指摘の点はひとつ慎重に検討してみたいと思います。  その他の問題については、これは大変金額的にも——しかしながら、事柄は大変大事な、また高いことでございますから、私といたしましても、できるだけ速やかな結論をと、こういうことでまた再度の御質問を願っておるわけでございますが、近く結論が出るようでございますので、できるだけ速やかに御期待に沿うよう努力をいたしたいと、こういうふうに思います。
  151. 山中郁子

    ○山中郁子君 周知もやってくださる……。  二点目に渋滞対策の問題です。  これはいろいろないままでのやりとりがございました。その上に一つだけ具体的にぜひとも要望をしたいので、防衛施設庁おいでいただいておりますでしょうか。——基地の道路の開放の問題です。先ほど議論も多少ありました。時間が余りありませんので、具体的にこの道路についてということで政府がはっきり渋滞対策の緩和のために米軍に対してもきちんとした姿勢で交渉をし、実現をしていただきたいということです。那覇の小禄の自衛隊の第二ゲートから那覇空港に抜ける道、これが国道三百三十一号線が混雑をするので、空港に勤務する人たちの車が渋滞地域に入らなくなって緩和されるということが期待できます。この点が一点です。  それから二点目として、国道五十八号線沿いにある上之屋のハウジングエリアですね。この中を通り抜けて安謝に行く道路です。これによって五十八号線の混雑緩和が期待できるということで、この点についての道路の開放ですね。  三点目は牧港、これも米軍基地ですけれども、補給地区の中の一番海岸に近い道路ですね。この道路がやはり五十八号線の緩和に役立つということが期待されます。具体的にその三つの点について、ぜひ道路の開放を実現できるように対処をしていただきたいということです。同時に、沖繩市でも渋滞がひどくなっておりますので、嘉手納基地の第一、第二、第三ゲートをつなぐ道、これの開放方を政府として米軍に交渉して実現を図っていただきたい。当然のことながら、もう基地なんて撤去すべきだというのが私たちの主張でございますけれども、いまの問題として、この道路交通方法変更に伴う渋滞の当面の緊急の異常な事態と先ほど委員長言われましたけれども、そういう事態の緩和のために最低の対策として防衛施設庁で御努力をいただきたいものだと思っておりますが、いかがでしょうか。
  152. 作原信一郎

    説明員作原信一郎君) ただいま御指摘のありましたそれぞれの施設は、いずれも米軍または自衛隊にとって重要な施設でございまして、それらの機関におきましては、それらの施設内の一部について自由に通行を認めるということは管理上支障を来すということで難色を示しております。そういうことでございますので、一般の通行を認めることは非常に困難であろうと思います。しかしながら、牧港補給地区につきましては、これは単独で開放するということではなくて、国道五十八号線の渋滞緩和を図るためにほかの施策と総合的な計画が立てられて、そういった計画が具体化されますならば、関係機関と十分連絡の上、それらの部分的な返還について米側と折衝をしていきたいというふうに考えております。
  153. 山中郁子

    ○山中郁子君 その他のところも、管理上支障を来すと米軍が言っているから、はいそうですかと言って引き下がるんじゃなくて、あなた方やはり米軍に対して日本の国民の権利と利便を図るという立場に立たなきゃいけないんですから、趣旨はもう先ほどからの議論で十分おわかりだと思いますので、引き続き御努力をお願いをしたい。その点はよろしゅうございますか。
  154. 作原信一郎

    説明員作原信一郎君) それぞれの施設につきましては、実態的に中を通すこと自体が基地の管理上あるいは警備の関係から言いまして非常にむずかしくなるというふうに考えられますので、その点は非常にむずかしいものと考えております。
  155. 山中郁子

    ○山中郁子君 決してそんなことはないです、実態上も。だけれど、それは水かけ論をここでしていてもやむを得ませんから、基地の道路の開放がいま当面異常な事態とまで言われる渋滞に対して大きな効果が期待できるという問題ですから、一般的に総務長官から、それでは政府の態度として積極的な働きかけをしてくださるということについてのお約束をいただいておきたいと思います。
  156. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) まあ、所管は防衛庁ということでございますが、いま御指摘の国務大臣という、こういう立場でいまの御指摘の点につきましては防衛庁長官に申し入れをいたしておきます。
  157. 山中郁子

    ○山中郁子君 総合的な交通体系の問題でモノレール、鉄道建設が課題になっております。で、モノレールの点につきましても当然のことですけれども、私もぜひ国鉄の建設、鉄道の建設ですね、この問題についてやはり政府がきちんとした姿勢を明らかにして、しかるべき努力をしていただくということでなければ、先ほど上林委員の方からも御指摘がありましたが、らちが明かないということになると思います。これは直接の交通方法変更関係しないという面もありましたけれども、すでに四年前に沖繩県議会で国鉄導入の決議をしているわけです。そして、この問題は国会でもいろいろ取り上げられて、その都度慎重に検討するというような答弁でずっと来てるんですね。それで、五十年の二月の衆議院の予算委員会の分科会で、当時の木村運輸大臣が陸上交通機関道路だけでは不十分だということは答弁していらっしゃる。当然のことながら鉄軌道の問題を考慮に入れていらっしゃるわけです。それから五十二年の二月の衆議院の本会議で共産党の瀬長議員が代表質問の中でこのことを要求したのに対して、福田総理大臣が慎重に検討したいということを答弁されております。それから、その後も引き続き慎重に検討するという答弁が続いているわけです。で、いつまで何年間慎重に検討するのかわかりませんけれども、そういうことにならないように、国鉄が、まあごく基本的に言って沖繩にはやはり鉄道が必要だと考えていらっしゃるのかどうか、そこのところを端的に聞かせてください、運輸省のお考えを。
  158. 山地進

    説明員(山地進君) 長いこと検討を続けているという御指摘でございますけれども、実はこの問題は沖繩振興開発計画において、「交通体系整備にあたっては、各種輸送機関の特性を生かした合理的な機能分担のもとに、計画的、一体的整備をすすめる必要があり、」と、こういうふうに述べられております。私どもとしても、一体沖繩における最適な交通体系がどんなものだろうかというような御判断を得て鉄道というものを引くべきだろうと、かように考えておるわけでございます。  それで、先生の国鉄を引くかどうかという話でございますけれども、国鉄も鉄道の一部でございまして……
  159. 山中郁子

    ○山中郁子君 鉄道でいいですよ。
  160. 山地進

    説明員(山地進君) 鉄道が大量な輸送形態として省エネルギー的に非常にすぐれたものであるということはもちろん御存じのとおりでございますけれども、実は国鉄自体が非常に屋台骨を揺すられているということと同時に、地方の交通線というものをどういうふうに維持したらいいだろうかというような問題にただいま直面しておりまして、私どもとしては、沖繩のみならず、地方交通線を一体どういうふうに経営していったらいいだろうか、道路と鉄道というものをどういうふうなバランスをとっていったらいいだろうかということにつきまして検討を進めつつありまして、今年度末までには地方交通——沖繩はもちろんその地方交通だと思うんでございますけれども、そういうものを含めまして整理して考えていきたいと、かように考えております。
  161. 山中郁子

