○国務大臣(砂田重民君) 後ほどまた
担当者からもお答えをいたしますが、基本的な点についてお答えをいたしておきます。
週刊文春の記事は
先生がお持ちのをプリントしていただいて、私いま初めて見たわけでございますけれども、警察等の
資料を見ましても、最近中・高校生の性非行を含みます問題行動がふえてきたというふうに認めざるを得ない、まことに遺憾な残念なことでございます。学校の場におきましてのことは、性の逸脱行動や暴力などの非行対策について、生徒
指導という観点から、各学校で、たとえば一人一人の生徒の抱える悩みや問題について、それを十分
先生たちに把握をしてもらう、また家庭や地域社会との連携を図りながら問題行動を早く発見をする、早く予防
措置を講じる、そうして生徒たちに対しましても、その心身の発達過程に応じまして、性教育を実際やっているわけでございまして、そういった教科書であるとか、副読本でありますとか、学習
指導要領の中に書かれておりますことでありますとか、そういったいわばひっくるめて教材といいますか、そのようなハードウェアは非常にりっぱなものができているわけであります。しかしそのことを子供たちに理解をさせる
担当をしていただく
先生方と子供たちの間に、どうも対話が不足をしてきている。せっかくそういうハードウェアがありながら、そのハードウエアを使っていわゆる
指導教育をするというソフトウェアの点で欠けているものがありはしないか。そういうふうなことから、ついせんだってもいろいろの通達をまた改めて出して注意を喚起したわけでございます。
文部省が通達を出したけれども、こんなことは言ってもらわなくともおれはやっているという
先生がいてくださることが私はありがたいことだと思う。しかし、そういう通達がだんだん県の
教育委員会から
市町村教育委員会、学校、校長
先生から
先生というふうにおりていって、ああこのことは手抜かりだったなあということに気がついていただくことを期待をしながら、そういう通達を出したりしているんでございますけれども、やはりこれらの問題行動の背景には、家庭におきますしつけの欠如でありますとか、あるいは性解放の社会的な風潮、あるいはまた社会における暴力肯定の風潮、こういったことが非常に個々の問題行動がありましたときのその背景、
原因等を調べてみましても、いま申し上げたようなことが非常に複雑に絡み合っているわけでございます。この文春の記事も滋賀県の野洲中学のことを取り上げていると思いますが、県の教育長を通じて、初中局の方でそのときに直ちにその背景、
事情等を聞いたわけでございます。また私も非常に気になる残念な事態でございましたから、すぐに政務次官を派遣してと思いましたけれども、ちょうど受験シーズンで、同級生たちがみんな懸命に受験準備をしている時期だったものですから、ちょっと時期をずらせまして、政務次官を派遣をいたしまして、学校、警察、家庭、また地域社会の方々、そういうところへ政務次官みずからが、大勢の方とお目にかかって話を聞いてまいったんですけれども、学校の
先生の見方と警察の見方が異なったりいたしまして、それだけに複雑な事態があると思う。私は基本的には文部行政を
担当いたしております私どもに大きな責任があって、いま申し上げましたハードウエアの整備と、それの
研修機会を
先生方にできるだけ持っていただく、そういう努力を続けてまいりますけれども、同時にやはりこういった悪を悪とする教育の
価値観というものを、政府も、社会も、家庭も一緒に持つんでないと、なかなかこういう事態を克服することがむずかしい、そういう感じがいたすわけでございます。私どもといたしましては、
先生方に十分そこの辺のところの
指導を強めてまいりまして、
先生方が自分たちだけで悩むようなことがないように、一人の
先生だけで悩むことがないように、学校全体として問題行動を早期発見をして、それで、それに対して学校全体で取り組んでいただく。同時に、家庭にも地域社会にも、学校から積極的に働きかけていく、こういう態勢をとって、天使がいるべきはずのところに野獣がいるわけですから、ひとつ最大の努力を傾けてまいろうと
考えております。