○瀬野
委員 質問になかなか答えないので時間がないから急ぐが、私は
需給調整の取り締まりの結果が、こういうことを言いたいわけですよ。若干やっている。小さい
業者の取り締まりはしているんです。何百羽かふやしているようなところ。ところが、大きいところは見逃している。
〔
委員長退席、山崎(平)
委員長代理着席〕
いわゆる大きいところは一筋なわでいかないものだから、弱いところをやって強いところは見逃している。ロッキード事件と同じようなやり方なんだ。それじゃいかぬ。大きいところほど私は強く
需給調整、いわゆる
生産調整をやってもらいたい。そして、守ってもらいたいと言うんです。どうしても弱い者いじめになっている。そういった調整になっています。
一々例を挙げる時間がございませんが、その例として申し上げますけれ
ども、企業養鶏の株式会社ヒヨコのイセです。本社富山県で、毎回当
委員会でもいろいろ論議したところですからおわかりのとおりと思いますが、石川県の奥能登、穴水町の直営、委託農場で、今春からの県の再三にわたる行政
指導や地元とした確認書を無視し、やみ増羽を依然続けていることが明らかになったわけであります。やみ増羽は、イセ養鶏の直営農場で凍結羽数二万羽を除いても約十三万羽、同二委託農場四万羽、計十七万羽に及ぶというのであります。地元の養鶏
農家は、イセ養鶏傘下でやみ増羽による卵がどんどん東京、大阪へ乱売されている、私たちは長期の
価格低迷で苦しんでおる、正直者がばかを見るということで大変憤りを感じておるし、県の方においても、イセ養鶏のやみ増羽については、四十九年凍結時点の羽数へ原状復帰するよういままで七回の行政
指導を行っている。しかし、
現実にやみ増羽が行われており、対策の決め手がない。今後も根気よく
指導していく以外にない。一方、七月十日にイセ養鶏の
関係者が県に来て、やみ増羽は八万羽までに減らしたとの口頭回答があったので、近く県としても現地
調査をしたい、こういうことを言っております。こういう事例が
一つ。それから、埼玉県比企郡
小川町原川百五十一番地、農事組合法人兜川鶏業、代表名は原口一夫氏でありますが、この兜川鶏業は、
生産調整
実施時の四十九年五月には、原口氏所有の埼玉県
小川町の養鶏場は実際上はなかったわけです。しかし、すでに計画中であったとして県、
農林省に強硬に働きかけて五万羽の枠を取ったわけです。ところがその後、関越高速道路が建設されるということでその買収にあい、補償金をもらうということになった。土地を買収されたわけです。そこで、その五万羽を埼玉県から栃木県へ県間移転することを県に承認させた。この間、
政府の方にもこの話は十分通じたということで、地元ではけしからぬと言っておるわけです。この兜川鶏業は、その裏には味エサ会社がその資本を出しているとも言われております。これは味の素と伊藤忠の半々の会社であります。行政
指導をしたのかどうか、そういった点にメスを入れたのかどうかということが問題であります。こういったことがあるのは当局は十分承知だと思う。その点を明らかにしてもらいたい。
もう
一つの事例としては、岩手県の伊藤忠、すなわちCIファームも六十六ないし七十万羽いると言われます。うち十三万羽はやみ増羽と言われております。岩手県では自前の計画であるのでどうにもならぬということで官民黙認しているようである。こういうふうに地元の不信を買っておる。また、そう言われても仕方がないというのであります。
こういうふうに、いろいろ言えば切りがないけれ
ども、私が投書その他で掌握しているこの三つの事例を挙げても、当
委員会で去る六月十四日決議をした後、こういう大きなものは見逃して、依然として企業が続けられておる。一方では小さい
業者には
需給調整の厳しいメスを入れるかと思えば大きい方は見逃している。こういったことが行われていては、まじめな養鶏
業者が
需給調整していこうと思ったって、なかなかできない。正直者がばかを見るということが言われますが、この実態を知っておられるかどうか、また、これに対してはどう対処されるのか、簡潔でいいですからお答えください。