    ○山中郁子君 もう一つちょっとそれじゃ聞かせてください。  鉄道の経営主体は別としても、いずれにしても、沖繩振興の立場からも、いま縦貫鉄道がないために観光客も中部の方まで行かない、足を伸ばさないという問題もあるわけですよ。それだけじゃなくて、いろんな問題がありますけれども、当然のこととして日本では沖繩県だけに鉄道がないわけでしょう。これはまた国民の側としても大変不公正な問題、そういう立場から総合的な交通体系が現実に叫ばれているということですから、何らかの沖繩縦貫鉄道が必要であるということについては、運輸省としてもそういう見解は持っていらっしゃるということですか。
  162. 山地進

    説明員(山地進君) 私の申し上げたのは、鉄道が必要かどうかということは、まあ鉄道というのが世界的に見ていま道路の輸送に相当圧迫されている。これは世界的な現象で、旅客輸送というのは、ほかの国ではほとんどもう死滅しつつあるというような状態だと思うんです。そこで、沖繩における鉄道というのがどういうふうな特殊情勢にあるかという、もちろんそういうことは考えなきゃいけないとは思いますけれども、いま直ちに今後の道路の建設計画とかそういうものと整合性のあるような形で一体鉄道が引かれるかどうかということが鉄道建設ができるかどうかの一番の問題だろうと、かように考えております。
  163. 山中郁子

    ○山中郁子君 まあ、らちが明かない部類の一つの問題ですけれども、いつまでも慎重に検討だということほど無責任な答弁はないんであって、何回、口でこの問題について政府の国策であると、だから政府が責任を持って、誠意を持って解決をするんだと言いながら、鉄道建設一つについても運輸省・政府の姿勢がはっきり示せないというようでは、それがいかに中身のないものであるかということを露呈するにすぎないことだと私は思います。責任を持った積極的な鉄道建設についての推進、判断、それを早急に政府として行うべきだということを主張もし、要求もいたしておきたいと思います。  で、きょうのこの機会に、沖繩の問題と別に、一つだけ国鉄問題についてお伺いをいたします。  これは国鉄の飯田線の運行の問題についてです。いわゆる過疎地域における住民の要求に見合うダイヤの充実ということになります。先日、私は地元の方々と御一緒に国鉄の当事者の方に陳情の趣旨もお話をしましたので、よく御存じだと思いますけれども、具体的に簡単に申し上げますと、愛知県の中部天竜から豊橋間——飯田線ですね、ここの部分に地元から大変強い増発の要求が出ているわけです。当然この中には、沿線に最近高校が新設をされまして、増設をされまして利用者がずいぶんふえている。それに非常に電車が少ないし、また無人駅もあるということで、高校生のたまり場になったり、いろいろな社会問題にもなっているという事態もございます。それで、地方自治体においてもさまざまな要望が国鉄にされているということですから、当然その要望も複線化やスピードアップ、あるいは駅の有人化、運転区間延長その他がたくさんございますけれども、当面最も切実に要望されているのが運転区間延長の問題なんです。で、これは具体的に申しますと、飯田線の新城駅で上りで午前十一時五十三分が出てから午後の二時十三分まで、二時間二十分間も電車がないんですね。電車がないためにみすみす高いバス賃を払ってバスに乗ってお使いにも行くというような実情です。ですから私は、国鉄は収入をみずから減らしているんではないかとも思いますけれども、実態としてはかなりの利用者がございます。それからまた、学校の学生の問題もあります。それで、十月のダイヤ改正でも若干縮まりますけれども、二時間十一分間電車がないという事態になるはずです。休日になりますと、この間に一本電車が入るわけなので、ぜひとも休日以外でも、普通の日にもこの休日に入る一本の電車を入れてほしいというのが具体的な当面する要求なので、ぜひともこれの実現方をお願いをしたいということです。いかがでしょうか。
  164. 畑耕平

    説明員(畑耕平君) 過般の十三日に、私ちょっとお会いできませんでしたけれども、担当の者がお伺いいたしまして、趣旨はよく承知をいたしております。そのときにちょっと申し上げたかと思いますけれども、二つ、三つ問題がございますけれども、この下り列車を中部天竜まで延長するということになりますと、この車両運用、ダイヤの関係でなかなか、全面的に時刻改正をやらないとちょっとぐあい悪いという点がありまして、すぐにはなかなか延長運転をするということがむずかしいということのようでございます。  それからあと、上りにつきまして、休日運転を毎日運転あるいは土曜運転という御趣旨も伺ったのでございますが、毎日運転というふうにいたしますと、この国鉄、御存じのような厳しい財政事情の中でございますので、非常に要員の合理化とか、あるいは収入と経費の比率について非常に厳しい合理化を迫られておる現状でございますので、まあすぐ御要望に沿うということについては非常にむずかしいというふうに申し上げたと思います。ただ飯田線につきましては、御指摘のように、かなり時隔があいておりまして、これが新城の近所のみならず、奥地へ参りますともっとあいているところもございまして、非常に学校その他からも御要望がございます。静岡の管理局としてはこれらをひっくるめまして、さっき話が出ました地方交通線でございますから、経営状態も非常に厳しい中でございます。まあ、いずれにしても要員を伴う問題なので、最低限のものでどこに——地域の、線全体としての中の緊急度を見ながら検討したいと、こういうふうに申しておるというのが実情でございまして、いまここでこういうふうにいたしますというふうにお答え申し上げるのができないのが残念でございますけれども、今後検討を続けたいというふうなことを、静岡管理局としてテーマとして持っているということを申し上げておきます。
  165. 山中郁子

    ○山中郁子君 いまおっしゃいましたけれども、土曜日だけでも、土曜日だけでも——学校が結局お昼で終わりますでしょう。そうすると大変その時間にぶつかっちゃうわけですよね。だから土曜日だけでも、せめて休日に運転するダイヤを一本入れてくれと、これは私はそんなむずかしい問題じゃないと思います。というのは、現実に車掌さんや運転士さんの要員の問題に絡んでくるというお話なんですけれども、そのときも実際上御説明いたしましたが、現実に運転士さんや車掌さんは、車両を置いて乗務員の方たちは便乗して任務につくというやり方をしているんですね。車両は別にあるわけですわ。車両がなくて、新しくつくらなきやならないということじゃないんですね。だから、その車両に乗ってそれを運転していけばいいんだということは現場の方たちが言っているし、国鉄労働組合でもこれを要求をしているんです、むしろ。そういう問題なんです。その辺はよくお調べをいただいた上で、早急にこんなささいな——本当にささいな要求だと思いますよ。実際上もそれで手当てができるならば、後は国鉄の決断だけで、それこそが私はやはり国民に奉仕する国鉄の基本的な姿勢のあらわれとして、すぐにでも実行していただかなければならない問題だと思います。それで、いま全然やらないよというお返事でもなかったようなんですけれども、もう一つはっきりしませんが、なるべく当面まず土曜日だけでも、そしてウイークデーも休日ダイヤ並みの運行を近い将来のダイヤ改正で実現をしていただくということにぜひ御努力をいただきたいと思いますが、重ねて御答弁をお伺いします。
  166. 畑耕平

