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磯邊説明員 過日の
大蔵委員会の
税制小
委員会におきまして、大島議員の御
質問に対しまして、本日の
大蔵委員会の日まで
調査して判明した点につきまして御
報告申しますということを御答弁申し上げたわけでありますけれ
ども、それによりましてただいまから御答弁申し上げます。
まず
フレーザー委員会のレポートによりますと、
日本へ還流されたらしいとされています金額百二十万ドルと百万ドルと三十万ドルがあったわけです。
この百二十万ドルにつきましては、御承知のように現地でそれに関する伝票類等が処分されておるのでこれは不明であるという言い方で、チェース・マンハッタン
銀行ニューヨーク支店の韓国
外換銀行東京支店口座に入ったということはほぼわかりましても、その細かい点は全く不明だということでございます。
それからいま御
質問の百万ドルの件でございますけれ
ども、これは四商社の現地法人から昭和四十八年、つまり一九七三年の一月二十九日に韓国
外換銀行ニューヨーク店のS・K・キム口座に払い込まれた。それが翌日、チェース・マンハッタン
銀行ニューヨーク店の韓国
外換銀行東京支店の口座を経て、チェース・マンハッタン
銀行東京店の韓国
外換銀行東京支店口座に振り込まれたわけでございます。この間、電信為替によって送金されています。
そこで私たちはまず、チェース・マンハッタン
銀行東京店の韓国
外換銀行東京支店口座にあります口座の
動きを見たわけでありますけれ
ども、この口座を見ますと、その当時、二月一日あるいは二月二日、このころはチェース・マンハッタン
銀行の
取引が一日に大体五百万ないし六百万ドル程度の規模の
取引であります。それでそのときに、その中でチェース・マンハッタン
銀行ニューヨーク支店の韓国
外換銀行東京支店口座から電信送金によって振り込まれましたのを見ますと、百万ドルございます。それに対しまして二月一日、二月二日、この二日間にわたりまして、フレーザー・レポートで述べられておりますファースト・ナショナル・シティー・バンク、バンク・オブ・アメリカ、この二行に対する出金というものを見たわけでありますけれ
ども、まず入金につきましては、その百万ドルはこれは確認できました。それから出金につきましては、二月一日にFNCB、つまりファースト・ナショナル・シティー・バンクでありますが、これが十八万ドルございます。それからバンク・オブ・アメリカにつきましては三十五万ドルあるということであります。これは先ほど申しましたように、大体五百万ドルないし六百万ドルの中から拾い上げたのがこの二つの金額であります。それから二月二日を見ますと、バンク・オブ・アメリカに対しまして二百七十五万ドルの出金があり、ファースト・ナショナル・シティー・バンクに対しまして百十四万ドルの出金があり、それから
三井銀行に対しまして百万ドルの出金があるということが判明したわけであります。
しからば、FNCB並びにBOA、それから
三井銀行、それぞれの店においてこれがどういうふうに動いておるであろうかということをわれわれはまた
調査いたしたわけでありますけれ
ども、まずファースト・ナショナル・シティー・バンクにおきましては、ただいま申しました十八万ドルと百十四万ドル、この二つの入金がございますが、それの出金、つまり借方を見ますと、これは輸出手形の買い取りとコールマネーの返済ということに相なっておるわけであります。
それからバンク・オブ・アメリカ東京店の韓国
外換銀行口座を見ますと、まずその入金につきましては、先ほど申しました三十五万ドルと二百七十五万ドルがあるわけでありますけれ
ども、それに対する借方、つまり出金を見ますと、ファースト・ナショナル・シティー・バンクと同じように、輸出手形の買い取り、コールマネーの返済ということになっておるわけであります。
それから
三井銀行東京店におきます口座を見ますと、これは二月二日に百万ドルの入金がございます。そしてそれが、もちろんそのかわり金として韓国
外換銀行に当時のレートで三億百四十八万円の円が渡されておるわけでありますけれ
ども、その二月二日の同日付で韓国
外換銀行はこれをまたバンク・オブ・アメリカに売りまして、そしてまたその円がなくなり、バンク・オブ・アメリカ東京店に韓国
外換銀行の口座として百万ドルの入金があるということでございます。
三井銀行で見ますと、これはたまたまその二日ほど前に短資業者を通じまして百万ドルの買い注文をしていたということが、ここで
取引が成立いたしまして、
三井銀行としては百万ドルのドルを買ったということになって、これは通常の為替
取引ではないかというふうに見られたわけでありますが、チェース・マンハッタン
銀行の東京店にあります韓国
外換銀行東京支店口座に入りました資金のそれぞれの
金融機関の資金の
動きは、以上のようでありました。
それから、もう
一つの流れといたしましては、四十八年、つまり一九七三年の五月三日から四日ごろにかけまして、韓国
外換銀行ニューヨーク店S・K・キム口座に振り込まれたと言われる三十万ドルでありますが、これにつきましては、フレーザー・レポートに述べられてありますように、韓国
外換銀行の
東京支店口座にそれが振り込まれておるというようなことになっておるわけであります。
現在われわれとしてまだ
調査中でありますのは、先ほど言いましたバンク・オブ・アメリカに振り込まれた百万ドル、最終的に韓国
外換銀行として持っている百万ドルというものがどういうふうに動いておるか、それからまた、韓国
外換銀行東京店に振り込まれましたと言われておる三十万ドルがどのように動いておるかということにつきまして、鋭意
調査をしておるということでございます。
しかし、何分にもこれは海外
取引の問題でもございますし、さらにまた、膨大な伝票を相手に
調査をしなければならないことでございますので、この点非常に
調査が難航しているということを御
報告したいと思います。