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坂井委員 余りくどく言いませんが、本当にこれは結果的に達成できなかったなんというようなことになりますと、
総理のボンでの公約もありますね、だから真剣に内容をごらんください。そんな簡単なものじゃない。やはりせっぱ詰まって
仕組み船なんかに目をつけざるを得なかったというようなことだろうと私は思いますが、一番困るのは、それが
ドル減らしにならぬということを指摘したわけでありますので、どうかひとつそういう点、再度御確認をいただきたいと思います。
公共事業の問題に移りたいと思いますが、ことしの二月の予算
委員会で
政府が公共事業、これを柱にして景気浮揚を図るんだということで一貫して、今回の補正予算もそうであります。一方におきまして、われわれが要求するところの一兆円減税、それは一顧だにもしようとしない。公共事業も結構です。しかし、もう一本の柱として減税の柱をお立てになったらどうでしょうか、この組み合わせが大事でございますよということを一貫して私は主張してきた。
私は前回に、この公共事業については、
政府がそこまで一生懸命になってこれで景気を浮揚するのだとおっしゃるから、それならば次の二点についてはよくお考えなさい、
つまり一つは、確かに高い効率を求めるということは大事でしょう、しかしもう一方、その側面において不公平、不公正の拡大を来しめるような高い効率を追い求める公共事業であっては相ならぬ、この二つの相対する問題をどう調整し、満足をさしていくか、ここに
一つの視点を置いた公共事業の推進ということが大事ですよということを申し上げた。そういう中で、実態的にはまことに残念ながら現在の公共事業執行に当たって不公平、不公正がありますよ、こういうことは是正されたらどうでしょうかという提案を試みたわけです。残念ながら、今日においてもなお不公平、不公正は拡大された、こういう実態を指摘せざるを得ない。きわめて残念なことであります。
具体的な問題に移りますが、
一つは、前払い金
制度についてであります。これは申し上げるまでもなく、発注者であります国あるいは
政府関係機関、公団、事業団、これが公共事業を発注いたします。元請が受注者としてこれを受けます。その場合に、国の場合は現金で四〇%先に金が出るのです。地方自治体の場合は大体三〇%から三五%、公社公団が三〇%ないし五〇%、平均して三五%
程度の前金が現金で出ます。そういたしますと、五十三年度当初予算におきましては、国の一般会計、特別会計、
政府関係機関、公団及び事業団全部合わせまして十一兆八千四十二億、これは平均三五%、前払い金といたしますと四兆一千三百億、これは計算上です。計算上四兆一千三百億の前金が出る。今回の補正追加見込み額が一般会計、特別会計、
政府関係機関、公団及び事業団合計いたしまして八千九百七十億でありますから、合わせまして十二兆七千十二億。さらに地方の単独分は、当初予算現額におきましては五兆六千四百七十六億、今回の補正分三千二百億、合わせまして五兆九千六百七十六億。国、地方全部ひっくるめまして、前払い金の
対象となりますところの公金、公共事業予算総額は実に十八兆六千六百八十八億。したがいまして、計算上の前払い金三五%といたしますと六兆五千三百億、これだけ現金で出るのです。六兆五千三百億の金が、計算上はそれだけの前金が国及び地方のそういう
関係から出るのです。
さて、この問題につきましてこの二月の予算
委員会においては、前金を受けた元請が、下請との
関係においてこの前金が適当な額で渡っていない、支払われていないということを言いました。
政府はその後調査をされました。調査の結果は、
政府の方がよく御存じのとおりでございますが、若干申し上げますと、前払い金の受け取り状況、これは公共工事下請状況調査、公共事業推進本部の大蔵省の調査ですが、元請業者三百五十社、これの請負
金額が八百九十七億、前払い金の受け取りが三百六十二億、したがって、受け取った率は四〇・四%。さて、これが下請業者にどう流れたかといいますと、一次下請がやはり三百五十社で請負
金額が百七十九億、これに対します前払い金の受け取り額が九億四千万円、受け取り率はわずかに五・二%。二次下請になりますと、受け取り率がこれまた微々たるものでありまして〇・二%、三次はゼロ、四次はゼロ。全体合計いたしまして、わずかに四・六%しか受け取っていない、こういう実態であります。一方、建設省におきましても、同じような建設省直轄工事下請状況調査を行いました。同一発表になってございますが、前払い金を受領した下請業者はわずかに三%しかない。ほとんど受け取っていない。前払い金の比率からいいますとわずかに一・八%、それだけしか下請は受け取っていない、こういう実態であります。
そういう中で、ことしに入りましてこの前払い金がどれぐらい払われておるかといいますと、四月から八月まで、この五カ月間前払い金の保証取り扱い高が、件数で十万三千七十件、保証
金額一兆四千八百二十七億、これだけ前金でもうすでに出たのです。ことしの四月から八月まで現金でこれだけ出ておるのです。出ながら、いま申しましたとおり、大蔵省の調査によりますならば、下請に渡ったのがわずかに四・六%、一方建設省におきましては、下請
関係わずかに一・八%、こういう実態でございます。確認をいただきたいと思います。