    説明員(畑耕平君) 確かに車両はございますし、要員としても日曜日やってるものを土曜日だけということでございまして、まあ乗務時間のいろんな決めがございますから……
  167. 山中郁子

    ○山中郁子君 多少はありますでしょうね。
  168. 畑耕平

    説明員(畑耕平君) まあ若干名増加すると思いますが、この辺、緊急度との絡み——さっき申しました全線の緊急度の絡みでございますけれども、ただ、おっしゃるように、土曜日というとやはり休みの午後という感じになりますので、その辺、次のチャンスに生かすような形で何とか静岡の局に話をお伝えして計画を練らしたいと、こう考えております。
  169. 山中郁子

    ○山中郁子君 終わります。
  170. 田渕哲也

    田渕哲也君 それでは、私はまず沖繩の七月三十日の交通方法変更に伴う交通事故の問題についてお伺いをしたいと思います。  まず、七月三十日以降の交通事故の発生状況について説明をいただきたいと思います。
  171. 杉原正

    政府委員杉原正君) 七月三十日から昨日までの沖繩県交通事故の発生状況を昨年同期との対比で申し上げたいと思います。  発生件数二百三十件、昨年対比マイナス六十二件、%にしまして二一・二%減、死者数六人、昨年同期に比べましてマイナス十一人、減少率でマイナス六四・七%、けが人二百九十四人、昨年対比でマイナス八十六人、%にしまして二二・六%減という状況でございます。
  172. 田渕哲也

    田渕哲也君 ただいまの説明を聞きますと、交通方法変更以来、事故発生件数も死者数も負傷者も減っておるような説明であります。しかしながら、さらにその詳細を見てみますと、この八月いっぱいの状態とそれ以降の状態かなり違ってきておると思うんですね。その変化の模様についてお伺いをしたいと思います。
  173. 杉原正

    政府委員杉原正君) 発生件数と負傷者につきましては大体同じような傾向で推移をしておりますが、九月に入りましてから死亡事故が発生をいたしておりまして、四件五人の死亡事故になっております。八月の三十一日に死亡事故がありますので、合わせて先ほど申しました五件六人でございますが、四件五人が九月になってからいうことでございます。これを非常に憂慮をいたしておるわけでございます。ただ、死亡事故がこういう状況になりましたので、内容でございますが、これは五件六人いずれもいわゆる未成年といいますか、少年の自動二輪の暴走運転によるものでございます。いずれも同乗者が後ろにおりまして、ほとんどの者が、単独でヤシの木にぶつかるとか、あるいは右折のトラックにぶつかるとかいうふうなことで、中の一件は無免許でございますし、あとの一件は七百五十ccに乗っておりましたけれども、免許は四百五十cc限定の免許で、いわゆる無免許でありませんが、無資格運転、しかもこれはシンナーを吸って運転をしておるということでございまして、この少年によります二輪の暴走運転につきまして、特にこれから力を入れていかなきゃならないと思っております。  なお、この死亡事故はいずれも本人が死亡事故を起こしておりまして、うちの大半は本人でございまして、一人だけ横断中の男性の方にぶつかってその方が亡くなったというのが一件ございますが、あとは全部単独、自分で自損ということで死亡をしておるという状況でございます。
  174. 田渕哲也

    田渕哲也君 七月の三十日以降約一ヵ月、八月三十一日には一人死亡が出ましたけれども、それまでは全く死亡ゼロという状態であったわけです。これは恐らく交通方法が変わって皆慎重に運転していたということもあろうかと思いますけれども、全国から多数の警官が動員されて交通整理、指導に当たったと、そういう効果が非常に大きかったと思うんです。ところが、九月に入ってそれらの人がそれぞれ引き揚げてしまいますと、やはりこの暴走運転というのが出てくる。だから、私はこれは決して偶然ではないという気がするわけです。したがって、今後これに対する対策をとらないと、こういう傾向がやっぱり続くのではないか。この点に対してはいかがですか。
  175. 杉原正

    政府委員杉原正君) 私どもも、この切りかえをやりまして、一般的にはふなれもあるということで指導中心にやってまいりましたが、この無免許、あるいは無資格含めて、それから酒酔い、暴走と、こういうのはいわゆる交通三悪ということで非常に厳しくその処置をしてまいりました。いま沖繩では、いわゆる酔っぱらい運転、無免許というのは、これは原則的に逮捕という強い方針で臨んでおります。そこで、これはいま事故が非常に全体的に減っておりますが、減っておるのを分析をいたしますと、いわゆる従来の酔っぱらいとか無免許というものの事故が非常に大幅に減っております。それはまさにそういう対応の仕方でやってきたからだと思いますし、これからも、これは交通方法変更とおよそ無関係のものでございますので、これによって相手方がまた大変な被害を受けるということにもなりますので、これにつきましてはさらに徹底したその安全教育とともに取り締まりを推進をしていきたいというふうに考えております。
  176. 田渕哲也

    田渕哲也君 次に、運輸省にお伺いをしますが、この渋滞の度合いですね、渋滞の度合いは大体、変更前の状態に戻ってきたということが報告されております。先ほどもバスの欠行率の問題で質問がありましたけれども、九月に入ってからさらに欠行率が下がってきておるという状態ですが、これについて実情をお伺いしたいと思います。
  177. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 九月十日から九月十六日までの一週間の実績でございますが、四社平均の欠行率が六・四%になっております。これをちなみに交通方法変更いたしました直後の一週間、七月三十日から八月五日までの四社平均二一・七%と比べますと、相当に欠行率がダウンをしてまいって、よい成績になってまいっておると思います。
  178. 田渕哲也

    田渕哲也君 変更前に比べるとどうなっていますか。
  179. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 変更前でございますが、七月二日から二十九日までの状況でまいりますと、四社平均をいたしまして四%から五%というのが一般的な傾向でございます。
  180. 田渕哲也

    田渕哲也君 グラフで見ましてもだんだん下がる傾向にあるわけですけれども、これからの見通しについてお伺いをしたいと思います。  これはもとの状態程度に落ちついていくものかあるいはある程度まで下がればもうそれ以上無理なのか。もとの状態といっても四%から五%欠行率があったわけですけれども、その辺の見通しはどうですか。
  181. 梶原清

    政府委員(梶原清君) 関係省庁交通渋滞対策を鋭意進めていただいておりますので、この六・四%がさらに低下していくのではないだろうかと思うわけでございますが、今後ともそうした施策を強力に推進していく必要性はあろうと思います。
  182. 田渕哲也

    田渕哲也君 先ほどバス協会並びに私鉄総連から出ております交差点等の改良事業については、もうすでにお伺いを他の委員からしたわけですけれども、来年度のこの道路予算関係について一これは建設省ですか、お伺いをしたいと思いますが、どうなっておりますか。
  183. 渡辺修自

    説明員(渡辺修自君) 渋滞対策といたしまして先ほども道路局長が申し上げましたが、この交通方法変更の残っておりますものの促進、それからバス路線等にかかわる交差点等の改良の促進あるいは問題になっております大きな交差点等の立体化など、いろいろな事業を抱えておるわけでございますが、大きな安謝の立体あるいは古波蔵の立体、こういったものがまだかなり残事業量がある状態でございます。五十三年度にこれらの個所を総合計いたしまして二十一億ほど仕事をやっておりますが、来年度以降のまだ残事業が百八十億以上残っておるような状態でございます。私どもといたしましては、道路事業の一環といたしまして、また特に、この沖繩につきましては道路予算は別建てとなっておりまして、内地よりも大きな伸び率で要求をしておるわけでございますが、その一環といたしまして来年度も引き続き促進を図ってまいりたいと考えております。
  184. 田渕哲也

    田渕哲也君 先ほどから総合交通体系の問題がいろいろ論議されておるわけですけれども、私は本来総合交通体系というのは費用対効果の問題だと思うんです。昭和四十四年でしたか、閣議で「総合交通体系について」という基本的な閣議了解ですか、何かが出されたわけですけれども、それを見ましても、やっぱり鉄道、航空機、自動車、船舶それぞれの性格に適した、交通の質と量とか、そういうものに適した器というものを施設していくというのがいいと、これが私は総合交通体系の基本的な考え方だと思うんです。つまり交通の需要の量とか質に応じた器をつくっていくというのが本来の考え方だろうと思うんですね。だから、私は沖繩の場合に、総合交通体系だから何でもかんでも鉄道が必要だということにはならないのではないかという気がします。沖繩における交通の質と量に適した交通機関は何かということを検討するのが総合交通体系だろうと思うんですね。そういう観点からしますと、モノレールがいいか鉄道がいいか、いろいろ論議があろうかと思いますけれども、一つは費用対効果の問題ですから、モノレールをつくったり鉄道をつくったりする場合でも、費用対効果がどうか、もちろん政策的にこれがバランスがとれなくても公共的な役割りということでつくらざるを得ない場合もあろうかと思いますけれども、その場合はその費用負担はどうするのか、そこまで論議しないと私はそう簡単にはこれは実現できないのではないかと思います。モノレールは客観的に見たら何とか適当ではないかという論議が多いようですけれども、このモノレール自体についてもなかなか容易には進まない。それから費用対効果の問題とあわせてもう一つは、便利さというか、利用する人の選好というものがやっぱりあると思うんですね。だから、コンセンサスというものは、これ必要なわけです。利用するのは沖繩の人でありますから、沖繩の人がそれを選ぶかどうかということがあるわけであります。だから、このモノレールの問題自体にしても、なかなか現在はかばかしく進んでいない状況であると。しかし、これはいずれ時間をかけて沖繩でも早くコンセンサスをつくって、よりすぐれた交通設備ができることはいいと思うんですけれども、ただ一つ言えることは、現在は何といってもバスタクシーとマイカー、これが沖繩の人の足になっております。だから当面の交通渋滞を緩和するのはやっぱり道路だと思うんですね。それで、沖繩は自動車が唯一の交通機関であるにかかわらず道路状態がきわめて悪い。だから、当面はこの道路というものに最重点に力を入れるべきではないか。それと同時に、やがて論議がされ調整がされて、コンセンサスができて、モノレールとかその他のものを導入する場合にはそれを積極的に進めていく、こういうことでないといけないと思うんですね。いま沖繩の人たちで合意ができていないものを取り上げてみたってそれはなかなか進まない。だから、当面のこの渋滞対策をやるには、やはりバスタクシー、それとの関連でマイカーの役割り、そういうものをいかに効果的に運営さしていくことができるのか。バス専用レーン設置も必要だと思います。それからバスの経路の検討も必要だと思います。同時に、やっぱり基本的には道路が少ないわけですから、道路投資に最重点の力を注いでもらいたい。この点についていかがですか。
  185. 渡辺修自

    説明員(渡辺修自君) 先生の御指摘のように、ただいまの交通事情ではやはり道路を重点に整備をする必要があろうかと思っております。全国に対します沖繩の道路関係予算の比率でございますが、四十九年度に一・九九%でありましたものが、その後次第に増加をいたしてまいりました結果五十三年度では二・五一%までふえておる、こういう事情で、私どもも重点を置いて投資を行っておるところでございます。
  186. 田渕哲也

    田渕哲也君 総務長官がお見えになりましたので、先ほどから論議されておりますけれども、損失補償について若干追加してお尋ねをしたいと思います。  私は、政府のこの損失に対する救済あるいは補償、この考え方がきわめてあいまいだと思うんですね。先ほどからも論議がありましたけれども、われわれ視察団が現地に行って釣り具商の人たちの意見を聞いたわけですけれども、釣りに行く人が通る方向は大体那覇の方から北の方に向かっている。だから自動車が通る側に店がないと商売にならない。交通方法が反対になると全く逆になるわけですね。しかも、われわれが見たところは、道の幅が四車線ぐらいあって、それから真ん中に中央分離帯があるわけですから、自動車をとめて向こう側へ行って買うなんていうことはできないわけです。そこで、私は先ほどから論議になっておりますように、この救済とか補償について単なる融資制度だけでやろうというのは基本的に誤りではないかと思うんですね。この点はいかがですか。
  187. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) この交通変更から起きる損失という問題ですが、これはまあ利害得失、なかなか私はむずかしい問題であろうと思っております。  そこで、いま具体的な釣り具店の問題が御指摘がございましたが、私は当然これは起き得ることだと。そういう意味で、これについてはやはり政府の政策による交通変更である、こういったことの踏まえ方から、補償の制度というものはむずかしいが、やはり可能な限りにおける救済措置というものは必要であるということで、新しい融資制度を創立をしたわけであります。  そこで、そこから来る損害の問題でございますが、いまの中では補償制度というのがございませんので補償に応ずるというわけにはまいりませんが、それでは今後の問題についてはどうかということになろうかと思いますが、今後の問題についても私は大変むずかしい問題だと思います。先ほど来も申し上げましたように、利害得失というもの、問題は右から左、と同時にまたその車が反対の方を右から左ということでございますから、利害得失、そういった問題の考え方等々については、よく御指摘の点はわかりますけれども、大変むずかしい問題であると思います。しかしながら、現地に担当官を駐在をいたしまして細やかにこういった問題の解決に当っておるわけでございますから、その後新しい事態にどう対処するかということについても一応検討をさせていただきたいと、こういうふうに思っております。
  188. 田渕哲也

    田渕哲也君 これはケース・バイ・ケースでいろいろな事情が違いますから確かにむずかしいとは思うんです。ただ、技術的にむずかしいということと、問題の性格上損失補償すべきかすべきでないかという問題、それと融資で便宜を図ろうという問題と基本的に違う面があると思うんですね。もちろん一部は融資によってカバーできる面もあるでしょうけれども、融資でカバーできない面もある。たとえば右側にいたんじゃ商売にならぬから左側にかわってくる、そのような移転費用なんというのは全くの経費でしょう。自分の施設としても何も残らない。その移転費用なんていうのは全く経費でマイナスの面だけです。新たに店を拡張するとかそういうことならそれは融資でもいいと思いますけれども、移転費用とかあるいはそれに伴う直接の損害というものは融資してもらったってこれは解決する問題ではない。だから幾ら現地に担当官を置いて親切に相談してみたところで、肝心の制度が欠けておったら何にもならないと思うんですね。だから私は、確かにそうなれば数がたくさん出てきて、こっちを見たのにこっちを見ないのはどうかというむずかしい問題は出てくると思うんです。だから、これはやはり基準を明確にして、そしてその基準をどの程度までしぼるかという問題はあろうかと思いますけれども、やはり損失補償すべきものは補償する、融資で賄うべきものは融資する、こういうケースは補償、こういうケースは融資、こういうものを政府がはっきりつくらないと、私は現地の人の不満というものはなかなかなくならないと思います。この点はいかがですか。
  189. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) いまも申し上げましたように、補償制度ということは、これは私はその制度をつくり上げるということは、むずかしいと言わずにやってみろと、こうおっしゃられればそれまでではございますが、全体を見た場合に、私はこの制度をつくり上げていくということはなかなかむずかしいことだと思います。そこで、利害得失と、こういうふうに申し上げておりますが、いろいろな問題でいま現地に担当官を駐在させておるということで、これからやはりそこから起き得る損害と、こういったものが具体的に詰められ報告されてくると思います。そういったときに具体的にどういう方法が一番いいかということは、これは皆さん方に御相談を申し上げて、やはり何か具体的なものがない先にそういった問題はむずかしい問題でございますから、そういった具体的な問題がこれからの調査の中で、これから扱っておる中で煮詰められてくるとするならば、やはり皆さん方に御協力をちょうだいして、むしろ御指導をちょうだいして、そういったことをつくり上げるときもあるかもしれませんが、現時点においてはきわめてむずかしいことである、こういうふうにお答えをしておきたいと思いませ。
  190. 田渕哲也

    田渕哲也君 むずかしいということはよくわかりますけれども、理屈として、筋として、そういうものを当然やるべきだということは言えると思いますが、これはどうですか。
  191. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) まあその点についてもお答えを避けさせていただきたいと思います。
  192. 田渕哲也

    田渕哲也君 それから、具体的に出てきたらと言われますけれども、この陳情、これはもう政府にも来ていると思うんですね。これは企画調整部の資料ですから、この資料は政府にも行っているわけです。この中に具体的に出ているわけですよ。金額まで出ている。こういうためにこれだけの金額というのは出ているわけです。  そこで、大臣のお話を聞いておりますと、もう少し具体的に言って、煮詰まってきたら融資だけにはこだわらない、必要なら補償ということも考えてもいいと、そういうふうなニュアンスもうかがえるわけですけれども、そう解釈していいわけですか。
  193. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) その辺がむずかしいところでございまして、きょうはお答えを避けさせていただきたいと思います。
  194. 田渕哲也

    田渕哲也君 これはぜひ前向きに検討してもらいたいと思います。  それからもう一つ特別事業についてですけれども、沖繩の新聞に出ておりましたけれども、総務長官並びに美野輪振興局長が発言されております。それで新聞に発表されたことは非常におかしなことだというふうなことで、沖繩の県庁の方ではまともに受け取っていないというようなこともまた、知事代理ですか、の発言があるわけですけれども、つまり、内容は御承知のとおり、この六十億円の予算については全く県の裁量にゆだねたい。——これは総務長官が言われておりました。それから、その際、随行の美野輪開発庁振興局長が、これは県に任されておるから、実質的には六十億以上の事業ができる。つまり、たとえば公園をつくれば国から半分の補助がこれに上乗せされるから、六十億は少ないようだけれども倍にも使えるんだという趣旨の発言をされておるわけですけれども、これの真相なり真意についてお伺いをしたいと思います。
  195. 三島孟

    政府委員(三島孟君) この特別事業の問題につきましては、県の方から交通方法変更自体が歴史的な事業であるから、何か記念になるものをつくってほしいという御趣旨と、それから先ほど損失補償の問題が出ておりましたけれども、県民がこうむる物心両面の犠牲をカバーする意味において特別事業を考えてほしいということで、道路整備と、それから医療センターの問題と交通安全教育センター、この三つについて御要望があったわけですが、道路整備の問題は建設省の方で御検討されていますから、これはいまちょっと説明を避けさせていただきますけれども、あとの二つの問題につきましては、御要請のあった後いろいろ関係省庁検討してまいりましたけれども、いろいろ個別に検討いたしますとむずかしい問題がございますので、やはり記念事業にふさわしいものをつくるためには、むしろ総理府で一括して予算要求した方がいいだろうということで、大臣の御指示によりまして総理府の方から一括して予算要求することにしたわけでございます。その場合、金額の一つのめどをつけなきゃいけませんから、県から御要請のあった医療センターなり安全教育センターを実現するに必要かつ十分な金額を一つの目安にしまして、六十億程度は必要だろうということで、実は五十四年度の要求としましては、その初年度分として二十億円を要求したわけです。それで、その使い道としましては、なるほど当初は県から救急医療センターなり安全教育センターなりの御要望がございましたけれども、これはもう一度県の方で具体的にその検討をしていただいて、記念事業にふさわしいものをもう一度改めて考えていただいて、具体的に計画をつくっていただいて、それを政府の方にお出しいただいて検討した上、その実現を図っていただこうということにしたわけでございます。その際、当然この特別事業趣旨から申しまして、ただいまお話ございました、美野輪局長さんの発言の問題御指摘ございましたけれども、その裏負担の問題でございますけれども、この裏負担というようなことでは使ってはいけないということは当然私は当初から県の方にはお話ししておるわけです。県の方は十分それを御承知のところだと思うんです。そういう意味においての誤解は生じる余地はないわけでございます。私、実はこの特別事業の問題は総理府の方として一括して要求することでございますので、私どもの考え方は当初から県の方には御連絡しておるということを申し上げておきたいと思います。
  196. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) まあ県民の各位に大変御迷惑をおかけいたしたわけでございますから、まず変更してよかったなと、少しでもこう皆さんが感謝というところまでいかなくても、よくやってくれたと、こういうような関係から、交変に伴う記念事業ということで県に何が一番いいだろうかと。そこで、県の方は交通安全教育センターあるいは医療センター等々が要請されてきたわけで、私の方では、これは当然なことでございましょうと、まあしかしながら各省庁にまたがっておる等々の関係からなかなかむずかしい、場所等の問題、規模とその他のいろんな問題で。これはこのままにおいたら、交通変更というものがなされる寸前まできたとするならば、これはだますんじゃないかと思われてはいかぬと、そういうような関係から概算で幾らだと、いろいろこう詰めまして、まあしかしながらそのとおりにいけばもっと低いわけでございましたが、これはやはり何としても十分に予算を獲得をしておくことが必要である、こういうような関係から、まあ六十億と。今年度二十億概算要求をいたしておりますが、そういうような関係から、この二つのことにこだわらない、もちろん交通変更に伴うものでありませんと、これは一般会計から支出をするわけでございますから、やはり交通変更に伴うふさわしいものであるとするならば、やはり政府はこれでくちばしを入れない、県にお任せをする、こういうような関係からこういうことを、私の決断でこういう方法をとったわけであります。そういう意味で、これに不足があるとかなんとかということをよく言われたわけでありますが、私としてはこれを厳密に積算をしてまいりますとまだまだ低い数字になるわけでございますので、私は沖繩に参りましても常にこの問題について関心を呼び寄せるような発言をいたしておりましたので、後で金額が足りないとか何かということになりまして私の発言と合わないというような御批判をこうむるようなことがあってはいけないということで、私の時代に六十億、これはしかも総理府予算で、しかも今年度は二十億、何に使っていただいてもいいんです。来年度は二十億、何に使っていただいてもいい。あるいは三年目にも二十億ということで、六十億は沖繩県で計画を立ててやっていただくということでございますから、私はこういうことができるとは思っていなかったのでございますけれども、私は大変いいことをしたと、金額的にもいいことをした、全く政治的な決断と申しますか、大変私は高く評価をしてもらわなきゃならぬことだなあと実は思っておるわけであります。
  197. 田渕哲也

    田渕哲也君 いまの説明はよくわかるんですが、美野輪局長の発言がかなり誤解を招いておるということなんです。先ほどの対策室長の言われました、裏負担には使えないというのは当然のことだと言われたわけですけれども、野島知事代理もそう思っていたところが、美野輪局長がそういう発言をされたので非常に戸惑ったというような記事があるわけですが、それはいかがですか。
  198. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 特別事業趣旨につきましては、ただいま三島室長から答弁したとおりでございますが、これはあらかじめその使途を限定することなく交通方法変更後の状況の変化、これにこたえられるように、またその後の状況を踏まえて県民の要求にこたえ得るようその趣旨にふさわしい事業を、これを沖繩県において計画し実施できるようにと、こういうことの趣旨によるものと私ども承知しております。私ども、いまその裏負担に使えるように誤解されたのではないかと、こういうことでございます。これは私ども、先ほど三島室長から申し上げましたように、単一の目的の施設をつくるために助成をいたします場合に、二つ以上の所管からそれぞれ部分的に補助金が出るというようなことはあり得ないことでございますので、そのような趣旨で申し上げたものではございません。私どもの行っております振興開発事業、これも県民の福祉を増進するためのものでございますし、それから今度の総理府で要求いたしております特別事業、これも県民の福祉の増進に役立つものでございますし、私どもといたしましては、これによりまして質量ともに沖繩の施策が推進するというふうに考えておるところでございまして、そういった趣旨によりまして、私、発言をいたしたものでございまして、これは野島副知事も誤解をされているというような記事があったようでございますけれども、これはその当日に私からも県の首脳部に対して裏負担に使えるものはございませんですよということは明確に申し伝えてございまして、県の中にそういう誤解があったというふうには、私、考えておらないところでございます。
  199. 田渕哲也

    田渕哲也君 沖繩の新聞には、テープがとってあると。テープを再録してみるとということで、これ一言一句皆書いてあるわけですよ。その中にはっきりと、たとえばこれは非常に価値のある——六十億じゃ少ないとか何とかいう意見があったからだと思うんですけれども、たとえば公園に使う場合は二分の一の補助が出るから倍に使えると、こういう発言がはっきりあるわけです。これではだれでも、じゃこれは本当だと思うわけですよ。それで、それがまた国会でそういうことを言われると沖繩の人はますます不信感を持つわけですね。沖繩で言った発言が自分の間違いなら間違いだと、それはやっぱりはっきりさせていただいた方がいいと思いますが、いかがですか。
  200. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 先ほど来私、申し上げておりますように、要するに、使途を特定することなく県において交通方法変更の記念事業としてふさわしいものを県においてこれを計画し実施することができるという交通方法変更特別事業の総理府要求の成果、それからまた私どもこれまでも沖繩の振興開発事業につきましては鋭意努力を進めてきているところでございまして、また振興開発を図るという立場からいたしましても、この特別事業によりましてさらに福祉施策等が推進されるということは大変好ましいことでございますし、そういう趣旨であくまでも申し上げたわけでございまして、それが裏負担にとられるような誤解を招いたということは、私の発言に不備なところがあったのかというふうに考えますけれども、私の真意といたしましては、あくまでも裏負担に使えないということは、先ほど申しましたように当然のことでございますし、そういったことは県の新聞にも同じ日にもこれを伝えております。そういったことで御了解をいただきたいと存じます。
  201. 田渕哲也

    田渕哲也君 私は、この沖繩での発言と国会の発言とはやっぱり合わせてもらわぬと困るわけですね。やっぱりはっきりと、二分の一の補助があるわけだから県が自由に使える金が十億あれば二十億の公園建設をすることもできると、このように言い切っておられるわけですよ。それで、先ほどの補償の問題もそうですが、この問題にしたって、向こうで最初うまいことを言っておいて後でやっていることは皆違うわけですよ。こういうことに対して沖繩の人が非常に不信感を持っておるわけです。だから、この問題もこの問題でやっぱりはっきりしてもらいたい。それから補償の件は、先ほどから大臣に言いましたように最初約束されたことはちゃんとやってもらいたい、こういうことなんです。だから、この問題は、この発言が間違いなら間違いだということではっきりしてもらわぬと困るわけですよ。
  202. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 多少美野輪振興局長の発言の中で——私もそばにおったんですが、まあそういうふうなとり方もしていなかったんですが、これはあくまでも六十億、これはきちっとしております。これを原資にして他の助成行為、それはあり得ない。六十億をつかみ金で沖繩に渡すんだ。こういうことですから、またそれじゃこれを原資にして二分の一をとるとか四分の二をとるとか、それは絶対あり得ないということは私の発言でもきちっとしておるわけであります。  それからもう一つ明確にしておかなきゃならぬわけでありますが、まあ言っておることとやっておることとの違いというのはさらさらない。これは私は責任を持ってきょうまでやってまいっておりまして、その点もひとつ明確にお答えをしておくと同時に、いま美野輪振興局長の発言の中で、多少あったかもしれませんが、それは絶対そういうこと——私は最高の責任者でございますから、私の発言は間違うことはございませんので、そのよう御了承を賜りたいと思います。
  203. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 大臣の発言が間違っておると言ってないんだ。美野輪局長の発言が違うから、これはこの国会の場で改めてもらいたいと質問者は言っているんだから、改めなさい。そんないいかげんなことじゃ委員会は進行できないから……。
  204. 田渕哲也

    田渕哲也君 委員長から発言があったとおりでありまして、ここで大臣が言われたことはそのとおりだろうと思いますよ。現地の人がそれで、美野輪さんの発言で混乱しているから、ここではっきりしてくれと言っているわけです。
  205. 美野輪俊三

    政府委員美野輪俊三君) 私の発言の真意は大臣の発言のとおりでございます。
  206. 田渕哲也

    田渕哲也君 終わります。
  207. 森田重郎

    森田重郎君 もうすでに各委員の方々からいろいろと質疑また御答弁をちょうだいしたようでございますので、なるべく重複する意味を避けまして、私、一、二の質問をさせていただきたいと思います。特に長官に御答弁をちょうだいしたいと、かように思います。  私、いまここに持っておりますのは、大変薄いパンフレットでございますけれども、これは交通安全対策室の方からちょうだいいたしました「沖繩県交通方法変更について」でございます。薄いパンフレットではございますけれども、中身はこれは私非常に濃いものだというふうに感じておりますが、まずこの冒頭一ぺ−ジを見ますと、「沖縄の交通方法変更について」として、この変更に至った経緯が書いてあるわけでございます。その経緯の中で、「沖繩県交通方法変更は、沖繩県の復帰以来の懸案であり、」、こうあるわけです。「その実施日については、一時期「昭和五十一年実施を目途として準備を進める」ことが閣議決定されたこともあったが、石油危機、海洋博延期などの事情もあって、昭和五十一年実施が困難となり、その後「昭和五十三年七月末を目途」として準備が進められていたものである。」、こういうふうにあるわけでございます。考えてみますと、ちょうどこれは沖繩が本土復帰以来の懸案事項ということになりますと、もうすでに六年半近くなるわけでございましょうか。その間、この問題があらゆる角度からすでに討議をされておったということでもございます。  一歩譲って考えるならば、諸般の事情があるにせよ、五十一年にはとにかく右から左に交通方法変更するというふうな一時期もあったことかと、かように思うわけでございます。したがいまして、それが今日の七・三〇になった。この間の事情につきまして、非常にこの交通渋滞の問題でいろいろと論議されておるわけでございますが、長官の心境のほどをひとつお聞かせちょうだいしたいと、かように思います。
  208. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 復帰と同時に、これは当然交通変更がなされるべきであっただろうと思います。しかしながら、いろんな諸情勢から、何もかも同時と、こういうことになりますと、やはり県民に大変な御迷惑をかけると、こういうふうな関係からおくれてまいりまして、そのほか海洋博のおくれ、オイルショック等々、今年度の七月三十日まで延期をしたわけであります。これは長い間なじんでまいりましたことでございますから、戦後長くなじんでまいりましたことを一遍に変えていくわけでございますから、まあいろいろな面において戸惑い、その他、大変なことであっただろうと私は思います。  しかしながら、やはり国の政策と申しますか、本土との心と心の一体と申しますか、やはりその国には一つ交通状態ということの、やはり条約に基づく一つの問題でございまして、余り長くなるということになりましてはかえってということで、まあ昨年の九月、政令によって七月三十日に交通変更をするという、大変な御協力をちょうだいしたわけであります。そういう意味から、今度の交通変更は沖繩復帰の最後と申し上げては大変恐縮になるかもしれませんが、私は最後の事業であると、こういう受けとめ方をいたしております。  そういう意味から、私はできるだけこれを機会に、やはり道路整備であろうとか、あるいはその他の記念事業であろうとか、あるいはまた沖繩に将来残り得る一つの環境の整備であろうか、ここにひっかけるということは大変語弊があるかもしれませんが、私はできるだけこの機に、一挙に、やはりあらゆる生活環境の整備は言うに及ばず、あるいは公共の問題、水資源の問題、あらゆる問題というものはこの機にやはり復帰の格差是正というこの大目標に向かって私は全力を注ぐ必要がある、まあしかし、全力を注いでまいったわけであります。  まあ決意ということになりますと、大体この辺が私のすべての考え方であります。
  209. 森田重郎

    森田重郎君 長官の御決意のほどはよくわかったわけでございますが、なおかつ私はあえて申し上げたいことは、この資料の五ページを見ましても、これは二の「沖繩の交通方法変更実施日決定までの経緯」の項にこういうことが書いてあるわけでございますね。「政令で定める日の指定にあたっては、法律施行日から起算して三年を経過した日」、この「三年を経過した日」というのは、これは五十年の五月の十五日でございますが、「以後の日で諸般の準備措置及び当日に予想される交通状況を考慮して、その変更を円滑に行うことができると認められる日を選定するものとし、」、こういうことも実はここに書いてあるわけでございますね。もちろんこれは各位の御努力で七・三〇によって右から左にスムーズに移行した、交通方法変更があったとは申しますものの、今日盛んに言われておりますこの交通渋滞というものをも含めて、やはりこれは円滑に交通方法変更できたということであってしかるべきではないかと思うんですが、そういうような意味からいたしましても、いかにも長かった六年半の歳月を経て、こういう状態で現在交通渋滞の問題をわれわれが云々討議しなくちゃならぬという問題が、どうも実は私午前中に運輸大臣の御答弁、あるいはまた警察関係から若干の御答弁を承っておりまして、われわれの希望するような状態の中で円滑に今後交通渋滞をも含めて、将来の沖繩全般にわたる都市計画のあり方、あるいは総合交通体系のあり方というような中で、果たしてこれが二年、三年あるいは四年というような期間に、われわれが希望しているような、そういう県民の、あるいはまた市民の方々の希望しているような、そういう交通体系整備というふうなものが可能であろうかどうかということに、実は私なりに、何と申しましょうか、大変疑問を持つ者の一人なんでございます。  たとえば、先ほど来いろいろお話のありましたモノレール等につきましても、一部の方々は賛成しておられる、ところが他の方々においてはモノレールというふうなものについていろいろ反対の御意見もある。あるいは、この道路問題にしましても、南伸のこの道路について、国道県道、地方道をも踏まえて今後の道路体系のあり方というふうなものを模索していく、大変これらは大きな問題じゃないかというふうに私は考えるわけでございますが、そういった点につきまして長官は——これは御自身がおまきになった種ではない、言うなれば、ここへ来て最後の締めくくりをされるような大変苦しいお立場に立っておられるわけでしょうけれども、こういう沖繩の将来の発展、展望につながるような大きな問題だけに、本当に本土との格差是正をしていくんだというふうな意味におきまして、やはり横との、省庁関係との連動あたりを本当に密にされまして、ここでひとつ長官にさらに本当に最後の努力を重ねていただきたい。その辺につきまして重ねて長官の御熱意のほどをひとつ御開陳賜らばと、かように思っております。
  210. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) 御指摘の道路整備問題ですが、   〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕 いまお話しの南伸高速道路、これは石川市から那覇まで、これは事業費の伴う調査費を計上いたしております。地元の要請さえあるならば、これは速やかに着工できる段取りになっております。  その他、まあ交通渋滞の問題でございますが、当初は大変——私も現地に行っておりましたが、戸惑い、こういったこともありまして、大変渋滞のあったこともよく私はこの目で見てまいりました。ただし、その後大体変更以前の平常な姿に返ってきたということは、これは新聞紙上とか、あるいは報告で聞いておるわけでございますが、しかしそれで私はいいとは考えておりません。そういう意味から、私はお約束をいたしました安謝の立体橋、それから垣花の長大立体橋、それから農連前、こういった、私はお約束したものについては、農連前は今年度完成、それから垣花の長大橋につきましては五十四年度着工、それから安謝の立体橋につきましては、これは地元の用地買収その他困難な事情がありますから、これもやはりできるだけ地元各位の御協力をちょうだいして、早くこれは位置づけていかなきゃならぬ。またその他、安謝の立体橋をつくったといたしましてもいろいろ問題がある、こういったことを御報告を受けておりますので、やはりこの臨港道路と申しますか、その辺で散らす一つ道路網整備もやっていかなきゃならぬ、こういうことに考えておりまして、私が現地でお約束したものについては、もう一つの不安もなく実現完成する運びになっておるということは御報告をいたしておきたいと思います。  その他、現在は平常だと申し上げましても、やはり幅員の狭さ、小地方道にいたしましても、あるいは県道にいたしましてもその他の道路にいたしましても、那覇市におけるところの道路というものは大変数ございますけれども、やはり幅員の狭さ等々がございまして、市街地開発と申しますか、道路整備というものを、今後短期、長期に分けて、やはりこれはしていく必要があるのではないか、こういう考え方を持っておることを申し上げておきたいと思います。
  211. 森田重郎

    森田重郎君 長官の大変固い御熱意のほどを伺いまして大変意を強ういたしておるわけでございますが、最後に私一つだけお伺いしておきたいと思いますのは、交通渋滞の緩和策そのものについてはなかなか抜本的な対策はない。言うなれば魔法のつえはないというようなことを古くから言われておるわけでございますが、   〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕 それにしても、現在の渋滞というものは、その後の、私ども新聞紙上をときどき拝見しておりまして、時折渋滞のひどさというものがつぶさに報道されておる。そういう中で、県の提唱になるんでございましょうか、交通渋滞緩和対策緊急連絡協議会ですか、いわゆる先ほど来お話のございました七者連絡会議ですか、この構成メンバーを見ますと、国、県、県警、それから那覇市ですか、それにバス業界、タクシー業界、トラック業界、この七者の構成になっておりますが、そういうことでございましょうか。
  212. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 構成メンバーでございますが、いまお話ございましたとおり、沖繩県沖繩総合事務局、それから公安委員会——警察ですね、それから那覇市、それから関係業界としましてバス協会、トラック協会、タクシー協会全部で七つの、役所それから民間団体から構成されております。
  213. 森田重郎

    森田重郎君 民間団体とおっしゃいますのは、この業界を称してのことでございますか。
  214. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 民間団体はその業界三つのことを申し上げているわけでございます。
  215. 森田重郎

    森田重郎君 これはたまたま私の私見なんでございますけれども、バスにしても、タクシーにしても、トラックにしても、言うなれば民間団体とはいうものの、業者、業界団体というふうな感じなんでございますが、県民の意思と申しましょうか、市民の方々の声と申しましょうか、そういう意味で実際にその交通渋滞に際しまして、足の点等で赤裸々に現実問題に直面しておられるような、そういった民意を反映するような意味で、いわゆる民間団体と申しましょうか、そういう声を入れてみたらどうかと、あるいはまた学識経験者、そういう方々の声も広く取り入れるような姿勢で県御当局考えてごらんになったらどうかと、かように思うわけでございますけれども、いかがでしょうか。
  216. 三島孟

    政府委員(三島孟君) これは、私ども沖繩県関係の向きがそれぞれお集まりいただいてこういう連絡協議会をお持ちになったのだと思いますし、私ども必ずしも十分そのいきさつについては承知していないわけでございますが、ただ確かに民間のそういうなまの声を十分反映させるべきだということはごもっともだと思います。そういう意味において、関係の業界の方々にも来ていただき、かつまた、単に会議を持つだけでなしに、現地の視察等もおやりになっておられるようでございます。その点の配意は十分お持ちになっておられるんじゃないかと思いますが、私どもの方としましても、先生からそういう御趣旨の御提案がございましたという点は現地の方にもまた御連絡申し上げておきたいと思います。
  217. 森田重郎

    森田重郎君 と申しますのは、現在沖繩にはバス会社は四社でございましょうか、トラックあるいはタクシー、これらの会社が何社あるか、私その辺、別に細かい調査しているわけじゃございませんけれども、やっぱりこういう業界というのは資本的にも人的にもいろいろな関連、連動があろうかと思うんでございますね。あるいは同じような資本系列であるかもしらぬし、そこへまた人を派遣しておるというような関係でもあるかもしらぬし、ですから、ある意味では、この業界というのはいわゆる業界一体であるというような感覚が非常に私なりに強いものですから、先ほど申し上げたような学識経験者であるとか、あるいは市民の方々の声であるとか、これらをやはり十分に反映していくような形が望ましいんじゃなかろうかというふうな感じを強くしたものでございますから、ひとつその辺また横の連動を十分になされまして、そういった意味での御配慮をお願いできればというふうなことでございます。
  218. 三島孟

    政府委員(三島孟君) 御趣旨の点は十分承知いたしましたので、現地にもその旨また御連絡申し上げたいと思います。
  219. 森田重郎

    森田重郎君 重ねてのお話のような形になるんでございますけれども、今回の交通渋滞緩和の問題が当委員会におきましていろいろと討議されたわけでございますけれども、私はある意味で考えますと、これは七・三〇によって交通方法というのが右から左に変わったという事実だけではない、何かその背景に今後の沖繩全島の社会的な、経済的なもろもろの案件がここで吹き出してくるような、何かこの問題を契機に本島、沖繩の格差是正というふうなものが県民の声として大きく浮かび上がってくるんじゃなかろうかというような気持ちが非常に強いわけでございます。したがいまして、振興開発計画も五十六年で終了でございましょうか、残すところ三年有余というようなことで非常にわずかな期間しかない。この三年半ぐらいの間に、ひとつ新しい意味でのこれからの沖繩の方向づけというふうなものを、ただいま申し上げたように総合交通体系の中で、都市計画等も含めた広い意味での一つの展望というものを一日も早く実施段階に移し得るように、重ねて長官の御努力をお願い申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。
  220. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  221. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次に、沖繩県における交通方法変更に関する件についてお諮りいたします。  先ほどの理事会において協議いたしました結果、沖繩県における交通方法変更に関する決議を行うことに意見が一致いたしました。  この際、便宜私から、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの共同提案にかかる沖繩県における交通方法変更に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    沖繩県における交通方法変更に関する決議(案)   沖繩県における交通方法変更は、昭和五十三年七月三十日から実施された。   交通方法変更が、一応円滑に実施されたことは、関係行政機関の努力と県民各層の協力の成果である。   しかしながら、実施後の交通事情はなお厳しい条件のもとにおかれている。なかんずく交通渋滞は、県民生活及び経済活動に重大な影響を与えている。また、特別事業実現市町村道における残工事の促進、交通方法変更に伴う救済措置問題等今後に多くの問題が残されている状況である。   よつて政府は、これらの問題解決のため、県民一致協力のもと責任をもつて積極的に諸施策を推進することとし、新交通方法の定着を図るべきである。   とくに渋滞解消については、バス専用レーンの設定等の交通規制、道路整備の促進等の応急対策及び総合交通体系中心とする恒久対策具体化し、その実現に格段の努力をすべきである。  右決議する。  以上でございます。  本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  222. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいまの決議に対して、稻村総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。稻村総理府総務長官。
  223. 稻村佐近四郎

    ○国務大臣(稻村左近四郎君) ただいま採択されました決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして努力をいたしてまいりたいと考えます。
  224. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会